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予防歯科

虫歯治療よりも重要な「予防歯科」

今ある歯を大切に、長く歯を残していかなければなりません。

今ある歯を大切に、歯を残す治療を行います

それは歯をしっかり磨いて定期健診で歯石を取りましょう、ということばかりを言っているのではありません。
もちろん虫歯や歯周病にならないためにセルフケア、プロフェッショナルケアは大切で基本となります。生涯を通した健康維持のために予防歯科が必要なのです。

ライフステージのそれぞれの段階において、取り組んでおいた方がよいことがあります。
個々の歯の問題、例えば虫歯だけでなく口全体や顎、体全体に問題が出る可能性のあるものに対して適切な時期に対処しておくことで健康を維持しやすくなると考えています。
多くの患者さんは、歯の痛みや不調を感じてから「歯医者に行かなくては」と思われるかと思います。
しかし、痛みや不調が出てからの治療では、治療にかかる費用も大きく、治療期間も当然長引くため、患者様ご自身の負担が増えてしまいます。

普段からお口のケアを行うことで虫歯や歯周病を未然に防ぐと共に、歯や口を健康に保つためにすべき治療が「予防歯科」です。「治すための治療」ではなく、 「健康維持のための治療」です。

未成年時には正しい口腔機能を獲得しておきましょう。呼吸を正しくできる状態にしておくことが生涯の健康を維持に繋がります。
成人期は、虫歯や歯周病で歯を失わないことはもちろんですが、社会生活におけるストレスなどによる噛みしめでおこる歯の破折を避ける(抜歯になることが多い)ことも大切です。
壮年期を過ぎると長年使っている歯の噛み合わせが低くなっていきます。噛み合わせが低くなると下顎が奥に後退します。そのことが原因で脳への血流が減り、認知機能を下げることに直結します。また顎の関節に負担がかかり不定愁訴の原因にもなったりします。痛くなくても残りの人生を考えると、噛み合わせの改善が必要になることもあります。

適切な時期、適切な治療をすることで健康寿命を延ばす。それこそが予防歯科なのです。

人生は100年時代

令和元年の平均寿命は男性で81、4歳 女性は87、45歳です。年々平均寿命は延びていて、これまでの伸び率から男性は62年後、女性は33年後に平均寿命が100歳になると推定されています。100歳まであと何年ありますか?歯を失わずに100歳まで楽しく食事できる自信はありますか。
健康寿命と平均寿命の差は何かといえば、人様にお世話になる期間です。その期間をできるだけ少なくするための秘訣の一つが食べる機能を失わないことです。

治療の終わり(健康の確立)は健康を維持する始まり

治した状態を100歳まで維持していくためにもセルフケアと、プロフェッショナルケアを行ってください。個人個人で健診の期間は異なります。セルフケアに自信がある方でも行き届かない場所もありますから、長くても半年以内にはお越しいただことを勧めます。治す期間は短いですが、維持する期間は100歳までです。虫歯菌、歯周病菌の感染リスクを出来るだけ減らしておくことが、一生涯続く予防歯科の基本です。

世代別の予防歯科

成長期に正しい口腔機能の獲得しておくことが大切な小児期

口腔機能が適切に働くために、不正咬合は若いうちに正しておくことが大切です。
時期がズレても正しい口腔機能を獲得することはできますが適応能力の高い若年者、特に一桁の年齢のうちに不正咬合に対処しておくべきです。成長期に成長を阻害する、内外的な力を取り除いておくことが100年の健康維持のために大きな力になります。15~16歳までの柔軟な時期までに確立する。口腔機能、姿勢、歯並びを整えましょう。

機能的な問題

・口呼吸(口ぽかん)
・舌癖、舌小帯異常
・指しゃぶり
・片噛み
・爪噛み

姿勢的問題

・うつぶせ寝
・頬杖
・肘杖
・側弯
・猫背

姿勢の問題の多くは態癖というもので、本人の自覚がありませんから指摘の上、是正してください。> 側弯、猫背はその姿勢が、呼吸していくのに身体が楽だからその姿勢になっています。
口呼吸は鼻の通りが悪いからかもしれません。耳鼻科での治療が優先します。
鼻の問題が考えられる場合は、まず耳鼻科にてその治療を行いましょう。

歯並びは哺乳の時期に決まる

実は哺乳の仕方が歯並びと口腔機能を決めています。
哺乳が唇、舌、頬の筋肉の使い方を子供に覚えさせることと、上あごの成長方向、成長度合いを決めています。正しく哺乳していると顎はきちんと成長してきれいな歯並びになります。きれいなお顔になります。正しくないと乳歯の時点で歯が重なった歯並びになります。これは成長と共に解消されることは少なく、永久歯になっても歯並びは悪いままです。歯並びが悪いと口呼吸になってしまいます。哺乳の時期が過ぎていたら、正しい離乳食の与え方で補正しましょう。それも過ぎていたら食育で。後になればなるだけ保護者の時間と手間がかかります。妊娠時期に正しい哺乳の仕方を是非覚えてください。

若年のうちにできる治療を行うことで正しい成長曲線に戻しましょう。100年を生きていくのに、スタートで躓かないようにしてあげたいですね。

成人期に気をつけておくこと
ホームケアとプロフェッショナルケア

虫歯や歯周病の予防には、患者様がご自宅で毎日行うお口へのケア(ホームケア)と、歯科医院での定期的な予防処置(プロフェッショナルケア)を両立することが重要です。

ホームケア

今ある歯を大切に、歯を残す治療を行います

ホームケアとは、ご自宅で日々行う歯磨きや食生活のことです。 正しいブラッシングや適切な食生活を行うことで、口内環境を適切に保つことができます。

正しいブラッシング法

今ある歯を大切に、歯を残す治療を行います

虫歯や歯周病の予防には「プラークコントロール」が必要となります。
プラーク(歯垢)を調整(コントロール)するための鍵がブラッシングです。
ブラッシングの効果に即効性はありませんが唯一の治療でもあります。毎日コツコツと行うことで歯を長持ちさせることができます。
当院では患者様1人ひとりに合わせて、正しいブラッシング方法を指導いたします。

ブラッシング指導の重要性

虫歯や歯周病を予防するために最も大切なのは、毎日のブラッシングや歯の状態チェックといった自宅でのケアを徹底することによって菌の感染リスクを減らすことです。もし虫歯ができてしまっても、歯周病になっても早期発見に努めることが重要です。
虫歯による痛みや腫れなどを治療するのは確かに歯科医院の仕事ですが、患者様が虫歯や歯周病にならないようにするにはどうしたらいいのか、日々どのようにご自分の歯をケアすればよいのかを指導させていただくのも大切な仕事なのです。

一人一人に合わせたブラッシング方法

歯並びや歯の形状は患者様一人一人によって異なるため、インターネットなどで紹介されるような一般的なブラッシング方法ではご自分の歯に合っているとは限りません。歯科医院では患者様の歯の状態を確認した上で、どのようにブラッシングをすればしっかりと汚れを落とせるかを指導させてただきます。

自己流のブラッシングには限界がある

歯磨きをした後、ご自分で鏡を見ながらしっかりと磨けたかチェックをする方もいらっしゃるかと思いますが、ご自宅にある鏡では歯の表側や咬み合う面までは見えますが奥歯や歯の裏側までチェックすることができません。
歯科医院では器具を用いて歯の裏側を含めさまざまな角度から歯の状態を確認することで、ブラッシングの足りない部分を細かく指導させていただきます。

定期的なブラッシングの効果のチェック

歯科医院でブラッシングの指導を受けて自宅で実践してみても、どうしても磨き残してしまう部分ができてしまうので、指導を受けた後、きちんと自分でブラッシングができているかどうか歯科医院で定期的にチェックしてもらうことが大切です。定期的に歯科医院に通うことが面倒、通うことに対して抵抗がある方もいつかもしれませんが、ブラッシングが的確でないままだと、虫歯や歯周病が進んでしまう可能性があります。
指導を無駄にせずしっかりと虫歯を予防するためにも、ぜひ歯科医院と二人三脚で健康な歯を守っていきましょう。

プロフェッショナルケア

今ある歯を大切に、歯を残す治療を行います

歯科医院ではPMTC(歯の専門家によるお口のクリーニング)を行い、普段の歯磨きだけでは取り除くことのできない歯石やバイオフィルムを除去することで口内環境の維持をサポートします。
PMTCには歯の着色や口臭を改善・予防する効果もあり、虫歯や歯周病を未然に防いでいく最も有効な手段のひとつとなっています。

磨き残しのでる場所

どんな歯の形や歯並びの人がブラッシングをしても、歯と歯の間と歯の溝は磨き残しがよくあります。
自分ではしっかり磨けていると思っている人でも、実は磨けている部分は虫歯になりにくい箇所が多く、奥まっていたり歯ブラシの毛先が届きにくい箇所まで磨けている人は少ないのです。
そのため磨きにくい箇所をいかにきれいにするかがポイントであり、歯垢のつきづらい箇所は若干ブラッシングがおろそかになっても虫歯や歯周病になるリスクはあまりありません。
しかしながら、この「歯と歯の間」と「歯の溝」はどんなに丁寧に磨いても毛先が届きにくいため、汚れを落とすことが難しく虫歯になりやすい傾向にあります。
歯と歯の間の汚れは歯間ブラシなどでケアすれば、虫歯や歯周病のリスクを抑えやすくなります。

歯ぎしりへの対応

健診時に歯ぎしりの可能性を指摘されたら、素直に受け入れてください。プロが言ってるので間違いはないと思います。(笑) 頑なに否定される方がほとんどです。聞いたことが無い(家族から/本人)とおっしゃいますが歯のすり減り方や飛び出た骨など、口の中に証拠があります。
神経のある歯はよほどの方でないと割れませんが、神経の無い歯は噛みしめの力で割れることがあります。割れると基本的に抜歯です。ブリッジの土台になっている歯であれば、2本以上歯が無いところができるということになりますから基本的には入れ歯になります。

こういった事態を防ぐためにできれば予防的に就寝時に歯ぎしり用のマウスピースをされることをお勧めしています。(保険適応)歯ぎしりそのものは脳が行っていることなので止められません。歯同士直接接触させず、噛みしめる力が直接伝わらないようにすることを目的としています。ですからマウスピースが削れてきます。程度により作り直していきます。起きている時は噛まないようにコントロールできますが、寝ている時はコントロールできないのです。

何故神経をとることになったのか、ブリッジによる歯への負担を考えてインプラントへの変更、など一考に値します。

壮年期以降に向けて

加齢と共に歯はすり減ります。同じ硬さですから噛んで使っているうちに減ってきます。

歯を失った部分を義歯やブリッジで修復してあると噛み合わせの高さが低くなっていきます。義歯はプラスティックなので、歯より軟らかいです。歯とプラスティックで噛んでいると、歯と歯で噛んでいるよりすり減り方がきつくて噛み合わせの高さは下がっていきます。プラスティック同士でも歯より軟らかいので削れ方はもっと早いです。失った部分をブリッジするには歯を削ります。歯を削るとブリッジを入れて戻したとしても、高さは低くなります。

脳への血流が低下する

噛み合わせが低くなると下顎が後ろに下がります。その内側にある舌も当然後ろに下がります。(歯の並びが小さくても舌は後ろに下がります。また矯正で歯を抜くと、歯列が小さくなる傾向にあります。)舌が後ろに下がると、気道が狭くなります。気道が狭くなると酸素供給が低下し、必然的に脳への酸素供給も十分にいきにくくなります。下顎が後ろに押し込まれると、顎関節の後ろを通っている血管と神経を圧迫する噛みしめや歯ぎしりが強いと同じようなことが起こり、頭痛や肩こりなどの原因になることもあります。

噛み合わせが低くなることが認知症の原因の一つなのかもしれません

脳への酸素、栄養供給が減る、噛めないと脳への刺激が減る。それが認知症の原因ではないかと考えています。あなた(あるいはパートナー)が要介護になったら誰が介護しますか?子供を含めた家族に迷惑をかけずに生きていたいと思いませんか? 健康を長く保って、できるだけ誰にも迷惑をかけず、ピンピンコロリでいきたいと思いませんか?噛み合わせの高さが低くなっていたら高さを戻す。それは、自分だけでなく家族のためでもあります。

ブリッジや義歯では高さを保つのが難しい

ブリッジ、義歯はやめてインプラントで噛み合わせの高さを維持する。特に最初に歯を失った時の対応がとても大事です。他の歯を守る、噛み合わせを守ることに直接つながるからです。歯列を大きくするのは矯正、噛み合わせの高さを挙げるには矯正と被せ物で行います。セラミクスや貴金属でないと長くその高さを維持するのが難しいのです。

正しく磨く、定期健診に行く、だけが予防ではありません。生涯の健康維持のためにすべき治療を行うのも「予防歯科」なのです。

予防歯科のQ&A

8020達成率は今どれくらいですか?

厚生労働省の「令和4年歯科疾患実態調査」の結果8020達成者(75歳以上85歳未満の数値から推計)は51.6%で、前回平成28年の調査結果(51.2%)と同程度、ということです。
出っ歯の方は10%程度、受け口の方はほぼ0%とかなり低く、噛み合わせがかなり影響しています。

どれくらいの間隔でメンテナンスするとよいですか?

当院では一律何カ月と決めていません。セルフケアの状態、咬合状態、残存歯数、虫歯リスクの高低、などから個人差を考慮して来院間隔を決めています。3~4か月、6か月間隔の方が多いです。続けてメンテナンスしていくことが大切です。1年だと期間が空きすぎです。

歯の数と認知症に関係はありますか?

歯の数と死亡リスクに強く関連していることが報告されています。(東京医科歯科大学、東北大学、千葉大学、ボストン大学、国立保健医療科学院 共同研究) 歯の数が少なくなってもしっかり噛めていると良いのですが、義歯など入れず噛みづらくなっていくと噛むという刺激が脳に伝わらなくなります。脳に適度な刺激がないと脳にはよくありません。

診療スケジュール

当院へのお電話からの問い合わせは0774-41-3461へ

診療時間
9:00〜12:30
14:00〜18:00
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