プラーク（歯垢）は、歯並びが悪いと溜まりやすくなり、虫歯がそこから進行しやすくなってしまいます。歯垢や挟まっている食べ物の腐敗臭が原因のこともあります。消化器として胃ともつながっているので、そちらが原因のこともあります。

口臭には主に、「生理的口臭」と「病的口臭」の2種類があります。

起床直後や空腹時、緊張時など誰にでも起こりえる口臭を「生理的口臭」と呼びます。
唾液の分泌量が減少することで口臭が発生します。
ただし、歯を磨くことで細菌数は減少し、唾液量が増えれば口臭も急激に弱まるため治療の必要がありません。

何らかの疾患によって引き起こされる口臭を「病的口臭」と呼びます。
病的口臭の多くは、虫歯や歯周病、歯垢や歯石といった歯の汚れ、舌苔、入れ歯の手入れ不足など、お口の中に起因しています。
お口以外の器官の病気、糖尿病などが原因で発生しているものもありますが、歯科医院ではお口の中で発生している口臭の治療を行います。

現在気になっている口臭への意識や歯磨き習慣などについてお伺いします。
虫歯やクリーニングすることが難しい歯並び、親知らずの有無、不適合な詰め物がないか、なども検査します。合わせて歯周病のチェックも行います。レントゲンも必要に応じて撮影させていただきます。

口臭の原因と見られる症状や生活習慣についてご説明いたします。

虫歯が原因であれば虫歯治療を行います。歯並びの良くない部分の虫歯治療は適切に行うことが困難です。その場合原因が取り除けないため、歯並びの改善も必要となります。

歯垢が原因ですので、まずご自宅でできるブラッシング法などのセルフケアの指導をします。
セルフケアで上手くできなかったところなどをお伺いしながら、ブラッシング方法の再指導や、歯石除去を行います。
歯並びが悪く、どうしても歯垢除去が困難なところが原因であれば、矯正治療で歯並びを改善し磨きやすい環境を整えないと口臭の改善は見込めないと思います。

斜めに生えている親知らずがあると、手前の歯のとの間に歯垢や食渣が溜まり、腐敗臭がしたり虫歯になります。その場合は親知らずの抜歯をお勧めします。フロスや歯間ブラシ、ウォーターピックでも完全にきれいにすることは難しいからです。

被せ物してあると神経処置してあることが多く、虫歯になっても痛みがありません。虫歯が進行してしまうと隙間ができてそこに歯垢や食渣が入って原因になります。むし歯治療になりますが、かなり進行していると抜歯になることもあります。

歯にヒビが入っていて、そこにとても細かい汚れが入っていることがあります。（ヒビはレントゲンでは映りません。）歯が割れてはじめてわかります。ヒビを見つけるのはとても難しいのが実情です。
歯が割れているとその隙間に細かな汚れが入って、ブラシでは取り切れないので臭いがします。割れてしまっていたら抜歯になります。

鼻が悪く口呼吸になっていると口の中が乾燥して、それが口臭の原因となります。この場合は耳鼻科で治療していただき、自宅で口呼吸するための訓練をしていただくことになります。

口腔内の唾液腺の減少によります。対症療法的にはデンタルリンス、ジェルなどで口腔内の保湿に努めていただきます。原因療法としては口腔外科受診していただくのがよいかと考えます。

これらに該当しない場合、口以外の原因があると考えますので内科受診をお勧めします。

虫歯治療、歯周病治療など該当疾患の治療の後、口臭がなくなっていれば治療終了です。
口臭の原因がお口の中にある場合、改善した状況を維持するため、セルフケアだけでなく継続して歯科医院で定期的なメンテナンスを受けるとよいかと考えます。

市販されている酸性のきつい洗口液はやめましょう。むし歯のリスクがあります。当院では口臭に有効なジェルをお勧めしています。持ち運びできるサイズです。入用の方はスタッフにお申し出ください。