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親知らずは必ず抜かないといけない、わけではありません。

2026年3月5日

親知らずはトラブルを起こしやすい歯ですが、必ずしも抜く必要はありません。

基本的な考え方は、状況によって抜いた方がよい場合と、そのまま様子を見てもよい場合がある、です。

「今問題があるか」

「将来問題を起こす可能性が高いか」

をレントゲンで確認し、判断します。抜歯に関しては、20代前半までに抜いた方が治りやすく、40歳以降になるとリスク(神経や骨の影響)が高まります。

抜いた方がよいケース

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横向きや斜めに生えている

→ 手前の歯(第二大臼歯)を圧迫し、虫歯や歯周病を起こしやすい。

歯ぐきがかぶさっている

→ 細菌が溜まりやすく、腫れや痛み(智歯周囲炎)を繰り返す。

十分なスペースがなく半分だけ生えている

→ 清掃が困難で虫歯・炎症のリスク大。

矯正治療や噛み合わせに悪影響を与えている

嚢胞(袋状の病変 のうほう)を作っている

抜かなくてもよいケース

まっすぐに生えていて正常に噛んでいる

完全に骨や歯ぐきの中に埋まっていて、トラブルが出ていない

年齢や全身疾患の関係で抜歯リスクが大きい場合

定期的にチェックしても変化がない場合

智歯周囲炎(ちししゅういえん)とは?

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親知らず(智歯)の周囲の歯ぐきに炎症が起こる病気のことです。親知らずが少しとか、あるいは半分顔を出している場合に起こりやすいです。親知らずの一部が歯ぐきに埋まったままでいると、その隙間に 食べかすや細菌が溜まりやすいのです。奥にあるので、歯ブラシが届きづらいのに加え、清掃しづらいのです。細菌が繁殖し、歯ぐきに感染すると炎症が起こします。

主な症状

親知らずの周りの 歯ぐきが腫れる

ズキズキ痛む(特に噛むとき)

口が開きにくくなる(開口障害)

膿が出る、口臭がする

重症になると 発熱やリンパ節の腫れ が出ることもある

治療

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抗菌薬で炎症を抑える

歯ぐきの消毒をうがい薬で洗浄います。

(鎮痛薬も服用しますが炎症を抑えるのではなく、一時的に痛みをおさえるものです。)

根本的には炎症が治まった後、磨きにくいので手前の歯まで虫歯・歯周病になりやすいので親知らずを抜歯することが多いです。放置すると腫れや痛みを何度も繰り返したり、重症化すると顎の骨や頸部にまで炎症が広がることもあります。痛みが治まると抜歯せずにおいておく方もいらっしゃいます。ただ再発を繰り返すようなら抜歯することをお勧めします。

親知らずが腫れるとなぜ口が開きにくくなるのでしょうか

それは炎症が顎を動かす筋肉に波及するからです。下の親知らずの周囲には、咀嚼に関わる内側翼突筋(ないそくよくとつきん)という筋肉があります。この筋肉は、顎を閉じる動きを担当しています。親知らずの周囲に炎症(腫れ)が起こると、内側翼突筋やその周囲の組織に炎症が波及して筋肉がこわばって口が開かなくなるのです。

親知らずの炎症で顎の下が腫れるのは解剖学的な理由があるからです。

下の親知らず(特に下顎の智歯)は、歯ぐきの奥深く にあり、その周囲の感染は骨の内側や筋肉の間 の隙間に広がりやすいのです。炎症や膿は重力に従って下方へ流れやすいため、顎の下(顎下部)に腫れが出てきます。炎症を感知すると、免疫細胞が顎下リンパ節に集まりが細菌や炎症物質を処理しようとします。このリンパ節が腫れて、顎の下がゴリゴリとしたしこりのように膨れることがあります。最初は親知らずの周囲の腫れにとどまりますが、炎症が進行すると顎下間隙や舌下間隙 に炎症が広がり、更に炎症が進むと顔全体や首にまで波及し(蜂窩織炎)、重症例では呼吸に影響することもあります。その結果、顎の下が パンパンに腫れたり、触れると 痛みが強い・しこりを感じる、飲み込みにくいなどの症状が出ます。発熱や倦怠感を伴う場合は要注意

嚢胞とは何か

親知らずを放置すると、まれに嚢胞ができることがあります。親知らずが完全に生えず、歯ぐきや骨の中に埋まったままの状態では、歯の周囲に歯嚢(しのう)と呼ばれる袋状の組織が残っています。これが細胞の働きによって徐々に膨らみ、歯冠周囲嚢胞(濾胞性嚢胞) になることがあります。細菌感染や炎症が加わると、嚢胞がさらに大きくなることもあります。親知らずを持つ人の中で 1~2%程度に嚢胞が見られると報告されています。それほど頻度は高くありませんが、見逃すと大きくなることがあります。

症状と処置法

初期は無症状のことが多く、レントゲンで偶然見つかることもあります。進行すると顎の骨が膨らんできたり(しこりのように触れる)、隣の歯を押して歯並びが乱れたり、神経を圧迫してしびれが出ることもあります。感染すると腫れや痛みが出ることもあります。処置としては、パノラマレントゲンやCTで確認し、小さい場合は親知らずの抜歯と一緒に嚢胞も取り除きます。大きいと骨が大きく欠ける恐れもありますからある場合、嚢胞開窓術を行うこともあります。

親知らずは、なぜ噛み合わせに様々な悪影響を及ぼすのか。

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親知らずが噛み合わせに影響する主な理由は横向き、斜めに生えるからです。最近の日本人は顎が小さく、親知らずの生えるスペースが足りません。その結果、横向きや斜めに生えて手前の歯を押すことがあり、歯並び全体を乱している可能性が高いのです。特に下顎の親知らずは、前方の歯をじわじわ押して、前歯のガタガタ(叢生) を悪化させることがあります。噛み合わせがズレることもありますからですから顎関節症・肩こり・頭痛の原因になることもあります。親知らずを残したまま矯正治療を行って歯並びを整えても、親知らずが残っていると、親知らずの押す力で前歯が再び乱れることがあります。矯正治療を行う前に親知らずを抜歯するのはこのためです。手前の第二大臼歯との間に食べかすや細菌が溜まりやすく、虫歯や歯周病になりやすいので第二大臼歯を失うリスクが高くなります。つまり抜歯につながります。

なぜ年齢が高くなると抜きにくくなるのでしょうか。

若い頃の骨は柔軟性があり歯槽骨もしなやかなのですが、年齢が上がると骨が硬くなり歯が骨にしっかりひっついていて抜きにくいのです。抜歯するために骨を削ることも行うのですが、削合する量が増え処置時間も長くなりがちです。難抜歯になります。骨や歯ぐきの治癒能力は若いほど高いのですが、年齢が高くなると抜歯後の腫れや痛みが強くなり、治りが遅い傾向にあります。また感染のリスクも上がります。下の親知らずのすぐ下には下歯槽神経や舌神経という神経が走っています。また親知らずの歯の根が曲がっていたり、根の形が複雑だったりしますから、元々抜歯自体難しいことが多いです。そのため、リスクがあると口腔外科での抜歯を勧めることが多いです。

親知らずを抜かなくてもよいのは

  1. 正しく生えていて、噛み合わせに参加している場合

親知らずがまっすぐに生えて、清掃も可能で、虫歯や歯周病のリスクが低く、上下の親知らず同士がしっかり噛み合っている場合は経過観察を私は行います。

  1. 完全に骨や歯ぐきに埋まっている場合(完全埋伏智歯)

完全に骨の中や歯ぐきの中に隠れており、口腔内に露出していない。

嚢胞なかったり、隣接歯への悪影響が見られず将来的にトラブルのリスクが低いと判断した場合。定期的なレントゲンチェックを行っていかなければなりません。

  1. 高齢でリスクが大きい場合宇治市 歯医者 lostなかむら歯科医院

年齢が高く、抜歯による合併症(感染、神経麻痺、治癒不全など)全身疾患(糖尿病、心疾患、骨粗鬆症の薬による影響など)があって、抜歯の危険が大きいと抜かずに経過観察します。症状があって抜歯が望ましい場合は口腔外科で判断していただきます。

臨機応変に対応する

でも基本的に若い頃に親知らずを抜歯しておく方がよいかと、個人的には思っています。

親知らずの治療

骨隆起って何?

2026年2月26日

骨隆起について

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口腔内の骨隆起(こつりゅうき)は、歯肉の下にみられる「骨のコブ」のような膨らみのことを指します。代表的なのは上顎正中口蓋部にできる口蓋隆起(こうがいりゅうき)や、下顎小臼歯部の舌側にできる下顎隆起(かがくりゅうき)です。歯槽骨(歯を支える骨)の外側や内側に局所的にも骨が盛り上がります。上顎の頬側や、下顎の小臼歯部・舌側などに見られます。

骨隆起の出来る原因は?

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骨隆起は腫瘍や病気ではなく、局所的な骨の過形成です。はっきりとした原因は不明ですが、いくつかの要因が考えられています。

1.咬合力(噛む力)や歯ぎしり・食いしばり

歯や顎に過度の力が加わると、その部位の骨が刺激されて反応的に増えることがあります。

TCH(Tooth Contacting Habitの略  日常的に歯を接触させる癖  後述)も関与。

2.遺伝的要因

家族内で見られることもあり、遺伝的な体質によって骨が発達しやすいと考えられます。

3.加齢や生活習慣

長年の咀嚼や歯ぎしりの習慣が積み重なって出現することがあります。

骨隆起の特徴

ゆっくりと大きくなることが多く、通常痛みや悪性化の恐れはありません。ただ表面の歯肉は薄く、義歯や硬い食べ物でこすれると傷や潰瘍を作りやすいです。ある時、「口の中に硬い膨らみが急に出来た」と気になって来院されることもありますが、ほとんどの場合気づかれません。

対処法

骨隆起自体は病気ではないため、症状がなければ基本的に治療は不要です。ただし以下の場合には歯科医院での対応が必要です。

1.義歯が安定しない・痛い

骨隆起が邪魔して入れ歯がフィットしない場合、外科的に骨を削除して整えることがあります。

2.頻繁に傷や潰瘍をつくる

表面の粘膜が薄いため、食事やブラッシングでよく傷つく場合には切除を検討します。

3.気になる

機能的問題がなくても、違和感や審美的な理由で外科的処置を希望するケースもあります。

日常でできる工夫

強い食いしばりや歯ぎしりがある場合は、ナイトガード(マウスピース)で咬合力を緩和することになるでしょう。

噛み締め癖(TCH)

強く咬む癖があったり、歯ぎしりや食いしばりは、骨隆起だけでなく口腔内外にさまざまな症状を引き起こします。上下の歯を必要のない時にも持続的に接触させてしまう癖のことTCHといいます。リラックスしている時、上下の歯は1〜3mmほど離れているのが自然です。歯と歯が接触するのは、食事や嚥下の時だけで、1日の合計で 20分程度 といわれています。作業や勉強、スマホ操作など集中している時に、無意識に歯を合わせているようです。時間にすると、何時間も歯を接触させ続けていることが多いようです。そのため下記に述べる症状が発現します。

歯への影響

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咬耗(エナメル質のすり減り)

歯の先の部分がすり減って平らになります。一番表層の刺激を遮断するエナメル質が削れてしまい、中にある象牙質が露出して知覚過敏を起こす原因になります。

歯の破折

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噛む力で歯が欠けたり、破折したり、歯の根が破折するリスクが上昇します。

知覚過敏

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エナメル質の摩耗やクラック(微細なひび割れ)で冷水痛が出やすい。

修復物の脱離

詰め物・被せ物に過剰な負担がかかり、外れたり欠けたりしやすい。

楔状欠損

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歯頸部(歯ぐき付近)がV字型にえぐれるように欠ける。力によるマイクロフラクチャーが原因。

歯周組織への影響

歯の動揺

過度な力がかかり続けると、歯を支えている歯槽骨が吸収したり、歯根膜という組織のダメージを招いて歯が揺れます。

骨隆起

咬合力に反応して骨が増殖。口蓋隆起・下顎隆起・歯槽骨隆起として現れるのは先に述べて通りです。

顎関節・筋肉への影響

顎関節症(TMD)

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開口時に顎がカクッと音が鳴ったり、顎の引っかかるなどの開口障害を引き起こします。

咀嚼筋の疲労、偏頭痛

噛む時に使う筋肉である咬筋、側頭筋が常に緊張するので、朝起きた時に顎のだるさを感じます。そのことで側頭部や後頭部などに頭痛を引き起こすことがあります。

全身的な影響

睡眠の質低下

歯ぎしりはレム睡眠中に多く起こり、睡眠の質を下げる。

姿勢不良との関連

噛みしめは頭部前方位姿勢や全身の緊張と関連することがある。

TCHと夜の歯ぎしりはどう違う

TCHは 日常的に歯の当てすぎる癖のことであり、気づかないまま歯や顎に負担をかけ続ける大きな要因です。夜の歯ぎしりとは別物ですが、両方が合併するとトラブルが増えます。

寝ているときも噛み締めている

朝起きると顎がだるいという訴えは、主に睡眠中の歯ぎしりや食いしばりが原因です。なぜそのようなことが起こるのでしょうか?音がしなくても噛み締めは起こっています。その証拠が骨隆起だったり、知覚過敏、歯の咬耗などです。

睡眠中は無意識に噛みしめが起こる

睡眠中は意識的に力をコントロールできないため、無意識の筋活動が起こります。特にレム睡眠時(浅い眠り)に、筋肉が活発に動きやすくなります。その結果、上下の歯を強く接触させる食いしばり やギリギリと動かす歯ぎしり が発生します。そうすると噛む時に使う筋肉に過剰な負担がかかり、咬筋、側頭筋、内側翼突筋などの顎を閉じる筋肉が常に緊張状態になります。食いしばり時の咬合力は 通常の咀嚼時の2〜3倍(200〜300kg/cm²とも言われる) に達することがあります。時間その力がかかるため、筋肉に筋疲労が蓄積します。これが朝起きたときのだるさや重さとして感じられるのです。夜中に無意識で強く噛んでしまうことで、顎の筋肉が一晩中力仕事をしているような状態になります。そのため、朝起きると“顎が筋肉痛”のようにだるくなる、という仕組みなのです。

TCHの改善法

気づく習慣を持ちましょう。

PCやスマホ、目につくところに歯を離すと書いた付箋を貼る

タイマーやリマインダーを使って1時間ごとに噛み締めていないかチェックする

唇は軽く閉じているが、上下の歯を離すリラックスポジションを習慣化する。(奥歯は接触させずに1〜3mm離す)

舌先は常に上顎のスポットという位置に軽く当てる

姿勢を整える(猫背や前傾姿勢は噛み締めを誘発)

肩や首のストレッチを習慣にする

睡眠時の噛み締め改善方法

睡眠時の噛み締めは無意識の行動なので、完全にやめることはできません。負担を減らす方法はあります。

ナイトガード(スプリント療法)

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就寝時にマウスピースを装着し、歯や顎関節への負担を分散します。

日中の習慣改善

TCHの是正

日中も上下の歯を接触させる癖がある人が噛み締めや歯ぎしりをしていることが多い。上下の歯は普段は離れているのが正常という認識を持ち、気づいたときに噛んでいないかチェックし、噛み締めていたら歯を接触させないようにしましょう。

ストレスマネジメント

寝る前に顎の筋肉を蒸しタオルなどで温めたり、深呼吸や、ストレッチ、温かいお風呂、アロマなどの身体のリラックスを心がけましょう。ブルーライトや緊張状態は交感神経を優位にし、ブラキシズムを誘発するので、就寝直前のスマホやPC使用を減らしましょう。

生活習慣の改善

横向き・うつ伏せで顎に力が入りやすい場合があるので寝姿勢を工夫してみましょう。

歯を接触させるのは食事の時だけ

眠っている間の噛み締めは“無意識”なので完全に止めるのは難しいですが、マウスピースで歯を守りつつ、日中の噛み締め癖やストレスをコントロールしていくことが大切です

・ナイトガードで歯を守る

・日中のTCH改善とリラックス習慣

骨隆起や知覚過敏、歯のすり減りなどは、噛み締めをしないという日常習慣でしか改善しません。実は難治性の疾患なのです。

知覚過敏のページ

歯が割れる、はよくあります。

2026年2月19日

歯の破折

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割れていることが原因ではないかという症状でお見えになる方が、一定数おられます。わかりやすいのは、口の中に出ている部分の一部が割れた場合です。ぶつけたとか、こけた、などの外傷、歯の薄い部分が噛み締めや硬い物を食べた時に割れたとかです。歯冠破折という状態です。割れた状態によっては神経処置をしなければならなかったり、詰め物や被せ物を治療し直さないといけません。

神経のある歯とない歯で割れる割合が異なります。

歯の破折リスクは神経が生きている歯(生活歯)と神経を取った歯(失活歯) で大きく異なります。生活歯の歯の破折の発生率は低く、特に歯根破折(骨の中に埋もれている部分を歯根と言います。)は稀で研究報告では 0.5〜2%程度とされています。一方失活歯の破折のリスクは生活歯に比べて 約3〜4倍 高いと言われています。特に垂直性の歯根破折は、失活歯に圧倒的に多く見られます。失活歯の10〜20%前後が何らかの破折に至ると報告する文献もあります。ですから歯の神経は取らない方がよいのです。

なぜ生活歯と失活歯で割れ方に差が出るのか?

神経を取ってしまうと、歯への血流が途絶え、含水量が減少します。弾力性を失い歯質が脆弱になります。折れてしまった木の枝には水分や栄養が供給されないので、乾燥して折れやすいですよね。例えるとそういう感じです。神経を取るくらいに虫歯が進行していたので、当然残っている歯の部分が少ないですよね。歯として使うために材料で補強しますが、歯と同じ硬度としなやかさを持つ材料はありません。そのため噛んだ時に力を上手く分散できず特定部分に集中する傾向にあります。生活歯に比べて失活歯は 3〜4倍破折しやすいと言われています。

歯根破折は厄介

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歯冠破折は症状として自覚症状があります。口の中に出ている部分だけが破折していれば、比較的対応しやすいです。歯の根の部分が破折している場合、症状はとても多様で、しかもはっきりした症状が出にくいので対応に苦慮することも少なくありません。真っ二つにある方向から割れた場合のみレントゲン写真に写りますが、僅かな割れやヒビでは写りません。

歯根破折の症状

・ 咬合時の違和感・痛み

普段は痛まないが、噛んだ時に ピリッとした痛みや引っかかる感じがある

・歯肉の腫れ・膿

見えない割れ目から細菌が入り、局所的に歯肉が腫れたり、膿が出たりします。小さなおできみたいなものが歯茎に出来ることもあります。腫れたり治まったり、繰り返します。

・歯の動揺

歯の根の割れによって歯周組織が破壊され、歯周ポケットが深くなり、歯を支える骨が徐々に減少し歯が揺れます。

レントゲンで見ると根の周りに黒い影が出来てきます。根尖性歯周炎とは異なるレントゲン像を呈します。 骨吸収が線状・縦方向に進む像 が見えます。無症状で進行していることも多いです。虫歯や歯周病のようにはっきり映りません。状況証拠を集めて、破折なのかな、と診断することが多いです。

歯根破折をそのままにしておくのはよくない。

歯根破折を放置してしまうと、歯だけでなく周囲の組織(歯周組織や骨)にまでダメージが広がり、不利益が大きくなります。割れ目から細菌や唾液が根管内や歯周組織に侵入します。通常なら大丈夫なのですが外敵侵入のバリアが壊れるため、慢性的な炎症が起きます。その結果、歯槽骨(歯を支える骨)が吸収されていきます。進行すると歯がぐらついてくるので保存不可能、すなわち抜歯になります。抜歯すると、その部分は時間をかけて骨に代わっていきますが、破折した状態が長く続けば戻る骨の量が少なくなります。骨の欠損が大きいと骨の中に埋めこむインプラント治療が難しくなります。ブリッジや義歯でも凹みが大きくなりますからブリッジの清掃性や義歯の保持性に問題が生じます。

歯根破折の原因は何か

失活歯であることが多いのですが、どのようなことが原因として考えられるでしょうか?

噛み締め

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歯ぎしりや食いしばりなど、長時間強い力が繰り返しかかることで、歯に亀裂が入り、最終的に割れてしまうことがあります。失活歯であることが多いですが、噛み締めのきつい方では生活歯でも割れてしまうことがあります。口腔内に噛みしめ癖のある方は兆候があります。診断の一助にします。そのことをお伝えしても、自分にそんなことの自覚はない、家族にも歯ぎしりなんて言われたことない、と否定される方がとても多いです。残念なのですが。

硬いものを噛む習慣

氷、ナッツ、骨付き肉、乾燥豆など硬い物が好きで、強く噛むことをされていると歯が欠けたり割れたりします。これについてはご自身がよくわかってらっしゃるので、控えていただくようにします。

咬合や歯並びの影響

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受け口、開咬(前歯が噛んでいない噛み合わせ)、過蓋咬合(普通に噛むと下の前歯が1/2以上見えない噛み合わせ)など奥歯に強い力が集中する噛み合わせの方は奥歯が割れやすいです。ですからかみ合わせを治しておくことは、長く歯を維持するためにとても大切なことです。

セラミックを一番奥歯に使うとき

天然の歯より硬い材料なのでしっかり噛めます。そのことで歯の内部に負担が増して割れる場合があります。噛み締めの場合も同じですが、夜間にマウスピースなどして、奥歯に負荷がかからないようにすれば予防することができます。日中は仕事や作業されている時に噛み締めないように意識付けしてください。

歯を割らないために何が出来るか

虫歯を作らない

宇治市 歯医者 plaque control なかむら歯科医院

基本的には虫歯が進行して神経を取らないようにすることが何よりです。お話してきた通り神経を取ってしまうと歯は脆弱になり割れてしまうリスクが高まります。定期健診で虫歯のチェックをし、もしむし歯が出来たとしても早期発見早期治療で歯を削ることを最小限でとどめましょう。健診の間隔は人それぞれなので何とも言えませんが、理想を言えば3か月毎、空けても6か月以内に受診されることをお勧めします。

家でのプラークコントロール

自己流の歯磨きで歯垢がしっかり取れていれば良いのですが、私を含め磨き癖は誰にでもあります。磨き残しのある部分を認識して、歯垢の除去に努めましょう。それが一番の虫歯予防になります。時間をかけて磨いていても、効果的に磨けていなければ磨いていないのと同じです。歯磨剤の爽快感に騙されないようにしてください。当院では定期健診時に染め出し液を使って磨き残しを目で見ていただき、毎日の歯磨きに役立てていただいています。

夜間歯ぎしり用のマウスピースを使用する

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歯の神経を取っている歯がある場合、夜間にマウスピースを使用していただき、歯にかかる負荷を減らすことをお勧めします。自覚症状や家族から言われたことがなくても、食いしばっていることがあります。自分の体重分の力をかけていることがあります。そりゃ割れる原因になりますよね。年齢が上がるにつれ噛み合わせの高さが低くなり噛み締めやすくなります。ミドルエイジ以上の方は取り組むとよいでしょう。保険が適用されます。

歯並び、噛み合わせの改善

宇治市 歯医者 open bite2 なかむら歯科医院

特定の歯に咬合力がかかると失活歯だけでなく、生活歯も割れることがあります。口の中にある歯全体で適切な咬み合わせになるようにしておくことが大切です。受け口や出っ歯、開咬では、前歯や犬歯が本来持っている奥歯を守る機能が発揮できません。矯正治療や補綴治療で口腔内を整えましょう。

マウスピース矯正

小児マウスピース矯正

食習慣の改善

失活歯や被せ物が多い方で、硬いものを好んで食される方は要注意です。脆弱になっている歯に負荷をかけることは危険です。楽しみが無くなるとおっしゃるかもしれませんが、歯を失うリスクを考えていただくとよいでしょう。

歯にヒビ(クラック)が入ると 知覚過敏 が起きやすい

宇治市 歯医者 cruck なかむら歯科医院

破折の前段階で、歯にヒビが入ります。同じ硬さのお茶碗を二つカンカン当て続けるとヒビが入ると思いますよね。歯も同じです。歯にヒビが入ると歯の神経まで象牙細管という微小な管を通して間接的につながります。ヒビが入ることで外部の刺激(冷たい水、甘い物、歯ブラシの摩擦など)が細管内に直接伝わり、神経に刺激として伝わり“しみる”と感じます。かなりざっくりした説明ですが、これが知覚過敏です。クラックは完全に割れていないため、噛む力がかかるたびにヒビがわずかに開閉します。噛むたびに神経を刺激します。これが噛んだ時にズキッとする痛みや冷たいものがしみるといった症状の原因になります。残念ですが、歯のヒビは完全に元に戻すことはできません。骨折のように自然に治癒してつながることはないからです。知覚過敏用の歯磨剤の使用、知覚過敏用の薬剤の塗布、夜間歯ぎしり用のマウスピース使用といった対症療法になります。

知覚過敏のページ

当院では泣いている子どもを抑えつけて治療しません。

2026年2月12日

せっかく予約を入れたのに泣いただけで診てくれないの?

宇治市 歯医者 crying kids なかむら歯科医院

時間を割いて子供を連れて行ったんだから、ちょっと泣いたくらいなら抑えつけてでも診て欲しい、と思われる親御さんは多いと思います。一回こっきりでもう二度と歯科医院に行くことがないのであればそれもいいかもしれません。その自信は親御さんにおありでしょうか?虫歯だけでなく、歯並びや咬み合わせに問題は起こらないと確信はおありでしょうか?また泣き叫んだり、顔を左右に振ったりしている状態で診査できるでしょうか?顔を固定して口を開けさせることはできるでしょうか?

 

それは子どもの心の安全を考えるから

宇治市 歯医者 only child なかむら歯科医院

今すぐやってしまえば早いと、思われるでしょうが、生涯にわたってお口の健康を維持するのに無理なやりようはトラウマになると私は考えています。ですから私は、泣いても押さえてでも、ということはしません。一人で診療台に座れないお子様は治療しません。強い恐怖や痛みの記憶は、歯科恐怖の固定化につながり、将来の通院回避・口腔悪化の悪循環を生みます。治療の精度や予防行動の形成も阻害してしまいます。身体抑制は、笑気ガスの使用、鎮静法、全身麻酔の使用までは行かないが、緊急性の高い場合のみ検討します。しかし私は先に述べたことから抑制は行いません。緊急性が高くて、抑制治療が必要な場合は小児歯科認定医の受診をお勧めします。

抑制治療が良くないと考える理由

抑制治療は子どもに、自分の意思や身体がコントロールできない経験を与え、恐怖や不信感を残します。自己防衛的な記憶として残りやすく、将来的に通院拒否や極度の歯科不安につながる研究的な報告が複数あります。一時的に処置したとしても子どもの協力度はむしろ悪化し、将来にわたる口腔健康管理が困難になり良好な長期結果は得にくいでしょう。窒息、外傷、筋骨格系の損傷といった直接的な危険も考えられます。安全な診療に行うには、受診前にご家庭での言い聞かせが必要です。身体の自由を制限する行為は重大な介入であり、親の同意だけで自明に行ってよいものではありません。

すぐ診療しなければならないのはどんな時か

宇治市 歯医者 trauma なかむら歯科医院

・歯の自発痛(ズキズキ感)虫歯が神経まで進行していたり、膿が溜まっているかもしれません。

・歯ぐきの腫れ、顔の腫れ、発熱、飲食や睡眠が取れない

・こけて歯をぶつけたり、そのせいでぐらついたり、欠けたり、歯が抜けたなど

これらの症状がある時は子ども本人に痛みや腫れなどの症状があるので、比較的治療を受け入れやすく、スムースに診療できます。

発達年齢と治療の目安

0〜2歳(乳歯萌出直後〜2歳頃)

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多くの子は診療チェアに1人で座れず、口を開けて治療はほぼできません。基本方針としてはできる範囲でのフッ化物塗布と生活習慣の指導。お母さんへの指導が主となります。もしむし歯があっても 小さい・痛みがない場合は経過観察や進行止めの塗布となります。哺乳期のこの時期では虫歯の発生は少ないです。既に離乳に進んでいる場合はその与え方、歯ブラシの仕方に問題があるかもしれません。腫れや強い痛み、外傷など緊急時は、口腔外科で全身麻酔下の処置になるかと思います。

3歳前後(約2歳半〜3歳)

宇治市 歯医者 kids2 なかむら歯科医院

言葉の理解が進み、お口開けてね、など簡単な約束ができ始めます。3歳を過ぎると短時間診療台に座ってフッ化物塗布などが可能になったりします。もちろん個人差があります。咬み合わせの問題があればわかるのがこの時期です。受け口はもちろん、嚙んだ時に下の前歯が見えない過蓋咬合は上顎の劣成長と診断できます。哺乳の仕方や哺乳期間の結果が出ます。もしこのような状態であれば、離乳や食育に注力しなければなりません。

4〜5歳

協力度が大きく伸びる時期。多くの子が治療できるようになります。痛みのない、進行遅いむし歯なら削ったりせず、4歳前後まで進行止めなどで管理し、協力可能になってから治療が現実的なラインといえるでしょう仕上げ磨きも勿論必須です。反抗期になるまで仕上げ磨きをしてください。できればフロスも使用してください。受け口の治療に用いる取り外しの装置(ムーシールド、プレオルソ)も成長に応じてにはなりますがこのくらいから始めることが多いです。

受け口の治療、早いに越したことはないが時期がある

ムーシールドやプレオルソの開始の一般的な目安

宇治市 歯医者 muhsield なかむら歯科医院

使用開始年齢はだいたい3歳くらいから可能からとされています。私は早過ぎても、入れてもすぐ外すリスクが高いため、3歳では基本的にはまだ早いと考えています。受け口治療のムーシールドやプレオルソの開始時期は4歳頃〜が現実的ではないかと考えています。それは、夜間装置を入れて眠るという行動が理解でき、習慣化も期待できるからです。また起きている時も1~2時間使用していただく必要があります。小さいうちは、夜間はよいのですが、起きている時は違和感が強く、外す子が多いようです。受け口の治療は装置をきちんと使用していただくとおよそ半年です。改善しないのは使用時間が適切でないか、遺伝的傾向があるからです。

なぜ受け口になるのか

宇治市 歯医者 class3 なかむら歯科医院

哺乳、離乳を通じて舌をはじめとする口腔筋組織の機能獲得ができず上顎が劣成長であるからです。まだ哺乳されている方はなるべく長い期間哺乳をしていただきお子さんの機能獲得を目指してください。適切な哺乳の仕方があります。離乳食も与え方によって大きく機能獲得に差が出ますので、ぜひ勉強してみてください。マタニティー歯科に記載しています。舌圧を使い、口唇圧を排除するというバランス改善で上顎前歯の位置を改善し、反対咬合の改善をサポートするのがムーシールドやプレオルソです。使い分けは術者が選択します。成長期に下顎が大きく成長し、受け口が再発することもあります。成長は予測できませんのでご承知おきください。

「基本は3歳までは“慣らしと予防”、4歳から本格的に。でも痛みや腫れがあれば年齢に関係なく対応します」

という言い方がわかりやすいと思います。

虫歯への対応

穴のある乳歯むし歯でも、協力度が上がるまで進行止め薬の塗布や仮充填を行ったりします。低侵襲で短時間の方法を優先します。できるようになったら治療する。家では仕上げみがき、甘味の回数コントロール、寝る前は水のみ、などの習慣づくりを行ってもらいます。初期う蝕もほぼ同様です。虫歯にはフッ素は有効ではありませんが、虫歯になっていないところについて行います。フッ素よりもご家庭での毎日のケアがとても重要です。進行を止める、遅らせる、が合言葉です。食習慣も虫歯と大きく関わっていますのでダラダラ食いを止める、甘味を減らす、などの対策も取ってください。

小児歯科治療の王道

宇治市 歯医者 hyginist なかむら歯科医院

無理に今ここでやり切るより、

心の安全

将来を考えた通院継続

を優先したプランが小児歯科の王道です。緊急サインがあれば安全な環境で迅速に、そうでなければ経過も診ながら協力度を育て、適切な時期に介入する。この順番で考えましょう。泣き叫んでいる子供を無理に診療することは心に大きな禍根を残します。保護者の方の意向もわかりますが、受診前にご家庭で必ず言い聞かせてからご来院ください。雰囲気にならしていくのであれば、保護者の方やご兄弟の診療や定期健診に同席させたりして来院する機会を増やしましょう。そのためわざと健診時期をずらして頻度を高めてみてもよいでしょう。本格的治療は4歳頃から取り組むのが現実的と言えるでしょう。

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保険診療で詰め物や被せ物がしてある場合、何年かおきにやり直した方がよいのか?

2026年2月5日

保険の詰め物や被せ物は消耗品、が基本的な考え

宇治市 歯医者 2nd caries なかむら歯科医院

治療に使っている材質やお口の環境によって耐久年数は異なり、永遠に使えるものではありません。しかし、年数だけを理由に定期的にやり直す必要はありません。

・虫歯の再発

・劣化

・適合の不良

・見た目の問題

などの理由があるときに、やり直すことになります。

保険診療の材料の平均的な寿命は

個人差がありますので、あくまで目安として記載します。個人差というのは、唾液の性状、噛む力、嗜好品、歯の大きさ、材質の厚さ、などいろいろあります。

銀歯(インレー・クラウン)は5~7年程度

コンポジットレジン(白いプラスチックの詰め物)は3~5年程度

硬質レジン前装冠(舌側が金属、表側は白い材質)は7~8年程度

実際には10年以上持つ場合もあれば、数年で二次カリエス(詰め物や被せ物の下の虫歯のこと)になることもあります。材質の問題に加え、適切なブラッシングができているか、歯間ブラシなどの補助的清掃具を使用しているか、歯並びに問題なく歯垢が除去しやすい環境か、親知らずが斜めに生えていて一番奥が磨きにくくないか、などの条件が加わってきます。

やり直しを考えるタイミングは?

宇治市 歯医者 caries なかむら歯科医院

詰め物・被せ物と歯の間に隙間や段差、黒ずみが見られる

しみる・痛むなどの症状が出てきた

詰め物が欠けた、取れた

レントゲンで二次カリエスや歯根の異常が確認された

見た目の劣化が気になる

自覚症状があればわかりやすいですが、ない場合もあります。定期検診でチェックを受けておけばリスクが軽減します。特に保険の銀歯やレジンは劣化や二次カリエスのリスクがあるので、3〜6か月ごとのメンテナンスで状態を確認するのが安心です。

なぜ保険の銀歯やレジンは二次カリエスのリスクがあるのか?

銀歯(金銀パラジウム合金)の場合

主成分が銀と銅という材質の問題があります。口腔内は湿気の多い状態です。これらの金属は腐食(錆びてくる)しやすいのです。錆びてくると隙間ができてきます。またセメントで歯と材料を接着というよりはめ込んで固定しているのですが、そのセメントが経年的に溶解し劣化します。さらに隙間が生じる状態になります。その結果隙間から細菌や唾液が侵入し、二次カリエスが起きてしまうのです。

レジン(コンポジットレジン)の場合

白い詰め物のことをレジンと言います。簡単に言うと、吸水性のあるプラスチックです。そのため水分や着色を吸い込み、変色・劣化しやすいのです。また歯よりも硬度が低いためすり減りが起きやすく、すり減って段差ができやすいのです。少し難しいのですが、賦形性に優れる反面(操作性がよい)硬化時に収縮する性質があるので歯との境目に隙間ができるリスクがあります。歯と材料の境目に段差や隙間が生じやすく、そこにプラークが溜まって二次カリエスになりやすいのです。保険診療の白い被せ物のCAD/CAM冠も基本的に同じです。

保険診療には材料には制約がある

二次カリエスになりにくい材料を使えばいいじゃないか、と思われることでしょう。ただ最低限の治療を遍く広く行う国民皆保険では、材質が限られます。それは、銀歯やレジン以上の良い材料を使用するだけの財源がどこにもないのです。ですから長期的な耐久性や適合精度に優れた材料を使用するとなると原則自費診療になるのです。

劣化や二次カリエスのリスクがない歯科材料ってありますか?

宇治市 歯医者 gold なかむら歯科医院

結論からいうと、絶対に劣化も二次カリエスも起きない歯科材料は存在しません。なぜなら、先に述べた通り、お口の中は湿気・温度変化・強い噛む力・細菌が常に存在する、非常に過酷な環境だからです。どんなに優れた材料でも、使い方、適合の精度、患者さんの清掃状態によって寿命が左右されます。ただし二次カリエスのリスクの少ない材料はあります。

セラミック(ジルコニアなど)

いわゆるセラミクスです。その特徴は吸水しない 。つまり劣化(錆びない)や変色はしにくいのです。また摩耗や破折に強い(特にジルコニア)です。生体への為害性もありません。ただし強い力が加わると割れることがまれにあります。

ゴールド(金合金)

歴史のある金属で、生体為害性がありません。金箔入りのお酒やソフトクリームがあるくらいですから。金属の中で最も耐食性が高い、つまりほぼサビません。意外でしょうけれど適度な柔らかさで使用していくにつれ、歯にフィットしていくのです。つまり隙間が生じにくいのです。材質的に長期安定性に優れています。ですから二次カリエスが少ない材料です。ただし見た目が金色で審美性に劣ることと、材料費がとても高価なのがデメリットとなります。

リスクゼロの材料は存在しない

セラミックやゴールドは材質の劣化が少なく、二次カリエスのリスクが極めて低い材料です。ただし、材料だけがよくても患者さん自身のセルフケアが行き届かないと二次カリエスの可能性があります。

定期健診していれば大丈夫なのか?

結論から言うと、詰め物や被せ物の中はレントゲンで虫歯の確認はできません。レントゲンである程度確認できる場合もありますが、完全には見えないことの方が多いです。金属やセラミックはX線を通さないため、レントゲン上で真っ白に写ります。その下や内部に虫歯があっても金属に隠れて映らないことが多いのです。そのため、見えるのは材料と歯の境目など間接的なサインに限られます。(詰め物と歯の境目にぴったり重なってしまうと判別が難しい場合もあります。)

定期健診で詰め物や被せ物の中の虫歯をどのようにチェックしているか

このように、詰め物や被せ物の下にできた虫歯(二次カリエス)は、表から見えにくいため診断が難しいですが、いくつかのサインや診断手段があります。アナログですが詰め物や被せ物の境目を必ずチェックします。黒ずみや変色、段差、隙間があるかないかを目でチェックします。また器具で触って引っかかる、ザラザラしていないかを1本づつチェックしています。その前に甘い物や冷たい物でしみるかどうか、詰め物や被せ物のあたりの違和感がなかったかどうか、浮いているような感じがないか、臭いはしないかなどお聞きします。先におっしゃっていただけるとありがたいです。判別が難しい場合はレントゲン写真を撮影します。

実際に外して確認するのは確実ではある

宇治市 歯医者 turbin なかむら歯科医院

手立てを尽くしても確定できない時もあります。そのような時は診断として、詰め物や被せ物を外して中を直接見ます。外してみると、レントゲンでは分からなかった虫歯が広がっていることもあります。ただ虫歯がないこともあります。何も無ければよいですが、やり直すだけになってしまいます。でも確実な方法ではあります。

どうせわからないなら行っても意味がないのでは?そんなことはありません!定期健診は重要です。

宇治市 歯医者 dr なかむら歯科医院

レントゲン、境目の色や段差など、外からの小さなサインが完璧に見えるわけではないですが、早期に怪しいと気づけるかどうかが大切です。痛みが出たときには、虫歯がかなり大きく進んでしまっていることが多くて、そうなると神経を取ったり、差し歯や抜歯になってしまうこともあります。当然治療回数も費用もぐっと増えてしまいます。早く気づけば、削る量や費用が少なくて済みます。定期健診で小さなサインを早めに見つけて、予防処置を続けることが一番大切です。また定期健診では、歯石取りやクリーニングも行います。これによって詰め物・被せ物の周りにプラークが溜まりにくくなり、二次カリエスを予防できます。つまり、健診は見つけるためだけでなく、虫歯にならないようにするためでもあるのです。

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マウスピース矯正が若年者の矯正に向いている理由とは

2026年1月29日

マウスピースで顎が拡がる

当院ではマウスピースを用いた矯正治療を行っています。特に若年者では素材の特性を活かして、歯だけを並べるのではなく、顎のそのものを拡大することを狙っています。顎そのものを大きく出来れば、少し程度のきついガタガタでも、歯を抜かずに並べることが可能になります。とはいえ、歯並びや咬み合わせに疑問を感じたら出来るだけ早くに治療に取り組んだ方がよいです。上顎は10歳で成長をほぼ終えるからです。下顎はタイムラグがあり、もう少し後に成長を終えます。下顎は上顎よりも内側にあります。上顎が大きくならないと、下顎は後ろに引っ込むか、下に伸びるか、上顎よりも前に成長します。ですから早期に上顎を正しい大きさに戻すことが必要です。

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上顎に問題がある兆候は何か

歯並びがガタガタしていたら、顎の大きさが小さいのだとすぐにわかります。小さい頃はそうでもなかった、という方もおられるかもしれません。乳歯の頃、前歯に隙間がほとんどない、キチキチに生えている、もうすでにその頃からガタガタしていた、という場合、年齢があがっても、上顎は前歯が並ぶだけの大きさにならないことの方がほとんどです。上顎の前歯6本の幅の合計は永久歯と乳歯で平均7㎜違います。(下顎で平均5㎜)乳歯の時にそれだけ分すきっぱになっていないと永久歯になって歯はきれいに並びません。小さい時にすきっぱでなければ、歯並びがよくならないと予想出来るのです。

宇治市 歯医者 incisal occlusion なかむら歯科医院

小さい時の受け口も上顎が大きく成長できていないから。

小さい時の受け口は、下顎が前に出ているのではなく、上顎が前に成長出来ていないのです。この成長を妨げるのは舌が上手く機能していないからなのです。舌は通常上顎に付いています。(舌の先は上の前歯の付け根)この位置をキープできないのが原因です。舌を上に付ける筋力が足りていないのです。舌が上顎につくことで、側方、前方に押す力が働き、顎が大きく成長していきます。この力が弱いと唇や頬の力が勝ってしまい、内側に力がかかるので顎が小さくなるのです。舌が持ち上がらないですから、逆に下顎を内側から押しますから、下顎が拡がっていくのです。上下の成長が逆転するのです。日本人の受け口は上顎の劣成長であることがほとんどです。

宇治市 歯医者 suture2 なかむら歯科医院

舌の機能は哺乳で獲得する

嚥下、発音などの舌の機能は、哺乳で獲得します。決して離乳食や、大きくなってから獲得するものではありません。哺乳することで唇や舌の使い方を覚えます。哺乳しないと生きていけません、哺乳するのにはかなりの負荷がかかるはずなのですが、哺乳瓶の出方がよいと、労力を要さずに済みますからトレーニングにあまりなりません。哺乳瓶でも吸うのに負荷のかかるものもありますから、それを選びましょう。母乳でも正しい吸わせ方があります。哺乳期間が短いと、これも訓練になりません。ここを漠然と行ってしまうと成長に良くない影響が出ますし、口ポカンにもなってしまいます。とても大切なのです。

宇治市 歯医者 milk なかむら歯科医院

離乳食でも何とかなると言えば言えますが、忍耐が必要です。

ある意味、哺乳は赤ちゃんの努力がほとんどですが、離乳はほぼ100%親の責任になります。それは正しい離乳食の与え方が、根気が要るからです。どのようなスプーンを選ぶか、量はどの程度乗せるか、から始まり、正しい食事の姿勢をとらせ、下唇にそっとスプーンを当てて唇が閉じるのを待ちます。決して引き抜くことはせず、しっかり捕食するのを待ちます。これをずっと続けるのです。掴み食べを始めるまでずっとです。とても時間がかかると思います。哺乳の代わりに離乳で舌の機能獲得するために、親の労力は人一倍かかります。哺乳の方がある意味楽ですよね。出来る限り長く哺乳による訓練をしましょう。できなければ、根気よく離乳食を与えてください。

宇治市 歯医者 baby 6 なかむら歯科医院

マウスピース矯正装置で、上顎骨の側方拡大はある程度可能。

成長期の若年者においてマウスピース矯正で、歯の傾斜ではなく、上顎骨そのものを前方と側方に拡大できるのは、上顎骨の縫合(正中口蓋縫合と切歯縫合)がまだ開いているからです。思春期前(男子で12歳ごろ、女子で10歳ごろ)であれば、骨がまだ柔らかく、拡大に応じやすい状態なのです。歯にアタッチメントと呼ばれる歯と同じ白い材料を設置することで、歯を通して歯槽骨に力を加えるのです。骨に拡大する力を伝えることができれば、成長を利用して骨レベルでの拡大に適応させることが出来るのです。もちろん歯が並ぶスペースが出来るので、歯も移動させることができます。

宇治市 歯医者 aligner  なかむら歯科医院

治療の成否や安定性を左右する大きなポイント。

舌の機能や呼吸習慣への対応が不可欠

骨の拡大ができて、歯を綺麗に並べることが出来たとしても、舌の低位や口呼吸などの悪習癖が残っていれば、すぐに後戻りしてしまいます。筋肉は前の歯並びに合った動きをします。まだ馴染んでいないからです。筋肉の力は強いのでその力で歯は動いてきます。筋肉の動きをリセットするために必ず筋機能療法(MFT)を平行して行うことが理想です。

宇治市 歯医者 aiube2 なかむら歯科医院

成長が終わってしまうとかなり難しくなる。

成長終了後(高校生〜成人)になると、縫合部分が癒合し硬くなっていきます。そのため骨の拡大は難しくなります。それでも拡大を行っていく方針であれば、急速拡大装置(RPE)という装置を上顎に固定して骨を押し開いていくこともあります。

早期に取り組むメリット

骨の成長を利用して小さな力で拡大出来る

ワイヤーと違って緩徐な力を持続的に骨にかけることが出来るので顎を本来の正しい成長に誘導することが出来す。顎が大きくなれば、抜歯を回避した上に、自然にきれいな歯並びになりやすいです。抜歯しなくてよい可能性が非常に高くなります。

全身の発育にも良い影響

口も身体の器官の一部です。全身と繋がっていて、バランスを取ることに大きく関わっています。お口が整うと姿勢がよくなり、嚥下や呼吸などの不調和が整っていきますから、脳へ好影響を与えます。舌が正しい位置にあり、きちんと機能すれば、いびきや無呼吸症候群なども解消されます。集中力が高まったり、免疫にも良い影響があります。

宇治市 歯医者 snore なかむら歯科医院

問題が大きくなる前なら、装置や期間も最小限で済む。

マウスピースで治療できるので、審美的な負担がほぼありません。ワイヤーに比べると痛みないとは言いませんが、ほぼありません。顎を大きくするという治療でありながらシンプルな治療で達成できます。

子どもの歯並びは様子を見ているだけでは 自然に良くなりません。

成長とともに問題が固定化、悪化していくからです。軽度だったので、成長が終わってから取り組もうとした時、成長と共にどんどん重症化することが多いので、治療期間が延びたり、治療中に不快症状が出たり、抜歯を検討しなくてはならないこともあります。

舌・口唇・頬の筋肉の使い方を治せるのは若いうち

歯並びの悪さは、単なる歯の並びではなく、口呼吸・指しゃぶり・頬杖などの悪習癖が原因になっていることが多いです。成人してからこれらの習癖を治すのはとっても大変です。相当気合いを入れないと、とっても難しいです。三つ子の魂百まで、です。

宇治市 歯医者 playing outside なかむら歯科医院

下顎を拡大させることはできない

成長期の若年者であれば、マウスピースという身体に負荷の少ない材料を用いても、上顎骨を拡大させることがある程度可能です。上顎が大きくならないと下顎は上に顎にブロックされて成長できません。上顎は解剖的な成り立ちから拡大することができますが、下顎はできません。下顎を正しく成長させるためにも上顎骨を正しい成長曲線に戻してあげることが必要です。

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咬んだ時に下の前歯が見えないのは、よくない咬み合わせです。

2026年1月22日

過蓋咬合(かがいこうごう)

宇治市 歯医者 deep bite なかむら歯科医院

このようなかみ合わせを過蓋咬合と言います。奥歯で咬み合わせた時、下の前歯は先端が少し隠れるくらいが普通です。上、下、それぞれの歯並びはガタガタしていなくても、咬み合わせたときに下の前歯が見えない、あるいは半分くらい隠れてしまう咬み合わせを過蓋咬合と言います。正常な前歯のかみ合わせは2~3mm程度の重なりが理想ですが、過蓋咬合では5mm以上、場合によっては下の前歯が見えないほど覆われています。歯並び自体悪くないと問題ないかと思いがちですが、実は身体にとって様々な問題が起こります。

過蓋咬合だと何がよくないのか

様々な問題の原因となります。

顎関節症の原因となります。

宇治市 歯医者 click なかむら歯科医院

下顎の自由な動きが制限されます。深く噛み込んでいることで、下顎が後方に押し込まれる状態になります。下顎が後ろに押し込まれると顎関節に過剰な圧力がかかり、

・顎がカクカク音を立てる(クリック音と言います)

・口が開けづらい

・口を開けると痛みが出る

・頭痛や肩こり、耳鳴りがする

上記のような症状が出ることがあります。関節の後ろに血管や神経が走行していて、関節が後ろに押されると血流の流れが悪くなったり、神経を圧迫します。その状態が続くと顎の関節は段々変形していくので音や痛みが出ます。身体は苦しいので、顎を前に戻そうとします。そのため歯ぎしりや食いしばりを起こします。

歯へのダメージ(歯の摩耗・破折)

宇治市 歯医者 attrition2 なかむら歯科医院

上の前歯が下の前歯に強く当たり続けることで、下の前歯の先端がすり減ります。これを咬耗と言います。削れ方がきついと神経に近い部分まで削れてしまうこともあり、知覚過敏を引き起こします。痛みが出れば虫歯でなくても歯の神経を取らなければならないこともあります。歯が欠けたり、破折の原因になります。顎が奥に下がっているので、奥歯にも噛む力がかなりかかるので、奥歯も欠けたり、割れたり、被せ物が取れやすくなったりします。歯周病と併発すると、力がかかって揺れやすくなって、グラグラし始めると揺れが止まることがありません。

舌のスペースが狭くなる(口腔容積の減少)

過蓋咬合では、上下の歯が深く噛み合いますから、口の中の空間が狭くなります。立方体をイメージしてください。底辺の面積は同じでも、高さが倍になると、容積も倍になります。逆に言うと過蓋咬合によって容積が半分になると、口の中に収まっている舌の収まるスペースが半分になります。舌の居場所がなくなると、舌は下に落ち込むか、さらに奥に引っ込みます。舌を動かすスペースが小さいので舌の筋力が低下します。機能も低下します。そのため滑舌が悪くなる、飲み込みづらいなどの症状を引き起こすことがあります。舌の動きが悪くなることで、歯並びが悪くなることがあります。顕著なのが子供です。舌が奥に行くことで気道が狭くなるので、鼻呼吸がしづらくなり口呼吸になりやすい傾向にあります。それは睡眠時無呼吸症候群のリスクが上昇することも意味します。

特に子供の過蓋咬合はいけません。

これまで述べたように、過蓋咬合はよくない咬み合わせです。乳歯の時に過蓋咬合であれば、生涯過蓋咬合であることがほとんどです。小さいときに歯並びがキチキチで過蓋咬合であれば、それは上顎の劣成長です。正しく成長していない、ということです。本来子供はすきっぱでなければなりません。乳歯より大きな永久歯が生えてくるからです。成長して大きくなったら空いてくるだろう、と思いがちですがそうはなりません。舌が正しく機能していないからです。舌の機能が働かないと上顎が大きくなれません。舌の機能の獲得は、哺乳の仕方、期間により獲得されます。哺乳の結果が舌の機能に影響を表しています。離乳食の与え方も影響があります。

過蓋咬合だと舌の機能が育たない

先程述べたように、過蓋咬合だと、舌が収まるスペースが物理的に狭くなります。舌を挙上する必要がない、動かす必要がない、ので当然機能が落ちます。使わない筋肉は使いません。舌は安静時(何もしてない時)に上顎に軽く触れている状態が正常です。しかし、過蓋咬合では 舌が上に持ち上がらない(持ち上げる必要がない)ため、舌が下がった位置にとどまりやすくなります。これを低位舌と言います。舌の筋活動が少なくなり、本来の機能(咀嚼・嚥下・発音・姿勢維持など)を発達させにくくなります。

舌機能の未発達が引き起こす問題

宇治市 歯医者 open mouth なかむら歯科医院

舌が下がることで気道が狭くなり、鼻呼吸が妨げられる。口呼吸やいびき・無呼吸傾向になります。鼻が詰まっているためにやむを得ず口呼吸していることもありますが、口ポカンの大きな原因でもあります。舌は全身のバランスをとっていると言われています。そのため、舌の位置異常により、頭の重心・頸部筋の緊張バランスが崩れますから首の前傾、いわゆる猫背になりやすいです。舌が上顎に持ち上がらないと舌が正しい位置に置けず、空気が漏れてしまい、サ行・タ行などが発音できない構音障害を起こす遠因ともなります。唇・頬・舌の均衡の取れた位置に歯が並ぶのですが、舌の力がないと歯列を押し広げられなくて歯並びガタガタや不正咬合の原因となります。

過蓋咬合は歯並びだけの問題ではない

宇治市 歯医者 development なかむら歯科医院

舌・呼吸・姿勢・顔貌・全身機能に悪影響を及ぼす全身問題といえます。前歯のかぶさりを浅くして、舌のスペースを確保できれば舌が正しい位置に戻ります。正しい舌位になることで、呼吸や嚥下の機能が整いますから、上顎を大きくすることを考えましょう。上顎は10歳までにほとんど成長を終えます。下顎はその後に成長のピークを迎えます。上顎が正しく大きく成長しないと、下顎も基本的にはそれに合った成長しません。ですから、遅くても10歳までに治療に取り組むことをお勧めします。過蓋咬合は上顎の劣成長であることが多いです。話は少し変わりますが、小さい時期の受け口も、上顎の劣成長が原因です。これも舌が上顎に付かず、内側から外に向かって拡げる力がない舌の機能不足によるものだと考えています。小さい時期に舌を機能回復させるにはまず器から大きくし、その上で舌の筋肉の使い方を覚えなければなりません。ですから咬み合わせの後戻りを防ぎ、機能的に安定した咬合が得るためには舌のトレーニングを平行して行うことが必要です。

過蓋咬合の治療

子ども

成長という武器があります。上顎を大きく成長させて後から成長する下顎が前方に成長しやすい環境を整えます。そうすることで前歯の深い噛み込みが改善されます。合わせて舌・唇・頬の筋肉の使い方をトレーニングし、舌や唇の使い方を覚え、低位舌・口呼吸・飲み込み癖などを改善します。マウスピース矯正で成長を使って治療していくとよいでしょう。

宇治市 歯医者 aligner  なかむら歯科医院

大人

下顎が後ろにいって、奥歯の咬み合わせが低くなっていることが多いです。顎関節が変形していたり、顎関節症状があるので、下顎を前に戻すことができれば戻すようにします。マウスピースを装着すると咬み合わの高さが、マウスピースの高さだけ高くなります。咬み合わせの高さが挙がると、下顎は前方に誘導されることが多いです。(顎関節の状況にもよりますので、そうならないこともあります。)下顎が前に出れば、奥歯が空きますからその部分を埋めるように、矯正治療か被せ物で噛ませるようにします。下顎が前にでれば、前から見ると下の前歯が見えるようになります。そうして口腔内の空間確保します。ただし、上下の顎の骨の大きさがアンバランスだと、顎の前後の問題が解決しても水平的な問題が解決しません。成長がないので上顎を大きくすることは難しいです。

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マウスピースで矯正って、どう治療するの?

2026年1月15日

マウスピースで歯は動くの?

マウスピース矯正、昨今よく聞きますよね。マウスピース付けておくだけで歯が動くって本当?って思いますよね。でも動くんです。でもマウスピース一つ作って、それだけを付けておくいても歯は動きません。今回はマウスピース矯正に係る素朴な疑問について述べていきたいと思います。

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型取りして歯に合った1枚のマウスピースだけでは終わりません。

マウスピース矯正は歯を動かす計画を、レントゲンやCT、口腔内写真、顔貌写真などを元に作成し、それに沿って、マウスピースを交換していく必要があります。1枚で歯が0.2~0.25mmほど動くよう設計されており、1枚ずつ交換しながら治療のゴールへ少しづつ動かしていくのです。その枚数は歯並びや噛み合わせによって異なります。短期間で終わる人、長期間かかる人それぞれです。

付けたり、付けなかったり、では動かない。

マウスピース矯正では1日22時間以上の装着が必要です。22時間装着しても2時間分元に戻ろうと動きますから、20時間分しか動きません。8時間外していると、24―8=16。16時間分動いて8時間分戻ろうとします。(針金の矯正は外せません。24時間まるまる矯正力が働きます。)装着時間が足りないと、歯が設計通りに動かないだけでなく、次のマウスピースが合わなくなります。治療期間が長くなるだけでなく良い結果が得られなくなります。寝るときだけ、とか家にいる時だけ、では効果が発揮できません。

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食事のときは外します。

マウスピース矯正では、顎の位置を変える時に用いるソリューションが付随したマウスピース以外、食事の時はマウスピースを外します。もちろん歯ブラシの時も外します。着けっぱなしではありません。飲み物も、水以外は外します。お茶もマウスピースに茶渋が付着しますから、基本的に外します。糖類が入っているものなら虫歯の原因になりますから、外して摂取してブラッシング後装着していただきます。

マウスピース矯正でも抜歯が必要なケースはあります。

マウスピース矯正だと重度のガタガタでも非抜歯で治療できる、という認識は誤りです。骨格性の問題があったり、歯の生えている方向、顎の大きさなど、マウスピース矯正単独では難しい症例があります。精密な診断してからになりますが、治療計画や装置の工夫次第で広い範囲に対応可能です。どんな症例でもマウスピースで治せる、と思っている方は多いですが、抜歯を伴う治療計画が組まれることもあります。

歯を少し削ることがあります。

成長が終わっていると、顎は大きくなりません。決まった顎の大きさの中で歯を並べていくことになります。歯を並べるのにスペースが不足している場合、そのスペースを確保する一つが抜歯です。でも抜歯で得られるスペースは多すぎる。そんな時は歯の幅を少しづつ削ることがあります。被せ物や詰め物であればそれを第一候補にします。なければ天然の歯を少し削合することがあります。歯と歯の間を最大1か所0.5㎜エナメル質内で削合します。日本人の平均の幅や左右の大きさを元に場所や削合量を決めます。歯のバランスを考えて整えます。麻酔が必要となるほど削ることはありません。安全性も確立されています。(基本的にお子さんは削りません。)

歯の表面に歯と同じ色の白い材料を付けます。

歯の表面に、虫歯を治した後に詰める白い樹脂を設置します。これをアタッチメントと言います。歯の色ですから目立ちません。マウスピースだけでは歯に矯正力が伝わりにくいのです。アタッチメントを付けることで回転や根の移動など、複雑な動きが可能になります。 診断して最適な力が加わるように形、方向、大きさは1歯づつ異なります。治療後には削って取り外します。アタッチメント設置において歯を削ることはありません。(金属部分削合します。)アタッチメントを取り除く時は特殊なライトを使って歯と材料の違いを鮮明にして材料だけを取り除きます。自分の歯を削ることはありませんのでご安心ください。

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ワイヤー矯正より痛みは少ない

マウスピース矯正では5~7日毎にマウスピースを交換していきます。1枚のマウスピースで歯が0.2~0.25mmほど動くように設計しています。歯を動かそうとしていますからやっぱり軽度の痛みや違和感があります。あまり感じない方もあります。ただしワイヤー矯正よりも痛みは少ないと感じる方が多いです。それは少しづつ動かしているからです。ワイヤーは交換ごとに力が比較的一気に力がかかる傾向にあるので、交換してしばらくの間痛みの出る傾向にあります。

最初の治療計画ですべて終わることは少ない。修正が必要なことが多い。

装着時間、歯の動きの個人差、顎の位置の改善など、治療計画と実際の歯の動きにズレが出たり、別の問題が見つかった場合は、治療目標に向けて改めて治療計画を修正します。元々の歯並びや噛み合わせに多くの問題が内在している場合、一気にすべて改善出来ないので治療目標を分割し、一つの問題が解決したら次の問題に取り掛かる、ということをしていきます。問題が少なければ早く終わりますし多ければ治療期間も長くなります。ステップ毎の治療になると思っていてください。

宇治市 歯医者 treatment plan なかむら歯科医院

治療後もしばらく装置を使う必要がある

がんばって治療を終了してマウスピースとおさらば、と思われるでしょうが、矯正治療後は、必ず保定装置(リテーナー)を装着する期間が必要です。元の位置に歯は戻ろうとするからです。リテーナーを使わないと歯が後戻りしてしまいます。せっかく頑張って整えた歯並びをキープするための最後の仕上げ、ですね。期間は歯を動かした期間と同じです。できればその期間を過ぎても、就寝時だけ使用していただくのがベストです。

唇や舌の筋トレが必要なこともある

お子さんの場合、口ポカンや口呼吸の問題も持っている方があります。マウスピース矯正で歯並びや噛み合わせが良くなってもこれらが原因で崩れていくことがあります。そのためマウスピース矯正と並行して筋機能療法に取り組んでもらわないといけないことがあります。

マウスピース矯正のメリット、デメリット

アタッチメントを設置した上で、マウスピース全体で歯に力をかけます。1枚のアライナーで動く歯は約 0.25mm。きちんと装着時間を守っていただければ5~7日間で次のアライナーに交換します。1枚で動かす量が少ないので矯正力はワイヤーより弱いので痛みは比較的少ないです。透明で目立たず、取り外して食事や歯ブラシをしていただきます。取り外せるので、きちんとコンプライアンスを守っていただけないと治療効果が得られません。

ワイヤー矯正のメリット、デメリット

歯の表面にワイヤーを通すブラケットを設置し、ワイヤーで歯に力をかけます。ワイヤーの形状、太さ、硬さを変更、交換して歯に力をかけます。ブラケットの位置、方向とワイヤーの性状で歯を動かしていきます。ワイヤーを交換すると交換初期に急激な力が強めに加わることもあるので、それが痛みとなって表れることがあります。ワイヤーが見えやすく、歯磨きが難しいこともあるので、適切なブラッシングが出来ないと虫歯ができていることがあります。自分で脱着できないため、24時間力をかけ続けることができます。

ワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも同じ生体の仕組みを利用しています。

マウスピースでも十分に歯は動きますし、対応症例もほぼ同じくらいになってきています。マウスピース矯正はワイヤー矯正よりも計画的、段階的にコントロールしやすいというメリットがある反面、装着時間の自己管理が必要などのデメリットもあります。その特性を考えて選択されるとよいでしょう。

宇治市 歯医者 wire plate なかむら歯科医院

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永久歯の数が足らない時はどうすればよいか

2026年1月8日

永久歯の数が足らない、と聞いたらビックリしますよね。

乳歯が抜けてしばらく経つのに永久歯が生えてこないとか、学校検診で指摘されて永久歯の数が足りない先天性欠如を知ることになって受診されることも少なくありません。先天性欠損は、遺伝的要因が主な原因とされていますが、環境的な要因や全身疾患、発生過程の異常も関係していると言われています。先天性欠如の約70〜80%は遺伝的背景があるとされています。家族にも歯の欠損があるケースが多く、常染色体優性遺伝が関与するともいわれます。特に上顎、下顎の第二小臼歯や上顎側切歯の先天欠如は、遺伝性が強い傾向があります。永久歯の先天欠如の頻度は日本人で約7%前後らしいです。

宇治市 歯医者 panorama なかむら歯科医院

発生過程での異常(歯胚形成の失敗)

歯は胎児期に歯胚(歯の芽)から発生しますが、この歯胚が形成されない、あるいは途中で消失することで、永久歯が作られなくなります。歯胚の形成は胎生6〜10週に起こるため、この時期の異常(栄養不足、薬剤、感染など)も影響する可能性があります。まれに、母胎の病気(風疹や栄養不良)、特定の薬剤の使用などの要因で歯胚の形成や発育が阻害されることもあります。

多数の永久歯の欠損もある

複数歯の欠如(6歯以上)や全欠如(無歯症)は、遺伝症候群の一部症状として現れることがあります。外胚葉異形成症、Down症候群、クルーゾン症候群、ゴールデンハー症候群など

乳歯はあるのに永久歯だけ欠如するのはなぜ?

乳歯と永久歯の歯胚は別々に形成されるため、乳歯が正常に生えていても、永久歯胚が作られていないことがあります。特に第二小臼歯や上顎側切歯は、進化的に退化傾向にあるとされ、永久歯が欠如しやすい部位になります。

先天欠損があるとどんな影響があるのか

先天的に1~2歯の永久歯が欠損している子どもにおいては、乳歯が抜けてしまう時期、欠損の部位や数、周囲の歯の状態、咬合関係によって、顎の成長に次のような影響が出る可能性があります。

噛む力のバランスが崩れ、顎の成長が左右非対称になる可能性がある

後から生えてくる永久歯のない乳歯が抜けてしまうと、歯の並びに空隙が出来てしまいます。そちら側では噛めないので、反対側ばかりで咀嚼する癖がつき、顎の左右の筋肉の発達に差が生じやすくなります。これにより、顎の偏位(非対称)が起こることもあります。また前後の隣接歯が倒れこんだり、噛み合わせの反対の歯が少しづつ伸びてきて咬みにくくなります。結果として、上下的な顎の成長がアンバランスになります。

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永久歯の欠如により乳歯が長く残る

交換する下顎小臼歯がない乳歯は歯の根が吸収されないので、長く機能し続ける傾向にあります。永久歯の萌出する力で上下方向に顎は成長していくのですが、乳歯のままだと萌出する力がないので高さが確保されません。咬みあわせが低くなり、下顔面の垂直的成長が抑制されることもあります。顎側切歯の先天欠如 があると前歯に隙間ができ、前歯の真ん中と顔の真ん中が合わなかったりするので。顔貌の非対称が起きたりします。

多数の先天欠損がある場合

5〜6歯の永久歯の先天欠如(中等度の先天性欠如)になると、これまで述べてきたことがすべて起きうる可能性が高くなります。乳歯が残っていてくれたら良いのですが、比較的早期に抜けてしまうと成長が終わってから欠損部位を補うのではなく、成長期から顎の発育誘導、咬合育成、歯列形成、審美・補綴などの長期に渡る治療が必要になります。

早期からの対応とフォローアップが重要

先天欠損歯があっても、早期から咬合誘導や矯正治療を行うことで顎の成長を良い方向に導くことは可能です。成長の観察と適切な時期に補綴スペースの確保、空隙の閉鎖を行い、成長終了後の補綴やインプラントが行いやすい環境を整えておくことが重要です。

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部位別永久歯先天欠如の治療方針

哺乳や離乳の時に適切な負荷をかけて口の機能を獲得できているのが条件にはなりますが、顎は親知らずを除き、永久歯の数に合っただけしか大きくなれません。口ポカンは口の機能が獲得できていないので顎は適切な大きさに成長出来ませんから、歯並びはよくないです。先天欠損があれば数が少ない分だけ顎は大きくなれません。

上顎側切歯(上顎の2番目の前歯)

頻度が高い先天欠如部位です。審美的・機能的影響が大きいため、特に早期から治療に取り組む必要があります。上顎の成長は10歳がピークです。ピークを越えると顎は大きくなれません。本来永久歯萌出してくる部分に成長後、インプラントできるだけのスペースを確保しなければなりません。上顎骨の成長時期に矯正治療でスペース確保しなければなりません。成長が終わるまでインプラントはできませんので長期的な管理が必要になります。それまでは矯正の保定装置をしようしていただき、空隙が目立たないようにします。

下顎第二小臼歯(下の奥から3番目)

非常に多い欠損部位です。奥歯なので噛み合わせと骨格に大きな影響を及ぼします。基本的に第二乳臼歯を長期保存します。        永久歯ではないため、将来的な補綴が必要になることが多いです。本来生えてくる永久歯の幅に形態修正することもあります。その乳歯が抜けてしまったら、成長後にインプラントで補綴できるようにスペースを確保するようにします。成長終了までは矯正の保定装置をしようしていただき、空隙が狭くならないようにします。

上顎第二小臼歯(上の奥から3番目)

下顎の同じ歯に比べて欠如頻度は低いが、同様の処置が必要です。基本的には下顎第二小臼歯と同じ対応になります。

下顎側切歯(下の2番目の前歯)

比較的稀だが、左右非対称な咬合になりやすいです。歯の幅は比較的小さいので隣接歯を移動して空いているスペースを閉鎖することが多いです。逆に本来の永久歯の萌出するスペースを、成長が終わるまで保持して、成長後に補綴することもあります。

矯正治療と補綴治療の連携

本来成長するだけの大きさにしたいのでスペースを確保します。永久歯列が完成し成長が終わってから(女子16歳〜、男子18歳〜)インプラント治療するのがベターです。ブリッジも検討する補綴方法ですが、人生の長さを考えると歯を大きく削合することを若年のうちに行うことは悪手だと私は考えます。(下顎前歯に限っては接着性ブリッジという選択肢はアリです。削合量がかなり少ないからです。他の部位への使用は脱落の可能性が高くなるからです。)

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中等度先天性欠如(5~6歯欠如)の治療方針

今まで述べたすべてを行うことになると考えられます。欠損歯が多いと顎の発育が不十分になりますから、本来なるべき顎の大きさまで成長させなければなりません。欠損部のスペースを確保し、欠損部を成長後にインプラントで補綴するという最終目標になります。長期にわたる治療となります。上顎の成長は10歳がピークです。それまでに取り組み、インプラントなどによる欠損部の修復まで7〜10年の長期的管理が必要になることも珍しくありません。必要に応じて筋機能療法(MFT)、上顎急速拡大装置など、将来の咬合や顔貌への影響を最小限にするための取り組みもしていかなくてはなりません。

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早期から取り組むことが超重要

1歯の永久歯の先天欠損であっても、これまでお話した通り覚悟と根気が必要になります。顎の成長を促し、長い生涯を健康に過ごすための取り組みだとご理解ください。治療の開始時期は早ければ早いに越したことはありません。

小児マウスピース矯正のページ

予防歯科のページ

痛い時だけ行く歯科医院は、かかりつけ歯科医院ではありません。

2026年1月1日

痛いときだけ行くのは、かかりつけ歯科だから?

痛みがあるので診て欲しい

腫れたので診て欲しい

詰め物が取れたので付けて欲しい

このようなことで歯科医院を受診されるのではないでしょうか?その際に連絡される歯科医院はどちらでしょうか?かかりつけの歯医者だから、ということだと思います。では、かかりつけの歯医者はどういう歯医者かというと、定期的な間隔で受診されて、お口の健康状態に変化がないかを確認し、もし変化があれば悪くなる前に手を打ってくれる医院のことです。(家の近くにあるから)痛くなったり、取れたり外れたりした時だけ行く歯科医院のことはかかりつけの歯科医院とは言いません。それはただの近所の歯医者さんです。その場限りの治療だけ受診されている方に、かかりつけだから来ました、とおっしゃっていただいてもピンとこないのが正直なところです。

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かかりつけ歯科医とは

私の考えるかかりつけとは、あなたのお口の健康を維持するためのパートナーだと思っています。皆さんお口の状態は当然異なります。咬み合わせ、歯並び、顎の大きさ、治療した歯の数と位置、治療材料、習癖、失った歯の数とその位置などなど。歯ブラシが届きにくい場所、歯磨きの仕方や癖、なども違います。ですから、虫歯になりやすいところ、磨きにくい場所、なども人それぞれです。虫歯や歯周病リスクも場所によって高い低いがあります。口腔内のリスク回避をして生涯自分の歯で、不幸にして歯を失っても、今よりもグッと悪くならないようにして最期まで豊かな食生活を送るお手伝いをするのがかかりつけ歯科医だと思っています。それは定期健診を続けていただいた上に成り立つものだとも思っています。

定期的な受診していただいていると、口の中がどうなっているかを想像できる

定期的に受診されている方から偶発的なことが起こったという連絡があった時、お名前だけであそこかな?と推察が付くことがあります。具体的な部位や症状をお聞きできれば電話だけで処置する内容、時間、などを私は瞬時に判断できます。スタッフへの指示も精度高くできます。事前にウィークポイントやリスクを把握できているからです。痛みやトラブルの時だけ治療にお越し方は、その場限りなので拝見してからでないとわからないことがほとんどです。

痛くなったら受診するというスタンスのデメリット

痛みが出た時点で、虫歯や歯周病は中程度~重度に進行していることが多いです。早期なら簡単な処置で済んだものが、神経を取ることになってしまったり、抜歯が必要になったりすることがあります。どの疾患も兆候があってから症状が現れます。当然治療回数、費用も増える傾向があります。歯を失うと、インプラント、入れ歯、ブリッジなどの補綴治療が必要になります。固定式の治療を選択することが出来ないこともあります。そうなると入れ歯の一択です。

詰め物、被せ物が取れた時だけ受診される方

詰め物が取れた、には理由があります。“前も取れたときはまた付けてもらえたから、同じでしょ?痛みもないし。” 行けば元通りになる、と思ってらっしゃると思います。同じ個所が何度も取れるのは何か理由があると思いませんか?取れた=何か問題があるというサインです。接着力が落ちているということは、虫歯、噛み締め、いずれかに問題があるということです。虫歯は当初は無症状で進行します。虫歯があると歯と詰め物との間に隙間が空くので取れます。噛み締めがきついと噛む力によって毎日セメントが少しづつ崩壊して取れます。虫歯があれば虫歯の治療、噛み締めの強い方は咬み締め癖の改善や夜間のマウスピース使用をしなければなりません。根本的な原因があって説明しても、取り合えず付けて欲しいとおっしゃる方も多いです。痛くないから問題ない、健康、と思ってらっしゃるようです。最小限に済ませたいという気持ちはわかりますが、長く歯を持たせることを考えて欲しいと思います。

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この前治療したばっかりだけど、なんで取れるの?どうして痛むの?とおっしゃる方

その場限りの治療を希望される患者さんからよく聞く言葉です。こちらの思うこの前と、患者さんのこの前は大きくズレているように思うことがよくあります。実感として、患者さん側の、この前やってもらった歯は、1年前~5年です。こちらとしては1~2か月がこの前、という感覚です。年を重ねていくと、半年や1年がつい最近と感じられるようになるのでやむを得ないところです。定期的にお越しの方はそうではありませんが、不具合が生じた時だけお越しの方は通院が少ないので1回だけ治療しただけでも、この前治した、として印象に残り、記憶されているようです。数年経っていれば材料の劣化や虫歯の可能性もありますよね?

前と同じにして欲しい、とおっしゃる方

この前は何年かもったから同じようにして欲しい、とおっしゃる方も多くいらっしゃいます。患者さんはご自分の身体に変化がないと思っているようです。数年前と今とでは、お口の中の環境も、歯ぐきの状態も、噛み合わせも少しずつ変わっています。特に歯のすり減りや歯列の変化は必ず変わっています。だから、前と全く同じ条件ではありません。前回長持ちしたのは、様々な条件が良かったからかもしれません。お口の中は日々変わっています。永久的なものはひとつもありません。前は数年もったから今回も同じようにもつはず、と思い込まないようになさってください。治療した何年か前と今の口腔内環境は全然違います。

かかりつけ歯科医で定期的な受診をするメリット

治療の履歴を把握しているので、歯の治療だけでなく、噛み合わせ、歯並び、生活習慣まで口腔の健康管理をサポートできます。痛くならないように支え、それでも起きてしまう事象に対応できることです。自分に合った「かかりつけ歯科医」を選んでください。チェックポイントを挙げるので参考にしてください。

定期検診や予防処置を重視しているか

丁寧にわかりやすく説明してくれるか

話をしっかり聞いてくれるか

記録や経過観察をきちんとしているか

衛生士、スタッフとの連携が取れ、処置や説明が的確かどうか

院内が清潔で、感染対策が徹底されているか

忙しくても定期的に通いやすい場所か

患者本位の提案があるかどうか

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定期健診にいかない理由

痛くなければ行く必要はないと思っている

歯医者は治す場所と思っている

過去に定期通院したが効果を実感できなかった

今は困ってないのにお金を払うのがもったいないと感じる

仕事が忙しくて通う時間がない

介護や子育てで時間に余裕がない

歯科治療への恐怖心・苦手意識がある(例:麻酔、キーンという音、過去の痛い記憶)

歯科医院の雰囲気(におい、音、閉鎖的な空間)が苦手

スタッフとの相性が悪かったことがある

悪いところを指摘されたくない(怒られる、恥ずかしい)

自分の口の中の状態を知るのが怖い

行こうと思っているけど後回しにしている

歯が少なかったり、入れ歯を入れているから今さら予防?

歯周病が進んでいて、治らないなら行っても無駄

自分の歯は弱いから…とあきらめている

歯のケアは自宅の歯みがきだけで十分と思っている

自分は歯が丈夫と思っている

失ってからではもう遅い

通わない理由はいくらでもあります。それでも定期健診を続けていくメリットの方が多いです。歯を失った患者さんからよく聞く言葉に、前から来ていれば良かった、です。歯科大学では1本の経済価値は150万相当と教えているそうです。自分にあったかかりつけの歯科医院を見つけて、最期まで笑ってしっかり食事できるようにお口の健康を保ってください。院長含めたスタッフ、医院のカラーとの相性というのはあります。相性の良くないところにはなかなか通いづらいですよね。“その時だけ”治療に通われている方は是非どちらでもよいので自分に合う、かかりつけ歯科医院を見つけて定期健診をルーティンにしてください。

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予防歯科のページ

なぜ若年者の抜歯を避けて当院では矯正治療するのか?

2025年12月25日

身体の成長と調和を守るため

成長期(特に12歳前後〜中学生)は、顎の骨がまだ発育段階にあり、適切なタイミングでの機能的アプローチにより歯列や顎の成長を誘導できる可能性があります。早期に抜歯をすると、本来可能だった骨の大きさになりません。歯の数に合った大きさにしかならないのです。上顎の成長は10歳までにほぼ終わってしまうのですが、18歳までなら狭い顎を適正な大きさに拡大誘導できる可能性が残っているのです。もちろん6〜9歳ごろからの矯正治療ができていれば、歯列の乱れを未然に防げて抜歯の必要性はかなり減らすことができます。

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歯は臓器の一部

抜歯は不可逆的な処置であり、成長や将来の変化に対応できないというリスクが伴います。小臼歯の抜歯は、口元が引っ込み過ぎてしまう(フラットフェイス)原因になったり、顎の大きさが小さくなって気道容積が減少して睡眠時無呼吸症のリスクを高める可能性が指摘されています。成長が終わり、どうしても抜歯をしないとスペースが確保できなかったり、噛み合わせに不備が生じてしまう、という診断になってようやく抜歯を選択する、というスタンスを当院ではとっています。何が何でも抜歯をしない、ということではありませんが、若年者はまず抜歯をしません。治療後半になって下顎の前方への成長が見込めない、と確定した時にようやく抜歯を検討します。まず歯の保存を前提とした治療計画を立てるのが大原則です。

抜歯が必要になる場合は?

もちろん、すべての症例で非抜歯が可能とは限りません。以下のような場合は、抜歯が必要になることもあります。

1,著しい叢生(スペース不足が10mm以上)

成人でも、上顎を側方に拡げる装置を用いることによってスペース不足を解消できる可能性があります。完全に骨化している場合は抜歯になります。若年者であればマウスピース矯正を使うことで上顎を拡大できます。まだ骨が完全に固まっていないのが、その理由です。でもできれば中学生までに取り組みたいところです。

2,顎の成長が終了しており、拡大・誘導が見込めない成人症例

特に男性で30歳を越えると拡大はほぼ不可能で、抜歯を選択することになります。女性の場合は40代でも可能性はあります。少し外科処置が必要になります。

3,骨格性の上下顎前突や過蓋咬合で、口元の突出感が強い場合

骨格性の受け口は、歯だけでなく、その部分の一部の骨含めて取り除き咬み合わせを治すことがあります。外科的矯正と呼ばれ、成長の終わった頃に治療します。下の前歯が、噛み込むと見えない過蓋咬合は、下顎を前に誘導することで抜歯を避けることができることがあります。ただし横から見てほとんど顎先が首と一体化している場合では、下顎を前に誘導すると同時に上顎の歯を抜歯して上の前歯を下げる必要があります。開咬の治療も、下顎が後ろに引っ込んでいることが多くありますから、下顎を正しい位置に導くことで、歯を抜かずに済むかもしれません。難しいと言われる開咬治療が、あごが自然な位置に戻ることで、歯を抜かずに済むことがあります。

開咬と顎関節の深い関係

奥歯で噛んでいても、前歯が上下で当たらずにすき間ができている状態のことを開咬と言います。

前歯で食べ物がうまく噛み切れない、

発音が不明瞭になりやすい、

口がいつも開いていて口呼吸になっている

という状態です。上下の歯がしっかり噛み合わないため、下あごの位置が不安定になりがちです。そのため顎が後ろにずれやすくなって顎関節に圧がかかり、顎関節にズレが生じ、カクカク音、違和感が出やすいくなります。慢性的な顎のだるさ、肩こり、頭痛につながることもあります。このように見た目が悪いとか、噛み切りにくいというだけでなく、顎関節に負担がかかっていることが多いのです。

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マウスピース矯正が開咬治療にやさしい理由

マウスピース矯正なら、顎関節にもやさしくアプローチしながら矯正治療できます。その理由は

かみ合わせの高さ”を少しずつコントロールできる

マウスピースは全体的に少し厚みがあるので、かみ合わせを少しずつ持ち上げます。マウスピースを装着することで、奥歯ばかりにかかっていた咬合圧を分散でき、あごが楽になります。

あごの位置が自然に“前に戻りやすく”なる

顎関節が圧迫されていた人は、マウスピースによって少しずつ前方・下方にあごが導かれる傾向があります。これは、顎関節が本来の位置に向かって動きやすくなるからです。結果として、後ろに押し込められていた顎関節が前に出ることで楽になって、カクっという音が減ったり、顎が動かしやすくなるなどの変化が見られることもあります。

取り外せるので、筋肉・呼吸のトレーニングと併用しやすい

舌の位置や呼吸、舌の癖、良くない姿勢も開咬の原因になります。それらのトレーニングと並行してマウスピース矯正を行うので、根本的な改善につながりやすいのです。正しくなった位置にあわせて良くない習慣を取り除く、といったイメージです。

歯を動かすよりも顎の位置が変わる方が、実は大きな変化を生む

歯並びがガタガタになっているとスペースが足りないから、歯を抜いて並べましょう、と言われることがあります。でも、実は歯の並ぶスペースは、顎の位置やバランスによって変わることをご存じですか。1本1本の歯を少しずつ動かすのはとても大変ですが、下顎ごと前に動けば、一瞬で大きく動きます。歯を動かすことに変わりはありません。顎の位置やバランスをまず正しく導くことをしてから歯を動かすことを考えれば、歯をたくさん、いっぱい動かす必要が減ります。

余計な移動を少なく済ませる

抜歯を避ける

当院では歯を最小限の移動にして最大限の効果を出す治療を目指しています。最小限の移動は、治療期間の短縮にもなります。そのため十分な診査診断を行います。ただし身体に取ってベストな位置を求めるために、時間はかかってもやらなければならない歯の動きは必ずあります。時間がかかっているのはそのためだとご理解ください。

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どうして下顎が前に出ることがいいの?

下顎が前にくると、顎関節の動きがスムーズになることで、口腔全体のバランスが整います、上顎が劣成長だと、下顎は上顎より前に出れませんから、下顎は本来あるべき位置よりも後方に押し込まれています。そうすると気道は狭くなります。酸素を多く取り入れるために姿勢を前傾にしたり、口呼吸する、ということになります。睡眠時無呼吸症候群の原因にもなります。また顎関節の後ろを走行する、脳への血管を下顎が後ろにあることで圧迫しているのですが、それが開放されます。脳にとっても良くなります。下顎を本来あるべき位置に戻すことが大切で、そのために上顎が大きくならないといけません。片方だけの治療ではなく上下一対の治療が必要なのはそういったことなのです。

抜かずに残して治療することができれば、それがいちばん自然で価値のあること。

今まで述べてきたように顎の位置を考えた治療を考えていけば抜歯しなくても済むかもしれないということです。下顎が正しい位置にくると、口全体が本来の大きさを取り戻し、歯がきれいに並ぶスペースができる可能性があります。マウスピース矯正などを活用して顎の関節・筋肉・姿勢・呼吸もふくめた全体を見ながら将来的にも健康で美しい歯並びを考えた治療を目指しています。歯が並ばないから抜く、その前に顎の位置は正しいかどうかを是非聞いてみてください。

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腫れた時、すぐに処置できないことが多いのです。まずは消炎処置から。

2025年12月18日

腫れている時に出来ることは限られる

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急なご連絡をいただくことがあります。出物腫れものところ選ばず、とはよく言ったもので、いつでも皆さんに起こる可能性があります。特殊な原因もありますがメジャーな原因についてお話したいと思います。ただ口の中が腫れているとき、まず炎症を抑えることが最優先になります。ですから根本的な処置はすぐに取り掛かれず、投薬や切開といった処置になります。急なご連絡でちゃんと処置して欲しいとおっしゃる方もいらっしゃいますが取り掛かれない理由があるのです。

なぜまず炎症を抑えるのか

腫れている状態(炎症性腫脹)では、以下に述べる様々なリスクがあるため、すぐに本格的な処置つまり抜歯や根管治療などを行うことは避けることが多いのです。

麻酔が効きにくい

一番の大きな理由は、炎症の起きている部位は酸性に傾いており、局所麻酔薬がうまく作用しないため、麻酔をしたとしても処置の時に強い痛みを伴うことが極めて多いからです。

出血が多く、術者の視野が悪い

もし処置ができたとしても、炎症による血流増加で治療の精度が落ちて、できることが限られます。

感染の拡大リスク

炎症が強い時に無理に処置をすると、感染が深部や隣接組織に広がり蜂窩織炎という広範囲に炎症の拡がる状態に可能性があります。

治癒が悪くなる

強い炎症状態での外科処置は、治癒が遅れたり、予後が悪くなる傾向にあります。

炎症をどうやって抑えるか

腫れているので痛み止めを飲んでいる。でも薬が効かない、という連絡があります。痛み止めは痛みを一時的に抑えますが、炎症を引かせる効果は極めて限定的です。根本の原因である炎症を抑えないと痛みは引きません。

抗菌薬(抗生物質)の投与

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炎症を抑えるには抗炎症薬の服用、いわゆる抗生物質を服用します。よく聞く言葉だとペニシリンです。人によってはまれにペニシリンアレルギーが出現することがあるので、種類の違う抗菌薬を選択しなければならないこともあります。それまでに薬のアレルギーのある方は申し出ください。

切開

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腫れの内部に膿がたまっていて、指で触れると膿を触知できる場合は、切開して排膿させます。切開、排膿は、麻酔を使用して切開を行いますが、炎症の起きている場合、麻酔は効きづらいです。それでも歯茎の表面に少し麻酔をして切開し、膿を外に出します。排膿後に抗生物質と鎮痛剤でコントロールします。

点滴

歯茎のずっと深部に膿が溜まっている時は切開しても効果を得られません。顔を見て明らかに腫れているけれど切開の適応でない場合、口腔外科にて点滴ということもあります。服薬では、血中の抗炎症剤の濃度が上がり、効果が現れるまで半日から1日かかります。点滴であればダイレクトに血中の濃度が上がりますから、薬の効きが早いのです。

冷却(初期の腫脹なら)

服薬と同時に、ご家庭で補助的に冷やしてもらうことがあります。顎の外側から冷たいタオルや保冷剤で軽く冷やす。過度に冷やしすぎないことがポイントです。特に急性化膿性炎症では冷却が症状緩和に役立ちます

いつから本格的に治療ができるのか?

通常、腫れや痛みが治まり始めるまでに1〜3日ほど抗菌薬を投与します。長い方だと1週間以上かかることもあります。症状が改善し始めたら、本来の原因に対して処置を行います。腫れ・痛みが軽減は人によって違います。腫れている時期に、処置までして欲しいと、しかも急に訴えられても、お受けできないのはこういった理由なのです。

腫れの原因はいろいろあります。

歯の根の先の感染

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虫歯の進行で歯の根元や歯茎が腫れます。歯の根の付け根あたりを押すと痛い、歯が浮いているような感じで噛むと痛みがあります。

虫歯(う蝕)から腫れることがある。

虫歯が進行してそのままにしていると、歯髄、いわゆる歯の神経に到達すると、歯髄炎(しずいえん)が起こります。そのままにして放置されると、血流が遮断されて歯髄がダメになってしまいます。ダメになった歯髄組織に口腔内の細菌が入り込み、歯の内部(根管)で細菌感染が進行し、細菌や毒素(エンドトキシン)が、根管の先端(根尖)から外、つまり下顎の中に漏れ出します。炎症が歯の中だけでなく、根の先の歯槽骨に炎症が起こるのです。そこに膿が溜まるので腫れるのです。

神経が取ってある歯も腫れることがある。

神経を取った歯の内部は一時的に空洞になりますが、最終的に生体に為害性の無い材料で密閉します。しかしながら唾液の中に含まれている細菌が根管内に侵入すると、根の先に感染(根尖性歯周炎)が起こり、膿が溜まって歯ぐきが腫れます。膿の出口として瘻孔、おできのようなものが現れることもあります。どうして唾液の中の細菌が根管内に侵入するかといえば、虫歯になっている可能性が高いのです。神経が取ってあるからといって虫歯にならないということはありません。神経があれば滲みるなどの症状がありますが、歯の神経がなければ痛くありません。前駆症状がなくても腫れることがあります。

顔まで腫れることもある

膿が溜まると、顔を見て左右差が分かるくらい腫れることがあります。上顎前歯では鼻の下が腫れます。上の奥歯だと目が開けづらくなるくらい腫れることもあります。下顎臼歯部が腫れると顎下部に腫れが大きく広がることもあります。

虫歯治療のページ

歯根にヒビや破折がある

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神経のない歯は時間とともにもろくなり、ヒビが入ったり、縦に割れてしまうことがあります。歯のヒビは見た目やレントゲンではわからないことが多々あります。その割れたり、ヒビの入っている部分から細菌感染して腫れる原因となります。歯の神経を取ってから時間が経てば経つほど歯は脆くなっていきます。木の枝も折れてから時間が経てば、水分が抜けて折れやすくなりますよね。イメージはそんな感じです。歯根破折の場合、それを引っ付けることはできませんので基本的に抜歯となります。噛み締めのきつい方、前歯があまり噛んでいない噛み合わせの方は歯が割れるリスクがかなり高いです。

歯周病によって歯茎が腫れる

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歯みがきが十分でないと、最近のかたまりのプラークが歯と歯茎の間や歯と歯の間にたまります。そうすると歯茎に炎症を起こし、炎症が歯の根のまわりの歯周組織に波及し、歯を支える骨が溶けます。歯茎にも炎症が起こっているので歯茎が腫れます。腫れた歯肉と歯との隙間に膿がたまりやすくなり、歯茎が腫れます。ひどいときには、顔まで腫れることがあります。いや、歯磨きは一日三回してる、とおっしゃる方もいます。磨いてはいると思いますが、歯垢をきちんと取れるように磨けていますか?歯間ブラシやフロスを使ってケアしていますか?磨いているのと磨けているのは違います。時間は関係ありません。歯垢を除去しきれているかが大切なことです。

歯周病治療のページ

インプラント周囲炎

インプラント周囲炎は、インプラントの周囲の骨や歯茎に炎症が起こり、骨が吸収される疾患です。簡単に言えばインプラントの歯周病です。天然歯と同様、プラークを除去しきれない口腔内清掃不良によって起こります。それだけでなく、強い食いしばりや咬合力の過負荷もインプラント周囲炎の原因になります。天然の歯以上に手を掛けてメンテナンスしなければなりませんが、残念ながらインプラントの最終の被せ物が入ったらそれで治療は終わったと考える方がほとんどです。時間と費用をかけたのに。長持ちさせたいと思ってもらいたいです。

インプラント治療のページ

親知らず周囲の炎症(智歯周囲炎)

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親知らずは、奥にあって、萌出するにはスペースが足りないことが多く、斜めに生えたり、少しだけ頭を出して歯茎の中に一部だけ見えていたりします。その見えている部分と歯茎の間に、汚れがたまりやすく、取り除きにくいので、炎症を起こしやすい状況にあります。普段は問題ないですが、体の抵抗力が弱ったり、小さな磨き傷などがきっかけで、のどや頬まで腫れることもあります。

親知らずのページ

義歯の傷

義歯のあたりが強いと歯茎が傷ついて、腫れることがあります。我慢せずに調整すれば大きく腫れるようなことはありません。

腫れた時は、まず腫れを引かせるための消炎処置になります。治療は炎症が収まってから。

根本的な処置は、炎症が収まってからになります。きつい腫れの時は口腔外科で治療を行ってもらうこともよくあります。消炎後、抜歯になることもあります。今回記載した原因は主なもので、それ以外の原因もあります。原因の確定できない場合口腔外科にて診断していただくこともあります。普段からセルフケアとプロケアを心がけて少しでも不慮な事態が起きないよう努めてください。

 

 

多彩な機能を備えたマウスピース矯正

2025年12月11日

矯正治療にはワイヤーとマウスピースの2つの治療方法がある

矯正治療はワイヤー(針金)だけでなく、マウスピースで治療することは一般的になり、変わらない治療結果を得られるようになって久しくなりました。ワイヤーもマウスピースもそれぞれ得意・不得意があり、それをわかった上で不得意なところを極力打ち消す手立てを治療計画に組み込んで治療します。当院ではマウスピースで矯正治療を行っています。

マウスピース矯正の先駆がインビザライン

宇治市 歯医者 screenshot なかむら歯科医院

Screenshot

インビザライン(Invisalign)はアメリカのAlign Technology社が開発したマウスピース矯正の名前です。パイオニア的なブランドです。マウスピース矯正のパイオニア的なブランドです。2024年時点で、世界中で1900万人以上の治療実績があります。アライン社が独自で開発したSmartTrackという素材でマウスピースを作製しています。しなやかでな素材で、光造形で作製されています。また矯正治療の計画をClinCheckというソフトウェアを用いて精密に歯の移動シミュレーション行います。この2点がインビザラインの特徴です。歯の移動を可視化してシュミレーションし、矯正治療の計画を立案できるところが革新的です。個人的な見解ですが、ワイヤー矯正ではどのように動くかをまだ可視化できていないように思います。

インビザラインのちょっと残念なところ

世界中の多くの歯科医院で取り扱われていて、アライン社はそれらの治療のデータを蓄積しています。インビザラインはマウスピース矯正の代名詞として、高い認知度があります。長年の臨床データと研究に基づいて技術革新を進めているようですが、ここしばらくは少し停滞気味のような感じです。Smart Trackというマウスピースの素材は2013年に開発されましたが、今もその素材は変わっていません。

マウスピース矯正の特徴

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ワイヤー矯正とマウスピース矯正は、どちらも歯を動かす治療ですが、どうやって力を加えるかとどう動かすかが全然違います。ワイヤー矯正は引っ張る力、マウスピース矯正は押す力。ワイヤー矯正ではワイヤー(針金)の形と大きさ、そして弾性の組み合わせで動かします。マウスピース矯正はほんの少し今の位置と違うマウスピースをどんどん交換していくことで、徐々に歯を動かします。(1つマウスピースで動かせる歯の移動量はごくわずか。0.25㎜)マウスピース矯正では骨の中を移動する歯の根の部分をどうコントロールしていくかがとても大切です。歯を動かす力には同じだけ戻ろうとする反作用の力が出現します。不要な反作用の力をどう打ち消すかをワイヤー矯正以上に治療計画に組み込まねばなりません。ワイヤー矯正に比べ目立たない、痛みが少ないなど比較的快適な治療ですが考慮すべき点は様々あります。もちろん自己管理は必須です。

Smartee(スマーティー)というマウスピース矯正

ここのところ注目を浴びているマウスピース矯正があります。それがSmarteeです。Invisalignと同じマウスピース矯正の名前です。会社自体は2004年に設立されていますからアライン社より7年後発です。2024年のヨーロッパ矯正学会においてのトレンドは、上顎劣成長の改善と下顎の前方誘導でした。これからその治療をどうしていくか、ということですね。Smarteeは、それに対応できるマウスピース矯正において、あったらいいなという機能を数多く付随させることができるからでした。ですからその学会で一躍脚光を浴びることになりました。残念ながらアライン社は対応できておらず後塵を拝すことになりました。巻き返しを図っているようですが周回遅れの感があります。車産業みたいですね。

新しい素材を使っている

宇治市 歯医者 daynight なかむら歯科医院

マウスピースの素材は2021年に独自に開発された素材を使用しています。薄いシートを2層重ねたものになっていて、Invisalignのものよりもほんの少し硬さを感じます。しかしその分歯との密着が図られて動かしやすくなっています。動かしやすいということは、治療期間も短くなるということです。いろいろなオプションのうち、昼用と夜用で異なる硬さのマウスピースを使用するシステムもあります。日中は柔らかいマウスピース、メラトニンというホルモンが分泌される夜間は硬いマウスピースで歯を動かすように設計されています。歯の移動を効率的に行うために、ホルモンの分泌や日中の装着時の快適さなども考慮しています。​このように、Smarteeのマウスピース素材は、快適性と効果的な歯列矯正を両立するために設計されています。

顎の位置を考慮した設計ができる

宇治市 歯医者 bitewing なかむら歯科医院

Smarteeは、単に歯並びを整えるだけでなく、顎の位置まで調整できる設計が特徴です。日本人は下顎が後ろ、奥に引っ込んでいる方が多いです。いわゆる出っ歯です。奥歯で咬んだ時に、イーってしてみてください。下の前歯がほとんど隠れずに見えますか?普通なら下の前歯の先だけしか隠れません。歯並びはよくても前後的な噛み合わせに問題があるのです。そんな方は、下顎を前に出して上と下の前歯の先端同士が合う少し前に出してみてください。ざっくりいうとそのあたりの位置が本来の下顎の位置です。その位置では奥歯は噛んでいませんし噛めません。でも様々なチェックをして本来の下顎の位置がそこであればそこで噛めるようにした方が体にとっては適切なのです。その位置を決めれたら、その位置を目指した治療を行う機能の付いた装置がSmarteeにはあります。これにより、全体的な咬み合わせの改善や、姿勢の改善にもつながる矯正治療を行うことができます。Invisalignにもその機能が付け加えられるようになりましたが、レディーメイド的なもので個々にあったオーダーメイドの顎の位置付けは難しいようです。

上顎を大きくするサポートのついたマウスピース

宇治市 歯医者 nance なかむら歯科医院

子供さんの八重歯など、歯の並ぶスペースの無い顎を素材の弾性を用いて大きくするマウスピースがあります。体の出来上がっていない、柔らかい骨を主に横方向に拡大することができます。少し大きなマウスピースですが、従来の拡大装置に比べれば薄くて違和感も少ないです。

反作用を消す装置が付加できる

歯を動かす矯正力には同じだけの反作用の力が発生し、それを打ち消さないと良くないことが起こります。その反作用の力をマウスピースの一部を大きくして打ち消す機能をつけることができます。薬で言うと副作用を極力減らすということです。下顎前歯の唇側や上あごの部分です。

舌の位置を覚えさせるなど、子どもの口腔習癖を改善する設計になっている

宇治市 歯医者 tongue clip なかむら歯科医院

乳歯や混合歯列期の矯正治療を行わなくてはならない子どもたちは、舌の定位置が適切ではないところにあります。Smarteeの子どものマウスピースには、舌の先はここに付けておいてください的なランドマークが予め設置されています。マウスピース矯正の期間中に舌先を置く位置を覚える訓練もできるという正に一石二鳥の仕組みが取り入れられています。舌の位置が上に挙がることで気道が拡がり、また顎を拡げるサポートにもなるのでこの訓練はとても大切なのです。口呼吸などの口腔習癖を改善するサポートにもなります。残念ながらInvisalignのマウスピースにはついていません。

マウスピースは矯正治療の一材料にすぎない。

Smarteeの良いところを説明してきましたが、Invisalignが悪いと言っているわけではありません。先駆的なことを行ってマウスピース矯正を普及させてきた第一人者です。ただ機能面では後発メーカーに追い越されてしまった感があるのも事実です。マウスピース矯正の基本を押さえてInvisalignで治療を行えばきちんと治療結果はでます。ただアライン社はブランド戦略を行っているせいか、患者様にご負担いただく額が年々上昇しております。世界的に広く普及しているブランドを選びたい方はInvisalignをお勧めしますが、機能面、リーズナブルさを優先なさる方はSmarteeという選択がよい時代に入ったと個人的には思っています。的確迅速に歯並びを整え、全身の健康を回復するために、よりよい材料を選択することは理にかなったことではないでしょうか。

 

 

インビザラインレッドプロバイダーはマウスピース矯正に必要なステイタスではありません。

2025年12月4日

インビザラインのレッドプロバイダーとは?

レッドプロバイダーというのは、インビザライン社が提供しているプロバイダーステイタスのひとつで、一定数以上のインビザライン症例を行った実績がある歯科医師・歯科医院に与えられている称号です。具体的には過去1年間の症例数が、例えば20症例とか50症例など、インビザライン社にマウスピースを依頼した数を、インビザライン社が独自に定めたランク制度に基づいた呼称です。しかし、これはあくまでインビザライン社へマウスピースの作成を依頼した数の目安です。数が多いからといって、治療の質が保証されているわけではありません。

マウスピース矯正のマウスピースを製造する会社は何社あるでしょう?

日本国内でマウスピース矯正(アライナー)を製造・提供している会社は、少なくとも10〜20社程度存在しています。イン症例数が多くても、ひとつひとつの症例に丁寧に取り組んでいるかがカギです。ビザライン社は世界的なパイオニアで、少し前まで日本でシェア約80%でした。(製造は海外で行われています。)ただ少しづつシェアは落としているようです。アソアライナー、クリアアライナー、Oh my teeth、アクアシステム、など日本のメーカーの他、韓国や中国のメーカーも参入し1強の時代ではなくなりました。1つのメーカーの独自の称号が意味を持つ時代ではなくなってきています。

矯正治療を受ける上で、本当に大切なことは何か

患者さんが矯正治療を受けるうえで本当に重要なのは、診断です。なぜ歯並びが乱れているのか?

骨格?舌癖?呼吸?成長不足?何が原因でそうなっているのかを様々な資料から読み取り、原因を突き止めなければなりません。単なる歯の位置だけの問題ではないからです。原因を取り除かないと根本的な解決ができません。多くの数を見ることで得られる経験も大切ですが、ただ並べるのではなく顎関節や姿勢など全身を含めて診査診断できなければなりません。見た目の歯並びだけでなく、全身との調和を考えた診断できるかが最も大切なことです。ですから当院では顔の写真、全身の写真も撮影させていただきます。身体の歪みを極力取ってから身体能力の差も確認し、その時の噛み合わせの位置を組み込んで治療計画を立案します。

宇治市 歯医者 xray なかむら歯科医院

診断の次に、治療計画をどう立てるかということになります。

歯を動かす距離(量)を把握しなければなりません。たとえば上顎前突で前歯を下げたい場合、どのくらい下げる必要があるのか。そのためには抜歯が必要なのか不要なのかの判断。抜歯をしないのであれば、歯を動かすスペースをどのように獲得するのか。顎を拡大するのか、歯を少し削るのか。抜歯するのであれば無理なく動かせるのかどうか(移動量が大き過ぎないのか)骨の幅の中に収まって動かせるかどうか。最終的に歯の軸が噛み合わせの面に垂直になる動きにできるか。歯を正すのに難しい動きはあるのか、あればどのようにするのか。無駄な動きを無くすため、動かす順番をどうするのか。などなど、骨の中で歯の根がどう動くかを予測して、合理的に動かしていく必要があります。必要に応じてTAD(ミニスクリュー)やMSEなどの選択肢も考えないといけません。

宇治市 歯医者 clin check なかむら歯科医院

体全体との調和を考えた矯正治療

当院では、専門医やプロバイダーの“肩書き”よりも、骨格や歯の位置、噛み合わせや癖までしっかり診断して、身体に無理なく、長く健康を維持できる治療をご提案しています。歯だけを見ずに、全身のバランスや将来の成長まで含めた矯正治療を考えています。きれいに並んでも、体と調和していないでは意味がありません。あなたの体に合った“設計図”を一緒に作っていきましょう。舌の使い方や呼吸のクセが歯並びに影響していることもあります。そちらの訓練も必要になります。

宇治市 歯医者 face distortion なかむら歯科医院

マウスピース矯正の歯の移動に関して気をつけているポイント

マウスピース矯正は、歯の動かし方において設計・制御・患者協力度の三位一体の配慮が不可欠です。ワイヤー矯正とは全く異なります。材料特性を把握した動きを治療に組み込まなければなりません。

移動量は1ステージあたり 0.25~0.33mm以下

マウスピースは弾性変形による圧力で歯を動かすため、一度に動く量を多くしすぎると適合不良を起こします。動きが再現されやすい計画にしなければなりません。基本的に1ステージ0.25mm程度が推奨されています。歯を出す動きや歯を回転させる動きは、難易度が高いので気を配らなければなりません。

歯に力を伝えるためのアタッチメント設計

マウスピースだけでは歯の面に引っ掛かりがないので、歯に動かす力が加わりません。動かす歯に対して歯の表面に力を加えるための小さな白い材料を歯の表面に付けます。これをアタッチメントと言います。どのような位置に歯を動かしていくかを考えてアタッチメントの位置と形、大きさを設計します。動かさない歯にも、不要な反作用の力を打ち消すために、アタッチメントを設置します。反作用の力がどう発生するかも考えなければなりません。

歯根の位置のコントロールを意識

ワイヤーも同じですが、マウスピースは歯冠に接触するだけで、歯の根の向きをコントロールするのは矯正治療ではが難しい。ただしマウスピース矯正ではCTによる根尖位置の確認ができるので、歯の根の並びや方向を意識した調整ができます。最初から歯の根の傾きを想定した動き方を設計に反映させます。

骨幅の許容範囲を超えない歯列の拡大を設定する。

歯を並べるスペースを確保するために歯列を拡大することがあるのですが、歯根が骨から飛び出るリスクがあります。CTにより骨の確認ができるのでこれを確認しながら治療を進めていきます。

IPR(ディスキング)を適切に決める

歯を並べるスペースを作るために、歯の間を削る処置が必要があるかどうかをシュミレーションします。シミュレーションで正確なIPR量を計算します。一か所で0.2~0.5mmが一般的です。エナメル質内に留めます。

装着時間(1日22時間以上)の徹底

ワイヤー矯正と違い、アライナーの力は装着している間にだけかかります。装着時間が不足すると、治療計画通りに歯が動きません。計画通り治療が進まない最大の原因です。適合をピッタリさせるようにアライナーチューイーという材料を使うことを装着時に使用することを習慣化してもらいます。

肩書きではなく、中身で選ぶ時代へ

このように、肩書きは一定の経験や症例数を積んできた証です。しかし、実はそれだけでは本当に安心・安全な矯正治療ができるとは限りません。肩書きやステイタスは参考にはなるけれど、それだけでは不十分です。本当に大切なのは患者さんに合った正確な診断と歯を動かすための設計力と実現可能な計画づくりこそが成功のカギです。根本の原因と体全体のバランスを考慮したうえで、無理なく長く安定する治療計画を立てることが何よりも重要です。

矯正治療で本当に大切なのは、ただ歯を並べることではありません。

シミュレーションの見た目だけでなく生物学的な根拠に基づき、CTやレントゲンを分析に活用して診断に活かし、患者の成長、癖、生活習慣を考慮できるかが重要です。大切なのは「診断」と「治療計画」の質、ということになります。歯だけを並べることはたやすいのですが、全身の健康ということを考えた治療ができる歯科医を選ぶとよいでしょう。

マウスピース矯正のページ

小児マウスピース矯正のページ

舌を見ましょう!診てもらいましょう!

2025年11月27日

定期健診でお見えになる時に、当院では必ず舌をチェックしています。舌の色、舌の形、舌苔(ぜったい)舌の動き、などなど。舌は身体の内側をうつすスクリーンと言われます。内科でも舌を診てもらいますよね。舌を観察することで、東洋医学では全身の状態、歯科医学では口腔内の健康状態を把握する手がかりになるとされています。

東洋医学における舌診

あまり詳しくはないのですが、東洋医学では、舌は「内臓の鏡」とされており、気・血・水のバランスや五臓六腑(肝・心・脾・肺・腎など)の状態が舌に現れると考えています。その五臓六腑の状態・冷え熱のバランスを観察し、生活・食事・漢方指導に活用します。また口腔清潔度・栄養・神経・全身疾患のサインを読み取り、早期発見・予防に役立てようとしています。

舌の色

簡単に言えば、舌の色で全身が熱をもっているか、冷えているかを判断します。赤い舌だと熱、白っぽい舌だと冷えを表しています。自分で毎日確認してみてください。白系か、赤系か、続くようなら身体の状態がその傾向にあります。ご自身では、食べ物や運動で改善させる方法などあります。

舌の色に応じた食事療法と具体的な献立

冷えタイプ(舌が白い人)

ポイントは体を温める食材を中心にしましょう。香辛料や発酵食品、根菜類が効果的です。冷たい飲食物、生野菜、果物のとりすぎに注意です。温かいお茶やスープを意識的に摂ることはよいことです。ただし、あったかい飲み物をいくら飲んでも冷え性は治りません。水分の飲み過ぎは、冷え体質を作り出す元になるので、食事のスープ以外は、喉が渇いたときに一口飲む程度にしておきましょう。

おすすめの食材

温性食材 生姜、ねぎ、にんにく、シナモン、山椒、唐辛子

根菜類、にんじん、大根、ごぼう、かぼちゃ

発酵食品 味噌、納豆、ぬか漬け、キムチ

肉・魚    鶏肉、羊肉、鮭、サバ

穀類      黒米、もち米、玄米、お粥

1日の食事例

朝食

黒米入りおかゆ

味噌汁(生姜+ねぎ+かぼちゃ)

温かい番茶

昼食

鮭の塩焼き

ひじきとにんじんの煮物

ご飯(玄米または雑穀米)

お吸い物(大根+わかめ)

夕食

鶏肉と根菜の生姜煮

納豆(ねぎ入り)

ぬか漬け

宇治市 歯医者 drymouth なかむら歯科医院

舌が赤い人の食事療法

ポイントは体の熱を冷ます食材を意識することです。緑の野菜、豆腐、果物、海藻類がグッド。逆に辛いもの、脂っこいもの、アルコール、刺激物を控えましょう。

おすすめの食材

涼性・寒性の食材 きゅうり、セロリ、トマト、苦瓜、レタス

海藻・豆類          もずく、わかめ、豆腐、緑豆

果物      スイカ、梨、りんご、バナナ

穀類      はとむぎ、とうもろこし、そば

飲み物は冷やさず常温で 麦茶、緑茶

1日の食事例

朝食

冷やし豆乳そば

トマトとレタスのサラダ

常温のお茶

昼食

豆腐ときゅうりの冷やし中華風

油少なめの苦瓜とトマトの炒めもの

とうもろこしご飯

常温のお茶

夕食

白身魚の蒸し焼き(セロリ添え)

わかめと豆腐の冷製味噌汁

甘さ控えめの梨のコンポート

季節や体質に合わせることも大切です。

夏は熱がこもりやすいので涼性食材を多めに。冬は冷えやすいため温性食材を多めにしてみてはいかがでしょう。舌色が混在する(白っぽくて赤いところがある)、あるいは日によって変わることもよくあります。すべてが分かる訳ではありません。目安、くらいにされるとよいでしょう。

宇治市 歯医者 red tongue  なかむら歯科医院

食べ物だけでなく、生活習慣を整えることも大切です

冷ますための方策は考えつきますが、身体を暖かくする食事以外の方策はなかなか思いつきません。以下に箇条書きします。これも参考程度に取り入れてみてください。

適度な運動をし、 筋肉を動かすことで、熱を生み出しやすくなる。

シャワーだけで済ませず、湯船に浸かって体を温める。

腹部を温めて、内臓の冷えを防ぐため、腹巻きを活用する。

肌を露出することで熱が逃げます。周りに合わせなくていいので、薄着をせずしっかり防寒対策をする。

歯科における舌の観察

舌は口腔内の健康状態を反映する組織と捉え、全身疾患の兆候を含めて診断材料にします。色、形、舌苔の量、乾燥、舌の裏などを診ています。

舌の色

すべてがわかるということではありませんが、何かが起こっているのではないかという指標になります。赤い色の記載が多くなりましたが、白くても同じ原因ということもあります。確定的なことは内科受診していただいた上方がよいでしょう。

鉄欠乏性貧血

鉄不足により赤血球が作れず、酸素が不足して舌が赤くツルツルしてきます。ヒリヒリすることもあります。鉄分の多い食品(レバー、赤身肉、小松菜、ひじきなど)とビタミンC(吸収促進)必要に応じて鉄剤を服用するとよいでしょう。

ビタミンB12欠乏

動物性食品の摂取不足や吸収障害によってビタミンB12が不足すると舌に炎症がおきて赤く見えます。舌が腫れたようになるので表面がツルツルした感じになります。肉、魚、卵、乳製品をしっかり摂取することを心がけてください。

栄養失調(たんぱく質不足など)

でも舌の色が濃くなる傾向にあります。偏食・ダイエット・高齢者などに多い。良質なたんぱく質(魚、卵、大豆)やバランスの取れた食事を意識してください。

水分不足、ドライマウスなど

舌が乾燥することで舌が赤くなります。ドライマウスの自覚のある方は十分な水分補給・口腔保湿・唾液腺マッサージなどでたいおうするようにしましょう。

地図状舌

舌の表面に赤くツルツルした部分と、白っぽく縁取られた部分がまだらに現れ、舌の上に模様ができる状態のことです。模様の位置は数日〜数週間で移動して変化します。通常は痛みやかゆみがなく(ただし、刺激でしみることも)多くの場合は無症状で自然に治るため、治療の必要はありません。原因ははっきりとは分かっていません。食事でしみる、痛みがある 、症状が長引く、拡大する 、場合には念のため口腔外科を受診しましょう

白板症

こすっても取れない白い斑点や粘膜の肥厚”のことを言います。特に舌の側面などに見られることが多いです。初期は無症状で、痛みはほとんどありません。長期間変化がなく、少しずつ広がることもあります。白板症は前がん病変に分類されます。がんではないが、がん化する可能性がある粘膜病変です。義歯、尖った歯、頬を噛むなど慢性的な刺激、タバコ、アルコール、が原因ではないかと考えられています。定期的に歯科受診していただき、必要に応じて口腔外科で組織検査(生検)を行い、がん化の有無を調べることもあります。

宇治市 歯医者 leukoplakia なかむら歯科医院

口腔カンジダ

白苔が厚くて取れない場合、口腔カンジダ症を疑います。何かの病気で抗生剤を長く投与されていると口腔内細菌が減少し、カンジダ菌すなわちカビが口腔内に定着して舌が白くなります。食物繊維が少ない食事を続けていると、舌の上に汚れが溜まります。これを舌苔と言います。この舌苔は同じように白いのですが、歯ブラシなどでやさしく擦ると取り除けます。カンジダ菌は取り除くことはできません。

舌の形

噛みしめ癖(tooth contact habit)

舌の側縁がギザギザしていて歯型のようだと、噛みしめ癖の可能性があります。筋緊張や咬合の不調和がると判断します。ストレスに起因することもあります。自覚される方もありますが、無意識に歯を接触させていることがほとんどです。他の兆候も口腔内に見つけることが多いです。

がんや腫瘍の早期発見

当院では定期健診時に舌の下、側縁、裏側を観察しています。他にも歯茎や上あごなど、軟組織も拝見します。もし気になれば写真を撮影して経過を追います。明らかな異変があれば口腔外科の受診を勧めています。

舌の痛みや違和感

全身疾患やストレス、舌痛症、シェーグレン症候群、味覚異常、糖尿病なども考えられます。こういった場合、内科的な治療が必要になります。

自分でもチェック、歯科でもチェックしましょう

毎日でも歯ブラシのついでに見ようと思えば見れます。毎日見る必要はありませんが、ときどき自分の健康状態を確認してみてください。歯科医院ではビタミンを投薬出来ませんので、先に内科受診されるのもよいでしょう。

口腔外科のページ

 

若年者の抜歯を避けて矯正治療するのが当院の基本方針です。

2025年11月20日

身体の成長と調和を守るため抜歯を避ける

宇治市 歯医者 model なかむら歯科医院

成長期(特に12歳前後〜中学生)は、顎の骨がまだ発育段階にあり、適切なタイミングでの機能的アプローチにより歯列や顎の成長を誘導できる可能性があります。早期に抜歯をすると、本来可能だった骨の大きさになりません。歯の数に合った大きさにしかならないのです。上顎の成長は10歳までにほぼ終わってしまうのですが、18歳までなら狭い顎を適正な大きさに拡大誘導できる可能性が残っているのです。もちろん6〜9歳ごろからの矯正治療ができていれば、歯列の乱れを未然に防げて抜歯の必要性はかなり減らすことができます。

歯は臓器の一部です

抜歯は不可逆的な処置であり、成長や将来の変化に対応できないというリスクが伴います。小臼歯の抜歯は、口元が引っ込み過ぎてしまう(フラットフェイス)原因になったり、顎の大きさが小さくなって気道容積が減少して睡眠時無呼吸症のリスクを高める可能性が指摘されています。成長が終わり、どうしても抜歯をしないとスペースが確保できなかったり、噛み合わせに不備が生じてしまう、という診断になってようやく抜歯を選択する、というスタンスを当院ではとっています。何が何でも抜歯をしない、ということではありませんが、若年者はまず抜歯をしません。治療後半になって下顎の前方への成長が見込めない、と確定した時にようやく抜歯を検討します。まず歯の保存を前提とした治療計画を立てるのが大原則です。

抜歯が必要になるのは?

もちろん、すべての症例で非抜歯が可能とは限りません。以下のような場合は、抜歯が必要になることもあります。

著しい叢生(スペース不足が10mm以上)

成人でも、上顎を側方に拡げる装置を用いることによってスペース不足を解消できる可能性があります。完全に骨化している場合は抜歯になります。若年者であればマウスピース矯正を使うことで上顎を拡大できます。まだ骨が完全に固まっていないのが、その理由です。でもできれば中学生までに取り組みたいところです。

顎の成長が終了しており、拡大・誘導が見込めない成人症例

特に男性で30歳を越えると拡大はほぼ不可能で、抜歯を選択することになります。女性の場合は40代でも可能性はあります。少し外科処置が必要になります。

骨格性の上下顎前突や過蓋咬合で、口元の突出感が強い場合

骨格性の受け口は、歯だけでなく、その部分の一部の骨含めて取り除き咬み合わせを治すことがあります。外科的矯正と呼ばれ、成長の終わった頃に治療します。下の前歯が、噛み込むと見えない過蓋咬合は、下顎を前に誘導することで抜歯を避けることができることがあります。ただし横から見てほとんど顎先が首と一体化している場合では、下顎を前に誘導すると同時に上顎の歯を抜歯して上の前歯を下げる必要があります。開咬の治療も、下顎が後ろに引っ込んでいることが多くありますから、下顎を正しい位置に導くことで、歯を抜かずに済むかもしれません。難しいと言われる開咬治療が、あごが自然な位置に戻ることで、歯を抜かずに済むことがあります。

開咬と顎関節の深い関係

 

宇治市 歯医者 open bite3 なかむら歯科医院

奥歯で噛んでいても、前歯が上下で当たらずにすき間ができている状態のことを開咬と言います。

前歯で食べ物がうまく噛み切れない、

発音が不明瞭になりやすい、

口がいつも開いていて口呼吸になっている

という状態です。上下の歯がしっかり噛み合わないため、下あごの位置が不安定になりがちです。そのため顎が後ろにずれやすくなって顎関節に圧がかかり、顎関節にズレが生じ、カクカク音、違和感が出やすいくなります。慢性的な顎のだるさ、肩こり、頭痛につながることもあります。このように見た目が悪いとか、噛み切りにくいというだけでなく、顎関節に負担がかかっていることが多いのです。

マウスピース矯正が開咬治療にやさしい理由

宇治市 歯医者 click なかむら歯科医院

マウスピース矯正なら、顎関節にもやさしくアプローチしながら矯正治療できます。その理由は

かみ合わせの高さ”を少しずつコントロールできる

マウスピースは全体的に少し厚みがあるので、かみ合わせを少しずつ持ち上げます。マウスピースを装着することで、奥歯ばかりにかかっていた咬合圧を分散でき、あごが楽になります。

顎の位置が自然に“前に戻りやすく”なる

顎関節が圧迫されていた人は、マウスピースによって少しずつ前方・下方にあごが導かれる傾向があります。これは、顎関節が本来の位置に向かって動きやすくなるからです。結果として、後ろに押し込められていた顎関節が前に出ることで楽になって、カクっという音が減ったり、顎が動かしやすくなるなどの変化が見られることもあります。

取り外せるので、筋肉・呼吸のトレーニングと併用しやすい

舌の位置や呼吸、舌の癖、良くない姿勢も開咬の原因になります。それらのトレーニングと並行してマウスピース矯正を行うので、根本的な改善につながりやすいのです。正しくなった位置にあわせて良くない習慣を取り除く、といったイメージです。

歯を動かすよりも顎の位置を変える方が、実は大きく歯が動く

歯並びがガタガタになっているとスペースが足りないから、歯を抜いて並べましょう、と言われることがあります。でも、実は歯の並ぶスペースは、顎の位置やバランスによって変わることをご存じですか。1本1本の歯を少しずつ動かすのはとても大変ですが、下顎ごと前に動けば、一瞬で大きく動きます。歯を動かすことに変わりはありません。顎の位置やバランスをまず正しく導くことをしてから歯を動かすことを考えれば、歯をたくさん、いっぱい動かす必要が減ります。

余計な移動を少なく済ませる

抜歯を避ける

当院では歯を最小限の移動にして最大限の効果を出す治療を目指しています。最小限の移動は、治療期間の短縮にもなります。そのため十分な診査診断を行います。ただし身体に取ってベストな位置を求めるために、時間はかかってもやらなければならない歯の動きは必ずあります。時間がかかっているのはそのためだとご理解ください。

どうして下顎が前に出ることがいいの?

下顎が前にくると、顎関節の動きがスムーズになることで、口腔全体のバランスが整います、上顎が劣成長だと、下顎は上顎より前に出れませんから、下顎は本来あるべき位置よりも後方に押し込まれています。そうすると気道は狭くなります。酸素を多く取り入れるために姿勢を前傾にしたり、口呼吸する、ということになります。睡眠時無呼吸症候群の原因にもなります。また顎関節の後ろを走行する、脳への血管を下顎が後ろにあることで圧迫しているのですが、それが開放されます。脳にとっても良くなります。下顎を本来あるべき位置に戻すことが大切で、そのために上顎が大きくならないといけません。片方だけの治療ではなく上下一対の治療が必要なのはそういったことなのです。

抜かずに残して治療することができれば、それがいちばん自然で価値のあること。

宇治市 歯医者 mouth piece ortho なかむら歯科医院

今まで述べてきたように顎の位置を考えた治療を考えていけば抜歯しなくても済むかもしれないということです。下顎が正しい位置にくると、口全体が本来の大きさを取り戻し、歯がきれいに並ぶスペースができる可能性があります。マウスピース矯正などを活用して顎の関節・筋肉・姿勢・呼吸もふくめた全体を見ながら将来的にも健康で美しい歯並びを考えた治療を目指しています。歯が並ばないから抜く、その前に顎の位置は正しいかどうかを是非聞いてみてください。

マウスピース矯正

小児マウスピース矯正

歯並びは良いが、噛み合わせが悪いというのはどういうこと?

2025年11月13日

歯並びは良いのに、噛み合わせが悪いってどういうこと?

宇治市 歯医者 upper なかむら歯科医院

宇治市 歯医者 lower なかむら歯科医院

自分で見ても歯並びは悪くないのに、歯医者で噛み合わせが良くないと言われたことはありませんか。写真をみても、上下それぞれはきれいに並んでいます。学校検診でも、“歯並び”には問題がありません。でも口は上下一対で“噛み合わせ”ます。この噛み合わせに問題のある方が多いのです。

前から見てもおかしくないけれど

宇治市 歯医者 front なかむら歯科医院

この写真をみると、何がよくないかわかりませんよね。上の前歯で下の前歯を少し隠れるくらいが噛み込み具合としては普通です。下の前歯の隠れ具合がこの状態よりもきつくなると噛み合わせとしてはよくないです。見えなくなる程度がきつくなればなっただけ良くなくて、噛みしめや歯ぎしりが症状として現れるようになります。それについては後ほど述べます。話は戻りますが、前から見てこの写真のような状態でも良い噛み合わせと良くない噛み合わせがあります。

宇治市 歯医者 normal bite front なかむら歯科医院

宇治市 歯医者 open bite なかむら歯科医院

上の写真2つを見比べてください。前歯が噛んでいるか、噛んでいないかの違いがあります。上と下の前歯が噛んでいるのが正しい噛み合わせでグッと開いているのはあまりよくありません。もちろん下顎を前にずらせば上と下の前歯同士当たると思いますが、普通にしていて隙間が出来ているのは、前後的開咬という状態です。縦方向に力がかかるのには歯は上手く抵抗するように出来ています。ただ横方向に力がかかるのは特に奥歯は得意ではありません。横方向に力がかかった時、犬歯、またはその前後の歯が協調して奥歯にかかる負担を減らすようにします。奥歯で摺りつぶしをして食事をするのですが、この噛み合わせでは奥歯に負担がかかるのです。負担がかかり続けると、歯がすり減るか歯が揺れてきます。歯のすり減りが続くと神経までの距離が持続的に短くなっていくことと、歯にヒビが入っていきますから知覚過敏の原因になります。歯の付け根に応力が集中するので、磨き過ぎではなく、歯の付け根が削れてきます。これをくさび状欠損といいます。虫歯は無く、特定のところではなく全体的に滲みるという方は奥歯へ過重な負担がかかっていることが多いです。また横方向に力がかかり続けると歯を支える骨が減っていくため、歯が揺れてきますし、歯茎も下がっていきます。

前歯を機能させないと奥歯に影響する

上下の前歯が少し噛み合っているのが良い状態ですが、噛み合い過ぎているのもよくありません。強く当たっていると下顎を奥の方に押し込めてしまいますから、歯ぎしりや噛みしめを助長してしまいます。適度な前歯の噛み合い具合があります。では前歯で噛むようにすればよいですか、と聞かれます。そう出来ればよいですがずっとそうしていられるでしょうか?前歯は食材を切るという機能で、磨り潰すという機能を持っていません。前歯だけで食事を数回はできても、ずっと続けていくのには無理があると思います。美味しく食事したいですよね。成長期では、上顎の後に下顎が成長して前に出てくるので、成長が終わるまでこのような状態で様子を見ることがあります。でも成長期が終わってもこの状態ならば治療した方がよいでしょう。

下の前歯が見えない咬み合わせ(過蓋咬合)

宇治市 歯医者 deep bite なかむら歯科医院

さきほど述べた噛み合わせると下の前歯の見えない咬み合わせです。色々な程度があります。下からのぞくようにしてみると、下の前歯が上の前歯の裏の歯茎と噛んでいたり、上の前歯の歯と歯茎の付け根当たりで噛んでいたりなど。もちろん上下の歯同士で噛んでいることも。この場合も前歯が機能していませんから、奥歯に過重な負担がかかります。知覚過敏、歯の動揺、歯の破折など引き起こします。下顎が奥に押しやられているので、顎の関節にもよくありません。下顎に問題があるのではなく、上顎が正しく成長しておらず、後から成長する下顎が前に成長できなかった、ということが原因であることが多いようです。成長期に改善しておくことをお伝えするのはこういった理由です。いつでも治療は可能ですが、年齢が上がるにつれ使える手札が少なくなるのも事実です。

分かりやすい不正咬合 受け口

宇治市 歯医者 class 3 なかむら歯科医院

宇治市 歯医者 1tooth class 3 なかむら歯科医院

受け口はわかりやすいですね。顔貌からも、いわゆるしゃくれという状態であることが多いからです。受け口は遺伝的な傾向があることも確かです。成長期には上顎が先に大きくなって、後から下顎が大きくなります。上顎が大きくなり切れないと、下顎が普通の成長であったとしても受け口になります。このパターンが日本人には多いようです。下の写真のように、1本、または2本だけ逆になることもあります。これも綺麗に歯が並ぶだけ顎が大きくなれなかったのです。永久歯であれば様子を見ても前歯は前に出てきません。このままだと逆になっている部分の歯が上下とも他の歯よりも噛み合わさるので、揺れやすくなります。揺れなければ、噛み合わせが歯でロックされるので、顎の位置がズレる遠因になります。

見えない不正咬合

鋏状咬合 (シザースバイト)

宇治市 歯医者 scissors bite なかむら歯科医院

宇治市 歯医者 normal bite なかむら歯科医院

上の写真の一番奥の噛み合わせをみてください。上の奥歯が外側に出ています。下の写真が普通の噛み合わせです。上下の歯の噛む面が見えないのが良いのですが、上の写真の一番奥の歯では丸見えです。これを鋏状咬合と言います。鋏状咬合があると顎が右か左にズレて咬み合わせることになります。咬み合わせがズレると、顎の関節に影響が及びます。顎の開け閉めでカクっと鳴ったり、顎が開けづらくなったりすることがあります。顎の関節の後ろには血管や神経が走行しているので、噛み合わせで左右の顎の関節にズレが生じると偏頭痛などの原因にもなることもあります。正しく生えるだけのスペースがなかった、つまり適切に成長出来ていなかったことが原因です。この歯で言うと、14歳臼歯と言います。年齢的には親が知らない内にこうなっていることもあるということです。

交差咬合 (クロスバイト)

宇治市 歯医者 cross bite なかむら歯科医院

宇治市 歯医者 normal bite なかむら歯科医院

上の歯が、下の歯よりも少し外側にあるのが普通ですが(下)、上の写真では上の歯が下の歯よりも内側にあります。この噛み合わせを交差咬合と言います。今までと同じく、先に成長する上顎が適切に左右方向に成長しなかったために、普通に成長した下顎との噛み合わせに問題が出たと考えられます。奥歯すべて起こる訳ではありません。一番後ろの歯だけで起こることもありますし、犬歯の後ろの歯や6歳臼歯でも起こります。一番後ろの歯だとお年頃に生えてくるので、やはり親が気づかないこともあります。よく見ないとわかりません。

様子を見ても咬み合わせは良くならない

宇治市 歯医者 yugamist なかむら歯科医院

咬み合わせは顎の関節と上下の歯と顎の骨の大きさ、舌、唇、頬に筋肉などで決まります。食事の時だけ前歯で食べるとか、成長を待つだけで噛み合わせを変えることはできません。咬み合わせが良くないと何がよくないでしょうか。咬み合わせがズレると、下顎の位置が前後左右複雑に僅かにズレます。そのズレを補正するために、筋肉に要らない力がかかります。もちろん前か後か左か右か、あるいはその組み合わせか。全部のこともあるでしょう。筋肉は全身つながっています。全身タイツをイメージすると分かりやすいかもしれません。ストッキングやタイツを穿いた時に。ぴったり穿ければ問題ないですが、どこか引っ掛かってしまうと気持ち悪いし、そのズレを治そうとするととても大変ですよね。筋肉もズレた状態のままでいると、使い過ぎる筋肉ができるのでそれが偏頭痛や肩の凝り、腰痛、偏平足、などを引き起こすということも言われています。だから根本の噛み合わせを良くすることが体のバランスを整えることになるのです。

八重歯だけが不正咬合ではありません。

分かりやすい八重歯や前歯のがたつきだけでなく、歯並びは良くても上下噛んだ時の噛み合わせが良くないことがあります。これら不正咬合を正していくことは身体に取って良いことです。いつ治療に取り掛かってもよいのですが、できれば成長期に治療しておけば最も効果的といえるでしょう。ぜひお子さんの噛み合わせをみてください。

マウスピース矯正のページ

小児マウスピース矯正のページ

なぜすぐ取れたものが付けられない、と立腹する前にご一考を

2025年11月6日

歯科医院に、“取れた”とか”外れた“という連絡がよくあります。

被せ物が取れたのだと思うのですが、意外な”取れた“とか”外れた“があります。患者さんは取れたり外れたりしたら、すぐに付けてもらえるだろうと思われるのですが、そんな簡単にはいかないこともよくあります。そんな時は時間を取って拝見する必要があります。特に初めての患者さんは全く情報がないので簡単にはいきません。定期的に通院していただいていて、レントゲンや治療履歴から部位が特定できれば、時間のかかるか、からないがわかりやすいです。かかりつけの歯科医を決めておくのはそういうメリットもあります。定期的に通院している方に限ります。1年以上も来られてなくて、かかりつけだし連絡した、と言われてもそれはちょっと違うのではないかと思います。

いわゆる金属の被せ物や詰め物が取れたケース

一般的に取れた、ということで多いのが金属の小さな詰め物や被せ物、何本分か繋がった比較的大きな金属の被せ物(ブリッジ)が外れるケースです。いわゆる差し歯が土台ごと外れることもあります。取れるのは何か理由があります。下記のケースに該当しなければ装着することができます。

虫歯

宇治市 歯医者 caries なかむら歯科医院

虫歯が出来ていると、詰め物や被せ物との間に隙間が出来ます。そうなると接着しているセメントが崩壊し、脱落します。虫歯が出来ているわけですから当然再装着することはできません。治療する時間が必要になります。それでもいいから付けて欲しいとおっしゃる方もありますが、虫歯を除去していませんから付けても脱落します。健全な歯質でなければ接着しないからです。また短期間に何度も再接着することは、保険診療でできません。虫歯が無いか定期健診時に確認していますので、ぜひ定期的なチェックをされてください。

破折

宇治市 歯医者 fracture なかむら歯科医院

歯が折れたり、一部欠けたりしたために取れることがあります。そんな場合も再装着することはできません。基本的にやり替えることが必要になります。今までよりも大きな詰め物や被せ物になることが多いです。神経処置をしなくてはならないこともあります。

噛みしめのきつさ

宇治市 歯医者 braxism なかむら歯科医院

虫歯でなくても脱落することがあります。詰め物や被せ物は接着面積が大きければ大きいほど取れにくくなります。接着面積が少ないと取れやすくなります。噛みしめのきつい方、前歯の先端に削れている兆候のある方に多いのですが、奥にいけばいくほど接着面積が少なくなります。ですから外れやすいのです。自覚症状がなくても歯ぎしりや噛みしめの兆候が口腔内に認められる方は、脱落を繰り返します。その期間は、咬合力や噛みしめの程度によるので一概に言えません。また取れた、また同じ個所、という方が該当します。付け方が良くないのではなくて、ご自身の噛みしめ癖によるものと思ってください。繰り返しを防ぐ一つの方法は夜間用のマウスピースの使用です。ナイトガードと言います。保険診療で作製できます。

咬み合わせのページ

差し歯が土台ごと取れてきた

宇治市 歯医者 core なかむら歯科医院

二つのことが考えられます。1つは虫歯で土台ごと取れた。1つは嚙み合わせがきつくて土台の歯にヒビが入ったか、割れて脱落した。虫歯であればやり直しです。神経処置はしてありますが根の治療が必要かどうかを確認して、必要なければ土台のやり直し、必要あれば根の治療をすることになり、いずれもその場で装着することは出来ません。単純にセメントの崩壊による脱落なら再装着することは可能です。

ブリッジの一部が外れた(浮いている)

宇治市 歯医者 bridge なかむら歯科医院

歯を失った前後の歯を削合して銀歯を作っているのがブリッジです。片方が付いていて片方が浮いていることがあり、外れかかっている、ということをおっしゃる方もあります。引っ張って取れればよいですが取れなければ、金属を削って外しますからやり替えになります。片方が取れた理由が、虫歯、破折などであれば、これもやり替えが必要になります。

前歯の被せ物の白いところが取れた

宇治市 歯医者 ceramic fracture なかむら歯科医院

宇治市 歯医者 CR fracture なかむら歯科医院

保険の前歯の白い部分が一部、あるいは全部が取れた、という場合です。被せ物が取れたわけではありませんが、見えるところなので早く見て欲しい、すぐに何とかして欲しいとおっしゃいます。保険の前歯の被せ物は簡単に言うとベースが金属で、金属の表面に凸凹を作って白いプラスティックを貼り付けて出来ています。元々が強い接着で付いているわけではありませんから一度外れると再装着することは出来ません、出来たとしても長く持ちません。被せ物すべてを外してやり替えです。合間では出来ませんので、治療時間が必要です。このようなリスクを減らすにはジルコニアというセラミック系の材料をお勧めします。(自費治療)一塊の材料で作製しますから取れることはありません。

治療している白い詰め物の一部、全部が取れた

前歯の縦1/4以上を必要があって白い詰め物で修復している場合、硬いものを食べた時に詰めた物が取れやすいです。前歯で噛み切る時、下の前歯が上の前歯を後ろから突き上げます。接着面積が縦方向にだけしかない場合、咬合力を受け止めれず脱落しやすくなります。噛んだ時に、下の前歯が半分以上隠れている方は下顎を前に出す傾向があるので、脱落度合いは高くなります。頻回に繰り返している方は、詰めるというより削合して被せるという方法を選択することになります。ただし先の項の保険の前歯の被せ物では白い部分が取れやすいので、ジルコニアというセラミック系の材料をお勧めします。(自費治療)

仮歯が取れた

仮歯が壊れていなければ、時間を取らずに再装着できます。ただし壊れている場合は修理しなければなりませんから、すぐには付けられません。修理する時間が必要になります。壊れているのか、いないかをお伝えください。

他の医院で治療されたもの。特に自費治療のもの

宇治市 歯医者 ceramic なかむら歯科医院

治療された医院が廃業されたり、遠方からの転居された場合以外、それまでの治療経緯などが分かりませんので、治療された医院で診ていただいた方がよいでしょう。(仮歯の脱落も含む)

中には入れ歯に関する脱落もあります。

宇治市 歯医者 partial denture なかむら歯科医院

多くは義歯の人工の歯が外れているのですが、歯が取れたという表現のことがあります。総入れ歯の方で定期的にお越しの方だとすぐわかりますが、部分入れ歯の方だと本当の歯が抜けている場合もあります。歯が抜けたのか、義歯の人工の歯が抜けたのかで対応が変わります。人工の歯が取れて、取れたものがあれば比較的迅速に対応できます。天然の歯が抜けた場合はそうはいきません。

入れ歯治療のページ

インプラントに関するケース

宇治市 歯医者 implant shama なかむら歯科医院

インプラントにしている被せ物(仮歯を含めて)が外れた場合も比較的迅速な対応が可能です。ただし稀なケースですが、インプラント本体と被せ物との間にある土台(アバットメント)あるいはそれを留めるスクリューが破折、破断する場合は大掛かりな処置が必要になります。インプラントには多くの種類があり、それぞれシステムが違います。医院毎で取り扱っているインプラントの種類は違います。被せ物が外れたことを含めインプラントのトラブルが起きた場合、インプラント治療されたところで診てもらいましょう。他院でインプラント治療された方は当院へお越しいただいても対応できません。悪しからずご容赦ください。

インプラントのページ

マウスピース矯正における、取れた

宇治市 歯医者 invisalign fast なかむら歯科医院

マウスピース矯正では、歯の表面にアタッチメントという小さな白い突起物を設置します。前歯の虫歯の治療で詰める材料です。マウスピースの着脱で取れることがあります。すぐ対処が必要な時もあれば、急がなくてよい場合もあります。治療計画によりますから、治療をうけている医院に連絡してください。当院でもマウスピース矯正を行っていますが、他の医院で行っている治療はわかりません。

マウスピース矯正のページ

小児マウスピース矯正のページ

取れた状況をできるだけ伝えてもらえるとありがたい。

ご連絡いただく際、詳細にその状況を教えていただければどう対処できるかの参考になります。(特に従来から当院にお越しで、レントゲン写真がある場合)

上下どこなのか

奥から(前から)何番目か

しみるのか滲みないのか

土台は付いているのかないのか

白いのか、金属か

詰め物かかぶせものか

自分の歯か、入れ歯か

取れた、外れた、は急なことで、お困りだとは思います。しかしご予約いただいている患者さんの時間は確保されないといけません。僅かな時間で付けられるだろうと思われるかもしれませんが、このように付けられないこともあります。診査しなければならないことも多くあります。ご立腹される前にご一考していただけると幸いです。

 

歯ぐきが見えるのが気になる。

2025年10月30日

笑った時に、歯ぐきが見えるのをガミースマイルと言います。

宇治市 歯医者 gummy smile なかむら歯科医院

ガミースマイル(Gummy Smile)とは、笑ったときに上唇が上がって、歯ぐき(歯肉)がよく見えてしまう状態を指します。審美的な問題として気にされる方が、ことのほか多いです。原因も様々で、それぞれ治療法が異なります。歯科的な治療法と歯科以外の治療法を説明していきます。ただし原因にかかわらず、治療による改善は難しいことが多いです。

ガミースマイルの主な原因

宇治市 歯医者 gummy smile 2 なかむら歯科医院

・永久歯の萌出後も歯ぐきが多く残っていると、前歯の長さが短く見えることがあります。

・成長期に上顎骨の下方への成長が多すぎると、前歯の歯ぐきが露出するようになります。

・上唇を持ち上げる筋肉が強すぎると、唇が大きく動き歯茎が見えたりします。

・前歯の歯列不正や前方向への傾斜がきついと歯ぐきが見えやすくなることもあります。

治療法には

歯冠長延長術

歯ぐきを切除すると共に歯を支える歯槽骨を削って、歯茎を大きく下げるイメージです。歯を長く見せる術式になります。歯肉と骨の両方を削合するので、効果を得やすいですが比較的大きな侵襲がかかります。歯が長く、歯を支える骨が十分にある歯が適応です。ただし今まで口腔内に出ていなかった歯根が口腔内に露出することになるので、知覚過敏のリスクがあります。歯そのものの長さが短いと、歯を支える骨が少なくなり歯が揺れてしまうので、適応症ではありません。

歯肉整形

歯冠長延長術とは少し違い、メスで余分な歯ぐきだけを切除し、歯を長く見せます。ですから比較的低侵襲で行えます。歯を支える骨に問題なく、歯肉だけが多い場合が適応です。こちらも、今まで口腔内に出ていなかった歯根が露出するので知覚過敏のリスクがありますが、歯冠長延長術よりも低リスクです。切除量はさほど大きくできないので、効果は限定的です。

矯正治療

簡単に言うと、矯正力を使って前歯を骨の中にめり込ませる治療です。矯正用のインプラントと矯正用のゴムを用いて歯を押し下げます。期間は1〜2年程度が一般的です。この押し下げに用いる矯正力のコントロールが難しいです。また、ご自身でゴムを使ってもらわないといけないです。骨にめり込ませるというのは、指で歯を押し込むように力を加えていただくとわかると思いますが、骨の硬さにもよりますが難しいです。せいぜい1~2㎜くらいだと思ってもらうとよいかと思います。

ボトックス注射

唇を持ち上げる筋肉にボトックスを注射して上唇の動きを抑制します。上唇の筋肉が強すぎて唇が上がっている場合に適応されます。注射のみの治療になるので、治療に時間はかかりません。ただし永続的なものではなく効果は時間と共に無くなっていきます。3〜6か月で繰り返し治療が必要となります。

上顎の外科的骨切り術

宇治市 歯医者 ope なかむら歯科医院

上顎の前方への過成長が原因の場合、顎そのものを一部切除して後ろに下げます。顎を後ろに下げますから根本的な改善が可能です。矯正治療で、抜歯をして治療することがあります。犬歯の1本後ろの歯を抜歯することが多いのですが、その歯と骨を切除するというイメージです。自費治療で全身麻酔下での手術となります。また噛み合わせに問題がなければ、上が後ろに下がった分、下顎も下げないといけません。上だけがいわゆる出っ歯であれば上だけで済むこともあります。

強くコンプレックスを持っていらっしゃる方は外科的矯正をお勧めします。

顎そのものが前方に出ている方は、外科的骨切り術でないと根本的には解決しないと思います。気にはなるけどそんな大げさじゃない範囲で出来たらいいな、という感じなら、その方に合った治療法で取り組んでみてもよいかと思います。

子どものガミースマイル

ガミースマイルは、成長中の骨格や筋機能の発達と深く関係しており、早期の観察と予防的なアプローチが非常に重要です。気づいたら早めに対処すると良いでしょう。

上顎骨の過成長(垂直的過成長)

上顎は前と下に成長していきます。縦方向により成長してしまうと顔が長く見え、笑うと歯ぐきが露出するようになります。遺伝的傾向があることも多いとされています。

口呼吸・低位舌

宇治市 歯医者 mouth open なかむら歯科医院

口呼吸があったり舌の位置が低い位置にあると、上顎の下方への過成長を誘発するようになります。舌が下から押し上げる力が上顎にかからないからです。根本を突き詰めると哺乳の仕方、哺乳期間、離乳食の与え方、ハイハイの期間、などきちんと順序を踏んで適正にできていないと、アデノイド顔貌、いわゆる口ポカンになってしまい上顎の下方への過成長を促してしまうのです。。

不正咬合

出っ歯(上顎前突)や開咬などの不正咬合も②と同じ理由で起こり、結果としてガミースマイルを引き起こす原因になります。噛み合わせによって唇が閉じにくくなり、笑うと歯ぐきが目立ちやすくなったりします。

子どものガミースマイルに対する対処法

早期発見・早期対処が原則です。成長期における対応は成長を利用した予防的介入がポイントです。

口呼吸の原因除去(耳鼻科との連携)

口ポカンだったらまず耳鼻科を受診しましょう。アデノイド肥大、アレルギー性鼻炎などがあると鼻呼吸ができず口呼吸になってしまうからです。歯科受診の前にまずは耳鼻科で、鼻に問題がないかを確認してください。

小児矯正

宇治市 歯医者 mouth piece ortho なかむら歯科医院

上顎が劣成長で出っ歯、開咬、などの不正咬合になっていることが多く、早い時期に上顎の成長方向を正しくコントロールしていくことが望まれます。マウスピース型矯正は素材のしなやかさを使って痛みなく顎を拡げていくことが出来ます。また最近では色々なソリューションをマウスピースでも併用できるようになりました。(前方牽引装置など)女の子は15歳、男の子は18歳でほぼ成長が終わります。時間はあれよあれよという間に過ぎていきます。時期を逃さず取り組み、骨格的ガミースマイルの進行を未然に抑えるとよいでしょう。

筋機能療法(MFT Myofunctional Therapy)

宇治市 歯医者 aiube なかむら歯科医院

舌の位置、口唇の閉鎖力、正しい嚥下や発音をトレーニングします。簡単なトレーニングで比較的予防効果が高いとされています。例えばポッピングです。舌を上顎につけて吸い上げて“ポン”っと鳴らす。意外と最近の子どもたちは鳴らすことができません。舌を上手く使えないのです。あとは、あいうべ体操などあります。多くの訓練がありますが毎日続けられないと意味がありません。いつまで?と聞かれた時の答えは、永久歯が生え揃うまでです。大体14歳くらいと思ってください。大きくなると子供任せになります。なかなか難しいところです。口呼吸や低位舌を改善し、骨格の成長バランスを整える意味があります。

生活習慣の見直し

姿勢、食事の仕方、呼吸の癖などが骨格成長に大きく影響しています。親が言って、言い聞かせられる時期ですし、食育できる期間です。顎の発達促進、咀嚼筋の刺激で顔面成長を正しく導いてあげましょう。

正しい食事姿勢の習慣化

よく噛んで食べる    。しっかり噛まないといけない食事の提供

猫背などの姿勢の改善        上顎の成長方向に悪影響を及ぼしています。

大人になってからだとそれなりに治療は大変

これまで述べてきたように成人のガミースマイルを改善するのは、どのような手立てでもそれなりに大変です。大きな外科処置による治療を除けば、効果もある程度限定されます。しかしながら子供のうちにその兆候が見られるならぜひ早め早めに対応されると良いでしょう。様子を見ることもありますが、基本的に出来ること取り組みましょう。矯正治療以外の対処法はさほどお金のかかることではありません。しかし家族全体の根気は要ります。腹を据えて取り組んで下さい。治療だけではよくなりません。

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50代女性のマウスピース矯正の実例

2025年10月23日

概要

初診時54歳女性 体に不調を感じるとのことでした。夜間熟睡ができない。若い時は肩こりや頭痛もあった。左でよく噛んでいる。ということでした。口腔内を拝見すると下の前歯の真ん中が少し左にずれていました。かみ合わせた時に下の前歯は上の前歯に少し覆われるのが一般的なのですが、半分以上隠れています。歯科用語では過蓋咬合と言います。かみ合わせた時に下の前歯が上の前歯で完全に覆われている方もいらっしゃいます。下の前歯の付け根当たり、犬歯がわかりやすいかもしれません。骨がもっこりしているように見えます。かみ合わせが強い方によく見られます。骨隆起と言います。上の真ん中から3番目の犬歯が一つ後ろの歯に比べて内側に傾斜しています。

宇治市 歯医者0007_kt_Oral front_20230509 なかむら歯科医院  

歯並びの不正も少しあります。

宇治市 歯医者 0007_kt_Oral upper_20230509 なかむら歯科医院

前歯4本が直線的に並んでいます。真ん中から2つ目と3つ目の間に段差がついているような感じです。顎が少し小さくて歯が並ぶだけの大きさになっていないようです。

宇治市 歯医者 0007_kt_Oral lower_20230509 なかむら歯科医院

下の前歯にがたつきがあります。奥歯が内側に倒れています。向かって左の奥から3番目、4番目がわかりやすいですが、奥歯は全部そうなっています。舌が写っていますが、窮屈そうにみえます。前歯が並ばないことから顎が少し小さいこと、歯が内側に傾斜していることで、舌の置き場が狭いのです。舌は行き場をなくすと奥に行くか、下にいくしかありません。そうなると気道が狭くなります。人は呼吸しないと生きていけませんから気道を確保するために首を突き出すような姿勢をとります。姿勢が悪くなる原因となります。無理な姿勢を維持するので、適正な筋肉の使い方でなくなります。肩こり、首の凝り、腰痛など全身はつながっています。かみ合わせのズレや不正咬合から離れた部位に不具合が出現する可能性があるというのはこういうことなのです。

かみ合わせの高さが低くなるにつれ噛む筋肉は強く作用する。

宇治市 歯医者 era なかむら歯科医院

前歯のてっぺんがすり減っているのもわかると思います。本来犬歯は山のように先端が少し尖っているのですが、平らになっています。これは噛みしめてすり減っているか、歯ぎしりしていることが考えられます。たいていの方はそんなことはない、家族にも言われたことがない、など強く否定されます。でも痕跡はあります。では何故噛みしめるのでしょうか。顎は上顎が先に大きくなり、そのあとから下顎が大きくなるという成長過程をとります。上顎が適正に大きくならないと、後から成長する下顎が前への成長がブロックされます。上の前歯に下の前歯が当たってしまうと下顎は後ろに下がります。下がると気道が狭くなり、苦しいので本能的に前に出そうとします。また奥に下顎が下がるとかみ合わせの高さが低くなってしまいます。かみ合わせが低くなると筋肉は強く作用します。成長期に適正に顎が大きくなれず、その時期を過ぎて不正咬合のままであることが気道を狭くしたり、噛む筋肉を強く作用させてしまうことが噛みしめや歯ぎしりの理由ではないかと考えています。エラの張りもかみ合わせの高さが低くなって筋肉が過緊張を繰り返し、変な言い方ですが鍛えられていった結果で起こります。噛み合わせの低い方に噛み癖があります。顔の傾きや顎にズレが出ます。加齢によるすり減りだけでは根拠が薄いのです。

かみ合わせに関係していると思われる症状

宇治市 歯医者 double chin なかむら歯科医院

歯ぎしり、食いしばり、肩こり、はこれまで話してきました。いびきについては、舌の位置が後ろにあることで気道が狭くなって、いびきをかきやすくなります。フェイスラインのたるみ二重顎などは舌の位置が、不正咬合で下に落ちてしまったことで起こっています。下顎が前に成長できない状態のままであると、口回りの筋肉が後ろに引かれます。引っ張られた状態だと血液の巡りが悪くなってニキビができやすくなります。顎先のニキビや化粧のノリが悪い原因はこういったところにあるかもしれません。また口を閉じるために下唇を前に出すので、下唇周囲の筋肉を常に緊張させているので血液の巡りが良くないことが原因の一つだと思われます。

顎の関節の変形

宇治市 歯医者 0007_kt_Panorama_20230509 なかむら歯科医院

初診時のレントゲンです。一番後ろの歯のさらに奥に親指のような形のようなものが見えます。これが顎の関節です。左右一対で対照的な形を本来はしています。向かって左は丸く普通の形をしていますが、右の顎の関節の形は左に比べて小さくなっています。左のかみ合わせの高さが低くなっていることで、下顎が右の奥に押し込まれています。そのことで顎の関節が年月をかけて変形していると考えられます。顎の関節が定位置にいられないことで顎の開閉口でカクっと鳴ったり、痛みを生じます。顎関節症の原因にはいろいろな原因が考えられていますが、かみ合わせが原因とされる顎関節症のメカニクスは述べた通りです。顎の関節の後ろには血管、神経が通っています。顎の関節が後ろに押し込まれることでその部分を圧迫してしまいます。その圧迫が片頭痛の原因になっていることもあります。ほうれい線もかみ合わせの高さが低くなっている方が深くなります。左右差が出るのはこういった理由です。かみ合わせ高さを含めて改善され、下顎が本来の位置に戻ることができれば、時間はかかりますが顎関節の形は年齢に関係なく戻っていくと報告されています。

治療の経過

私が考えること以外の原因が主たる原因であれば、矯正治療で抱えてらっしゃる問題がすべては解決しませんが、改善する可能性があることをお伝えし、治療の是非を決めていただきました。改善の可能性が少しでもあるのであれば治療を進めたいとのことでした。マウスピース矯正は、マウスピースの厚みの分だけかみ合わせが高くなりますから、その分顎関節の負担も減ります。ワイヤー矯正に比べて大きな利点の一つは、顎関節を本来の位置に戻せる可能性のあることです。

初診時

宇治市 歯医者0007_kt_Oral front_20230509 なかむら歯科医院  

治療開始1か月

宇治市 歯医者 0007_kt_Oral front_20231205 なかむら歯科医院

少し下の前歯が見えてきました。

治療開始約5か月

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ずいぶん下の前歯が見えるようになってきました。歯の真ん中もぴったり合ってきました。下あごが向かって右にズレていたのが、マウスピース矯正を行うことで顎が元々の位置に戻ろうとしていきます。先ほど述べたようにマウスピースの厚みの分高くなることと、マウスピースを入れているので噛み合わさらないので、顎が自由に動けるのです。

治療開始約1年

宇治市 歯医者 0007_kt_Oral front_20241101 なかむら歯科医院

少し右に顎が後戻りしています。皆さんも顎を右か左にずらしてもらうと、ずらした反対側が空いて噛まなくなります。その部分がしっかり噛めるようになるまではかみ合わせが不安定なのでこのようなこともあります。新しい環境に慣らしていくことを現在しています。(まだ治療途中です。)何年もかかっての今の状況になっているので、関節含めて適応するのは時間がかかります。

上顎の歯並びの変化

宇治市 歯医者 0007_kt_Oral upper_20250303 なかむら歯科医院

綺麗な連続性のあるアーチになってきました。

下顎の歯並びの変化

宇治市 歯医者 0007_kt_Oral lower_20250303 なかむら歯科医院

舌の置き場にも少しゆとりが出てきました。

頸椎の変化

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宇治市 歯医者 0007_kt_Cephalo LA_20241206 なかむら歯科医院

少しわかりづらいですが、頸椎の角度が治療につれ少し立ってきています。まだ本来と逆の反り方ですが、それでも姿勢が矯正治療することで改善されていることがわかります。頭の重さは5㎏あります。その重さをバランス取って背骨の上に載せています。かみ合わせがズレていると前後左右のバランスが崩れます。舌の位置が後ろや下にあると呼吸しやすくするための姿勢にズらしています。いろいろなズレを修正するのに身体は不均衡な筋肉の使い方をします。その結果が口の周りだけでなく遠く離れたところまで不具合を生じさせてしまうのです。

新しい環境に適応するのは時間がかかる

身体にとってもう少し良い顎の位置を求めながら微調整しているので、治療は終わっていません。でもゴルフでいえばグリーンに乗っているところまで進んでいます。患者さんの不具合は完全に取れていませんが、それでもずいぶん良くなってきたと言ってくださいます。他の方の参考になれば資料としてお使いくださいというご厚意に感謝いたします。

治療目的

下顎前歯部の叢生の改善。

治療期間

18か月(現在まで)

治療回数

13回(現在まで)

治療費用

869,000円(モニタリング費用含む)

リスク・副作用

必ず身体の不調が取れるわけではありません。生体の反応には個人差があります。顎関節症状が必ず取れるということではありません。治療上のコンプライアンスを遵守していただけないと治療効果が得られません。

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