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歯周病は歯科医院で完治すると思ったら大間違い!

2026年5月7日

毎日の正しいブラッシングが出来ていないと治りません!

宇治市 歯医者 plaque1 なかむら歯科医院

皆さんは歯周病になったら歯科医院へ行けば治ると思っていませんか?タイトル通り治りますが、完治しません。虫歯は、虫歯をすべて取り除くことができて、完治する状態にすることができます。そしてセラミックや金合金などを用いて適合よく被せ物や詰め物ができれば再感染を防ぐことができます。ただし口腔内環境を良好に保つことが出来なければ虫歯になってしまいます。では、歯周病が完治しないのはどうしてか?それは毎日原因が産み出されるからです。その原因は何か?いわゆる歯垢です。

歯周病の原因は歯垢です。

歯垢は、食べ物のカス、 口の中に存在する細菌が唾液のネバネバ成分によって混ざって、歯にくっついたもの、です。皆さんは食事を摂りますよね。食事を摂るたびに歯垢が産生されます。バイオフィルムってお聞きになったことはないでしょうか?歯垢はバイオフィルムの一種です。簡単に言うと、細菌が作る膜状の棲家です。薬が効きにくいバリアになっていて、その中に住む細菌が守られています。その菌たちが、毒素を出して歯ぐきに炎症を起こし、歯を支えている骨を溶かしてしまいます。歯周病は歯を支えている骨失われる病気です。虫歯とは違い、歯そのものではなく支える骨が溶ける病気です。歯周病による炎症が続くと、歯がぐらついて最終的に歯を失ってしまいます。

歯周病の自覚症状

宇治市 歯医者 swlling なかむら歯科医院

歯ぐきが腫れる、膿が出る、歯みがきで出血する、歯がグラグラする(噛むと痛い)、口臭が気になる・指摘される、などあります。歯ぐきが下がって歯と歯の間に食べ物がよく詰まるということもありますが、加齢によっても歯茎が下がりますから、詰まるとか歯茎が下がったは必ずしも歯周病の症状とは言えません。初期の歯周病だとほとんど自覚症状はありません。気づけません。虫歯が進行すると神経に近づいていくので症状が分かりやすいのですが、歯ぐきの炎症は痛みが出にくいです。また少しずつ炎症は進むので変化に気づきにくいのです。歯周病は静かに進む病気と言われます。痛みがほとんどなく、気づいたときには歯を支える骨がそこそこ失われています。歯ブラシで出血しても、強く磨きすぎたかな、とか歳のせいかもしれないししょうがないかな、とスルーしがちです。

口腔内細菌を無菌化することはできません。

なぜなら口の中の細菌をゼロにすることはできないからです。もし口腔内細菌がゼロになると私たちは生きていけません。口腔内には700種類以上の常在菌がいて常にバランスを取っています。そのひとつに病原菌の侵入を防ぐ役割があります。常在菌がゼロになると、強い毒素をもった細菌やカビ菌(真菌)などに交代します。そうなると今までの口腔内細菌を前提に作られていた免疫システムが作動しませんから口の中のバランスが一気に崩れ健康を維持できなくなります。口の中に細菌が存在することは悪ではありません。大事なのは菌をゼロにすることではありません。

歯周病対策は毎日確実に歯垢を取り除くこと

宇治市 歯医者 brushing なかむら歯科医院

毎日の歯みがき歯垢を除去する、これに尽きます。うがいするだけで歯垢は取り除けません。先ほど述べた通り細菌は自分たちを守るために強力な膜、バイオフィルムを作るため、洗口液では除去できません。イメージとして排水口のヌメリと同じようなものです。こすらないと落ちませんよね。それも一生懸命に。ですから歯垢はこすって落とすことがとても重要です。それはわかった、ちゃんと歯磨きをしている、と言う方もいらっしゃるでしょう。ではどこに歯垢は残りやすいかご存じでしょうか?

歯垢の残る場所をご存じですか?歯垢を取り切れている自信はありますか?

宇治市 歯医者 interdentalbrush なかむら歯科医院

一番は歯と歯の間です。歯ブラシの毛先が届きにくいですよね。歯ブラシの毛先を入れ込んでいますか?歯と歯の間の歯垢を取りきれている自信はありますか?正直歯ブラシだけでは取り切れません。フロスや適切な歯間ブラシを使わないと無理です。皆さん、これら補助的清掃具を使っていますか?その次が歯と歯ぐきの境目や詰め物・被せ物の境目です。わずかな段差に歯垢が溜まりやすいのです。詰め物・被せ物の境目は歯と歯の間にあることも多いです。磨き切れている自信はありますか?あとは奥歯(特に一番奥)や歯並びが重なっている所になります。磨いてはいらっしゃるとは思いますが、歯垢を取り切れる磨き方ができていますか?家の掃除で言えば、すみっこや家具の裏にまで掃除できていますか?毎日見えないところまで掃除できていますか?

口腔内細菌と歯周病

近年DNA解析技術が飛躍的に発展し、歯周病患者と口腔状態が良好な方の口腔内細菌叢が解析結果から異なることが報告されました。その違いの一つが歯周病菌最近比率の高い、口腔内細菌叢のバランス異常ということがわかったそうです。更に歯周病の発症、進行にも影響しているそうです。今更とも言えますが、歯周病患者さんは歯周病原最近比率が高いということです。先ほど述べたように細菌を総とっかえすることは出来ません。

歯垢を増やさないコツはあるのか?

歯垢を取り切ることが大切だとお話してきましたが、歯垢を増やさないことも大切です。どうしたらよいのでしょうか。まず考えるのは食べたら歯を磨く、ということです。すぐなのか、ちょっとしてからでもよいのかと言えば、どちらでもよいです。歯垢を取れればよいのです。時間が経てば結合力が増しますから、早ければ早いだけよいですが、歯磨きして取れればよいのです。次に間食をだらだらしないということです。食事の回数が増えれば増えるだけ歯垢が出来ますから。習慣の改善は難しいですが、身体にも良いことですから是非取り組んでください。夜は唾液の流出が減りますので細菌が最も増えやすいです。ですから就寝前のブラッシングは特に丁寧にしてみてください。歯垢の付着に抵抗する一つが唾液です。唾液による流れが歯垢付着の抵抗力になりますからよく噛むことも心掛けてください。

きっちり磨けていても、取りきれない歯垢は出てしまう。

正しいブラッシングを覚えて実践し、補助的清掃具をルーティングにしても除去しきれない部分があり、強固なバイオフィルムが出来てしまいます。バイオフィルムが強固になったものが歯石と考えてください。その部分を歯科医院で定期的にクリーニング、ケアをしていくことが大切です。磨きにくい部分は人それぞれです。付きやすい部分の傾向はあります。でもその部分は覚えていただき歯垢を取り切るよう効果的な磨き方を覚えていきましょう。間違っている歯磨きの仕方で一生懸命時間をかけても結果はでません。 徒労に終わっているということです。せっかく同じ時間をかけるなら結果を出したくないですか?

定期健診にお見えになる方は歯周病の方が少ない!

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診療していて思うのですが、歯周病に罹っている方は定期健診にお越しにならない傾向が高いです。逆に言えば定期健診にお越しになられている方で歯周病の方の比率はかなり低いです。意識の問題でしょうか?ただし健診に行っていれば歯周病にならない、ということではありません。定期健診、正しいブラッシング、補助的清掃具の使用に加え、噛み締めや歯ぎしりなどの、力をコントロールすることができて初めて歯周病を抑え込めます。それは一生続きます。正しい歯垢の除去の方法を覚え、続けていく、という生活習慣の確立は強い意志が必要です。すべてはピンピンコロリのためです。旅立つまで美味しく、自分の歯で食事したいと思いませんか?

歯周病治療のページ

口を開けると音が鳴るのはなぜ?

2026年4月30日

顎がカクカクしたり、コキッと鳴るのは、多くの場合、顎の関節内で関節円板がずれて動いていることが原因です。

顎関節のしくみ

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顎関節は、下顎の骨とこめかみの骨が接している関節で、その間には関節円板という軟骨のようなクッションが入っています。関節は直接骨同士接している訳ではなく、骨と骨の間に軟らかい組織が挟まっていることで関節がスムーズに動きます。顎の関節は関節円板があるおかげで口がスムーズに開閉できます。

音が鳴る主な原因

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本来、あごの動きに合わせて円板も一緒に動くのですが、いろいろな理由で関節円板が定位置(骨と骨の間)からズレることがあります。口の開けると関節円板が骨と骨の間に戻り、閉じると関節円板が前方にズレます。これを関節円板の前方転位と言います。その場合、口を開けて関節円板が定位置に戻った時と口を閉じた時に関節円板が前方にズレた時にカクっと音がします。このパターンが一番多いです。

関節円板が定位置に戻れなくなることもある。

カクっと音が鳴るということは、ある条件だと定位置に戻ります。これを復位性の関節円板前方転位と言います。長期間ズレた状態が続くと、関節部分に炎症を起こしたりします。そうすると関節円板が変形したり、動きが悪くなったりして定位置に戻れなくなります。そうすると音が鳴らなくなります。これは非復位性の関節円板前方転位と呼ばれます。口が開けづらくなったり痛みを感じやすくなったりしますが、復位性であっても程度の差はあれ、あります。

関節円板がズレる原因

片側噛み(左右どちらか一方で噛む癖)

片噛みを続けると片側の噛む筋肉(咬筋や側頭筋)が過剰に発達し、反対側の筋肉が弱まる。その結果顎関節が片方だけ圧迫され、関節円板が片側だけズレることがあります。顔に歪みが出たり、左右の肩の高さの違い、クリック音の左右差などが見られることもあります。抜歯されてそのままにしていると歯の残っている方で主に噛む癖がつきます。

食いしばりや歯ぎしり(日中の無意識な食いしばりも含みます)

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こちらが口腔内に噛みしめ癖(歯ぎしりや食いしばり)のサインがあるので、指摘しても大抵は否定なさる方が多いです。無意識であるからでしょうけれど。常に顎関節が圧迫されるため、関節円板が前に押し出されていくのです。噛む時に使う筋肉が慢性的に収縮して硬くなり、さらに関節の動きを制限してしまいます。朝のこわばりや顎の疲れ感がある場合は、夜間に噛みしめや歯ぎしりをしている可能性が高いです。日中でも作業や仕事をしている時に無意識に噛み締めている方もあります。口は閉じていても噛み合わさっていないのが普通の状態です。顎関節に違和感のある方は意識できる日中噛み締めていることがないかチェックしてみてください。

骨盤の傾きや足の使い方の癖

骨盤が前傾や後傾していたり、片足重心、外反母趾などがあると、体幹の左右バランスが崩れ、首や顎の位置も身体は知らないうちにズレていきます。そうすると顎の関節の運動軸が変化し、関節円板に不均等な負荷がかかってズレやすくなる、ということも起こり得ます。足を組む癖のある方も骨盤にズレが起きていることが多いです。

うつ伏せ寝や頬杖などの日常の癖

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長時間下顎に力のかかる姿勢が続くと、顎がその方向にズレて顎の関節もズレます。両側の頬杖やうつぶせ寝は、下顎頭を後上方に押し込み、関節円板を前に押し出す力が慢性的にかかるのです。片側の頬杖や横向き寝でも横方向に力がかかるので関節円板は斜め前方向(内側、外側方向にも)に押し出される原因になります。この他にも様々な日常の癖があります。下顎に不要な力をかけないようにしましょう。無くて七癖、自分では気づきにくいので家族に指摘してもらうとよいでしょう。

硬いものが好き

硬いものが好きな方もよくいらっしゃいます。そういう場合も過剰に噛む筋肉を使いますから顎関節から関節円板を前方にズラすことになります。いきなり止めることも出来ないでしょうけれど、関節に悪影響を及ぼすことも頭の片隅に入れておいてください。

咬み合わせが低い

咬み合わせが低いとは、歯がすり減ったり、被せ物や義歯の高さが低くなったりして上下の歯の間隔、専門用語で咬合高径と言うのですが、減少している状態を指します。歯ぎしりで全体の歯がすり減ったり、奥歯を失ってそのままにしていても咬合高径は低くなります。成長期に上顎がきちんと成長できていないと下顎が前方に成長できず後方に押しやられることで咬合高径が低くなることもよく見られます。

低い咬合が顎関節に与える影響

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下顎が後方(後上方)へ押し込まれる

咬合が低くなると、口を閉じたときの下顎の位置が後上方にずれます。顎関節の下顎頭と呼ばれる部分が関節の奥に押し込まれてしまいます。その結果、関節円板が前方に押し出されてしまいます。咬合高径が低いと、咬筋、側頭筋、内側翼突筋という噛む時に使う筋肉などが普通よりも短かく働くことになります。その状態が続くと、これらの筋が常に関節を後方に引っ張る力として強く働きます。結果的に、関節円板が前にズレた関係が固定化する恐れがあります。

歯科的な対応

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先程述べたように食いしばりや歯ぎしりは口の中にその兆候が見えますから指摘されたら素直に受け入れましょう。昼間は歯を離す意識をもっていただき、夜間は歯ぎしり用のマウスピースを使うなどして歯同士を当てないようにしてください。自分の持っている癖に気づき、頬杖を止める、寝方に気を付ける、硬い嗜好品を止めるなどしてください。身体全体の姿勢の改善、顎の周辺のストレッチも、必要に応じて行います。咬合器や顔貌写真、レントゲン、などから咬合高径が下がっているかなど下顎位を含めた診断を行い、補綴(被せ物)矯正治療などで咬み合わせの再構成を行うことになります。

関節円板はレントゲンに映らない

関節円板が軟骨性の組織でできているのでレントゲンに映りません。カルシウムを多く含む骨は、X線を強く吸収するので白く映ります。空気や脂肪、筋肉などの軟部組織はX線をあまり吸収しませんから黒っぽく映ります。レントゲンはX線がどのくらい通るかの差で画像を作っています。関節円板は水分やコラーゲンが主成分でカルシウムなどのミネラルはほとんど含まれていません。ですから、X線がほぼ通過してしまい、骨のように映りません。関節円板がどうなっているかは解剖学、症状などから推察しています。関節円板を画像として見ようとするには実はMRI(磁気共鳴画像)しかありません。

MRIは、顎関節の状態を最も正確に把握できる検査方法です。

MRIはレントゲンと逆に水分の多いところが明るく写ります。骨は逆に黒く写ります。口を開けた時と閉めた時で撮影し比較します。関節円板の形は正常なのか変形しているのか。開けても閉じても正常な位置にあるのか、前方転位や側方転位などしているのか。関節円板の位置に問題があって、口を開閉口した時に関節円板の位置が復位するのか復位しないのか。などがわかります。炎症や滑膜炎があると液体貯留が増えるのですが、それも可視化されます。

MRIですべてがわかるわけではありません。

顎関節の動きを完全に再現できるわけではなくあくまでも静止画像での開閉口比較となります。CTは個人の診療所に導入されてきていますがMRIはそうではありません。病院などで撮影する必要があります。顎関節症は画像所見と臨床症状を総合して判断していくのですが、より詳細な状態を知るためMRIが普及することは患者さんにとって大きな福音です。

顎関節症のページ

 

義歯やブリッジよりもインプラントの方が本当によいのか

2026年4月29日

歯を失った、あるいは歯を失われてそのままにしている部分を補うための方策として、ブリッジ、義歯、インプラント、歯の移植が考えられます。

失った歯が1本からすべて無くなったときまで対応できるのが義歯です。

失われた数や部位を問わず対応することができます。歯が全くない状態を無歯顎と言います。無歯顎になると固定源がありません。歯茎の上に乗っている状態です。歯は舌、頬、唇の間にはさまれた僅かな空間に植立しています。それらの筋肉が動いても力が及ばない隙間に人工の歯を並べます。歯茎と義歯の間に唾液が入りますが、その唾液の僅かな表面張力で浮かないようにしています。引っ付く面積が大きければ大きいほど外れにくくなります。重度の歯周病などで歯が失われ、顎の骨が少なくなった状態で総義歯を作成すると安定しづらいです。

義歯安定剤を使ってよいのか

顎の骨が噛みしめなどにより部分的に尖っていることがあります。そのような無歯顎や、顎の骨との接触面積が少ない無歯顎では義歯の安定が難しいのです。解剖的に不利な条件の無歯顎や、大多数の歯が失われた部分義歯では義歯安定剤を用いることで義歯の安定を図ることがあります。歯茎と接触する側に義歯安定剤を一層薄く敷きます。厚く敷いてしまうと噛み合わせが変わるのと、顎の骨を傷めることになるので注意してください。

部分義歯

歯が一本だけ残っている状態から、一本だけ失った状態までに対応するのが“部分入れ歯”です。残っている歯を支えとして義歯を安定させます。安定のさせ方として歯にわっかをかけます。少し大きな木を抱え込むイメージをしてください。手がわっかです。木が歯です。手を強く絞れば外れづらくなります。一本より数本あった方が外れづらくできます。失った歯が多くなれば歯だけで支えていると負担がかかるので、顎の土手にも参加してもらって義歯の動きを小さくします。ですから失った歯が多くなればなるほど入れ歯は大きくなります。

最初に入れた入れ歯には異物感を感じる

顎から直接歯がでているのと、歯茎の上に人工の歯を乗せるのでは大きさが全く違います。大きく感じます。人間の適応力はそれなりで、やがて慣れることが多いです。総入れ歯は大きいですが、されている方は慣れてらっしゃるし発音もおかしくないです。でも初めて義歯を入れるとそれが1本でも違和感、異物感を感じます。慣れる方が多いのですが、慣れなくて外してしまう方も多くいます。歯を多く失ってから初めて義歯を入れると大きな義歯を入れることになるので、慣れるのにかなり苦労されると思います。

総入れ歯の機能回復は1/4

天然の歯が全て残っている時の最大咬合力は50~60㎏(一説には自分の体重分とも)、総義歯では15㎏と言われています。良くて1/3くらいです。下顎の奥歯(親知らずを除いて)片側が2本失われると咀嚼効率が、すべて残っている状態と比べると1/2~2/3くらいになることが報告されています。となると、反対側で噛むようになりますから、そちらに負担が行きダメージが蓄積されます。のみならず顎の関節にも良いことはありません。顎関節症の原因とも、顔の歪みにもつながります。歯を初めて失った時にこれ以上歯を失わないようにすることが大切です。固定式の選択がこれらのことからよいと思います。ただ義歯の良い点は、ほぼ歯を削らない、という点です。

義歯のもう一つの問題

部分義歯の平均使用年数は3年で70% 5年で40%です。言い換えると義歯の平均寿命は約4年です。わっかのかかっている歯の虫歯になる率は4年で93%、つまりほとんど虫歯になるということになります。

 

ブリッジの平均使用可能年数は約8年

一番後ろの奥歯を失った場合、ブリッジという選択はできません。ブリッジは両端に歯が無いと基本的にできない治療です。親知らずがあったとしても斜めに生えていたり、きちんと歯の高さが無いと土台にすることはできません。イラストの通り元の歯の大きさの物を被せるので、元の歯を土台にするため歯を削らないといけません。1本失った場合両隣の2本で支えますが、支えにする歯にとっては3本分の力を2本で受けることになりますから負担過重になります。歯を削られた上に負担も増えますからよいことではありません。少し古いデータですが、岡山大学の研究でブリッジの平均使用年数は約8年ということです。言い換えると8年の残存率が5割、それまでにブリッジが壊れる、あるいはブリッジそのものが失われるということです。(抜歯も含めて)

 

保険ではブリッジできない歯の残り方もある

失った歯でも、1本だけでなく2本連続とか3本連続とか、飛び飛びとかあります。上下それぞれ14本歯があります。保険診療では下の前歯を除き3本連続失われている場合ブリッジは適応されません。土台の歯が悪くなり長持ちしないから、義歯にしてください、ということです。2本ならいいのでしょうか?認められていますが、2本で4本分の支えるのに無理はないかといえば、私はあると思っています。ですからお勧めしていません。先ほど記載した使用年数に達しないだろうし、歯を長くもたせたいからです。本当は1本でもお勧めはしません。飛び飛びならよいでしょうか?失った歯が2本以上ということですよね。削る歯の数も更に増えます。

 

自費ならブリッジできるのか

自費診療では保険の適応を離れるので、規制はありません。セラミクスなど、材質は保険の物と全く違いとてもよいのですが、土台にかかる負担や、歯を削ることには変わりません。虫歯になりにくい、材質の劣化が無い、体に害がない(アレルギーなど)など材料特性はとても優れています。ブリッジを長く持たせる要素を多く備えていますが、ブリッジにした時に歯にかかる負担を軽減することにはつながらないのです。

 

ブリッジの別の問題点

ブリッジでは歯の無い部分をあるように見せかけます。歯茎の上に僅かな隙間があってその上に金属かセラミックが覆いかぶさります。その隙間に食べ物の僅かな汚れが入ります。そこは歯間ブラシやフロスで必ず清掃する必要があります。土台の歯の虫歯予防のためにも必ず必要です。舌の感触も、元々の歯の形と違うので多少の違和感が出ることもあります。

 

歯の移植

使っていない親知らずを、失われた歯の部分に持って行くのが歯の移植です。大人の場合かなり難しいのが実情です。歯の大きさが抜いたところにぴったり合わなかったり、移植できたとしても、生着しないことがよくあるからです。生着しないと抜けます。使っていない親知らずですから、歯が癒着していたり、埋まっていたりで、その抜歯自体も大変です。適応が限られると認識していただいた方がよいでしょう。

 

インプラントの良い所

天然の歯とほぼ同等の咀嚼力、咬合力を発揮できます。感覚的にも天然歯と変わらないとされています。インプラントは10年経過でも90%を超えるのが普通です。30年経っても残存率50%という報告はほぼ見当たりません。残っている歯を犠牲にしない、むしろ他の歯の咬合の負担を分散し軽減が図れます。

 

インプラントのデメリット

ご存じの通り、保険適応されていません。自費診療になります。骨とインプラントが結合するのを待つ期間が3~6か月あります。治療期間が長くなります。

 

インプラントを長く持たせるには

インプラントの材質はチタンで出来ています。チタンそのものは腐食もなく、アレルギーもかなり少ないとされています。材質的に生体に害のない素晴らしい材料です。インプラントは骨と結合しています。その結合は炎症があれば緩み、歯周病と同じようにインプラントを支える骨が無くなります。炎症の元、それは毎日の歯垢の除去と定期的な噛み合わせの調整です。歯周病で歯を失っている場合、そのコントロールができていないと歯と同じように口の中からインプラントを失うことになります。

 

インプラントに向かない方

ある程度顎の骨にボリュームがないとインプラントができません。下顎には大きな神経があったり、上顎には副鼻腔があります。安全に、長持ちさせるために部位によってはできないこともあります。タバコを呑まれる方も向きません。タバコは末梢血管を収縮させ栄養供給しにくくなるので、インプラント周囲の組織に良い影響を及ぼしません。インプラントを支える骨を吸収させてしまうからです。

 

1歳から歯科医院に行く必要はあるのか?

2026年4月23日

ファーストデンタル

初めての歯科受診の目安は1歳の誕生日ごろ、あるいは最初の歯が生えてきたらと言われています。日本小児歯科学会などもこの時期を推奨しています。1歳8か月健診も行政で行われていますが、それより前ということになります。1歳ごろからの受診と聞くと、歯科医院に行って何をするの?と思いますよね。この時期の歯科医院での対応は治療ではなく、予防と育成支援になります。

1歳で歯科医院でできること

継続的に通える、かかりつけ歯科医との関係のスタートになります。治療椅子に座ってみるとか、器具を見て触ってみるなどの慣らし体験を経て、歯医者さんは怖くない場所として子どもが慣れるきっかけにしたいのですが、なかなかそう上手くいかないのが本当のところです。口の中を診ようにも大泣きされるのが関の山です。三つ子の魂百まで、と言います。定期健診も思い立った時だけではなく継続的に受診することが大切ですよね。継続は力なりです。この時期から継続的に来院を続けて、怖くないという印象を持てると将来もし治療になったときでも抵抗感が大きく減ります。仕上げ磨きをきちんとご家庭ですべきことをしていれば虫歯のリスクもかなり少ない訳ですから、予防のために通う、という習慣づけにもなるのです。

仕上げ磨きは必ず行ってください。

宇治市 歯医者 brushinng  なかむら歯科医院

嫌がって口を開けてくれない、歯を磨かしてくれない、ということもよく聞きます。はじめは手で持たせて、磨かせるというより、口に入れて遊ばせる、という感じでよいです。何でもかんでも舐めたり、口に入れる時期があると思います。遊ばせるといっても、喉をつついてしまったりして事故になってはいけませんから保護者の目の届くところで、という条件になります。歯ブラシを口に入れることが当たり前になるところから始めましょう。磨いて汚れを落とすのは保護者の役目です。歯ブラシを口に入れることが当たり前になるようにしてみましょう。

私(中村)は、無理してでも自分の子どもには仕上げ磨きをしてきました。

私は自分の子どもには抑えつけてでも仕上げ磨きを行っていました。泣いていたら、口をゆすぐも何もありませんから、歯磨剤などはつけずに歯ブラシで磨き、フロスを歯と歯の間に通してきました。歯ブラシで遊んでいたりして馴染ませてきましたが、泣く時はやっぱり泣きます。寝起き、機嫌の悪い時、泣きます。それでも最低寝る前は必ず仕上げ磨きはしていました。ずっと続けてきましたが、ある時から多分諦めて大人しく仕上げ磨きさせてくれるようになりました。傍からみると虐待ととられかねないシチュエーションですが、子供のためを思って行っていました。保護者の方にはそれぞれのお考えがあります。こうすればよい、ということではなくこんな事例もあるということで恥ずかしながらご紹介しました。自己判断していただきたいです。手前味噌ですが、今も歯ブラシ習慣はきちんと身についているように思います。

哺乳びんについて

宇治市 歯医者 baby bottle なかむら歯科医院

哺乳をしっかりすることで赤ちゃんは舌、唇、頬、の使い方を覚え、筋力をつけていきます。哺乳を通して得られた情報が間違っていると顎の成長や、顔の成長、鼻呼吸になるか口呼吸になるか、食べ物の飲み込み方、発音の仕方まで影響してきます。妊婦健診にお越しいただいた方には哺乳の重要性と具体的な○×をお伝えしています。それと共に哺乳瓶の選び方についてもご説明しています。医学的には栄養供給できれば問題ないのですが、先ほど述べた機能獲得のためにはそのトレーニング機能を備えた哺乳瓶を選ぶ必要があります。具体的に言えば力を使わないと哺乳できない哺乳びんを私は推奨します。栄養供給をメインに考えるか、機能獲得をメインにするかで選んでいただく必要があります。どちらが正しいということはありません。個人個人で決めていただく他ありません。

おしゃぶりを止める時期について

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世界の哺乳期間の平均は4.2年です。幼稚園で言うと年少さんです。現在の日本では、母子手帳を基準にそれよりもずっと早く断乳します。戦後の慣習でやむを得ない所もありますが、出来る限り哺乳期間は機能獲得の面から長ければ長い方が良いと考えています。母子手帳の大元のアメリカでは、母子手帳に記載されている内容は大幅に改善されていて、断乳時期は日本よりも大幅に後になっています。おしゃぶりは機能獲得の訓練にもなるので、2~2.5歳までは許容範囲です。それ以降までおしゃぶりを続けると噛み合わせの問題が出てくる可能性が高くなるので、遅くても3歳までには止めるのがよいと考えています。

指しゃぶりについて

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指しゃぶりをするのはなぜでしょうか?一つの考え方ですが、顎が機能獲得できていなくて大きくなれないと鼻が大きくなれてなくて、鼻呼吸ができない。そのために口から酸素を入れるため指を口に入れて酸素を確保している、という考え方です。つまり、指しゃぶりの原因は呼吸のしづらいから、ということです。うつ伏せになるのも気道が小さいから、下顎を重力で無理やり下げて、気道を確保しているのです。上顎が成長できなくて下顎が定位置より下がってしまうと気道は下がって気道が狭くなり、小さくなってしまいます。そのためうつ伏せになって下顎を重力で降ろし、気道を確保しているのです。上顎を大きくしてくことが答えなのです。

口呼吸、口ポカン

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これらも上顎が大きくなっていなくて下顎が奥に下がってしまうので気道が狭くなるので、生きるために酸素を取り込むため口を開けるのです。口が常時開いているということは哺乳の仕方が良くなくて、上顎が大きくなれなくて酸素を取り入れるためやむを得ず口を開けている、とお考え下さい。兆候は口腔内を診ればわかることもあります。正常に成長すれば乳歯はすきっぱになります。この時期に前歯がキチキチに生えていたり、歯並びがガタガタだということは適切に顎が成長出来ていない、ということになります。空隙の部位により成長空隙、霊長空隙と言い方が変わります。名前はどうでもよくて、空隙があることが大切なのです。

霊長空隙と成長空隙

霊長空隙は上顎だと乳犬歯の前で、下顎は乳犬歯の後ろになります。霊長類に共通して見られて、咬み合わせや顎の成長に伴って自然にできる隙間のことを言います。成長空隙は、霊長空隙以外の前歯の間に見られる小さな隙間のことを言います。将来の永久歯の萌出スペースを確保するために生理的に必要な隙間と言えます。これらのスペースが欠如している乳歯列では、顎の発育や歯列の調和に問題が生じているので永久歯に生え変わった時に歯列不正を起こすリスクが高くなります。具体的に言えば、歯並びがガタガタになって八重歯になる可能性がかなり高くなる、ということです。

歯並びを良くするための対策を知ってもらう

小さい時期に兆候があればその対策を早期に行うべきです。離乳食が長期に軟らかいままであるかの確認をしてください。舌でつぶす食事が続いているようであれば、顎を大きくする力が働かないので、それらを是正していただく。1歳以降は歯ぐきで噛める硬さの離乳食にしてください。にんじんスティックやさつまいもなどを少しゆがいて柔らかくしたものを与えるなどしてください。少しづつ硬くしていってそのままで食べれるようになればベストです。自然なままの味に慣れてくれればいうことありません。食事は足を床に着けて摂るようにしてください。

離乳食にも正しい与え方がある

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今まで述べた他にも色々知っていただきたい内容があります。できれば妊娠時に予備知識としてしっていただく方がよいです。1歳から来院していただくことは、治療ではなくお子様の将来を見据えたご家庭での行っていただく内容をお伝えすることになります。知っていただき行っていただくことがお子様の生涯にわたる健康の礎になると、私は確信しています。

マタニティー歯科のページ

小児口腔育成もページ

親知らずを抜歯するなら、できるだけ早く

2026年4月16日

当院では4月から非常勤ながら口腔外科医が勤務されます。大学卒業以来口腔外科で研鑽を積まれているので、口腔外科に関する症状、疾病に関してご相談いただければと思います。ご多忙のため不定期な出勤なりますので受診を希望される方はお電話にてご確認ください。

スタッフ紹介のページ

口腔外科領域の疾患

身近なものとして親知らず、顎関節症、歯牙移植、粘膜疾患、外傷(歯牙破折、歯牙打撲など)の頻度が高いと思われます。外傷は突発的に起こるので、慢性期でないと拝見出来ないのが心苦しいところです。

親知らずは痛い時には抜けない

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一番メジャーな親知らずについて記していきます。現代人の顎は縄文人に比べると小さくなっていて、親知らずが真っすぐ生えて正しく機能することがないことが多いからです。下記に述べるトラブルの原因になるため、問題が起きる前に抜くことが推奨されます。現状で痛みがなくても、抜歯を勧めるのにはそれ以上のリスクを回避するためです。痛みの有る状態で麻酔は奏功しません。

親知らずの手前の歯を守るために抜歯する

宇治市 歯医者 wisdom なかむら歯科医院

親知らずが斜めに生えていると、手前の歯(第2大臼歯)との間に深い隙間ができることがほとんどです。隙間に詰まった汚れは歯ブラシやフロス、歯間ブラシでは取り切ることが出来ず、親知らずだけでなく、手前の健康な歯の虫歯や歯周病を誘発してしまいます。口臭の原因にもなります。取り切れない食べかすが残ったままだと腐敗して臭うのです。最悪の場合、親知らずと一緒に大事な、本来抜いてはいけない奥歯を失うことになりかねないのです。

智歯周囲炎(親知らずの腫れ)を無くすため抜歯する

親知らずがしっかり真っすぐ生えていないと、元々軟らかい親知らずの周りの歯茎が小さな傷などで細菌感染を引き起こしやすいのです。いわゆる、親知らずが腫れた、というものです。歯ブラシによる磨き傷、食べ物による接触傷など何が原因で腫れるかわかりません。疲れやストレスで免疫力が落ちるても腫れます。抗菌剤などで腫れを抑えても、根本的な原因である親知らずが残っていると、何度も腫れを繰り返す可能性があります。悪化すると、パッとみてわかるくらい顔が腫れたり、口が開かなくなったり、喉の奥まで炎症が広がって唾液を飲み込むのもつらくなることもあり、深刻になると入院が必要になることもあります。

歯並びが悪くなるのを防ぐため抜歯する

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横向きに埋まっている親知らずは、手前の歯を常に前の方へ押し続けています。この押し出す力が、前歯の歯並びをガタガタにしてしまうことがあります。親知らずが無くても、加齢につれ歯を支える歯槽骨が減少していくので歯は動きやすくなっていきます。特に歯の小さな下顎の前歯がガタついていきます。親知らずがあればなおさらです。

いつ抜いたら良いのか?

若いうちの方が骨も柔軟性があって抜きやすいです。年齢が上がれば上がるだけ抜きにくくなります。術後の傷口の治りも若いですから当然早いです。とは言え抜歯に抵抗があるのもわかります。ただ、これから先一番若いのはいつでしょうか?今ですよね。後回しにするよりも若いうちに抜いた方がメリット多いです。

抜かなくてもよいケース

完全に真っ直ぐ生えていて、上下でしっかり噛み合っており、綺麗に磨けている場合は、無理に抜く必要はありません。完全に深い骨の中に眠っており、手前の歯や神経に悪影響を及ぼす可能性が極めて低いと判断する場合もありますが、経年的に嚢胞と呼ばれる疾患を引き起こすこともあります。定期的にレントゲン写真撮影し経過観察していく必要があります。ご留意ください。

親知らずの抜歯の難易度

親知らずの抜歯の難易度は、歯の向き、埋まり方、神経との距離によって大きく変わります。

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  1. 歯がまっすぐ生えず、隣の歯に向かって真横(水平方向)に倒れて埋まっている状態を水平埋伏智歯と言います。横向きなのでそのままでは抜けません。歯茎を切開し、歯を分割して取り出さないと抜けないため抜歯に時間がかかります。普通の抜歯に比べると当然難易度が高くなります。身体にかかる侵襲が大きいため術後の腫れや痛みが強く出やすいです。

 

  1. 歯が一切お口の中に露出せず、完全に歯茎や顎の骨の中に埋まっている状態を完全埋伏智歯と言います。歯を目視できるまで骨を削る必要があります。下顎の中に唇や顎の感覚を司る下歯槽神経と太い血管が通っています。親知らずの根っこが非常に近かったり、接触している場合、抜歯時や抜歯後に下唇の痺れや麻痺が残るリスクがあります。どこに歯があるかを正確に把握するため、事前にCT撮影による3次元的な診断が不可欠ですし、非常に慎重な操作が求められるので、病院歯科へ紹介させていただくことが多いです。

 

  1. 親知らずの根の部分が通常先細りするのに逆に太くなっていたり、根の先が釣り針のように曲がっていたり、根の先が3本や4本に分かれ、骨をしっかり掴んでいる場合など、無理に抜こうとすると根っこが折れて骨の中に残ってしまうため、周囲の骨を削らないと抜けないことがあります。また加齢に伴い、骨と歯が癒着していることがあります。そうなると抜歯は困難を極めます。年齢が上がるにつれて骨が硬くなり、癒着のリスクも高まります。若いうちに抜いたほうがいいと言われるのはこのためです。男性の場合顕著です。

 

  1. 上顎の親知らずの場合、鼻の横にある空洞(上顎洞)と非常に近いことがあります。抜歯した際に抜歯後にできる穴と上顎洞と貫通してしまい、上顎洞炎(蓄膿症のような症状)を引き起こしたり、抜歯中に歯が空洞の中に押し込まれてしまうリスクがあります。

 

難易度を把握をする

難しいケースであっても、現在はレントゲンやCT検査である程度リスクを把握することができます。痺れや麻痺が発現した場合、一般歯科診療所に配置できない薬剤などで対処することがあります。そのため私自身で診断できることもありますが、リスクの高そうな症例含めて専門医が術前診査をした上で当院での抜歯が可能か診断致します。診査診断の上リスクが高い場合は病院歯科での抜歯をお勧めします。少しでも親知らずの頭が出ていたり、一度でも腫れたことがある場合、抜歯を検討した方がよいと思います。抜歯を前向きにお考えの場合は是非ご相談ください。

親知らずが引き起こす意外な症状

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前述したように、親知らずは歯並びを乱す原因になります。加齢も原因の一つではありますが、親知らずが加わるとより歯並びを悪くしてしまいます。歯並びが悪くなると顎関節症状を引き起こす原因になります。歯並びが悪くなるということは、噛み合わせが変わるということです。噛み合わせが変わると顎が僅かにズレます。少しのズレがずっと続いたり、ズレが大きくなっていくと顎の関節にダメージが蓄積されていくのです。親知らずを抜けば噛み合わせのズレが解消されて元に戻るかと言えば、戻りません。歯並びを戻すには矯正治療が必要ですし、歯並びを戻した状態にしないと顎の関節も元に戻りません。戻すというよりは歯並びを良くして、噛み合わせを良くする、と言った方がよいでしょう。顎関節症予防のために親知らずを抜いておくこともメリットとなります。顎関節症の治療の一つが親知らずの抜歯でもあります。

まとめ

親知らずの抜歯と聞くと、腫れたり痛んだりというイメージがあり、後回しにしたい気持ちはよくわかります。抜歯によるメリットもありますから、なるべく若いうちに抜歯される方が多くのメリットを得られると思います。私自身も20代にすべて抜きました。口腔外科医も非常勤ながら勤務されるのでご相談になってみてください。

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根管治療で歯が痛むのはなぜ?

2026年4月9日

根管治療で痛みが出ることもよくあることです

根管治療を受けた後に痛みや腫れが出ることがあることは残念ですけれど、よくあることです。根管治療は、歯髄(歯の神経のこと)や感染している歯質を取り除き、根の先まで綺麗に掃除し根管内を無菌状態に保持する治療です。半永久的に変化のない固形の材料を根管内に満たします。その上で被せ物や詰め物をしていくのです。歯の神経が失われても虫歯に感染します。根管治療が済んでいても虫歯になると、その虫歯の部位をきっかけにして再度感染し、歯の根の付け根当たりに膿が溜まることがあります。

根管治療を行うときのリスク

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根管治療は、根の中の歯髄や感染歯質を取り除き、治療後に充填する固形の材料が入るだけの直径に拡げなければなりません。歯の種類、根の種類によってその大きさの目安はバラバラです。根管治療を行うのにファイルという、簡単に言えばキリとカンナを一つにしたような見た目は針のような器具を使用して感染源を除去しつつ直径を拡げていきます。最近ではNi-Ti(ニッケルチタン)のファイルと専用の器具を用いて根管内を拡げることが多いのですが、根尖付近は微妙に曲がっているので(その上細いので)細い根尖部分は今でも手指を用いて感染源の除去、拡大を行うことがほとんどです。

根管治療すると炎症反応が起きることもあります

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通法に従い治療を行っても、物理的に根管を大きくしたり感染源を取り除いたりすることが、根尖部に刺激を与えることになるので、炎症が起こることがあります。治療が終わるまで、全く痛んだり腫れたりすることのない方もあれば、痛みや腫れの出ない方も多くいらっしゃいます。炎症は異物を排除する免疫反応です。身体が異物を認識すると、そこへ免疫細胞を送り込みます。血液に乗せてどんどん送り込むので、ズキズキします。異物と免疫細胞が戦って、双方共倒れになった残骸が膿みです。その膿が溜まっていくと腫れます。溜まった膿が自然に出ることもあれば、切開すればすぐ出る時もあります。深部に膿が溜まっていたら切開しても効果がそれほどないですし、抗菌剤の投与で腫れが引く場合もあります。

痛みや腫れへの対処は

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軽度の痛みであれば鎮痛剤(ロキソニンやバファリン、カロナールなど)を使用します。根の付け根当たりに腫れやズキズキ感があれば鎮痛剤に加えて抗生物質(ペニシリンなど)を使用することがあります。また根管内に膿が溜まっていることもあるので、仮詰めを取って根管内から排膿させることもあります。(必ず出るわけではありません。)先ほど述べたように歯茎の直下に膿を感じ取れるようであれば切開します。根管治療で根の先に炎症が起こると、歯が浮いたようになるので噛み合わせると痛みます。噛んで痛い場合は咬み合わせの負担を減らすために歯の高さを削って当たらないようにします。

痛みや腫れはいつまで続くの?

切開できるようであれば、溜まっていた膿が急激に少なくなりますから、多少の腫れや痛みは残りますが、グッとなくなります。仮詰めを取って根管内から膿が出てくれたら、やはり同じように痛みや腫れはグッと減ります。それ以外の場合、抗菌剤が効くまでしばらく痛みや腫れは続きます。1日くらいかかって服用した抗菌剤が効いてきます。人により炎症が引いてくる期間は異なります。炎症が起きやすい人、起きにくい人がいるような気がします。軽度な痛みや違和感なら1〜3日程度で自然におさまることが多いので、しばらく様子を見てもよいでしょう。

神経治療が済んでいる歯も炎症は起こる可能性があります

宇治市 歯医者 core2 なかむら歯科医院

神経治療が終わっていても、虫歯による感染が起きてしまうと、根の先が膿んでしまいます。神経治療が終わっている歯は、大抵被せ物や詰め物がしてあります。元の歯の形に戻すために土台を入れてあることがほとんどです。神経治療の途中でなくても痛みや腫れが出ることもよくあります。先ほど仮詰めしてある場合は外して根管から排膿するか診ていくと述べましたが、被せ物や土台が入っている場合、すぐに撤去することはできません。緊急に来院されても撤去する診療時間を確保することができないことがほとんどです。そのような場合は投薬や噛み合わせの調整などの対応になります。金属の土台が入っていると、それを撤去するだけで数回かかることもあります。金属の撤去はとても大変なのです。

神経のある歯も、虫歯でなくて神経がダメになることがある

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神経のある歯で詰め物や被せ物がしてある歯、何の治療もしてないが噛み締めですり減っている歯、は虫歯でなくても神経がダメになって、痛んだり腫れたりすることがあります。虫歯が大きかったり、元の歯を大きく削って被せたりすると、削った分だけ外界と神経までの距離が短くなります。短くなった分歯の神経は刺激を受けやすくなり、そのせいでだんだんダメージを受けて神経がダメになってしまうことがあります。これも個人差があります。神経がダメになってしまうと腐敗して膿ができます。その膿は少しづつ増えて、出口がないので腫れや痛みが発生します。噛みしめが強くて歯がすり減っても神経までの距離が短くなりますから同じことが起こります。噛みしめが強いことで歯にヒビが入って、そこから神経に刺激が慢性的に加わり神経がダメになることも比較的多いです。噛み締めのきつい方は、歯ぎしり用のマウスピースを使って予防されることをお勧めします。

神経は取ってあるはずなのに治療中に痛むのは何故?

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まれに、神経を取ったあとも周囲の神経組織が敏感になり、神経痛のような痛みが残るケースがあります。触るたびにチクチクするとかです。また神経治療することで根の中に血の塊、かさぶたのようなものが出来てそれを触るので痛むことがあります。かさぶたであれば取ることができますが、神経組織の過敏さを取ることはとても難しいことです。通法に従った根管治療でも起こる副作用であることをご理解いただく他ありません。根の中に最終的な半永久的な材料を充填するのに、根管の直径を大きくする必要があります。細い根管を大きく拡大するのですが、押し拡げることによる痛みも出ることがあります。この場合は少しづつ大きくすることで対応します。

ご自身で痛みを悪化させないために何ができるか

根管治療を行うと数日痛みが出ることがあります。少しづつ軽減されることが多いのですが、先程来述べてきたように痛みや腫れが出ることもあります。感染源を取り除き根の中を綺麗な状態で密封するためなのですが、機械的な刺激を与えることが炎症を起こしてしまうことと表裏一体なのです。治療後はなるべく治療部位で硬いものを噛むことは控えてください。もし痛みが出たら指示通りに出されている薬を服用してください。我慢する必要はありません。適切なタイミングで薬を使い、症状が続くなら連絡をしてください。

痛みがどうしても取れない場合は

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そのような場合、服薬ではなく点滴で血中の抗菌剤の濃度を迅速に高くして、炎症を抑えます。一般的には病院にある歯科口腔外科で処置してもらいます。ご紹介状を用意しますのでご持参いただき受診していただきます。炎症がきつい場合は痛みが治まってから根管治療を再度行いますが、予後が不良の場合もありその場合は抜歯になります。抜歯は避けたいところですが、永続性が見込めない場合はやむを得ません。治療を始めるきっかけは虫歯と噛み締めです。虫歯にならない、噛み締めないようにする、夜間歯ぎしり用のマウスピースを装着する、これが神経を取らないための条件になると言えそうです。

根管治療のページ

 

抜歯矯正を決める前に、当院で診断してみてはどうでしょうか

2026年4月2日

歯並びを良くするためには抜歯するしかないのか?

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結論を先に言えば、抜歯しなければならないケースもあるが、非抜歯で対応できるケースも多くあるということです。ガタガタ具合が軽度であれば非抜歯で済ませることが多くあります。成長がまだ見込める時期に基本的に抜歯はしません。未成年の抜歯の判断は男性で18~20歳、女性で15~18歳です。つまり成長が終わった時期に抜歯を判断します。成長で歯が並ぶくらいに顎が大きくなる可能性があるからです。待たないといけない時間はありますが、鼻から諦めるのはいかがなものかと、私は思っています。それは何故かというと、歯を成長期に抜いてしまうと歯列弓が狭小化する可能性が高くなり、そのことで起こる弊害があるからです。

歯列弓が小さくなると起こると考えられる弊害

例えば、縦横高さがそれぞれ5㎝の蓋つきの箱を想像してみてください。縦の寸法だけが4㎝になると元の箱より容積が小さくなります。中に収められる容量は減りますよね。同じだけのものを入れられなくなります。成長期に抜歯をすると、歯列弓が小さくなります。上顎と下顎の中に何があるかと言えば、舌があります。舌の大きさは変わりませんから、口の中の容積が小さいと置き場に困ります。でも何とか収まらないといけません。となると、舌は奥に引っ込むか下に下がります。舌は筋肉の塊ですから形を変えることができるのです。

姿勢にも影響

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舌は本来上顎に当たって側方に拡げる作用の一翼を担っているのですが、その働きが無いとその上にある鼻が大きくなりません。また舌が奥に引っ込むと気道が狭くなります。これらのことから、歯列弓が狭くなると呼吸しづらくなります。そうすると無意識に頭を前に出して空気の通りを確保しようとします。これがストレートネック、猫背、骨盤後傾、O脚、扁平足につながります。もちろん睡眠時無呼吸症候群や口呼吸の持続につながる可能性も出てきす。

舌は動く

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先程述べた通り舌は筋肉の塊です。置き場が後ろや下になっても嚥下や発音はします。その動きは狭いなりに規制されてますから正常から少しずれた嚥下や発音になる可能性が出てきます。歯列弓が普通のままの動きを舌がすると、舌突出癖という癖になり、折角治した歯並びが崩れるリスクが高まります。

口元が寂しくなる

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抜歯すると、そのスペースを閉じるために前歯を後方に移動させることになります。そうすると、唇の厚みが減り、横から見ると顔が平坦になる可能性が出てきます。アジア人は骨格的に口元が少し前にある傾向があるので立体感に欠けるように見えることもあります。また歯列が狭くなると、笑った時に奥歯があまり見えず、スマイル時の歯の見え方が不自然になることもあります。

咀嚼効率の低下

歯列が狭くなると当然上下の歯の接触面積が減りますから、食べ物を効率よく咀嚼しにくくなる可能性も出てきます。

本当に抜歯しなくても治療できるのか

宇治市 歯医者 crowding なかむら歯科医院

一般的な抜歯矯正が選択されやすいのは

・歯を並べるのに10mm以上のスペース不足が著しい歯のガタガタ

・横顔で唇が前に出ている。いわゆるE-lineから2mm以上前方にでている場合

・骨の問題で出っ歯になっていて、上顎前歯を引っ込める場合、本来は外科矯正しないといけないが、外科処置を回避する場合

・骨の問題で受け口になっていて本来は外科矯正しないといけないが、外科処置を回避する場合

これらの場合、抜歯が選択されやすいです。最後の二つは苦肉の策っていう感じです。これらの場合は治療難度がグッと上がるので専門医のところで治療されるとよいでしょう。前歯を引っ込めたいという時に、奥歯を左右一対抜いて前歯を後ろに下げることを希望される方があります。ではどれくらい後ろに前歯をさげられるしょうか?

上の前歯を後ろ方向に動かせる量はせいぜい2㎜です。

歯は顎の骨の中に埋まっています。歯を動かせるのは骨の中だけです。上の前歯が、後ろ方向に動けるのはせいぜい1~2㎜です。それで満足していただければよいですが、前歯を下げたいと考えていらっしゃる方はそれでは意味がないと思われるでしょうか。どうしても下げたいなら、犬歯の後ろの歯を抜歯すると共に、歯が埋まっていた骨も一緒に切除して、骨ごと後ろに下げないと求めることを達成できないと思います。先ほど述べた外科的矯正の適応となります。

スペース不足の矯正治療で抜歯は必須か?

抜歯矯正で抜く歯は、犬歯の後ろの第一小臼歯であることが多いです。その歯の幅はだいたい6.5~7㎜です。通常両側抜くことが多いので、抜歯をすれば13~14㎜の歯を並べるだけのスペースができます。スペース不足が10㎜だったら全然余裕です。余るくらいです。余ったらどうなるかと言えば、空隙ができます。空隙を埋めるように歯を動かします。大抵は前歯のガタガタを治すことが目的になると思います。前歯が綺麗に並んだ時にできる空隙は犬歯と奥歯の間にできます。前歯は並んでいるわけですから、動かすのは奥歯です。でも奥歯は前歯に比べると大きいです。片側2㎜大きな奥歯を前に動かすことはかなりとても難しい治療なのです。わかりにくいかもしれないのですが、カップに入ったゼリーの真ん中にスプーンをズボッと立てることをイメージしてください。スプーンの上に人差し指を置いてカップを平行にずらしてみてください。難しいと思います。傾くと思います。空いた隙間を埋めるために奥歯を平行移動させることは難しいのです。(表現が難しくてすみません。)

IPRという手立てでスペースを確保する

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IPRはInter proximal Reductionの略で、簡単に言えば歯の端を僅かに削合することです。歯は一番外側にエナメル質という組織があり、知覚がありません。象牙質にくらべて薄いのですが、それでもある程度の厚みがあります。(前歯の端で約0.7〜1.0㎜、臼歯で約1.0〜1.5㎜)歯の端をエナメル質内に限局して僅かに削合することで歯を動かすためのスペースを作ることができます。ただし安全に削れる量には限度があります。基本的な許容範囲は1か所最大0.25㎜です。1本だと0.5㎜になります。片側で前歯は6本、小臼歯は4本ありますから、奥の大きい歯を除くと最大9か所IPRできると4.5㎜のスペースを作ることができます。抜歯して得られるスペースよりも随分少なく感じられるでしょう。物差しで見ると意外とそれなりの量なのです。

傾斜している歯を直立させることでスペースを確保する

人の歯は身体の真ん中に向かって倒れてくる傾向にあります。年齢が上がるにつれ、前歯は若い時こんなにガタガタしていなかった、とおっしゃる方がよくあります。また歯を失ってそのまま放置していると、失った歯の後ろ側の歯は前に向かって倒れてきます。乳歯列や混合歯列では少ないのですが、永久歯に生え揃っている、歯並びと噛み合わせのよくない若年者も基本的に前方に傾いている傾向にあります。前方に傾いている歯を元に戻す方向、つまり後方へ立て直すことでスペースが出来てきます。これは人それぞれなので単位としてお示しすることはできないのですが、左右それぞれ2㎜くらいスペースが出来れば、IPRと合わせて8.5㎜のスペースをトータルで確保できることになります。

抜歯するのと、歯を少し削るのと、どちらがよいですか?

宇治市 歯医者 playing outside なかむら歯科医院

口腔内スキャン、CT・レントゲンなどから診査診断しないと正確なことはわかりませんが、歯並びを治すためのスペース不足を確保するのには抜歯一択ではないと、私は考えています。できるなら抜歯は避けたいと思っています。抜歯を避けた矯正治療を行ったけれど、結果的に抜歯しないと治療結果を得られないこともあるでしょう。特に若年者の場合、抜かないで済めばその恩恵は計り知れないと私は思っています。抜くと決める前に、何医院か診察していただくことをお勧めします。

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開咬の治し方

2026年3月26日

開咬とは

宇治市 歯医者 open bite なかむら歯科医院

前歯が咬合していない状態のことです。そばやうどんが前歯で噛み切れません。見た目に空いている場合と前後的に空いていて、見た目にはわかりにくい2パターンあります。何故開咬が起こるのか、その発生機序には多くの要因が関わっており、単一の原因ではなく遺伝的要因、習癖、成長発育のバランス、親知らず、などが複雑に絡み合っているとされています。

要因はいくつかある

骨格的要因

顔面の垂直的成長が強い、いわゆる馬面タイプでは、下顎骨が後下方へ回転しやすく、前歯がかみ合わなくなることがあります。後下方への回転とは、横顔を右から見たとき時計回りの回転する動きのことです。下顎が後ろかつ下方向に回転すると、正面から見ると顔が長く見えます。特に成長期において下顎骨が後下方に回転してしまうと、前歯の被蓋が失われ、開咬傾向が強まります。

歯槽性要因

親知らずが斜め方向や横向きに萌出すると、その手前の第二大臼歯を押して歯列全体のバランスが崩れ、奥歯の咬み合わせが高くなります。奥歯が高くなると前歯が噛み合わなくなります。割りばしなどを奥歯だけで噛むと前歯が噛まないと思います。少し極端ですが、感じ的にはそんな感じです。

機能的要因(習癖)

宇治市 歯医者 thumb sucking2 なかむら歯科医院

指しゃぶりが長く続いたり、おしゃぶりを長期使用していると、上下の前歯の間に隙間ができてしまいます。そういう集患を止めれたとしても、時期を逸すると嚥下や発音時に舌を前方に突き出す癖が付いてしまっていると、開咬になります。口ポカンだと上下の前歯間に舌が入り込みやすくなるので開咬になりやすいです。そこに舌を入れないと嚥下することができないのです。アデノイド、扁桃肥大による気道狭窄で口呼吸が強いと、開咬の原因になると言われています。まれに巨舌症という舌が著しく大きくなっている疾病もあります。舌が大きいので口の中に収まりが付かず、上下の前歯の間に常態的に舌を差し込むので開咬になったりします。

親知らずの影響はかなりある!

宇治市 歯医者 third molar なかむら歯科医院

親知らずが生えることだけで開咬になることはありませんが、奥歯の噛み合わせのバランスを乱すことはよくあります。直接原因ではありませんが、親知らずを抜去してすることで臼歯の噛み合わせが安定するが多いです。開咬の治療で親知らずを抜歯することは重要になります、というか必須です。開咬の治療のみならず噛み合わせの安定を妨げる要因になるので親知らずは抜歯された方がよいでしょう。

親知らずを抜かないことはあるのか

親知らずは顎の関節の位置に最も近く、僅かでも高いと顎をずらしてしまう原因になります。もちろんそこが高くなると前歯が空いてくる原因になります。基本的に開咬治療の場合抜歯が基本になります。ただし抜歯などで歯の数が減っていたりすれば、失った歯の代用として使うことも可能性としてあります。また上下の親知らずが真っすぐ生えていてしっかり噛んでいる場合、まれに抜かないこともあります。

開咬の治療は 年齢、原因、重症度によって異なります。

小児期(乳歯列・混合歯列期)

長期の吸啜習癖、つまり指しゃぶりやおしゃぶりは前歯部開咬の最大要因です。やめるだけで自然改善することもあります。ですから理想は3歳までに中止できればベストです。止めさせることはなかなか難しいのですが、やってない時は褒める、やってしまったら悲しむ、という母子の関係性でやめさせるように持っていく他ありません。アデノイド、扁桃肥大、鼻疾患などの問題があって呼吸しづらくて、指しゃぶりをして呼吸を確保していることもあります。止めれないときには耳鼻科と連携して処置することが必要です。鼻呼吸できることが基本です。指しゃぶりやおしゃぶりが止めれたら、舌を正しい位置に誘導する訓練が必要です。その場所はスポットポジションと呼ばれ、上顎前歯の後ろの、歯と歯茎の境目です。この位置を覚えるのがMFT、口腔筋機能療法です。

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学童期から思春期にかけて(成長期)

宇治市 歯医者 scammon curve なかむら歯科医院

成長発育を利用して時期です。この時期を逃すと難しくなっていきます。習癖を取り除いておくことは前提条件です。上顎骨は10歳までにほぼ成長を終えます。下顎の成長はしばらく続きます。(男児18歳、女児15歳頃まで)下顎が後下方に回転しないようにしなければなりません。上顎が正しく前方に成長出来ていないと下顎が前に成長出来ません。上顎の成長が終わる前に正しく成長させることが大目標です。当院ではマウスピースの柔らかさとしなやかさを用いて顎を拡げるマウスピース矯正を行っています。矯正だけでなく同時に舌の筋機能訓練も同時に行います。成長期のうちであれば成長を正しいラインに乗せることができます。

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成長終了後(成人含む)

大きくは2つに分かれます。軽度であればマルチブラケット矯正やマウスピース矯正、重度であれば顎矯正手術と矯正を併用して上下顎の位置関係を改善していきます。軽度だと親知らずの抜歯と歯列不正の改善で後下方へ回転している下顎を前方に回転させる可能性が高いです。(開咬の改善)開咬の状態で長くいると生体もその環境に慣れていますから、前上方に回転するかしないかは適応力によっても大きく異なります。

矯正で開咬が治るメカニズム

圧迫されている関節を解放する

宇治市 歯医者 tmd なかむら歯科医院

開咬症例の中には、下顎頭(耳の前にある、下顎を開け閉めすると動くところ)が後上方に押し込まれて関節円板や後方結合組織に圧迫が生じていることがあります。嚙み合わせを治すと、関節窩内での圧迫が減少するので下顎頭がやや前下方に位置取りできるようになるのです。この下顎頭、顎の関節の位置の変化に伴って下顎全体が反時計回りに回転し、前歯部の開咬が改善されることが多くあります。開咬の場合多くは関節円板の後方転位や圧迫感を伴って下顎が後ろに押し込まれていることが多いので、噛み合わせをよくすることで開咬が改善することが多いのです。

開咬治療のリスク

全てのケースが噛み合わせの治療で良くなるわけではありません。下顎骨や上顎骨の垂直的過成長、舌癖や口呼吸などの機能的要因が主な原因である場合、関節円板の不可逆的変形や高度の変性が起こっている場合、関節構造がすでに適応しきっていて下顎が前方に出ない場合などです。病態を見極めた上での治療になります。下顎の前方への適応が見込めない場合に前歯を噛ませようとすると、奥歯を骨にめり込ませ、前歯を伸ばすということも選択肢となります。矯正力を使っても奥歯をめり込ませることは難しいですし、前歯を伸ばすと歯が長くなり、審美性に欠けます。また骨に埋まっている部分が少なくなりますし、被せ物で対応しようとしても植わっている部分と口腔内に出ている部分のバランスが良くないので、歯が揺れてくる原因にもなります。

開咬は再発リスクが高い

宇治市 歯医者 open bite3 なかむら歯科医院

開咬は後戻りしやすい不正咬合です。舌癖が残っていると再発する可能性はかなり高くなります。折角前歯が閉じても上下の前歯の間に舌を入れ込む癖が残っていると、前歯は開いてきます。感じていないかもしれませんが、筋肉の力って凄いんです。治療が終わって前歯が閉じたら舌の位置や嚥下習慣を安定させることが最も重要です。時間と費用をかけて直しても後戻りしやすいです。治療の恩恵は必ずありますが、治療結果を維持するための努力は必要です。

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噛みづらさが改善された矯正治療

2026年3月19日

噛みづらさが改善された矯正治療

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral front_20230509 なかむら歯科医院

初診時54歳女性 体に不調を感じるとのことでした。夜間熟睡ができない。若い時は肩こりや頭痛もあった。左でよく噛んでいる。ということでした。口腔内を拝見すると下の前歯の真ん中が少し左にずれていました。かみ合わせた時に下の前歯は上の前歯に少し覆われるのが一般的なのですが、半分以上隠れています。歯科用語では過蓋咬合と言います。かみ合わせた時に下の前歯が上の前歯で完全に覆われている方もいらっしゃいます。下の前歯の付け根当たり、犬歯がわかりやすいかもしれません。骨がもっこりしているように見えます。かみ合わせが強い方によく見られます。骨隆起と言います。上の真ん中から3番目の犬歯が一つ後ろの歯に比べて内側に傾斜しています。

初診時

歯並びの不正も少しあります。

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral upper_20230509 なかむら歯科医院

前歯4本が直線的に並んでいます。真ん中から2つ目と3つ目の間に段差がついているような感じです。顎が少し小さくて歯が並ぶだけの大きさになっていないようです。

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral lower_20230509 なかむら歯科医院

下の前歯にがたつきがあります。奥歯が内側に倒れています。向かって左の奥から3番目、4番目がわかりやすいですが、奥歯は全部そうなっています。舌が写っていますが、窮屈そうにみえます。前歯が並ばないことから顎が少し小さいこと、歯が内側に傾斜していることで、舌の置き場が狭いのです。舌は行き場をなくすと奥に行くか、下にいくしかありません。そうなると気道が狭くなります。人は呼吸しないと生きていけませんから気道を確保するために首を突き出すような姿勢をとります。姿勢が悪くなる原因となります。無理な姿勢を維持するので、適正な筋肉の使い方でなくなります。肩こり、首の凝り、腰痛など全身はつながっています。かみ合わせのズレや不正咬合から離れた部位に不具合が出現する可能性があるというのはこういうことなのです。

かみ合わせの高さが低くなるにつれ、噛む筋肉は強く作用する。

前歯のてっぺんがすり減っているのもわかると思います。本来犬歯は山のように先端が少し尖っているのですが、平らになっています。これは噛みしめてすり減っているか、歯ぎしりしていることが考えられます。たいていの方はそんなことはない、家族にも言われたことがない、など強く否定されます。でも痕跡はあります。では何故噛みしめるのでしょうか。顎は上顎が先に大きくなり、そのあとから下顎が大きくなるという成長過程をとります。上顎が適正に大きくならないと、後から成長する下顎が前への成長がブロックされます。上の前歯に下の前歯が当たってしまうと下顎は後ろに下がります。下がると気道が狭くなり、苦しいので本能的に前に出そうとします。また奥に下顎が下がるとかみ合わせの高さが低くなってしまいます。かみ合わせが低くなると筋肉は強く作用します。成長期に適正に顎が大きくなれず、その時期を過ぎて不正咬合のままであることが気道を狭くしたり、噛む筋肉を強く作用させてしまうことが噛みしめや歯ぎしりの理由ではないかと考えています。エラの張りもかみ合わせの高さが低くなって筋肉が過緊張を繰り返し、変な言い方ですが鍛えられていった結果で起こります。噛み合わせの低い方に噛み癖があります。顔の傾きや顎にズレが出ます。加齢によるすり減りだけでは根拠が薄いのです。

かみ合わせに関係していると思われる症状

歯ぎしり、食いしばり、肩こり、はこれまで話してきました。いびきについては、舌の位置が後ろにあることで気道が狭くなって、いびきをかきやすくなります。フェイスラインのたるみ(顎と首の境がわからない)は舌の位置が、不正咬合で下に落ちてしまったことで起こっています。下顎が前に成長できない状態のままであると、口回りの筋肉が後ろに引かれます。引っ張られた状態だと血液の巡りが悪くなってニキビができやすくなります。顎先のニキビや化粧のノリが悪い原因はこういったところにあるかもしれません。また口を閉じるために下唇を前に出すので、下唇周囲の筋肉を常に緊張させているので血液の巡りが良くないことが原因の一つだと思われます。

顎の関節の変形

宇治市 歯医者 0007_KT_Panorama_20230509 なかむら歯科医院

初診時のレントゲンです。一番後ろの歯のさらに奥に親指のような形のようなものが見えます。これが顎の関節です。左右一対で対照的な形を本来はしています。向かって左は丸く普通の形をしていますが、右の顎の関節の形は左に比べて小さくなっています。左のかみ合わせの高さが低くなっていることで、下顎が右の奥に押し込まれています。そのことで顎の関節が年月をかけて変形していると考えられます。顎の関節が定位置にいられないことで顎の開閉口でカクっと鳴ったり、痛みを生じます。顎関節症の原因にはいろいろな原因が考えられていますが、かみ合わせが原因とされる顎関節症のメカニクスは述べた通りです。顎の関節の後ろには血管、神経が通っています。顎の関節が後ろに押し込まれることでその部分を圧迫してしまいます。その圧迫が片頭痛の原因になっていることもあります。ほうれい線もかみ合わせの高さが低くなっている方が深くなります。左右差が出るのはこういった理由です。かみ合わせ高さを含めて改善され、下顎が本来の位置に戻ることができれば、時間はかかりますが顎関節の形は年齢に関係なく戻っていくと報告されています。

治療の経過

私が考えること以外の原因が主たる原因であれば、矯正治療で抱えてらっしゃる問題がすべては解決しませんが、改善する可能性があることをお伝えし、治療の是非を決めていただきました。改善の可能性が少しでもあるのであれば治療を進めたいとのことでした。マウスピース矯正は、マウスピースの厚みの分だけかみ合わせが高くなりますから、その分顎関節の負担も減ります。ワイヤー矯正に比べて大きな利点の一つは、顎関節を本来の位置に戻せる可能性のあることです。

初診時

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral front_20230509 なかむら歯科医院

治療開始1か月

少し下の前歯が見えてきました。

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral front_20240109 なかむら歯科医院

治療開始約5か月

ずいぶん下の前歯が見えるようになってきました。歯の真ん中もぴったり合ってきました。下あごが向かって右にズレていたのが、マウスピース矯正を行うことで顎が元々の位置に戻ろうとしていきます。先ほど述べたようにマウスピースの厚みの分高くなることと、マウスピースを入れているので噛み合わさらないので、顎が自由に動けるのです。

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral front_20240524 なかむら歯科医院

治療開始約1年

少し右に顎が後戻りしています。皆さんも顎を右か左にずらしてもらうと、ずらした反対側が空いて噛まなくなります。その部分がしっかり噛めるようになるまではかみ合わせが不安定なのでこのようなこともあります。新しい環境に慣らしていくことを現在しています。(現在治療途中です。間もなく保定に入ります。)何年もかかっての今の状況になっているので、関節含めて適応するのは時間がかかります。

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral front_20241206 なかむら歯科医院

上顎の歯並びの変化

綺麗な連続性のあるアーチになってきました。

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral upper_20241206 なかむら歯科医院

下顎の歯並びの変化

舌の置き場にも少しゆとりが出てきました。

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral lower_20241206 なかむら歯科医院

頸椎の変化

宇治市 歯医者 0007_KT_ LA_20240524 なかむら歯科医院

宇治市 歯医者 0007_KT_ LA_20241206 なかむら歯科医院

少しわかりづらいですが、頸椎の角度が治療につれ少し立ってきています。まだ本来と逆の反り方ですが、それでも姿勢が矯正治療することで改善されていることがわかります。頭の重さは5㎏あります。その重さをバランス取って背骨の上に載せています。かみ合わせがズレていると前後左右のバランスが崩れます。舌の位置が後ろや下にあると呼吸しやすくするための姿勢にズらしています。いろいろなズレを修正するのに身体は不均衡な筋肉の使い方をします。その結果が口の周りだけでなく遠く離れたところまで不具合を生じさせてしまうのです。

新しい環境に適応するのは時間がかかる

宇治市 歯医者 treatment plan なかむら歯科医院

身体にとってもう少し良い顎の位置を求めながら微調整しているので、治療は終わっていません。でもゴルフでいえばグリーンに乗っているところまで進んでいます。患者さんの不具合は完全に取れていませんが、それでもずいぶん良くなってきたと言ってくださいます。他の方の参考になれば資料としてお使いくださいというご厚意に感謝いたします。

治療概要

治療目的

下顎前歯部の叢生の改善。

治療期間

18か月(現在まで)

治療回数

13回(現在まで)

治療費用

869,000円(モニタリング費用含む)

リスク・副作用

必ず身体の不調が取れるわけではありません。生体の反応には個人差があります。顎関節症状が必ず取れるということではありません。治療上のコンプライアンスを遵守していただけないと治療効果が得られません。

マウスピース矯正

身体の歪み

大きく口が開きますか?

2026年3月12日

皆さん、お口ってどれくらい開きますか?

口を開けて上と下の前歯の隙間に人差し指一本入れられたら、一横指、人差し指と中指を引っ付けて縦にして入れられたら二横指、薬指を足して縦に指三本分入れられたら三横指、と開口度の物差しにします。通常頑張れば三横指くらい開けることができます。頑張らなくても二横指くらいは開けることが出来るのが普通です。それが出来ない、というのは何らかの原因のある開口障害が疑われる状態です。主な原因は大きく分けて 説明してみます。

炎症や腫瘍などの問題

親知らずが口の中に少し出ていると、親知らず周囲の歯ぐきに炎症が起こり、噛む時に使う筋肉である咬筋や翼突筋に波及して、筋肉の収縮が起こります。強い炎症で開口障害を引き起こすことがあります。広範囲に及ぶと蜂窩織炎になります。また顎の骨や周囲組織に腫瘍があっても起こることがあります。親知らずが原因であれば、抗菌薬(いわゆる化膿止め)を服用する、膿が出せそうなら、排膿処置を行います。炎症が落ち着いたら抜歯すると良いでしょう。感染がきついようであれば入院管理が必要になります。腫瘍の場合、画像診断(CT・MRI)で確認し、外科的治療(関節授動術・腫瘍切除など)を行います。

顎関節の問題

宇治市 歯医者  engagement_jaw_pain なかむら歯科医院 

耳の前に指を当てて口を開けてみると、顎が動くのがわかると思います。顎関節の中に関節円板という組織があります。関節円板が前にずれると関節の動きがおかしくなり、スムースに動けなくなって口が開かなくなります。関節円板が顎関節をスムースに動かす重要な役割を果たしています。適切な位置にないと顎を大きく開けられなくなります。顎関節症の症状の一つです。顎に外傷を受けたり、顎の関節の骨折、何らかの理由で関節に炎症が起こると、顎関節の中の組織が癒着して動きが固まってしまうことがあります。

顎関節症由来の場合の対処法、治療法

緊急性がとても高い場合、例えば朝起きたら全然口が開かないなどの場合は消炎鎮痛薬や筋弛緩薬を服用します。筋弛緩薬に関しては一般の歯科医院では処方出来ません。病院歯科での処方になります。顎関節症の原因は色々あります。関節円板の位置に問題があればスプリント(マウスピース)療法やマウスピース矯正が第一選択になります。改善しない場合は口腔外科にて関節腔洗浄や鏡視下手術を行います。

家でのセルフケア

硬い食べ物はなるべく食べない、好んで食べない

マッサージをする

安静にする

暖かいタオルなどで温める(温罨法)

無理ない範囲で開口訓練したり、顎の関節のストレッチを行う(理学療法)

ストレスの是正

TCH(上下歯接触癖)のサインが出ているようであれば是正する

顎関節症のなかでも「関節円板のズレ(転位)」は大きな要因の一つです。以下にわかりやすく説明します。

顎関節症の原因は

宇治市 歯医者 tmd なかむら歯科医院

関節円板はなぜズレるのでしょうか?先程来述べていますが、関節円板は、顎関節の骨どうしが直接こすれないように保護する役割をしています。通常、関節円板は靭帯や周囲の筋肉によって関節頭の上に安定して位置します。しかしいろんな要因で関節円板は(多くは顎関節の前に)転位します。

・噛みしめ・食いしばりで、顎関節が後ろに、関節円板は前に、引っ張られる。

・関節円板を固定している靭帯が何らかの原因で伸びたり損傷すると、円板が安定できなくなる。

・上下の奥歯の咬合が低くなっていると、関節に力がかかり、関節円板が前に押し出されやすい。

・硬いものを噛んだ、顎を強く打った、大きなあくびをしたなど

・慢性的に顎に負担をかけるクセが持続的に関節円板を前方へ引っ張ったり、関節に偏った力を加えることでズレが起こりやすくなります。

クセ、それを態癖と言います。

宇治市 歯医者 habit なかむら歯科医院

関節円板をずらす態癖は色々あります。思い当たることをしていないかチェックしてみてください。食いしばり・噛みしめ・歯ぎしり、があると筋肉の力で関節円板が前方にずれやすくなります。片側だけで咀嚼する傾向が高いと一方の顎関節だけに負担がかかり、そちら側の関節円板が偏位しやすくなります。また、無意識に仕事をしながら下顎を前に突き出したり、横にずらしたりしていませんか?そんなことでも関節円板を持続的に引っ張っていることになります。唇や頬・舌を噛む癖、ありませんか?これも顎の位置を偏りやすくし、関節への不均衡な負担につながります。頬杖やうつ伏せ寝、横向き寝は下顎を後方に押し込み、関節円板を前方へ押し出しやすくします。自分で気づかないことが多いのですが、これらのクセ、態癖は直しましょう。これから述べていく治療をしても態癖があると治りません。

関節円板のズレを治す方法

一度ズレた円板を完全に元の位置に戻すことは、慢性化して靭帯が伸びてしまっている場合は難しいです。ただし、機能的に症状を改善したり、ズレを是正する方法はあります。咬んだときの上下の歯の高さを挙上することで下顎頭がやや前下方に誘導されるので、関節円板が元の位置に戻るのです。また後方組織の血管や神経への圧迫が減ります。逆に言えば、咬み合わせの高さが低いと、下顎頭は関節窩の奥に押し込まれるような位置になって関節円板がズレるのです。咬み合わせが高くなることで、筋肉が少し伸ばされ筋緊張が緩みます。スプリントやマウスピース矯正で、関節を休ませるポジションがつくれるので、関節円板が元の位置に戻り、筋肉にかかる力が緩んで、お口が開きやすくなるという環境が整っていくのです。

スプリントとマウスピース矯正の違い

宇治市 歯医者 night guard なかむら歯科医院

スプリントは装着することで咬合を挙上します。ですからスプリントを外すと高さがまた元通り低くなります。ですから一時的な処置になると言えます。関節円板のズレがさほどでない時はスプリントの適応です。マウスピース矯正の場合は、咬合を挙上するだけでなく、その高さに歯列や咬合を誘導し、関節円板の位置を適切な位置に戻してキープすることができます。ですからどちらかと言えば、関節円板が戻った位置の高さで噛み合わせを再構成する方がよいかと思います。

注意点

咬合高径の挙上量は適切でなければいけません。高くしすぎると、かえって筋肉や関節に新たな負担をかけてしまいます。予め、どのくらい噛み合わせの高さが低くなっているか、噛み合わせを高くした時に顎関節は適応してくれるか、など確認しながら治療しなければなりません。関節円板がズレている状態が慢性化していると、元の位置に戻すよりも痛みなく機能できる状態にすることが治療の主眼となることもあります。

どうして咬み合わせが低くなるのか

宇治市 歯医者 deep bite なかむら歯科医院

咬合高径(上下の歯が咬み合った時の垂直的な高さ)が低くなる理由はいくつかあります。奥歯を失うと、失った部分を義歯やブリッジによって修復しますが、歯を削ったり、歯が揺れたりすることで被せ物や入れ歯が低い高さになる傾向にあります。長年の噛みしめや歯ぎしりでも歯が削れて咬合高径が低下していきます。同じ硬さの物を毎日体重分くらい擦り合わせていけば、削れていきますよね。高齢者に多いと言えますが、一概にそうとは言えません。日本人の多くは結構若い時期から歯周病に罹患しています。歯周病により抜歯に至ることもありますから歯の喪失は若くても起こり得ることです。

歯を失わないために

噛みしめ癖(TCH)、態癖のある方はやめる

TCHの方は、夜間歯ぎしり用マウスピースを使用する

抜歯にならないように、定期健診を受け歯周病対策、虫歯対策に努める。

硬い食べ物を避け、歯が割れないように気を付ける。

どれも出来ることだと思います。ぜひ取り組んで下さい。

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噛み合わせのページ

体の歪みのページ

マウスピース矯正のページ

 

 

親知らずは必ず抜かないといけない、わけではありません。

2026年3月5日

親知らずはトラブルを起こしやすい歯ですが、必ずしも抜く必要はありません。

基本的な考え方は、状況によって抜いた方がよい場合と、そのまま様子を見てもよい場合がある、です。

「今問題があるか」

「将来問題を起こす可能性が高いか」

をレントゲンで確認し、判断します。抜歯に関しては、20代前半までに抜いた方が治りやすく、40歳以降になるとリスク(神経や骨の影響)が高まります。

抜いた方がよいケース

宇治市 歯医者 8 なかむら歯科医院

横向きや斜めに生えている

→ 手前の歯(第二大臼歯)を圧迫し、虫歯や歯周病を起こしやすい。

歯ぐきがかぶさっている

→ 細菌が溜まりやすく、腫れや痛み(智歯周囲炎)を繰り返す。

十分なスペースがなく半分だけ生えている

→ 清掃が困難で虫歯・炎症のリスク大。

矯正治療や噛み合わせに悪影響を与えている

嚢胞(袋状の病変 のうほう)を作っている

抜かなくてもよいケース

まっすぐに生えていて正常に噛んでいる

完全に骨や歯ぐきの中に埋まっていて、トラブルが出ていない

年齢や全身疾患の関係で抜歯リスクが大きい場合

定期的にチェックしても変化がない場合

智歯周囲炎(ちししゅういえん)とは?

宇治市 歯医者 swelling なかむら歯科医院

親知らず(智歯)の周囲の歯ぐきに炎症が起こる病気のことです。親知らずが少しとか、あるいは半分顔を出している場合に起こりやすいです。親知らずの一部が歯ぐきに埋まったままでいると、その隙間に 食べかすや細菌が溜まりやすいのです。奥にあるので、歯ブラシが届きづらいのに加え、清掃しづらいのです。細菌が繁殖し、歯ぐきに感染すると炎症が起こします。

主な症状

親知らずの周りの 歯ぐきが腫れる

ズキズキ痛む(特に噛むとき)

口が開きにくくなる(開口障害)

膿が出る、口臭がする

重症になると 発熱やリンパ節の腫れ が出ることもある

治療

宇治市 歯医者 extruction なかむら歯科医院

抗菌薬で炎症を抑える

歯ぐきの消毒をうがい薬で洗浄います。

(鎮痛薬も服用しますが炎症を抑えるのではなく、一時的に痛みをおさえるものです。)

根本的には炎症が治まった後、磨きにくいので手前の歯まで虫歯・歯周病になりやすいので親知らずを抜歯することが多いです。放置すると腫れや痛みを何度も繰り返したり、重症化すると顎の骨や頸部にまで炎症が広がることもあります。痛みが治まると抜歯せずにおいておく方もいらっしゃいます。ただ再発を繰り返すようなら抜歯することをお勧めします。

親知らずが腫れるとなぜ口が開きにくくなるのでしょうか

それは炎症が顎を動かす筋肉に波及するからです。下の親知らずの周囲には、咀嚼に関わる内側翼突筋(ないそくよくとつきん)という筋肉があります。この筋肉は、顎を閉じる動きを担当しています。親知らずの周囲に炎症(腫れ)が起こると、内側翼突筋やその周囲の組織に炎症が波及して筋肉がこわばって口が開かなくなるのです。

親知らずの炎症で顎の下が腫れるのは解剖学的な理由があるからです。

下の親知らず(特に下顎の智歯)は、歯ぐきの奥深く にあり、その周囲の感染は骨の内側や筋肉の間 の隙間に広がりやすいのです。炎症や膿は重力に従って下方へ流れやすいため、顎の下(顎下部)に腫れが出てきます。炎症を感知すると、免疫細胞が顎下リンパ節に集まりが細菌や炎症物質を処理しようとします。このリンパ節が腫れて、顎の下がゴリゴリとしたしこりのように膨れることがあります。最初は親知らずの周囲の腫れにとどまりますが、炎症が進行すると顎下間隙や舌下間隙 に炎症が広がり、更に炎症が進むと顔全体や首にまで波及し(蜂窩織炎)、重症例では呼吸に影響することもあります。その結果、顎の下が パンパンに腫れたり、触れると 痛みが強い・しこりを感じる、飲み込みにくいなどの症状が出ます。発熱や倦怠感を伴う場合は要注意

嚢胞とは何か

親知らずを放置すると、まれに嚢胞ができることがあります。親知らずが完全に生えず、歯ぐきや骨の中に埋まったままの状態では、歯の周囲に歯嚢(しのう)と呼ばれる袋状の組織が残っています。これが細胞の働きによって徐々に膨らみ、歯冠周囲嚢胞(濾胞性嚢胞) になることがあります。細菌感染や炎症が加わると、嚢胞がさらに大きくなることもあります。親知らずを持つ人の中で 1~2%程度に嚢胞が見られると報告されています。それほど頻度は高くありませんが、見逃すと大きくなることがあります。

症状と処置法

初期は無症状のことが多く、レントゲンで偶然見つかることもあります。進行すると顎の骨が膨らんできたり(しこりのように触れる)、隣の歯を押して歯並びが乱れたり、神経を圧迫してしびれが出ることもあります。感染すると腫れや痛みが出ることもあります。処置としては、パノラマレントゲンやCTで確認し、小さい場合は親知らずの抜歯と一緒に嚢胞も取り除きます。大きいと骨が大きく欠ける恐れもありますからある場合、嚢胞開窓術を行うこともあります。

親知らずは、なぜ噛み合わせに様々な悪影響を及ぼすのか。

宇治市 歯医者 crowding なかむら歯科医院

親知らずが噛み合わせに影響する主な理由は横向き、斜めに生えるからです。最近の日本人は顎が小さく、親知らずの生えるスペースが足りません。その結果、横向きや斜めに生えて手前の歯を押すことがあり、歯並び全体を乱している可能性が高いのです。特に下顎の親知らずは、前方の歯をじわじわ押して、前歯のガタガタ(叢生) を悪化させることがあります。噛み合わせがズレることもありますからですから顎関節症・肩こり・頭痛の原因になることもあります。親知らずを残したまま矯正治療を行って歯並びを整えても、親知らずが残っていると、親知らずの押す力で前歯が再び乱れることがあります。矯正治療を行う前に親知らずを抜歯するのはこのためです。手前の第二大臼歯との間に食べかすや細菌が溜まりやすく、虫歯や歯周病になりやすいので第二大臼歯を失うリスクが高くなります。つまり抜歯につながります。

なぜ年齢が高くなると抜きにくくなるのでしょうか。

若い頃の骨は柔軟性があり歯槽骨もしなやかなのですが、年齢が上がると骨が硬くなり歯が骨にしっかりひっついていて抜きにくいのです。抜歯するために骨を削ることも行うのですが、削合する量が増え処置時間も長くなりがちです。難抜歯になります。骨や歯ぐきの治癒能力は若いほど高いのですが、年齢が高くなると抜歯後の腫れや痛みが強くなり、治りが遅い傾向にあります。また感染のリスクも上がります。下の親知らずのすぐ下には下歯槽神経や舌神経という神経が走っています。また親知らずの歯の根が曲がっていたり、根の形が複雑だったりしますから、元々抜歯自体難しいことが多いです。そのため、リスクがあると口腔外科での抜歯を勧めることが多いです。

親知らずを抜かなくてもよいのは

  1. 正しく生えていて、噛み合わせに参加している場合

親知らずがまっすぐに生えて、清掃も可能で、虫歯や歯周病のリスクが低く、上下の親知らず同士がしっかり噛み合っている場合は経過観察を私は行います。

  1. 完全に骨や歯ぐきに埋まっている場合(完全埋伏智歯)

完全に骨の中や歯ぐきの中に隠れており、口腔内に露出していない。

嚢胞なかったり、隣接歯への悪影響が見られず将来的にトラブルのリスクが低いと判断した場合。定期的なレントゲンチェックを行っていかなければなりません。

  1. 高齢でリスクが大きい場合宇治市 歯医者 lostなかむら歯科医院

年齢が高く、抜歯による合併症(感染、神経麻痺、治癒不全など)全身疾患(糖尿病、心疾患、骨粗鬆症の薬による影響など)があって、抜歯の危険が大きいと抜かずに経過観察します。症状があって抜歯が望ましい場合は口腔外科で判断していただきます。

臨機応変に対応する

でも基本的に若い頃に親知らずを抜歯しておく方がよいかと、個人的には思っています。

親知らずの治療

骨隆起って何?

2026年2月26日

骨隆起について

宇治市 歯医者 torus なかむら歯科医院

口腔内の骨隆起(こつりゅうき)は、歯肉の下にみられる「骨のコブ」のような膨らみのことを指します。代表的なのは上顎正中口蓋部にできる口蓋隆起(こうがいりゅうき)や、下顎小臼歯部の舌側にできる下顎隆起(かがくりゅうき)です。歯槽骨(歯を支える骨)の外側や内側に局所的にも骨が盛り上がります。上顎の頬側や、下顎の小臼歯部・舌側などに見られます。

骨隆起の出来る原因は?

宇治市 歯医者 brx なかむら歯科医院

骨隆起は腫瘍や病気ではなく、局所的な骨の過形成です。はっきりとした原因は不明ですが、いくつかの要因が考えられています。

1.咬合力(噛む力)や歯ぎしり・食いしばり

歯や顎に過度の力が加わると、その部位の骨が刺激されて反応的に増えることがあります。

TCH(Tooth Contacting Habitの略  日常的に歯を接触させる癖  後述)も関与。

2.遺伝的要因

家族内で見られることもあり、遺伝的な体質によって骨が発達しやすいと考えられます。

3.加齢や生活習慣

長年の咀嚼や歯ぎしりの習慣が積み重なって出現することがあります。

骨隆起の特徴

ゆっくりと大きくなることが多く、通常痛みや悪性化の恐れはありません。ただ表面の歯肉は薄く、義歯や硬い食べ物でこすれると傷や潰瘍を作りやすいです。ある時、「口の中に硬い膨らみが急に出来た」と気になって来院されることもありますが、ほとんどの場合気づかれません。

対処法

骨隆起自体は病気ではないため、症状がなければ基本的に治療は不要です。ただし以下の場合には歯科医院での対応が必要です。

1.義歯が安定しない・痛い

骨隆起が邪魔して入れ歯がフィットしない場合、外科的に骨を削除して整えることがあります。

2.頻繁に傷や潰瘍をつくる

表面の粘膜が薄いため、食事やブラッシングでよく傷つく場合には切除を検討します。

3.気になる

機能的問題がなくても、違和感や審美的な理由で外科的処置を希望するケースもあります。

日常でできる工夫

強い食いしばりや歯ぎしりがある場合は、ナイトガード(マウスピース)で咬合力を緩和することになるでしょう。

噛み締め癖(TCH)

強く咬む癖があったり、歯ぎしりや食いしばりは、骨隆起だけでなく口腔内外にさまざまな症状を引き起こします。上下の歯を必要のない時にも持続的に接触させてしまう癖のことTCHといいます。リラックスしている時、上下の歯は1〜3mmほど離れているのが自然です。歯と歯が接触するのは、食事や嚥下の時だけで、1日の合計で 20分程度 といわれています。作業や勉強、スマホ操作など集中している時に、無意識に歯を合わせているようです。時間にすると、何時間も歯を接触させ続けていることが多いようです。そのため下記に述べる症状が発現します。

歯への影響

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咬耗(エナメル質のすり減り)

歯の先の部分がすり減って平らになります。一番表層の刺激を遮断するエナメル質が削れてしまい、中にある象牙質が露出して知覚過敏を起こす原因になります。

歯の破折

宇治市 歯医者 fracture なかむら歯科医院

噛む力で歯が欠けたり、破折したり、歯の根が破折するリスクが上昇します。

知覚過敏

宇治市 歯医者 hys なかむら歯科医院

エナメル質の摩耗やクラック(微細なひび割れ)で冷水痛が出やすい。

修復物の脱離

詰め物・被せ物に過剰な負担がかかり、外れたり欠けたりしやすい。

楔状欠損

宇治市 歯医者 wsd なかむら歯科医院

歯頸部(歯ぐき付近)がV字型にえぐれるように欠ける。力によるマイクロフラクチャーが原因。

歯周組織への影響

歯の動揺

過度な力がかかり続けると、歯を支えている歯槽骨が吸収したり、歯根膜という組織のダメージを招いて歯が揺れます。

骨隆起

咬合力に反応して骨が増殖。口蓋隆起・下顎隆起・歯槽骨隆起として現れるのは先に述べて通りです。

顎関節・筋肉への影響

顎関節症(TMD)

宇治市 歯医者  engagement_jaw_pain なかむら歯科医院 

開口時に顎がカクッと音が鳴ったり、顎の引っかかるなどの開口障害を引き起こします。

咀嚼筋の疲労、偏頭痛

噛む時に使う筋肉である咬筋、側頭筋が常に緊張するので、朝起きた時に顎のだるさを感じます。そのことで側頭部や後頭部などに頭痛を引き起こすことがあります。

全身的な影響

睡眠の質低下

歯ぎしりはレム睡眠中に多く起こり、睡眠の質を下げる。

姿勢不良との関連

噛みしめは頭部前方位姿勢や全身の緊張と関連することがある。

TCHと夜の歯ぎしりはどう違う

TCHは 日常的に歯の当てすぎる癖のことであり、気づかないまま歯や顎に負担をかけ続ける大きな要因です。夜の歯ぎしりとは別物ですが、両方が合併するとトラブルが増えます。

寝ているときも噛み締めている

朝起きると顎がだるいという訴えは、主に睡眠中の歯ぎしりや食いしばりが原因です。なぜそのようなことが起こるのでしょうか?音がしなくても噛み締めは起こっています。その証拠が骨隆起だったり、知覚過敏、歯の咬耗などです。

睡眠中は無意識に噛みしめが起こる

睡眠中は意識的に力をコントロールできないため、無意識の筋活動が起こります。特にレム睡眠時(浅い眠り)に、筋肉が活発に動きやすくなります。その結果、上下の歯を強く接触させる食いしばり やギリギリと動かす歯ぎしり が発生します。そうすると噛む時に使う筋肉に過剰な負担がかかり、咬筋、側頭筋、内側翼突筋などの顎を閉じる筋肉が常に緊張状態になります。食いしばり時の咬合力は 通常の咀嚼時の2〜3倍(200〜300kg/cm²とも言われる) に達することがあります。時間その力がかかるため、筋肉に筋疲労が蓄積します。これが朝起きたときのだるさや重さとして感じられるのです。夜中に無意識で強く噛んでしまうことで、顎の筋肉が一晩中力仕事をしているような状態になります。そのため、朝起きると“顎が筋肉痛”のようにだるくなる、という仕組みなのです。

TCHの改善法

気づく習慣を持ちましょう。

PCやスマホ、目につくところに歯を離すと書いた付箋を貼る

タイマーやリマインダーを使って1時間ごとに噛み締めていないかチェックする

唇は軽く閉じているが、上下の歯を離すリラックスポジションを習慣化する。(奥歯は接触させずに1〜3mm離す)

舌先は常に上顎のスポットという位置に軽く当てる

姿勢を整える(猫背や前傾姿勢は噛み締めを誘発)

肩や首のストレッチを習慣にする

睡眠時の噛み締め改善方法

睡眠時の噛み締めは無意識の行動なので、完全にやめることはできません。負担を減らす方法はあります。

ナイトガード(スプリント療法)

宇治市 歯医者 mouthpiece ortho なかむら歯科医院 

就寝時にマウスピースを装着し、歯や顎関節への負担を分散します。

日中の習慣改善

TCHの是正

日中も上下の歯を接触させる癖がある人が噛み締めや歯ぎしりをしていることが多い。上下の歯は普段は離れているのが正常という認識を持ち、気づいたときに噛んでいないかチェックし、噛み締めていたら歯を接触させないようにしましょう。

ストレスマネジメント

寝る前に顎の筋肉を蒸しタオルなどで温めたり、深呼吸や、ストレッチ、温かいお風呂、アロマなどの身体のリラックスを心がけましょう。ブルーライトや緊張状態は交感神経を優位にし、ブラキシズムを誘発するので、就寝直前のスマホやPC使用を減らしましょう。

生活習慣の改善

横向き・うつ伏せで顎に力が入りやすい場合があるので寝姿勢を工夫してみましょう。

歯を接触させるのは食事の時だけ

眠っている間の噛み締めは“無意識”なので完全に止めるのは難しいですが、マウスピースで歯を守りつつ、日中の噛み締め癖やストレスをコントロールしていくことが大切です

・ナイトガードで歯を守る

・日中のTCH改善とリラックス習慣

骨隆起や知覚過敏、歯のすり減りなどは、噛み締めをしないという日常習慣でしか改善しません。実は難治性の疾患なのです。

知覚過敏のページ

歯が割れる、はよくあります。

2026年2月19日

歯の破折

宇治市 歯医者 trauma なかむら歯科医院

割れていることが原因ではないかという症状でお見えになる方が、一定数おられます。わかりやすいのは、口の中に出ている部分の一部が割れた場合です。ぶつけたとか、こけた、などの外傷、歯の薄い部分が噛み締めや硬い物を食べた時に割れたとかです。歯冠破折という状態です。割れた状態によっては神経処置をしなければならなかったり、詰め物や被せ物を治療し直さないといけません。

神経のある歯とない歯で割れる割合が異なります。

歯の破折リスクは神経が生きている歯(生活歯)と神経を取った歯(失活歯) で大きく異なります。生活歯の歯の破折の発生率は低く、特に歯根破折(骨の中に埋もれている部分を歯根と言います。)は稀で研究報告では 0.5〜2%程度とされています。一方失活歯の破折のリスクは生活歯に比べて 約3〜4倍 高いと言われています。特に垂直性の歯根破折は、失活歯に圧倒的に多く見られます。失活歯の10〜20%前後が何らかの破折に至ると報告する文献もあります。ですから歯の神経は取らない方がよいのです。

なぜ生活歯と失活歯で割れ方に差が出るのか?

神経を取ってしまうと、歯への血流が途絶え、含水量が減少します。弾力性を失い歯質が脆弱になります。折れてしまった木の枝には水分や栄養が供給されないので、乾燥して折れやすいですよね。例えるとそういう感じです。神経を取るくらいに虫歯が進行していたので、当然残っている歯の部分が少ないですよね。歯として使うために材料で補強しますが、歯と同じ硬度としなやかさを持つ材料はありません。そのため噛んだ時に力を上手く分散できず特定部分に集中する傾向にあります。生活歯に比べて失活歯は 3〜4倍破折しやすいと言われています。

歯根破折は厄介

宇治市 歯医者 fracture なかむら歯科医院

歯冠破折は症状として自覚症状があります。口の中に出ている部分だけが破折していれば、比較的対応しやすいです。歯の根の部分が破折している場合、症状はとても多様で、しかもはっきりした症状が出にくいので対応に苦慮することも少なくありません。真っ二つにある方向から割れた場合のみレントゲン写真に写りますが、僅かな割れやヒビでは写りません。

歯根破折の症状

・ 咬合時の違和感・痛み

普段は痛まないが、噛んだ時に ピリッとした痛みや引っかかる感じがある

・歯肉の腫れ・膿

見えない割れ目から細菌が入り、局所的に歯肉が腫れたり、膿が出たりします。小さなおできみたいなものが歯茎に出来ることもあります。腫れたり治まったり、繰り返します。

・歯の動揺

歯の根の割れによって歯周組織が破壊され、歯周ポケットが深くなり、歯を支える骨が徐々に減少し歯が揺れます。

レントゲンで見ると根の周りに黒い影が出来てきます。根尖性歯周炎とは異なるレントゲン像を呈します。 骨吸収が線状・縦方向に進む像 が見えます。無症状で進行していることも多いです。虫歯や歯周病のようにはっきり映りません。状況証拠を集めて、破折なのかな、と診断することが多いです。

歯根破折をそのままにしておくのはよくない。

歯根破折を放置してしまうと、歯だけでなく周囲の組織(歯周組織や骨)にまでダメージが広がり、不利益が大きくなります。割れ目から細菌や唾液が根管内や歯周組織に侵入します。通常なら大丈夫なのですが外敵侵入のバリアが壊れるため、慢性的な炎症が起きます。その結果、歯槽骨(歯を支える骨)が吸収されていきます。進行すると歯がぐらついてくるので保存不可能、すなわち抜歯になります。抜歯すると、その部分は時間をかけて骨に代わっていきますが、破折した状態が長く続けば戻る骨の量が少なくなります。骨の欠損が大きいと骨の中に埋めこむインプラント治療が難しくなります。ブリッジや義歯でも凹みが大きくなりますからブリッジの清掃性や義歯の保持性に問題が生じます。

歯根破折の原因は何か

失活歯であることが多いのですが、どのようなことが原因として考えられるでしょうか?

噛み締め

宇治市 歯医者 braxism なかむら歯科医院

歯ぎしりや食いしばりなど、長時間強い力が繰り返しかかることで、歯に亀裂が入り、最終的に割れてしまうことがあります。失活歯であることが多いですが、噛み締めのきつい方では生活歯でも割れてしまうことがあります。口腔内に噛みしめ癖のある方は兆候があります。診断の一助にします。そのことをお伝えしても、自分にそんなことの自覚はない、家族にも歯ぎしりなんて言われたことない、と否定される方がとても多いです。残念なのですが。

硬いものを噛む習慣

氷、ナッツ、骨付き肉、乾燥豆など硬い物が好きで、強く噛むことをされていると歯が欠けたり割れたりします。これについてはご自身がよくわかってらっしゃるので、控えていただくようにします。

咬合や歯並びの影響

宇治市 歯医者 open bite3 なかむら歯科医院

受け口、開咬(前歯が噛んでいない噛み合わせ)、過蓋咬合(普通に噛むと下の前歯が1/2以上見えない噛み合わせ)など奥歯に強い力が集中する噛み合わせの方は奥歯が割れやすいです。ですからかみ合わせを治しておくことは、長く歯を維持するためにとても大切なことです。

セラミックを一番奥歯に使うとき

天然の歯より硬い材料なのでしっかり噛めます。そのことで歯の内部に負担が増して割れる場合があります。噛み締めの場合も同じですが、夜間にマウスピースなどして、奥歯に負荷がかからないようにすれば予防することができます。日中は仕事や作業されている時に噛み締めないように意識付けしてください。

歯を割らないために何が出来るか

虫歯を作らない

宇治市 歯医者 plaque control なかむら歯科医院

基本的には虫歯が進行して神経を取らないようにすることが何よりです。お話してきた通り神経を取ってしまうと歯は脆弱になり割れてしまうリスクが高まります。定期健診で虫歯のチェックをし、もしむし歯が出来たとしても早期発見早期治療で歯を削ることを最小限でとどめましょう。健診の間隔は人それぞれなので何とも言えませんが、理想を言えば3か月毎、空けても6か月以内に受診されることをお勧めします。

家でのプラークコントロール

自己流の歯磨きで歯垢がしっかり取れていれば良いのですが、私を含め磨き癖は誰にでもあります。磨き残しのある部分を認識して、歯垢の除去に努めましょう。それが一番の虫歯予防になります。時間をかけて磨いていても、効果的に磨けていなければ磨いていないのと同じです。歯磨剤の爽快感に騙されないようにしてください。当院では定期健診時に染め出し液を使って磨き残しを目で見ていただき、毎日の歯磨きに役立てていただいています。

夜間歯ぎしり用のマウスピースを使用する

宇治市 歯医者 night guard なかむら歯科医院

歯の神経を取っている歯がある場合、夜間にマウスピースを使用していただき、歯にかかる負荷を減らすことをお勧めします。自覚症状や家族から言われたことがなくても、食いしばっていることがあります。自分の体重分の力をかけていることがあります。そりゃ割れる原因になりますよね。年齢が上がるにつれ噛み合わせの高さが低くなり噛み締めやすくなります。ミドルエイジ以上の方は取り組むとよいでしょう。保険が適用されます。

歯並び、噛み合わせの改善

宇治市 歯医者 open bite2 なかむら歯科医院

特定の歯に咬合力がかかると失活歯だけでなく、生活歯も割れることがあります。口の中にある歯全体で適切な咬み合わせになるようにしておくことが大切です。受け口や出っ歯、開咬では、前歯や犬歯が本来持っている奥歯を守る機能が発揮できません。矯正治療や補綴治療で口腔内を整えましょう。

マウスピース矯正

小児マウスピース矯正

食習慣の改善

失活歯や被せ物が多い方で、硬いものを好んで食される方は要注意です。脆弱になっている歯に負荷をかけることは危険です。楽しみが無くなるとおっしゃるかもしれませんが、歯を失うリスクを考えていただくとよいでしょう。

歯にヒビ(クラック)が入ると 知覚過敏 が起きやすい

宇治市 歯医者 cruck なかむら歯科医院

破折の前段階で、歯にヒビが入ります。同じ硬さのお茶碗を二つカンカン当て続けるとヒビが入ると思いますよね。歯も同じです。歯にヒビが入ると歯の神経まで象牙細管という微小な管を通して間接的につながります。ヒビが入ることで外部の刺激(冷たい水、甘い物、歯ブラシの摩擦など)が細管内に直接伝わり、神経に刺激として伝わり“しみる”と感じます。かなりざっくりした説明ですが、これが知覚過敏です。クラックは完全に割れていないため、噛む力がかかるたびにヒビがわずかに開閉します。噛むたびに神経を刺激します。これが噛んだ時にズキッとする痛みや冷たいものがしみるといった症状の原因になります。残念ですが、歯のヒビは完全に元に戻すことはできません。骨折のように自然に治癒してつながることはないからです。知覚過敏用の歯磨剤の使用、知覚過敏用の薬剤の塗布、夜間歯ぎしり用のマウスピース使用といった対症療法になります。

知覚過敏のページ

当院では泣いている子どもを抑えつけて治療しません。

2026年2月12日

せっかく予約を入れたのに泣いただけで診てくれないの?

宇治市 歯医者 crying kids なかむら歯科医院

時間を割いて子供を連れて行ったんだから、ちょっと泣いたくらいなら抑えつけてでも診て欲しい、と思われる親御さんは多いと思います。一回こっきりでもう二度と歯科医院に行くことがないのであればそれもいいかもしれません。その自信は親御さんにおありでしょうか?虫歯だけでなく、歯並びや咬み合わせに問題は起こらないと確信はおありでしょうか?また泣き叫んだり、顔を左右に振ったりしている状態で診査できるでしょうか?顔を固定して口を開けさせることはできるでしょうか?

 

それは子どもの心の安全を考えるから

宇治市 歯医者 only child なかむら歯科医院

今すぐやってしまえば早いと、思われるでしょうが、生涯にわたってお口の健康を維持するのに無理なやりようはトラウマになると私は考えています。ですから私は、泣いても押さえてでも、ということはしません。一人で診療台に座れないお子様は治療しません。強い恐怖や痛みの記憶は、歯科恐怖の固定化につながり、将来の通院回避・口腔悪化の悪循環を生みます。治療の精度や予防行動の形成も阻害してしまいます。身体抑制は、笑気ガスの使用、鎮静法、全身麻酔の使用までは行かないが、緊急性の高い場合のみ検討します。しかし私は先に述べたことから抑制は行いません。緊急性が高くて、抑制治療が必要な場合は小児歯科認定医の受診をお勧めします。

抑制治療が良くないと考える理由

抑制治療は子どもに、自分の意思や身体がコントロールできない経験を与え、恐怖や不信感を残します。自己防衛的な記憶として残りやすく、将来的に通院拒否や極度の歯科不安につながる研究的な報告が複数あります。一時的に処置したとしても子どもの協力度はむしろ悪化し、将来にわたる口腔健康管理が困難になり良好な長期結果は得にくいでしょう。窒息、外傷、筋骨格系の損傷といった直接的な危険も考えられます。安全な診療に行うには、受診前にご家庭での言い聞かせが必要です。身体の自由を制限する行為は重大な介入であり、親の同意だけで自明に行ってよいものではありません。

すぐ診療しなければならないのはどんな時か

宇治市 歯医者 trauma なかむら歯科医院

・歯の自発痛(ズキズキ感)虫歯が神経まで進行していたり、膿が溜まっているかもしれません。

・歯ぐきの腫れ、顔の腫れ、発熱、飲食や睡眠が取れない

・こけて歯をぶつけたり、そのせいでぐらついたり、欠けたり、歯が抜けたなど

これらの症状がある時は子ども本人に痛みや腫れなどの症状があるので、比較的治療を受け入れやすく、スムースに診療できます。

発達年齢と治療の目安

0〜2歳(乳歯萌出直後〜2歳頃)

宇治市 歯医者 baby なかむら歯科医院

多くの子は診療チェアに1人で座れず、口を開けて治療はほぼできません。基本方針としてはできる範囲でのフッ化物塗布と生活習慣の指導。お母さんへの指導が主となります。もしむし歯があっても 小さい・痛みがない場合は経過観察や進行止めの塗布となります。哺乳期のこの時期では虫歯の発生は少ないです。既に離乳に進んでいる場合はその与え方、歯ブラシの仕方に問題があるかもしれません。腫れや強い痛み、外傷など緊急時は、口腔外科で全身麻酔下の処置になるかと思います。

3歳前後(約2歳半〜3歳)

宇治市 歯医者 kids2 なかむら歯科医院

言葉の理解が進み、お口開けてね、など簡単な約束ができ始めます。3歳を過ぎると短時間診療台に座ってフッ化物塗布などが可能になったりします。もちろん個人差があります。咬み合わせの問題があればわかるのがこの時期です。受け口はもちろん、嚙んだ時に下の前歯が見えない過蓋咬合は上顎の劣成長と診断できます。哺乳の仕方や哺乳期間の結果が出ます。もしこのような状態であれば、離乳や食育に注力しなければなりません。

4〜5歳

協力度が大きく伸びる時期。多くの子が治療できるようになります。痛みのない、進行遅いむし歯なら削ったりせず、4歳前後まで進行止めなどで管理し、協力可能になってから治療が現実的なラインといえるでしょう仕上げ磨きも勿論必須です。反抗期になるまで仕上げ磨きをしてください。できればフロスも使用してください。受け口の治療に用いる取り外しの装置(ムーシールド、プレオルソ)も成長に応じてにはなりますがこのくらいから始めることが多いです。

受け口の治療、早いに越したことはないが時期がある

ムーシールドやプレオルソの開始の一般的な目安

宇治市 歯医者 muhsield なかむら歯科医院

使用開始年齢はだいたい3歳くらいから可能からとされています。私は早過ぎても、入れてもすぐ外すリスクが高いため、3歳では基本的にはまだ早いと考えています。受け口治療のムーシールドやプレオルソの開始時期は4歳頃〜が現実的ではないかと考えています。それは、夜間装置を入れて眠るという行動が理解でき、習慣化も期待できるからです。また起きている時も1~2時間使用していただく必要があります。小さいうちは、夜間はよいのですが、起きている時は違和感が強く、外す子が多いようです。受け口の治療は装置をきちんと使用していただくとおよそ半年です。改善しないのは使用時間が適切でないか、遺伝的傾向があるからです。

なぜ受け口になるのか

宇治市 歯医者 class3 なかむら歯科医院

哺乳、離乳を通じて舌をはじめとする口腔筋組織の機能獲得ができず上顎が劣成長であるからです。まだ哺乳されている方はなるべく長い期間哺乳をしていただきお子さんの機能獲得を目指してください。適切な哺乳の仕方があります。離乳食も与え方によって大きく機能獲得に差が出ますので、ぜひ勉強してみてください。マタニティー歯科に記載しています。舌圧を使い、口唇圧を排除するというバランス改善で上顎前歯の位置を改善し、反対咬合の改善をサポートするのがムーシールドやプレオルソです。使い分けは術者が選択します。成長期に下顎が大きく成長し、受け口が再発することもあります。成長は予測できませんのでご承知おきください。

「基本は3歳までは“慣らしと予防”、4歳から本格的に。でも痛みや腫れがあれば年齢に関係なく対応します」

という言い方がわかりやすいと思います。

虫歯への対応

穴のある乳歯むし歯でも、協力度が上がるまで進行止め薬の塗布や仮充填を行ったりします。低侵襲で短時間の方法を優先します。できるようになったら治療する。家では仕上げみがき、甘味の回数コントロール、寝る前は水のみ、などの習慣づくりを行ってもらいます。初期う蝕もほぼ同様です。虫歯にはフッ素は有効ではありませんが、虫歯になっていないところについて行います。フッ素よりもご家庭での毎日のケアがとても重要です。進行を止める、遅らせる、が合言葉です。食習慣も虫歯と大きく関わっていますのでダラダラ食いを止める、甘味を減らす、などの対策も取ってください。

小児歯科治療の王道

宇治市 歯医者 hyginist なかむら歯科医院

無理に今ここでやり切るより、

心の安全

将来を考えた通院継続

を優先したプランが小児歯科の王道です。緊急サインがあれば安全な環境で迅速に、そうでなければ経過も診ながら協力度を育て、適切な時期に介入する。この順番で考えましょう。泣き叫んでいる子供を無理に診療することは心に大きな禍根を残します。保護者の方の意向もわかりますが、受診前にご家庭で必ず言い聞かせてからご来院ください。雰囲気にならしていくのであれば、保護者の方やご兄弟の診療や定期健診に同席させたりして来院する機会を増やしましょう。そのためわざと健診時期をずらして頻度を高めてみてもよいでしょう。本格的治療は4歳頃から取り組むのが現実的と言えるでしょう。

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保険診療で詰め物や被せ物がしてある場合、何年かおきにやり直した方がよいのか?

2026年2月5日

保険の詰め物や被せ物は消耗品、が基本的な考え

宇治市 歯医者 2nd caries なかむら歯科医院

治療に使っている材質やお口の環境によって耐久年数は異なり、永遠に使えるものではありません。しかし、年数だけを理由に定期的にやり直す必要はありません。

・虫歯の再発

・劣化

・適合の不良

・見た目の問題

などの理由があるときに、やり直すことになります。

保険診療の材料の平均的な寿命は

個人差がありますので、あくまで目安として記載します。個人差というのは、唾液の性状、噛む力、嗜好品、歯の大きさ、材質の厚さ、などいろいろあります。

銀歯(インレー・クラウン)は5~7年程度

コンポジットレジン(白いプラスチックの詰め物)は3~5年程度

硬質レジン前装冠(舌側が金属、表側は白い材質)は7~8年程度

実際には10年以上持つ場合もあれば、数年で二次カリエス(詰め物や被せ物の下の虫歯のこと)になることもあります。材質の問題に加え、適切なブラッシングができているか、歯間ブラシなどの補助的清掃具を使用しているか、歯並びに問題なく歯垢が除去しやすい環境か、親知らずが斜めに生えていて一番奥が磨きにくくないか、などの条件が加わってきます。

やり直しを考えるタイミングは?

宇治市 歯医者 caries なかむら歯科医院

詰め物・被せ物と歯の間に隙間や段差、黒ずみが見られる

しみる・痛むなどの症状が出てきた

詰め物が欠けた、取れた

レントゲンで二次カリエスや歯根の異常が確認された

見た目の劣化が気になる

自覚症状があればわかりやすいですが、ない場合もあります。定期検診でチェックを受けておけばリスクが軽減します。特に保険の銀歯やレジンは劣化や二次カリエスのリスクがあるので、3〜6か月ごとのメンテナンスで状態を確認するのが安心です。

なぜ保険の銀歯やレジンは二次カリエスのリスクがあるのか?

銀歯(金銀パラジウム合金)の場合

主成分が銀と銅という材質の問題があります。口腔内は湿気の多い状態です。これらの金属は腐食(錆びてくる)しやすいのです。錆びてくると隙間ができてきます。またセメントで歯と材料を接着というよりはめ込んで固定しているのですが、そのセメントが経年的に溶解し劣化します。さらに隙間が生じる状態になります。その結果隙間から細菌や唾液が侵入し、二次カリエスが起きてしまうのです。

レジン(コンポジットレジン)の場合

白い詰め物のことをレジンと言います。簡単に言うと、吸水性のあるプラスチックです。そのため水分や着色を吸い込み、変色・劣化しやすいのです。また歯よりも硬度が低いためすり減りが起きやすく、すり減って段差ができやすいのです。少し難しいのですが、賦形性に優れる反面(操作性がよい)硬化時に収縮する性質があるので歯との境目に隙間ができるリスクがあります。歯と材料の境目に段差や隙間が生じやすく、そこにプラークが溜まって二次カリエスになりやすいのです。保険診療の白い被せ物のCAD/CAM冠も基本的に同じです。

保険診療には材料には制約がある

二次カリエスになりにくい材料を使えばいいじゃないか、と思われることでしょう。ただ最低限の治療を遍く広く行う国民皆保険では、材質が限られます。それは、銀歯やレジン以上の良い材料を使用するだけの財源がどこにもないのです。ですから長期的な耐久性や適合精度に優れた材料を使用するとなると原則自費診療になるのです。

劣化や二次カリエスのリスクがない歯科材料ってありますか?

宇治市 歯医者 gold なかむら歯科医院

結論からいうと、絶対に劣化も二次カリエスも起きない歯科材料は存在しません。なぜなら、先に述べた通り、お口の中は湿気・温度変化・強い噛む力・細菌が常に存在する、非常に過酷な環境だからです。どんなに優れた材料でも、使い方、適合の精度、患者さんの清掃状態によって寿命が左右されます。ただし二次カリエスのリスクの少ない材料はあります。

セラミック(ジルコニアなど)

いわゆるセラミクスです。その特徴は吸水しない 。つまり劣化(錆びない)や変色はしにくいのです。また摩耗や破折に強い(特にジルコニア)です。生体への為害性もありません。ただし強い力が加わると割れることがまれにあります。

ゴールド(金合金)

歴史のある金属で、生体為害性がありません。金箔入りのお酒やソフトクリームがあるくらいですから。金属の中で最も耐食性が高い、つまりほぼサビません。意外でしょうけれど適度な柔らかさで使用していくにつれ、歯にフィットしていくのです。つまり隙間が生じにくいのです。材質的に長期安定性に優れています。ですから二次カリエスが少ない材料です。ただし見た目が金色で審美性に劣ることと、材料費がとても高価なのがデメリットとなります。

リスクゼロの材料は存在しない

セラミックやゴールドは材質の劣化が少なく、二次カリエスのリスクが極めて低い材料です。ただし、材料だけがよくても患者さん自身のセルフケアが行き届かないと二次カリエスの可能性があります。

定期健診していれば大丈夫なのか?

結論から言うと、詰め物や被せ物の中はレントゲンで虫歯の確認はできません。レントゲンである程度確認できる場合もありますが、完全には見えないことの方が多いです。金属やセラミックはX線を通さないため、レントゲン上で真っ白に写ります。その下や内部に虫歯があっても金属に隠れて映らないことが多いのです。そのため、見えるのは材料と歯の境目など間接的なサインに限られます。(詰め物と歯の境目にぴったり重なってしまうと判別が難しい場合もあります。)

定期健診で詰め物や被せ物の中の虫歯をどのようにチェックしているか

このように、詰め物や被せ物の下にできた虫歯(二次カリエス)は、表から見えにくいため診断が難しいですが、いくつかのサインや診断手段があります。アナログですが詰め物や被せ物の境目を必ずチェックします。黒ずみや変色、段差、隙間があるかないかを目でチェックします。また器具で触って引っかかる、ザラザラしていないかを1本づつチェックしています。その前に甘い物や冷たい物でしみるかどうか、詰め物や被せ物のあたりの違和感がなかったかどうか、浮いているような感じがないか、臭いはしないかなどお聞きします。先におっしゃっていただけるとありがたいです。判別が難しい場合はレントゲン写真を撮影します。

実際に外して確認するのは確実ではある

宇治市 歯医者 turbin なかむら歯科医院

手立てを尽くしても確定できない時もあります。そのような時は診断として、詰め物や被せ物を外して中を直接見ます。外してみると、レントゲンでは分からなかった虫歯が広がっていることもあります。ただ虫歯がないこともあります。何も無ければよいですが、やり直すだけになってしまいます。でも確実な方法ではあります。

どうせわからないなら行っても意味がないのでは?そんなことはありません!定期健診は重要です。

宇治市 歯医者 dr なかむら歯科医院

レントゲン、境目の色や段差など、外からの小さなサインが完璧に見えるわけではないですが、早期に怪しいと気づけるかどうかが大切です。痛みが出たときには、虫歯がかなり大きく進んでしまっていることが多くて、そうなると神経を取ったり、差し歯や抜歯になってしまうこともあります。当然治療回数も費用もぐっと増えてしまいます。早く気づけば、削る量や費用が少なくて済みます。定期健診で小さなサインを早めに見つけて、予防処置を続けることが一番大切です。また定期健診では、歯石取りやクリーニングも行います。これによって詰め物・被せ物の周りにプラークが溜まりにくくなり、二次カリエスを予防できます。つまり、健診は見つけるためだけでなく、虫歯にならないようにするためでもあるのです。

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マウスピース矯正が若年者の矯正に向いている理由とは

2026年1月29日

マウスピースで顎が拡がる

当院ではマウスピースを用いた矯正治療を行っています。特に若年者では素材の特性を活かして、歯だけを並べるのではなく、顎のそのものを拡大することを狙っています。顎そのものを大きく出来れば、少し程度のきついガタガタでも、歯を抜かずに並べることが可能になります。とはいえ、歯並びや咬み合わせに疑問を感じたら出来るだけ早くに治療に取り組んだ方がよいです。上顎は10歳で成長をほぼ終えるからです。下顎はタイムラグがあり、もう少し後に成長を終えます。下顎は上顎よりも内側にあります。上顎が大きくならないと、下顎は後ろに引っ込むか、下に伸びるか、上顎よりも前に成長します。ですから早期に上顎を正しい大きさに戻すことが必要です。

宇治市 歯医者 scammon curve なかむら歯科医院

上顎に問題がある兆候は何か

歯並びがガタガタしていたら、顎の大きさが小さいのだとすぐにわかります。小さい頃はそうでもなかった、という方もおられるかもしれません。乳歯の頃、前歯に隙間がほとんどない、キチキチに生えている、もうすでにその頃からガタガタしていた、という場合、年齢があがっても、上顎は前歯が並ぶだけの大きさにならないことの方がほとんどです。上顎の前歯6本の幅の合計は永久歯と乳歯で平均7㎜違います。(下顎で平均5㎜)乳歯の時にそれだけ分すきっぱになっていないと永久歯になって歯はきれいに並びません。小さい時にすきっぱでなければ、歯並びがよくならないと予想出来るのです。

宇治市 歯医者 incisal occlusion なかむら歯科医院

小さい時の受け口も上顎が大きく成長できていないから。

小さい時の受け口は、下顎が前に出ているのではなく、上顎が前に成長出来ていないのです。この成長を妨げるのは舌が上手く機能していないからなのです。舌は通常上顎に付いています。(舌の先は上の前歯の付け根)この位置をキープできないのが原因です。舌を上に付ける筋力が足りていないのです。舌が上顎につくことで、側方、前方に押す力が働き、顎が大きく成長していきます。この力が弱いと唇や頬の力が勝ってしまい、内側に力がかかるので顎が小さくなるのです。舌が持ち上がらないですから、逆に下顎を内側から押しますから、下顎が拡がっていくのです。上下の成長が逆転するのです。日本人の受け口は上顎の劣成長であることがほとんどです。

宇治市 歯医者 suture2 なかむら歯科医院

舌の機能は哺乳で獲得する

嚥下、発音などの舌の機能は、哺乳で獲得します。決して離乳食や、大きくなってから獲得するものではありません。哺乳することで唇や舌の使い方を覚えます。哺乳しないと生きていけません、哺乳するのにはかなりの負荷がかかるはずなのですが、哺乳瓶の出方がよいと、労力を要さずに済みますからトレーニングにあまりなりません。哺乳瓶でも吸うのに負荷のかかるものもありますから、それを選びましょう。母乳でも正しい吸わせ方があります。哺乳期間が短いと、これも訓練になりません。ここを漠然と行ってしまうと成長に良くない影響が出ますし、口ポカンにもなってしまいます。とても大切なのです。

宇治市 歯医者 milk なかむら歯科医院

離乳食でも何とかなると言えば言えますが、忍耐が必要です。

ある意味、哺乳は赤ちゃんの努力がほとんどですが、離乳はほぼ100%親の責任になります。それは正しい離乳食の与え方が、根気が要るからです。どのようなスプーンを選ぶか、量はどの程度乗せるか、から始まり、正しい食事の姿勢をとらせ、下唇にそっとスプーンを当てて唇が閉じるのを待ちます。決して引き抜くことはせず、しっかり捕食するのを待ちます。これをずっと続けるのです。掴み食べを始めるまでずっとです。とても時間がかかると思います。哺乳の代わりに離乳で舌の機能獲得するために、親の労力は人一倍かかります。哺乳の方がある意味楽ですよね。出来る限り長く哺乳による訓練をしましょう。できなければ、根気よく離乳食を与えてください。

宇治市 歯医者 baby 6 なかむら歯科医院

マウスピース矯正装置で、上顎骨の側方拡大はある程度可能。

成長期の若年者においてマウスピース矯正で、歯の傾斜ではなく、上顎骨そのものを前方と側方に拡大できるのは、上顎骨の縫合(正中口蓋縫合と切歯縫合)がまだ開いているからです。思春期前(男子で12歳ごろ、女子で10歳ごろ)であれば、骨がまだ柔らかく、拡大に応じやすい状態なのです。歯にアタッチメントと呼ばれる歯と同じ白い材料を設置することで、歯を通して歯槽骨に力を加えるのです。骨に拡大する力を伝えることができれば、成長を利用して骨レベルでの拡大に適応させることが出来るのです。もちろん歯が並ぶスペースが出来るので、歯も移動させることができます。

宇治市 歯医者 aligner  なかむら歯科医院

治療の成否や安定性を左右する大きなポイント。

舌の機能や呼吸習慣への対応が不可欠

骨の拡大ができて、歯を綺麗に並べることが出来たとしても、舌の低位や口呼吸などの悪習癖が残っていれば、すぐに後戻りしてしまいます。筋肉は前の歯並びに合った動きをします。まだ馴染んでいないからです。筋肉の力は強いのでその力で歯は動いてきます。筋肉の動きをリセットするために必ず筋機能療法(MFT)を平行して行うことが理想です。

宇治市 歯医者 aiube2 なかむら歯科医院

成長が終わってしまうとかなり難しくなる。

成長終了後(高校生〜成人)になると、縫合部分が癒合し硬くなっていきます。そのため骨の拡大は難しくなります。それでも拡大を行っていく方針であれば、急速拡大装置(RPE)という装置を上顎に固定して骨を押し開いていくこともあります。

早期に取り組むメリット

骨の成長を利用して小さな力で拡大出来る

ワイヤーと違って緩徐な力を持続的に骨にかけることが出来るので顎を本来の正しい成長に誘導することが出来す。顎が大きくなれば、抜歯を回避した上に、自然にきれいな歯並びになりやすいです。抜歯しなくてよい可能性が非常に高くなります。

全身の発育にも良い影響

口も身体の器官の一部です。全身と繋がっていて、バランスを取ることに大きく関わっています。お口が整うと姿勢がよくなり、嚥下や呼吸などの不調和が整っていきますから、脳へ好影響を与えます。舌が正しい位置にあり、きちんと機能すれば、いびきや無呼吸症候群なども解消されます。集中力が高まったり、免疫にも良い影響があります。

宇治市 歯医者 snore なかむら歯科医院

問題が大きくなる前なら、装置や期間も最小限で済む。

マウスピースで治療できるので、審美的な負担がほぼありません。ワイヤーに比べると痛みないとは言いませんが、ほぼありません。顎を大きくするという治療でありながらシンプルな治療で達成できます。

子どもの歯並びは様子を見ているだけでは 自然に良くなりません。

成長とともに問題が固定化、悪化していくからです。軽度だったので、成長が終わってから取り組もうとした時、成長と共にどんどん重症化することが多いので、治療期間が延びたり、治療中に不快症状が出たり、抜歯を検討しなくてはならないこともあります。

舌・口唇・頬の筋肉の使い方を治せるのは若いうち

歯並びの悪さは、単なる歯の並びではなく、口呼吸・指しゃぶり・頬杖などの悪習癖が原因になっていることが多いです。成人してからこれらの習癖を治すのはとっても大変です。相当気合いを入れないと、とっても難しいです。三つ子の魂百まで、です。

宇治市 歯医者 playing outside なかむら歯科医院

下顎を拡大させることはできない

成長期の若年者であれば、マウスピースという身体に負荷の少ない材料を用いても、上顎骨を拡大させることがある程度可能です。上顎が大きくならないと下顎は上に顎にブロックされて成長できません。上顎は解剖的な成り立ちから拡大することができますが、下顎はできません。下顎を正しく成長させるためにも上顎骨を正しい成長曲線に戻してあげることが必要です。

マウスピース矯正のページ

小児マウスピース矯正のページ

咬んだ時に下の前歯が見えないのは、よくない咬み合わせです。

2026年1月22日

過蓋咬合(かがいこうごう)

宇治市 歯医者 deep bite なかむら歯科医院

このようなかみ合わせを過蓋咬合と言います。奥歯で咬み合わせた時、下の前歯は先端が少し隠れるくらいが普通です。上、下、それぞれの歯並びはガタガタしていなくても、咬み合わせたときに下の前歯が見えない、あるいは半分くらい隠れてしまう咬み合わせを過蓋咬合と言います。正常な前歯のかみ合わせは2~3mm程度の重なりが理想ですが、過蓋咬合では5mm以上、場合によっては下の前歯が見えないほど覆われています。歯並び自体悪くないと問題ないかと思いがちですが、実は身体にとって様々な問題が起こります。

過蓋咬合だと何がよくないのか

様々な問題の原因となります。

顎関節症の原因となります。

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下顎の自由な動きが制限されます。深く噛み込んでいることで、下顎が後方に押し込まれる状態になります。下顎が後ろに押し込まれると顎関節に過剰な圧力がかかり、

・顎がカクカク音を立てる(クリック音と言います)

・口が開けづらい

・口を開けると痛みが出る

・頭痛や肩こり、耳鳴りがする

上記のような症状が出ることがあります。関節の後ろに血管や神経が走行していて、関節が後ろに押されると血流の流れが悪くなったり、神経を圧迫します。その状態が続くと顎の関節は段々変形していくので音や痛みが出ます。身体は苦しいので、顎を前に戻そうとします。そのため歯ぎしりや食いしばりを起こします。

歯へのダメージ(歯の摩耗・破折)

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上の前歯が下の前歯に強く当たり続けることで、下の前歯の先端がすり減ります。これを咬耗と言います。削れ方がきついと神経に近い部分まで削れてしまうこともあり、知覚過敏を引き起こします。痛みが出れば虫歯でなくても歯の神経を取らなければならないこともあります。歯が欠けたり、破折の原因になります。顎が奥に下がっているので、奥歯にも噛む力がかなりかかるので、奥歯も欠けたり、割れたり、被せ物が取れやすくなったりします。歯周病と併発すると、力がかかって揺れやすくなって、グラグラし始めると揺れが止まることがありません。

舌のスペースが狭くなる(口腔容積の減少)

過蓋咬合では、上下の歯が深く噛み合いますから、口の中の空間が狭くなります。立方体をイメージしてください。底辺の面積は同じでも、高さが倍になると、容積も倍になります。逆に言うと過蓋咬合によって容積が半分になると、口の中に収まっている舌の収まるスペースが半分になります。舌の居場所がなくなると、舌は下に落ち込むか、さらに奥に引っ込みます。舌を動かすスペースが小さいので舌の筋力が低下します。機能も低下します。そのため滑舌が悪くなる、飲み込みづらいなどの症状を引き起こすことがあります。舌の動きが悪くなることで、歯並びが悪くなることがあります。顕著なのが子供です。舌が奥に行くことで気道が狭くなるので、鼻呼吸がしづらくなり口呼吸になりやすい傾向にあります。それは睡眠時無呼吸症候群のリスクが上昇することも意味します。

特に子供の過蓋咬合はいけません。

これまで述べたように、過蓋咬合はよくない咬み合わせです。乳歯の時に過蓋咬合であれば、生涯過蓋咬合であることがほとんどです。小さいときに歯並びがキチキチで過蓋咬合であれば、それは上顎の劣成長です。正しく成長していない、ということです。本来子供はすきっぱでなければなりません。乳歯より大きな永久歯が生えてくるからです。成長して大きくなったら空いてくるだろう、と思いがちですがそうはなりません。舌が正しく機能していないからです。舌の機能が働かないと上顎が大きくなれません。舌の機能の獲得は、哺乳の仕方、期間により獲得されます。哺乳の結果が舌の機能に影響を表しています。離乳食の与え方も影響があります。

過蓋咬合だと舌の機能が育たない

先程述べたように、過蓋咬合だと、舌が収まるスペースが物理的に狭くなります。舌を挙上する必要がない、動かす必要がない、ので当然機能が落ちます。使わない筋肉は使いません。舌は安静時(何もしてない時)に上顎に軽く触れている状態が正常です。しかし、過蓋咬合では 舌が上に持ち上がらない(持ち上げる必要がない)ため、舌が下がった位置にとどまりやすくなります。これを低位舌と言います。舌の筋活動が少なくなり、本来の機能(咀嚼・嚥下・発音・姿勢維持など)を発達させにくくなります。

舌機能の未発達が引き起こす問題

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舌が下がることで気道が狭くなり、鼻呼吸が妨げられる。口呼吸やいびき・無呼吸傾向になります。鼻が詰まっているためにやむを得ず口呼吸していることもありますが、口ポカンの大きな原因でもあります。舌は全身のバランスをとっていると言われています。そのため、舌の位置異常により、頭の重心・頸部筋の緊張バランスが崩れますから首の前傾、いわゆる猫背になりやすいです。舌が上顎に持ち上がらないと舌が正しい位置に置けず、空気が漏れてしまい、サ行・タ行などが発音できない構音障害を起こす遠因ともなります。唇・頬・舌の均衡の取れた位置に歯が並ぶのですが、舌の力がないと歯列を押し広げられなくて歯並びガタガタや不正咬合の原因となります。

過蓋咬合は歯並びだけの問題ではない

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舌・呼吸・姿勢・顔貌・全身機能に悪影響を及ぼす全身問題といえます。前歯のかぶさりを浅くして、舌のスペースを確保できれば舌が正しい位置に戻ります。正しい舌位になることで、呼吸や嚥下の機能が整いますから、上顎を大きくすることを考えましょう。上顎は10歳までにほとんど成長を終えます。下顎はその後に成長のピークを迎えます。上顎が正しく大きく成長しないと、下顎も基本的にはそれに合った成長しません。ですから、遅くても10歳までに治療に取り組むことをお勧めします。過蓋咬合は上顎の劣成長であることが多いです。話は少し変わりますが、小さい時期の受け口も、上顎の劣成長が原因です。これも舌が上顎に付かず、内側から外に向かって拡げる力がない舌の機能不足によるものだと考えています。小さい時期に舌を機能回復させるにはまず器から大きくし、その上で舌の筋肉の使い方を覚えなければなりません。ですから咬み合わせの後戻りを防ぎ、機能的に安定した咬合が得るためには舌のトレーニングを平行して行うことが必要です。

過蓋咬合の治療

子ども

成長という武器があります。上顎を大きく成長させて後から成長する下顎が前方に成長しやすい環境を整えます。そうすることで前歯の深い噛み込みが改善されます。合わせて舌・唇・頬の筋肉の使い方をトレーニングし、舌や唇の使い方を覚え、低位舌・口呼吸・飲み込み癖などを改善します。マウスピース矯正で成長を使って治療していくとよいでしょう。

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大人

下顎が後ろにいって、奥歯の咬み合わせが低くなっていることが多いです。顎関節が変形していたり、顎関節症状があるので、下顎を前に戻すことができれば戻すようにします。マウスピースを装着すると咬み合わの高さが、マウスピースの高さだけ高くなります。咬み合わせの高さが挙がると、下顎は前方に誘導されることが多いです。(顎関節の状況にもよりますので、そうならないこともあります。)下顎が前に出れば、奥歯が空きますからその部分を埋めるように、矯正治療か被せ物で噛ませるようにします。下顎が前にでれば、前から見ると下の前歯が見えるようになります。そうして口腔内の空間確保します。ただし、上下の顎の骨の大きさがアンバランスだと、顎の前後の問題が解決しても水平的な問題が解決しません。成長がないので上顎を大きくすることは難しいです。

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マウスピースで矯正って、どう治療するの?

2026年1月15日

マウスピースで歯は動くの?

マウスピース矯正、昨今よく聞きますよね。マウスピース付けておくだけで歯が動くって本当?って思いますよね。でも動くんです。でもマウスピース一つ作って、それだけを付けておくいても歯は動きません。今回はマウスピース矯正に係る素朴な疑問について述べていきたいと思います。

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型取りして歯に合った1枚のマウスピースだけでは終わりません。

マウスピース矯正は歯を動かす計画を、レントゲンやCT、口腔内写真、顔貌写真などを元に作成し、それに沿って、マウスピースを交換していく必要があります。1枚で歯が0.2~0.25mmほど動くよう設計されており、1枚ずつ交換しながら治療のゴールへ少しづつ動かしていくのです。その枚数は歯並びや噛み合わせによって異なります。短期間で終わる人、長期間かかる人それぞれです。

付けたり、付けなかったり、では動かない。

マウスピース矯正では1日22時間以上の装着が必要です。22時間装着しても2時間分元に戻ろうと動きますから、20時間分しか動きません。8時間外していると、24―8=16。16時間分動いて8時間分戻ろうとします。(針金の矯正は外せません。24時間まるまる矯正力が働きます。)装着時間が足りないと、歯が設計通りに動かないだけでなく、次のマウスピースが合わなくなります。治療期間が長くなるだけでなく良い結果が得られなくなります。寝るときだけ、とか家にいる時だけ、では効果が発揮できません。

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食事のときは外します。

マウスピース矯正では、顎の位置を変える時に用いるソリューションが付随したマウスピース以外、食事の時はマウスピースを外します。もちろん歯ブラシの時も外します。着けっぱなしではありません。飲み物も、水以外は外します。お茶もマウスピースに茶渋が付着しますから、基本的に外します。糖類が入っているものなら虫歯の原因になりますから、外して摂取してブラッシング後装着していただきます。

マウスピース矯正でも抜歯が必要なケースはあります。

マウスピース矯正だと重度のガタガタでも非抜歯で治療できる、という認識は誤りです。骨格性の問題があったり、歯の生えている方向、顎の大きさなど、マウスピース矯正単独では難しい症例があります。精密な診断してからになりますが、治療計画や装置の工夫次第で広い範囲に対応可能です。どんな症例でもマウスピースで治せる、と思っている方は多いですが、抜歯を伴う治療計画が組まれることもあります。

歯を少し削ることがあります。

成長が終わっていると、顎は大きくなりません。決まった顎の大きさの中で歯を並べていくことになります。歯を並べるのにスペースが不足している場合、そのスペースを確保する一つが抜歯です。でも抜歯で得られるスペースは多すぎる。そんな時は歯の幅を少しづつ削ることがあります。被せ物や詰め物であればそれを第一候補にします。なければ天然の歯を少し削合することがあります。歯と歯の間を最大1か所0.5㎜エナメル質内で削合します。日本人の平均の幅や左右の大きさを元に場所や削合量を決めます。歯のバランスを考えて整えます。麻酔が必要となるほど削ることはありません。安全性も確立されています。(基本的にお子さんは削りません。)

歯の表面に歯と同じ色の白い材料を付けます。

歯の表面に、虫歯を治した後に詰める白い樹脂を設置します。これをアタッチメントと言います。歯の色ですから目立ちません。マウスピースだけでは歯に矯正力が伝わりにくいのです。アタッチメントを付けることで回転や根の移動など、複雑な動きが可能になります。 診断して最適な力が加わるように形、方向、大きさは1歯づつ異なります。治療後には削って取り外します。アタッチメント設置において歯を削ることはありません。(金属部分削合します。)アタッチメントを取り除く時は特殊なライトを使って歯と材料の違いを鮮明にして材料だけを取り除きます。自分の歯を削ることはありませんのでご安心ください。

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ワイヤー矯正より痛みは少ない

マウスピース矯正では5~7日毎にマウスピースを交換していきます。1枚のマウスピースで歯が0.2~0.25mmほど動くように設計しています。歯を動かそうとしていますからやっぱり軽度の痛みや違和感があります。あまり感じない方もあります。ただしワイヤー矯正よりも痛みは少ないと感じる方が多いです。それは少しづつ動かしているからです。ワイヤーは交換ごとに力が比較的一気に力がかかる傾向にあるので、交換してしばらくの間痛みの出る傾向にあります。

最初の治療計画ですべて終わることは少ない。修正が必要なことが多い。

装着時間、歯の動きの個人差、顎の位置の改善など、治療計画と実際の歯の動きにズレが出たり、別の問題が見つかった場合は、治療目標に向けて改めて治療計画を修正します。元々の歯並びや噛み合わせに多くの問題が内在している場合、一気にすべて改善出来ないので治療目標を分割し、一つの問題が解決したら次の問題に取り掛かる、ということをしていきます。問題が少なければ早く終わりますし多ければ治療期間も長くなります。ステップ毎の治療になると思っていてください。

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治療後もしばらく装置を使う必要がある

がんばって治療を終了してマウスピースとおさらば、と思われるでしょうが、矯正治療後は、必ず保定装置(リテーナー)を装着する期間が必要です。元の位置に歯は戻ろうとするからです。リテーナーを使わないと歯が後戻りしてしまいます。せっかく頑張って整えた歯並びをキープするための最後の仕上げ、ですね。期間は歯を動かした期間と同じです。できればその期間を過ぎても、就寝時だけ使用していただくのがベストです。

唇や舌の筋トレが必要なこともある

お子さんの場合、口ポカンや口呼吸の問題も持っている方があります。マウスピース矯正で歯並びや噛み合わせが良くなってもこれらが原因で崩れていくことがあります。そのためマウスピース矯正と並行して筋機能療法に取り組んでもらわないといけないことがあります。

マウスピース矯正のメリット、デメリット

アタッチメントを設置した上で、マウスピース全体で歯に力をかけます。1枚のアライナーで動く歯は約 0.25mm。きちんと装着時間を守っていただければ5~7日間で次のアライナーに交換します。1枚で動かす量が少ないので矯正力はワイヤーより弱いので痛みは比較的少ないです。透明で目立たず、取り外して食事や歯ブラシをしていただきます。取り外せるので、きちんとコンプライアンスを守っていただけないと治療効果が得られません。

ワイヤー矯正のメリット、デメリット

歯の表面にワイヤーを通すブラケットを設置し、ワイヤーで歯に力をかけます。ワイヤーの形状、太さ、硬さを変更、交換して歯に力をかけます。ブラケットの位置、方向とワイヤーの性状で歯を動かしていきます。ワイヤーを交換すると交換初期に急激な力が強めに加わることもあるので、それが痛みとなって表れることがあります。ワイヤーが見えやすく、歯磨きが難しいこともあるので、適切なブラッシングが出来ないと虫歯ができていることがあります。自分で脱着できないため、24時間力をかけ続けることができます。

ワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも同じ生体の仕組みを利用しています。

マウスピースでも十分に歯は動きますし、対応症例もほぼ同じくらいになってきています。マウスピース矯正はワイヤー矯正よりも計画的、段階的にコントロールしやすいというメリットがある反面、装着時間の自己管理が必要などのデメリットもあります。その特性を考えて選択されるとよいでしょう。

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永久歯の数が足らない時はどうすればよいか

2026年1月8日

永久歯の数が足らない、と聞いたらビックリしますよね。

乳歯が抜けてしばらく経つのに永久歯が生えてこないとか、学校検診で指摘されて永久歯の数が足りない先天性欠如を知ることになって受診されることも少なくありません。先天性欠損は、遺伝的要因が主な原因とされていますが、環境的な要因や全身疾患、発生過程の異常も関係していると言われています。先天性欠如の約70〜80%は遺伝的背景があるとされています。家族にも歯の欠損があるケースが多く、常染色体優性遺伝が関与するともいわれます。特に上顎、下顎の第二小臼歯や上顎側切歯の先天欠如は、遺伝性が強い傾向があります。永久歯の先天欠如の頻度は日本人で約7%前後らしいです。

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発生過程での異常(歯胚形成の失敗)

歯は胎児期に歯胚(歯の芽)から発生しますが、この歯胚が形成されない、あるいは途中で消失することで、永久歯が作られなくなります。歯胚の形成は胎生6〜10週に起こるため、この時期の異常(栄養不足、薬剤、感染など)も影響する可能性があります。まれに、母胎の病気(風疹や栄養不良)、特定の薬剤の使用などの要因で歯胚の形成や発育が阻害されることもあります。

多数の永久歯の欠損もある

複数歯の欠如(6歯以上)や全欠如(無歯症)は、遺伝症候群の一部症状として現れることがあります。外胚葉異形成症、Down症候群、クルーゾン症候群、ゴールデンハー症候群など

乳歯はあるのに永久歯だけ欠如するのはなぜ?

乳歯と永久歯の歯胚は別々に形成されるため、乳歯が正常に生えていても、永久歯胚が作られていないことがあります。特に第二小臼歯や上顎側切歯は、進化的に退化傾向にあるとされ、永久歯が欠如しやすい部位になります。

先天欠損があるとどんな影響があるのか

先天的に1~2歯の永久歯が欠損している子どもにおいては、乳歯が抜けてしまう時期、欠損の部位や数、周囲の歯の状態、咬合関係によって、顎の成長に次のような影響が出る可能性があります。

噛む力のバランスが崩れ、顎の成長が左右非対称になる可能性がある

後から生えてくる永久歯のない乳歯が抜けてしまうと、歯の並びに空隙が出来てしまいます。そちら側では噛めないので、反対側ばかりで咀嚼する癖がつき、顎の左右の筋肉の発達に差が生じやすくなります。これにより、顎の偏位(非対称)が起こることもあります。また前後の隣接歯が倒れこんだり、噛み合わせの反対の歯が少しづつ伸びてきて咬みにくくなります。結果として、上下的な顎の成長がアンバランスになります。

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永久歯の欠如により乳歯が長く残る

交換する下顎小臼歯がない乳歯は歯の根が吸収されないので、長く機能し続ける傾向にあります。永久歯の萌出する力で上下方向に顎は成長していくのですが、乳歯のままだと萌出する力がないので高さが確保されません。咬みあわせが低くなり、下顔面の垂直的成長が抑制されることもあります。顎側切歯の先天欠如 があると前歯に隙間ができ、前歯の真ん中と顔の真ん中が合わなかったりするので。顔貌の非対称が起きたりします。

多数の先天欠損がある場合

5〜6歯の永久歯の先天欠如(中等度の先天性欠如)になると、これまで述べてきたことがすべて起きうる可能性が高くなります。乳歯が残っていてくれたら良いのですが、比較的早期に抜けてしまうと成長が終わってから欠損部位を補うのではなく、成長期から顎の発育誘導、咬合育成、歯列形成、審美・補綴などの長期に渡る治療が必要になります。

早期からの対応とフォローアップが重要

先天欠損歯があっても、早期から咬合誘導や矯正治療を行うことで顎の成長を良い方向に導くことは可能です。成長の観察と適切な時期に補綴スペースの確保、空隙の閉鎖を行い、成長終了後の補綴やインプラントが行いやすい環境を整えておくことが重要です。

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部位別永久歯先天欠如の治療方針

哺乳や離乳の時に適切な負荷をかけて口の機能を獲得できているのが条件にはなりますが、顎は親知らずを除き、永久歯の数に合っただけしか大きくなれません。口ポカンは口の機能が獲得できていないので顎は適切な大きさに成長出来ませんから、歯並びはよくないです。先天欠損があれば数が少ない分だけ顎は大きくなれません。

上顎側切歯(上顎の2番目の前歯)

頻度が高い先天欠如部位です。審美的・機能的影響が大きいため、特に早期から治療に取り組む必要があります。上顎の成長は10歳がピークです。ピークを越えると顎は大きくなれません。本来永久歯萌出してくる部分に成長後、インプラントできるだけのスペースを確保しなければなりません。上顎骨の成長時期に矯正治療でスペース確保しなければなりません。成長が終わるまでインプラントはできませんので長期的な管理が必要になります。それまでは矯正の保定装置をしようしていただき、空隙が目立たないようにします。

下顎第二小臼歯(下の奥から3番目)

非常に多い欠損部位です。奥歯なので噛み合わせと骨格に大きな影響を及ぼします。基本的に第二乳臼歯を長期保存します。        永久歯ではないため、将来的な補綴が必要になることが多いです。本来生えてくる永久歯の幅に形態修正することもあります。その乳歯が抜けてしまったら、成長後にインプラントで補綴できるようにスペースを確保するようにします。成長終了までは矯正の保定装置をしようしていただき、空隙が狭くならないようにします。

上顎第二小臼歯(上の奥から3番目)

下顎の同じ歯に比べて欠如頻度は低いが、同様の処置が必要です。基本的には下顎第二小臼歯と同じ対応になります。

下顎側切歯(下の2番目の前歯)

比較的稀だが、左右非対称な咬合になりやすいです。歯の幅は比較的小さいので隣接歯を移動して空いているスペースを閉鎖することが多いです。逆に本来の永久歯の萌出するスペースを、成長が終わるまで保持して、成長後に補綴することもあります。

矯正治療と補綴治療の連携

本来成長するだけの大きさにしたいのでスペースを確保します。永久歯列が完成し成長が終わってから(女子16歳〜、男子18歳〜)インプラント治療するのがベターです。ブリッジも検討する補綴方法ですが、人生の長さを考えると歯を大きく削合することを若年のうちに行うことは悪手だと私は考えます。(下顎前歯に限っては接着性ブリッジという選択肢はアリです。削合量がかなり少ないからです。他の部位への使用は脱落の可能性が高くなるからです。)

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中等度先天性欠如(5~6歯欠如)の治療方針

今まで述べたすべてを行うことになると考えられます。欠損歯が多いと顎の発育が不十分になりますから、本来なるべき顎の大きさまで成長させなければなりません。欠損部のスペースを確保し、欠損部を成長後にインプラントで補綴するという最終目標になります。長期にわたる治療となります。上顎の成長は10歳がピークです。それまでに取り組み、インプラントなどによる欠損部の修復まで7〜10年の長期的管理が必要になることも珍しくありません。必要に応じて筋機能療法(MFT)、上顎急速拡大装置など、将来の咬合や顔貌への影響を最小限にするための取り組みもしていかなくてはなりません。

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早期から取り組むことが超重要

1歯の永久歯の先天欠損であっても、これまでお話した通り覚悟と根気が必要になります。顎の成長を促し、長い生涯を健康に過ごすための取り組みだとご理解ください。治療の開始時期は早ければ早いに越したことはありません。

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痛い時だけ行く歯科医院は、かかりつけ歯科医院ではありません。

2026年1月1日

痛いときだけ行くのは、かかりつけ歯科だから?

痛みがあるので診て欲しい

腫れたので診て欲しい

詰め物が取れたので付けて欲しい

このようなことで歯科医院を受診されるのではないでしょうか?その際に連絡される歯科医院はどちらでしょうか?かかりつけの歯医者だから、ということだと思います。では、かかりつけの歯医者はどういう歯医者かというと、定期的な間隔で受診されて、お口の健康状態に変化がないかを確認し、もし変化があれば悪くなる前に手を打ってくれる医院のことです。(家の近くにあるから)痛くなったり、取れたり外れたりした時だけ行く歯科医院のことはかかりつけの歯科医院とは言いません。それはただの近所の歯医者さんです。その場限りの治療だけ受診されている方に、かかりつけだから来ました、とおっしゃっていただいてもピンとこないのが正直なところです。

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かかりつけ歯科医とは

私の考えるかかりつけとは、あなたのお口の健康を維持するためのパートナーだと思っています。皆さんお口の状態は当然異なります。咬み合わせ、歯並び、顎の大きさ、治療した歯の数と位置、治療材料、習癖、失った歯の数とその位置などなど。歯ブラシが届きにくい場所、歯磨きの仕方や癖、なども違います。ですから、虫歯になりやすいところ、磨きにくい場所、なども人それぞれです。虫歯や歯周病リスクも場所によって高い低いがあります。口腔内のリスク回避をして生涯自分の歯で、不幸にして歯を失っても、今よりもグッと悪くならないようにして最期まで豊かな食生活を送るお手伝いをするのがかかりつけ歯科医だと思っています。それは定期健診を続けていただいた上に成り立つものだとも思っています。

定期的な受診していただいていると、口の中がどうなっているかを想像できる

定期的に受診されている方から偶発的なことが起こったという連絡があった時、お名前だけであそこかな?と推察が付くことがあります。具体的な部位や症状をお聞きできれば電話だけで処置する内容、時間、などを私は瞬時に判断できます。スタッフへの指示も精度高くできます。事前にウィークポイントやリスクを把握できているからです。痛みやトラブルの時だけ治療にお越し方は、その場限りなので拝見してからでないとわからないことがほとんどです。

痛くなったら受診するというスタンスのデメリット

痛みが出た時点で、虫歯や歯周病は中程度~重度に進行していることが多いです。早期なら簡単な処置で済んだものが、神経を取ることになってしまったり、抜歯が必要になったりすることがあります。どの疾患も兆候があってから症状が現れます。当然治療回数、費用も増える傾向があります。歯を失うと、インプラント、入れ歯、ブリッジなどの補綴治療が必要になります。固定式の治療を選択することが出来ないこともあります。そうなると入れ歯の一択です。

詰め物、被せ物が取れた時だけ受診される方

詰め物が取れた、には理由があります。“前も取れたときはまた付けてもらえたから、同じでしょ?痛みもないし。” 行けば元通りになる、と思ってらっしゃると思います。同じ個所が何度も取れるのは何か理由があると思いませんか?取れた=何か問題があるというサインです。接着力が落ちているということは、虫歯、噛み締め、いずれかに問題があるということです。虫歯は当初は無症状で進行します。虫歯があると歯と詰め物との間に隙間が空くので取れます。噛み締めがきついと噛む力によって毎日セメントが少しづつ崩壊して取れます。虫歯があれば虫歯の治療、噛み締めの強い方は咬み締め癖の改善や夜間のマウスピース使用をしなければなりません。根本的な原因があって説明しても、取り合えず付けて欲しいとおっしゃる方も多いです。痛くないから問題ない、健康、と思ってらっしゃるようです。最小限に済ませたいという気持ちはわかりますが、長く歯を持たせることを考えて欲しいと思います。

宇治市 歯医者 bridge なかむら歯科医院

この前治療したばっかりだけど、なんで取れるの?どうして痛むの?とおっしゃる方

その場限りの治療を希望される患者さんからよく聞く言葉です。こちらの思うこの前と、患者さんのこの前は大きくズレているように思うことがよくあります。実感として、患者さん側の、この前やってもらった歯は、1年前~5年です。こちらとしては1~2か月がこの前、という感覚です。年を重ねていくと、半年や1年がつい最近と感じられるようになるのでやむを得ないところです。定期的にお越しの方はそうではありませんが、不具合が生じた時だけお越しの方は通院が少ないので1回だけ治療しただけでも、この前治した、として印象に残り、記憶されているようです。数年経っていれば材料の劣化や虫歯の可能性もありますよね?

前と同じにして欲しい、とおっしゃる方

この前は何年かもったから同じようにして欲しい、とおっしゃる方も多くいらっしゃいます。患者さんはご自分の身体に変化がないと思っているようです。数年前と今とでは、お口の中の環境も、歯ぐきの状態も、噛み合わせも少しずつ変わっています。特に歯のすり減りや歯列の変化は必ず変わっています。だから、前と全く同じ条件ではありません。前回長持ちしたのは、様々な条件が良かったからかもしれません。お口の中は日々変わっています。永久的なものはひとつもありません。前は数年もったから今回も同じようにもつはず、と思い込まないようになさってください。治療した何年か前と今の口腔内環境は全然違います。

かかりつけ歯科医で定期的な受診をするメリット

治療の履歴を把握しているので、歯の治療だけでなく、噛み合わせ、歯並び、生活習慣まで口腔の健康管理をサポートできます。痛くならないように支え、それでも起きてしまう事象に対応できることです。自分に合った「かかりつけ歯科医」を選んでください。チェックポイントを挙げるので参考にしてください。

定期検診や予防処置を重視しているか

丁寧にわかりやすく説明してくれるか

話をしっかり聞いてくれるか

記録や経過観察をきちんとしているか

衛生士、スタッフとの連携が取れ、処置や説明が的確かどうか

院内が清潔で、感染対策が徹底されているか

忙しくても定期的に通いやすい場所か

患者本位の提案があるかどうか

宇治市 歯医者 dr なかむら歯科医院

定期健診にいかない理由

痛くなければ行く必要はないと思っている

歯医者は治す場所と思っている

過去に定期通院したが効果を実感できなかった

今は困ってないのにお金を払うのがもったいないと感じる

仕事が忙しくて通う時間がない

介護や子育てで時間に余裕がない

歯科治療への恐怖心・苦手意識がある(例:麻酔、キーンという音、過去の痛い記憶)

歯科医院の雰囲気(におい、音、閉鎖的な空間)が苦手

スタッフとの相性が悪かったことがある

悪いところを指摘されたくない(怒られる、恥ずかしい)

自分の口の中の状態を知るのが怖い

行こうと思っているけど後回しにしている

歯が少なかったり、入れ歯を入れているから今さら予防?

歯周病が進んでいて、治らないなら行っても無駄

自分の歯は弱いから…とあきらめている

歯のケアは自宅の歯みがきだけで十分と思っている

自分は歯が丈夫と思っている

失ってからではもう遅い

通わない理由はいくらでもあります。それでも定期健診を続けていくメリットの方が多いです。歯を失った患者さんからよく聞く言葉に、前から来ていれば良かった、です。歯科大学では1本の経済価値は150万相当と教えているそうです。自分にあったかかりつけの歯科医院を見つけて、最期まで笑ってしっかり食事できるようにお口の健康を保ってください。院長含めたスタッフ、医院のカラーとの相性というのはあります。相性の良くないところにはなかなか通いづらいですよね。“その時だけ”治療に通われている方は是非どちらでもよいので自分に合う、かかりつけ歯科医院を見つけて定期健診をルーティンにしてください。

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