23日、第37回日本顎咬合学会 学術大会・総会に参加してきました。
多岐に渡る演題があって、どの講演を聴講するかかなり迷いました。
インプラント、義歯、顎関節、デジタルデンティストリー、包括的歯科診療と丸一日聴講してきました。
歯周病について聞けなかったのが心残りでした。
診療に活かしていきます。
抜け替わりますが子供の虫歯は放置してはダメです。
2022年6月23日子供は意外と痛みには強いです。
ですから痛みを訴えないことがよくあります。
気づいた時には結構大きくなっていて困ることもあります。
小さい虫歯は歯の色と同化して分かりにくいです。大きくなれば食べ物が歯と歯の間に物が詰まって色が変わったりするので分かるようになります。
治療していても白い詰め物だと取れても分からないことがあります。
詰め物が取れていなくても材料の一部が欠けている場合もよくあります。
小さい虫歯を治す時は小さく削ります。詰めていく接着面積が小さいので外れやすくなる、という理屈です。
歯茎が腫れても痛くない
虫歯が進行して、神経まで達するとその前後から痛みを感じるのですが、あるところを越えると痛くなくなります。神経がダメになってしまったのです。
そうすると神経と血管が腐敗していき膿になります。
身体としては異物ですから、出したい、でも出口がない。それで身体は膿を出すのに柔らかくて最短距離を選んで出そうとします。
それで歯茎が腫れるのです。
腫れは一時的に引くことはあっても根本の原因である虫歯、根の治療をしないと完治しません。
黒いところは削らないとダメなのか
歯の溝が黒いのは自分で分かりますが、すべて治療をする必要はないと私は考えています。
診断機材、視診、触診などで診断した上で必要なら治療します。
黒くても虫歯の進行が止まっているかもしれませんから、定期的に経過観察していきます。
削って詰めることになっても詰めたところと自分の歯との間にどうしても境目ができます。
境目に汚れが溜まるとそこからまた虫歯になることもあります。
年齢もあるでしょうけれど、できる限りは仕上げ磨きをしつつ、春期、夏期、冬期の休み毎に定期的に健診に来ていただければと思います。
定期検診を行うことで、未然に虫歯にならずにすむことがあるからです。
これは子供に限らず大人もそうですね。
神経処置の後遺症
もちろん虫歯を放置すればだんだん大きくなり神経に達します。
子供の歯の神経は歯の大きさに比べて大きいので、神経までの距離が短く、虫歯になれば進行は意外と早いです。
神経処置してしまうと、歯の根の部分が早く溶けてきて、早期に抜けてくる可能性があります。
早く抜けてしまうと隣の歯が倒れこんできて、永久歯の生えるスペースが無くなり、歯並びに影響してきます。
また虫歯の放置期間が長いとその下から生えてくる永久歯の先端の形態がデコボコしたり、歯の色に影響することがあります。
乳歯の奥歯は長くても中学生のうちに抜けます。ただし抜けても後から生えてくる永久歯がない場合があります。(先天性の永久歯の欠損です。)
ですから基本的に乳歯は抜けますが、乳歯を大事にしなければなりません。
抜けない乳歯を無理に抜くことはありません。よほどでなければそのまま使うことになります。気になるようであればレントゲン写真を撮らせていただきます。
ですから子供の歯の虫歯は抜けるから、まあいいや、はよくないのです。
学校検診で感じたこと
2022年6月16日先週、担当させていただいている小学校へ歯科検診に行ってきました。少子化とはいえ、ひと学年2~3クラスありますから150人くらいの数です。とても一回では診きれないので例年3回に分けて検診をしています。
診療と同じように正面からでなく頭上から診るスタイルで検診を行っています。私にとってはその方が奥の方までよく診えるからです。
検診で何を診ているのか
虫歯はもちろんなのですが、歯垢の付着状態、歯石の付着の有無、歯茎の腫れの有無上下の噛み合わせ、歯並びのガタガタ具合、顎関節の異常の有無、軟組織の異常などを診ていきます。
最近では口腔への意識も高くなっていて虫歯のない子供たちがほとんどです。
数少ない虫歯のある子供たちの虫歯の数は1~2本ということでなく、数多くあることがほとんどで治療痕もないことが多いです。
ある意味格差がとてもあります。
保護者の方が子供を医院へ連れていく時間が無いのかもしれませんし、ネグレクトでないかを服装で覆われていないところを見て判断したりします。
虫歯
虫歯を放置しておけば乳歯の生え変わりの時期が早まり、永久歯の歯並びの悪くなる原因になったり、あまり噛もうとせず咀嚼効率が悪くなったり、片噛みの癖がついたり、ひどくなれば歯の根っこの炎症を引き起こし顎の骨にも炎症を起こさせたりします。
乳歯は抜けるからと言って放置してもよいことはありません。
治療に足を運んでもらいたいと思います。
歯の汚れ
歯垢の付着も、綺麗かそうでないかの両極端に分かれます。
長い間歯垢が付着している場合、歯垢の色が白ではなく橙色をしています。
前歯、下顎の奥歯の舌側がそうなっていることが多いです。
これも適切な歯ブラシの指導を受けてもらいたいと思います。
歯垢の付着は虫歯、歯肉の炎症の原因となります。子供の歯周炎も増加傾向にあります。
子供でも歯石は付着します。歯石は取り残されていた歯垢が硬くなったものです。
ブラッシングが上手くできていない、ということです。
噛み合わせ
受け口、出っ歯、上と下の前歯が空いている開咬、前歯のガタガタ、があるかないかをチェックします。
受け口は早急に治した方がよいです。遺伝的な受け口でなければ年齢一桁のうちに対処した方がよいです。
出っ歯、開咬、ガタガタについてはなかなか難しいのですが、やはり早めに治療を開始、もしくは診察を受けた方がよいかと思います。
顎関節
顎関節の異常は態癖と言われる習癖が原因であることが多いです。
その習癖というのは、うつぶせ寝、頬杖、寝ぐせ、などを言います。
頭はボーリングの玉と同じくらいの重さがあります。反作用でそれくらいの力が顎にかかっていますから歯並びに大きく影響してきます。ちなみにですが歯の矯正力は250~300gです。
学校歯科検診を通して小児期の治療、定期検診の重要性をご理解いただければありがたいです。
もしお子さんが学校検診の紙をもらってこなくても、年に数回は健診にはお越しください。
取れた詰め物を付けるだけなのに、すぐ診てもらえないの?
2022年6月8日実はやることいっぱいあります!
詰め物、被せ物が急に取れた経験はありませんか。
取れただけで何の不自由もなかったし、取れた物もあるし、着けるだけならそんなに時間もかからないだろう、と思いますよね。
何の問題もないならしれでよいのですが、問題があるのかどうかを確認しなければなりません。適合が悪くないのであればセメントの崩壊による接着力の低下なのですが、何故崩壊したのでしょう?
噛み合わせに問題がないのか?
取れた物の一部がとても強く当たっている、それも当たらない方がよい所なのか当たらないといけないところか。
当たらない方がよい所なら、当たらないように調整しなければなりません。
当たらないといけないが、適当でない場合は適切に調整しなければなりません。
取れた物の大きさによって調整する時間は変わります。適切な噛み合わせにして今後取れる可能性を減らしておきたいからです。
虫歯や歯の欠けは無いのか?
中が虫歯になっていれば隙間が出来ますから外れてきます。
歯の一部がかけていても、セメントが崩壊して外れてきます。
そういった場合は歯を削ったり、型を取ったりという治療をしなければなりませんからそのための時間が必要になります。
歯が折れていることもあります!
神経の無い、いわゆる差し歯というもので、土台ごと取れてくることがあります。
取れた物に折れた歯の一部が付いていることもあります。また金属の土台が折れていることもあります。
土台が短くなっているといくら強力なセメントを使っても、また取れます。
状況によっては、残っている歯自体が割れていることもあります。
そういった場合には、再度土台の型取りや、型の取りなおしをしなければなりません。(抜歯や根の治療になることもあります。)そのような場合には改めて予約していただき、治療時間を確保して診療することになります。
接着を待つ時間は5分
運よく取れた物をつけれたとして、そこからセメントが硬化する時間を待たねばなりませんし、その後はみでたセメントを除去しなければなりません。
セメントの取り残しは歯石と同じように歯垢が付着しやすくなり、歯肉に炎症が起きますから、そのようなことのないようにしなければなりません。
そんなこんなでセメント自体の硬化を待つだけでも5分、除去するのに更に数分はかかります。
前からご予約いただいている方の時間は削ることはできません。
当院は予約制で運営しています。できる限りフレキシブルに対応はしたいと思っていますが、前々からご予約いただいている方の診療時間は確保しなければなりません。また感染予防対策として患者さん毎に使用ユニットの洗浄、消毒を行いますのでその時間も必要です。
以上のことから、今まで不具合のない詰め物や被せ物の脱落とはいえ、行う診療は簡単ではありません。ですから、すぐに、ご希望の時間に、対応できないことがあります。
ご理解いただきますようお願いいたします。
糖分2
2022年5月30日お菓子にも結構な量な砂糖が入っています。
間食は極力控えてください。
歯の外傷
2022年3月12日本日診療終了後、京都府歯科医師会主催によるzoomセミナーを受講しました。
愛知県開業 月星先生による歯の外傷についての講演でした。
歯の外傷、いわゆる歯のケガです。
子ども、大人、問わず起こり得ます。またさまざまなシチュエーションが考えられます。
交通事故なら一般的にはまず病院に行き、そこからの受診になりますから神経を取ったり抜歯になる可能性がかなり高くなります。
歯が折れた場合も、どこで折れているのか、飛び出しているのか、めり込んでいるのか、折れたり抜けたりした歯はあるのか無いのか、どれくらい時間が経っているのか、などなどで処置は変わります。
また緊急で来られるので、対応する時間がなかなかとれないのが実のところです。
口腔外科や小児歯科の専門医に対応してもらう方がよいこともあります。
皆さんご存知かと思いますが、もし折れてしまったら折れた歯を牛乳に漬けて持ってきてもらうことは有効です。文献上72時間が限度のようです。
ただし無調整牛乳でお願い致します。
持ってきていただいても戻せないこともありますし、神経処置しないといけないこともあります。
外傷の場合、神経が残る残らないかがすぐわからないこともよくあります。年単位で経過を見ないといけません。
ぶつけた後、見た目は何もなくても歯の色が黒ずんでくることがあります。
神経がダメになっていることが多いのですが、神経が賦活して少しずつ色も戻ってくることもあるのです。
大人はなかなかそうはいかないのですけれど。
経時的にぶつけた歯は抜歯になることもあります。
またそのまま使えないこともあり、矯正治療やインプラント治療することもあります。
不可抗力であることがほとんどかと思いますが、頭の片隅に入れておいてください。
ワクチン接種
2022年3月6日昨日の診療終了後、宇治市役所における集団ワクチン接種における経過観察業務に出務してきました。
体調悪くなる方もおられず無事終了しました。
本日の研修
2022年2月12日本日診療終了後、京都府歯科医師会主催のzoomセミナー(2時間ほど)を受講しました。
京都府歯科医師会は会員に向けておよそ2〜3ヶ月毎に研修会を主催してくれます。
臨床家にとって有益な情報ですので、特にこのような状況ではzoomセミナーはありがたいです。
少しでも知見を広げて、診療の一助に役立てたいと思います。
歯周病と糖尿病
2022年2月11日歯周病は
脳梗塞、脳卒中、アルツハイマー病、認知症
冠動脈心疾患
すい臓がん、慢性腎疾患
2型糖尿病、非アルコール性脂肪性肝疾患、
関節リウマチ
骨粗鬆症
結腸がん、直腸がん、
早産、低体重児出産
と関連しています。
糖尿病の合併症として
神経障害(手指の感覚異常)
網膜症(中途失明の原因一位)
腎障害(透析の原因一位)
大血管障害(脳梗塞、心筋梗塞)
歯周疾患
があります。
血糖コントロールの不良な糖尿病患者では歯周病に罹患しやすく重症化しやすいです。
歯周炎の治療には血糖コントロールが重要
血糖コントロールには歯周炎の治療が重要です。
歯周炎の治療は慢性炎症で起こります。
一番はプラークコントロールを適切に行うことです。
自分では磨けているつもりでも磨けていないことが多いです。
歯周病菌を完全に取り切ることはできません。
接吻などでは移りませんが、口腔内を清潔に保つことはとても大事です。
そうすることで口腔内の細菌叢を悪さしないようにするのです。
口は健康の入り口、病気の入り口
2022年1月30日アメリカ科学雑誌”ネイチャーメディシン”に論文が掲載されました。
「口腔内の細胞に新型コロナウィルスが直接感染する。」
口腔内の細胞が気づかぬうちに感染し、唾液を飲み込んで気管や肺にウィルスが侵入したり、他人に飛散させたりする培養装置になっているとしています。
口腔内細菌の出すタンパク質分解酵素は、ウィルスが口腔粘膜細胞の中に感染することを促進すると考えられています。
特に歯周病菌は強力なタンパク分解酵素を持っています。
歯周病菌の出す毒素が口腔粘膜の粘液の層を破壊しレセプターが露出するためウィルスの吸着が容易になります。
新型コロナウィルスの場合、ACE2(アンギオテンシン変換酵素2)受容体を持つ細胞に感染することが報告されています。
ACE2受容体は体内のあらゆるところに存在しますが口腔粘膜にも多く存在すると報告されています。
肺炎や慢性閉塞性肺疾患などの慢性呼吸器疾患、糖尿病やがんなどの基礎疾患を有する新型コロナウィルス感染者の重症化と死亡率が2~3倍高いことが報告されています。
さまざまな疾患において歯周病や口腔細菌との関連性が指摘され、近年では特に周術期における口腔衛生管理が誤嚥性肺炎などの術後合併症を減少させることから広く行われることになりました。
気管支肺胞洗浄液に歯周病原菌をはじめとする口腔細菌が多数検出されることや、重度の歯周病患者は肺炎による死亡率が4倍近くも高まること等が報告されています。
以上のことからこういう時だからこそ口腔健康管理が大切と考えます。(セルフケア、プロフェッショナルケア共に大事です。)
本日の研修
2022年1月29日本日診療終了後に、京都府歯科医師会主催の研修会にzoomにて参加しました。
治療時の偶発症への対応、基礎疾患への対応、訪問診療のイロハ、などの講演でした。
訪問診療の知見を積み上げていき、いずれ実践していきたいと考えています。
栄養素について
2022年1月23日タンパク質低栄養は歯周病のリスク因子です。
噛めない人は炭水化物を多くたべる傾向にあります。
イモ類、穀物を多く食べる
ナッツ、果物、キノコ類、魚介類、肉類、牛乳・乳製品、お茶・紅茶が少ない傾向です。
歯が痛くて噛めない、歯が抜けて噛めない、義歯が適合せず噛めないと摂取しやすい炭水化物を過剰摂取し、タンパク質低栄養になります。
いろいろな問題点はありますが、同じ食べ物でもなるべくGI値の低い食事にして血糖値の上昇をなるべく低い方がよいとされています。
白米より玄米、
食パン・フランスパン・ベーグルより全粒粉パン・ライ麦パン・
うどんより日本そば
コーンフレークよりオールブラン
など
低GI値食(食物繊維)では栄養吸収がゆるやかなのでインスリンの過剰分泌がありません。
人間が吸収しきれない残り物を腸内細菌が餌にしています。そうすることで腸内細菌が健全化されます。
歯周病と糖尿病の共通リスク因子があります。
それは慢性炎症、低栄養です。炎症の方がリスクは高いです。
低栄養としてはビタミン、ミネラル、マグネシウム不足
慢性炎症はプラーク(歯垢)、内臓脂肪で、そちらへのアプローチが必要になります。
意外なのがマグネシウム欠乏です。
糖尿病、歯周病の共通因子です。
腹部の肥満、運動不足、ストレス、喫煙、睡眠不足、加齢、穀物の食物繊維と共にマグネシウム摂取不足による新型栄養失調が
インスリン抵抗性が増大し、インスリン分泌能が低下します。
マグネシウムは白米を玄米、発芽米にすることで接種できます。
歯を喪失すると食材をなんでも噛んで食べることができなくなり食事内容が変わってしまう。
そのためタンパク質低栄養になりがちです。
多数歯を喪失したひとにとっては噛めないために低栄養になる可能性が高くなります。
栄養の知識があっても噛めないために低栄養になります。
義歯やインプラントなどで咬合力や食品粉砕力を回復させることが栄養状態を改善させることにつながります。
通常の義歯とインプラントでは噛める力は有意差があるくらい違います。
ただ噛めるようになっても食事の改善が見られないと(糖質偏重食やタンパク質低栄養のまま)意味はありません。
治療と共に栄養の改善が(食生活の改善)必須なのです。
食生活は大事です。
2022年1月23日ハーバード大学のダニエル・リーバーマン教授によれば、歯科疾患の原因は人類が美味しさを追求した食文化が原因とおっしゃっています。
オーストラリアやニュージーランドの先住民で、その方たちの従来の食べ物と近代化された食べ物(加工食)を主食にした2つの集団に分けた人類学的な研究があります。
加工食の集団では、むし歯や不正咬合がかなり発現したそうです。
縄文時代ではいわゆる狩猟生活でいたが(肉食)、マンモスなどの大型草食動物が絶滅すると、そのマンモスなどが主食としていたイネなどを人類が食べるようになっていったそうです。
肉食の時にはむし歯はなかったそうですが、イネを美味しく食べるように工夫していった結果むし歯の発現率が高くなっていったと考えられています。
(最初は生米のまま食べていたそうです。)
でんぷんのままでは美味しくなく、加熱して糊化したでんぷんに変えて食するようになったそうです。煮炊きすることで美味しさが引き出されるのです。
少し前の研究です。4週間の旧石器時代人の生活を歯ブラシなしでしてもらったところ、歯磨きができなくても歯肉出血と歯周ポケットの深さは減少したそうです。
またインディアナ大学の研究ですが、通常の生活で3週間歯磨きを中止するとエンドトキシン血症(細菌毒)を発症するそうです。う蝕、歯周病、歯原性菌血症が生じるとのこと。もちろん歯磨きを再開すると正常に戻ります。
人類の進化と食生活の変化で口腔内の細菌叢は変化しています。
また成長と老化によっても口腔細菌叢も変化します。
乳児と歯のある幼児でも細菌叢は違います。歯面にバイオフィルムが出来、有害な菌が多くなります。一度定着した菌を交代させることはとても難しいそうですが、栄養指導や食事指導などと組み合わせて細菌置換療法を行うことで虫歯や歯周病に対応していきたいと思っています。
咬み合わせの異常はむし歯より恐ろしい
2022年1月16日咬み合わせが悪いと歯が長持ちしません。咬み合わせが悪いと歯茎にダメージを与えるためです。
噛んだ時に早く当たる歯がある
歯が浮く感じがする
噛んだ時に痛みや不快感がある
歯がしみる
歯にものがよくつまる
歯茎から出血がある
などの項目に1つでも当てはまる方は咬み合わせがよくないことで症状がでている可能性があります。
歯の神経を取って金属の被せ物がしてあると、金属と天然歯の硬さの違いで摩耗程度が異なり噛む力が集中して何となくむず痒いとか歯が痛痒いという症状がでることもあります。
ある歯だけに強い力が慢性的にかかり続けると、その歯の周りの骨を溶かしていき、しみるようになったり歯が揺れてきたり、揺れることで歯と歯の間が空くのでものがよく詰まるようになります。
また部分的に強い力が加わってくると歯茎が充血します。充血した歯茎は歯磨きなどのちょっとした刺激で出血したります。
これを放置すると歯茎が腫れるようになり将来歯を失う原因になることもあります。
きれいな歯並びの方でも歯茎のダメージが起こる可能性は充分に考えられます。
歯茎のダメージは噛む力の大きさと分布に関係しています。
前歯の咬み合わせをみるとある程度ダメージの起こりやすい歯茎の部位が類推できます。
しみる原因は知覚過敏だけか
2022年1月15日歯がしみると知覚過敏か虫歯を疑うと思います。
虫歯についてはわかりやすいですよね。
虫歯により、歯の神経までの距離が少なくなり刺激を伝えやすくなるからです。
放っておくと虫歯が進んでどんどん神経に近づいていきます。
最初は冷たいものがしみて、甘いもの、熱いものがしみていきます。
冷たいものが一過性にしみている内は神経を残せる可能性が高いですが、しみる時間が長くなったり熱いものがしみてくると神経を残せる可能性が低くなり、ズキズキしてくるようだと残せる可能性がほぼ無くなります。
神経を除去することになると治療期間も長くなり歯を削合する量も増えます。
また経時的に歯が割れやすくなります。(神経があると割れることはあまりありません。)
ですから歯の神経を残すことは大切なのです。
虫歯にならないことが一番ですが、もしできてしまっても初期に見つけられればよいのです。
そのために定期検診に来ていただくのです。
歯周病が進行すると歯を支える骨が減ります。それとともに歯茎が痩せてきます。
そうすると歯の根っこの部分が露出してきます。その部分に刺激があるとしみてきます。
根っこの部分は刺激を歯の神経に伝えやすいのです。
また歯周病の原因である歯垢が、歯ブラシがうまくできていなくて慢性的に付着していると歯茎に炎症を
起こして浸みてきます。ダブルの原因でしみるのです。
歯周病が原因である場合は、歯石除去と共に歯垢をしっかり除去できるブラッシングをマスターしていただくことがしみることを解決する方法となります。
各自磨き癖などありますから個人のブラッシングだけでは取り切れない歯垢も出てくるので、定期的にプロによるクリーニングが必要となります。
個人により定期的なクリーニングの時期は変わります。
かみ合わせがよくないことで起こることもあります。
歯が強く当たることで歯にヒビが入っていくことで神経まで刺激を伝えやすくなってしまいます。
亀裂は見えることもありますし、見えないこともあります。
歯が欠けてくることも、神経がダメになることもあります。
噛みしめの力の強い方もその傾向があります。全体がしみるとか朝起きると顎が疲れているとかの症状があります。
かみ合わせでいうと、前歯が噛んでいない方、出っ歯の方など
かみ合わせの力の強い方は、いわゆるエラの張った顎の方や前歯の先が削れている方など
かみあわせが原因で浸みる方は、矯正治療やマウスピースなどの対処となります。
マウスピースに関しては保険診療で作成することができます。
定期的にかみあわせのチェック、高さの調整が必要になります。
高さの調整は虫歯を削るようなの痛みはありませんのでご安心ください。
診査をつくしても原因のわからない”しみる”もあります。
それが知覚過敏です。
その場合に知覚過敏用の薬剤、レーザー、歯磨剤などの対処をします。
色々な薬剤、歯磨剤があるのですが、逆に言えばこれという特効薬がないのです。
睡眠時無呼吸症候群
2022年1月9日Sleep apnea syndrome 略してSAS 睡眠時無呼吸症候群について
子供の早期矯正治療と緊密な関係があります。
睡眠時無呼吸症候群(以下SAS)の予防的な根本治療は子供の時期の矯正治療が非常に有効であると言われています。
SASの多くは主に硬組織と軟組織に起因することが多く一つの形態異常と推察されます。
上顎前突(いわゆる出っ歯)の早期治療することが将来成人での重篤SASの予防になります。
出っ歯は下顎が後退していることが多いです。
横から顔を見たときに鼻先と上唇を結んだ線よりも下顎が引っ込んでいる状態。
唇を閉じたときにいわゆる”ウメボシ”ができる方など。
遺伝的な傾向がありますから、両親のいずれかが当てはまる方は観察してみてください。
下顎が奥にあることで、舌が後ろに押しやられて気道が狭くなります。
当然寝ると重力で更に狭くなってしまうと考えられています。
ですから骨格の変化を期待できる6~8歳の時期を逃さないようにすれば将来のSASを予防できると期待できます。
つまり下顎を前方に成長させて舌の位置を正常な位置に戻すことが大切なのです。
そのうちと思っているうちに成長見込める時期は意外と早く通りすぎていきますから、気にかけていてください。
取り外しの矯正装置
2022年1月2日出っ歯やガタガタの治療も出来るだけ早い方が良いとお話しました。
子供は適応能力が高いです。早ければ早い方が当たり前になります。
鼻が悪くて口呼吸しかできないと装置が使えません。耳鼻科での治療が優先です。
口呼吸しかできていない子供は、鼻呼吸ができるようになるだけで改善できることが沢山あります。
口がポカンと空いている子供はその傾向がありますから確認されるとよいかと思います。
基本的に口腔内に入れるものですから軟らかい装置になります。
(受け口のものは硬いです。)
装置を入れる期間はすべて永久歯に生え替わるまで、具体的には中学生まで。
結果が見えてくるのは一年くらい経ってから。
きちんと装着していなければ当然結果は伴いませんが、適応症と診断しても残念ながら結果が出ないことも稀にあります。
ある程度長い期間になりますから成長もあり交換が必要になります。
およそ1年に1装置と考えてもらえればよいです。
(噛む力もあって壊れることもよくあります。)
骨格の部分が改善されていれば、細かな不正は後で修正しやすいです。
費用対効果が比較的よいのではないかと思います。
何ごとも始めが肝腎です。
出っ歯とガタガタ
2022年1月2日受け口の時のブログの写真にあげてありますが、成長曲線は部位によって違います。
頭部が先に成長し、後から下顎含めた部分が成長していきます。
受け口の治療は頭部の成長のあるうちに始めた方が良い、しかも可及的に早い方がよいです。
身体も頭部に続いて成長していきます。
出っ歯は下顎の劣成長であることが原因の一つです。
(上顎の過成長であることもあります。)
ガタガタは顎の大きさが小さくて歯が並びきれないことが多いです。
(歯の大きさが大きい場合もあります。)
ですから出っ歯もガタガタも、成長があるうちに治療は始める方が良いです。
成長のあるときの治療はワイヤーを使うのではなく、顎の成長を促すことが主になります。
(日中1時間と夜間使用の取り外しの装置になります。)
きちんと歯並びを治す、というよりは大枠を治すという感じです。
(劣成長を出来るだけ解消することを目標とします。)
年齢からいうと6歳から12歳まで。
それ以降になれば取り外しの装置で治療は難しく、いわゆるワイヤーでの治療になります。
出っ歯具合、ガタガタ具合がキツければ抜歯して矯正していくことが多いです。
(抜歯なしで治療できることもあります。)
時期を逸するとできない治療が、小児矯正です。
もちろん資料採取した上で適応症かそうでないかを診断していきます。
適応症でないケースもあります。その場合は矯正専門医での治療がよいでしょう。
年末年始のお知らせ
2021年12月30日12月30日〜1月3日までお休みさせていただきます。
1月4日(午前のみ)より診療致します。
宇治市休日診療所歯科は29日〜3日 10時〜15時 開所しています。
受診される場合には事前にお電話にてお問い合わせください。
大阪口腔懇話会
2021年12月18日本日診療終了後にzoomによる講演会に参加しました。
主催は大阪医科薬科大学口腔外科学教室です。
数年前からご縁があり、ご好意で参加させていただいています。
診療中の併発症についてでした。
そのようなことにならないように細心の注意をしながら診療してまいります。
服用薬の変更などありましたら適宜お知らせください。