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顎は大きくなっても、歯並びは変わらない

2026年7月9日

子供の過蓋咬合やガミースマイル(笑うと歯茎が見える)が多い

宇治市 歯医者 gummysmile なかむら歯科医院

過蓋咬合は噛んだ時に前から見ると、下の前歯が上の前歯に半分以上隠れてしまう噛み合わせです。普通は下の前歯の2/3以上見えるのが普通です。被さっているのが3㎜以上になっていると、咀嚼や顎の発達、口腔機能全体に悪影響を及ぼすことがあります。前方方向への顎の成長が不足している、上顎の劣成長が原因です。上顎が前方に成長しないと下方向を中心に成長しますから、笑った時に上顎の歯茎が見える、いわゆるガミースマイルになってしまうこともあります。下顎は上顎よりも後から成長するので、上顎が通常に成長しないと下顎の前方成長が妨げられてしまいます。過蓋咬合だと、前後的顎成長が抑制されやすく、出っ歯(上顎前突)になる傾向も高くなります。顎の成長が足らないと歯並びもガタガタしやすくなります。ただし遺伝的な下顎劣成長や上顎狭窄の傾向がある場合もあります。

子供のうちはすきっぱがベスト

宇治市 歯医者 gap tooth なかむら歯科医院

何が普通かと言えば、子供のうちはすきっぱであれば顎が正しく成長していると言えます。(特にすきっぱで上下前歯の先端同士で噛んでいる状態。)すきっぱの方が何故良いのかと言えば、前歯に関して言うと後から萌出する永久歯のほうが、乳歯より 大きいからです。永久歯が萌出する際には乳歯よりもスペースが必要です。この追加になるスペースを生理的に確保しているのが、霊長空隙、成長空隙です。元々は備わっているものです。今隙間がないということは、今の顎サイズでは永久歯が収まらないことを意味します。成長すればそのうちで隙間が出来ると考えると思いますが、そうとは限りません。ある歯科医院が1歳から6歳までの子どもの経過を追った所、2~3歳で前歯がキチキチで生えているかガタガタの場合、6歳でもその状態は変わらなかったそうです。

空隙がないと困ること

本来、乳歯列期には 前歯部に成長空隙ができるのが自然です。哺乳期、離乳期、を正しく過ごしていれば空隙は生まれます。空隙がないということは、上顎の成長が劣成長の可能性が高いということになります。成長が足りないと空隙は生じにくいということです。乳幼児期の過蓋咬合は、単なる歯のかみ合わせの問題ではなく、成長機能全体に影響します。下顎の前方成長が抑制され、将来出っ歯やガタガタな歯並びになりやすくなったり、顎関節症や舌の動きが制限され、発音(特にサ行、タ行)が不明瞭になりやすくなることも考えられます。

小さな子供にどう対処していくべきなのか

色々と気を付けなければならないことがあります。多忙な現代生活ではなかなか難しいこともあります。昔が良かったということはありませんが、正しく手を掛けて育ててあげてください。

正しく哺乳する

宇治市 歯医者 breastfeeding2 なかむら歯科医院

正しく哺乳することが正しい成長と良い噛み合わせに繋がるということを、コラムを通してずっと書いてきています。今更ですが、正しく咥えさせて(唇を翻転させて)深のみさせること、添い寝乳しないこと、首が座ったら縦抱き授乳する、ことを心がけてください。哺乳を通して赤ちゃんは嚥下を覚え、舌の使い方を覚え、舌を上顎に付ける筋力をつけ、顎を大きくさせていくのです。この過程が正しくないと、本来の成長から少しづつズレていくのです。

哺乳瓶を選ぶ

ミルクの出の良い哺乳瓶の乳首を使うと、口の周りの筋肉を使わずに栄養を取れてしまいます。正しい筋肉の使い方を覚えてくれなくなります。先ほど述べた通り一生続く筋肉の動し方を決めてしまいますから、適切な哺乳瓶を選ぶようにしてください。

発達順序を守る

宇治市 歯医者 highhigh なかむら歯科医院

首が座り、頭を持ち上げ、ハイハイし、お座りできるようになり、手を自由に使えるようになります。多少順序が前後したりしますがどの子供も発達順序は概ね同じです。母子手帳に目安は載っていますが、成長が記載月齢より遅れても焦らないでください。個体差はあります。追いつかせようとするあまり、過度な補助や器具を使うことはしない方が良いと思います。子供自身が体のバランスを覚えているのです。重力に抗する姿勢を覚えるのです。歩行器も使わない方が良いと思いますし、お座りを補助するような小さな椅子も使わない方が良いと思っています。

抱っこ姿勢

宇治市 歯医者 baby なかむら歯科医院

縦抱きしてもらっても良いのですが、首が反って口が開くのはよくありません。内側に向かって丸く抱っこするようにしてください。口呼吸や良くない姿勢を覚えてしまいます。

離乳食への移行時期

離乳食に移るということは、自分の手を自由に動かせるようになっているということです。何でも口に入れます。意欲の湧いている時期なので手の持って汚すことも多いでしょうけれど、安全に気を付けて見守ってあげてください。

食事姿勢

宇治市 歯医者 how to eat なかむら歯科医院

もちろん一人でお座り出来ていると思います。足がブラブラしている状態での食事は止めましょう。きちんと足が着いた状態で食事を摂りましょう。幼稚園、保育園くらい大きくなった時は正座でもよいです。足底接地と言います。シリコンエプロンも、前傾姿勢になる可能性があるのでよくありません。汚さないようにしたいと思いますが、姿勢保持のためにできるなら軽い布製などのエプロンをお勧めします。

正しい離乳食の与え方

宇治市 歯医者 fooding なかむら歯科医院

すすり飲みは良い口唇の訓練になります。スプーンを横にしてすすらせるとよいです。一口量も大切で、大人の人差し指の爪くらいまでの量にしましょう。一口量を正しく覚えないと、将来丸飲みを覚えてしまうことになります。保護者がどんどん口の中にスプーンを突っ込んで入れていくのはやめましょう。下唇にスプーンを当て、本人が口を閉じて摂食するまで待ちましょう。結構根気が必要ですが、口周りの筋肉の使い方を覚えていくのに必要です。

運動させる

宇治市 歯医者 playing outside なかむら歯科医院

もし歯並びや咬み合わせが良くないことに気づいたとしても、2~3歳の頃に矯正装置など用いることはしません。食事の仕方、食育になる訳ですが、それだけでなく、身体のバランスが崩れていることがあるので体幹が不安定になっていることが考えられます。身体全体のバランスを整えることを考えます。具体的には外遊びです。平坦ではなく起伏にとんだ公園などはバランス感覚を養うのにもってこいです。足をしっかり使うことがよいのです。よく子供が壁に手を当てて走ったり、歩道のブロックに乗ったりするのはバランス感覚を確認しているのです。

食育

哺乳、離乳の時期を過ぎてしまうと、食育で対応する時期になります。もちろん矯正装置を使うこともありますが、それだけでなく噛むという刺激を与えて前方への成長を促します。 上顎の劣成長に対して前方への成長を促すため、前歯に食材で刺激を与えましょう。具体的には前歯で噛み切るくらいの大きさの具材、歯ごたえのある食材が毎食一品あればよいでしょう。飽きないように工夫も必要なので、保護者の負担にならないようあまり深刻に考えないでくださいね。前歯に刺激を与えることで、脳の前頭葉に刺激が伝わります。やる気、コミュニケーション、集中力に関与するようですので、成長だけでなく脳への刺激になります。あと食事している時は、話すことは止めましょう。飲み込んでしまっていることを確認してからにしてくださいね。

鼻閉への対処

宇治市 歯医者 breath なかむら歯科医院

鼻が詰まっていて口呼吸になると、舌が上顎に付かなくなり上顎の成長を妨げる大きな要因になります。その状態でもし矯正治療をしたとしても、根本の原因が解決していませんから後戻りもしてしまいます。口ポカンや唇が慢性的に乾いているなど兆候があれば耳鼻科の受診もしてみましょう。

確かな知識を持って、子育てをしてください。

これまで述べてきたことでご存じなかったことがあったかもしれません。取り組めることがあれば是非取り組んで下さい。三つ子の魂百まで。最初が肝心です。

マタニティー歯科

小児口腔育成

小児矯正

小児マウスピース矯正

 

妊娠時、積極的に治療するの?

2026年7月2日

妊娠時の治療

宇治市 歯医者 matanity なかむら歯科医院

妊娠中の歯科治療は、原則として可能で必要な治療は行うべき、ただし時期と内容を選ぶ、というのが基本となる方針です。積極的な治療は可能ですが、何でもかんでもやるべきかといえば、緊急性とリスクを天秤にかけて判断します。

妊娠期において歯科治療を行うのはいつが最適なのか?

妊娠のどの期間かによって治療の内容は異なります。大きく分けると下記内容になります。

妊娠初期 (1~4ヶ月)

応急処置のみにとどめることがよいとされています。妊娠初期は心臓や脳、四肢などが形成されるで、薬剤や放射線、強いストレスの影響を受けやすく、切迫流産のリスクもあります。ですから歯石除去や歯のクリーニング、痛みを抑えるための最小限の応急処置に留めます。

妊娠中期 (5~7ヶ月)

治療を行うのに最適なのが安定期です。通常の虫歯治療や歯周病治療、抜歯なども基本的には問題なく行えます。ただし妊娠中に治療を行うのであれば、十分な診断と早急に必要な治療かどうか検討した上で決定します。

妊娠後期 (8ヶ月~出産前)

基本的に応急処置のみとなります。お腹が大きくなり、仰向けで治療を行うと胎児の重さで下大静脈が圧迫され心拍出量低下し、その結果血圧低下、悪心など引き起こしかねません。また胎盤への血流が低下すると一過性に胎児が低酸素のリスクを負うことになります。ですから出産後まで治療を延期することが多いです。

妊娠中に治療をすべきなのか?

安定期は実質3ヶ月ほどしかありません。安定期に治療を行うのは、痛みが出る可能性が高い虫歯や歯周病治療を最優先します。早急にやるべき処置なのかどうか、出産まで待っても大丈夫なものなのか、それを診断し、行わなくてはならなければ治療の優先順位をつけて処置します。外科的処置も可能ではありますが、必要最小限にとどめることが一般的です。

歯周病、歯肉炎に対する処置は積極的に行うべき

宇治市 歯医者 brushing なかむら歯科医院

安定期に歯周病や歯肉炎に対して積極的な治療(クリーニングや歯石除去)を行うのは、低体重児出産、早産のリスクを低減するためです。歯周病がある妊婦さんは、そうでない妊婦さんに比べて、低体重児出産や早産の確率が数倍、調査によっては約7倍高まるというデータがあります。口の中に存在する歯周病菌が、歯磨き時に起こる出血などや嚥下などで血液中に入り込み、炎症物質の血中濃度が高まります。この炎症物質が子宮を収縮させる物質と似ているため、身体が本能的に出産の準備が整ったと誤認し、陣痛を誘発し早産を引き起こしてしまうと考えられています。

低体重児出産のリスク

通常の正期産(妊娠37週〜41週)で生まれる赤ちゃんの平均体重は約3,000g前後ですが、早産(37週未満での出産)になると、お腹の中で体重が増える期間が短くなるため、低体重になる確率が非常に高くなります。具体的には2,500g 未満を低体重児と定義されています。低体重、特に早産を伴う場合は、体の各器官が十分に成熟していないため、外界に出る準備が整っていない状態で生まれることになります。例えば肺を十分機能させるための横隔膜をしっかり動かせず、呼吸することが困難になることもあります。十月十日とは、妊娠期間が約280日であることを指したものです。未熟でありながらも外界に適応できるだけ胎内で成長しておくことがが赤ちゃんに必要なのです。

歯周炎の積極的治療とは何か?

それは何かと言えば、歯石除去と歯科衛生士による徹底した機械的清掃(PMTC)です。歯ブラシでは取れない歯石を除去し、バイオフィルムを破壊して歯面をツルツルにして歯垢を付きづらくします。妊娠中は、つわりで歯ブラシを口に入れるのが辛くなって歯垢を取り切れず溜まりやすくなったり、エストロゲンなどの女性ホルモンを好む特定の歯周病菌が増殖したりして、普通に生活していても口内環境が悪化しやすい条件が揃っています。そのような環境のままだと、通常の数倍のスピードで歯周病が進行してしまいます。そのため、歯石除去などの歯周病治療が妊娠中も必要なのです。

母子感染のリスク

赤ちゃんの口には元々虫歯菌や歯周病菌はいませんが、産道を通って来るときに母子感染して口腔に細菌が定着します。とはいえ、お母さんの口が不衛生だと、離乳食の取り分けなどを通じて更に菌が移りやすくなります。口腔内の細菌をゼロにすることはできません。口腔内を清潔に保ちリスクを少しでも下げることは母としての務めではないかと思います。適切なブラッシングで歯垢除去することと定期健診をルーティンにしましょう。

妊娠中にどうしても治療をしなければならない痛みは何か

宇治市 歯医者 swlling なかむら歯科医院

初期や後期であっても、応急処置や治療が必要になのは、虫歯が大きくて何もしなくてもズキズキと激しい痛みがある場合や根の先に膿が溜まっている場合、歯茎が親知らずや歯周病で腫れている場合です。痛みが母体と胎児の双方に悪影響を及ぼすためです。虫歯が神経に達していれば神経を取る処置が必要ですし、親知らずや歯周病が原因でパンパンに腫れて、食事することもままならなかったり、顎の下などに炎症が広がりそうであれば、抗菌薬によって消炎を図り、場合によっては抜歯が必要になることもあります。他にも色々な場合がありますが、放置するリスク(母体への過度なストレスや感染の全身波及)が、治療のリスクを上回ると判断される場合においてのみ治療介入します。治療そのものが悪ではありませんが、妊娠期特有の配慮すべきリスクがあります。

治療に至った時にリスクと考えられること

大きく分けると、薬と放射線です。

薬剤(麻酔・鎮痛剤・抗菌薬)の影響

腫れ止め、痛み止め、麻酔について述べます。薬剤を使用すると薬剤が胎盤を通過し、胎児の成長や器官形成に影響を及ぼす可能性があるからです。

局所麻酔

宇治市 歯医者 ane なかむら歯科医院

歯科で用いる局所麻酔薬には血管収縮薬が含まれています。血管収縮による一過性の循環変動を考慮しなければなりませんが、極端に使用量が多くなければ比較的早く分解されるため、胎児への影響は少ないとされています。

抗菌薬

宇治市 歯医者 drug なかむら歯科医院

いわゆる化膿止め、抗生剤です。炎症を抑えるために用います。テトラサイクリン系、ニューキノロン系という範疇にある抗菌剤は禁忌(用いない)ですが、ペニシリンやセフェム系という範疇の抗菌剤は安全性が高いとされているので、そちらを処方します。

鎮痛剤

安全性を考えカロナールなどのアセトアミノフェンを用います。市販名で言うロキソニンやイブ、バファリン、ボルタレンなどは非ステロイド性の薬ですが、そちらを選択することは控えます。

放射線

宇治市 歯医者 xray なかむら歯科医院

歯科で用いるデンタルX線自体の被曝量は極めて微量です。胎児の方向に向けて撮影することはありませんし、鉛のエプロンを用いた防護下では胎児被曝は事実上ゼロです。それでも不要撮影は避けた方がよいのはおわかりのとおりです。

妊娠中でも必要な歯科治療は受けるべきですが、後悔のないように

これまで話してきた通り、感染や炎症による痛みをそのままにしておく方が、胎児にとっても不利です。痛みや腫れ、噛めない状態であるなら治療した方がよいです。一番治療しやすい時期は安定期です。ただ後から、治療したことが赤ちゃんに影響したのではという後悔や不安の残らないよう通院中の産婦人科医に麻酔やレントゲン、薬の服用など含んだ歯科治療をしても大丈夫かを確認した方が、よいと考えています。その方が安心して治療を受けられると私は思います。出産前から定期健診の習慣をつけてお子さんと共に健康を維持してもらえたらと切に願います。

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下がった歯茎は戻りません

2026年6月25日

歯ぐきが下がったのが気になります、何とかなりませんか?

宇治市 歯医者 old age なかむら歯科医院

よく聞かれます。結論を先に言うと下がった歯茎は元に戻りません。物が歯と歯の間によく詰まる、ということもこれにリンクします。隣り合う歯と歯は通常であれば50μmで接触しています。歯が揺れてくると噛むたびに歯の接触が少し開くのでそこに食片が入り込んで詰まることがあります。それ以外に物が詰まるのは、歯茎が下がることで歯と歯の間に隙間ができて、そこに食べ物などが詰まるのです。

歯ぐきが下がる理由

歯ぐきが下がる理由の主たるもの3つ述べます。

加齢

宇治市 歯医者 aging なかむら歯科医院

加齢によりはを支える骨、歯槽骨が少しづつ減少します。歯槽骨の上に歯茎が乗っています。0.8㎜~2.0㎜と部位により異なります。歯周病に罹患しておらず咬み合わせが安定している生理的な加齢変化で年間約0.05㎜~0.1㎜歯槽骨は吸収します。つまり10年で約0.5㎜~1.0㎜ 程度です。20歳を超えると老化が始まります。50歳になると20歳の時に比べると3㎜下がるということです。加齢を重ねる度に歯槽骨は吸収していくわけですから、その上に乗っている歯茎も下がっていきます。

下がった骨を増やすことはできるのか?

吸収した歯槽骨が自然に造成されていくことはありません。では人工の骨を添加すれば戻るでしょうか?歯茎を切開して歯の周囲の歯槽骨に人工の骨を振り撒いて歯茎を閉じたとしても、歯槽骨は戻りません。ある特定の限られた条件の場合、歯槽骨が回復することがあります。全体的に下がった歯槽骨を数ミリ造成させることは今のところ難しいと言ってよいでしょう。

多数歯が失われた部分に骨を移植することで歯槽骨を回復させることができることもある。

イメージしやすいようにお伝えします。例えば右下の犬歯より後ろの歯が全て失われた状態があると仮定しましょう。その部分にインプラントしたいが、植立するだけの骨の量が足らない時、身体の他の部分から骨を削って持ってきて、接合させるということもあります。具体的には下顎のオトガイ、前歯の下の部分や腸骨(腰骨)から持ってくるようです。大きな骨であれば骨移植することで骨を増やすことが可能です。少し大掛かりな処置になるので専門医での治療になります。

歯周病

宇治市 歯医者 p なかむら歯科医院

歯周炎が存在すると歯槽骨の吸収速度は大きく増加し、年間で約0.2㎜~0.5㎜になり、急性期の活動期には年間1㎜以上の吸収も起こり得ます。単純に5年で5㎜です。5㎜と聞くと大したことないように思いますが、定規で5㎜を見てください。結構な長さです。歯周病は歯茎を大きく下げてしまう原因になります。歯槽骨の吸収した量が増えれば増えるほど歯を支える力が急激に低下します。

歯の形も色々ありますが単純な形をした歯で1㎜歯槽骨が減る毎にどれくらい歯を支える力が減っていくかを記載します。

骨吸収1㎜で支持量が約10~15%低下、骨吸収2㎜で約25~30%低下、骨吸収3㎜で約40~45%低下、骨吸収4㎜で約55~65%低下、骨吸収5㎜で約65~75%低下します。つまり、4㎜歯槽骨吸収が起こると、歯根支持量はおおよそ半分以下になります。奥歯は複雑な形態なので同じ4㎜の吸収でも支える力は30%未満になることもあります。そうなると歯はグラグラです。

歯周病で歯茎を下げないために何をすべきか

1に歯ブラシ2に歯ブラシ、3、4が無くて5に歯ブラシ。歯ブラシに尽きます。毎日時間をかけてやっている、とおっしゃる方もあると思います。適切に歯垢を落とせていますか?やっているのと出来ているのは違います。特に歯茎が下がってくると歯と歯の間が空いてくるので、歯ブラシだけで歯間部の清掃することはかなり難しいと言ってよいでしょう。歯垢染色液は歯に付着した歯垢を染めだすものです。ドラッグストアでも歯垢染色液が売られています。歯ブラシされた後で染め出してみて下さい。ご自身のブラッシングが適切にできているかどうかわかります。染まっている個所が歯のすべての面にほとんどなければ完璧です。言うことありません、ぜひそのまま続けてください。目につくところがあればそれは磨き残しです。磨き癖は人により違います。自分のウィークポイントを知り、磨いて下さい。毎日、毎回です。

治りにくい歯周病がある

歯周病は、歯周病菌が歯と歯肉の境目にバイオフィルムという基地を足掛かりに定着し、炎症を起こして歯肉と歯槽骨を破壊することで生じます。歯周病菌は1種類ではなく、数百種あります。互いに助け合いながら病原性を高めています。基本的にはバイオフィルム(歯垢)を取り除き続けることで炎症と組織破壊を防ぐことが歯周病治療となります。歯周病菌の中でもAggregatibacter actinomycetemcomitans(AA菌と略します)が優勢の方はブラッシングだけでは治りにくい難治性の歯周炎です。進行が速く骨吸収が急激な方に多いです。残念ながら通常のプラークコントロールやスケーリングなどの歯周病治療を行っても再発を繰り返すので治癒が難しいです。

歯周病がよくなると歯茎は下がる

歯周病では、歯垢の付着により炎症が起きて歯肉が腫れています。一方その炎症で歯槽骨が下がります。ブラッシングにより歯垢が取り除かれ、炎症が収まると実際の骨の位置に近づいていきます。歯茎が下がるということです。歯茎は下がりますがそれは歯周病が良くなった証拠でもあります。ある程度ブラッシングで炎症が収まっても、歯周ポケットが残り、奥深くに歯石が残っている場合外科的な処置を伴った歯石除去を行うことがあります。きれいに歯石や感染組織を除去することができるので、炎症が消え、歯肉は本来あるべき歯槽骨の高さ近くまで下がります。下がりますが、腫れていた歯肉が治ったからです。歯周病がよくなると歯茎は下がります。病的に腫れていた歯肉が正常な位置に戻ったといえます。

歯ぎしり 噛みしめ

宇治市 歯医者 brx なかむら歯科医院

噛み締めや歯ぎしりでは、歯に本来の生理的範囲を超える持続的な横方向の力が加わります。過剰な力が集中すると、歯槽骨は防御反応として微小破壊を起こし吸収していきます。特に唇側や頬側の骨は薄く、横方向の力に弱いため、骨が下がりやすくなります。歯槽骨が下がると、それに付着している歯肉も下方に移動つまり歯茎が下がります。噛み締めや歯ぎしりのある方は口腔内に特徴が現れます。歯槽骨の盛り上がりや歯の咬耗です。全体的、局所的に滲みることがあるということもあります。なかなかご本人は認めない傾向にあります。このことによる歯肉退縮は意外に多いです。

対応方法

寝ている時の噛み締めや歯ぎしりを無くすことはできません。ですから歯同士を直接当てないようにして横方向にかかる力を和らげるためにナイトガード(マウスピース)を装着することが比較的多いです。素材は歯よりも柔らかいので横方向への力が緩和されます。起きている時、集中して作業していると噛み締めていることがあります。これは意識してもらう他ないのですが、唇は閉じていて鼻呼吸していても歯は噛み合わせないようしてください。唇をしっかり閉じるようにしている癖による過緊張があれば緩和し、嚥下時の噛み締めしている癖があれば取り除くよう訓練してください。猫背の是正など姿勢を意識することも大切です。

加齢による歯肉退縮は受け入れましょう

これまで述べたように、下がった歯茎を戻すことは基本的にできません。これから少しでも歯肉の退縮を少なくするために、歯周病対策すなわち毎日の適切なブラッシングと定期健診による歯石の除去と噛みしめなどの力のコントロールをしていくことを考える方がよいと思います。

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歯磨剤は何を選べば良いのか?

2026年6月18日

あくまでも歯磨剤は補助的なもの

宇治市 歯医者 tooth paste なかむら歯科医院

よく聞かれる歯磨剤について今回はお話しようと思います。症状別に述べていきますが、基本的には歯磨剤は補助的な役割を果たすだけで、それだけで予防や症状改善できる訳ではありません。すべてにおいて歯垢を落とせる磨き方をしていただいていれば歯磨剤は効果があると思います。磨いているのと磨けているのは、行為は同じでも内容は全く違います。

症状別選択

特定の商品名などは記載しません。成分を参考にしてみてください。

むし歯リスクの高い方

歯の表面はエナメル質という組織で出来ています。食事するたびに口の中のPhは酸性に傾き歯の表面が少し溶かされます。これを脱灰と言います。少し溶けた歯の表面は唾液に含まれるカルシウムやリンによって修復されるのですが、口の中が酸性のままだと修復されにくいのです。また歯の表面が歯垢で覆われているとその部分には唾液が行きわたらず修復されず、むし歯になっていきます。修復される過程でフッ素も取り込まれると歯質が強化されます。強化というのは、少し歪んでいる歯の結晶の歪みを是正してくれます。虫歯リスクの高い方は歯間ブラシなども併用して歯垢の除去が第一、ダラダラ食べで口の中を何度も酸性にしないことが第二です。虫歯リスクの高い方は歯の表面が一時的に溶けて修復するときに役に立つ成分が配合されている歯磨剤を選びましょう。具体的にはフッ素、TCP(リン酸カルシウム系)、CPP-ACP(リカルデント)です。フッ化物(フッ素)の目安は成人で1,450ppmF、小児は年齢に応じて500〜1,000ppmF(小さいうちは少量で)です。量が多ければ良いってもんではありません。虫歯リスクの高い方におすすめする歯磨き粉は、汚れを落とすというより、歯を強くする意味合いのものになります。

歯周病リスクの高い方(歯ぐきの腫れや出血のある方)

最初に申しますが、歯磨き粉で歯周病は治りません。歯間ブラシやフロスなど補助的清掃具も使っていただき、歯垢を取り切る歯磨き方法をマスターしていただくというプラークコントロールが大前提で効果が発揮されます。簡単に成分について説明します。

CPC(塩化セチルピリジニウム)

主な効能は歯周病原因菌の殺菌とされています。また比較的効果が持続しやすい。歯周病菌の中には口臭に関与している菌もあるので口臭原因菌の減少にも寄与すると言われています。

IPMP(イソプロピルメチルフェノール)

IPMPは、歯垢の中に入り込んで細菌を弱らせる成分です。CPCより即効性が高いと言われています。厚くなっている歯垢やバイオフィルムの中に入っていけるわけではありません。被膜が薄ければ薄いほど効果はあります。歯垢除去を完璧でなくてもしっかりできた上で効果が見込めます。

トラネキサム酸

簡単にいうと止血成分(アミノ酸誘導体)によって歯肉出血を抑制します。歯周病菌に効果はありません。歯ぐきの腫れや出血を落ち着かせる成分です。ブラッシング時に出血がどうしても気になる方は選択する成分の一つになります。

グリチルリチン酸(主にグリチルリチン酸2K)

歯肉の炎症抑え、歯肉腫脹の軽減する目的のものです。刺激が少なく安全性が高いです。これも歯周病菌に効果はありません。

しつこいかもしれませんが、歯周病対策において歯磨剤はあくまでも補助的なものです。正しくプラークコントロールすることが一番の予防であり治療です。

知覚過敏

知覚過敏は原因が特定されていません。いろいろな説があります。ですからその説に沿って対策するので知覚過敏用の薬剤は色々あります。同じ薬剤でもこの方には効いたが、この方には効かなかった、ということがあります。歯磨剤にも同じことが言えます。同じ歯磨剤でも効く方、効かない方があるということです。初めから大容量のものは選ばず、色々試すつもりで購入検討してください。歯の表面にしみ止め成分を塗り付けてフタをするイメージです。効いてくれれば良いのですが、即効性はあまり求めない方がよいでしょう。

硝酸カリウム

歯の神経の興奮性を低下させて、神経が刺激に反応しにくくさせる成分です。神経を落ち着かせて感じにくくする成分です。

乳酸アルミニウム

歯の、外からの刺激を伝える組織が象牙細管です。象牙質の中にあり普段は口腔内に露出はしていません。歯の一番外側のエナメル質が削れてきたり、噛み締めや歯ぎしりで歯にヒビが入ったり、歯茎が痩せてくると、象牙細管が口腔内に露出します。その開口部を物理的に塞いで刺激が伝わらないようにします。歯の表面にフタをするイメージですね。

フッ素

先に述べているので省略します。配合されていると効果増強を期待できます。

噛み締め、歯ぎしり、など虫歯でなくても、歯茎が下がってなくてもよくしみてしまうことがあります。原因がとして考えられることをまずは最優先しましょう。その上で改善されなければ、軽度なら硝酸カリウム中心、歯肉退縮・象牙質露出が明らかなら乳酸アルミニウム、それぞれメインのものを選んでみましょう。それでも知覚過敏の改善は難しいことが多いです。

着色(ステイン)が気になる方

宇治市 歯医者 tea bitterness なかむら歯科医院

歯の表面に付いている茶渋のようなものをステインと言います。良く使う湯飲み茶わんに残るあれですね。ヘビースモーカーのかたのいわゆるヤニもステインと言えます。歯の表面に付いているものなので、歯そのものの色を変えたいホワイトニングにはなりません。基本的には研磨剤を用いて削り取る、というイメージです。元々の歯を削ってしまうリスクがありますから、研磨剤が過多に入っているものは避ける、毎日というよりは週に数回使用するなど、歯質保護を考え使用してください。過度に研磨してしまうとは知覚過敏や歯肉退縮を招いてしまいます。できれば医院で着色除去された方がよいかと思います。

ホワイトニング用の歯磨剤に過多な期待はしない

ホワイトニング用の歯磨剤と言われていても、歯そのものを白くするものではありません。コーヒーやお茶の着色を落として、本来の歯の色に戻すためのものがほとんどだと思ってください。着色汚れの除去、新たな着色の付着予防、歯の表面をなめらかにする、という意味あいで用いてください。歯の内部から色を白くする、歯科医院で行うオフィスホワイトニング、ホームホワイトニングの代替にはなりません。歯磨きするモチベーションを上げるためなら、使用頻度に気を付けて用いるとよいでしょう。

ドライマウス

ドライマウス対策の歯磨剤は、口腔内の保湿、粘膜保護、刺激緩和が目的となります。歯磨剤はあくまでも補助的なものであり、唾液分泌促進や生活指導などの治療と併用する必要があります。

選び方のポイントとして、

保湿成分が含まれている(ヒアルロン酸、グリセリン、セラミド)

刺激が少ない(アルコールフリー、ラウリル硫酸ナトリウムフリー)

pHが中性から弱アルカリ性であること

ジェルタイプ

この辺りを勘案して選択されるとよいでしょう。

高齢者

宇治市 歯医者 senior citizen なかむら歯科医院

高齢になると加齢に伴う口腔の変化として、歯肉が退縮し歯の根の部分が口腔内に露出します。歯と歯の間に空隙が出来て、物が詰まりやすくなります。歯ブラシだけでなく歯間ブラシなど使用しないと食渣や歯垢がうまく取れないので歯と歯の間や歯の付け根が虫歯になりやすくなります。そのため歯の再石灰化を促すフッ化物が含有されるものを選びましょう。虫歯リスク低減につながります。加齢と共に唾液分泌が減少することが多いので、保湿感のあるものが望ましいです。すぐに磨けた気になるので発泡剤が少ないものを選ぶのもポイントの一つです。

歯磨剤に期待しない

歯磨剤に含まれる薬はお守り、くらいのつもりでいましょう。化学的な効果は非常に限定的で、どんな症状でも機械的清掃(ブラッシング)がきちんと出来た上で効果が少しあると思ってください。

虫歯治療のページ

歯周病治療のページ

知覚過敏のページ

ホワイトニングのページ

 

 

離乳食に進むタイミングはいつ?

2026年6月11日

断乳と卒乳は違います

宇治市 歯医者 breastfeeding2 なかむら歯科医院

断乳と卒乳はどちらも授乳を終えることを指しますが、子どもへの影響に明確な違いがあります。断乳は親の判断で授乳を終了しますが、卒乳は子どもが自然に授乳を必要としなくなるのを待ちます。現代では共働きの割合が高くなり、職場復帰から逆算して期間を決め、計画的に断乳されるようです。母子手帳では離乳食の開始の目安は生後5〜6か月頃であるとされています。(自治体によって若干ことなるようです。)根拠は哺乳反射が減弱、消失し始め、スプーンなどを受け入れられるようになる時期だからみたいです。一方、卒乳は明確にやめる日はありません。ある時期から離乳食も併用し、自然に哺乳しなくなるまでなので数年かけて進むこともあります。WHOによれば世界の哺乳期間の平均は4.2年だそうです。

どちらが良いのか

口腔機能育成の観点からいえば、卒乳が望ましいと考えています。しかしどちらも正解なのです。お世話すする家族のサポート体制、心身的負担が軽減されるのであれば断乳でもよいのです。母の体調や次子の妊娠など環境が変わることもあります。総合的に考え無理のない方法を選ぶことが重要です。哺乳期、離乳期に保育園で育児を手伝ってもらう場合、こちらの思いをすべて対応してもらえないこともあるかもしれませんのでお子さんをしっかり観察してあげてください。

赤ちゃんが立ち上がるまでの順序性

赤ちゃんが自力で立ち上がるまでには、明確な順序性があります。神経系、筋骨格系、感覚統合しながら発達します。きちんと順番を飛ばすことなく段階を踏み、しっかり訓練してから進まないと後で困ったことになります。具体的には、口ポカンや歯列不正です。何で?と思われるかもしれません。バランスよく立てないと姿勢が崩れ猫背などになって呼吸の仕方にまで影響し、舌を上顎に付けれなくなるからです。ヒトは上(頭)から下(手足)に向かって(中心から末梢に向かって)発達していきます。

1、仰向け

重力に慣れる段階です。(出生〜3か月頃)四肢は屈曲優位、簡単に言えば丸まる傾向にあるということです。母胎でも丸まっているからまあ当たり前と言えば当たり前です。把握反射やモロー反射などの原始反射が見られます。視覚はぼんやりしていますが手を見て身体と協調しようとしています。この時期の体幹の安定が、後の寝返りや座位(お座り)の土台になります。把握反射は、手のひらに触れるとぎゅっと握る反射です。消失すると自分の意思で手を開閉しているということになります。モロー反射は、急な刺激(音、光など)を与えると手足を大きく広げて、そこから抱きつくように戻る反射のことです。消失すると姿勢が安定し情緒が安定します。成長の重要なサインの一つです。

2、うつ伏せ

首がすわってきます。(2〜5か月頃)肘での支持から手の掌での支持に移行していきます。姿勢保持筋の初期トレーニングと言えます。うつ伏せが極端に少ないと、その後の段階が不安定になりやすいようです。

3、寝返り

4〜6か月頃に寝返りをするようになります。歩行するには体幹を回旋しなければなりませんが、その原型となります。左右の差を認識出来、片側で身体を支持して非対称動作ができるようになります。寝返りは重心移動の基礎となります。

4、座位

6〜8か月頃にお座り出来るようになります。最初はもちろん支えが必要ですが、自立して座位が取れるようになります。骨盤を使って体幹を安定させられます。手が自由に使えるようになります。視線も安定します。

5、ずりばい(ハイハイ)

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7〜10か月頃になると腹ばいで移動できるようになります。いわゆるハイハイです。四点支持した上で対角運動(例、右手と左足)ができます。いろいろな全身の筋肉と前庭覚(体の傾き、回転、スピードを感じる感覚)、固有受容覚(体の位置や力の入り具合を感じる感覚)が統合されないと出来ません。咬み合わせや眼球運動とも関連しています。ハイハイは立位(立ち姿)や歩行の安定性を決定づけるので極めて重要な段階です。この段階を飛ばすとか期間が短いと、トレーニングが十分積めていないので、姿勢保持が不安定になります。すぐに立たせようと焦らずに、しっかりハイハイさせる期間を取ってください。

6、つかまり立ち

8〜11か月頃になると立つための準備運動をするようになります。重心を上下移動させること、足底感覚をつかむこと、股関節と膝と足関節を協調させることを覚えます。ここでも焦らず歩かそうとしないでください。歩行器を使うのは厳禁です。バランスを取ることを覚える訓練ができなくなります。

7、伝い歩き

9〜12か月頃になると側方移動できるようになります。片脚支持できるようになる準備です。歩く時のバランスを覚えます。

8、ひとり立ち(そこから歩行)

11〜15か月頃になると支えなしで立位が保持でき、一歩が出るようになります。前庭覚、視覚、固有受容覚の統合が完成し、全身の筋肉との協調運動が出来るようになります。

順序性が崩れたら

一方通行で行くわけではなく、行ったり来たりを繰り返して成長していきます。時期に関しては個人差がありますから、大きくズレていなければそれほど気にしなくてよいと思っています。大切なのは、ハイハイをほとんどしていないのに立たせるようにしたとか、座位が不安定なのに立ちたがらせるなど、急がないようにすることです。先程述べたように、順序を飛ばしたり、訓練する時間が明らかに少ないと、将来的に姿勢不良や口腔機能の低下(口ポカン)不正咬合を招きます。特にハイハイをしっかりしておかないと、舌骨上筋群の機能不足や舌位の不安定を招き、体幹や頸部が安定しません。

離乳食を始めるタイミング

月齢で決めるのではなく、口を複雑に動かせる体の基礎が出来上がっているかをよく観察して取り組みましょう。

うつ伏せでエアプレーンの姿勢が取れるだけではまだ早いです。

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うつ伏せの状態で頭を持ち上げ、左右の腕を水平に広げてバランスを取る姿勢のことです。(飛行機が翼を広げて飛ぶ姿に似ているから)フルパワーで背面に反っているだけではまだです。

哺乳反射が消失しているか

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母乳やミルクを自動的に飲むための反射です。栄養摂取と生命維持に直結するので、生後すぐから機能しています。頬や口角に触れると刺激の方向へ顔を向けて口を開く、口の中に乳頭や乳首が入るとリズミカルに吸う動きが起こる、口腔内に液体が溜まると飲み込む、という反射です。指を口先に入れてみて吸うかどうか確認することが出来ると思います。

手のひらでしっかり頭を持ち上げることができるか

うつ伏せの状態から腕を使って上半身を持ち上げることができるか。その時の手はグーではなく、パーであるのがポイントです。

食べ物に興味を示すか

手に掴んだものを何でも口に入れて確かめます。確認する手段がそれしかないのですが、食べ物をそれと知って興味を示すようになっているかを見てください。

お座りができるか

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本人が手で支持してお座りができる、あるいは大人が支持してお座りができるかも一つの基準です。そして首を左右に向けてもバランスが保てるかどうか。道具を使ったお座りではなく地べた座りでないといけません。顎を引いて、骨盤を立てて座るので安定して座れるようになりましょう。道具を使ってのお座りはバランス感覚が必要ありませんし、身体が歪んだ状態になるのでNGです。

舌の動きも成長していく

お座りできるようになる頃に舌を前後上下に動かせるようになります。プリン状のものを押しつぶせるようになります。ハイハイの時期になると舌を前後左右上下に動かせるようになります。歯茎で潰せる硬さの食材を摺り潰せるようになります。歩けるようになると食材に合わせた動きができ、幼児食に対応できます。

月齢で離乳の時期を決めない

身体の成長をよく見て、離乳食を始めるタイミングを決めましょう。目の届かないこともあるかもしれませんが、お子さんをしっかり観察していくことが大切です。日々の成長を見守ってあげましょう。

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矯正に費用をかける意味はあるのか? めちゃあります!

2026年6月4日

治せれば良いのはわかっているけど、費用が!

定期健診や学校検診で歯並びにチェック付いて受診される方にお話すると、治さないといけませんか?とお聞きになる保護者の方が一定数いらっしゃいます。男の子だし別にとか、あまり気にならないし、ということありますが、多くは費用がかかるから避けたいということもあると思います。矯正治療が保険診療ではないことはご存じなので、治したら良いのが分かっていらっしゃると思います。

日本の保険診療において矯正治療が保険適用となるのはごく限られた医学的適応がある場合のみ

保険診療で矯正治療を行うには非常に厳格なルールがあり、通常の不正咬合ではほぼ認められません。保険適応できるかどうかは専門医を受診してお聞きいただければと思います。

国が定めた先天性疾患に伴う咬合異常

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厚生労働省が指定する約60の先天性疾患に起因する咬合異常は、保険適用となります。(唇顎口蓋裂、口蓋裂、鎖骨頭蓋異骨症、ダウン症候群、ピエール・ロバン症候群、先天性多数歯欠損 など。)指定医療機関、指定医による診断が必須です。(専門医による診断)

顎変形症

骨格性下顎前突(受け口)、骨格性上顎前突、著しい開咬、顔面非対称など手術を前提とした矯正治療であれば保険適用となります。顎口腔機能診断施設で診断が下された場合適応となります。骨格的にズレているが手術まではしない場合は該当しません。

条件付きの埋伏歯の開窓と牽引

本来萌出するべき歯が骨の中に埋まっていて機能的に問題がある場合、歯茎を切って埋もれている歯を引っ張り出す処置に限って保険適用となることがあります。ただし引っ張り出した後の歯列矯正は保険適用外です。咬み合わせに参加させないと、出すだけでは意味がありません。。

歯並びが悪いと何が良くないのか

具体的なケースでまとめてみました。

叢生の何が良くないのか

宇治市 歯医者 crowding なかむら歯科医院

叢生とは、歯並びがガタガタしている状態のことです。歯が重なり合っている部位は、歯ブラシの毛先が届きにくく、デンタルフロスや歯間ブラシが通りづらく、歯垢が慢性的に残りやすく、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。特に自覚症状がないまま歯周病が進行する温床になりやすいです。咀嚼効率が悪く、舌の正しい位置が取りにくいといった弊害があります。

八重歯の何が良くないのか

八重歯はチャームポイントと受け取られることもありますが、実は機能面、健康面では明確なデメリットがあります。叢生と同じで清掃性が悪く、むし歯のリスクが高くなります。上顎犬歯には、奥歯にかかる強い力を受け流す機能が本来の位置にあれば備わっています。八重歯では本来の機能が発揮できず、本来犬歯が担うべき力が前歯や臼歯にかかります。他の歯を守れません。噛み合わせにアンバランスが生じているということですから顎関節や咀嚼筋に正しくない負荷がかかってしまいます。(顎がカクっと鳴るとか)八重歯は外側にあるので、転倒したりスポーツなどでぶつかったりすると内側の唇が大きく切れてしまうこともあります。

受け口の何が良くないのか

前歯で噛み切るという機能が損なわれています。前歯で食べ物を噛み切れないのですべて奥歯が肩代わりすることになります。奥歯に力が集中するので削れたり、揺れたり、歯肉が下がったりします。その結果歯を支える歯槽骨吸収が起こりやすくなります。また顎関節や咀嚼筋に過剰な負担がかかります。舌の位置が前方や低位に位置付けされやすくなり、正しい嚥下パターンを獲得しにくくなったり、サ行、タ行などの発音障害を引き起こしやすくなります。上顎の成長は下顎よりも先に終わるので、小児期の受け口をそのままにしておいても改善されません。

出っ歯の何が良くないのか

宇治市 歯医者 class2 なかむら歯科医院

前歯で噛み切る機能が低下します。結果として、奥歯だけの咀嚼になりやすくなります。奥歯だけが負担するので、奥歯の咬耗が生じやすくなります。詰め物や被せ物が外れやすいなどのトラブルが多いのも特徴的です。顎関節に影響が及びやすく、カクっと音が鳴りやすいです。(顎関節症)唇が閉じにくいので口が開いた状態が常態化して、口呼吸を助長します。口臭の原因にもなります。前に突出しているので転倒したりすると衝撃を受けやすく、歯が折れたり、欠けたりする外傷の発生率が高いです。

開咬の何が良くないか

宇治市 歯医者 open bite3 なかむら歯科医院

開咬は、前歯が接触しない状態のことです。ですから食べ物を前歯で噛み切れません。奥歯だけで噛む咀嚼様式になります。咀嚼効率が良くなくて丸飲み傾向を招きやすいと言われています。前歯が閉じないため、嚥下時に舌を前に出して上下の歯の隙間を塞がないと飲み込めません。(舌で歯を押すような格好になります)当然、舌を突出させて嚥下する習慣がつき、開咬は改善されません。治療しても、舌の訓練をしないと再発しやすい噛み合わせです。サ行、タ行、ラ行など英語でいうの th 音では、空気が漏れる発音になるので、構音の不明瞭さや滑舌の問題に直結します。前歯が当たらないので、奥歯だけが常に強く当たって咬合力が集中し出っ歯の項と同じく奥歯の咬耗や破折、顎関節症状の出現、補綴物トラブルが起こりやすくなります。口唇閉鎖不全(口ポカン)口呼吸になっていることが多いです。

見栄えを良くするのではなく、脳を守るのが矯正治療の目的

宇治市 歯医者 suture なかむら歯科医院

矯正治療の目的は脳を守るってどういうことと思われますよね?頭蓋骨を見たことはありますか?頭蓋骨は一つの骨で出来ているのではなく脳頭蓋の8個、顔面頭蓋の15個、合わせて23個の骨から構成されています。その接合部は縫合と言われる状態で連結され、わずかに可動性を有しています。成人でも完全固定されるわけではありません。噛む力は最大で体重分と言われています。力が過度にかかった時に、力を逃す経路になるのが縫合部分です。一塊では力が強いと折れてしまう可能性があります。脳にかかる衝撃を吸収して脳を守るようになっているのです。実は衝撃を吸収するのに適切な歯の位置があります。上顎の第一大臼歯が適切な位置にないと上手く力が分散されません。それと噛み合って一対になっている下顎の大臼歯の位置も適切な位置があるということです。先に述べた不正咬合では第一大臼歯は適切な位置にないことがほとんどです。適切な刺激ではなく過度に衝撃が毎日加わっているとしたらどうでしょうか? 脳にとって良い影響があるとは思われません。

縫合は成長発育のためのカギになっている

上顎は、赤ちゃんの頃は4つの骨で出来ていて、成長と共にくっついて大人では左右の2つになります。犬歯の前と後ろの境目あたりに切歯縫合というのがあるのですが、10歳頃、ちょうど乳歯の犬歯が抜け変わる頃に切歯縫合がほぼ埋もれてなくなります。引っ付いちゃうかんじです。叢生や八重歯、上顎の劣成長(出っ歯、受け口)の場合、切歯縫合が埋もれないうちに第一大臼歯を適切な場所に配置し適切に顎の骨を成長させることが出来れば、歯を抜かずに歯並び、噛み合わせをよくすることができます。切歯縫合が埋もれてしまうと上顎を大きくすることはほぼ出来なくなります。10歳を超えてしまうと第一大臼歯を適切な位置に配置するために抜歯が必要になるということです。

上顎が適切に大きく成長してくれるとよいことが沢山!

宇治市 歯医者 breath なかむら歯科医院

逆説的に言えば、上顎が適切に成長していなければ適切な位置に歯は並びませんし、後から成長のピークを迎える下顎も適切に成長しません。上顎が正しく成長しないと鼻腔は狭くなり、舌が後ろに位置しますから気道の容積が狭くなります。酸素を取り入れるために口呼吸になりますから、鼻という空気のろ過がありませんから感染しやすくなり、アレルギーを誘発する原因にもなりかねません。酸素をしっかり取り入れないと脳への酸素供給にも影響します。鼻呼吸することでその直上にある脳を冷却する機構が働きづらくなります。脳をしっかり発達させ機能させて子供の持つ可能性を少しでも上げたいと思いませんか?

今はいろんな支払い方法がある

宇治市 歯医者 card なかむら歯科医院

残念ながら矯正治療は自費治療です。でも10歳までにしかできない、子どもへの健康という財産分与と言えます。言い方はおかしいですが、早く取り組む方が投資効率はよいはずです。乳歯があるうちなら期間が短く、中学生から取り組むより費用もかかりません。(成長はビッグデータでも予測はつきません。2期治療が必要なこともあります)カードやローンという手立てがありますし、医療費控除という制度も利用できます。環境を整えてあげるのは大人の努めです。

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丸飲みの食事を改善するにはどうすればよいか

2026年5月28日

飲み込む方法は二つある

食べ物や飲み物をどうやってヒトは覚えるのでしょうか。本能と言ってしまえばそれまでなのですが、生まれてきたら生きるために母乳を吸います。鼻に逆流せず、肺に入らないようにしなければなりません。歯茎と舌と唇と頬を上手く使って赤ちゃんは吸い込みます。顎口蓋裂という疾患があります。複数の骨が癒合して上顎は一つの大きな骨になるのですが、上手く癒合しないと上顎と鼻が完全に分かれないので飲んだり食べたものが口の中から直接鼻に入ってしまいます。上唇に亀裂のようなものが入ることもあります。(唇裂)その場合もそこから飲み物が漏れてしまいます。そういう状況だと亀裂部分を早く修復しなければなりません。赤ちゃんのうちに治すことが多いようです。

乳児嚥下

宇治市 歯医者 breastfeeding なかむら歯科医院

出生〜おおよそ3〜4歳頃までにみられる嚥下様式で哺乳に適応した嚥下(飲み込み)です。乳首や哺乳瓶から陰圧で吸って飲み込むために必要なのです。上下の歯(歯茎)は、舌が間に挟まるので接触しません。舌の上下運動が主体となって、舌の前後運動は未熟というか動きは鈍いです。歯がなくても安全に栄養摂取できます。口唇や顎先の筋肉をよく使います。

成人嚥下

宇治市 歯医者 swallowing なかむら歯科医院

乳歯列完成以降(概ね4〜6歳以降)に獲得される嚥下です。簡単に言うと乳歯の歯並びが全て揃ってからとも言えます。咀嚼を伴う(噛む)食事に適した飲み込み方です。発音や姿勢とも密接に関連しています。舌先は上顎前歯の少し後方に接触しているのが普通です。通常は舌全体が口蓋に密着し上下の唇は軽く接触しているが歯が接触していません。食べ物を噛んで、小さな食ベ物の塊を作って、安全に飲み込むという一連の動きができるようになるのが成人嚥下です。顔面の発達段階に応じて嚥下様式が変化します。成長に伴って乳児嚥下から成人嚥下へ本来は移行します。

乳児嚥下が残存すると舌の機能が不十分

乳児嚥下から成人嚥下への移行は年齢というよりも、口腔機能、姿勢、食行動がそろった時点で移行します。目安としてですが、3〜4歳頃に乳児嚥下と成人嚥下が混在し始め、5〜6歳で成人嚥下が確立する時期となります。7歳以降で乳児嚥下が残存していると機能異常と言えるでしょう。5〜6歳以降も続く場合は、乳児嚥下のままの可能性があります。

食事に時間がかかる

噛まずに丸飲みする

飲み込むときに口唇を強くすぼめる

飲み込む時に、顎先に梅干し状の緊張が出る

顔を動かさないと上手く飲み込めない

嚥下のたびに歯と歯の間から舌が前に出る

噛んだ時に、前歯が噛み合わない

サ行やタ行が不明瞭

口呼吸やいびきがある

丸飲みや硬い物を食べないのは訓練不足

丸飲みするのは、哺乳期~離乳期〜幼児期にかけて嚥下という機能が十分に獲得されなかった結果として現れます。最重要なのが哺乳です。哺乳期に吸う、押しつぶす、噛み始める、機能を獲得するのですが正しい哺乳でないと成人嚥下に大きく影響し、先に述べた状態が出現します。

哺乳期において気を付けること

吸う力を使わなくても飲めてしまう

宇治市 歯医者 breastfeeding2 なかむら歯科医院

哺乳瓶の乳首が柔らか過ぎたり、穴が大きいと、筋肉を使わなくてもミルクは出てきます。口腔周囲筋を使って吸う、飲み込むという機能を覚えなければならないのですが、そんなことをしなくても飲めてしまったら、努力をしません。片足を骨折して使わないでいると、そちらの足の筋肉が痩せてしまう、ということを見聞きしたことはありませんか?使わない筋肉は機能しなくなります。

授乳姿勢

宇治市 歯医者 breastfeeding3 なかむら歯科医院

お母さんは数時間おきに起こされ授乳します。しばらくの間ずっと続くのでとても大変です。ついつい横になってそのまま授乳することはありませんか?スマホでも見ながら。皆さんは飲み物を飲む時、寝ながら飲みますか?起きて飲んでますか?どちらが楽ですか?赤ちゃんも同じです。生後すぐは難しいですが首が座ったら、できれば縦抱き授乳した方が良いと思います。横隔膜の筋肉も当然発達していません。飲み込むのに楽な姿勢にしてあげてください。

正しく乳首を咥えさせる

唇がしっかり反転するようにして乳首を咥えさせる、いわゆる深飲みさせてください。浅飲みでは舌をしっかり動かすことができません。先ほどとも関連しますが、寝ながらだと唇がどうなっているかわかりませんよね。

離乳期の問題

卒乳して離乳に移るのですが、暦齢で決めるのではなく、首や体幹が安定してから離乳に移りましょう。女性の社会復帰、保育園に入るためなど様々な社会情勢などもあります。どうしてもというわけではありませんが大人の都合よりも子供の成長に合わせてあげられるとよいと考えています。1人でお座りできて、自分の手で何でも口に入れる時期が来ると思います。その時期が個人的には離乳に移る時期だと思っています。

BWLって何?

宇治市 歯医者 eat with hands1 なかむら歯科医院

赤ちゃん自身が食べ物をつかみ、かじり、噛んで飲み込むことを学ぶ離乳の進め方です。Baby Led Weaningの略です。大人がスプーンで食べさせるものではありません。イギリスでは一般的のようです。食べることが噛む、舌を動かす、飲み込むという学習と捉え、栄養摂取よりも、咀嚼、嚥下、手口協調の発達を重視する考え方です。一般的な目安は、首がすわっていて支えなしで座れること、食べ物を自分で口に運ぶ動作ができること、舌で出す反射が弱まっていることなどクリアできたら開始です。

どんな食べ物を出す?

スティック状にして指で持てる大きさで、歯ぐきでつぶせる硬さがよいです。蒸し野菜(ブロッコリー、ニンジンスティックなど)、柔らかく火を通した肉や魚などです。刻んだり、ペースト状にしすぎないのが特徴です。前提条件として大人の見守りが必須です。窒息リスクへの配慮が必要だからです。ナッツ類、生野菜、丸い食材は避けてください。母乳やミルクは引き続き主栄養で、少しづつ移行します。

BWLのメリット

食への主体性が高まった状態で噛む、舌を動かす経験が増えます。目で見て、手を使って、口に入れるという協調が育つ、というか覚えます。噛む練習、食塊を作る練習、飲み込む訓練を赤ちゃんのペースで始めていくとも言えます。乳児嚥下から成人嚥下に移る訓練になり、将来的な咀嚼力不足や丸飲みの予防につながる可能性があると考えています。ペースト食が長期間続くと、噛まなくてもよい食事ですから機能獲得にプラスにはなりません。

口腔刺激と遊び

ベビーの時から折に触れ口唇や頬、舌に優しく触れてあげてください。唇タッチ、舌タッチ、頬タッチです。舌や頬。唇の感覚を刺激してあげてください。口の中の感覚が鈍かったり過敏だったりしていることが多くなっています。感覚の入力不足です。スプーンで唇に触れるのも適切な刺激です。いろんな感覚を入力しておくことが、特定の食感を嫌がるとか、口の中の食塊の位置や大きさが分からないというようなことの予防になるのではないかと私は考えています。

姿勢もとっても大事

宇治市 歯医者 how to eat なかむら歯科医院

食べる姿勢もとても大切です。足底接地、足を着けて食事することを離乳できるようになったら意識しましょう。背筋が曲がるとか食ベものの位置まで手を伸ばしても遠いとかではいけません。適切な位置に座って食事できるようにセッティングしてあげましょう

幼児になっても乳児嚥下が残ってしまったら

宇治市 歯医者 child なかむら歯科医院

残念ながら舌、口唇、下顎の協調が適切に育たないと、丸飲みしたり、硬い物を食べなかったり、飲み込みの時にすごく力を入れなければならなくなります。こうなってしまうとそれを改善するのはとても大変です。食育をしながらも口周りだけでない足の訓練をしてみましょう。雑巾がけ、足指じゃんけんなどです。足と舌はディープフロントラインという筋膜で繋がっています。舌の訓練をするのも勿論ですが、その舌を適切に動かすために足の訓練を行っていきます。身体の両極にありますが、足がカギを握っているのです。

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歯ぐきが盛り上がってます!病気ですか?

2026年5月21日

歯茎が腫れているから診てほしい!

宇治市 歯医者 brx なかむら歯科医院

腫れているからということでお見えになる方が、それなりにいらっしゃいます。そんなときは、親知らずが腫れたのか、歯周病で腫れたのか、歯の根の中に炎症が起こって付け根が腫れたのか、腫れたと聞くと大抵はその三つのうちどれかだろうと検討をつけます。ですがこれらに該当しないことがあります。その一つに骨隆起があります。

それは骨隆起です。

骨隆起とは顎の骨が局所的に盛り上がった膨隆のことです。骨の表面から外側に向かって骨が盛り上がっているので、当然その上にある歯茎も盛り上がります。歯周病や親知らず、歯の根の中が原因で腫れている場合は、歯茎の奥に膿があるので極端に言えば歯茎を触ると少し柔らかいです。骨隆起の場合は膿が溜まっているわけではありませんから、触っても柔らかくはないです。

急にできるわけではない

骨隆起は、強く噛み締める癖、歯ぎしりや食いしばり、などにより顎の骨が刺激されて、骨が少しづつ増える生理的反応で起こると考えられています。ですから、いきなり腫れるということはありません。ある時に歯茎の盛り上がりに気づく、と言った方がよいでしょう。痛みはないことがほとんどです。痛みがあるとしたら歯茎が盛り上がっているので、歯ブラシやちょっと固めの食べ物で歯茎が傷ついていることが多いです。

どの場所にできることが多いのか

宇治市 歯医者 paratal torus なかむら歯科医院

宇治市 歯医者 exostosis なかむら歯科医院

上顎の真ん中や(口蓋隆起)、下顎の舌側(下顎隆起)、唇側や頬側の歯の付け根(外骨症)にできます。大きさは、小さいのから大きいのまで人それぞれです。大きさは噛み締めや歯ぎしりの程度によります。無いのが普通です。基本的に良性ですから処置としては何もすることはありません。歯ブラシなどで傷つくことが多かったり、入れ歯の製作時に邪魔になるなど、機能的な理由がある場合、出っ張っている骨を局所麻酔下で除去します。歯茎の中の骨を除去するので、切開してから除去します。

自然に縮小することはない。

一旦できてしまうと外科的に切除する以外に元に戻すことは、また元に戻ることはありません。何年もかけて少しづつ大きくなっていきます。腫瘍性病変ではありますが良性で無症状なので(まれによくないものはあります。)基本は経過観察していけばよいです。刺激が原因で大きくなっていますから、その刺激が取り除かれないと大きくなっていくことはあります。

総入れ歯になった時が一番困る

宇治市 歯医者 denture pain なかむら歯科医院

歯が残っている場合の入れ歯は、歯に金具を付けて義歯が外れないようにします。総入れ歯は金具がありません。お椀を洗っている時に二つ重なってしまった時、スポッとハマって外れなくなることがあります。二つのお椀のわずかな隙間に水分が入って表面張力が出来るので吸着します。二つのお椀の間に空気を入れると外れますよね。総入れ歯は表面張力をつかって歯茎に引っ付いているのです。歯茎に土手があればあるだけ外れにくくなります。歯周病で歯茎が痩せてしまうと総入れ歯は安定しません。お椀じゃなく平たいお皿だと二つ重ねても引っ付きませんよね。骨隆起があると入れ歯で歯茎全体を覆えないので空気の進入路が出来てしまいます。当然表面張力が働かないので引っ付きません。大きさの違うお椀を二つ重ねても隙間が大きくなる、というイメージです。入れ歯に表面張力を働かせて安定させるのに骨隆起が邪魔な場合、除去するというのはこういう理由です。

ペンだこができるのと同じ理屈

噛む力が強い方、歯ぎしりや食いしばりがある方に多いと述べました。歯に過度な力がかかると歯を介して骨に刺激が伝わり、生体の反応として骨が添加されていきます。ペンだこってご存じですか?ペンを持つときに指が繰り返しこすれたり圧迫されたりすることでその部分の皮膚が硬く厚くなることです。多くは中指の第1関節近くのペンが当たる部分にできます。ペンの持ち方の癖で強い筆圧が同じ場所にかかったり、ペンを強く握る習慣であったり、長時間の筆記など、摩擦と圧力が繰り返されることで、皮膚を守ろうとして角質が厚くなります。それの骨バージョンと思ってください。皆さんの効き指を見て下さい。左右で差はありませんか?ペンだこは治りますか?

骨隆起がある人は他にも兆候が現れる

咬耗

宇治市 歯医者 attrition なかむら歯科医院

骨隆起だけの方もいらっしゃいますが、噛み締めや歯ぎしりされている方はその他特徴的な兆候が口腔内に出現します。一番多いのは歯のすり減りです。特に下の前歯です。下の前歯のてっぺんがめちゃすり減っています。これを咬耗と言います。上の歯も同じ硬さですからそれをこすり合わせ続けると歯が削れてきます。歯の一番外側がエナメル質、その中が象牙質です。エナメル質は身体の中で一番硬く、骨より硬いのですが、すり減った結果内側にある象牙質が露出した状態になっています。前歯だけでなく、奥歯もすり減ります。

歯の付け根が削れている

宇治市 歯医者 wsd なかむら歯科医院

噛み締めや歯ぎしりがきついとその力が歯と歯茎の境目辺りに集中して歯の付け根周辺の歯が削れてきます。これをくさび状欠損と言います。咬耗と同じくエナメル質が無くなり象牙質が露出します。エナメル質はほぼ無機質なので外からの刺激をブロックしてくれるのですが、象牙質には象牙細管が走行していて知覚を感じます。象牙質が露出していると刺激が伝わりやすくなるので滲みやすくなります。いわゆる知覚過敏症状が出やすくなります。

歯にヒビが入る

噛みしめや歯ぎしりがきついと歯にヒビが入ります。お茶碗を二つ持ってコンコン当て続けるとヒビが入りますよね。そうイメージしてください。一番硬いエナメル質でもヒビが入ります。ヒビが入るとその隙間を伝って刺激が象牙質に伝わります。ですから知覚過敏の原因になります。ヒビは見えるもの見えないもの様々です。またヒビを治すことはできません。もし治療できたとしても、次の日にはまた別の個所にヒビが出来るかもしれません。いたちごっこです。

被せ物、詰め物がよく取れる

噛みしめや歯ぎしりがあると、接着に使っているセメントが崩壊しやすくなります。同じ個所が何度も取れたりするのはそのせいです。虫歯であれば再装着はしません。虫歯でなくて、変形など無ければ再装着するのですが脱落の頻度が高いということは、その可能性が高いです。やり替えればよいと思われるかもしれませんが、やり替えても原因である噛み締めや歯ぎしりが変わらなければ脱落します。

歯が欠けたり、歯の破折で歯を抜いたことがある

宇治市 歯医者 fracture なかむら歯科医院

噛み締めや歯ぎしりがあると歯が欠けやすかったり、歯が割れたりします。特に歯の神経が無い歯は強度が落ちているので力がかかると割れやすいのです。乾燥した枯れ枝は折りやすいですよね。神経処置してから年数が経てば経つほど歯は脆くなっていきます。破折した歯を残しておくと炎症が持続的に続くことになりますから、その歯の周囲の骨が少しづつ失われていき、グラグラしていきます。

睡眠時無呼吸症候群やいびき、顎関節症の可能性が高まる

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咬耗が続くと歯が削れるので、噛み合わせの高さが低くなっていきます。咬み合わせが低くなると下顎が後ろに後退していきます。後退すると気道が狭くなるので睡眠時無呼吸症候群やいびきの原因になる可能性があります。顎の関節も後ろに圧迫されるので、顎がカクカクしたり、片頭痛などの原因になる可能性がでてきます。

対策しましょう!

そのようなことをお話、ご指摘しても大抵の方は、歯ぎしりや噛みしめなんてしていないし、言われたこともない、と否定されます。でも兆候はあるわけですから、無くて七癖、少し気にしてみてください。唇は閉じていても歯は噛み合わさっていないのが普通です。作業に集中していると噛み締めていることもあります。起きている時は注意出来ますが、寝ている時はできません。夜間はマウスピースを装着して就寝することで歯同士を接触させないようにしてみることをお勧めします。マウスピースで噛み締めや歯ぎしりは治りませんが、歯に直接力がかからないようにするということは対策の一つになります。保険で作れますのでご検討ください。

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歯が抜けたらインプラントって、そんなに都合よくできません!

2026年5月14日

インプラントするには条件がある

宇治市 歯医者 implant なかむら歯科医院

歯がグラグラしだしたけど、まだ大丈夫そうだし我慢できそう。歯が抜けたら入れ歯は嫌だし、ちょっとお金はかかるけどインプラントすればいいか、と思っていらっしゃる方はいませんか?残念ながら歯が抜けてしまってそのまま放置すると、様々な弊害が起こります。抜けた場所は適切に元あった状態に類するように復元することが大切です。

歯が抜けてそのままにしておくと起こる弊害

歯の傾斜を引き起こす

歯が抜けたままにしておくと、抜けた歯の両側の歯が、抜けた部分に向かって傾斜してきます。傾斜してくると上下の噛み合わせの当たり方が変わってきます。特定の部分の当たり方が強くなってきます。傾斜の仕方がきつくなってくるとその当たり方によって下顎が当たりを弱めようと動くので、噛み合わせが変わり、顎がズレてきます。その状態が慢性的に続くと顎の関節に変形や痛み、開閉口時にカクっという音が鳴ったりするようになります。

歯が伸びてくる

歯は本来上下の歯が噛み合っているので歯が延びません。上か下のどちらが抜けてしまうと、噛み合う相手がありませんから少しづつ歯が、失われた歯の部分に向かって伸びてきます。歯が伸びてくると、反対側の抜けた歯の傾斜してきている前後の歯に強く当たってくるので、それを避けようと顎をずらすので噛み合わせが変わったり、顎の関節に負荷をかけることになります。

歯と歯の隙間が大きくなる

抜けた歯の前後の歯が傾いたり、噛み合う反対側の歯が伸びてくることによって歯と歯の間の空隙が変わって、隙間が大きくなります。歯と歯の間の隙間を歯間空隙と言います。歯は円柱のような形態ではなく、噛み合わせの面を底辺にした円錐といった形態と思ってください。円柱を詰めて並べたら隙間はありませんが、円錐を底辺を揃えて並べると隙間ができます。並んだ円錐をすべて同じ方向に傾けるとその隙間は大きくなります。それを歯に置き換えていただくと、歯と歯の隙間が大きくなることがお分かりいただけると思います。当然歯磨きもしにくくなり、歯周病の原因となります。

歯並び、噛み合わせが変わる

いままで述べたことでおわかりの通り、歯並びや咬み合わせが変わります。もしそうなってしまうと、自然に元に戻ることはありません。戻すようにするには矯正治療が必要となります。現状では矯正治療は保険診療外です。両隣の歯のみならず、さらにその外側にある歯も倒れてきていることもあります。前後の歯だけの矯正治療で済むとは限りません。伸びている歯を押し込むようにする矯正治療も、とっても大変です。かなり矯正力をかけないといけませんし、それが必ず成功するとは限りません。矯正治療の中でも、圧下させる治療はとても難しい手技です。

抜けた状態を放置していると、インプラントする前の処置が多くなる

インプラントに取り掛かるぞ、となっても歯が抜けた状態が長くなっているとその前処置が必要となります。インプラントを埋入出来てその後に行う被せ物を、顎に問題の無い状態かつ適切に装着できる状態にできていないと長く持たせることはできません。

歯がグラグラする ≒ インプラント埋め込むだけの骨が無い

宇治市 歯医者 plaque1 なかむら歯科医院

歯がグラグラするのは、大きくは3つ考えられます。

1.歯周病

2.歯の破折

3.被せ物が外れかかっている

4.噛み締め、歯ぎしりがきつい

3はわかりやすいですよね。もし外れかかっているなら付け直せばよいのですから。単純に外れているだけならよいのですが、歯が割れたりヒビが入っていて外れているのであれば付け直してもしばらくしたらまた外れてきます。付ける時に用いるセメントが噛み合わせの力で崩壊し外れるのです。そうなると2の範疇に入ってきます。歯が割れたりヒビが入っているとその隙間に口腔内の細菌が入り込み炎症を引き起こします。その隙間はかなり狭小ですから歯ブラシで清掃することはできません。炎症が長く続くと歯を支える骨を少しづつ溶解していきます。ですから徐々に歯が揺れていきます。揺れがきつくなってきた時にはかなり骨が失われていると思った方がよいでしょう。

歯周病は歯を支える骨を溶解させる病気

歯は骨に植わっています。ざっくり言えば歯の長さの2/3くらい骨の中にあります。加齢に従い少しづつその骨は減っていきます。骨と共に歯茎も減ります。高齢の方が歯と歯の間に物が詰まる、と言うのは骨と歯茎が減ったから隙間が出来た結果に起こることなのです。歯周病が無い状態であれば骨が減っても歯は揺れません。加齢によらず歯周病でも骨は減ります。歯周病は歯を支える骨が、歯垢を取り切れない状態が長く続いて引き起こされる炎症で減っていく病気です。初期ではほとんど症状が出ません。個人的な意見ですが、歯の揺れが出た時には骨が1/2以下になっていることが多いです。

インプラントは骨に埋めるので、骨の量が少ないとできません。

歯周病が進んだ状態や歯の破折を長くそのままにしておいた状態では、骨のボリュームが健常な状態に比べてかなり失われています。インプラントは骨に植え込む治療です。骨にボリュームがないとインプラントはできません。大きな神経や血管、空洞に近づくからです。インプラントを安全に行うためには骨のボリュームが必要です。もし治療できたとしてもプラークコントロール(歯ブラシによる歯垢の除去)や噛みしめや歯ぎしりのコントロールができないと長く持たせることができません。

インプラントが永久的に持つと思うのは大間違い!

インプラントしてしまえばそれで一件落着と思ってらっしゃる方が圧倒的に多いのですが、残念ながらそうではありません。天然の歯が抜けてしまうのです。人工の物が半永久的であると思いますか?天然の歯とインプラント、どちらが炎症に強いでしょうか。もちろん天然の歯です。天然の歯より炎症に弱いインプラントを長く残存させるには相当の覚悟をもって歯周病治療、予防に取り組まなければなりません。

噛み締めや歯ぎしりへの対策も必要

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歯のヒビや割れで比較的早く抜歯された場合、骨が残っていることが多くインプラントするには良い条件です。インプラントは骨に植えるだけではなく当然その上に被せ物をします。噛み締めや歯ぎしりで歯を失った場合、被せ物に対してその対策をしないと被せ物が壊れる、インプラントと被せ物のジョイント部が壊れる可能性があります。具体的には定期的な噛み合わせのチェック、歯ぎしり用のマウスピースの使用です。私はこれらのことを受け入れ、同意を得た方でないとインプラント治療は行いません。同意書をお願いしています。また同意を得たのに3か月毎の定期健診にお越しにならないという、同意書の内容を遵守していただけない場合責任を負えないことをご承知おきください。

困ってからでは遅い

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以前からグラグラしていたが、何度も腫れるようになった。

食事するときに不具合が出るくらい揺れてきて、反対側で食べている。

噛むと痛い

などの状態ではかなり骨が減っています。インプラント治療はほぼ出来ないと思っていただいた方がよいでしょう。そうならないように普段の適切な歯ブラシで歯垢の除去と夜間噛み締め予防のマウスピースの使用。自分の歯を長く使えるようお手入れしてください。毎日3度歯磨きしている、とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。磨いているのと磨けているのは違います。マウスピースしていると寝づらいから作成したけど装着していないという方もいらっしゃるでしょう。噛み締めの兆候が口腔内にあるから同意の上作成しています。もしもの時に、しまった、と思わなければそれでよいと思います。定期健診を受けるだけでは今ある歯を長く持たせることはできません。セルフケアが必須です。今回少々厳しいことを記載しましたが、人生最期まで自分の歯で楽しく食事していただきたいからです。お許しください。

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歯周病は歯科医院で完治すると思ったら大間違い!

2026年5月7日

毎日の正しいブラッシングが出来ていないと治りません!

宇治市 歯医者 plaque1 なかむら歯科医院

皆さんは歯周病になったら歯科医院へ行けば治ると思っていませんか?タイトル通り治りますが、完治しません。虫歯は、虫歯をすべて取り除くことができて、完治する状態にすることができます。そしてセラミックや金合金などを用いて適合よく被せ物や詰め物ができれば再感染を防ぐことができます。ただし口腔内環境を良好に保つことが出来なければ虫歯になってしまいます。では、歯周病が完治しないのはどうしてか?それは毎日原因が産み出されるからです。その原因は何か?いわゆる歯垢です。

歯周病の原因は歯垢です。

歯垢は、食べ物のカス、 口の中に存在する細菌が唾液のネバネバ成分によって混ざって、歯にくっついたもの、です。皆さんは食事を摂りますよね。食事を摂るたびに歯垢が産生されます。バイオフィルムってお聞きになったことはないでしょうか?歯垢はバイオフィルムの一種です。簡単に言うと、細菌が作る膜状の棲家です。薬が効きにくいバリアになっていて、その中に住む細菌が守られています。その菌たちが、毒素を出して歯ぐきに炎症を起こし、歯を支えている骨を溶かしてしまいます。歯周病は歯を支えている骨失われる病気です。虫歯とは違い、歯そのものではなく支える骨が溶ける病気です。歯周病による炎症が続くと、歯がぐらついて最終的に歯を失ってしまいます。

歯周病の自覚症状

宇治市 歯医者 swlling なかむら歯科医院

歯ぐきが腫れる、膿が出る、歯みがきで出血する、歯がグラグラする(噛むと痛い)、口臭が気になる・指摘される、などあります。歯ぐきが下がって歯と歯の間に食べ物がよく詰まるということもありますが、加齢によっても歯茎が下がりますから、詰まるとか歯茎が下がったは必ずしも歯周病の症状とは言えません。初期の歯周病だとほとんど自覚症状はありません。気づけません。虫歯が進行すると神経に近づいていくので症状が分かりやすいのですが、歯ぐきの炎症は痛みが出にくいです。また少しずつ炎症は進むので変化に気づきにくいのです。歯周病は静かに進む病気と言われます。痛みがほとんどなく、気づいたときには歯を支える骨がそこそこ失われています。歯ブラシで出血しても、強く磨きすぎたかな、とか歳のせいかもしれないししょうがないかな、とスルーしがちです。

口腔内細菌を無菌化することはできません。

なぜなら口の中の細菌をゼロにすることはできないからです。もし口腔内細菌がゼロになると私たちは生きていけません。口腔内には700種類以上の常在菌がいて常にバランスを取っています。そのひとつに病原菌の侵入を防ぐ役割があります。常在菌がゼロになると、強い毒素をもった細菌やカビ菌(真菌)などに交代します。そうなると今までの口腔内細菌を前提に作られていた免疫システムが作動しませんから口の中のバランスが一気に崩れ健康を維持できなくなります。口の中に細菌が存在することは悪ではありません。大事なのは菌をゼロにすることではありません。

歯周病対策は毎日確実に歯垢を取り除くこと

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毎日の歯みがき歯垢を除去する、これに尽きます。うがいするだけで歯垢は取り除けません。先ほど述べた通り細菌は自分たちを守るために強力な膜、バイオフィルムを作るため、洗口液では除去できません。イメージとして排水口のヌメリと同じようなものです。こすらないと落ちませんよね。それも一生懸命に。ですから歯垢はこすって落とすことがとても重要です。それはわかった、ちゃんと歯磨きをしている、と言う方もいらっしゃるでしょう。ではどこに歯垢は残りやすいかご存じでしょうか?

歯垢の残る場所をご存じですか?歯垢を取り切れている自信はありますか?

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一番は歯と歯の間です。歯ブラシの毛先が届きにくいですよね。歯ブラシの毛先を入れ込んでいますか?歯と歯の間の歯垢を取りきれている自信はありますか?正直歯ブラシだけでは取り切れません。フロスや適切な歯間ブラシを使わないと無理です。皆さん、これら補助的清掃具を使っていますか?その次が歯と歯ぐきの境目や詰め物・被せ物の境目です。わずかな段差に歯垢が溜まりやすいのです。詰め物・被せ物の境目は歯と歯の間にあることも多いです。磨き切れている自信はありますか?あとは奥歯(特に一番奥)や歯並びが重なっている所になります。磨いてはいらっしゃるとは思いますが、歯垢を取り切れる磨き方ができていますか?家の掃除で言えば、すみっこや家具の裏にまで掃除できていますか?毎日見えないところまで掃除できていますか?

口腔内細菌と歯周病

近年DNA解析技術が飛躍的に発展し、歯周病患者と口腔状態が良好な方の口腔内細菌叢が解析結果から異なることが報告されました。その違いの一つが歯周病菌最近比率の高い、口腔内細菌叢のバランス異常ということがわかったそうです。更に歯周病の発症、進行にも影響しているそうです。今更とも言えますが、歯周病患者さんは歯周病原最近比率が高いということです。先ほど述べたように細菌を総とっかえすることは出来ません。

歯垢を増やさないコツはあるのか?

歯垢を取り切ることが大切だとお話してきましたが、歯垢を増やさないことも大切です。どうしたらよいのでしょうか。まず考えるのは食べたら歯を磨く、ということです。すぐなのか、ちょっとしてからでもよいのかと言えば、どちらでもよいです。歯垢を取れればよいのです。時間が経てば結合力が増しますから、早ければ早いだけよいですが、歯磨きして取れればよいのです。次に間食をだらだらしないということです。食事の回数が増えれば増えるだけ歯垢が出来ますから。習慣の改善は難しいですが、身体にも良いことですから是非取り組んでください。夜は唾液の流出が減りますので細菌が最も増えやすいです。ですから就寝前のブラッシングは特に丁寧にしてみてください。歯垢の付着に抵抗する一つが唾液です。唾液による流れが歯垢付着の抵抗力になりますからよく噛むことも心掛けてください。

きっちり磨けていても、取りきれない歯垢は出てしまう。

正しいブラッシングを覚えて実践し、補助的清掃具をルーティングにしても除去しきれない部分があり、強固なバイオフィルムが出来てしまいます。バイオフィルムが強固になったものが歯石と考えてください。その部分を歯科医院で定期的にクリーニング、ケアをしていくことが大切です。磨きにくい部分は人それぞれです。付きやすい部分の傾向はあります。でもその部分は覚えていただき歯垢を取り切るよう効果的な磨き方を覚えていきましょう。間違っている歯磨きの仕方で一生懸命時間をかけても結果はでません。 徒労に終わっているということです。せっかく同じ時間をかけるなら結果を出したくないですか?

定期健診にお見えになる方は歯周病の方が少ない!

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診療していて思うのですが、歯周病に罹っている方は定期健診にお越しにならない傾向が高いです。逆に言えば定期健診にお越しになられている方で歯周病の方の比率はかなり低いです。意識の問題でしょうか?ただし健診に行っていれば歯周病にならない、ということではありません。定期健診、正しいブラッシング、補助的清掃具の使用に加え、噛み締めや歯ぎしりなどの、力をコントロールすることができて初めて歯周病を抑え込めます。それは一生続きます。正しい歯垢の除去の方法を覚え、続けていく、という生活習慣の確立は強い意志が必要です。すべてはピンピンコロリのためです。旅立つまで美味しく、自分の歯で食事したいと思いませんか?

歯周病治療のページ

口を開けると音が鳴るのはなぜ?

2026年4月30日

顎がカクカクしたり、コキッと鳴るのは、多くの場合、顎の関節内で関節円板がずれて動いていることが原因です。

顎関節のしくみ

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顎関節は、下顎の骨とこめかみの骨が接している関節で、その間には関節円板という軟骨のようなクッションが入っています。関節は直接骨同士接している訳ではなく、骨と骨の間に軟らかい組織が挟まっていることで関節がスムーズに動きます。顎の関節は関節円板があるおかげで口がスムーズに開閉できます。

音が鳴る主な原因

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本来、あごの動きに合わせて円板も一緒に動くのですが、いろいろな理由で関節円板が定位置(骨と骨の間)からズレることがあります。口の開けると関節円板が骨と骨の間に戻り、閉じると関節円板が前方にズレます。これを関節円板の前方転位と言います。その場合、口を開けて関節円板が定位置に戻った時と口を閉じた時に関節円板が前方にズレた時にカクっと音がします。このパターンが一番多いです。

関節円板が定位置に戻れなくなることもある。

カクっと音が鳴るということは、ある条件だと定位置に戻ります。これを復位性の関節円板前方転位と言います。長期間ズレた状態が続くと、関節部分に炎症を起こしたりします。そうすると関節円板が変形したり、動きが悪くなったりして定位置に戻れなくなります。そうすると音が鳴らなくなります。これは非復位性の関節円板前方転位と呼ばれます。口が開けづらくなったり痛みを感じやすくなったりしますが、復位性であっても程度の差はあれ、あります。

関節円板がズレる原因

片側噛み(左右どちらか一方で噛む癖)

片噛みを続けると片側の噛む筋肉(咬筋や側頭筋)が過剰に発達し、反対側の筋肉が弱まる。その結果顎関節が片方だけ圧迫され、関節円板が片側だけズレることがあります。顔に歪みが出たり、左右の肩の高さの違い、クリック音の左右差などが見られることもあります。抜歯されてそのままにしていると歯の残っている方で主に噛む癖がつきます。

食いしばりや歯ぎしり(日中の無意識な食いしばりも含みます)

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こちらが口腔内に噛みしめ癖(歯ぎしりや食いしばり)のサインがあるので、指摘しても大抵は否定なさる方が多いです。無意識であるからでしょうけれど。常に顎関節が圧迫されるため、関節円板が前に押し出されていくのです。噛む時に使う筋肉が慢性的に収縮して硬くなり、さらに関節の動きを制限してしまいます。朝のこわばりや顎の疲れ感がある場合は、夜間に噛みしめや歯ぎしりをしている可能性が高いです。日中でも作業や仕事をしている時に無意識に噛み締めている方もあります。口は閉じていても噛み合わさっていないのが普通の状態です。顎関節に違和感のある方は意識できる日中噛み締めていることがないかチェックしてみてください。

骨盤の傾きや足の使い方の癖

骨盤が前傾や後傾していたり、片足重心、外反母趾などがあると、体幹の左右バランスが崩れ、首や顎の位置も身体は知らないうちにズレていきます。そうすると顎の関節の運動軸が変化し、関節円板に不均等な負荷がかかってズレやすくなる、ということも起こり得ます。足を組む癖のある方も骨盤にズレが起きていることが多いです。

うつ伏せ寝や頬杖などの日常の癖

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長時間下顎に力のかかる姿勢が続くと、顎がその方向にズレて顎の関節もズレます。両側の頬杖やうつぶせ寝は、下顎頭を後上方に押し込み、関節円板を前に押し出す力が慢性的にかかるのです。片側の頬杖や横向き寝でも横方向に力がかかるので関節円板は斜め前方向(内側、外側方向にも)に押し出される原因になります。この他にも様々な日常の癖があります。下顎に不要な力をかけないようにしましょう。無くて七癖、自分では気づきにくいので家族に指摘してもらうとよいでしょう。

硬いものが好き

硬いものが好きな方もよくいらっしゃいます。そういう場合も過剰に噛む筋肉を使いますから顎関節から関節円板を前方にズラすことになります。いきなり止めることも出来ないでしょうけれど、関節に悪影響を及ぼすことも頭の片隅に入れておいてください。

咬み合わせが低い

咬み合わせが低いとは、歯がすり減ったり、被せ物や義歯の高さが低くなったりして上下の歯の間隔、専門用語で咬合高径と言うのですが、減少している状態を指します。歯ぎしりで全体の歯がすり減ったり、奥歯を失ってそのままにしていても咬合高径は低くなります。成長期に上顎がきちんと成長できていないと下顎が前方に成長できず後方に押しやられることで咬合高径が低くなることもよく見られます。

低い咬合が顎関節に与える影響

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下顎が後方(後上方)へ押し込まれる

咬合が低くなると、口を閉じたときの下顎の位置が後上方にずれます。顎関節の下顎頭と呼ばれる部分が関節の奥に押し込まれてしまいます。その結果、関節円板が前方に押し出されてしまいます。咬合高径が低いと、咬筋、側頭筋、内側翼突筋という噛む時に使う筋肉などが普通よりも短かく働くことになります。その状態が続くと、これらの筋が常に関節を後方に引っ張る力として強く働きます。結果的に、関節円板が前にズレた関係が固定化する恐れがあります。

歯科的な対応

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先程述べたように食いしばりや歯ぎしりは口の中にその兆候が見えますから指摘されたら素直に受け入れましょう。昼間は歯を離す意識をもっていただき、夜間は歯ぎしり用のマウスピースを使うなどして歯同士を当てないようにしてください。自分の持っている癖に気づき、頬杖を止める、寝方に気を付ける、硬い嗜好品を止めるなどしてください。身体全体の姿勢の改善、顎の周辺のストレッチも、必要に応じて行います。咬合器や顔貌写真、レントゲン、などから咬合高径が下がっているかなど下顎位を含めた診断を行い、補綴(被せ物)矯正治療などで咬み合わせの再構成を行うことになります。

関節円板はレントゲンに映らない

関節円板が軟骨性の組織でできているのでレントゲンに映りません。カルシウムを多く含む骨は、X線を強く吸収するので白く映ります。空気や脂肪、筋肉などの軟部組織はX線をあまり吸収しませんから黒っぽく映ります。レントゲンはX線がどのくらい通るかの差で画像を作っています。関節円板は水分やコラーゲンが主成分でカルシウムなどのミネラルはほとんど含まれていません。ですから、X線がほぼ通過してしまい、骨のように映りません。関節円板がどうなっているかは解剖学、症状などから推察しています。関節円板を画像として見ようとするには実はMRI(磁気共鳴画像)しかありません。

MRIは、顎関節の状態を最も正確に把握できる検査方法です。

MRIはレントゲンと逆に水分の多いところが明るく写ります。骨は逆に黒く写ります。口を開けた時と閉めた時で撮影し比較します。関節円板の形は正常なのか変形しているのか。開けても閉じても正常な位置にあるのか、前方転位や側方転位などしているのか。関節円板の位置に問題があって、口を開閉口した時に関節円板の位置が復位するのか復位しないのか。などがわかります。炎症や滑膜炎があると液体貯留が増えるのですが、それも可視化されます。

MRIですべてがわかるわけではありません。

顎関節の動きを完全に再現できるわけではなくあくまでも静止画像での開閉口比較となります。CTは個人の診療所に導入されてきていますがMRIはそうではありません。病院などで撮影する必要があります。顎関節症は画像所見と臨床症状を総合して判断していくのですが、より詳細な状態を知るためMRIが普及することは患者さんにとって大きな福音です。

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義歯やブリッジよりもインプラントの方が本当によいのか

2026年4月29日

歯を失った、あるいは歯を失われてそのままにしている部分を補うための方策として、ブリッジ、義歯、インプラント、歯の移植が考えられます。

失った歯が1本からすべて無くなったときまで対応できるのが義歯です。

失われた数や部位を問わず対応することができます。歯が全くない状態を無歯顎と言います。無歯顎になると固定源がありません。歯茎の上に乗っている状態です。歯は舌、頬、唇の間にはさまれた僅かな空間に植立しています。それらの筋肉が動いても力が及ばない隙間に人工の歯を並べます。歯茎と義歯の間に唾液が入りますが、その唾液の僅かな表面張力で浮かないようにしています。引っ付く面積が大きければ大きいほど外れにくくなります。重度の歯周病などで歯が失われ、顎の骨が少なくなった状態で総義歯を作成すると安定しづらいです。

義歯安定剤を使ってよいのか

顎の骨が噛みしめなどにより部分的に尖っていることがあります。そのような無歯顎や、顎の骨との接触面積が少ない無歯顎では義歯の安定が難しいのです。解剖的に不利な条件の無歯顎や、大多数の歯が失われた部分義歯では義歯安定剤を用いることで義歯の安定を図ることがあります。歯茎と接触する側に義歯安定剤を一層薄く敷きます。厚く敷いてしまうと噛み合わせが変わるのと、顎の骨を傷めることになるので注意してください。

部分義歯

歯が一本だけ残っている状態から、一本だけ失った状態までに対応するのが“部分入れ歯”です。残っている歯を支えとして義歯を安定させます。安定のさせ方として歯にわっかをかけます。少し大きな木を抱え込むイメージをしてください。手がわっかです。木が歯です。手を強く絞れば外れづらくなります。一本より数本あった方が外れづらくできます。失った歯が多くなれば歯だけで支えていると負担がかかるので、顎の土手にも参加してもらって義歯の動きを小さくします。ですから失った歯が多くなればなるほど入れ歯は大きくなります。

最初に入れた入れ歯には異物感を感じる

顎から直接歯がでているのと、歯茎の上に人工の歯を乗せるのでは大きさが全く違います。大きく感じます。人間の適応力はそれなりで、やがて慣れることが多いです。総入れ歯は大きいですが、されている方は慣れてらっしゃるし発音もおかしくないです。でも初めて義歯を入れるとそれが1本でも違和感、異物感を感じます。慣れる方が多いのですが、慣れなくて外してしまう方も多くいます。歯を多く失ってから初めて義歯を入れると大きな義歯を入れることになるので、慣れるのにかなり苦労されると思います。

総入れ歯の機能回復は1/4

天然の歯が全て残っている時の最大咬合力は50~60㎏(一説には自分の体重分とも)、総義歯では15㎏と言われています。良くて1/3くらいです。下顎の奥歯(親知らずを除いて)片側が2本失われると咀嚼効率が、すべて残っている状態と比べると1/2~2/3くらいになることが報告されています。となると、反対側で噛むようになりますから、そちらに負担が行きダメージが蓄積されます。のみならず顎の関節にも良いことはありません。顎関節症の原因とも、顔の歪みにもつながります。歯を初めて失った時にこれ以上歯を失わないようにすることが大切です。固定式の選択がこれらのことからよいと思います。ただ義歯の良い点は、ほぼ歯を削らない、という点です。

義歯のもう一つの問題

部分義歯の平均使用年数は3年で70% 5年で40%です。言い換えると義歯の平均寿命は約4年です。わっかのかかっている歯の虫歯になる率は4年で93%、つまりほとんど虫歯になるということになります。

 

ブリッジの平均使用可能年数は約8年

一番後ろの奥歯を失った場合、ブリッジという選択はできません。ブリッジは両端に歯が無いと基本的にできない治療です。親知らずがあったとしても斜めに生えていたり、きちんと歯の高さが無いと土台にすることはできません。イラストの通り元の歯の大きさの物を被せるので、元の歯を土台にするため歯を削らないといけません。1本失った場合両隣の2本で支えますが、支えにする歯にとっては3本分の力を2本で受けることになりますから負担過重になります。歯を削られた上に負担も増えますからよいことではありません。少し古いデータですが、岡山大学の研究でブリッジの平均使用年数は約8年ということです。言い換えると8年の残存率が5割、それまでにブリッジが壊れる、あるいはブリッジそのものが失われるということです。(抜歯も含めて)

 

保険ではブリッジできない歯の残り方もある

失った歯でも、1本だけでなく2本連続とか3本連続とか、飛び飛びとかあります。上下それぞれ14本歯があります。保険診療では下の前歯を除き3本連続失われている場合ブリッジは適応されません。土台の歯が悪くなり長持ちしないから、義歯にしてください、ということです。2本ならいいのでしょうか?認められていますが、2本で4本分の支えるのに無理はないかといえば、私はあると思っています。ですからお勧めしていません。先ほど記載した使用年数に達しないだろうし、歯を長くもたせたいからです。本当は1本でもお勧めはしません。飛び飛びならよいでしょうか?失った歯が2本以上ということですよね。削る歯の数も更に増えます。

 

自費ならブリッジできるのか

自費診療では保険の適応を離れるので、規制はありません。セラミクスなど、材質は保険の物と全く違いとてもよいのですが、土台にかかる負担や、歯を削ることには変わりません。虫歯になりにくい、材質の劣化が無い、体に害がない(アレルギーなど)など材料特性はとても優れています。ブリッジを長く持たせる要素を多く備えていますが、ブリッジにした時に歯にかかる負担を軽減することにはつながらないのです。

 

ブリッジの別の問題点

ブリッジでは歯の無い部分をあるように見せかけます。歯茎の上に僅かな隙間があってその上に金属かセラミックが覆いかぶさります。その隙間に食べ物の僅かな汚れが入ります。そこは歯間ブラシやフロスで必ず清掃する必要があります。土台の歯の虫歯予防のためにも必ず必要です。舌の感触も、元々の歯の形と違うので多少の違和感が出ることもあります。

 

歯の移植

使っていない親知らずを、失われた歯の部分に持って行くのが歯の移植です。大人の場合かなり難しいのが実情です。歯の大きさが抜いたところにぴったり合わなかったり、移植できたとしても、生着しないことがよくあるからです。生着しないと抜けます。使っていない親知らずですから、歯が癒着していたり、埋まっていたりで、その抜歯自体も大変です。適応が限られると認識していただいた方がよいでしょう。

 

インプラントの良い所

天然の歯とほぼ同等の咀嚼力、咬合力を発揮できます。感覚的にも天然歯と変わらないとされています。インプラントは10年経過でも90%を超えるのが普通です。30年経っても残存率50%という報告はほぼ見当たりません。残っている歯を犠牲にしない、むしろ他の歯の咬合の負担を分散し軽減が図れます。

 

インプラントのデメリット

ご存じの通り、保険適応されていません。自費診療になります。骨とインプラントが結合するのを待つ期間が3~6か月あります。治療期間が長くなります。

 

インプラントを長く持たせるには

インプラントの材質はチタンで出来ています。チタンそのものは腐食もなく、アレルギーもかなり少ないとされています。材質的に生体に害のない素晴らしい材料です。インプラントは骨と結合しています。その結合は炎症があれば緩み、歯周病と同じようにインプラントを支える骨が無くなります。炎症の元、それは毎日の歯垢の除去と定期的な噛み合わせの調整です。歯周病で歯を失っている場合、そのコントロールができていないと歯と同じように口の中からインプラントを失うことになります。

 

インプラントに向かない方

ある程度顎の骨にボリュームがないとインプラントができません。下顎には大きな神経があったり、上顎には副鼻腔があります。安全に、長持ちさせるために部位によってはできないこともあります。タバコを呑まれる方も向きません。タバコは末梢血管を収縮させ栄養供給しにくくなるので、インプラント周囲の組織に良い影響を及ぼしません。インプラントを支える骨を吸収させてしまうからです。

 

1歳から歯科医院に行く必要はあるのか?

2026年4月23日

ファーストデンタル

初めての歯科受診の目安は1歳の誕生日ごろ、あるいは最初の歯が生えてきたらと言われています。日本小児歯科学会などもこの時期を推奨しています。1歳8か月健診も行政で行われていますが、それより前ということになります。1歳ごろからの受診と聞くと、歯科医院に行って何をするの?と思いますよね。この時期の歯科医院での対応は治療ではなく、予防と育成支援になります。

1歳で歯科医院でできること

継続的に通える、かかりつけ歯科医との関係のスタートになります。治療椅子に座ってみるとか、器具を見て触ってみるなどの慣らし体験を経て、歯医者さんは怖くない場所として子どもが慣れるきっかけにしたいのですが、なかなかそう上手くいかないのが本当のところです。口の中を診ようにも大泣きされるのが関の山です。三つ子の魂百まで、と言います。定期健診も思い立った時だけではなく継続的に受診することが大切ですよね。継続は力なりです。この時期から継続的に来院を続けて、怖くないという印象を持てると将来もし治療になったときでも抵抗感が大きく減ります。仕上げ磨きをきちんとご家庭ですべきことをしていれば虫歯のリスクもかなり少ない訳ですから、予防のために通う、という習慣づけにもなるのです。

仕上げ磨きは必ず行ってください。

宇治市 歯医者 brushinng  なかむら歯科医院

嫌がって口を開けてくれない、歯を磨かしてくれない、ということもよく聞きます。はじめは手で持たせて、磨かせるというより、口に入れて遊ばせる、という感じでよいです。何でもかんでも舐めたり、口に入れる時期があると思います。遊ばせるといっても、喉をつついてしまったりして事故になってはいけませんから保護者の目の届くところで、という条件になります。歯ブラシを口に入れることが当たり前になるところから始めましょう。磨いて汚れを落とすのは保護者の役目です。歯ブラシを口に入れることが当たり前になるようにしてみましょう。

私(中村)は、無理してでも自分の子どもには仕上げ磨きをしてきました。

私は自分の子どもには抑えつけてでも仕上げ磨きを行っていました。泣いていたら、口をゆすぐも何もありませんから、歯磨剤などはつけずに歯ブラシで磨き、フロスを歯と歯の間に通してきました。歯ブラシで遊んでいたりして馴染ませてきましたが、泣く時はやっぱり泣きます。寝起き、機嫌の悪い時、泣きます。それでも最低寝る前は必ず仕上げ磨きはしていました。ずっと続けてきましたが、ある時から多分諦めて大人しく仕上げ磨きさせてくれるようになりました。傍からみると虐待ととられかねないシチュエーションですが、子供のためを思って行っていました。保護者の方にはそれぞれのお考えがあります。こうすればよい、ということではなくこんな事例もあるということで恥ずかしながらご紹介しました。自己判断していただきたいです。手前味噌ですが、今も歯ブラシ習慣はきちんと身についているように思います。

哺乳びんについて

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哺乳をしっかりすることで赤ちゃんは舌、唇、頬、の使い方を覚え、筋力をつけていきます。哺乳を通して得られた情報が間違っていると顎の成長や、顔の成長、鼻呼吸になるか口呼吸になるか、食べ物の飲み込み方、発音の仕方まで影響してきます。妊婦健診にお越しいただいた方には哺乳の重要性と具体的な○×をお伝えしています。それと共に哺乳瓶の選び方についてもご説明しています。医学的には栄養供給できれば問題ないのですが、先ほど述べた機能獲得のためにはそのトレーニング機能を備えた哺乳瓶を選ぶ必要があります。具体的に言えば力を使わないと哺乳できない哺乳びんを私は推奨します。栄養供給をメインに考えるか、機能獲得をメインにするかで選んでいただく必要があります。どちらが正しいということはありません。個人個人で決めていただく他ありません。

おしゃぶりを止める時期について

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世界の哺乳期間の平均は4.2年です。幼稚園で言うと年少さんです。現在の日本では、母子手帳を基準にそれよりもずっと早く断乳します。戦後の慣習でやむを得ない所もありますが、出来る限り哺乳期間は機能獲得の面から長ければ長い方が良いと考えています。母子手帳の大元のアメリカでは、母子手帳に記載されている内容は大幅に改善されていて、断乳時期は日本よりも大幅に後になっています。おしゃぶりは機能獲得の訓練にもなるので、2~2.5歳までは許容範囲です。それ以降までおしゃぶりを続けると噛み合わせの問題が出てくる可能性が高くなるので、遅くても3歳までには止めるのがよいと考えています。

指しゃぶりについて

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指しゃぶりをするのはなぜでしょうか?一つの考え方ですが、顎が機能獲得できていなくて大きくなれないと鼻が大きくなれてなくて、鼻呼吸ができない。そのために口から酸素を入れるため指を口に入れて酸素を確保している、という考え方です。つまり、指しゃぶりの原因は呼吸のしづらいから、ということです。うつ伏せになるのも気道が小さいから、下顎を重力で無理やり下げて、気道を確保しているのです。上顎が成長できなくて下顎が定位置より下がってしまうと気道は下がって気道が狭くなり、小さくなってしまいます。そのためうつ伏せになって下顎を重力で降ろし、気道を確保しているのです。上顎を大きくしてくことが答えなのです。

口呼吸、口ポカン

宇治市 歯医者 open mouth なかむら歯科医院

これらも上顎が大きくなっていなくて下顎が奥に下がってしまうので気道が狭くなるので、生きるために酸素を取り込むため口を開けるのです。口が常時開いているということは哺乳の仕方が良くなくて、上顎が大きくなれなくて酸素を取り入れるためやむを得ず口を開けている、とお考え下さい。兆候は口腔内を診ればわかることもあります。正常に成長すれば乳歯はすきっぱになります。この時期に前歯がキチキチに生えていたり、歯並びがガタガタだということは適切に顎が成長出来ていない、ということになります。空隙の部位により成長空隙、霊長空隙と言い方が変わります。名前はどうでもよくて、空隙があることが大切なのです。

霊長空隙と成長空隙

霊長空隙は上顎だと乳犬歯の前で、下顎は乳犬歯の後ろになります。霊長類に共通して見られて、咬み合わせや顎の成長に伴って自然にできる隙間のことを言います。成長空隙は、霊長空隙以外の前歯の間に見られる小さな隙間のことを言います。将来の永久歯の萌出スペースを確保するために生理的に必要な隙間と言えます。これらのスペースが欠如している乳歯列では、顎の発育や歯列の調和に問題が生じているので永久歯に生え変わった時に歯列不正を起こすリスクが高くなります。具体的に言えば、歯並びがガタガタになって八重歯になる可能性がかなり高くなる、ということです。

歯並びを良くするための対策を知ってもらう

小さい時期に兆候があればその対策を早期に行うべきです。離乳食が長期に軟らかいままであるかの確認をしてください。舌でつぶす食事が続いているようであれば、顎を大きくする力が働かないので、それらを是正していただく。1歳以降は歯ぐきで噛める硬さの離乳食にしてください。にんじんスティックやさつまいもなどを少しゆがいて柔らかくしたものを与えるなどしてください。少しづつ硬くしていってそのままで食べれるようになればベストです。自然なままの味に慣れてくれればいうことありません。食事は足を床に着けて摂るようにしてください。

離乳食にも正しい与え方がある

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今まで述べた他にも色々知っていただきたい内容があります。できれば妊娠時に予備知識としてしっていただく方がよいです。1歳から来院していただくことは、治療ではなくお子様の将来を見据えたご家庭での行っていただく内容をお伝えすることになります。知っていただき行っていただくことがお子様の生涯にわたる健康の礎になると、私は確信しています。

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小児口腔育成もページ

親知らずを抜歯するなら、できるだけ早く

2026年4月16日

当院では4月から非常勤ながら口腔外科医が勤務されます。大学卒業以来口腔外科で研鑽を積まれているので、口腔外科に関する症状、疾病に関してご相談いただければと思います。ご多忙のため不定期な出勤なりますので受診を希望される方はお電話にてご確認ください。

スタッフ紹介のページ

口腔外科領域の疾患

身近なものとして親知らず、顎関節症、歯牙移植、粘膜疾患、外傷(歯牙破折、歯牙打撲など)の頻度が高いと思われます。外傷は突発的に起こるので、慢性期でないと拝見出来ないのが心苦しいところです。

親知らずは痛い時には抜けない

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一番メジャーな親知らずについて記していきます。現代人の顎は縄文人に比べると小さくなっていて、親知らずが真っすぐ生えて正しく機能することがないことが多いからです。下記に述べるトラブルの原因になるため、問題が起きる前に抜くことが推奨されます。現状で痛みがなくても、抜歯を勧めるのにはそれ以上のリスクを回避するためです。痛みの有る状態で麻酔は奏功しません。

親知らずの手前の歯を守るために抜歯する

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親知らずが斜めに生えていると、手前の歯(第2大臼歯)との間に深い隙間ができることがほとんどです。隙間に詰まった汚れは歯ブラシやフロス、歯間ブラシでは取り切ることが出来ず、親知らずだけでなく、手前の健康な歯の虫歯や歯周病を誘発してしまいます。口臭の原因にもなります。取り切れない食べかすが残ったままだと腐敗して臭うのです。最悪の場合、親知らずと一緒に大事な、本来抜いてはいけない奥歯を失うことになりかねないのです。

智歯周囲炎(親知らずの腫れ)を無くすため抜歯する

親知らずがしっかり真っすぐ生えていないと、元々軟らかい親知らずの周りの歯茎が小さな傷などで細菌感染を引き起こしやすいのです。いわゆる、親知らずが腫れた、というものです。歯ブラシによる磨き傷、食べ物による接触傷など何が原因で腫れるかわかりません。疲れやストレスで免疫力が落ちるても腫れます。抗菌剤などで腫れを抑えても、根本的な原因である親知らずが残っていると、何度も腫れを繰り返す可能性があります。悪化すると、パッとみてわかるくらい顔が腫れたり、口が開かなくなったり、喉の奥まで炎症が広がって唾液を飲み込むのもつらくなることもあり、深刻になると入院が必要になることもあります。

歯並びが悪くなるのを防ぐため抜歯する

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横向きに埋まっている親知らずは、手前の歯を常に前の方へ押し続けています。この押し出す力が、前歯の歯並びをガタガタにしてしまうことがあります。親知らずが無くても、加齢につれ歯を支える歯槽骨が減少していくので歯は動きやすくなっていきます。特に歯の小さな下顎の前歯がガタついていきます。親知らずがあればなおさらです。

いつ抜いたら良いのか?

若いうちの方が骨も柔軟性があって抜きやすいです。年齢が上がれば上がるだけ抜きにくくなります。術後の傷口の治りも若いですから当然早いです。とは言え抜歯に抵抗があるのもわかります。ただ、これから先一番若いのはいつでしょうか?今ですよね。後回しにするよりも若いうちに抜いた方がメリット多いです。

抜かなくてもよいケース

完全に真っ直ぐ生えていて、上下でしっかり噛み合っており、綺麗に磨けている場合は、無理に抜く必要はありません。完全に深い骨の中に眠っており、手前の歯や神経に悪影響を及ぼす可能性が極めて低いと判断する場合もありますが、経年的に嚢胞と呼ばれる疾患を引き起こすこともあります。定期的にレントゲン写真撮影し経過観察していく必要があります。ご留意ください。

親知らずの抜歯の難易度

親知らずの抜歯の難易度は、歯の向き、埋まり方、神経との距離によって大きく変わります。

宇治市 歯医者 8 なかむら歯科医院

  1. 歯がまっすぐ生えず、隣の歯に向かって真横(水平方向)に倒れて埋まっている状態を水平埋伏智歯と言います。横向きなのでそのままでは抜けません。歯茎を切開し、歯を分割して取り出さないと抜けないため抜歯に時間がかかります。普通の抜歯に比べると当然難易度が高くなります。身体にかかる侵襲が大きいため術後の腫れや痛みが強く出やすいです。

 

  1. 歯が一切お口の中に露出せず、完全に歯茎や顎の骨の中に埋まっている状態を完全埋伏智歯と言います。歯を目視できるまで骨を削る必要があります。下顎の中に唇や顎の感覚を司る下歯槽神経と太い血管が通っています。親知らずの根っこが非常に近かったり、接触している場合、抜歯時や抜歯後に下唇の痺れや麻痺が残るリスクがあります。どこに歯があるかを正確に把握するため、事前にCT撮影による3次元的な診断が不可欠ですし、非常に慎重な操作が求められるので、病院歯科へ紹介させていただくことが多いです。

 

  1. 親知らずの根の部分が通常先細りするのに逆に太くなっていたり、根の先が釣り針のように曲がっていたり、根の先が3本や4本に分かれ、骨をしっかり掴んでいる場合など、無理に抜こうとすると根っこが折れて骨の中に残ってしまうため、周囲の骨を削らないと抜けないことがあります。また加齢に伴い、骨と歯が癒着していることがあります。そうなると抜歯は困難を極めます。年齢が上がるにつれて骨が硬くなり、癒着のリスクも高まります。若いうちに抜いたほうがいいと言われるのはこのためです。男性の場合顕著です。

 

  1. 上顎の親知らずの場合、鼻の横にある空洞(上顎洞)と非常に近いことがあります。抜歯した際に抜歯後にできる穴と上顎洞と貫通してしまい、上顎洞炎(蓄膿症のような症状)を引き起こしたり、抜歯中に歯が空洞の中に押し込まれてしまうリスクがあります。

 

難易度を把握をする

難しいケースであっても、現在はレントゲンやCT検査である程度リスクを把握することができます。痺れや麻痺が発現した場合、一般歯科診療所に配置できない薬剤などで対処することがあります。そのため私自身で診断できることもありますが、リスクの高そうな症例含めて専門医が術前診査をした上で当院での抜歯が可能か診断致します。診査診断の上リスクが高い場合は病院歯科での抜歯をお勧めします。少しでも親知らずの頭が出ていたり、一度でも腫れたことがある場合、抜歯を検討した方がよいと思います。抜歯を前向きにお考えの場合は是非ご相談ください。

親知らずが引き起こす意外な症状

宇治市 歯医者  engagement_jaw_pain なかむら歯科医院 

前述したように、親知らずは歯並びを乱す原因になります。加齢も原因の一つではありますが、親知らずが加わるとより歯並びを悪くしてしまいます。歯並びが悪くなると顎関節症状を引き起こす原因になります。歯並びが悪くなるということは、噛み合わせが変わるということです。噛み合わせが変わると顎が僅かにズレます。少しのズレがずっと続いたり、ズレが大きくなっていくと顎の関節にダメージが蓄積されていくのです。親知らずを抜けば噛み合わせのズレが解消されて元に戻るかと言えば、戻りません。歯並びを戻すには矯正治療が必要ですし、歯並びを戻した状態にしないと顎の関節も元に戻りません。戻すというよりは歯並びを良くして、噛み合わせを良くする、と言った方がよいでしょう。顎関節症予防のために親知らずを抜いておくこともメリットとなります。顎関節症の治療の一つが親知らずの抜歯でもあります。

まとめ

親知らずの抜歯と聞くと、腫れたり痛んだりというイメージがあり、後回しにしたい気持ちはよくわかります。抜歯によるメリットもありますから、なるべく若いうちに抜歯される方が多くのメリットを得られると思います。私自身も20代にすべて抜きました。口腔外科医も非常勤ながら勤務されるのでご相談になってみてください。

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親知らずのページ

根管治療で歯が痛むのはなぜ?

2026年4月9日

根管治療で痛みが出ることもよくあることです

根管治療を受けた後に痛みや腫れが出ることがあることは残念ですけれど、よくあることです。根管治療は、歯髄(歯の神経のこと)や感染している歯質を取り除き、根の先まで綺麗に掃除し根管内を無菌状態に保持する治療です。半永久的に変化のない固形の材料を根管内に満たします。その上で被せ物や詰め物をしていくのです。歯の神経が失われても虫歯に感染します。根管治療が済んでいても虫歯になると、その虫歯の部位をきっかけにして再度感染し、歯の根の付け根当たりに膿が溜まることがあります。

根管治療を行うときのリスク

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根管治療は、根の中の歯髄や感染歯質を取り除き、治療後に充填する固形の材料が入るだけの直径に拡げなければなりません。歯の種類、根の種類によってその大きさの目安はバラバラです。根管治療を行うのにファイルという、簡単に言えばキリとカンナを一つにしたような見た目は針のような器具を使用して感染源を除去しつつ直径を拡げていきます。最近ではNi-Ti(ニッケルチタン)のファイルと専用の器具を用いて根管内を拡げることが多いのですが、根尖付近は微妙に曲がっているので(その上細いので)細い根尖部分は今でも手指を用いて感染源の除去、拡大を行うことがほとんどです。

根管治療すると炎症反応が起きることもあります

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通法に従い治療を行っても、物理的に根管を大きくしたり感染源を取り除いたりすることが、根尖部に刺激を与えることになるので、炎症が起こることがあります。治療が終わるまで、全く痛んだり腫れたりすることのない方もあれば、痛みや腫れの出ない方も多くいらっしゃいます。炎症は異物を排除する免疫反応です。身体が異物を認識すると、そこへ免疫細胞を送り込みます。血液に乗せてどんどん送り込むので、ズキズキします。異物と免疫細胞が戦って、双方共倒れになった残骸が膿みです。その膿が溜まっていくと腫れます。溜まった膿が自然に出ることもあれば、切開すればすぐ出る時もあります。深部に膿が溜まっていたら切開しても効果がそれほどないですし、抗菌剤の投与で腫れが引く場合もあります。

痛みや腫れへの対処は

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軽度の痛みであれば鎮痛剤(ロキソニンやバファリン、カロナールなど)を使用します。根の付け根当たりに腫れやズキズキ感があれば鎮痛剤に加えて抗生物質(ペニシリンなど)を使用することがあります。また根管内に膿が溜まっていることもあるので、仮詰めを取って根管内から排膿させることもあります。(必ず出るわけではありません。)先ほど述べたように歯茎の直下に膿を感じ取れるようであれば切開します。根管治療で根の先に炎症が起こると、歯が浮いたようになるので噛み合わせると痛みます。噛んで痛い場合は咬み合わせの負担を減らすために歯の高さを削って当たらないようにします。

痛みや腫れはいつまで続くの?

切開できるようであれば、溜まっていた膿が急激に少なくなりますから、多少の腫れや痛みは残りますが、グッとなくなります。仮詰めを取って根管内から膿が出てくれたら、やはり同じように痛みや腫れはグッと減ります。それ以外の場合、抗菌剤が効くまでしばらく痛みや腫れは続きます。1日くらいかかって服用した抗菌剤が効いてきます。人により炎症が引いてくる期間は異なります。炎症が起きやすい人、起きにくい人がいるような気がします。軽度な痛みや違和感なら1〜3日程度で自然におさまることが多いので、しばらく様子を見てもよいでしょう。

神経治療が済んでいる歯も炎症は起こる可能性があります

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神経治療が終わっていても、虫歯による感染が起きてしまうと、根の先が膿んでしまいます。神経治療が終わっている歯は、大抵被せ物や詰め物がしてあります。元の歯の形に戻すために土台を入れてあることがほとんどです。神経治療の途中でなくても痛みや腫れが出ることもよくあります。先ほど仮詰めしてある場合は外して根管から排膿するか診ていくと述べましたが、被せ物や土台が入っている場合、すぐに撤去することはできません。緊急に来院されても撤去する診療時間を確保することができないことがほとんどです。そのような場合は投薬や噛み合わせの調整などの対応になります。金属の土台が入っていると、それを撤去するだけで数回かかることもあります。金属の撤去はとても大変なのです。

神経のある歯も、虫歯でなくて神経がダメになることがある

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神経のある歯で詰め物や被せ物がしてある歯、何の治療もしてないが噛み締めですり減っている歯、は虫歯でなくても神経がダメになって、痛んだり腫れたりすることがあります。虫歯が大きかったり、元の歯を大きく削って被せたりすると、削った分だけ外界と神経までの距離が短くなります。短くなった分歯の神経は刺激を受けやすくなり、そのせいでだんだんダメージを受けて神経がダメになってしまうことがあります。これも個人差があります。神経がダメになってしまうと腐敗して膿ができます。その膿は少しづつ増えて、出口がないので腫れや痛みが発生します。噛みしめが強くて歯がすり減っても神経までの距離が短くなりますから同じことが起こります。噛みしめが強いことで歯にヒビが入って、そこから神経に刺激が慢性的に加わり神経がダメになることも比較的多いです。噛み締めのきつい方は、歯ぎしり用のマウスピースを使って予防されることをお勧めします。

神経は取ってあるはずなのに治療中に痛むのは何故?

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まれに、神経を取ったあとも周囲の神経組織が敏感になり、神経痛のような痛みが残るケースがあります。触るたびにチクチクするとかです。また神経治療することで根の中に血の塊、かさぶたのようなものが出来てそれを触るので痛むことがあります。かさぶたであれば取ることができますが、神経組織の過敏さを取ることはとても難しいことです。通法に従った根管治療でも起こる副作用であることをご理解いただく他ありません。根の中に最終的な半永久的な材料を充填するのに、根管の直径を大きくする必要があります。細い根管を大きく拡大するのですが、押し拡げることによる痛みも出ることがあります。この場合は少しづつ大きくすることで対応します。

ご自身で痛みを悪化させないために何ができるか

根管治療を行うと数日痛みが出ることがあります。少しづつ軽減されることが多いのですが、先程来述べてきたように痛みや腫れが出ることもあります。感染源を取り除き根の中を綺麗な状態で密封するためなのですが、機械的な刺激を与えることが炎症を起こしてしまうことと表裏一体なのです。治療後はなるべく治療部位で硬いものを噛むことは控えてください。もし痛みが出たら指示通りに出されている薬を服用してください。我慢する必要はありません。適切なタイミングで薬を使い、症状が続くなら連絡をしてください。

痛みがどうしても取れない場合は

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そのような場合、服薬ではなく点滴で血中の抗菌剤の濃度を迅速に高くして、炎症を抑えます。一般的には病院にある歯科口腔外科で処置してもらいます。ご紹介状を用意しますのでご持参いただき受診していただきます。炎症がきつい場合は痛みが治まってから根管治療を再度行いますが、予後が不良の場合もありその場合は抜歯になります。抜歯は避けたいところですが、永続性が見込めない場合はやむを得ません。治療を始めるきっかけは虫歯と噛み締めです。虫歯にならない、噛み締めないようにする、夜間歯ぎしり用のマウスピースを装着する、これが神経を取らないための条件になると言えそうです。

根管治療のページ

 

抜歯矯正を決める前に、当院で診断してみてはどうでしょうか

2026年4月2日

歯並びを良くするためには抜歯するしかないのか?

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結論を先に言えば、抜歯しなければならないケースもあるが、非抜歯で対応できるケースも多くあるということです。ガタガタ具合が軽度であれば非抜歯で済ませることが多くあります。成長がまだ見込める時期に基本的に抜歯はしません。未成年の抜歯の判断は男性で18~20歳、女性で15~18歳です。つまり成長が終わった時期に抜歯を判断します。成長で歯が並ぶくらいに顎が大きくなる可能性があるからです。待たないといけない時間はありますが、鼻から諦めるのはいかがなものかと、私は思っています。それは何故かというと、歯を成長期に抜いてしまうと歯列弓が狭小化する可能性が高くなり、そのことで起こる弊害があるからです。

歯列弓が小さくなると起こると考えられる弊害

例えば、縦横高さがそれぞれ5㎝の蓋つきの箱を想像してみてください。縦の寸法だけが4㎝になると元の箱より容積が小さくなります。中に収められる容量は減りますよね。同じだけのものを入れられなくなります。成長期に抜歯をすると、歯列弓が小さくなります。上顎と下顎の中に何があるかと言えば、舌があります。舌の大きさは変わりませんから、口の中の容積が小さいと置き場に困ります。でも何とか収まらないといけません。となると、舌は奥に引っ込むか下に下がります。舌は筋肉の塊ですから形を変えることができるのです。

姿勢にも影響

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舌は本来上顎に当たって側方に拡げる作用の一翼を担っているのですが、その働きが無いとその上にある鼻が大きくなりません。また舌が奥に引っ込むと気道が狭くなります。これらのことから、歯列弓が狭くなると呼吸しづらくなります。そうすると無意識に頭を前に出して空気の通りを確保しようとします。これがストレートネック、猫背、骨盤後傾、O脚、扁平足につながります。もちろん睡眠時無呼吸症候群や口呼吸の持続につながる可能性も出てきす。

舌は動く

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先程述べた通り舌は筋肉の塊です。置き場が後ろや下になっても嚥下や発音はします。その動きは狭いなりに規制されてますから正常から少しずれた嚥下や発音になる可能性が出てきます。歯列弓が普通のままの動きを舌がすると、舌突出癖という癖になり、折角治した歯並びが崩れるリスクが高まります。

口元が寂しくなる

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抜歯すると、そのスペースを閉じるために前歯を後方に移動させることになります。そうすると、唇の厚みが減り、横から見ると顔が平坦になる可能性が出てきます。アジア人は骨格的に口元が少し前にある傾向があるので立体感に欠けるように見えることもあります。また歯列が狭くなると、笑った時に奥歯があまり見えず、スマイル時の歯の見え方が不自然になることもあります。

咀嚼効率の低下

歯列が狭くなると当然上下の歯の接触面積が減りますから、食べ物を効率よく咀嚼しにくくなる可能性も出てきます。

本当に抜歯しなくても治療できるのか

宇治市 歯医者 crowding なかむら歯科医院

一般的な抜歯矯正が選択されやすいのは

・歯を並べるのに10mm以上のスペース不足が著しい歯のガタガタ

・横顔で唇が前に出ている。いわゆるE-lineから2mm以上前方にでている場合

・骨の問題で出っ歯になっていて、上顎前歯を引っ込める場合、本来は外科矯正しないといけないが、外科処置を回避する場合

・骨の問題で受け口になっていて本来は外科矯正しないといけないが、外科処置を回避する場合

これらの場合、抜歯が選択されやすいです。最後の二つは苦肉の策っていう感じです。これらの場合は治療難度がグッと上がるので専門医のところで治療されるとよいでしょう。前歯を引っ込めたいという時に、奥歯を左右一対抜いて前歯を後ろに下げることを希望される方があります。ではどれくらい後ろに前歯をさげられるしょうか?

上の前歯を後ろ方向に動かせる量はせいぜい2㎜です。

歯は顎の骨の中に埋まっています。歯を動かせるのは骨の中だけです。上の前歯が、後ろ方向に動けるのはせいぜい1~2㎜です。それで満足していただければよいですが、前歯を下げたいと考えていらっしゃる方はそれでは意味がないと思われるでしょうか。どうしても下げたいなら、犬歯の後ろの歯を抜歯すると共に、歯が埋まっていた骨も一緒に切除して、骨ごと後ろに下げないと求めることを達成できないと思います。先ほど述べた外科的矯正の適応となります。

スペース不足の矯正治療で抜歯は必須か?

抜歯矯正で抜く歯は、犬歯の後ろの第一小臼歯であることが多いです。その歯の幅はだいたい6.5~7㎜です。通常両側抜くことが多いので、抜歯をすれば13~14㎜の歯を並べるだけのスペースができます。スペース不足が10㎜だったら全然余裕です。余るくらいです。余ったらどうなるかと言えば、空隙ができます。空隙を埋めるように歯を動かします。大抵は前歯のガタガタを治すことが目的になると思います。前歯が綺麗に並んだ時にできる空隙は犬歯と奥歯の間にできます。前歯は並んでいるわけですから、動かすのは奥歯です。でも奥歯は前歯に比べると大きいです。片側2㎜大きな奥歯を前に動かすことはかなりとても難しい治療なのです。わかりにくいかもしれないのですが、カップに入ったゼリーの真ん中にスプーンをズボッと立てることをイメージしてください。スプーンの上に人差し指を置いてカップを平行にずらしてみてください。難しいと思います。傾くと思います。空いた隙間を埋めるために奥歯を平行移動させることは難しいのです。(表現が難しくてすみません。)

IPRという手立てでスペースを確保する

宇治市 歯医者 stripping なかむら歯科医院

IPRはInter proximal Reductionの略で、簡単に言えば歯の端を僅かに削合することです。歯は一番外側にエナメル質という組織があり、知覚がありません。象牙質にくらべて薄いのですが、それでもある程度の厚みがあります。(前歯の端で約0.7〜1.0㎜、臼歯で約1.0〜1.5㎜)歯の端をエナメル質内に限局して僅かに削合することで歯を動かすためのスペースを作ることができます。ただし安全に削れる量には限度があります。基本的な許容範囲は1か所最大0.25㎜です。1本だと0.5㎜になります。片側で前歯は6本、小臼歯は4本ありますから、奥の大きい歯を除くと最大9か所IPRできると4.5㎜のスペースを作ることができます。抜歯して得られるスペースよりも随分少なく感じられるでしょう。物差しで見ると意外とそれなりの量なのです。

傾斜している歯を直立させることでスペースを確保する

人の歯は身体の真ん中に向かって倒れてくる傾向にあります。年齢が上がるにつれ、前歯は若い時こんなにガタガタしていなかった、とおっしゃる方がよくあります。また歯を失ってそのまま放置していると、失った歯の後ろ側の歯は前に向かって倒れてきます。乳歯列や混合歯列では少ないのですが、永久歯に生え揃っている、歯並びと噛み合わせのよくない若年者も基本的に前方に傾いている傾向にあります。前方に傾いている歯を元に戻す方向、つまり後方へ立て直すことでスペースが出来てきます。これは人それぞれなので単位としてお示しすることはできないのですが、左右それぞれ2㎜くらいスペースが出来れば、IPRと合わせて8.5㎜のスペースをトータルで確保できることになります。

抜歯するのと、歯を少し削るのと、どちらがよいですか?

宇治市 歯医者 playing outside なかむら歯科医院

口腔内スキャン、CT・レントゲンなどから診査診断しないと正確なことはわかりませんが、歯並びを治すためのスペース不足を確保するのには抜歯一択ではないと、私は考えています。できるなら抜歯は避けたいと思っています。抜歯を避けた矯正治療を行ったけれど、結果的に抜歯しないと治療結果を得られないこともあるでしょう。特に若年者の場合、抜かないで済めばその恩恵は計り知れないと私は思っています。抜くと決める前に、何医院か診察していただくことをお勧めします。

矯正治療のページ

マウスピース矯正のページ

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開咬の治し方

2026年3月26日

開咬とは

宇治市 歯医者 open bite なかむら歯科医院

前歯が咬合していない状態のことです。そばやうどんが前歯で噛み切れません。見た目に空いている場合と前後的に空いていて、見た目にはわかりにくい2パターンあります。何故開咬が起こるのか、その発生機序には多くの要因が関わっており、単一の原因ではなく遺伝的要因、習癖、成長発育のバランス、親知らず、などが複雑に絡み合っているとされています。

要因はいくつかある

骨格的要因

顔面の垂直的成長が強い、いわゆる馬面タイプでは、下顎骨が後下方へ回転しやすく、前歯がかみ合わなくなることがあります。後下方への回転とは、横顔を右から見たとき時計回りの回転する動きのことです。下顎が後ろかつ下方向に回転すると、正面から見ると顔が長く見えます。特に成長期において下顎骨が後下方に回転してしまうと、前歯の被蓋が失われ、開咬傾向が強まります。

歯槽性要因

親知らずが斜め方向や横向きに萌出すると、その手前の第二大臼歯を押して歯列全体のバランスが崩れ、奥歯の咬み合わせが高くなります。奥歯が高くなると前歯が噛み合わなくなります。割りばしなどを奥歯だけで噛むと前歯が噛まないと思います。少し極端ですが、感じ的にはそんな感じです。

機能的要因(習癖)

宇治市 歯医者 thumb sucking2 なかむら歯科医院

指しゃぶりが長く続いたり、おしゃぶりを長期使用していると、上下の前歯の間に隙間ができてしまいます。そういう集患を止めれたとしても、時期を逸すると嚥下や発音時に舌を前方に突き出す癖が付いてしまっていると、開咬になります。口ポカンだと上下の前歯間に舌が入り込みやすくなるので開咬になりやすいです。そこに舌を入れないと嚥下することができないのです。アデノイド、扁桃肥大による気道狭窄で口呼吸が強いと、開咬の原因になると言われています。まれに巨舌症という舌が著しく大きくなっている疾病もあります。舌が大きいので口の中に収まりが付かず、上下の前歯の間に常態的に舌を差し込むので開咬になったりします。

親知らずの影響はかなりある!

宇治市 歯医者 third molar なかむら歯科医院

親知らずが生えることだけで開咬になることはありませんが、奥歯の噛み合わせのバランスを乱すことはよくあります。直接原因ではありませんが、親知らずを抜去してすることで臼歯の噛み合わせが安定するが多いです。開咬の治療で親知らずを抜歯することは重要になります、というか必須です。開咬の治療のみならず噛み合わせの安定を妨げる要因になるので親知らずは抜歯された方がよいでしょう。

親知らずを抜かないことはあるのか

親知らずは顎の関節の位置に最も近く、僅かでも高いと顎をずらしてしまう原因になります。もちろんそこが高くなると前歯が空いてくる原因になります。基本的に開咬治療の場合抜歯が基本になります。ただし抜歯などで歯の数が減っていたりすれば、失った歯の代用として使うことも可能性としてあります。また上下の親知らずが真っすぐ生えていてしっかり噛んでいる場合、まれに抜かないこともあります。

開咬の治療は 年齢、原因、重症度によって異なります。

小児期(乳歯列・混合歯列期)

長期の吸啜習癖、つまり指しゃぶりやおしゃぶりは前歯部開咬の最大要因です。やめるだけで自然改善することもあります。ですから理想は3歳までに中止できればベストです。止めさせることはなかなか難しいのですが、やってない時は褒める、やってしまったら悲しむ、という母子の関係性でやめさせるように持っていく他ありません。アデノイド、扁桃肥大、鼻疾患などの問題があって呼吸しづらくて、指しゃぶりをして呼吸を確保していることもあります。止めれないときには耳鼻科と連携して処置することが必要です。鼻呼吸できることが基本です。指しゃぶりやおしゃぶりが止めれたら、舌を正しい位置に誘導する訓練が必要です。その場所はスポットポジションと呼ばれ、上顎前歯の後ろの、歯と歯茎の境目です。この位置を覚えるのがMFT、口腔筋機能療法です。

小児口腔育成のページ

小児矯正のページ

学童期から思春期にかけて(成長期)

宇治市 歯医者 scammon curve なかむら歯科医院

成長発育を利用して時期です。この時期を逃すと難しくなっていきます。習癖を取り除いておくことは前提条件です。上顎骨は10歳までにほぼ成長を終えます。下顎の成長はしばらく続きます。(男児18歳、女児15歳頃まで)下顎が後下方に回転しないようにしなければなりません。上顎が正しく前方に成長出来ていないと下顎が前に成長出来ません。上顎の成長が終わる前に正しく成長させることが大目標です。当院ではマウスピースの柔らかさとしなやかさを用いて顎を拡げるマウスピース矯正を行っています。矯正だけでなく同時に舌の筋機能訓練も同時に行います。成長期のうちであれば成長を正しいラインに乗せることができます。

小児マウスピース矯正のページ

成長終了後(成人含む)

大きくは2つに分かれます。軽度であればマルチブラケット矯正やマウスピース矯正、重度であれば顎矯正手術と矯正を併用して上下顎の位置関係を改善していきます。軽度だと親知らずの抜歯と歯列不正の改善で後下方へ回転している下顎を前方に回転させる可能性が高いです。(開咬の改善)開咬の状態で長くいると生体もその環境に慣れていますから、前上方に回転するかしないかは適応力によっても大きく異なります。

矯正で開咬が治るメカニズム

圧迫されている関節を解放する

宇治市 歯医者 tmd なかむら歯科医院

開咬症例の中には、下顎頭(耳の前にある、下顎を開け閉めすると動くところ)が後上方に押し込まれて関節円板や後方結合組織に圧迫が生じていることがあります。嚙み合わせを治すと、関節窩内での圧迫が減少するので下顎頭がやや前下方に位置取りできるようになるのです。この下顎頭、顎の関節の位置の変化に伴って下顎全体が反時計回りに回転し、前歯部の開咬が改善されることが多くあります。開咬の場合多くは関節円板の後方転位や圧迫感を伴って下顎が後ろに押し込まれていることが多いので、噛み合わせをよくすることで開咬が改善することが多いのです。

開咬治療のリスク

全てのケースが噛み合わせの治療で良くなるわけではありません。下顎骨や上顎骨の垂直的過成長、舌癖や口呼吸などの機能的要因が主な原因である場合、関節円板の不可逆的変形や高度の変性が起こっている場合、関節構造がすでに適応しきっていて下顎が前方に出ない場合などです。病態を見極めた上での治療になります。下顎の前方への適応が見込めない場合に前歯を噛ませようとすると、奥歯を骨にめり込ませ、前歯を伸ばすということも選択肢となります。矯正力を使っても奥歯をめり込ませることは難しいですし、前歯を伸ばすと歯が長くなり、審美性に欠けます。また骨に埋まっている部分が少なくなりますし、被せ物で対応しようとしても植わっている部分と口腔内に出ている部分のバランスが良くないので、歯が揺れてくる原因にもなります。

開咬は再発リスクが高い

宇治市 歯医者 open bite3 なかむら歯科医院

開咬は後戻りしやすい不正咬合です。舌癖が残っていると再発する可能性はかなり高くなります。折角前歯が閉じても上下の前歯の間に舌を入れ込む癖が残っていると、前歯は開いてきます。感じていないかもしれませんが、筋肉の力って凄いんです。治療が終わって前歯が閉じたら舌の位置や嚥下習慣を安定させることが最も重要です。時間と費用をかけて直しても後戻りしやすいです。治療の恩恵は必ずありますが、治療結果を維持するための努力は必要です。

マウスピース矯正のページ

矯正治療のページ

噛みづらさが改善された矯正治療

2026年3月19日

噛みづらさが改善された矯正治療

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral front_20230509 なかむら歯科医院

初診時54歳女性 体に不調を感じるとのことでした。夜間熟睡ができない。若い時は肩こりや頭痛もあった。左でよく噛んでいる。ということでした。口腔内を拝見すると下の前歯の真ん中が少し左にずれていました。かみ合わせた時に下の前歯は上の前歯に少し覆われるのが一般的なのですが、半分以上隠れています。歯科用語では過蓋咬合と言います。かみ合わせた時に下の前歯が上の前歯で完全に覆われている方もいらっしゃいます。下の前歯の付け根当たり、犬歯がわかりやすいかもしれません。骨がもっこりしているように見えます。かみ合わせが強い方によく見られます。骨隆起と言います。上の真ん中から3番目の犬歯が一つ後ろの歯に比べて内側に傾斜しています。

初診時

歯並びの不正も少しあります。

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral upper_20230509 なかむら歯科医院

前歯4本が直線的に並んでいます。真ん中から2つ目と3つ目の間に段差がついているような感じです。顎が少し小さくて歯が並ぶだけの大きさになっていないようです。

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral lower_20230509 なかむら歯科医院

下の前歯にがたつきがあります。奥歯が内側に倒れています。向かって左の奥から3番目、4番目がわかりやすいですが、奥歯は全部そうなっています。舌が写っていますが、窮屈そうにみえます。前歯が並ばないことから顎が少し小さいこと、歯が内側に傾斜していることで、舌の置き場が狭いのです。舌は行き場をなくすと奥に行くか、下にいくしかありません。そうなると気道が狭くなります。人は呼吸しないと生きていけませんから気道を確保するために首を突き出すような姿勢をとります。姿勢が悪くなる原因となります。無理な姿勢を維持するので、適正な筋肉の使い方でなくなります。肩こり、首の凝り、腰痛など全身はつながっています。かみ合わせのズレや不正咬合から離れた部位に不具合が出現する可能性があるというのはこういうことなのです。

かみ合わせの高さが低くなるにつれ、噛む筋肉は強く作用する。

前歯のてっぺんがすり減っているのもわかると思います。本来犬歯は山のように先端が少し尖っているのですが、平らになっています。これは噛みしめてすり減っているか、歯ぎしりしていることが考えられます。たいていの方はそんなことはない、家族にも言われたことがない、など強く否定されます。でも痕跡はあります。では何故噛みしめるのでしょうか。顎は上顎が先に大きくなり、そのあとから下顎が大きくなるという成長過程をとります。上顎が適正に大きくならないと、後から成長する下顎が前への成長がブロックされます。上の前歯に下の前歯が当たってしまうと下顎は後ろに下がります。下がると気道が狭くなり、苦しいので本能的に前に出そうとします。また奥に下顎が下がるとかみ合わせの高さが低くなってしまいます。かみ合わせが低くなると筋肉は強く作用します。成長期に適正に顎が大きくなれず、その時期を過ぎて不正咬合のままであることが気道を狭くしたり、噛む筋肉を強く作用させてしまうことが噛みしめや歯ぎしりの理由ではないかと考えています。エラの張りもかみ合わせの高さが低くなって筋肉が過緊張を繰り返し、変な言い方ですが鍛えられていった結果で起こります。噛み合わせの低い方に噛み癖があります。顔の傾きや顎にズレが出ます。加齢によるすり減りだけでは根拠が薄いのです。

かみ合わせに関係していると思われる症状

歯ぎしり、食いしばり、肩こり、はこれまで話してきました。いびきについては、舌の位置が後ろにあることで気道が狭くなって、いびきをかきやすくなります。フェイスラインのたるみ(顎と首の境がわからない)は舌の位置が、不正咬合で下に落ちてしまったことで起こっています。下顎が前に成長できない状態のままであると、口回りの筋肉が後ろに引かれます。引っ張られた状態だと血液の巡りが悪くなってニキビができやすくなります。顎先のニキビや化粧のノリが悪い原因はこういったところにあるかもしれません。また口を閉じるために下唇を前に出すので、下唇周囲の筋肉を常に緊張させているので血液の巡りが良くないことが原因の一つだと思われます。

顎の関節の変形

宇治市 歯医者 0007_KT_Panorama_20230509 なかむら歯科医院

初診時のレントゲンです。一番後ろの歯のさらに奥に親指のような形のようなものが見えます。これが顎の関節です。左右一対で対照的な形を本来はしています。向かって左は丸く普通の形をしていますが、右の顎の関節の形は左に比べて小さくなっています。左のかみ合わせの高さが低くなっていることで、下顎が右の奥に押し込まれています。そのことで顎の関節が年月をかけて変形していると考えられます。顎の関節が定位置にいられないことで顎の開閉口でカクっと鳴ったり、痛みを生じます。顎関節症の原因にはいろいろな原因が考えられていますが、かみ合わせが原因とされる顎関節症のメカニクスは述べた通りです。顎の関節の後ろには血管、神経が通っています。顎の関節が後ろに押し込まれることでその部分を圧迫してしまいます。その圧迫が片頭痛の原因になっていることもあります。ほうれい線もかみ合わせの高さが低くなっている方が深くなります。左右差が出るのはこういった理由です。かみ合わせ高さを含めて改善され、下顎が本来の位置に戻ることができれば、時間はかかりますが顎関節の形は年齢に関係なく戻っていくと報告されています。

治療の経過

私が考えること以外の原因が主たる原因であれば、矯正治療で抱えてらっしゃる問題がすべては解決しませんが、改善する可能性があることをお伝えし、治療の是非を決めていただきました。改善の可能性が少しでもあるのであれば治療を進めたいとのことでした。マウスピース矯正は、マウスピースの厚みの分だけかみ合わせが高くなりますから、その分顎関節の負担も減ります。ワイヤー矯正に比べて大きな利点の一つは、顎関節を本来の位置に戻せる可能性のあることです。

初診時

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral front_20230509 なかむら歯科医院

治療開始1か月

少し下の前歯が見えてきました。

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral front_20240109 なかむら歯科医院

治療開始約5か月

ずいぶん下の前歯が見えるようになってきました。歯の真ん中もぴったり合ってきました。下あごが向かって右にズレていたのが、マウスピース矯正を行うことで顎が元々の位置に戻ろうとしていきます。先ほど述べたようにマウスピースの厚みの分高くなることと、マウスピースを入れているので噛み合わさらないので、顎が自由に動けるのです。

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral front_20240524 なかむら歯科医院

治療開始約1年

少し右に顎が後戻りしています。皆さんも顎を右か左にずらしてもらうと、ずらした反対側が空いて噛まなくなります。その部分がしっかり噛めるようになるまではかみ合わせが不安定なのでこのようなこともあります。新しい環境に慣らしていくことを現在しています。(現在治療途中です。間もなく保定に入ります。)何年もかかっての今の状況になっているので、関節含めて適応するのは時間がかかります。

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral front_20241206 なかむら歯科医院

上顎の歯並びの変化

綺麗な連続性のあるアーチになってきました。

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral upper_20241206 なかむら歯科医院

下顎の歯並びの変化

舌の置き場にも少しゆとりが出てきました。

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral lower_20241206 なかむら歯科医院

頸椎の変化

宇治市 歯医者 0007_KT_ LA_20240524 なかむら歯科医院

宇治市 歯医者 0007_KT_ LA_20241206 なかむら歯科医院

少しわかりづらいですが、頸椎の角度が治療につれ少し立ってきています。まだ本来と逆の反り方ですが、それでも姿勢が矯正治療することで改善されていることがわかります。頭の重さは5㎏あります。その重さをバランス取って背骨の上に載せています。かみ合わせがズレていると前後左右のバランスが崩れます。舌の位置が後ろや下にあると呼吸しやすくするための姿勢にズらしています。いろいろなズレを修正するのに身体は不均衡な筋肉の使い方をします。その結果が口の周りだけでなく遠く離れたところまで不具合を生じさせてしまうのです。

新しい環境に適応するのは時間がかかる

宇治市 歯医者 treatment plan なかむら歯科医院

身体にとってもう少し良い顎の位置を求めながら微調整しているので、治療は終わっていません。でもゴルフでいえばグリーンに乗っているところまで進んでいます。患者さんの不具合は完全に取れていませんが、それでもずいぶん良くなってきたと言ってくださいます。他の方の参考になれば資料としてお使いくださいというご厚意に感謝いたします。

治療概要

治療目的

下顎前歯部の叢生の改善。

治療期間

18か月(現在まで)

治療回数

13回(現在まで)

治療費用

869,000円(モニタリング費用含む)

リスク・副作用

必ず身体の不調が取れるわけではありません。生体の反応には個人差があります。顎関節症状が必ず取れるということではありません。治療上のコンプライアンスを遵守していただけないと治療効果が得られません。

マウスピース矯正

身体の歪み

大きく口が開きますか?

2026年3月12日

皆さん、お口ってどれくらい開きますか?

口を開けて上と下の前歯の隙間に人差し指一本入れられたら、一横指、人差し指と中指を引っ付けて縦にして入れられたら二横指、薬指を足して縦に指三本分入れられたら三横指、と開口度の物差しにします。通常頑張れば三横指くらい開けることができます。頑張らなくても二横指くらいは開けることが出来るのが普通です。それが出来ない、というのは何らかの原因のある開口障害が疑われる状態です。主な原因は大きく分けて 説明してみます。

炎症や腫瘍などの問題

親知らずが口の中に少し出ていると、親知らず周囲の歯ぐきに炎症が起こり、噛む時に使う筋肉である咬筋や翼突筋に波及して、筋肉の収縮が起こります。強い炎症で開口障害を引き起こすことがあります。広範囲に及ぶと蜂窩織炎になります。また顎の骨や周囲組織に腫瘍があっても起こることがあります。親知らずが原因であれば、抗菌薬(いわゆる化膿止め)を服用する、膿が出せそうなら、排膿処置を行います。炎症が落ち着いたら抜歯すると良いでしょう。感染がきついようであれば入院管理が必要になります。腫瘍の場合、画像診断(CT・MRI)で確認し、外科的治療(関節授動術・腫瘍切除など)を行います。

顎関節の問題

宇治市 歯医者  engagement_jaw_pain なかむら歯科医院 

耳の前に指を当てて口を開けてみると、顎が動くのがわかると思います。顎関節の中に関節円板という組織があります。関節円板が前にずれると関節の動きがおかしくなり、スムースに動けなくなって口が開かなくなります。関節円板が顎関節をスムースに動かす重要な役割を果たしています。適切な位置にないと顎を大きく開けられなくなります。顎関節症の症状の一つです。顎に外傷を受けたり、顎の関節の骨折、何らかの理由で関節に炎症が起こると、顎関節の中の組織が癒着して動きが固まってしまうことがあります。

顎関節症由来の場合の対処法、治療法

緊急性がとても高い場合、例えば朝起きたら全然口が開かないなどの場合は消炎鎮痛薬や筋弛緩薬を服用します。筋弛緩薬に関しては一般の歯科医院では処方出来ません。病院歯科での処方になります。顎関節症の原因は色々あります。関節円板の位置に問題があればスプリント(マウスピース)療法やマウスピース矯正が第一選択になります。改善しない場合は口腔外科にて関節腔洗浄や鏡視下手術を行います。

家でのセルフケア

硬い食べ物はなるべく食べない、好んで食べない

マッサージをする

安静にする

暖かいタオルなどで温める(温罨法)

無理ない範囲で開口訓練したり、顎の関節のストレッチを行う(理学療法)

ストレスの是正

TCH(上下歯接触癖)のサインが出ているようであれば是正する

顎関節症のなかでも「関節円板のズレ(転位)」は大きな要因の一つです。以下にわかりやすく説明します。

顎関節症の原因は

宇治市 歯医者 tmd なかむら歯科医院

関節円板はなぜズレるのでしょうか?先程来述べていますが、関節円板は、顎関節の骨どうしが直接こすれないように保護する役割をしています。通常、関節円板は靭帯や周囲の筋肉によって関節頭の上に安定して位置します。しかしいろんな要因で関節円板は(多くは顎関節の前に)転位します。

・噛みしめ・食いしばりで、顎関節が後ろに、関節円板は前に、引っ張られる。

・関節円板を固定している靭帯が何らかの原因で伸びたり損傷すると、円板が安定できなくなる。

・上下の奥歯の咬合が低くなっていると、関節に力がかかり、関節円板が前に押し出されやすい。

・硬いものを噛んだ、顎を強く打った、大きなあくびをしたなど

・慢性的に顎に負担をかけるクセが持続的に関節円板を前方へ引っ張ったり、関節に偏った力を加えることでズレが起こりやすくなります。

クセ、それを態癖と言います。

宇治市 歯医者 habit なかむら歯科医院

関節円板をずらす態癖は色々あります。思い当たることをしていないかチェックしてみてください。食いしばり・噛みしめ・歯ぎしり、があると筋肉の力で関節円板が前方にずれやすくなります。片側だけで咀嚼する傾向が高いと一方の顎関節だけに負担がかかり、そちら側の関節円板が偏位しやすくなります。また、無意識に仕事をしながら下顎を前に突き出したり、横にずらしたりしていませんか?そんなことでも関節円板を持続的に引っ張っていることになります。唇や頬・舌を噛む癖、ありませんか?これも顎の位置を偏りやすくし、関節への不均衡な負担につながります。頬杖やうつ伏せ寝、横向き寝は下顎を後方に押し込み、関節円板を前方へ押し出しやすくします。自分で気づかないことが多いのですが、これらのクセ、態癖は直しましょう。これから述べていく治療をしても態癖があると治りません。

関節円板のズレを治す方法

一度ズレた円板を完全に元の位置に戻すことは、慢性化して靭帯が伸びてしまっている場合は難しいです。ただし、機能的に症状を改善したり、ズレを是正する方法はあります。咬んだときの上下の歯の高さを挙上することで下顎頭がやや前下方に誘導されるので、関節円板が元の位置に戻るのです。また後方組織の血管や神経への圧迫が減ります。逆に言えば、咬み合わせの高さが低いと、下顎頭は関節窩の奥に押し込まれるような位置になって関節円板がズレるのです。咬み合わせが高くなることで、筋肉が少し伸ばされ筋緊張が緩みます。スプリントやマウスピース矯正で、関節を休ませるポジションがつくれるので、関節円板が元の位置に戻り、筋肉にかかる力が緩んで、お口が開きやすくなるという環境が整っていくのです。

スプリントとマウスピース矯正の違い

宇治市 歯医者 night guard なかむら歯科医院

スプリントは装着することで咬合を挙上します。ですからスプリントを外すと高さがまた元通り低くなります。ですから一時的な処置になると言えます。関節円板のズレがさほどでない時はスプリントの適応です。マウスピース矯正の場合は、咬合を挙上するだけでなく、その高さに歯列や咬合を誘導し、関節円板の位置を適切な位置に戻してキープすることができます。ですからどちらかと言えば、関節円板が戻った位置の高さで噛み合わせを再構成する方がよいかと思います。

注意点

咬合高径の挙上量は適切でなければいけません。高くしすぎると、かえって筋肉や関節に新たな負担をかけてしまいます。予め、どのくらい噛み合わせの高さが低くなっているか、噛み合わせを高くした時に顎関節は適応してくれるか、など確認しながら治療しなければなりません。関節円板がズレている状態が慢性化していると、元の位置に戻すよりも痛みなく機能できる状態にすることが治療の主眼となることもあります。

どうして咬み合わせが低くなるのか

宇治市 歯医者 deep bite なかむら歯科医院

咬合高径(上下の歯が咬み合った時の垂直的な高さ)が低くなる理由はいくつかあります。奥歯を失うと、失った部分を義歯やブリッジによって修復しますが、歯を削ったり、歯が揺れたりすることで被せ物や入れ歯が低い高さになる傾向にあります。長年の噛みしめや歯ぎしりでも歯が削れて咬合高径が低下していきます。同じ硬さの物を毎日体重分くらい擦り合わせていけば、削れていきますよね。高齢者に多いと言えますが、一概にそうとは言えません。日本人の多くは結構若い時期から歯周病に罹患しています。歯周病により抜歯に至ることもありますから歯の喪失は若くても起こり得ることです。

歯を失わないために

噛みしめ癖(TCH)、態癖のある方はやめる

TCHの方は、夜間歯ぎしり用マウスピースを使用する

抜歯にならないように、定期健診を受け歯周病対策、虫歯対策に努める。

硬い食べ物を避け、歯が割れないように気を付ける。

どれも出来ることだと思います。ぜひ取り組んで下さい。

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親知らずは必ず抜かないといけない、わけではありません。

2026年3月5日

親知らずはトラブルを起こしやすい歯ですが、必ずしも抜く必要はありません。

基本的な考え方は、状況によって抜いた方がよい場合と、そのまま様子を見てもよい場合がある、です。

「今問題があるか」

「将来問題を起こす可能性が高いか」

をレントゲンで確認し、判断します。抜歯に関しては、20代前半までに抜いた方が治りやすく、40歳以降になるとリスク(神経や骨の影響)が高まります。

抜いた方がよいケース

宇治市 歯医者 8 なかむら歯科医院

横向きや斜めに生えている

→ 手前の歯(第二大臼歯)を圧迫し、虫歯や歯周病を起こしやすい。

歯ぐきがかぶさっている

→ 細菌が溜まりやすく、腫れや痛み(智歯周囲炎)を繰り返す。

十分なスペースがなく半分だけ生えている

→ 清掃が困難で虫歯・炎症のリスク大。

矯正治療や噛み合わせに悪影響を与えている

嚢胞(袋状の病変 のうほう)を作っている

抜かなくてもよいケース

まっすぐに生えていて正常に噛んでいる

完全に骨や歯ぐきの中に埋まっていて、トラブルが出ていない

年齢や全身疾患の関係で抜歯リスクが大きい場合

定期的にチェックしても変化がない場合

智歯周囲炎(ちししゅういえん)とは?

宇治市 歯医者 swelling なかむら歯科医院

親知らず(智歯)の周囲の歯ぐきに炎症が起こる病気のことです。親知らずが少しとか、あるいは半分顔を出している場合に起こりやすいです。親知らずの一部が歯ぐきに埋まったままでいると、その隙間に 食べかすや細菌が溜まりやすいのです。奥にあるので、歯ブラシが届きづらいのに加え、清掃しづらいのです。細菌が繁殖し、歯ぐきに感染すると炎症が起こします。

主な症状

親知らずの周りの 歯ぐきが腫れる

ズキズキ痛む(特に噛むとき)

口が開きにくくなる(開口障害)

膿が出る、口臭がする

重症になると 発熱やリンパ節の腫れ が出ることもある

治療

宇治市 歯医者 extruction なかむら歯科医院

抗菌薬で炎症を抑える

歯ぐきの消毒をうがい薬で洗浄います。

(鎮痛薬も服用しますが炎症を抑えるのではなく、一時的に痛みをおさえるものです。)

根本的には炎症が治まった後、磨きにくいので手前の歯まで虫歯・歯周病になりやすいので親知らずを抜歯することが多いです。放置すると腫れや痛みを何度も繰り返したり、重症化すると顎の骨や頸部にまで炎症が広がることもあります。痛みが治まると抜歯せずにおいておく方もいらっしゃいます。ただ再発を繰り返すようなら抜歯することをお勧めします。

親知らずが腫れるとなぜ口が開きにくくなるのでしょうか

それは炎症が顎を動かす筋肉に波及するからです。下の親知らずの周囲には、咀嚼に関わる内側翼突筋(ないそくよくとつきん)という筋肉があります。この筋肉は、顎を閉じる動きを担当しています。親知らずの周囲に炎症(腫れ)が起こると、内側翼突筋やその周囲の組織に炎症が波及して筋肉がこわばって口が開かなくなるのです。

親知らずの炎症で顎の下が腫れるのは解剖学的な理由があるからです。

下の親知らず(特に下顎の智歯)は、歯ぐきの奥深く にあり、その周囲の感染は骨の内側や筋肉の間 の隙間に広がりやすいのです。炎症や膿は重力に従って下方へ流れやすいため、顎の下(顎下部)に腫れが出てきます。炎症を感知すると、免疫細胞が顎下リンパ節に集まりが細菌や炎症物質を処理しようとします。このリンパ節が腫れて、顎の下がゴリゴリとしたしこりのように膨れることがあります。最初は親知らずの周囲の腫れにとどまりますが、炎症が進行すると顎下間隙や舌下間隙 に炎症が広がり、更に炎症が進むと顔全体や首にまで波及し(蜂窩織炎)、重症例では呼吸に影響することもあります。その結果、顎の下が パンパンに腫れたり、触れると 痛みが強い・しこりを感じる、飲み込みにくいなどの症状が出ます。発熱や倦怠感を伴う場合は要注意

嚢胞とは何か

親知らずを放置すると、まれに嚢胞ができることがあります。親知らずが完全に生えず、歯ぐきや骨の中に埋まったままの状態では、歯の周囲に歯嚢(しのう)と呼ばれる袋状の組織が残っています。これが細胞の働きによって徐々に膨らみ、歯冠周囲嚢胞(濾胞性嚢胞) になることがあります。細菌感染や炎症が加わると、嚢胞がさらに大きくなることもあります。親知らずを持つ人の中で 1~2%程度に嚢胞が見られると報告されています。それほど頻度は高くありませんが、見逃すと大きくなることがあります。

症状と処置法

初期は無症状のことが多く、レントゲンで偶然見つかることもあります。進行すると顎の骨が膨らんできたり(しこりのように触れる)、隣の歯を押して歯並びが乱れたり、神経を圧迫してしびれが出ることもあります。感染すると腫れや痛みが出ることもあります。処置としては、パノラマレントゲンやCTで確認し、小さい場合は親知らずの抜歯と一緒に嚢胞も取り除きます。大きいと骨が大きく欠ける恐れもありますからある場合、嚢胞開窓術を行うこともあります。

親知らずは、なぜ噛み合わせに様々な悪影響を及ぼすのか。

宇治市 歯医者 crowding なかむら歯科医院

親知らずが噛み合わせに影響する主な理由は横向き、斜めに生えるからです。最近の日本人は顎が小さく、親知らずの生えるスペースが足りません。その結果、横向きや斜めに生えて手前の歯を押すことがあり、歯並び全体を乱している可能性が高いのです。特に下顎の親知らずは、前方の歯をじわじわ押して、前歯のガタガタ(叢生) を悪化させることがあります。噛み合わせがズレることもありますからですから顎関節症・肩こり・頭痛の原因になることもあります。親知らずを残したまま矯正治療を行って歯並びを整えても、親知らずが残っていると、親知らずの押す力で前歯が再び乱れることがあります。矯正治療を行う前に親知らずを抜歯するのはこのためです。手前の第二大臼歯との間に食べかすや細菌が溜まりやすく、虫歯や歯周病になりやすいので第二大臼歯を失うリスクが高くなります。つまり抜歯につながります。

なぜ年齢が高くなると抜きにくくなるのでしょうか。

若い頃の骨は柔軟性があり歯槽骨もしなやかなのですが、年齢が上がると骨が硬くなり歯が骨にしっかりひっついていて抜きにくいのです。抜歯するために骨を削ることも行うのですが、削合する量が増え処置時間も長くなりがちです。難抜歯になります。骨や歯ぐきの治癒能力は若いほど高いのですが、年齢が高くなると抜歯後の腫れや痛みが強くなり、治りが遅い傾向にあります。また感染のリスクも上がります。下の親知らずのすぐ下には下歯槽神経や舌神経という神経が走っています。また親知らずの歯の根が曲がっていたり、根の形が複雑だったりしますから、元々抜歯自体難しいことが多いです。そのため、リスクがあると口腔外科での抜歯を勧めることが多いです。

親知らずを抜かなくてもよいのは

  1. 正しく生えていて、噛み合わせに参加している場合

親知らずがまっすぐに生えて、清掃も可能で、虫歯や歯周病のリスクが低く、上下の親知らず同士がしっかり噛み合っている場合は経過観察を私は行います。

  1. 完全に骨や歯ぐきに埋まっている場合(完全埋伏智歯)

完全に骨の中や歯ぐきの中に隠れており、口腔内に露出していない。

嚢胞なかったり、隣接歯への悪影響が見られず将来的にトラブルのリスクが低いと判断した場合。定期的なレントゲンチェックを行っていかなければなりません。

  1. 高齢でリスクが大きい場合宇治市 歯医者 lostなかむら歯科医院

年齢が高く、抜歯による合併症(感染、神経麻痺、治癒不全など)全身疾患(糖尿病、心疾患、骨粗鬆症の薬による影響など)があって、抜歯の危険が大きいと抜かずに経過観察します。症状があって抜歯が望ましい場合は口腔外科で判断していただきます。

臨機応変に対応する

でも基本的に若い頃に親知らずを抜歯しておく方がよいかと、個人的には思っています。

親知らずの治療

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