7月3日日曜日、口腔機能改善装置プレオルソの勉強会に当院歯科衛生士と共に受講してきました。
目次
取り外しする矯正の装置で、永久歯に生え変わるまでに用いると適応症であれば大きな福音をもたらします。
遺伝性のない受け口、ある程度の出っ歯、軽度の歯並びガタガタがそれにあたります。
人間は普通にしていると口は閉じています。
開いているのは百害あって一利なしです。
口が開いていると何が悪いのでしょうか?
口が閉じていると舌の先は通常上あごの前歯の歯と歯茎の境目についているものです。
開いていると舌は上の前歯に付けていることはできませんよね。
そうすると舌の筋力が無くなっていき、重力に従い下がります。
また寝る時に舌がその重さで気道を塞ぎますから、いびきを掻くようになります。
そうすると質のよい十分な睡眠がとれなくなるので、起きているときの集中力が欠如したり多動性障害などの原因になることもあります。
空気が鼻を通ることでそこにある大きくは鼻毛、小さくは繊毛がフィルターになって体にとっての異物をそこで排除できます。
口呼吸だといわゆる空気清浄機能が働きませんから、扁桃腺が腫れたり、アレルギーなどの大なり小なり感染リスクが鼻呼吸に比べて高まります。
歯の並びは、唇、頬、舌それぞれの筋肉の均衡の取れるところにならびます。
均衡を崩すような筋の緊張、弛緩があれば歯並びは崩れます。もちろんそれだけではありません。顎の大きさ、歯の大きさなどその他の要因もあります。
鼻呼吸が脳の活性化をさせるのです。
鼻呼吸による空気の流れそのものが脳のクールダウン機能をもたらしています。
言い換えれば、鼻呼吸できないと脳の活性化ができないと言えます。
すべてではありませんがこのように鼻呼吸するメリットはあってもデメリットはありませせん。
ただ口は閉じても歯を接触させる必要はありません。
歯を接触させるのは食事のときだけで、通常歯同士は当たっていることはありません。
もし当たっているとしたら、それもよくないです。
この歯を接触させる癖を専門用語でTCH(Tooth Contact Habit)と言い、顎関節症の原因の8割とされています。
子供のうちに口の機能を正常化させましょう
こどものうちに(成長の見込めるうちに)口腔機能を改善することはとても意義のあることです。細かな歯並びを治すというよりは、口腔機能の改善、つまり鼻呼吸の獲得、正しい舌位を覚えることや上下顎骨の前後的な位置の改善を目的とします。
あとから矯正するにせよ、これらをある程度是正しておけば治すのが難しくなりません。
上手く行けば本格矯正に至らないこともあります。
女の子なら15~16、男の子なら18~20くらいまでにほぼ成長が終わります。
歯を並べるのは何歳になってもできますが、上下の顎の位置関係の是正や、正しい舌のポジションや鼻呼吸を覚えるのは早ければ早いほどよいです。
勉強会参加により知識のブラッシュアップができました。
取り外しの装置でできることの意義はとてもあるのですが、それは細かい歯の並びを良くするものではありません。
もちろん良くなることもありますが、あくまでも歯ではなく口腔全体をよくするために行うとご理解ください。
私に聞きづらいようでしたら、担当の衛生士にお気軽にご相談ください。