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猫背と口ポカンといびき

2023年12月14日

猫背は何故起こるのか。それは息をするのにその姿勢の方がしやすいからなのです。どういうことなのか。息をするのに空気は、基本的は鼻を通って、気道を通って、肺に空気を送り、その逆に息を吐き出します。鼻が狭くて、気道が狭いと色々な面で不利益がでます。

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感受性期

鼻が狭いと空気の通り道が狭くなります。何故狭くなるのか。それは成長期に鼻を構成する骨が十分に発達できなかったからです。鼻の下部は上顎で構成されます。上顎が大きくならないのは刺激が足らないから大きくならないのです。上顎は頭蓋を構成する骨です。頭蓋が最も発育するのはいつでしょうか?

3歳

赤ちゃんの産まれてきた時の頭囲の平均は33㎝です。1歳で45㎝、3歳で49㎝、6歳で50㎝です。成人男性で56㎝、女性で54㎝です。3歳で成人の9割が完成しています。この時期に刺激をしっかり与えないといけません。与えなくてもある程度はおおきくなるでしょうが、必要最小限になるか、逆に小さくなります。

廃用性萎縮

例えば、足の骨折で歩かないでいると足の筋肉は衰えますよね。足が細くなるのは何となくイメージできますよね。このように人間は使わないところはどんどん退行します。歩く、走るなどという刺激があることで機能を維持しています。

また哺乳!

では上顎の成長期における機能を高める刺激は何でしょうか。これが適切な哺乳になります。お母さんの乳首を唇と舌と上あごを上手に使って母乳を絞り出します。そして舌と上あごを使って食道に送り込みます。直接生き死にに係ることですから赤ちゃんも必死です。その運動が刺激となり上顎を大きくし、鼻を大きくするのです。間違った与え方ではその機能は獲得できません。また出のよい哺乳瓶では力使わなくても絞り出せますから刺激にも、飲み込むなどの機能獲得にも、役に立ちません。正しい哺乳をし、正しい哺乳瓶を選ぶことが肝要です。

口ポカン

哺乳の仕方が間違えていて、唇が鍛えられていない、上あごが小さい、鼻が小さいとなると鼻で呼吸しなくて口で呼吸して、いつも口がポカーンと開きます。こういう子どもは歯の表面が着色しやすいです。

哺乳は終わった、どうしよう、、、

哺乳の時期を過ぎてしまったら、何をして上あごを大きく、鼻を大きくするのでしょうか。それには前歯をしっかり使って食事をする。前歯を使わないと食べることのできない食事を提供することを意識してください。海苔で巻いたもの、春巻きで包んだ食材などどうしても前歯を使わないと食べれませんよね。そういうもので刺激を与えるようにしてみてください。食べている時は鼻で息をしています。よく噛んで食べましょう、と言います。それは正しいです。でもそれを水やお茶があるとすぐに流し込んでしまおうとします。せっかく前歯使って刺激を与えて上顎を、鼻を大きくしようとしているのに。食事中に水やお茶を飲むのは禁止するようにしてください。

だから開咬や受け口では刺激を与えられないからよくない

上下の前歯が噛んでいない状態、これを開咬といいます。受け口、上下の前歯で下の歯が前に出ている状態です。受け口、開咬では前歯で噛めませんから食育の前にこれを治療しましょう。

鼻を大きく

鼻腔は5歳で85%、9歳で90%、12歳で95%完成します。哺乳の時期を過ぎていてもまだ少しは大きくする見込みはあります。きちんと食育することで、上あごを前に成長させるように頑張りましょう。それができないと上あごの成長が前下方向に成長することになり上顎と鼻が大きくなりません。永久歯の生えるスペースが小さくなり、八重歯になったり、歯がガタガタにしか並ばなくなります。見かけ上の口元も、下顎より上顎がへっこんだ感じになります。

ガタガタな歯並び

上顎の歯のガタガタは子どものうちは歯を抜かずに、顎を大きくするための矯正力をかけてなんとかしたいものです。少なくとも成長がほぼ終了する前の14~15歳までに顎自体にアプローチしたいものです。下あごのガタガタも、上あごの成長のピークより後になるとはいえ同じように少しでも早く顎を大きくするよう、矯正力を使いたいものです。

気道が小さくなると

ヒトは生きるために呼吸します。呼吸するのに一番楽な状態で息をします。猫背になるのは猫背の方が呼吸しやすいからなのです。姿勢よくするより猫背になった方が、気道が広がるのです。顎先を前に突き出すようにして気道を広げているのです。顎先を前に出すと立ったり座ったりすると前のめりになるので、バランスをとるのに背骨が後ろに曲がるのです。

気道を狭くするのは

わかりやすい話でいうと、年齢を重ねると上下の奥歯が噛み合わさってすり減っていき、噛み合わせの高さが低くなります。低くなるとすり減りの程度が奥歯ほどでない前歯が先に当たって下顎が後ろに下がります。顎が奥に下がるとその内側にある舌も後ろに下がります。そうなるので気道が狭くなるのです。気道が狭くなることで就寝時にいびきをかくようになります。若くても歯ぎしりなどで奥歯がすり減ることもあって、いびきや睡眠時無呼吸症候群など引き起こすこともあります。

すり減り以外にも

親知らずが悪さをすることがあります。親知らずが前にある歯を押して歯並びを悪くします。そうすると歯が傾いたりしてどこかの歯だけが強く当たるようになります。そうなると顎が左右どちらかにズレます。左右共にズレることもあります。前にズレることはなくて、たいていは奥の方にズレます。親知らずはちゃんと生えていても、埋もれていても、影響することが多いです。

態癖

親知らずの他に交差咬合と呼ばれる噛み合わせでも同じようなことが起きます。なくて七癖といいますが、頬杖、うつぶせ寝、横向き寝、など知らないうちに顎、歯などに力がかかり、歯並びが悪くなって、噛み合わせの高さが低くなる、ということもあります。

カルシウム

加齢、態癖、歯ぎしり、親知らず、歯並び、色々な要因があって下顎が奥に押しやられて気道が小さくなります。みんながみんな猫背になるわけではありません。お年寄りはカルシウムの摂取などが減ったり、代謝が落ちるので、骨内のカルシウム量が減ることもあり、自重を支えられず背骨が曲がることもあります。骨粗しょう症も高齢の方に多いですよね。

顎関節症

下顎が奥に下がると気道が狭くなるだけでなく、顎の関節に歪をきたします。関節は骨と骨をつなぐ部位です。直接骨同士が接触しているわけでなく、その間に軟骨が介在して動きをスムースにしています。下顎が奥にズレると、頭と顎の間にある軟骨がズレて、骨同士が当たるようになります。そうすると骨は少しづつ変形します。顎を開けた時にカクっと鳴ったり、ミシミシ音がしたり、ジャリジャリ音がしたり、口を開けづらくなったりします。これを顎関節症と言います。

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どう治すのか

顎が後ろに行ってるのは、噛み合わせが低くなっていること、噛み合わせが悪くなっていること、親知らずがあれば、親知らずの影響、が考えられますからこれらにアプローチしていくことになります。親知らずに関しては抜歯になります。噛み合わせに関しては低くなっているのを元の高さにします。歯並びを良くするのに、歯の並びを小さくして並べると舌の置き場が小さくなってしまいます。そうなると舌が奥にいくので気道を小さくしてしまいます。ですから噛み合わせを高くし、歯並びを小さくせずに整えていくと顎の関節が良くなり、下顎と舌が前に出て気道を元の大きさに戻っていきます。

マウスピース矯正のメリット、デメリット

歯並びを改善するのにマウスピース矯正が有効とされています。それはマウスピースをすることで噛み合わせの高さが上がります。強く当たる部分も治療中にはなくなり歯が動きやすく、また顎の関節が楽なところに動きやすくなるからです。治療中でも歯ブラシしやすかったり、審美的に目立たなかったりしてメリットも多いのです。ただしきちんと装着時間を守らないとか、きちんと歯に適合させないと予想通りに歯が動かないです。決められた事柄を遵守しないとマウスピース矯正は上手くいきません。コンプライアンス遵守が成功のカギです。

 

歯ぎしりは治りません

2023年12月7日

朝起きると顎が疲れている、だるい。噛む筋肉がこわばっている。家族に歯ぎしりしていると言われた。歯がすり減っていてしみる。などなど夜間に歯ぎしりしている自覚的、他覚的症状でそんなに低い割合でなく診療所にお見えになります。

歯ぎしりの種類

歯ぎしりでもいろんなパターンがあります。ギリギリ音が鳴ってる場合は、前後や左右あるいは混ぜこぜに顎をスライドさせています。音が鳴らない場合もあります。グッと噛みしめている場合も歯ぎしりの一つのパターンです。これは音が鳴りません。

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何故歯ぎしりをするのか

虫歯のように細菌感染によるもの、などと明らかな原因がわかっていて、その原因を除去すればよくなる、という明らかな原因はわかっていません。広く言われているのはストレスが原因であろうというものです。大脳辺縁系と呼ばれる部分は理性を司っています。社会生活を行う上で決められたルールを守りヒトは生きています。脳幹と言われる部分はヒトの本能を司っています。寝ている時に呼吸できているのは脳幹が働いて、生きていくための活動をささえています。寝ている時、理性はおやすみしていて、本能の部分だけが働いています。

ストレスブレーカー

家には必ずブレーカーがあります。電圧が集中したときにはブレーカーが落ちて発火などしないよう防いでくれます。歯ぎしりは人体のストレスブレーカーと言われています。社会生活で受けているストレスはそれ相応皆さんあります。上手く発散してらっしゃると思いますがそれでも無意識にはため込んでいるものかと思います。意識のあるうちは理性が働いているのですが、理性が休んでいる就寝中に本能が浴びたストレスを発散するために歯ぎしりしているのです。ある種の自傷行為とも言えます。

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歯の硬さは上下同じ

噛みしめ、歯ぎしりは同じ硬さの上下の歯をこすり合わせるのですから、頻度が高くなると等量に減ってきます。金属と金属も同じです。金属と歯、セラミックと歯、など硬さの違うものは当然硬度の低いものの削れ方がきつくなります。いずれにせよ減っていきます。

ナイトガード

それを防ぐのに歯ぎしり用のマウスピースがあります。マウスピースは保険が適用されます。お口の型取りをしてオーダーメイドのマウスピースを作ります。歯のすり減りを防ぐものですから上か下か一方に装着します。上下一対ではありません。上下一対だと厚みも増してしまいます。口腔内の違和感も勘案して厚みは約1~2mmのものを私は採用しています。硬さもハード、ソフト2種類ありますが噛み合わせのしやすさ、すり減り具合のチェックなどからハードタイプのものを採用しています。保険で今のところざっと4,000円程度です。

既製品は

既製品のマウスピースがあります。硬い材質を熱いお湯で軟らかくして口に入れて、冷えてくるにつれ硬くなる、というものかと思います。適合が大雑把で噛み合わせの観点からも推奨はしません。

スポーツガードと違う

スポーツ用のスポーツガードは硬さで言うとソフトタイプです。競技によってその厚さが変わります。目的は接触競技で歯を外傷から守ることですから、歯はもちろん歯茎も覆います。学校などでこけたときなどの外傷の多くは上の前歯です。あとは唇。下の前歯は比較的少ないです。スポーツガードは上あごに装着します。上下一対のことはほぼありません。保険で作製した歯ぎしり用のマウスピースをスポーツに用いても全く効果はありません。

無呼吸症候群用のマウスピース

睡眠時無呼吸症候群用にマウスピースが用いられることがあります。これも保険適応されるのですが、無呼吸症候群治療されている医院からの作製依頼の紹介状がないと歯科医院ではお渡しすることは現行下ではできません。この装置は上下一対で下顎が寝ている時に後ろに下がらないようにすることを目的にしています。上下一対ですから歯がすり減ったり、歯ぎしりすることはありません。

ストレスない生活はある?

寝ている時の歯ぎしりを止めることはできません。人と交わらない生活ができたとしてもまた人恋しくなるのがヒトなんだろうと思います。何でもストレスになります。生活している時に歯を食いしばったりしていませんか。仕事や作業している時に無意識にかみ合わせているなんてことはないですか。通常唇は閉じていても歯は噛み合わさっていません。

安静位

上下2~3㎜開いているのが普通です。これを安静位空隙といいます。総入れ歯を作製する時などに用いたりする指標の一つです。日常生活で思い当たるようでしたらぜひ意識してやめてください。歯同士がくっついていたら離す!くっついていたら離す!このことを繰り返すことを意識下に埋め込めると、寝ている時の噛みしめが軽減される、という論文があります。自分でできる少しでも歯ぎしりのなくなる方法です。

歯ぎしりしている動かぬ証拠

歯ぎしりなんてしてない。家族に一度も言われたことない。とおっしゃいますが口腔内見ると一目瞭然でわかります。それでも否定なさいますけれど。

歯のすり減り

年齢不相応に歯がすり減っています。一番わかりやすいのは犬歯です。通常犬歯はその名の通り一番先が尖っています。それが平らになっています。少ししか減っていなくても顎を右か左かずらしてもらうと、反対側の犬歯の先とぴったり一致します。下の前歯もよく減っていて、舌で触ってもらうと尖っていたり、前にずらしてもらうと上の前歯とぴったり合います。

骨のでっぱり

上顎のど真ん中が出ていたり、下の内側の歯茎が出っ張っていたり、歯と歯茎の境目の直下の骨が出ているなど。噛みしめの力の強い方は骨が反応して増生してきます。悪いものではありませんが無くなることはありません。

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歯の付け根の凹み

歯と歯茎の境目の歯が虫歯でなく削れて凹んできます。噛みしめの力が集中して勝手に削れてきます。神経に近づきますから虫歯でないのに、滲みる原因になります。また歯茎が年齢不相応に下がります。奥歯が多いです。

虫歯でないのに知覚過敏

大抵は前の項と同じ理由です。

奥歯の詰め物の脱落に頻度が高い

同じところが頻回取れてきます。取れた詰め物は薄いです。当然接着面積が少ないので取れやすいです。顎の関節に近いので歯ぎしりすると力がギリギリかかるので取れやすいのです。

歯が割れる

神経を取った歯は強度が経年的に落ちてきます。枯れ枝が時間が経つとポキポキ折りやすくなるように神経を取った歯は、血管からの栄養供給が絶たれるので神経を取ってからの期間が長ければ長いほど弱くなります。歯が割れて抜歯した歯が多い方は噛みしめが強いと言えます。

定期健診していても虫歯や神経処置することが多い

思い当たる方はいらっしゃいますか。歯は骨とがっちり引っ付いているわけではありません。インプラントは骨とがっちり引っ付いてないといけません。噛むと歯はほんの少し動きます。そうすると歯と歯の間が微妙に開きます。噛みしめが強いとその動きが強くなり歯と歯の間の開き方が大きく細かいものが入りやすくなります。お手入れをしっかりしていただければ問題はないのですが、虫歯になるリスクが高くなります。

こういった兆候がある方は歯ぎしり用のマウスピースをされて就寝されるとよいでしょう。でも、歯ぎしり用のマウスピースをしたからといって歯ぎしりそのものが無くせる訳ではありません。あくまでも対症療法です。もう一つ、歯ぎしりの原因と考えられることがあります。それはまたの機会に述べたいと思います。

自分の口元が出ていると思いますか?

2023年11月30日

矯正の相談がある中で多いのが、八重歯など含んで歯並びがガタガタしている、というのと前歯が出ている、と2点です。他にも、上の前歯の間が空いている、受け口、などがあります。あまり関心がないよくない歯並びに、一番奥の歯がきちんと噛んでいない交差咬合や上下前歯をかみ合わせた時に隙間のできる開咬があります。

鋏状咬合って読めますか

交差咬合は一番奥の歯だけでなく、親知らずを除く奥から3番目の歯などにも現れます。それらの歯がきちんとあるべきところに萌出するスペースが無くて、下の歯だと舌側向きに、上の歯だと頬側向きに生えてきます。八重歯の奥歯版みたいな感じです。そのように萌出してくると上下の歯で噛む面積が無いか、ほとんど無い状態です。

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乳歯も大事

奥歯から3番目、第二小臼歯(これから5番と言います。前歯の真ん中から奥に向かって5番目にあるからです。)の前に生えていた乳歯が早くに虫歯などで早くに失われることが原因です。乳歯が早くなくなるとその前後の歯が、そのなくなったところに向かって歯が倒れてくるので、乳歯があった分のスペースが永久歯の萌出までに少なくなるのです。行き場がない永久歯が隙間のあるところに生えざるを得ないので歯並びが悪くなります。

親知らずはよくない

一番奥の歯が倒れて生えてくるのは、顎が小さくて生えるスペースが少ないからです。中には埋もれたままのこともあります。親知らずではないのに。この歯は第二大臼歯(これから7番と言います。)で、およそ中学生から高校生になるくらいに生えてきます。顎がそれまでに発育が悪いのと親知らずがある場合、親知らずが押し出そうとすることできちんと生えません。

ここにも哺乳

顎が大きくならないのは、遡れば哺乳の仕方が悪かったこと、離乳食の与え方が悪かったこと、普段の提供される食事、食材、食事の仕方など0歳からの食育に問題があるからなのですが、これらのことはは別のところでコラムとして記載していますのでご参照ください。これら交差咬合があると上手く歯ブラシできないので虫歯になりやすく、歯垢除去もしづらいので歯周病にもなりやすいです。

顎関節症

またそれらが原因で噛み合わせがよくなく、顎がズレます。顎関節症の原因、肩こりなどの不定愁訴の原因にもなります。見えないところですが、特に女性は筋肉の問題から顎関節症になりやすいので治療するとよいでしょう。見出しの漢字、せんじょう咬合といいます。親知らずの関与がありますから治療には抜歯は必須になります。

舌足らずなしゃべりかた

上下かみ合わせた時に前歯がしっかり空く方がいらっしゃいます。前歯で噛みきる麺類を食べづらい方はそれに相当します。また発音や食べ物の飲み込みする時に通常舌先は上の前歯の付け根の歯茎に付けます。上下前歯が空いてる方は舌先をその空いているところに入れ込んで飲み込みます。発音も、破裂音など空気をため込んで作る音をつくるのに歯だけで隙間を埋めれないので舌で埋めます。舌足らずな発音もそれが原因です。

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鼻閉

発音や嚥下(食べ物の飲み込み)のために開咬状態であれば治療されるとよいと思います。ただこの状況を引き起こしたのは先述の哺乳、離乳食、食育も関係していますが、鼻呼吸できていないことも影響しています。これは歯並びの悪い方すべてに当てはまります。口ポカンしているのは鼻が悪いことが多いので耳鼻科受診してみてください。

指しゃぶりと同じ

この開咬と呼ばれる状態を治療して改善しても、舌の動きが治療前のまま発音、嚥下していると歯は元の位置に戻っていきます。これを後戻りといいます。開咬と呼ばれる不正咬合を治療するには、歯を並べて咬み合わせると同時に、舌の動きを正していく訓練を行わなければなりません。毎日地味な訓練をしていかなければなりません。それなしで後戻りしますし、再治療してもまた後戻りします。唇を閉じないとか、舌を前歯に間に入れる、とか軟らかい筋肉であっても硬い歯を動かす力になります。幼児が指しゃぶりしていると前歯が空くのと同じです。

本当に上の歯、上の顎が出ているのか?

口元を下げたいとおっしゃる方がいらっしゃいます。そういう方は口を閉じるのに下唇を上唇近づけないといけないので顎先が緊張して、いわゆるウメボシができます。顎先に皺ができます。顎先の筋肉を過剰に使わないと唇を閉じれないのです。閉じれないくらい上の歯が出ているのでしょうか。

上の歯の軸はとても出ていますか

古い話で申し訳ありませんが、おそ松くんという漫画にイヤミというキャラクターが出てきます。時々CMなどで見かけることがあるかもしれません。あのイヤミというキャラクターのように前歯の軸が前方に出ているなら、その軸を内側に入れていくことで口元は下がると思います。ただあのような上の前歯の出た方はあまりいらっしゃいません。

上下間の関係

では上顎が前に出ているのでしょうか。顎そのものの上下の関係は3つ考えられます。

1上顎が前に出ている 下顎は普通の位置

2上顎が前に出ている 下顎が後ろに下がっている

3上顎は普通の位置 下顎が下がっている

何をもって出ているか出ていないかを判断するかは、頭蓋のレントゲンを撮影しその中の決められた位置を元にして診断します。成長ホルモンなどを分泌する脳下垂体を納めているトルコ按、骨と骨の接合部、眼窩下部、耳孔、などなどあります。それらの点、それぞれ結ぶ線などを元に日本人の平均的な数値を割り出し、頭蓋に対して上顎が前か後か、下顎が前か後かを分析します。

日本人のほとんどは

そうすると日本人では上顎が前にあることは少数で、むしろ下顎が後ろに下がっていることがほとんどなのです。横から顔を見てください。鼻先と顎先を結ぶと下顎は後ろにいってませんか。日本人は上顎がその線より少し前、下顎は丁度その線に乗るくらいがちょうどよいのです。上顎だけ後ろにいくように前歯を後ろに下げると、上も下も後ろにいくことになり、のっぺりした口元になります。我々の言葉でいうと口元が寂しい感じ、になるのです。

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骨の中でしか動かない

それでもやっぱり気になる、抜歯してでも前歯を後ろにしたい、ということであったとしても、それには限界があります。歯は骨の中にあります。骨の中でしか動かせません。骨から飛び出たら抜けます。日本人は歯を支える歯槽骨の幅が白人などに比べて薄いです。ということは動かせる移動量は限られます。また顎自体の大きさもありますから後ろに移動させられる量も限られます。頭蓋と大臼歯の位置関係も脳を守る観点から大きく変化させることができないことが日本人にはほとんどです。

下顎を前に出す

先程も述べましたが下顎が後ろに下がって、相対的に上顎が前に出ているように見えますから下顎を前に出すことで上顎の突出感を少なくすることが、よりよい選択のように思います。下顎が後ろに下がっていると顎関節に負担がかかり顎関節症の原因になっていますし、噛み合わせが深くなる傾向で舌が後ろにへっこみ、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因にもなります。また気道が狭くなり猫背になったり、背骨のバランスを保つために腰痛や肩こりの原因になります。

前へ

下顎を前に出すと顔貌だけでなく様々な症状の改善が見込めます。その分奥歯がかみ合わなくなりますから、前歯を治すために奥歯を噛ませる治療になります。もちろん歯の軸の修正もします。抜歯せずに済むかもしれませんし治療期間も短くできるかもしれません。

でもやっぱり前歯が

とおっしゃるのであれば、鼻を高くするというのもありかもしれません。そんな、と思われるかもしれませんが、日本人の鼻はたいていだんご鼻です。鼻を高くすることで上顎が相対的に引っ込みます。いやいや、そんなことでなくて、やっぱり口元をもっと下げたい、というのであれば、歯ではなくて骨格にアプローチした方がよいです。

外科矯正

骨を切り取り後ろに下げるのです。先述のように歯を動かせる量には限界があります。外科矯正というのがあって、術前にどれだけの骨を削合して後ろにもっていくかをシュミレーションできます。歯を動かすよりもダイナミックに後ろに下げれて、しかも短期間に終了できると思います。自費治療になりますし、おいそれとはできませんので大学病院などでの治療となります。求められる自分の口元のイメージと診療所でできることに乖離がある治療は上手くいきません。口元がとっても気になる方は外科矯正をまず検討されるとよいでしょう。

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歯の痛みに鎮痛剤、とは限らない

2023年11月23日

とりあえず痛み止め?

虫歯ならそれもよし

歯が痛くなると、取り合えずは家にある痛み止めを服用される方も多いのではないでしょうか。痛みを起こす原因によって用いる薬の種類も変わります。熱いものや甘いものが滲みたりしてズキズキしたりするときには虫歯が進行していることが多く、神経に触るような痛みなのですがこの場合には鎮痛剤を用います。カロナールとかロキソニンとかがよく知られています。虫歯の穴が開いているまま飲食するとその飲食物が神経近くまでいきますから刺激となって痛みが起こります。ですから鎮痛剤を服用するだけで痛みが治まらないこともあります。神経を刺激から遠ざけ、かつ神経を鎮静させることが肝要です。もちろんそれだけでよくなるのではなく一時的に痛みを治めるだけではあるのですが、神経を鎮静させることで処置する時の麻酔が効きやすくなります。

詰まっても痛みます

歯と歯の間の隙間に物が詰まって痛むこともあります。食事するたびに食べ物が歯と歯の間に押し込まれていくので歯茎に炎症がおきます。ですから歯ブラシすると歯茎から血が出ます。この場合、鎮痛剤を服用してもあまり効果はありません。歯間ブラシやフロスを上手く使って歯と歯の間に詰まっている食物を取りましょう。歯と歯の間に物が詰まる原因には虫歯、歯が欠けた、歯が割れた、などが考えられます。ですから食べ物が詰まらないように治療された方がよいと思います。歯と歯の間が適切な接触状態になれば物が詰まることはなくなり、歯茎の炎症は消失します。

噛むと痛い

割れてるかも

噛むと痛いときは色々考えないといけません。歯が割れていることがあります。歯が割れることは神経を取っている歯に多く見られます。ですが噛みしめの強い方(エラの張った方など)では何の処置もしていない綺麗な歯が割れてくることもあります。割れた状態にもよるのですが、抜歯しないといけないこともありますし被せることで何とか抜かずに済む場合もあります。割れている部分を除去することで噛んで痛むことはなくなります。抜歯出ない場合、除去する部分の大きさにもよりますが鎮痛剤だけで済むことが多いです。

神経なくても痛みます

歯の神経が取ってある歯、歯の神経は残っているがダメになりかけている歯は鎮痛剤の服用だけではよくなりません。歯の付け根の部分で炎症が起こっているので炎症を抑えるために化膿止め、いわゆる抗生剤を服用します。抗生剤は血中の濃度が高まらないと効果が見込めません。ですから即効性はなく効果が出始めるまでは鎮痛剤と併用していただくことになります。血中濃度が高まるまでおよそ一日くらいかかります。服用したりしなかったりでは血中濃度は高く維持されませんから効果が出ません。神経がない、あるいはダメになりかけているということですから麻酔は効きにくいです。しっかり服用していただくことをお勧めします。鎮痛剤と違って市販されていませんので医院へ来ていただかなければなりません。

麻酔を効かすために

治療は神経のあった根の中の感染源を取り除くことなのですが、かぶせ物の中に大きな金属の土台が入っていると根の中をきれいにすることに取り掛かる前にそれを取り除かねばなりません。ですからすぐに痛みを取り除くことはできないことが多いのです。取り組もうとしても先に述べたように時間がかかります。急な痛みでご連絡いただいても処置する時間が相当に要りますし、麻酔も奏功しづらいのでとても対応に苦慮するところです。

親知らずは忘れたころに

親知らずの腫れは、鎮痛剤だけでは痛みは引きません。親知らずの周りの歯茎に炎症が起きていますから化膿止め、抗生剤を服用します。歯茎がはれていると反対側の歯がその歯茎に食い込んで噛むと痛むこともあります。その場合は口が開かないことが多いのですが嚙み合わせを調整することで歯茎に当たらないようすれば少しマシになります。根本的には親知らずを抜歯されるとよいでしょう。

歯ぐきの腫れ

歯周病などで歯茎が腫れる場合も化膿止めで炎症を抑えます。腫れがきついときには切開することがあります。化膿している場合には早く切開した方がよい場合と、薬で炎症を抑える方がよい場合があります。

入れ歯の痛みは薬じゃ無理

入れ歯が擦れて痛むので薬が欲しいとおっしゃることがあるのですが、飲み薬ではよくなりません。物理的に擦れているのですから擦れないように入れ歯を調整しないとよくなりません。入れ歯の歯茎の部分が噛んで痛む、取り外しで痛む、場合には医院に来ていただきて調整するしかありません。

薬剤耐性菌はいつの世も

抗生剤は常に耐性菌の問題が付きまといます。できれば皆さんも服用せずに済めばそれに越したことはありませんよね。耐性菌が出てきて抗生剤が効かなくなっている、という話を一度は聞かれたことがあると思います。これは何も大きな病院、難しい病気だけでなく乳幼児の中耳炎、とびひ、などで用いる抗生剤でも耐性菌は出てきています。抗菌剤を使えば使うほど耐性菌が増加しますから使わずに済ませたいのですが、そうはなかなかいきません。痛みから早く解放されたいですよね。日本感染症学会、日本化学療法学会では、歯科についての感染症の基本薬剤はペニシリンとされています。ペニシリンアレルギーのある方には第二選択としてマクロライドやキノロン系薬剤があり、当院でもご用意できますのでペニシリンアレルギーのある方は必ずお伝えください。

妊娠、授乳期のお薬について

安全な消炎鎮痛剤は残念ながら存在しません。比較的安全とされているのはカロナールです。これ以外の選択肢は今のところないです。鎮痛効果は残念ながらロキソニンやボルタレンに比べると劣ります。妊娠時に用いる抗菌剤ですが、これも危険性のないものはありません。アメリカの歯科医師会の危険区分で、安全性は不十分だが危険性はないという区分に入っているのがペニシリン、ジスロマック、とされています。何か持って回った言い方で釈然としませんね。国立成育医療センターが授乳中に使用して問題ないとされている抗菌剤がアモキシシリン、アジスロマイシンなど 鎮痛剤がロキソプロフェン、アセトアミノフェン、などとしています。当院で用意できます。

安定期に

それでもできるだけ服用せずに済ませたいものですが、どうしても痛みがある場合には妊娠時には安定期に治療するとよいです。妊娠初期、後期は避けましょう。授乳期の治療は母乳への移行はありますが、安全とされている薬剤がありますから治療に消極的になる必要はありません。

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サラサラの薬と骨粗しょう症

心臓疾患、脳卒中、動脈硬化などでいわゆる血液サラサラの薬、抗凝固薬、抗血小板薬を服用されていると、抜歯などの観血的処置を行うときに薬を一時的に休んでいただく、ということがありましたが、現在では薬を休むことなく服用していただくようになっています。そのために止血するのに時間はかかります。服用している時間をずらすなど考慮していただくことになります。特に同じ効果を出すのに複数の薬剤を使用している時にはそれだけサラサラになっているので注意を要します。

合併症

最近では骨粗鬆症のお薬を服用されている方も多くいらっしゃいます。抜歯など観血的処置する場合には気をつけないといけません。傷口の治りがよくないことがあるからです。糖尿病、関節リウマチ、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、人工透析、貧血、骨軟化症、ビタミンD欠乏症などが素因としてもってらっしゃるとその率が上がります。かといって必要であれば処置はしないといけないのですが、その進行度が高いと口腔外科での加療をお勧めします。用いる抗生剤ペニシリンになります。

我慢はしなくていですが、少々なら

歯科で用いる薬剤はさほど多くありません。できるだけ抗生剤の服用は避けたいところですがやむを得ない場合には躊躇なく服用条件を守って使っていただきたいと思います。

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接触競技にマウスガード(スポーツガード)は必要です

2023年11月16日

歯をぶつけた

学校での歯や口の外傷の件数が多く、特にスポーツにおける歯、口の外傷は小学生から中学生、さらに高校生へと年齢が上がるにつれて重症化する傾向にあります。歯、口の健康は食事、会話、審美性、運動能力など生涯のクオリティー・オブ・ライフ、すなわち生活の質に直結しますので、子供たちの自身の危険回避能力を育成することが重要となります。

その対策の一つとしてマウスガードの装着があります。いわゆるスポーツガードのことです。マウスガードは歯、口のケガの防止や軽減化を図ることが可能であり、スポーツ中の安全確保に役立ちます。残念ながら子供同士で遊んでいる時や、体育の授業などはマウスガードすることはないですから、そういう状況での不慮な外傷の対応は難しいのが本当のところです。

なぜマウスガードが必要なのか

運動やスポーツ中のケガにより、欠けたり抜けたりした歯は治療しても元の状態に戻すことが困難になります。治療を受ける場合にも長い時間や費用がかかり、また何より歯の寿命が短くなる可能性が考えられます。これらの対策の一つとして、歯、口のケガが発生する確率を低くすることができるマウスガードがあります。

歯、口の外傷には様々な種類があります。

歯の破折 歯が折れたり、その下の根の部分が折れたりすること

歯の脱臼 歯に外力がかかり、歯が抜けたり飛び出たりすること

歯の嵌入 外力により歯が顎の骨の中にめり込まれること

顎骨骨折 顎の骨が折れた状態 症状として患部の痛み、腫れ、出血、嚙み合わせの異常がみられる

顎関節脱臼 顎関節部の痛み、顎の動きの制限(口が閉じれないなど)がみられる

軟組織の損傷 口の周りの皮膚や粘膜にみられる外傷 頬粘膜、舌、歯肉、口唇など

対処法あれこれ

歯のかけ具合でも治療が大きく変わることがあります。

歯にヒビが入った、程度であれば様子をみることが多いです。その部分だけ詰めることは可能ですが削るというダメージを更につけたくないのです。

小さくかけている場合

程度にもよりますが、虫歯治療で詰める白い材料で修復することが多いです。破片を持ってきていただいても小さすぎて引っ付けられないこともあります。欠けているのは大抵歯の薄いところか、先っぽです。そういうところ、部位は詰めたとしてもまた小さな衝撃で外れることが多いです。

大きく欠けた場合

大きく欠けると、それを持ってきてもらって元の歯に位置付けることは比較的たやすいです。ただわかりやすいくらいですから、神経までの距離が近い、あるいは露出していることもあります。症状によっては神経処置をしなければなりません。神経処置せずに済んでも後日神経がダメになっていくこともよくあります。

上手く破折片を歯に付けられたとしても、やはり噛みしめの力などで外れやすいのです。そうなると一般的に言われる、差し歯、を若いうちから装着しなければなりません。歯茎も加齢と共にその位置が変化しますからある程度の年齢になればやり直す必要が出てくるかもしれません。

口腔外科受診も

歯が飛び出たり、めり込んだり、骨が折れたり、唇がとても腫れたりしたときには、口腔外科で治療してもらう必要があります。

歯には何の変化はその時なくても、時間の経過と共に歯の色が茶色くなってくることもあります。ぶつけた衝撃で歯の神経が根元で切れてしまうことがあるからです。これはその時レントゲンを撮ってもわかりません。時間が経ってからでないとわかりません。

保護者の皆様へ

子供たちが安全に体育やクラブ活動などの学校生活を送るためには様々な注意を払う必要があります。しかし体育やクラブ活動中に起こる歯、口の外傷を100%防ぐことはできません。万一のケガの症状を軽減させ、安全性を高めるのがマウスガードです。

その他にマウスガードは選手自身の噛みしめによる歯のすり減りや歯の破折の軽減や予防にも効果があり、また対戦相手と接触した際の相手選手へのケガの軽減効果等も期待できるため、体育での授業での使用も望まれるところではあります。

保険適応外ですが、子供の将来への保険

マウスガードを歯科医院で作製するとき、保険適用外となります。しかしスポーツ中の事故で歯の破折や脱落が生じると子供たちのその後の人生において肉体的、精神的に大きなダメージを与え、スポーツへの接し方や社会生活にも大きな影響を与えることが考えられます。そのためにも精密で外傷予防効果が高いカスタムタイプのマウスガードを歯科医院で作製する方が良いでしょう。

市販のマウスガード

市販のマウスガードの多くは平均的な大きさで出来ていて、熱を加えて軟らかくなる素材です。マウスガードを熱湯につけて軟化してそれを自分の口の中にいれて形づくります。温度が下がるとその形で固まります。

安価で手軽に購入、使用できますが適合が悪いことから外れやすい、しゃべりにくいなどの問題があり、また歯を守る効果は低いと考えています。

オーダーメイド

歯科医院でのマウスガードは歯型と嚙み合わせを採取させていただき、その模型をもとに精密に作製します。専用のシートと専用の加熱成型機を使用して作製します。個人個人の口に合わせて作製するので適合がよく、外れにくく、違和感も少ないです。

色もある程度選択してもらえます。ですが、グラウンドや体育館、など大きい場所で紛失してもわかりやすいよう、あるいは対外的に認識してもらいやすいように派手な色を選ぶ方がよいと思います。

宇治市 歯医者 mouth guard なかむら歯科医院

外傷の多いスポーツは何でしょう

中学、高校で口腔周囲に関する外傷の多い種目

バスケットボール

野球・ソフトボール

サッカー・フットサル

バレーボール

ハンドボール

テニス

ラグビー

バドミントン

球技スポーツが比較的多いです。ボール、バット、ラケットなどが当たる可能性が高いからです。接触競技に関しては使用されていることが多いです。

義務化、推奨、許可という段階で使用されています。

完全義務化

アメリカンフットボール、ボクシング、キックボクシング、ラクロス、テコンドー、総合格闘技、極真空手

一部義務化

アイスホッケー、空手、ラグビー

推奨

モータースポーツ

許可

バスケットボール、硬式野球、柔道、ハンドボール

 

カスタムマウスガード作製の流れ

今まで記したようにお話して型取り、噛み合わせ関係の確認を一日で行い、次回に口腔内に装着します。当たる場所がないか、均等な噛み合わせになっているかなどを確認します。そして使っていただいて経過観察していくという流れになります。

使っているうちにすり減りなどで噛み合わせのバランスが崩れることもありますから定期的なチェックが必要です。成長期だと顎の大きさが変わります。使用頻度もそうですが成長に合わせて作り直すことも必要です。競技によりその厚みなどは変わってきます。極真空手などは指定された歯科医院でのみ作製されているようです。

お手入れ

取り外しできる矯正器具の洗浄剤やスプレーを使用して定期的に洗浄し、その後水道水で洗い流し、少し湿った状態で専用のケースで保管してください。夏場の車の中など高温なところでの保管、熱湯での洗浄などすると変形の原因になります。またあまりに乾燥した状態が続いてもよくないので保管方法には十分注意してください。

まだ治療中

歯を治療したり、矯正治療されていると歯の形、位置がずれたりするとスポーツガードの適合が良くなくなりますから本来は治療が終わってからの方がよいです。ですが、青春時代は一回きりです。できるものであれば何とかしてあげたいと思っています。

人と違うのは嫌、と思春期には思いがちです。でも将来のことを考えると接触競技をされているならマウスガードの使用は是非検討してみると良いと思います。

宇治市 歯医者 mouth guard 2 なかむら歯科医院

 

正しいブラッシングできたかを確認するには

2023年11月9日

正しいブラッシング方法が知りたい

歯磨きは虫歯や歯周病を予防するために歯垢(プラーク、歯の表面に付着している細菌のかたまり)を取り除くことが大切です。歯は平面でなく凸凹した状態で並んでいます。そのため歯磨きの時は歯ブラシの毛先を汚れが残りやすい歯と歯の間や歯と歯茎の境目にしっかり当てると効果的です。歯ブラシが広がらない程度の優しい力で1~2本ずつ丁寧に磨くことを心がけてください。

ゴシゴシ大敵

歯ブラシをして、ゴシゴシとかシャカシャカとか音がするくらい歯ブラシを動かすのはNGです。しっかりと当てたいところに当たっていないことが多いです。歯ブラシの動かし方が大きいと、特に歯と歯の間に歯ブラシの毛先が入っていきませんからしっかり歯垢が取れていない可能性が高くなります。せっかく歯ブラシするのですから効率的になるようにしたいものです。歯垢が取り切れないと歯茎に炎症を起こして歯周病を引き起こします。また、取り切れない歯垢に唾液の中に含まれるカルシウムが取り込まれていき、それが硬くなって歯石が形成されてしまいます。歯石もまた歯垢が付着しやすくなる表面性状になりますから歯周病の原因になってしまいます。
定期的な歯垢、歯石除去が必要です。

プロケア

お口の状態は一人一人異なるのでかかりつけの歯科医院で専門的なケアを受け、歯の表面をきれいに保つようにしましょう。歯並びがよくないと特に自分だけのセルフケアでは磨き残しがでやすいですから歯周病のリスクが高まります。セルフケアとプロフェッショナルケアを組み合わせて歯周病のリスクを減らしましょう。
ポイント
ブラシの毛先は45~90°の角度で当てましょう。
ヘッドは大きく動かさず、小刻みに揺らしマッサージするようにしてください。

普通の歯ブラシと電動ブラシどちらがよいのか

使い方次第でどちらでもよいのです!
歯垢(プラーク)や汚れを落とすためには普通の歯ブラシも電動ブラシも毛先が歯や歯茎の境、歯と歯の間に当たっていることが大切です。歯並びや握力などによってその人に合う、合わないがあります。手で動かす方が奥まで磨ける人もいれば、電動の方が細かく汚れを落とせる人もいます。
ブラシの付いているヘッド部分の形や大きさも関係していますので、自分にはどういう歯ブラシが向いているのか、歯科医院で相談してみてください。後述する補助的清掃具を併用することはどちらを使っても同じです。私自身について言えば電動ブラシを使っています。しっかり歯垢を取ろうとすると時間がかかります。普通の歯ブラシでは疲れてしまいます。

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舌先は鋭敏

歯を舌で触ってツルツルになるまで磨きます。歯と歯の間は隙間が狭くて舌で触ってもよくわかりません。舌で触るのは歯と歯の境目と歯の表面全体です。歯垢が残っているとザラザラしています。最初はわからなくてもだんだんツルツルな面とザラザラしている違いが分かってきます。ツルツルになるまで磨くとそれなりに時間がかかります。一回に付き7~8分くらいは磨いていると思います。取れてないなと思ったら10分くらい磨いていることもあります。歯磨剤を少し付けていますから口に中に唾液が溜まってきますから途中で吐き出します。
ポイント
舌で歯の表面、歯と歯茎の境目を触ってみる習慣をつけましょう

毎日どのようなタイミングで歯を磨けばよいか

一番大切なのは寝る前の歯磨きです。寝ている時は唾液があまり出ません。唾液は細菌が歯の表面に付着しにくくする効果、免疫作用をもっています。その作用が働きませんから、寝ている間に虫歯菌や歯周病菌がたくさん増えるからです。次に大切なのは朝起きた時の歯磨きです。寝ている間に増えた菌を減らしましょう。朝起きた時に口臭を感じることもあるかと思いますが、それは就寝時に唾液が少なくなり最近活動が活発になっているからなのです。

毎食後の歯磨きも出来る環境ならしてください。

朝に二度磨くのか、ということですが、ちょっと手間ですから起床後は水でよいので十分に洗口をして朝食後に歯磨きなさるとよいでしょう。夕食後も、洗口にとどめ就寝前に十分な歯磨きをするのでもよいと思います。大切なのはしっかり歯垢を除去することで、まずはその習慣を付けましょう。
ポイントは
寝ている間に口腔細菌は繁殖するので寝る前の歯磨きはしっかりと

フロスと歯間ブラシ

これは必須です。歯ブラシだけではどうしても磨き残しが出ます。それが歯と歯の間です。そこを補助的清掃具を歯磨きの際に必ず使用する習慣を是非身に付けてください。

フロスのやり方

フロスを歯と歯の間にゆっくり入れたら隣り合った歯の両方の面を磨くように動かして歯垢(プラーク)を取り除きます。勢いよく入れると歯茎を傷つけてしまうので注意しましょう。ホルダータイプを使用する場合は、フロスに付いた歯垢(プラーク)を水で洗い流してから次の歯を掃除します。ロールタイプの場合は使用した部分を指に巻き付け、糸をずらして新しい部分で操作を繰り返します。血が出る場合や、糸がひっかかったりする場合は、歯周病の疑いや虫歯ができていたり歯石が付いていたりする可能性があるので、歯科医院に相談してみてください。またフロスの仕方が難しい場合は当院で指導させていただきます。

歯間ブラシ

歯と歯の間が比較的空いている場合にはフロスよりも歯間ブラシの方が有効です。歯と歯の間の隙間は場所により様々です。一つのサイズでないことが多いです。種類が多くなると使い分けるのが大変です。使い分けが面倒なら、一番小さいものを選び。隙間の大きいところは歯の面に歯間ブラシを押し当ててよごれをこすり取る意識で動かしてみてください。小さい隙間に大きな歯間ブラシを入れると歯茎が痛んで隙間が大きくなりますから、きちんとサイズを選ぶことが大切です。サイズ選びがわからなければ受診時にこちらで確認させていただきます。
ポイントは
フロスも歯間ブラシも最低1日1回歯磨き後に使いましょう。1回なら就寝前に
歯の着色は磨いても取れません。

着色は一生懸命歯ブラシしても取れません。

歯の着色は、歯石やお茶のステインなどが歯の表面に付着していることが多く、口呼吸などによって乾燥すると付着しやすくなります。歯科医院での専門的な口腔ケア(PMTC 歯科医師。歯科衛生士の手によって専門の機械を使って歯を磨き上げること。)できれいにすることができます。また、乳歯と永久歯が混在する時期は、乳歯の方が白いため永久歯の色が黄色く見えることがあります。ただし虫歯や外傷などによる神経の壊死などの場合もあるため、気になった時はご相談ください。

ちゃしぶ

習慣的に摂取することで歯の表面に付着しやすい飲食物があります。コーヒー、紅茶、お茶、など。コップについた茶渋、ありますよね。それといっしょです。人によって付きやすい人、付きにくい人など個人差があります。なかなか嗜好をやめることもできません。口ポカン(口呼吸)をやめる努力をしてみてはいかがでしょうか。

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口臭の原因の一位はプラークの磨き残し

口臭の原因には虫歯、歯垢(プラーク)、唾液不足、などがあります。虫歯の原因にもなる歯垢(プラーク)は歯の表面にくっついて臭いを発しますので歯をしっかり磨きましょう。また口呼吸などでお口の中が乾燥した場合も口臭が発生します。お口がポカンと開いていないか注意してみてください。
生理的な口臭、空腹時、思春期、などでも口臭は発生します。虫歯や歯周病が該当しないこともあります。

鎮痛剤で腫れは治りません

2023年11月2日

先生、腫れました!

口の中の歯茎や鼻の下、頬骨の下、顎の下などが腫れたりして診療所にくるきっかけになる方が多くいらっしゃいます。腫れるのは身体の防御反応ですから悪いものではありません。とはいえ防御機構が働くのですからそれを発動させる異物、起炎物質(炎症を起こさせる物質)がその場所に存在しているのです。

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ズキズキするのは

身体にとって良くないものですから、身体を守ろうと身体中から免疫細胞を血管に乗せて送り込んでくるのでズキズキします。免疫細胞が敵役と戦い勝利すれば腫れ、すなわち炎症が収まってきます。免疫細胞をいっぱい送り込むために血管は大きくなりますから、脈を打つことは免疫細胞をたくさん送り込んでいることなのです。やっつけた残骸がいわゆる膿と呼ばれます。膿がたまっていくと腫れは大きくなります。膿を出す出口があれば腫れは小さいです。出口が無いと中で溜まりますから腫れがきつくなりますしズキズキ感が増します。

風船

表皮や粘膜のすぐ下に膿があるとわかれば少し切れ込みを入れると膿が出てきます。一時的に痛みはありますが内側から膨張しようとする力が無くなりますからグッと痛みは引きます。膨らみ切らない風船に水を入れて針で穴を開けようとしても風船の厚みで割りずらいですが、大きく膨らませて水を入れた風船は厚みが薄くなっていますから僅かな切れ込みや刺激で割れます。そうすると風船は萎みますよね。傷口自体もそう大きくせずに済みます。とはいえ、それだけ膿が溜まっているのですから溜まり切るまでの時間、痛みや腫れはあるわけです。炎症がまだそれほどきつくない時期に対処できると腫れたりするリスクはぐっと減ります。治療中の歯でも、それまで痛みのない歯でも、治療がすんでいる歯でもそれは起こりえます。

抗生剤と鎮痛剤

腫れている時に有効なのは抗生剤です。抗生剤は炎症を抑制するために用います。ターゲットとする細菌をやっつけることはもちろん、免疫細胞の働きを助け溜まっている膿を老廃物として血管に戻しその場から立ち退かせようとします。第一選択として合成ペニシリンが歯科では選択されます。ペニシリンアレルギーがある方もおられるので、それに近似した抗生剤もありますが薬剤そのものの効果はペニシリンの方が有用とされています。

第一選択

薬剤耐性という言葉をお聞きになったことはあるかと思います。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)とかバンコマイシン耐性腸球菌(VSE)とか。ウィルスもそうですが微生物の方も生き残ろうと必死ですからその構造を変えていきます。既成の抗生物質に耐性を獲得して薬の効果が出なくなくなります。歯科治療で耐性を持った細菌が原因で治療が難治化することはあまりありません。一般的な第一選択であるペニシリン系のもので対応することが多いです。そのペニシリンで効果が出にくいこともあります。抗生剤にもいろいろな種類があります。もとはペニシリンですがそれを元に化学構造を変化させています。それぞれ得意とするターゲットが、つまり細菌ですが微妙に違います。ペニシリンの効果が出にくい場合には抗生剤の種類を変えます。

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第二選択

各医師によりどれを第二選択にするかはまちまちですが、私はキノロン系とよばれる抗菌剤を第二選択にしています。身体に合う、合わないがありますから、念のため第三選択まで当院は用意しています。原因となる細菌も複数のこともありますから症状の改善に時間がかかることもよくあります。ちなみにですが抗生剤はウィルスには効果がありません。インフルエンザ、コロナウィルス、ヘルペスウィルスなどです。こういったものには抗ウィルス薬が必要で歯科では処方できません。

鎮痛剤で炎症はよくならない

腫れる前には痛みが大抵あります。痛みが先行して発生し、1日~2日くらい遅れてその場所が腫れてくることが多いようです。虫歯だと腫れないことが多いのですが虫歯が大きくて神経のダメージがかなりある場合には腫れてくることがあります。歯医者はなかなかいきたい場所ではありませんから多くの方は家にある鎮痛剤を探して服用されるのだと思います。市販のイブ、ロキソニン、バファリンなどがおそらくそれに相当するのでしょう。

どうしてもの時に

鎮痛剤は一般的に痛み止めになります。痛覚を司る神経に作用して痛みを和らげます。神経に作用しますが腫れている部分に効くのではありません。炎症を抑える効果は多少ありますが、本来の役割ではありません。原因に対して作用しているのではありませんから腫れは引きません。腫れているときは素直に嫌でも受診されることをお勧めします。

トップ3

親知らず 智歯周囲炎

腫れと言えば一番思いつくのではないでしょうか。本来人間には親知らずがきちんと生えてくるだけ顎が大きかったのですが、文明の発達と共に摂取する食事の軟食化が進んで顎が小さくなっていき、親知らずが真っすぐ生えてこれなくなりました。それよりちょっと前に生えている大きな歯のように完全に生えきれないので、親知らずの周りの歯茎との間に炎症を起こし歯茎が腫れるのです。ちょっとした磨き傷、体調不良、ストレスなどで腫れます。抗生剤を使って炎症に対応します。

抜歯も考えましょう

生えきれない親知らずが原因ですから一時的に炎症が収まったとしてもまた腫れる可能性があります。根本的な治療は抜歯になります。抜かずに済ませたいところですが、あとあとのことを考えると痛んでいない時期に抜歯されることをお勧めします。きちんとまっすぐ生えていて、かみ合わせる反対側の歯があってちゃんと噛んでいるなら一考してもよいと思います。

歯周病

歯周病が進行していくと歯を支える骨が無くなっていきます。健常だとその骨の上に歯茎が薄く乗っているのですが、炎症があると歯茎が腫れます。厚みがでます。歯茎の厚みが薄いとは歯周ポケットがほぼ無い状態、厚いとは歯周ポケットが深い状態です。服のポケットが小さくて浅いと物が入りませんよね。逆にポケットが深いと物がたくさん入ります。歯周ポケットでいうと、浅いと歯ブラシでその中の汚れが取りやすい、深いと汚れが残りやすいということです。残った汚れが溜まっていくと腫れる、ということです。腫れるきっかけは体調不良、ストレス、磨き傷など、どれということはありません。ちょっとしたことがきっかけになって腫れます。

抜歯にならないためには

これも抗生剤で炎症を抑えるのですが、歯が浮いたようになるので噛んで痛い場合にはかみ合わせの調整をします。炎症が治まっても歯周病を治さないと繰り返す可能性が高いです。歯を支える骨がほぼ無いときには炎症が治まったら抜歯、重度の歯周病の場合もその可能性が高いです。中等度であれば局所麻酔下で外科的な歯周病治療を行います。普段から定期的な口腔内メンテナンスと家でのセルフコントロール、すなわち効果的な歯ブラシが必須です。歯ブラシはしていても効果的な歯ブラシでないとしていないのとなんら変わりません。虫歯と違ってなかなか完治することは難しい病気です。自覚症状が出てきた時にはかなり進んでいると思っていただいて構いません。

根尖病巣 根尖性歯周炎

虫歯が進行してしまい歯の神経まで達してしまった場合、神経治療はしていてもその歯が再度虫歯になってしまったなどの場合に歯の付け根あたりが腫れます。神経を取る治療をしていると虫歯が進行していても滲みるという症状がありません、神経を取っていてもきちんとケアしていないと虫歯になります。口の中の細菌が虫歯のところから奥の方、奥の方と進行していきます。根の先までいくと細菌は血液から栄養をもらえます。外敵がいませんからとても住みやすいのです。細菌自体、あるいはその産生物質が炎症を引き起こし腫れます。放置しておくと更に奥の方まで進行し、骨髄炎や蜂窩織炎になることもあります。

点滴することも

あまりにきつく腫れる場合には抗生剤だけで対処できないこともあり、切開はもちろん口腔外科などで点滴をしてもらうこともあります。基本的には根の中の治療をするのですが、痛みのきついときには取り掛かれないことが多いです。残っている歯の量にもよりますが抜歯になることもあります。

割れているかも

細菌ではなくて歯にヒビが入ることで同じような症状を起こすことがあります。何度も根の治療をして残っている歯が薄くなっていて割れたり、噛みしめがきつくて歯が割れたりします。噛みしめのきつい方ほど自分はそんなことはないとおっしゃいます。他の部位にその兆候が散見されることが多いのです。

根本的な治療を

腫れる原因のトップ3に関して記してみました。鎮痛剤は市販されていますが抗生剤は市販されていません。診断の上処方されるものです。歯科で抗生剤を処方するのは炎症を抑えるもので、それで治るわけではありません。原因を取り除かないと再発します。あくまでも一時的に用いるものなのです。

光を使った歯科診療が増えています。

2023年10月26日

当院では3か月から半年くらいの周期での歯科検診をおすすめしています。歯科検診にお越しいただくことでお口の健康状態を維持していただきたいと考えているからです。私の考えるお口の健康は

虫歯がない状態

歯周病がない、あるいはあっても適切なブラッシングができていてプラークコントロールができている状態

歯ぐきに炎症のない状態

歯ぎしりや噛みしめがない、あるいはあってもマウスピースなどで歯に負担がかからないようにされている状態

歯ぐき、舌、上あご、頬の内側などの粘膜に問題のない状態

顎がカクカク鳴らない、口の開け閉めに痛みのない状態

がそれぞれキープされているとお口は健康だと言えます。

検診期間

検診に来ていただく間隔は人により異なります。遺伝的な傾向、例えば虫歯や歯周病になりやすい家系があります。虫歯や歯周病は細菌感染により引き起こされます。口腔内には多種多様な細菌が存在しています。口腔内にいる菌を絶えずいる菌を口腔常在菌と言います。すべてがすべて悪い菌ではなくて有益な細菌もあります。すべての常在菌を例えばいわゆる抗生物質を用いて死滅させても、口から食事などする以上、色々な物質が入ってきて、そこに付着している菌が住み着いてしまいます。(長期の入院で長く抗生剤を服用していると、その影響でまれに無菌化されてしまうこともあります。)ですから完全に口腔内を無菌化することは不可能です。

プラークコントロール

身体にとって良い菌、悪い菌ありますが、できるだけ悪い菌の活動を抑えるようにしていかないといけません。細菌の活動はそれ単独では成り立ちません。栄養源が必要です。その栄養源になるのが歯垢です。ちょっと語呂はよくないですが、歯糞です。一般的には食べかすです。細菌の栄養源となる食べかすを、歯ブラシを上手に使い極力除去することが虫歯や歯周病の予防になります。みんながみんな同じ細菌ではなく、人によって異なります。虫歯になりやすいが歯周病にはなりにくいとか、その逆もありますし、またその両方もあります。もちろんその両方なりにくい方もいらっしゃいます。母体の中では細菌感染はしていませんが、産道を通って産まれてくるときに常在菌が感染すると言われています。母から子へ移るのです。それだけでなく親や祖父母がつかっているお箸などで子供に食事を与える光景があります。そういったことでも感染すると言われています。

無菌化

先ほども述べたように口腔内の細菌を無菌化することはほぼ不可能です。ですからその栄養源である歯垢のコントロール除去することがとても大切なのです。歯垢が固まり歯石になります。歯石は表面が粗造で歯垢が付着しやすいので、これも除去する必要があります。歯石は硬くて歯ブラシでは落とせませんので歯科医院で除去します。家ではプラークコントロール、診療所では歯石除去することで歯周病をコントロールしていきます。

歯周病

歯周病はお越しいただいた時に、歯の揺れ、歯周ポケット、歯茎の炎症などを拝見します。

噛んだ時の痛みや歯の揺れから必要ならレントゲンやCTを撮影することもあります。歯周病の治療は難しいです。歯周病単独が原因であれば基本的に歯垢、歯石の除去がその治療になります。歯周ポケットの奥深いところにある歯石の除去が難しければ、麻酔をして奥深いところにある歯石を除去するために歯茎を切開し見えやすい状況にします。いわゆる歯周外科手術をします。歯石の除去とプラークコントロールで歯周病はよくなります。

タバコと歯ぎしり

ただしたばこを呑んでいる方はその影響で歯茎の毛細血管が狭小化していて、治りが悪いです。また歯周病と歯ぎしり、噛みしめの両方が原因だと歯周病治療だけではよくなりません。噛みしめのコントロール、具体的には夜間のマウスピースの使用とともに継続してプラークコントロール、定期的な歯石除去、日中の噛みしめしない自己暗示が必要です。

虫歯のチェック

虫歯のチェック方法は色々できるようになっています。一つはお察しの通りレントゲンです。怪しいかなと思われるところ、明らかな虫歯でも深さを知るためにレントゲン撮影します。レントゲンでは硬いところは白く、柔らかいところは黒く映ります。虫歯や歯の神経は黒く映ります。金属は白く、セラミックはその種類により白かったり黒かったりします。

宇宙

局部的なレントゲン写真は、外を歩いている時に宇宙から降ってくる宇宙放射線よりも低量ですのでご安心ください。ちなみに全体的なレントゲン、CTでも飛行機に搭乗しているときに被ばくしている量とさほど変わりません。かといってお見えになるたびにレントゲンを撮影するわけにもいきません。

五感

視診、触診、など五感を総動員して虫歯は無いか私はチェックしています。その上で必要と思えば必要なところだけレントゲン撮影するようにしています。ただレントゲン撮影も弱点があり、先ほど述べた金属など白く映るところの中などは虫歯かどうかわかりません。当院での治療履歴があるところなら以前にどのような状態だったかを把握できているので判断材料が増えます。ここは経験にものをいわせて診察しています。

新しい器材

従来はレントゲンと術者の経験で虫歯のチェックをしていたのですが、当院では2つの光学機器を必要に応じて使用するようにしています。

ダイアグノデントペン

光学式う蝕検出装置です。レーザー光で虫歯の状態を数値で示すものです。655nmの低出力のレーザー光を歯の溝や歯と歯の間に照射します。もし虫歯があればそこに含まれる代謝産物、ポルフィリンというのですがそれがレーザーに蛍光反射するのでそれを読み取り数値化するものです。痛みもありませんし、子供や妊婦さんにも用います。当然麻酔もしません。音が鳴るくらいです。測定された数値で虫歯の進行状態を判断します。角度を変えたり数回測定して平均値を取ります。その結果から必要ないか、経過観察すべきか、治療を行うかなど判断します。私はそれに加えその方のプラークコントロールの良し悪し、今までの虫歯の治療履歴などを加味して治療か経過観察かを判断しています。虫歯になりやすい方は検診期間を短くしたりして、様子をみることもあります。

宇治市 歯医者 ダイアグノデントペン なかむら歯科医院

口腔内スキャナー

マウスピース矯正の診断、治療、インプラント治療、補綴治療に用いる口腔内スキャナー、連続して口腔内を小さなカメラで撮影し立体画像を組み立てるのですが、その装置にう蝕検知機能がついています。簡単に言えばフラッシュを焚いて口腔内を撮影するのですが、撮影した陰影を読み取ります。虫歯のところは明らかに周囲と違って白く映ります。レントゲンと違い被ばくしませんから患者さんにとって朗報です。ただし保険診療で虫歯を見つけるためにレントゲンの代わりに使用することは認められていません。またどの種類の口腔内スキャナーに備わった機能ではありません。幸い当院に導入している口腔内スキャナーにはその機能が備わっています。インプラント治療、矯正治療を行う際、前処置として虫歯がないかどうか、再度チェックのために用いています。どちらの治療も事前に通常のレントゲンによる診断をしていますので再チェックするという使い方です。

宇治市 歯医者 itero5D なかむら歯科医院

妊婦さん

スキャン撮影はレントゲンではありませんから妊婦さんの検診で虫歯のチェックに本当は使いたいのですけれど。保険診療外になりますが、ご興味があればお声掛けください。その場で3Dの自分自身の口腔内が画面上に出てきます!

ゴールと途中経過がわかる矯正治療

2023年10月19日

模型

型取りすることがすべて無くなることはありません。PC上での3Dと手元で確認できる実物はやはり違います。かなり技術が進化してきていますが実物にかなうにはさらなる技術革新が求められるのではないかと、個人的には思います。とはいえ、型取りすると口の中に異物が入って、それが口の中に押し付けられたまま数分間保持されます。

型取りすると苦しい

特に口でいつも呼吸している方はその時ばかりは鼻で呼吸しなければなりませんから苦しいと思います。唾液もよく出てきます。歯ぎしり対策用のマウスピースや小児矯正で用いるマウスピースを初めて口にいれると唾液がよく出ます。それらのものを口の中に装着するとかみ合わせの高さが少し高くなりますから、口を閉じると上下の歯並びが入れてないときよりも当たりやすくなります。

唾液がついつい

噛むという刺激で唾液が出てくるのです。よく噛んで食べましょうと言われます。噛むことによって唾液が出て、食材をすりつぶしてそれを飲み込みやすいような形、食塊というのですが、そのかたちにするのにパサパサでは一つの形にまとまりませんし、のどを通っていくときにつっかりやすくなります。唾液の効能は他にも抗菌作用、免疫作用、などもありますが以前にコラムに書かせていただいていますからご参照ください。

マウスピースは噛まないで

本来、義歯以外のマウスピースはすすんで噛むものではありません。特に小児矯正で用いるマウスピースはシリコンでできていますから、毎日約8時間体重分の力をかけていると破れてしまいます。破れると交換しなくてはなりませんから費用もかかってしまいます。お子さんにはよく言い聞かせてください。

歯ぎしり用でも

歯ぎしり対策用のマウスピースはそれより硬いですが、強度を持たせようとすると厚みが出て違和感が大きくなります。なるべく薄くしているので歯ぎしりの強い方やかみ合わせの深い方(かみ合わせると下の前歯が見えなくなる方)はマウスピースの穴が開いたり、破れてきます。穴が開く人、開かない人、すぐ開く人、全然大丈夫な人、いろいろいらっしゃいます。歯同士を直接当てない、特定の歯に力がかからないようにすることを目的にしていますから、穴が開くくらいはさほど気にされなくてよいです。早くに歯ぎしり用のマウスピースに穴が開くような方は普段作業に没頭されている時に噛みしめている癖があることが多いので気をつけてください。そういうことをしないよう常に気をつけてください。

口腔内スキャナーは楽です。

口腔内スキャナーで型取りすると、口は大きく開けていただかないといけませんが口の中の異物感はかなり軽減されます。柔らかいものが固まるのを待ちません。その材料がのどの方に落ちて、飲み込むということもありません。細かい連続した写真を小さなカメラで撮影しているのですから。それをとてもたくさん撮影して、合成して立体画像にしていきますから少し時間はかかります。上あごと下あごの撮影とかみ合わせの撮影で約5分くらいとみてください。

不得意な場所はあります

ただし撮影しづらい場所(特に奥歯)や、口の開きずらい方、唾液が多く出る方(唾液で光が跳ね返される)などありますから一概にそうとは言えず、撮影時間が延びることがあります。撮影をしなおすことになっても部分的に取り直せますし、すべて取り直しても従来の型取りよりも苦しさはほとんどないです。口を大きく開けていただかないといけませんけれど。

宇治市 歯医者 itero なかむら歯科医院

資料はいっぱい要ります

矯正治療ではレントゲン撮影、CT撮影、口腔内スキャン(型取り)顔貌撮影、口腔内撮影(従来のカメラでの撮影)など資料を沢山採取させていただきます。その上で診断、治療計画を立案します。これはワイヤーでの矯正も、マウスピースでの矯正も同じです。ただ従来のワイヤー矯正と違ってマウスピース矯正(インビザライン矯正)は、そのゴールがどうなるかを目視化してその手順を決めていくことができます。

ゴールが見える

ニッケルチタン製の形状記憶のワイヤーを用いる矯正は、歯が正しく並んでいる位置を元に(正常歯列)歯の種類毎にワイヤーの通り道を歯に設定し、ブラケットを歯に接着します。ゴールは通常の型取りをした模型を分割してそれらを再構成してゴールの歯並びをつくって一つの模型に戻します。それをセットアップ模型といいます。歯並びのよくない歯に、正しい歯並びにあったワイヤーを付けて、ワイヤーの元に戻ろうとする力を利用して歯を移動させていきます。

ワイヤー矯正

顎の大きさは決まっていますからその中にすべての歯が収まらなければ抜歯ということになります。収まったとしても歯を動かす移動量が大きければ時間はかかります。ワイヤーの戻る力が強いと歯は大きく引っ張られますから痛みを感じます。ワイヤーも太さや形状がいろいろあります。細いワイヤーは軟らかいですし、太いと硬くなります。軟らかいとかかる力は小さいですし、太いと大きくなります。かかる力の大小で移動量は変わりますし痛みも違います。ですからワイヤーによる矯正はワイヤーと歯に付けるブラケットの位置がとても重要です。ある程度ワイヤーの形がゴールと言えます。

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マウスピースの治療計画

マウスピース矯正は3Dに収まっている模型でゴールを決めます。シュミレーションをPCの中で行います。ゴールを幾種類か考えてその比較検討をして最善と思われるものを選択します。ゴールが決まったらそのゴールを達成するのにどのように歯を動かすのか、を検討します。歯には色々な種類があります。前歯、奥歯、それぞれ大きさ、形が違います。上と下でも違います。それぞれの歯の周りの骨の厚さも違います。動かせる力、動く量も違います。それらを検討し更に動かす順番なども決めていきます。

抜歯すると難しいです

抜歯が組み込まれた計画になると、それはワイヤーであっても同じなのですが難易度は上がります。抜歯したところは骨が一時的になくなっていますからそこへ向かって歯は移動しやすくなります。でもそれは倒れていくのです。歯の軸を変えずに、平行に歯を移動させるのはとても難しいのです。それは抜歯していなくても同じなのですが、特に抜歯して矯正治療を行うときには難しいです。それらをいかに計画通りに動かすか、動かすためにどのような力をどのような方向からかけるか、なるべく矯正治療の期間を短くするためにできることは何か、効率的に行うにはどうするかを考えます。

親知らず

親知らずはできる限り、年齢にもよるかとは思いますが矯正治療を行う際には抜いておく方がよいです。親知らずは生えようとする力、真っすぐ生えていても顎が小さいところに生えているのですからきゅうくつになって、歯を押してしまい歯並びを崩してしまう原因になっていくことがほとんどだからです。若年であれば少し先になってもよいのですが、早めに越したことはないです。

自分で管理

ワイヤー矯正と違って24時間装着ではありません。食事や歯ブラシなどの時に外してもらうので口腔内を清潔に保ちやすいという利点がありますが半面、歯を動かす時間がワイヤー矯正に劣ります。22時間装着していただいても2時間外しているので20時間しか歯に力がかかりません。ワイヤーは外せませんから24時間しっかり力がかかります。自分で外せますから自ら律していただかなくてはなりません。また所定の位置までしっかり装着していただかないとこちらの意図する方向に歯が動かないということも起こりえます。チューイーというものを装着時にはしっかり噛んでもらいしっかり装着することが大切です。

作用反作用

みなさん、過去に作用反作用を習ったことがあると思います。例えば小舟から水の中に落ちて舟に反動を使って乗り込もうとすると自分は上へ起き上がりますが、舟は下の沈む方向に行こうとします。同じだけの力がかかります。歯も同じで前に出る力をかけると隣や他の歯に後ろへ押す力が同じだけかかります。それをできるだけ分散させて影響のないように考えた治療計画を立てるのですがマウスピースだけでは難しいこともあって、上と下のマウスピースに小さな輪ゴムみたいなのをマウスピース装着時に使ってもらうことがあります。

共同作業

歯を目的地まで動かすために患者さん自身に行ってもらうことがあり、それらをしっかりしていただくことを前提にして治療計画を立てることが多いです。歯科医と患者さんのまさに共同作業で矯正治療は行われるのです。口腔内スキャナーを用いることで患者さんは苦しい型取りがほぼ無くなり、治療計画を立てるのにより精密に設計できるようになりました。技術の進歩はすごいですね。

苦しくない型取りができるようになりました

2023年10月12日

粘土のような

型取りをされた経験がみなさんあるでしょうか。不幸にして虫歯になってしまいその部分を金属で詰めたり、神経処置をして金属やセラミックのかぶせ物を装着したり、歯を失ったところを補うためにその両隣の歯を土台にして固定式のかぶせ物(ブリッジといわれるもの)を作ったり、部分入れ歯、総入れ歯を作ったり、顎関節症や歯ぎしり用のマウスピース、スポーツによる歯の外傷(歯が折れたりするのを防ぐ)防止用のマウスピース、を作ったりするために型取りをします。直接口の中ですべてを作ることができれば一番良いのですが時間もかかりますし、何よりずっと拘束させていただかないといけません。そんなことはできません。製作物を作るのに顎を置いていってもらえばよいのですがそうわけにもいきません。顎というか口の中の状態を再現するものを作製し、それを元に製作物を作っていきます。型取りをして出来るのが石膏の模型です。

石膏

昔だと骨折したときに腕や足を正常な位置に戻してぐらぐら動かないようにするのに使われてもいました。文字通り石のように硬いのですがその硬さも種類によって様々です。通常は粉末で保存されていて、水と混ぜることで固まります。水の量が多いと硬さは軟らかく、水の量が少なければ少ないほど固まったあと硬くなります。元の粉にも種類があり柔らかめの石膏の粉末に少量の水を入れて固めても形を作れる塊になりません。それぞれにあった適切な水の量というのがあります。型取りしたところに適切な硬さの石膏を注入して、それを固めて作業するための模型を作ります。

印象材料

型取りする材料にも数種類あって海藻系の材料とシリコン系のものがあります。口の中は唾液があります。海藻系のものは水と親和性があります。シリコン系のものは水を弾くので親和性はありません。海藻系の材料は経時的に変形していきますが、シリコン系の材料は経時的な変形はあまりありません。海藻系の材料は固まるのに2分くらい、シリコン系の材料は5分くらいかかります。それぞれ特徴があります。製作物の種類、治療履歴などから型取りの耐性、他にも色々なことを考えた上でどちらにするかを決めています。

誤差0なんて

石膏も、型取りの材料も誤差0ということはありません。口腔内と全く同じかといえばズレはあります。石膏も適切な粉と水の量を選んで混和しても膨張します。型取りの材料も2種類の材料を適切な量で混ぜるのですが、収縮します。それぞれあわせて誤差0になればよいのですがそうはならないのです。出来る限り0に近づけようと企業も術者も努力していますが難しいのです。そのようにしてできた模型を元に詰め物、かぶせ物、入れ歯を作製していきます。

新たな型取りがある

歯科の中の大きなパラダイムシフトというのはなかなかないのですが、それでもCTの普及、デジタルレントゲン、マイクロスコープ、CADデザイン など進んできています。その中の一つが口腔内スキャナーです。口腔内スキャナーとは歯科で使用される光学センサーが内臓されたハンドピース、いわば小型カメラを用いて口の中をスキャン、精密なデジタル画像を撮影しそれを三次元画像にしていきます。

口腔内スキャナーのメリットは

患者さんの負担の軽減(不快感や嘔吐感の軽減)

精度の高い歯科技工物の作製が可能になる

より正確な診査、診断、治療計画の立案ができる

模型作成の必要がなくなり環境負荷がなくなる

データはクラウド上で保存できる。

などがあげられます。

口腔内スキャナー

口腔内スキャナーは、まだ普及が進んでいないものの、そのメリットから今後ますます広く使われるようになると考えられています。既にマウスピース矯正において治療計画の立案や装置の製造、インプラント手術のプラニング、インプラント埋入に用いる材料や上部構造の作製、少数歯の詰め物やかぶせ物の作製に用いられています。残念ながら入れ歯作成にはまだ至っていませんがアメリカでは治験がされており遠くない将来に入れ歯の作製までできることになるでしょう。フォームの始まりただし現在ではまだ保険適応にはなっておらず自費診療に限られているのが実情です。

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既にインプラントに使っている

インプラントをするのにそれが可能かどうか。出来るとしたなら、どの部位にどの方向にどの深さにインプラントができるのか。それが反対側の歯とかみ合わせるのに適切な位置かどうかを調べてなければなりません。レントゲン撮影で、ある程度は骨の量や大きな下あごの中を通る神経までの距離、鼻腔までの距離はわかるのですが、ざっくりとしたことしかわかりません。そこでCT撮影を行います。また口腔内スキャナーで口の中を撮影しCTのデータとスキャンしたデータを融合させて立体画像を組み立てます。そうすることで骨の量、大きな神経までの距離、鼻腔までの距離が確認でき、安全にインプラントを埋め込める位置を確認します。

インプラントは最終的にかぶせ物をしてかみ合わせていくのですが、安全にインプラントを埋め込んで、なおかつかみ合わせに適切な位置を決めていきます。埋め込んでいく位置が決まれば、その場所に正確にインプラントを埋め込まなければなりません。骨の中はどの骨でも基本的に神経は通っていないので痛みを感じません。ただし下あごの中には例外的に大きな神経が通っています。逆に言えばその部分を除くと痛みは感じません。痛さを感じるのは術後に歯茎に炎症がおこるからです。切開をすると身体により侵襲がかかるのでその傾向が高まります。当院ではよほど問題がなければ切開をせずにインプラント埋入手術するようにしています。

ガイド

口腔内スキャナーを用いて取得したデータを元にインプラントを正確に埋入するため、インプラント手術に用いる材料を3Dプリンターを用いて作製します。こうしてインプラントを埋入する方向、深さをコントロールして安全にインプラント治療を行っています。

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これらの機器を駆使しても唯一わからないのは骨の硬さです。こればかりは今のところ何ともしようがありません。実際に触ってみないとわかりません。骨の硬さがインプラントと骨が結合する時間に大きく関わってきます。しっかりと骨とインプラントが引っ付いていないとかぶせ物を作っていけません。噛む力というのは、体重分くらいかかると言われています。骨とインプラントの結合がゆるいといくらよいかぶせ物を入れてもインプラントごと抜けてしまう可能性が高くなります。

かぶせ物

インプラント手術が上手くいき、しっかり骨とインプラントが結合したことを確認できたならかぶせ物を作製していきます。インプラント本体にスキャニングを行うために規格化された材料を装着して、口腔内スキャナーでスキャンします。型取りをするのです。粘土みたいな材料は使いません。歯茎と規格化された材料、Hスキャンボディーというのですが、正確にその位置関係を読み込んで、インプラント本体に装着する土台を上物を作っていきます。かみ合わせの反対側の歯もスキャニングし、またかみ合わせた状態でもスキャニングして、上あごと下あごの関係もデータ化してデジタルを元に作っていきます。

精度アップ

粘土みたいな型取りと模型という間接的な材料を2種類使いませんからより精密に作製できます。インプラントのプラニングするのと同時に、埋め込んだインプラントに取り付ける土台と上物を先回りして作ることもできます。前歯など歯抜けの状態のないようにするために、歯を抜くのと同時にインプラントを埋め込みと土台と仮歯の装着まで一気に行うことも可能です。歯茎の治りは個人差あるので最終のものにはならないのですが。このようにインプラントでは普通に口腔内スキャナーは用いられるようになってきています。

次回は口腔内スキャナーと矯正治療についてお話したいと思います。

子どもの歯並びを治すのはいつから始めるのか

2023年10月5日

子どもの歯並びをいつから治すのかは個人差もありますから一概に言えません。ただ放っておいてよくなることは一部であってたいていはよくならないです。学校健診でかみ合わせのところに治療を要するもの、経過を診るものの分類はあるにせよ校医の先生が変わらなければ年齢が上がっていってもチェックが無くなることはないと思います。乳歯から永久歯に生え変わるにつれて改善するのではないか、永久歯になってから考えればよいか、男の子だから多少歯並び悪くても構わないか、などと考えますよね。

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乳歯<永久歯

乳歯に比べて永久歯の方が大きいです。顎も成長していきますから乳歯のうちは様子をみればよいかと思いがちですが、乳歯で歯並びが悪いと大きくなってもなかなか改善しません。成長は第一次成長、第二次成長と成長の波はありますが当然そればかりではなく、毎日成長しています。基本的にどんどんすきっぱになっていくのが普通なのにきちきちに生えているということは普通より顎が大きくなっていないということです。受け口の場合は上あごが小さいということです。遺伝ということも考えられます。

硬いものを食べればよいのか

顎が大きくならないのは噛む回数が少ないからとか、軟食が多くなっているからとか、食に関することに頭がいきますが、それだけではありません。以前にも記していますが、哺乳、離乳食などからすべてが始まっているのです。すなわち適切な哺乳、離乳食の与え方ができていないと適切な舌、唇の動かし方、機能のさせ方を覚えられないのです。それらの筋肉を適切に動かすことが顎の骨を大きくするサポートになっているのです。きちんと機能できていないと顎は大きくなりません。唇を閉めて鼻呼吸をすることができていないと上あごがうまく成長しません。

舌の定位置

唇を閉じていると舌先は通常、上の前歯の歯と歯茎の境目のところに付きます。舌はどちらかと言えば上あごに付きます。上あごを舌で外側に押しているイメージがつくでしょうか。外側、前側、上側に向かって拡げているのです。一方口を開けていると舌は下側に落ちるか奥にひっこみます。上あごを大きくする力がありません、口が開いているから外側の頬あたりの筋肉が歯を内側に押すように働きます。ということは中から外へ押す力がなく外から中に押す力だけが働きますから顎は大きくなりません。ですから八重歯とか歯並びガタガタになるのです。顎は上下一対です。基本的に上が少し大きく舌が少し小さいかみ合わせです。上が小さいと下もそれに合わせて小さくなります。ですから下あごの歯並びもガタガタします。

成長のピーク

成長する期間は限られています。頭の成長は6~9歳くらいがピークです。上あごは頭の一部なのでほぼ同じです。下あごは背の延びる時期とほぼ同じなので9~12歳くらいがピークと考えていただくとよいでしょう。それらはまだ乳歯と永久歯が混在して生えている時期、乳歯が抜けている時期です。それらのうちに顎を大きくしなくてはなりません。ただ顎を大きくするだけではなく鼻呼吸できるような訓練をしなくてはなりません。鼻の病気があればそれを治さないといけません。食材を考えた食の提供を保護者は考えないといけません。

様子をみてよくならない

様子を見ているだけでは顎は大きくなりません。食育というのがあります。ぜひ保護者の方は勉強してください。私もそれほど詳しくはありませんがHPに口腔育成のページを収載していますのでご覧いただけると一助になると思います。口呼吸しているかどうかはテレビや動画を見ているときなど何気なくお子さんの口元をみていただくとすぐにわかります。口閉じて!と言って叱ってもそのときだけです。学校などに行っている時に注意はできません。

口を酸っぱくしても口は閉じない

さあどうしましょうか。いわゆる取り外しできる矯正装置 可撤式床装置と呼ばれるものが乳歯の歯並びから乳歯と永久歯の混じっている時期に使うことで鼻呼吸へ戻す一助になると考えています。鼻の通りに問題がないことも大切なので耳鼻科に行っていただいて問題があればそちらの治療も当然必要です。その装置を使うことで鼻呼吸することを覚えてもらいます。主な目的として鼻呼吸、副次的に歯列不正の改善になります。必ず歯並びがよくなるわけではありません。不要な力を排除することで本来の歯並びに戻ろうとします。ある程度の改善は見込めますがすべて解決までは至らないかもしれません。でも鼻呼吸の獲得はこの時期にしておかなければなりません。

鼻呼吸は大事

受け口の場合は特に初期のうちから改善をしていく必要があります。早ければ3~4歳からです。ですが取り外しの装置は自分で外せますからきちんと使えることが条件です。きちんと言い聞かせられる年齢からになります。早く上あごを大きくして上下の関係を正常にしてあげて、正しい成長に戻してあげることが大切です。

時期をのがしてしまったら

永久歯の歯並びになって成長のピークを越えてしまってもスパンと成長が止まるわけではありません。少しづつ成長率が落ちていきゼロになります。ティーンの間は、特に低年齢のティーンであればまだ成長がわずかですが残っているので顎を大きくすることに取り組むことはできます。ただし夜間使用だけの取り外しの装置では効果はでません。本格的な矯正装置を使うことになります。成長は18歳まで続きますから経過はみていかないといけません。特に受け口の遺伝的傾向のある方はどんどん下あごが前に出てしまうことがあります。成長は誰も止められませんから、外科的処置を伴う矯正治療が必要となります。

外科的処置とは何か

上あごは一かたまりがどんどん大きくなるのではなくて、大きくは3つの骨が真ん中に向かって成長していき一つのかたまりになっていきます。それぞれの境目が時間を経ることに融合していきその跡形は無くなっていくのですが、それでもその痕跡はあります。簡単にいうと前と奥左、奥右なのですがそのつなぎ目はYの字みたいになると考えてください。その跡形を基準にして切れ込みを入れ左右、あるいは左右と前に力を加えて引っ付いていた骨を広げていくのです。広げると真ん中が空間になるのではないか、と思われるでしょうが、開いた分だけ骨は埋めようとします。身体の生理的な反応です。

骨が折れても骨は再生しますよね。

それと同じです。一気に全身麻酔をして力ずくで骨を広げるのではありません。上あごのところに固定式の装置を取り付けて一日〇,何ミリづつ広げていきます。この固定式装置を取り付けるときに麻酔はしますが、虫歯治療をする時の麻酔と同じ局所麻酔で取り付けます。左右に拡げると真ん中の歯がすきっぱになってきます。また前に出すと犬歯あたりがすきっぱになってきます。そうすることで顎自体を大きくすることができ、歯をならべるスペースを確保します。これですべてが解決できるわけではありません。ですが治療の選択肢を増やすことができます。

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上と下は違う

下あごが小さいこともあるのですが、下あごは上あごと違って一つの骨が大きくなっているので接合している部分の跡形はありません。ですから骨を大きくすることはできません。大きくできませんが前に出すことはできます。顎を大きくすることには限界があります。適切な時期に鼻呼吸を獲得でき、鼻の疾患、鼻づまりのないようにお子様の成長の時期の健康管理には十分気を配ってあげることに保護者の方は努めていただけるとありがたいです。外科的な処置は誰も望みませんから。

詰めた物が取れてもすぐ着けられないのは何故なのか

2023年9月28日

取れたから来たんだけど

診療所を訪れてくださる理由に詰め物、かぶせ物が取れた、ということがあります。定期的にお口のメインテナンスをしていただいていても、残念ながらそのようなことは起こりえます。詰めたものが取れただけなので、セメント着けて戻せばいいだけだから時間はかからないだろうし、すぐ診てもらえるだろうとお考えのことかと思います。

付け直すにも手順とチェック事項がありますから、1分2分で終わりません。連絡なくお見えいただく方もあるのですが、事前にご予約していただいている方の治療の時間を削る訳にいきません。お待ちいただくことになります。時間を取って治療に当たらないといけない診療が続く予約だった場合、当然待ち時間が長くなります。待ち時間が比較的少なくなる日時を提案してお帰りいただくこともあります。

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横入りされて気分いいですか

詰め物やかぶせ物がとれて不便であることは承知しておりますが、皆さんも横入りされるのは嫌ですよね。自分の予約した治療時間が少なくなるのは気分のよいものではないと思います。なるべく早く対処はしたいと思いますが、早くを希望されれば早いほど、ご希望の時間になりにくいことをご承知おきくださると助かります。

事前に電話一本

また事前に電話で、当院にかかられている方であれば、上か下か右か左か、詰め物かかぶせ物か、などわかる範囲でご連絡いただくと、カルテやレントゲンからどんなものが取れたかを類推し、着け直すだけですむなら、その治療時間の見当をある程度つけることも可能です。もちろん着け直すことができない場合も多々あります。当院へかかられたことのない方も同様になるべく詳しくご連絡いただけると診療の一助になります。

着け直すことができない場合、限られた時間で拝見させていただいていますので、改めて後日時間をお取りして治療させていただくことになります。不便の解消にはできるだけ早く対処できるよう取り組んでいます。なるべく早く折り合える日時を提案しますのでご協力ください。

なんで時間が必要なのか

取れたには理由があります。その原因を確認します。

虫歯

詰め物やかぶせ物は歯と材料との間にセメントを言われる接着剤で引っ付けています。歯と詰め物は硬く、硬いもの同士を接着剤でとめています。虫歯が出来るとその部分の歯は軟らかくなります。硬いものが軟らかくなるのでそこに隙間ができて接着剤の効力が失われるのです。なかなか上手く例えられないのですが、木片と木片を接着剤でくっつけたら付きます。片方の木片が腐敗してぼろぼろになってくると外れてくる、みたいにイメージしてもらえるとよいかと思います。

虫歯を取り除く

軟らかい虫歯の部分を取り去り、硬い健全な歯質と詰める材料で修復するようにします。被せるのも同じです。詰めたり、かぶせてあるものが取れるくらいですから虫歯は進行しています。ですから神経を残す材料を補填したり、神経が無い場合は土台を補強したりしなければなりません。神経のない場合は痛みがありませんからかぶせ物が取れた時には元に戻すことができなくなっている、なんてこともあります。それは抜歯を意味します。一番極端なことまで述べていますが、これらのことを僅かな時間で処置することはできません。合間の時間ではとても対応できません。

レントゲンで映らない虫歯もある

定期的にメンテナンスに来ていただいていても虫歯のチェックをしきれないことがあります。レントゲンで金属は真っ白に映ります。金属でないところはその陰影で虫歯かどうか診断することはできます。金属の中、かぶせ物のなかを確認することは難しいです。メンテナンスにお越しいただいたときにはかぶせ物の金属やセラミックの境目のチェックは密に行っています。それくらいしかできませんが、怪しいときには角度を考えてレントゲン撮影することもあります。

残っているセメントの除去

取れた、外れた時にはこのように、まず虫歯があるかないかのチェックを行います。次に歯に残っているセメントをすべて除去します。セメントの下に虫歯がないかを診ることと、幸い何も問題がなくて詰め物を再装着した時にセメントの厚みが増えてしまって高さが変わらないようにするためです。神経が残っている場合にはセメントを取り除く時に歯がしみることもあります。

適合はよいのか

歯の方に問題がないと確認できたら取れたものを歯に合わせてみます。噛みしめのきつい方は歯が欠けていたり、金属の薄いところが変形しているかもしれないからです。

歯の薄い部分がかけていたり、金属の薄いところが欠けていたりしているとその部分からセメントが溶解しやすくなるので再治療が必要となります。特に噛みしめの力の強い方はその傾向が高いです。また外れた時に詰め物が薄いと変形することがあります。そうするとやはり再装着はできません。

外れやすい詰め物かぶせ物

薄い詰め物、背丈の低いかぶせ物は接着する面積が、厚みのある詰め物、丈のあるかぶせ物に比べると少なくなりますから外れやすいです。外れにくくするには接着面積を増やす必要があります。それが難しい場合には力学構造を考えた形態を設計します。それでも歯ぎしり、噛みしめの強い方はどうしても外れやすいです。

噛み合わせのチェック

歯やインプラントは縦方向にかかる力には強いのですが、横揺れにはそれほど強くないのです。奥歯を守るために犬歯は存在しています。犬歯がちゃんと機能していると歯は横揺れから守られます。詰め物、かぶせ物も同じで、横からの力がかかりすぎると外れる原因になります。ですから、取れた詰め物やかぶせ物を再度装着した後、必ず噛み合わせのチェック、必要なら調整を行います。セメントも僅かですがその厚みがありますから噛み合わせのチェックは必要になります。

土台ごと取れた場合

被せが土台ごと取れてくることがあります。土台がついているので神経が無いことがほとんどです。その場合まずチェックするのは歯がわれていないか、ヒビが入っていないかを確認します。割れていたり、ヒビが入っていたらその部分からセメントが壊れていきますから外れやすいです。というかそのヒビ、割れている部分から細菌感染を引き起こし腫れたりします。そんな状態ですから、もちろん外れたかぶせものと歯の適合がよいことはあまりありません。無理に付けてもすぐに取れることが多いです。長くもてばそれはラッキーです。神経のない歯は神経のある歯に比べて栄養供給が絶たれるのでいわゆる“しなり”が無くなり、割れるのです。そこへもってきて噛みしめが強いと更に割れるリスクが高まります。

歯が割れたままだと骨に影響する

割れたりヒビが入っていたら基本的には抜歯です。今まで痛くないから付けてくれればいい、とおっしゃる方が大半です。長く割れている状態のままだと歯を支える周りの骨が少しずつ失われます。痛みはありませんが、腫れたり痛んだらおそらく完全に割れています。そうなると先ほど述べたように抜歯なのですが、骨が失われているのでインプラント希望されてもできない、あるいは人工の骨を使ってある程度骨を修復する、あるいはどこからか骨を持ってきて移植するなどすることになります。一旦失われた骨は容易に回復しません。

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隣の歯が虫歯

取れた歯の隣の歯が虫歯になっていることもあります。その治療を行うと、外れた詰めものをきちんと合うように調整しないといけなくなりますから時間がかかります。外れた詰め物を先に付け後日治療となると、治療範囲が広げないといけなくなることもあります。取れたものが付けられたとしても、それを活かすために後日の治療になることもあります。

ちなみにですが

もう何年も経ってるから詰め物、かぶせ物をやり替えた方がよいですか。と聞かれることがあります。保険診療で用いている金属には多くの銀、銅、ニッケルなどが含まれています。唾液の性状もありますが、口腔内は湿っていますから銀や銅は錆びやすい環境にあります。錆びてくるとセメントが崩壊しやすく外れたり、隙間から虫歯になりやすいのです。やり替えせずに済ませるには貴金属、すなわちゴールドとかセラミックを用いたものを使用されることをお勧めします。

いや、保険で、

ということでも構わないのですが、やり替える度にご自身の健全は歯が少しずつ失われる、虫歯になるリスクは変わらないということは頭の片隅に入れておいてください。長い目でみれば体に為害性のない材料を用いて健康を保持する方がよいとは思います。

なるべく早く対処するよう努力します

詰め物、かぶせ物が取れてもすぐ着けられるだろうと思われても、虫歯のチェック、セメントの除去、歯の欠けが無いか、詰め物、かぶせ物の適合具合、歯にヒビが入っていないか、噛み合わせのチェック、装着後のセメントの取り残しはないか、隣の歯の虫歯はないか、セメントの硬化時間待ち、などなどいろいろ医院側ですることがあります。簡単そうに思われるかもしれませんがきちんとした時間が必要な治療なのです。

 

人類史上最大の感染症はコロナではなく歯周病です

2023年9月21日

こう書くと、そりゃ歯科に関係があるものだろうと思いますよね。だとしたら虫歯か歯周病の二択になりますよね。治りにくいのはどちらかと考えると、そうです、歯周病なんです。ギネスブックで歯周病について人類史上最大の感染症と紹介しています。歯周病は予備軍含めて日本国民の約80%、20代でも約半分が罹患しているとされています。口腔内に常在している歯周病菌によって歯を支える歯槽骨が溶けて歯を失う病気です。歯槽骨が失われていくにつれそれに合わせてその上に乗っている歯肉が下がっていきます。歯茎にも骨にも血管から栄養が供給されています。小さく細いものですから血管内の血液の色が透けているので歯茎はピンク色に見えます。それくらい薄いものですから歯周病菌は炎症部の毛細血管に入り込み、そこから体全体に回り免疫力を下げて様々な生活習慣病の発生を助長します。

疾病リスクを引き上げる口腔内細菌

長らく口腔内のトラブルとして認識されてきた歯周病ですが、最近の研究で歯周病が心臓疾患、脳卒中、糖尿病などと関係していることがわかっています。歯周病菌が血管を通して全身にひろがることで全身疾患を引き上げています。歯周病が引き起こす病気として他に動脈硬化、肺炎、がん、骨粗しょう症、認知症、早産低体重児があります。

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メタボリックドミノ

メタボリックドミノとは河川の上流で放流される汚染物質が下流域の汚染原因になっていることを、上流に歯学、下流の医学としてドミノで例えたものです。歯周病になると生活習慣病が知らない間にドミノ倒しのように進み人命に関わるような疾病を引き起こします。ですから、上流の口腔でケアすることで多くの生活習慣病を未然に防ぐことができます。

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低体重児、早産のリスク

歯周病はそうでない人に比べ低体重児や早産のリスクを高めます。早産は2,27倍、低体重児は4,03倍にも上るというデータがあります。妊娠前から口腔ケアを行うことがとても重要です。

歯の残存歯数と医療費の関係

65歳の人12000人を対象に行われた調査で一回当たりの医科での医療費で

残っている歯の数

20本以上   19750円

0~4本   29350円

(この途中の本数もあるのですが割愛します。)

歯の残存歯数が少ないほど医療費が高くなっています。口腔内の健康が全身の生活習慣病に関係していることがわかります。

このようなことがわかってきて政府も医療費削減のために国民皆歯科検診で口腔の健康増進を図ろうとしているのです。そりゃそうですよね。人口は減り、歳入を増やすのが難しいのですから。国民にとっても死ぬまでおいしく食事できる確率が高くなるのですからそれに越したことはありません。

1本の歯の価値

永久歯は一度失ってしまうと二度と生えてきません。日本では一本の歯の価値は100万と言われていますが、アメリカでは何と一本500万!とされています。親知らずを除いて全部で28本ありますから日本では2800万、アメリカでは1億4000万が歯の価値とされています。大事にしないといけませんよね。口腔ケアの意識を高めて一本でも歯を残していきましょう。

口腔ケアは健康への投資

口の中だけの問題と思われがちな歯周病ですが様々な感染症とも密接に関係しています。

歯周病のない人に比べてある人のリスク

新型コロナウィルスの重症化リスク  5倍強

人工呼吸器使用の可能性  4,57倍

集中治療室に入院する可能性 3,54倍

合併症発症の可能性  3,67倍

(Journal of clinical periodontology 2021 2 より)

インフルエンザウィルスによる学級閉鎖率が学校での歯磨き習慣をしたことで半分くらいになったという報告もあります。細菌感染、ウィルス感染とも効果的な歯磨きや医院でのプロフェッショナルケアすることで清潔な口腔環境を維持していくことで感染予防にもなります。生活の質も上がりますし長く健康的な生活を送っていくコツかと私は考えます。

4人に1人が知覚過敏

2023年9月14日

食事中に前触れもなく起こる“ズキン”としみるような痛みの原因は知覚過敏であることが多く、日本人の4人に1人が悩まされていると言われています。

口の中に風が吹き込むと痛みを感じる

硬いものを噛むと刺すような痛みがある。

酸っぱいものが滲みる

冷たいもの、熱いものが滲みる  などなど こんなことが知覚過敏の症状です。

象牙

歯の一番外側はエナメル質、その下が象牙質、更にその下が歯の神経すなわち歯髄になっています。3層構造です。一番ボリュームがあるのが象牙質、エナメル質はそんなに厚みはありません。歯の根の部分の一番外側はエナメル質でなく、エナメル質に相当する部分はセメント質になります。セメント質はエナメル質よりも更に厚みが薄く、エナメル質とセメント質は組織構造が違います。象牙質は通常口の中に露出することはありません。加齢と共に、あるいは歯ぎしりなどで同じ硬さの歯をすり合わせているとエナメル質が削れてきます。

歯は硬い、だけど

歯より硬いセラミックや金属とエナメル質の組み合わせでもエナメル質は削れてきます。削れてくるとエナメル質で覆われていた象牙質が口の中に出てきます。象牙質は象牙細管と呼ばれるとても細かい管でできていて、その管は歯髄すなわち歯の神経とダイレクトにつながっています。その管を通して刺激が歯髄に伝わります。しみるのはそのせいです。それが滲みる痛みとなります。エナメル質にはそのような管は無く、外からの刺激をブロックしています。エナメル質は骨よりも硬く、ダイヤモンドでなければ削れません。セメント質はエナメル質に比べると硬さはぐっと落ちます。

適度の力

研磨剤のいっぱい入った歯磨剤で歯と歯の境目を歯ブラシの毛先が2、3週ほどで開いてくるくらい力いっぱいゴシゴシ磨き続けていると、セメント質が削れて象牙質が露出してくることがあります。噛みしめ、磨きすぎの他に食習慣、というのもあります。柑橘類や酢の物、などの酸性の強い食品、炭酸飲料などを頻繁に、あるいは長時間にわたって飲食すると歯の表面のエナメル質が溶けることがあり象牙質が口腔内に露出することがあります。飲食だけでなく洗口液の中にも酸性の強いものがあります。そういったものでもエナメル質の構造は弱まっていきますから用心してください。なるべく中性に近いものを選択するとよいでしょう。

虫歯とどう違う

虫歯と知覚過敏は似て非なるものです。エナメル質が失われて口腔内に象牙質が露出して滲みるのは同じですが、虫歯はいわゆるミュータンス菌が糖分を元に強酸の分泌物を出してエナメル質を溶かすのです。脱灰というのですが、知覚過敏の場合はエナメル質が溶けるのではなく削れていく、という認識でよいと思います。虫歯を予防するには糖分の摂取を控える、あるいは食事の後にブラッシングしてミュータンス菌の活動の足掛かりとなる糖分を一掃することが大切です。

唾液のチカラ

すこし話は逸れますが唾液の中にはリン酸やカルシウムなどエナメル質を再石灰化する成分が含まれています。市販の歯磨剤に含まれるフッ素に比べて濃度は低いものの口の中で24時間ケアできているということでもあります。そのためにもエナメル質表面が清潔でなければなりません

自然に治ることは、、

知覚過敏や初期の虫歯は条件が整えば自然治癒することがあります。

 正しい歯の手入れ

できるだけ毎食後に歯を磨く 無理なら口をすすぐ

力を抜いて磨く

適切な歯磨き法で磨く

 歯磨剤を選ぶ

研磨剤を含まないもの

洗浄力の高いもの(バイオフィルム、歯の表面に付いているヌメリのようなものを除去できる   もの薬効成分のあるもの酢酸トコフェロール、IPMP LSSなど

アルカリ系のもの(口腔内は酸性に傾きがちなので、中性になるように)

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 日常生活

酸性の食品を摂取したら、なるべくそれが長く残らないようにする。歯磨きできなければゆすぐのも一法です。酸性の食品のダラダラ食いをしない(ウメボシ、酢の物、柑橘系果実など)

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ストレス

セルフケアや歯磨剤で改善することもありますが、先に述べた原因が一つでなく色々混ざって症状が出ていることもあります。その場合は一つの原因の除去だけでは改善しません。歯ぎしりもストレスが原因になって起こっていることがあります。ストレスは現代人誰もが抱えていて一朝一夕に解決するものでもないのではと思います。歯ぎしりを止めるものではないですが夜間にマウスピースをすることで上下の歯同士をすり合わせないようにしてエナメル質が削れることを防ぐことも有効な治療です。スポーツ用ではありませんからとても薄いものです。セルフケア、削れた部分の修復、マウスピースの使用などで知覚過敏の改善を目指すのですが、治す、治るのが難しい疾病であるのは確かです。

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前歯がガタガタになるのは何故でしょう

2023年9月7日

若い頃は

高齢の方から時折、前歯がガタガタになってきているので治してほしいと言われることがあります。若いときはきれいに並んでいたんだけれど、と言われます。程度は様々でしょうけれどおそらくそうだったんだと思います。

歯は動く

歯を一本失うとその両側の歯と向かい合う反対側の歯が、失われた部分に向かって歯は倒れたり、伸びたりします。倒れた歯を元のように傾けて起こすとなると元々生えていた位置より高くなりますから骨の中にめり込ませるような力をかけないといけません。伸びている歯も元に戻すのも骨の中にめり込ませないといけません。歯をめり込ませる力を加えるのはとても難しいのです。また歯を骨の中にめり込ませるには相当の力が要りますから歯にダメージを与えることになります。自然に元の位置に戻ることはありませんし、矯正すれば出来なくもありませんがそれ相当な時間と費用がかかります。

失われたら早く処置をしましょう

ですから歯を不幸にして失うことになったら必ずその部分をどのような方法でもよいので早期に治してください。具体的には入れ歯、ブリッジ、インプラントなどです。残っている歯を守るという観点からはブリッジはあまりお勧めはしません。入れ歯もいわゆる金具のかかっている歯に、昔あった栓抜きのような力が毎日かかりますから揺れてくる可能性が高くなります。いろいろな条件が合致しないとできないこともありますが可能ならインプラントがベターなのかと思います。

骨は減る

前歯がガタガタしてくるのは加齢により歯を支える骨が減ってくるから歯が動きやすくなるのです。歯周病なら加齢は関係ありません。歯を支える骨が加齢でなく、歯垢の付着による炎症で減っていくのです。歯周病になればより歯は動きやすくなります。歯は身体の真ん中、前歯の真ん中に向かって寄りかかっていると考えてください。後ろによりかかっていくことはありません。歯が動きやすくなっている状況で歯が真ん中に寄りかかろうとするから前歯がガタガタになってくるのです。加齢や歯周病で歯を支える骨が少なくなっていても歯茎の炎症がなければ歯の揺れは最小限に抑えられますからぜひ効果的な歯ブラシをしていただきたく思います。

親知らず

もうひとつ大きな原因と考えられるのは親知らずです。親知らずが横を向いていて、それが生えようとするとその前の歯を前の方に押そうとする力が働きます。それが順繰りに力が伝わり前歯を動かす力になります。前歯だけにかかわらず奥歯も傾いたり回転したり倒れたりします。真っすぐ生えていてもすべての歯が並ぶだけの顎の大きさがなければやはり親知らずより前にある歯を前に動かすことになるのです。ですから矯正治療を行うにおいて親知らずを抜くのですが、わずかな歯列不正、ちょっと傾いているとか倒れているのも親知らずの抜歯でよくなる可能性もあります。矯正治療における親知らずの抜歯はそれだけでなくて、歯を後ろに移動していくことになったときに親知らずがあると後ろに動かないから、ということでもあります。

抜くか抜かないか

歯を移植するときに必要となる親知らずではありますが、矯正治療には不要であることが多いです。矯正治療で歯並びだけでなく噛む力や健康が取り戻せるようになれば、歯を失うことも少なくなると考えられますから親知らずの抜歯は身体への侵襲もそれなりにありますが、特に若いうちに検討されるとよいかと思います、もちろん年齢は関係ありません。若いうちの方が腫れることは多いですが、抜いた後に治りがよいのです。年齢が高くなると歯と骨が癒着してなかなか抜きずらくなっていくからです。特に噛むという機能を果たしていないと癒着する傾向にあります。

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よい出っ歯があるって本当?

2023年8月31日

乳歯は20本

人間は産まれてから大きくなるのですが、顎も同じように大きくなります。そこに歯が生えてきます。前歯から順に後ろに向かって上10本、下10本計20本の乳歯が生えてきます。 永久歯でもそうなのですが、乳歯でも歯の数の足らないこともあります。2つの歯が一つになった癒合歯というのがあります。前歯に多いです。前歯は通常4本ありますが2本や3本のこともあります。乳歯の前歯が1本ないというケースもあります。乳歯の奥歯はそういうことは少ないです。

上と下の顎の発育はピークが違う

顎は上あごと下あごで成長するピークが違います。上あごは頭と同じ成長曲線になります。6歳でおよそ80%成長が終わっています。下あごは身体と同じような成長をしていくので遅ければ18歳くらいまで続きます。

歯の大きさは変わりませんから、成長途中、永久歯が生え揃うまでどんどんすきっ歯になっていくのが通常です。霊長空隙、成長空隙と呼ばれる空隙ができてくるのがノーマルですが、乳歯なのにキチキチに生えている、あるいは歯並びがよくない、のはよくありません。前歯は乳歯より永久歯の方が大きいですから、乳歯がキチキチに生えていると永久歯の歯並びは悪くなります。成長につれ顎が大きくなるので歯も並ぶだろうと思われるかもしれませんが、そんなことはないと言われています。歯の数が少ないと、それにおおよそ合った分しか顎は大きくなることがないので、永久歯になっても歯が並ばないことが多いです。乳歯の歯並びがキチキチになるのは、哺乳の仕方の誤りや離乳食の仕方、が原因とされています。それについては以前のコラムにありますのでご参照ください。

受け口は早く キチキチも早く

受け口については気づいたら早めに治療しないといけません。先ほど述べたように上あごの成長が先に終わり、下あごの成長が続くので、取り掛かるのが後になればなるほど治療に時間がかかり、負担も大きくなっていきます。早くに下あごよりも上あごを大きくしなければなりません。顎を拡大するのです。

乳歯の歯並び、永久歯に生え変わりつつある歯並びで、キチキチに生えている、あるいはガタガタに生えている、あるいは生えそう、八重歯になりそう、という感じ、雰囲気、家族に歯並びの悪い人がいる、場合にも上あごを大きくしてあげないといけません。それも早く。頭の成長、上あごの成長は6歳で80%、12歳でほぼ100%終わるからです。その間に歯が並ぶだけの大きさにしなければなりません。ちょっと難しくなりますが12歳を過ぎていても個人差がありますから諦めないでトライした方がよいです。

出っ歯の良し悪し

その意味で歯がガタガタでない多少の出っ歯で、下あごの成長が考えられる年齢であればあまりナーバスにならなくてもよいです。もちろん程度もありますけれど。今は出っ歯でも後から下あごが大きくなると前後的な関係がよくなる可能性が高いからです。下あごの成長が思うほどでなくても、あとから比較的対応しやすいです。下あごを前に出したり成長が終わったら抜歯して並べるという手立てもあるからです。顎を大きくすることは成人でもできるといえばできますが、成長期に比べると制限もあります。時期を逃さず取り組むのが大事です。6歳からお子さんの歯並びは特に注視してあげてください。

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歯がキィーンとする原因は知覚過敏だけではありません

2023年8月24日

歯ブラシをしていると歯がしみる、キィーンとする時がある。甘いものを食べるとしみる。歯ブラシをして口をゆすぐときにしみる、などが気になって受診される方が少なからずいらっしゃいます。いわゆる知覚過敏の症状なのですが、原因がなんだろうといろいろ考えます。

虫歯?

一番わかりやすいのが虫歯です。虫歯になると歯の神経までの距離が短くなっていくのでしみるのです。歯の神経はエナメル質、象牙質という硬い組織の内部にあります。硬い組織で覆われていますからその組織が崩れていくと知覚が反応しやすくなっていきます。はじめは一過性に感じていたものが、抗組織の崩壊が進むと、常時感じるようになっていき、ズキズキするというふうになります。レントゲンなどで確認して虫歯を除去して詰めればよくなります。ただ虫歯が大きくて、すべて取り切ったときの神経までの距離が短いとしばらくしみることが続くこともよくあります。お一人お一人の神経のバイタリティーも違いますから全くしみない人、しみるのがよくなるのに長くかかる方、いろいろです。あまりにしみるようなら神経処置しないといけない場合もあります。

虫歯のできる位置によってもよくなり方が違います。噛むところの虫歯は比較的治りやすく、歯の付け根や歯と歯の間の虫歯は治りにくい傾向にあります。定期健診で虫歯のチェックはマメにされるとよいかと思います。

歯周病?

歯周病で歯茎がやせて、歯の根っこが出てくることで歯がしみることもあります。歯の根っこはエナメル質と呼ばれる組織がなくてセメント質に変わります。知覚を神経に伝えやすくなるからです。歯の根っこが出ているだけでなく歯周病の原因である歯垢が付着している、または付着し続けていると歯垢の中、表面にいる歯周病菌により知覚過敏を引き起こします。この場合には歯垢を除去することが原因を取り除くことになりますから、私共の治療と共に毎日のブラッシングというご自身によるケアが大切です。ただ歯ブラシするだけでなく歯間ブラシなどで、歯茎の下がった歯と歯の間の清掃が重要です。歯と歯の間の隙間は場所により異なることが多いので複数の歯間ブラシが必要なことが多いのですが、道具が増えると面倒になり続かなることもよくあります。そうなってほしくないので、衛生士さんから少ない清掃器具を上手に使いこなせるようになってもらいたいと思います。

噛みしめでは?

一番難しいのが噛みしめ、歯ぎしりによるものです。歯の付け根がすり減っている場合も、すり減りのない場合もあります。歯にヒビが入っている場合もあります。そのヒビも目視できるものもあればできないものもあります。ヒビくらいではレントゲンには映りません。歯が割れていれば映りますし、診てもわかります。もちろん本人も噛むと痛いとか、ぐらぐらするとか、わかります。

その中でも対応しやすいのは歯の付け根が削れている場合です。強い力でゴシゴシ付け根を磨いて歯が削れるケースもありますが、そういうことはあまりなくて噛む力が強いとその力が付け根に集中して削れます。歯は骨より硬いですが自分の噛む力で歯を削り取っているのです。原因は噛む力ですからそちらをコントロールすることが重要なのですが、それはとても難しいです。仕事している時、作業している時に噛みしめていることはありませんか。起きている時にそういうことのないよう意識することで寝ているときの噛みしめをコントロールできるという論文があります。起きている時より寝ている時の噛みしめ、歯ぎしりが歯を削っているのです。

対症療法として歯ぎしり用のマウスピースがあります。これで歯ぎしり、噛みしめが良くなる訳でなく、歯同士の接触を無くすということで力を少なくできないかということです。すり減った歯の部分を樹脂で埋めて直接歯に刺激がいかないようにすることもします。ただ自分の歯も削れるくらいの力がかかるのですから詰めた樹脂も取れやすいです。

ひびは困るのです

いままで述べてきたいずれでもなく、歯にヒビが入っていることが原因であると考えられる場合が一番困ります。何かで埋められればよいのですがそれも難しく、知覚過敏用の薬剤の塗布とマウスピースの使用になります。虫歯などと違って即効性がないのが実情です。年齢が上がると歯の色が黄ばみますが、歯にヒビが入ることで黄ばんでいきます。加齢と共に歯にヒビが入っていきます。だからといって高齢者が皆さんしみているわけではありません。

磨き過ぎで歯茎に傷があってしみているのなら自然に治りますし、塗り薬で早く治りますから簡単でよいのですけれど

 

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下あごを前に出すには訳がある

2023年8月17日

すり減るもの

人間は年齢を重ねると少しずつかみ合わせの高さが低くなっていきます。同じ硬さの歯で噛んでいるからすり減ってくるからです。そうすると下顎がだんだん後ろの方に下がっていきます。後ろへ下がっていくと顎の関節も後ろへ押しやられますから、そのせいで変形が起こっていきます。それは少しずつ起こりますから気づかないうちにおこります。加齢によるものですからやむを得ないことではあります。治療を行った歯は金属やセラミックに置き換わることが多いです。歯でない材料ではありますが歯とすり合わせていくと削れて行きます。

加齢でなくてもかみ合わせが原因で顎が奥に押しやられることもあります。両方のことも片方のこともあります。症状として出るときもあるときもあれば出ない時もあります。

噛み癖もあります。よく使う側のかみ合わせの高さも減りやすいです。減っていくとそちら側の顎の関節が奥に押しやられて、関節の変形などを起こしやすいです。顎を開け閉めするときにカクカクなったり、痛みが出たりします。いびきをかいたりするのもその一つです。それは顎が後ろにいくことで舌も後ろにいき、気道が狭くなるから口で呼吸するのでいびきになるのです。かみ合わせの高さが低くなることでよくなることはありません。元の高さに戻すには色々な手立てがあるのですが、なかなか症状がないとそうしない方が多いのです。

さあどうしよう

すり減ったかみ合わせを元に戻していく手順として、まず元々あったであろう位置を探すことになります。たいていは前方にあります。そうすると顎を前に出すことになるのですが、奥歯が噛まなくなりますよね。2つの手立てが考えられます。一つは空いたところにかぶせ物をしていく方法、もう一つは矯正で歯を浮き上がらせていく方法です。

2つに1つ

歯のほとんどがかぶせてあれば、かぶせ物のやり代えをしていけばよいのです。ただ治療していない歯を削るのには抵抗があります。この方法はほとんどの歯が治療している場合に用いるとよいでしょう。

ほとんどの歯を治療していない場合には矯正治療で上下の歯を噛ませるようにするのがよいと考えます。いわゆるハリガネを使った矯正ではなく、マウスピースを使った矯正で対応することが可能です。というかそちらの方がよいです。

マウスピースを使うと歯にはめることでかみ合わせると高さは当然上がります。あがることで奥に押しやられていた顎が前に出やすくなるからです。顎が楽な、元の位置を決めやすくなるからです。長年押しやられていると元に戻ることができなかったり、顎の変形が戻らないこともありますがこれはやってみないとわからないところでもあります。マウスピースで治ります、とは言い切れませんが、よくなる傾向にあると言われています。かぶせ物が多い状態でもマウスピースによる治療は可能です。その治療するのにかぶせ物を外さないといけないこともありますのでご留意ください。

骨に埋まっている歯と骨から出ている歯の比率を大きく変えることはしない方がよいです。歯を浮き上がらせると、それにつれ骨もついてくると言われています。かぶせ物ではそうはなりません。その点を考えるとどちらがよいかはご理解いただけるのではないでしょうか。

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顎先に、にきびはできませんか

2023年8月10日

下唇の下の部分が化粧のノリが悪いとか、顎先にニキビができやすい、ほうれい線に左右差があるなど、女性の方はよくお顔をみられるので気になったことはありませんか。これにはかみ合わせが影響していることがあります。本当?って思われますよね。

顎関節

人間の歯は骨よりも硬く、むしばの治療の時に歯を削るときに切削器具につける材料は、ダイヤモンドを細かく砕いたものを成形したものです。ざっくり言えばダイヤモンドで歯を削っています。そればかりではありませんが、たいていはそうです。それくらい歯は硬いです。上下の歯をかみ合わせると接触面積が最大になるところでかみ合わせていきます。しっかり噛もうとすると体重分くらいの力がかかります。前歯だけでしっかり嚙み切ることはできません。やっぱり最大接触面積になるところで噛みます。その最大接触面積でかんでいるところの顎の関節の位置と、噛んでないときの顎の関節の位置がずれていると、関節に負担がかかります。一番良いのは一致していることです。その状態だと関節に負担はかからないので問題は起きることは少ないです。一致していないとどうなるのか、ということですが最初のうち問題はないのです。特に若年者には適応能力が高く症状はなかなかでません。でませんがレントゲンなどにその兆候が表れてきます。症状としては口を開けるときに顎がカクカク鳴る、とか口を長く開けてられないとか、口を開けると痛みを感じるとかです。噛んだ時と噛んでない時の顎の関節の位置にズレがあると顎の関節に一部が変形してきます。通常は手の親指のような形ですが足の小指くらい小さくなったり、尖ったりしてきます。

血流量

噛んだ時と噛んでない時の顎の関節の位置を一致させるようにすると顎の関節は少しずつ元の形に戻っていくことが多いです。年齢やダメージを受けた期間、個人差などもあるのですべてではありません。顎の位置のずれがあると関節内のどこかが押されます。押されたところの血管は流れが悪くなります。わずかながらも左右対称でなくなります。末梢の部分の血流ではありますが、心臓から送り出される血流量にも左右差が表れます。血管の走行は必ず左右対称ではありませんからの顔の中を流れる血流量も左右で変わってきます。わずかな顎の関節の血流ですがこのことで他の部分の血流量に影響を及ぼし、顎先の血流の悪いところにニキビができます。顎の関節のことがすべてではありません。顎の関節に問題がある場合にそれを改善するとよくなることがある、ということです。

噛み癖

顎の関節に問題があると噛み癖が顕著になってきます。誰にでも噛み癖はあります。痛くない方、あるいは逆のこともあります。噛み癖のある方の歯のすり減りがきつくなっていきますからかみ合わせの高さに左右差が出てきます。そうすると顔をみると目の開き具合に左右で違っていたり、肩の上がり方が左右で違っていたりします。写真撮るときにカメラマンからどちらかの肩を上げてくださいと言われたことはありませんか?自分では普通にしているつもりなのに。噛み癖があると癖のある方の筋肉が発達してきますから正面から見たときに首の太さに左右差が出てきます。そうです。ほうれい線にも左右差がでてきます。上唇に付着している筋肉は鼻の横あたりにまでつながっているのです。

どう治す

顎の関節をかみ合わせで治したり、かみ合わせのズレを治すことで顔の感じが変わることがあります。治し方には2つあって、一つはかぶせ物をやりなおすことでかみ合わせをよくすることです。ほとんどの歯がかぶせてあると適応になります。ほとんど治療していない歯だと歯を削ることになりますからお勧めできません。もう一つが矯正治療でかみ合わせをよくすることです。治療していない歯が多い場合にはこちらを選択することになります。特にマウスピースによる矯正だとかみ合わせの高さが一時的に高くなるので治療効果が比較的得やすいとされています。

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どちらになるにせよ、顎の関節にとってどの位置が負担が少ないかをある程度知ることからになります。また治療の期間や費用はそれなりにかかります。でもそれに対して得られる恩恵、健康は何にも代えがたいのではないでしょうか。

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マウスピース矯正の3つの掟

2023年8月3日

昨今よく耳にするマウスピース矯正ですが、世に出た当初は賛否両論ありました。ワイヤーに比べると適応症が限られるとされていましたが、今では適応される症例はワイヤーによる矯正とほぼ変わらないくらいになっています。どんな治療でもそうですが長所短所があります。ワイヤー矯正と違いマウスピースを取り外して口腔内を清掃することができるので虫歯になりにくいです。見た目もパッと見では付けているのか付けていないのかがわからないほどです。半面ワイヤーに比べ歯面との密着度が劣ります。自分で取り外しができるくらいですから。素材の特性もあって歯の軸を回転させるのが比較的苦手とされています。

後ろや前に動かすことはワイヤーと比べても遜色ありません。

時間厳守

ワイヤー矯正は自分で取り外すことはできません。つまり24時間歯に力がかかっています。24時間力をかけることができます。マウスピース矯正は先ほど述べたように自分で外すことができます。24時間装着していればもちろん24時間力をかけられます。

20-4=16

20時間装着し、食事や歯ブラシなどで4時間外していると歯にかかる力は16時間ということになります。12時間装着して12時間外していると12時間分力がかかって動きますが12時間分元に戻ろうとします。ですからほとんど動かないのと等しいのです。マウスピースによる矯正を行うにはせめて日に20時間できれば22時間装着することが大前提なのです。それが一つ目の掟です。

きっちり嵌める

ワイヤー矯正は

ワイヤー矯正(ハリガネによるもの)は歯にブラケットと呼ばれる装置を付けてワイヤーと歯を一体化させます。今のワイヤーは形状記憶のものが多く、理想的な歯のならびになっています。ブラケットは歯の軸に対して垂直に付け、ワイヤーはそれに対して十字の方向に収まります。ワイヤーが元の形に戻ろうとする力が矯正力になります。ワイヤーとブラケットが外れないようにゴムかものすごく細いワイヤーでとめます。ワイヤーによる矯正は概ね一か月毎に交換することが多いです。ブラケットにワイヤーを通す空間、それをスロットルというのですがスロットルに対してワイヤーの接触面が多いと強い力を歯にかけられます。少ないと力が伝わりにくいです。

ワイヤーの形

スロットルは断面にするとコの字になっていて、ハリガネの断面が丸型より方型の方が、接触面が多くなります。はじめからスロットルに対してキチキチのワイヤーだとすごい力が歯にかかりますからとても痛いです。通常はスロットルに対して余裕のある細めの丸型ワイヤーからはじめていき、少しずつ大きくし、更に方型ワイヤーに変えていきます。ワイヤーをはじめて入れたり、形状の変わったものに交換すると歯に力がかかるので痛みを感じます。時間が経つにつれ歯が動きが少なくなるので痛みが軽減されていきます。歯の動きを見ながらワイヤーのサイズ交換やブラケットとワイヤーの一体化具合の確認のため、月に一回診療所へ来ていただくことになります。

マウスピース矯正

マウスピースの矯正は歯の形そのものでは歯に力をかけづらいので、歯の表面に様々な形の出っ張りを付けます。虫歯の治療で詰め物をするときに用いる白い材料があるのですが、それを設置し歯とマウスピースを一体化させます。適当につけるのではなくてどの方向に歯を動かしたいかを考えて一番力のかかる形と方向を1歯ずつ考えてつけていきます。1歯ずつ方向、形の違う出っ張りがあることでマウスピースと歯を一体化します。マウスピースの着脱にかなり苦労するくらいです。

痛みは少ない

マウスピースは最終の位置、ゴールの歯並びまで最初に作ります。一つのマウスピースで動かせる移動量は最大0.25㎜とされています。最初のマウスピースと次のマウスピースで同じ歯でも0.25㎜ずれたマウスピースになっています。1枚のマウスピースで移動させる歯は、すべてか、1本か、何本かは治療計画で異なります。5~7日毎に交換することが多いのです。交換するマウスピースの枚数も治療により異なります。ワイヤーよりも交換時の痛みは少ないとされています。

チューイー

マウスピース矯正ではマウスピースと歯の適合がぴったりしていることが前提で治療計画が策定されていますからマウスピースが浮き上がっていたり、出っ張りが外れていると予定通りの動きになりませんから治療がうまく進みません。悪い方向に進むこともあります。しっかり嵌めていただくために、噛み噛みしていただく材料があるのですが、マウスピースを装着していただくときにそれを必ず用いていただかなくてはなりません。

脱着には気をつけて

また出っ張りが取れていないかの確認も必要です。マウスピースを外した時にその内面についていないかを確認してください。特に外しにくい場合には。ワイヤー矯正でも歯からブラケットが外れていれば力はかかりませんし、ワイヤーが外れていたら力はかかりません。これは同じことです。しっかり装着する、これが2つ目の掟です。

 

ゴムの使用があれば必ず使う

歯を効率的に動かすため、力をかけると必ず出る反作用を打ち消すために小さなゴムを口の中で使っていただくことがあります。これはワイヤーでもマウスピースでも同じです。

力をかけると必ず同じだけの反作用の力が出ます。それを打ち消すために用います。

ワイヤーやマウスピースの力だけでは動かせない場合に用いることもあります。

治療計画上必要とされたら必ず使ってもらわないと上手く治療が進みません。

これが3つ目の掟です。

3つの掟

もちろん定期的に受診していただかなければなりませんが、マウスピース矯正の場合3つの掟を守っていただき、マウスピース交換毎にお口の写真を撮影していただき専用のアプリでこちらへ送信していただく遠隔のモニタリングをしていただければ2か月くらいの受診になることもあります。治療していることがわかりにくい矯正治療は歯でお悩みの方にとっては大きな福音であることは間違いないと思います。宇治市 歯医者 mouth piece なかむら歯科医院

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