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義歯が出来るまでの期間はどれくらいかかるのか

2024年11月28日

虫歯や歯周病、歯の破折、根の先が長く膿んだりして歯を失うと、失った部分を何らかの形で補わないといけません。インプラント、ブリッジ、そして義歯がその選択肢になります。失ったままにしておくと隣の歯がその部分に向かって倒れていったり、噛み合っている歯が少しづつ伸びてきます。一番奥の歯が失われてそのままにしておくと、噛み合っていた歯が伸びてきて歯茎に当たるようになります。その状態が長く続くと、歯茎に硬い歯が慢性的に当たり続けることで、歯肉癌の原因になる可能性が生じます。また後からその部分に義歯やインプラントをしようとしても隙間がありませんから、伸びた歯を大きく削って隙間を作ることから治療を始めなくてはなりません。

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ブリッジできないケースはよくあります。

ブリッジは失われた歯の前後に歯がないとできない治療です。歯があったとしてもできないことがあります。大雑把に言うと、失われた歯が連続して4歯以上あると保険診療から外れてしまします。(個別事例で違いますから確認が必要です。)なぜかというと、支えに用いる歯に相当の負担がかかってそれらの歯が長くもたないからです。(早く悪くなる)支えの歯が歯周病などで揺れているなら尚更です。そのことを伝えると“えー、ブリッジできないの?”という反応です。ブリッジは固定式で取り外ししません。ブリッジができないということは、保険診療では義歯、いわゆる入れ歯しか選択できない、ということだからです。

固定式にするには

取り外しの無いようにするには、インプラントがあります。(保険外治療になります。)どなたにでも治療出来るのではなくて、インプラントを埋入できるだけの骨のボリュームが必要です。歯周病や歯の破折で歯を失った方の顎の骨は少なくなっていることも多く、治療したくてもインプラントできなかったり、術前処置が必要になることもあります。条件が揃っているなら義歯に比べて快適かと思います。

インプラントのページ

義歯を作製していく工程

型取りの次に義歯が出来てくるかと言えば、そうでないことの方が多いです。1~2本失われた場合の義歯は、最短でそのようにすることができます。合いを診るためにもう1工程挟むこともあります。

印象

いわゆる型取りです。総入れ歯と部分入れ歯で少し違うところがあります。総入れ歯の場合は顎の土手の型取りですから、顎の形に合った型取り用のトレーで、型取りします。部分入れ歯の場合、噛んだ時に入れ歯が強く歯茎に押し付けられないよう、残っている歯にストッパーをつけなければなりません。型取りする前に、ストッパーを組み込むだけの隙間を作るため歯を少し削ります。虫歯を取ったりするのではないのでさほど大きく削りません。ですから通常は麻酔しません。また着脱するのに引っ掛かりそうなところを修正することもあります。その後顎にあった型取り用のトレーで型取りします。小さな義歯だと小さな型取りトレー、歯が多く失われている義歯は大きな型取りトレーになります。

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保険外の義歯を作る時は、より精密に型取りする

自費の義歯は精密に型取りするために、個人個人にあった顎の形をした型取り用の道具を先に作ります。(既製品の型取りトレーを使って、実際に義歯を作る模型を得る型取りトレーを作ります。)

咬合採得

歯が沢山残っていると上下の模型を噛みあわせることは比較的容易なのですが、残っている歯が少ないと、上下の顎の模型を合わせようとしても、どこで噛んでいるかその関係がわかりません。口の中は、顎関節がありますから関係はわかります。模型を使って間接的に義歯を作りますから、上下と左右の関係がわからないと作っていくことはできません。総義歯含め、歯の多く失っている方は古い義歯の高さを参考に、無ければ男女差を踏まえて日本人の平均を参考に決めています。多くの歯が失われているにもかかわらず、そのままにされていると顎関節が変形していたりするのでとても難しい工程です。模型に問題があれば、印象に戻ります。

試適

咬合採得で得た上下の関係を元に、人工の歯を並べた完成前の義歯を作ります。模型を使って間接的に義歯を作っていきますので、どうしてもズレがでます。噛み合わせが低いとか、高いとか、金具が合うとか、合わないとか、実際の口に入れて確認します。必要があるなら完成する前に修正します。大きく高さがズレている場合は咬合採得に戻ります。

完成

いよいよ完成です。試適の時に修正してはいますが、完成前と完成時では材質が少し異なるので、どうしても多少のズレがでます。試適の時とは違う調整が必要になります。金具の付く歯が揺れていると、型取りの時に歯が少し動いた状態の型になることもあるのでピタッと合いにくいことがあります。(試適の時と材料が違うのでこういうこともあります。)模型は硬いですが、歯茎は軟らかいです。噛むと義歯は歯茎の方向に沈みます。噛む力、残っている歯の状態、歯茎の厚みなど皆さん違います。模型にすべて反映することはできませんから調整が必要なのです。

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調整

靴を新しいのに変えた時に、靴擦れが起こるのと同じで、時間と共に擦れて痛んだり、強く当たったりするところが出てくるかもしれません。入れて終わり、ではなくて、一定期間使った後で調整することが必要になります。理由は先に述べた通りです。一回でパシッと合えば言うことないのですがなかなか難しいです。義歯を使ってらっしゃる方はどうしてもそれと新しいのを比較されます。ベテランとペーペーの違いはあります。今の義歯に問題はないが、新しいはどうかと考えられている方はこの点をよくお考え下さい。

義歯を小さくできるか

失われた部分が多いのに義歯をされていない方、小さな部分義歯は入れていたが新たな部分の歯が失われた方は、“作成した義歯が大きい、小さくできないか”とおっしゃることもよくあります。部分義歯は歯に金具をかけて、それで義歯の安定を図っています。残っている歯が少なければ少ないほど負担がかかり、歯に悪さをします。負担を少しでも軽くするために粘膜部分に負担してもらうので義歯が大きくなるのです。小さくすることは出来ますが残っている歯のことを考えるとお勧めはしません。義歯の強度も落ちます。(保険診療では、新しく義歯を作ったら、半年以内に義歯が壊れても新しく作り直すことはできません。一旦壊れると修理しても義歯は壊れます。)

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義歯の安定は金具をかける歯の形に左右される

部分義歯は歯に金具をかけて安定させます。歯の形として前歯は金具をかけるのに向いていません。前歯しか残っていない義歯は安定せず外れやすいです。歯が短いのも義歯の安定に向かないです。噛みしめなどで歯が大きくすり減っている方は歯の数があっても義歯は安定しません。倒れている歯 歯周病で揺れている歯も金具をかけるのに向きません。

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総義歯を安定させるには

総義歯は顎の土手がしっかり残っていると比較的安定しやすいです。歯周病で歯を失っていると顎の土手はかなり少なくて総義歯は安定しません。義歯の床面積が大きくすることで安定を図るのですが喉に近いところまで大きくすることもあります。ただ馴染みにくかったりします。

作るまでの回数は最低4回

これまでお話した通り調整まで入れると5回ですが、失われた本数が多ければ回数が延びることもよくあります。入れ歯にならないようにする、そのためには失くした一本目の処置が大切、できればブリッジは避けるということに尽きます。

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