顎の成長発育
お子様にこんなお悩み・症状はありませんか?
- いつも口が開いている
- 口呼吸が多い
- 受け口になっている
- 歯と歯の間に隙間がない(歯並びが良くない)
- こどもなのにいびきをかく
- 鼻炎・喘息を持っている
- 扁桃腺を腫らしやすい
このようなお子様は、顎の成長発育に問題があるかもしれません。
歯並びが悪くなったり不正咬合になったりする原因のほとんどは、顎の発育不良です。(哺乳や離乳の仕方に問題があったと推察されます)
その結果、歯並びが悪くなり、かみ合わせがずれてしまったり、受け口、出っ歯、笑うと歯ぐきが出る、姿勢の悪さ、など、上記のような悩みへとつながってしまいます。
矯正歯科治療に求められているのは、ただ歯並びを綺麗にするだけではありません。
顎の正しい成長発育を促し、正しい機能を獲得し全身の健康のために矯正治療を行います。
T4K、ムーシールドなどによる治療(予防矯正 Ⅰ期治療)
問題点があれば、できれば一桁の年齢のうちから取り組みましょう。 一番に取り組むのは鼻呼吸の獲得です。口ポカンになっていませんか?鼻に問題があればまず耳鼻科を受診してください。
受け口は早期に取り組みましょう。後になると大変です。装置を使えるのであれば3~4歳から治療できます。自分で取り外しできてしまうので言い聞かせて使えることが条件になります。
いわゆる出っ歯やガタガタな歯並びもなるべく早めに取り組みましょう。 (特に女の子はだいたい14〜15歳で成長が止まります。成長を見込める時期は意外と短いのです。)
繰り返しますが、成長期が終わるまでにしかできない治療です。
ですが、これも使って頂かないと効果はでません。日中1〜2時間と就寝時に装着します。
家での装着になりますから、本人の精神的負担も少ないです。
毎日きちんとできないと効果が出ません。親御さんの協力がとても大事です。
鼻呼吸を促すことが全身の健康にも寄与します。
(鼻呼吸できない場合はまず耳鼻科受診して頂きます。)
成長にあわせて装置を交換することが多いです。
(装置の劣化もありますから一年毎に交換します。)
機能訓練(あいうべ体操など)はあわせて家でやって頂きます。
あいうべ体操とは
あいうべ体操は医師である今井一彰先生が考案されたお口の体操です。
「あ」「い」「う」「べー(舌を出す)」と強調的にお口を動かしてそれぞれを発音します。
これを毎日30回することで、お口の周囲筋のトレーニングになり、さらに唾液が多く出て風邪やインフルエンザ予防になるともいわれています。
お風呂で、トイレで、通勤途中に、また親子でいつでもどこでも思い出したらやってください。
そして口を閉じている時の舌の正しい位置、上の顎に舌の先がついている状態を覚えてもらいます。
永久歯にすべて交換するまで装着して頂きます。
獲得した機能(取り戻した機能)は見えない財産です。
”舌癖” 噛んだ時に上下の前歯がかなり空いていて、全く噛んでいない場合は、特に舌の訓練が必要となります。その場合、矯正専門医による訓練が必要となります。しかしこれらの装置を装着することで訓練を積めばある程度の改善はしていくと考えています。
取り外しの装置が選ばれる特徴
- 日中1~2時間と夜間の就寝時にマウスピースを装着するだけ
- ブラケットやワイヤーを使用しないので見た目が気にならない
- 痛みがほとんどないので子どもはすぐに慣れる
- 歯みがきがしっかりできるので虫歯になりにくい
- お子様の顎の健全な成長を促すことが出来る
取り外しの装置の注意点
- きちんと毎日装着時間を守って装着できていないと効果が出ない
- 噛みしめがきついと装置が壊れることがあり、その際はハードタイプを新たに用いなければならない
- 歯並びそのものは、ある程度にとどまる(本来の目的は上下の顎の前後的な位置の改善のため)
- 成長のピークである10歳までがこの装置による治療開始のリミット
- それ以降はインビザラインファーストになります
治療に取り掛かる前の検査
唇を閉じる力の測定
唇に力を入れてもらって引き抜き試験をします。口ポカンのお子さんはこの力が(口唇閉鎖力)ありません。
鼻呼吸のチェック
鼻が詰まっているようでしたら、耳鼻科ですぐに対応していただいた方がよいでしょう。
装置自体を入れられないので
レントゲン写真
レントゲン写真、口腔内写真、模型を分析します。
初回費用 (診断料込) |
5万円(税込5.5万円) |
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経過観察 (約1〜2ヶ月おき) |
来院毎 3,000円(税込3,300円) |
破損や成長で装置の交換が必要となった場合
3万円(税込3.3万円)
当院の治療例
当院の治療例の一部を
ビフォー&アフターでご紹介いたします。
出っ歯
治療前
治療後
治療の説明 | 下の前歯が半分以上見えない状態でした。 (上の前歯が前に出ています。) レントゲン撮影で頭蓋骨と上顎と下顎と歯の生えている方向の関係など分析し、適応症にあたるか診断してから装置を装着してもらいました。 毎日日中1時間と夜間の使用を指示しました。それと共に毎日あいうべ体操を30回行ってもらいました。 |
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副作用(リスク) | 細かな歯の動きはできません。 上と下の歯の真ん中を一致させるのはワイヤーやマウスピースを用いることになります。 |
費用 | 11万円(税込)( +経過観察費 2~3か月おき 2年総額 15,000円 ) 診査診断料含む ※現在の料金価格で計算しております。 |
治療期間 | 2年(すべて永久歯に変わるまで) |
受け口
治療前
治療後
治療の説明 |
上の前歯が下の前歯の内側に入って生えた、反対咬合です。レントゲン撮影で頭蓋骨と上顎、下顎と歯の生えている方向の関係を分析したところ骨格的な問題はないと判断できました。 (家族に受け口の方もいらっしゃられないという遺伝的傾向もない) 適応症と診断し、毎日日中1時間と夜間使用してもらいました。 それと共に毎日あいうべ体操を30回行ってもらいました。 |
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副作用(リスク) | 下顎の成長は上顎の後にピークを迎えます。小さい時期に受け口がよくなっても、成長著しい場合は高校生くらいに下顎がぐんぐん大きくなって再度受け口になることがあります。 ご家族に受け口の方がおられる場合も同様です。その場合は再治療になります。ケースによっては外科治療によって下顎を後ろに下げることもあります。 |
費用 | 11万円(税込)( +経過観察費 1~2か月おき 半年総額 12,000円 ) 診査診断料含む ※現在の料金価格で計算しております。 |
治療期間 | 6か月 |
インビザラインファーストとⅡ期治療
成長には個人差があり、これらの取り外しの装置を使っても残念ながら永久歯の生えてくるスペースができないこともあります。
大人の犬歯が正しく萌出できるスペースの無い場合や永久歯の前歯がガタガタしている場合は、T4Kで永久歯が正しく並ぶように顎の骨を大きくすることはできません。
そのような場合には1本1本の歯にぴったり合わしたマウスピースを用いて顎を大きくします。(インビザラインファースト)永久歯がきちんと並ぶだけの大きさに顎を大きくすると共に、個別の歯の傾きや回転も可能な範囲で改善していきます。今まで話してきたこれまでの装置と異なり、1日22時間以上(食事と歯ブラシ以外)お口に装着していただきます。10歳が日本人では上顎の成長のピークですから、タイミングをみて切り替えなければなりません。下顎の成長のピークは上顎の後なので、上顎が正しく大きくなれば基本的に個人差はありますが下顎は正しく成長します。(乳歯が残っている時期に行います)
永久歯が全て生え揃った時期で、歯並びに問題がある時に行うのがⅡ期治療です。ティーンは成長の終わりが見えていますが、まだ骨の成長を使える時期なので抜歯という選択をせずに治療することが可能なことが多いです。
小児矯正のQ&A
永久歯が変な方向で生えています。大丈夫ですか?
歯の軸が曲がっている場合は、T4Kなどの装置で改善することはできません。
しっかりその歯に力を加えて、正しい方向に誘導しなければなりません。インビザラインファーストに適応になる可能性が高いです。
上の真ん中の前歯の永久歯が、すきっぱです。大丈夫ですか?
レントゲンで歯と歯のあいだに過剰になっている歯の有無をまず確認します。
あれば埋まっている過剰歯を抜歯します。病院歯科で抜歯するのが一般的です。
なければ隣の歯の萌出と共に隙間が詰まってきます。
ただし隣の歯が内側から生えてくると隙間は埋まらない可能性が高くなります。
本格的な矯正治療が必要で、インビザラインファーストの適応になると思います。
上唇小帯が高い位置にあることで歯が寄ってこないこともあります。その場合、口腔外科で切除していただきます。
一期治療で矯正は終わりますか?
ざっくりですが、受け口や出っ歯に対して大雑把に改善するのが一期治療です。
一期で終わることもあります。ただし個別の歯の問題には対応できていません。
例えば全体的に歯と歯の間が空いている空隙歯列や八重歯などです。
そういった歯列不正は二期治療が必要になります。(インビザライン、インビザラインファースト)