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唾液の威力

2025年1月30日

成長因子が含まれているってすごくないですか!

ヒトの唾液には上皮成長因子EGFが含まれていて、口腔粘膜の修復などに役立っています。EGFは皮膚の表皮細胞を活性化する作用があります。唾液には細胞を活性化する成分の他に感染防止に効果のある成分など機能性の高い物質が沢山含まれています。唾液を積極的に利用することが口腔の健康、全身の健康維持に役立つと考えられています。

唾液量はそれなりに出ています。

唾液は1日1~1.5L分泌されていて、99.5%が水分、0.5%が有機成分と無機成分です。唾液は唾液腺で血液を元に作られています。唾液には安静時唾液と刺激唾液があります。唾液は何もしてなくても少しづつ出ています。これが安静時唾液です。レモンとか梅干しを想像した時や食事する時に出てくるのが刺激唾液です。

唾液の性状には個人差がある

唾液にも、サラサラ唾液とねばねば唾液があります。耳の前にある耳下腺から出るのはサラサラです。おたふく風邪の耳下腺ですね。舌の下にある舌下腺からはねばねば唾液が出てきます。エラの内側にあるのが顎下線で、そこからは両方混じった唾液が出ます。出てくる唾液の量や割合はその人その人で違いますから、人により唾液のサラサラ感やねばねば感が違うのです。体調や時間によっても違ってきます。

唾石

ねばねば唾液の割合が多いと、稀に唾石と呼ばれる塊ができやすいです。石と言っても本当の石ではありません。粘度が高くて固まってしまった粘液などの周囲にカルシウムが沈着して石みたいな塊ができるのです。顎下腺にできることが多いです。大きさは色々です。大きくなると唾液が出づらかったり、しこりみたいなものが舌の下にできたりします、けっして悪いものではありませんが、唾液の分泌に不具合を生じることもありますから摘出する方がよいです。

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唾液の量は多い方がよい

口腔粘膜を乾燥していると汚れがつきやすくなります。汚れが付いたままだと、感染リスクが高まります。1分間に2回唾液を飲み込んでいますが、そうすることで感染源を洗い流しているのです。胃酸の酸性度は半端ないです。酢酸の消毒液もあるくらいですからおわかりかと思います。咀嚼で液体にするには相当な労力が要りますよね。実際には食べ物を飲み込むには食べ物を小さな塊にする必要があります。小麦粉に水を混ぜたら塊になりますよね。塊にすると筋肉を使って飲み込みやすくなります。粉のままだとへばりつきますよね。高齢になると唾液腺の細胞が減ります。いわゆる老化です。当然唾液の量も減ってきます。食塊を作る能力も落ちますから食事の時間が長くなったり、水気のある食事でないと食べづらいのです。

唾液量を増やすためには何をする

一番は水分摂取です。一日コップ4~5杯が目安です。緑茶などカフェインの入っているのはだめです。あとは、先ほど述べた刺激唾液を出すためにしっかり噛んで食べることです。後はちょっとした口回りの運動です。あいうべ体操が簡便でよいでしょう。感染予防にも有効とされています。あとは3つの唾液腺、耳下腺、顎下腺、舌下腺を指で優しくマッサージすることです。

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唾液には成長因子以外に何が含まれているか

唾液には100種類を超える成分が含まれています。口腔が感染の入り口になることから感染防御のための抗菌、抗ウィルス作用を持つ成分が多数存在します。一番重要なのがIgA抗体です。口腔にはIgAを頂点にした口腔免疫機構が働いています。IgAが減少すると感染症リスクが高まり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。これらの他、リゾチーム、ラクトフェリン、ラクトペルオキシダーゼという成分が免疫を担っています。リゾチームはグラム陽性菌の細胞壁を分解し機能不全させる効果、ラクトフェリンは細菌に対して抗酸化作用を発揮し活動を停止させます。ラクトペルオキシダーゼはグラム陰性菌や陽性菌を減少させます。

IgAを増やすには

なかなか頑張らないといけないのですが、まずは口腔環境を整えることです。歯磨きをしっかりして口腔内の細菌数を減らすことです。次に栄養素の供給です。口腔粘膜の免疫力維持のためにビタミンA、B1、B2、Dを取り入れましょう。有酸素運動が効果的であると言われています。即効性はありませんが、発酵食品や食物繊維の摂取も有効です。

虫歯にも影響しています。

通常は中性になっていますが、食事をすると口腔内は酸性に傾きます。口の中の清掃状態がよくなくても酸性になるのですが、食事をするときに産生される刺激唾液で口腔内が中性に戻っていきます。唾液中に含まれている重炭酸塩がそのようにしてくれます。食事で口腔内が酸性に傾くと歯は脱灰が起こり、歯の成分のカルシウムやリン酸が溶けます。でも食事が終わり、唾液が歯面に供給されるとカルシウムやリン酸が歯に戻ります。これが再石灰化で、ほぼ元通りになります。間食や食事の頻度が高く、その都度のブラッシングがないと再石灰化が追いつかず虫歯になってしまいます。

虫歯治療のページ

みんな中性ではない

唾液が中性と述べましたが、人により酸性寄り、アルカリ性寄り、があります。酸性寄りの方は完全な中性まで戻りませんから中性の方よりも虫歯になりやすいリスクがあります。この中性に戻す能力のことを唾液の緩衝能と言います。簡便に調べる試験紙があります。虫歯になりやすい方は調べることもあります。唾液の緩衝能を高めるために、何かをして唾液の性質を改善するということはほぼ出来ません。口腔内が酸性に傾かないように間食を控えるとか、食事したら早めにブラッシングして環境改善を図るといった対応するのが現実的です。

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唾液が少ないと困ることは

唾液の分泌機能が低下すると虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、誤嚥性肺炎に繋がることもあります。間違って肺に食べ物が入っても、それに付いている細菌が少なければ感染しませんが、多いと感染します。唾液である程度消毒されているのといないのとでは細菌数が大きく異なります。消化器系と違って肺はそこが終点です。胃から腸、そして排出ということはありません。細菌の身になれば、流体によって流されず、体温も一定ですから定住しやすいので絶好の住処になるのです。

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加齢だけでなく他の疾患も関係する

唾液が減ることで唾液のもつ機能を発揮しづらくなります。そうすると免疫機能の低下、口臭の発生などが起こります。その原因として加齢、服用薬、糖尿病、唾液腺疾患、心因性のものなど全身疾患など様々な要因が考えられるので、何が原因かを突き止める必要があります。当院ではわからないこともあり、症状から口腔外科で診察してもらうこともあります。

舌を診ればわかることもあります。

口の乾燥状態を知ることも少しはできます。舌の上にも汚れは溜まります。食塊形成するのに舌の運動は必須です。顎を動かすだけで食塊は作れません。食べ物の動き、唾液の動きで舌の上に付いている汚れもある程度取れます。舌の上が多少の差はあれピンク色であるのが普通ですが、黄色かったり、白さが目立つようなら汚れが残っているということですから、唾液が少ないのかもしれません。その他、貧血や特定の薬の使用なども診断できます。

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ドライマウス

唾液量の少ない方には、今まで述べてきた対処法を試してもらいたいのですが、効果が出ない場合には口腔保湿剤を活用するのも一つです。リンスタイプ、ジェルタイプありますがそれは好みで選択されるとよいでしょう。タイミングとして食事前、就寝前など不快を感じる時が効果的です。飲み込んでも安全性に問題はありません。

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