ホワイトニングとは
ホワイトニングとは、歯みがきや歯のクリーニングで落とせない加齢により黄ばんでしまった歯を白くする治療法です。
自分の歯そのものを白くしていくため、歯を削る必要はなく、歯の中にある色素を分解していきます。
ホワイトニングには、歯科医院で行う「オフィスホワイトニング」とご自宅でできる「ホームホワイトニング」、またその両方を行う「デュアルホワイトニング」の3種類があります。
ホワイトニングの種類
オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングは歯科医院で行うホワイトニングで、ホワイトニング剤を歯の表面に塗布してLED光を照射し活性化させることで、歯の色素を分解・無色化します。
ご自宅で行うホームホワイトニングに比べ濃度の高いホワイトニング剤を使用するため、1回のご来院でスピーディーに歯を白くすることができます。
ただし即席的なので効果も出にくく、また後戻りしやすく、オフィスホワイトニング単独の治療はオススメしません。
オフィスホワイトニングの流れ
STEP1. カウンセリング
ご来院いただき、ホワイトニングができるかどうかお口の状態をチェックと問診を行います。
また、歯の色見本で治療前の歯の色調を確認します。同意書の提出をお願いします。
STEP2. 歯面清掃
治療前に専用の機材を使用してお口の中の歯垢や歯石、着色汚れを除去します。
STEP3. 歯肉保護
歯肉・口唇など歯以外の部分にホワイトニング剤が付着しないように保護します。
STEP4. ホワイトニング剤の塗布・照射
ホワイトニング剤を歯の表面に塗布しそれにあった波長のLED光を照射します。
(3回ほど繰り返します)
STEP5. フッ素塗布
フッ素入りペーストで歯面をコーティングしてホワイトニングを終了します。
STEP6.評価
写真などで術前術後の状態を患者様にご確認いただきます。
確認後、今後のメインテナンスや注意事項についてご説明します。
ホームホワイトニング
ホームホワイトニングは患者様自身がご自宅で行うホワイトニングです。
患者様のお口に合ったマウスピースを制作し、専用のホワイトニング剤と一緒にお渡しします。
色が後戻りしにくく、自宅で空き時間を利用して手軽に行えるメリットがあります。治療終了後も月に一度続けていただくことで後戻りを少しでも防ぎたいところです。
ホームホワイトニングの手順
STEP1. カウンセリング
ご来院いただき、ホワイトニングができるかどうかお口の状態をチェックと問診をします。
また、歯の色見本で治療前の歯の色調を確認します。同意書の提出をお願いします。
STEP2. マウストレーの型採り
歯の型を採り、ホワイトニングで使用するマウストレーを作製します。
(通常は1週間程度で完成)
STEP3. トレー、ホワイトニングジェルのお渡し
マウストレーを実際に装着していただき、違和感がないかをご確認していただきます。
問題なければホワイトニング剤と一緒にお渡しし、使用方法についてご説明します。
STEP4. ご自宅で実践
日中や就寝前などの好きな時間に1日1回、2時間を目安にマウストレーを装着していただきます。
ホワイトニング中は色付きの食べ物や飲み物、喫煙をできるだけ控え、マウスピースを強く噛まないようご注意ください。
STEP5. 定期チェック
3~4週間ほど実践いただきましたら、再度ご来院いただき歯やマウスピースの状態をチェックします。6~8週続けます。
デュアルホワイトニング
上記で説明したオフィスホワイトニング・ホームホワイトニングを併用することで、高い効果を実現するために行うホワイトニングを「デュアルホワイトニング」と呼びます。
オフィスホワイトニングの即効性、ホームホワイトニングの白さの持続性双方を備えたメリットの多い治療法です。当院ではデュアルホワイトニングを行います。
治療例
少し撮影設定が違うので申し訳ないのですが、よく観察していただくと黄ばんでいるのが白くなっているのが分かると思います。治療前にリスクを話し同意を得たので、治療することになりました。
治療期間
オフィスホワイトニング | 1時間 |
---|---|
ホームホワイトニング | 4時間/日 2か月 |
治療費用 | 33,000円(税込み) |
この方はホームホワイトニング中、数日知覚過敏がでました。その時は1~2日休んでいただき、知覚過敏症状がなくなり次第再開してもらうように指示しました。
(治療終了後も継続的にホームホワイトニングしていただくと、歯の色の後戻りを最小限にとどめることができます。当院でホワイトニング治療された方のみ追加ホワイトニング用薬剤を販売しています。)
ホワイトニングの注意点
ホワイトニングは歯の付着した色素を落とし「本来の歯の色」に戻す処置なので、もともと灰色がかったグレーの歯の色を白くするなどは極めて困難です。ほぼできないと考えていただいた方がよいでしょう。
また、白くする歯以外に差し歯や被せ物があると色の変化によって際立ってしまう場合があります。ホワイトニングが終了した後、素材を変えると本来の色に近付けることが可能です。
人によってホワイトニング剤による知覚過敏が生じる場合があり、処置の一時中断、一日おきに処置を行なうなど変更が必要になります。違和感を感じたら必ず歯科医院に連絡しましょう。
ホワイトニングは白さがいつまでも保たれるわけではなく、時間が経つと段々色が戻ってきます。ホワイトニングを初めて行う人にその傾向が強いようです。
ホワイトニングだけでなく、歯磨きなどのケア、歯科医院で定期的な歯のクリーニング(PMTC)を受けると白さがより長持ちします。
ホワイトニングを始める前の注意事項
治療結果には必ず個人差が出ます。術前術後の口腔内の写真を比較して白くなっていても、ご本人が満足いただけないこともあり得ます。それは主観が入るからです。(自分の思いが入るからだと思います。)客観的に白くなっていても、主観的に満足いく結果が出ないこともあり得るとご理解ください。その上で治療を受けるかどうかの選択をしてください。
根管内漂白
神経のない歯は時間が経つと、根管内に僅かに残る赤血球の残遺が酸化していきます。それが透けるのでだんだん歯の色が暗っぽくなります。(虫歯ではありません。)神経のない歯はホワイトニングで白くなりません。ホワイトニング効果があるのは神経のある歯です。(被せ物もやりかえないと白くなりません。)
この場合は歯の根の中に1~2週間薬を入れることを数回繰り返し、歯の漂白を行います。
色が白くなったら処置を終え、詰め物をすることが多いです。
随分前に歯の神経を取った銀や銅の金属イオンが歯の根に滲み込んでいる
以上の場合には根管内漂白法(Walking bleech 法)でも効果がでません。その場合は被せ物による治療になります。
術前 術後
28日 治療回数3回 一回5,000円
よくある質問集
思うような白さになりますか
加齢と共に黄ばんでいる場合にはホワイトニングの効果は出やすいですが、若年者の場合は歯の色は元々白いですから思ったよりも効果を実感しにくいです。個人差や主観が入るため必ず実感できるとは言えません。
ずっと白いままですか
加齢と共に歯にヒビが入って歯は黄ばんでいきます。そのヒビを埋めることはできません。ですから白い状態を維持するには処置後もホームホワイトニングを続けていく他ありません。どの程度色が戻っていくかは個人差があります。
治療後気をつけることはありますか
一般的に色の付いた食べ物、飲み物は控える。例えばコーヒー、赤ワイン、カレーなど。
歯に刺激のあるもの 例えば炭酸飲料や酸性の飲食物だと歯がしみたりします。
当院での治療においては特に食事の指導はしていません。術直後から普通に生活していただいています。もしホームホワイトニング中滲みる時は一時中断していただきます。
セラミックのやり替えとホワイトニングを考えていますが、どちらが先ですか?
天然の歯の色に合わせて被せ物や詰め物をするので、まずホワイトニングを行ってからその色に合わせてやりかえるとよいでしょう。
ホワイトニングできないこともありますか
あります。
無カタラーゼ症の方
妊娠中、授乳中の方
エタノールなどに対して過敏症のある方
光線過敏症の方 などです。
処置後滲みます。どうすればよいですか?
オフィスホワイトニング中なら、治療は中断します。知覚過敏処置を行い後日再治療されるか、中断するか選択いただきます。ホームホワイトニング中なら一時中断いただき、数日して知覚過敏症状が無くなるようであれば再開してください。