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AEDは生きている人に使います!

2022年11月10日

AEDとはなんぞや

過日午前の診療終了後に院内でAEDの勉強会を行いました。AEDはよく聞く言葉ですが、日本語で自動体外式除細動器と言います。自動で心臓の状態を判断し、心臓がけいれんした状態(心室細動など)と認めると電気ショックを流して心臓の状態を正常に戻すための医療器械です。
よくドラマなどで心電図が平らになった状態(心停止)で心臓に電気ショックを与えている描写がありますが、その状態で用いるのは意味がありません。全身へ血液供給する心臓のポンプ機能が著しく弱っている時に用います。

使用率4.5%しか使われていない

心臓がけいれんを起こしている状態では、脳を含む全身に血液が正常に循環しないため失神を起こし死に至ります。心臓がけいれんした状態になると1分毎に7~10%ずつ救命率が低下しますので一刻も早く心臓の状態を正常に戻す必要があります。救急車の到着時間は全国平均8分です。救命率は20%になりますよね。そのため速やかにAEDを使用した方がよいのです。
でも使ったことがないとか、自分がしたことが後で責任を問われるのは嫌だなと、思うことが使用率4.5%にとどまっていることがそれを示しています。

2004年の法律の改正で、AEDを使用して救命活動を行った結果その人が命を落とすことになっても罪には問われないことになりました。民法第698条がそれです。

心臓マッサージも必要です

屋外で発見した場合にはまず安全に心臓マッサージを行える場所を確保します。道路の真ん中では安全が確保できません。多少のリスクはありますがやむを得ません。AEDがすぐに見つけられることは少ないでしょうから心臓マッサージがまず行います。
その前に意識があるかどうか、呼吸をしているかの確認をします。両肩をゆすり大きな声掛けをします。屋外はいろんな音がしますから。両肩というのは麻痺の有る方もいるからです。呼吸は口に手を近づけます。耳ではありません。マスクをしていることが多いので外さないといけません。

心臓マッサージは心臓の上を押しません。

心臓の上に手を当てて直接刺激を与えたいところですが、それはダメです。心臓マッサージは実際にはとても強い力が必要で、女性が行う場合には全体重をかけるくらいの力です。心臓の上は肋骨です。肋骨にそれほどの力をかけると折れてしまいます。
ではどこか?みぞおちの少し上を目標にします。そこは胸骨という比較的大きな骨ですから力をかけることができます。1秒に2回が目安です。かなりの頻度でかなりの力をかけますから相当くたびれます。それゆえ協力してくれる人を多く確保しなければなりません。
心臓マッサージしてくれる人、AEDを取りにいってもらう人、救急車を呼ぶ人、それぞれに責任をもって行動してもらわなければ命が救えないのです。

今では、人工呼吸はしません

AEDが到着したらそれを用いるのですが、操作は開始のボタンを押せば、AEDが音声で指示してくれますからそのとおりやるだけです。
何でもかんでも進むわけではありません。まず心電図を取ります。そのために上半身を脱がせないといけませんから、これがハードル高いです。特に女性の場合ですね。
心停止と判断すれば電気ショックはありません。電気ショックはなしです。心臓マッサージで救急車を待つことに。心室細動ならAEDが近くの人は遠のく指示を出して電気ショックを行います。そして意識の回復や呼吸の有無の確認をします。
このご時世ですから、人工呼吸というのはしないです。気道の確保は行います。
このようなことがない、または出くわさなければよいのですが、定期的に研修しておくことは大切ですね。

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口の筋肉を訓練する簡単なトレーニングがあります

2022年11月3日

オーラルフレイルを防ぐために実践するべきトレーニングについて今回は記載したいと思います。
病気・けがを防ぐ
栄養バランスがよくなり、体力や免疫力、筋力を維持・向上できる。
誤嚥性肺炎・窒息を防ぐ
飲食時にむせなくなる。
(誤嚥性肺炎とは飲み込む機能の衰えから、飲食物や唾液が食道でなく気道に入り、これらに付着した細菌が肺に流れ込んで起こる肺炎のことです。)
うつ病・認知症を防ぐ
人と食事や会話をする機会が増え、交流が広がる。唇、頬、舌の筋力の向上で発音がよくなったり滑舌がよくなりしゃべりやすくなります。
こうなってくれることの一助になります。

パタカラ体操

4つの発音(パ、タ、カ、ラ)の練習をすることで、唇を閉じる筋力、舌の運動能力、飲み込みの機能を高めることを目的としています。発音に使う口の部位を意識しながら、大きくしっかり口を動かし、早くはっきりと発音しましょう。
発音が明瞭になり、口の周りの筋肉と顔の表情筋はつながっているため表情も豊かになります。
パ 8回 タ8回 カ8回 ラ8回  を2回繰り返します。毎日2セットです。
それぞれに意識するところがあります。
パ 唇をしっかり閉じてから発音する。
タ 舌を上あごにしっかりくっつけて発音する。
カ のどの奥に力を入れて、のどを閉めて発音する。
ラ 舌を丸め、舌先を上の前歯の裏につけて発音する。
とはいえそんなに堅苦しく考えなくてよくて、まずはやってみましょう!恥ずかしかったら声は出さなくてもいいです。
早口言葉にも挑戦
早口言葉も唇、頬、舌の筋力を鍛えて口の動きをよくするトレーニングになります。レベル1からはじめてレベルアップをしていければいいですね。
毎日の習慣にすることが大切なので、早口言葉はオプションです。基本はパタカラです。
レベル1 生麦 生米 生卵
レベル2 隣の客はよく柿食う客だ
レベル3 青巻紙 赤巻紙 黄巻紙
レベル4 隣の竹垣に竹立てかけたのは竹立てかけたかったので竹立てかけた

あいうべ体操

あいうべ体操は、その言葉を一文字づつ大袈裟に動かしてもらう体操です。
パタカラ体操と違いゆっくりしてもらいます。
あ 目いっぱいは顎が外れない程度で、口を大きく丸く開けて
い これでもか、と口角を思いきり左右に広げる、首に青筋が出るくらい
う タコをイメージして唇を前に思いきり突き出す
べ 力いっぱい大きく舌を前に出し下あごを舐めるくらいの気持ちで。
あいうべ、を毎日30回行います。(10回を3セット)声は出しても出さなくてもいいです。
これらの動きは口を開ける筋肉のストレッチ、舌や唇の筋トレになります。
食道周りの筋肉の強化で食べ物が食道に入りやすく飲み込みやすくなります。また舌が力強く動くよう鍛えます。舌は食べ物を混ぜたり移動させたり、のどに送り込んだりする動きをしています。

口呼吸している方は是非やってください。

口を閉じ、鼻呼吸することで細菌感染を防ぎやすくなります。(鼻には細菌侵入を防ぐバリア機能があります。)口呼吸は体内への細菌侵入を防ぐ機能はありません。呼吸は鼻、食物摂取は口と役割が違うのです。
ウィルスであるインフルエンザ予防にも有効であるとされています。コロナウィルスにも
口の周りの筋肉を鍛えて、口を常時閉じておけるよう心掛けることが感染予防になるのです。
簡便に費用をかけずにどこでもできる訓練です。是非普段の習慣にしてください。

オーラルフレイルって知っていますか。

2022年10月27日

ここのところ耳に入ってくる言葉です。横文字ですから何のことと思われますよね。オーラルは口のこと。ではフレイルは何か?それは虚弱、衰えのことです。つまり口の機能の衰えということです。

 口の機能が衰えるとは

具体的に
硬いものが食べにくい
お茶や汁物でむせる むせやすい
口の渇きが気になる
しゃべりづらい 滑舌が悪くなった
食べこぼしがある
などが挙げられます。

口の周りにそういうことが起こってくると、全身のフレイル(衰え)が加速されます。
健康な人と比べると、身体的フレイル(衰え)が2.4倍、筋肉量の減少(サルコペニア)が2,1倍、要介護認定が2,4倍、死亡リスクが2,1倍になります。

サルコペニア(筋肉量の減少)の有無を簡単に調べる方法

簡易的なサルコペニアの診断法があります。それを指輪っかテストと言います。
左右の手の親指同士、人差し指同士でふくらはぎの一番大きいところを挟んでみてください。挟みきれないなら大丈夫! でもぴったりか、余るくらいなら筋肉が衰えている、減っている診断できます。
筋肉量が減ってきてます。衰えが始まっているか、既に進行しているのです。
プレフレイル(前虚弱)、フレイル(虚弱)の状態であればまだしっかり対策をとればブレーキをかけられます。要介護に近づかないようにするには、どうしましょうか?
宇治市 歯医者 指輪っか なかむら歯科医院
良質なタンパク質を取り入れることと、運動することが大切です。
ウォーキングはよく言われているところです。足腰が弱らないことが大切ですよね。外出が少なくなることもフレイルの危険性を知る1つの指標です。
要介護状態にならないためには十分栄養を摂る必要があります。それもバランスよく。
口の筋力が衰えてよく噛めないとやわらかい食品を選びがちで、栄養の偏りや不足を招きます。硬い食品も噛める口の筋力、口の環境を維持することがとても重要です。
虫歯や歯周病、失われた部分をそのままにしておくと噛みづらかったり、片側噛みをしたりして偏食を招きやすいです。
特に良質なタンパク質であるお肉を食べられる環境を整えておくとよいです。マメなど植物性のタンパクを摂ることもできますがより、口の筋力を使うことでオーラルフレイルの予防にもなりますから、お肉を食べられるようでなければいけないと思います。
そのためにしっかりと治療をしなければなりませんし、治療後もそれを維持するよう定期な受診されることをおすすめします。

口の筋力が食べる力を支えています。

噛む、飲み込む(嚥下といいます)という動作を支えているのは、唇、頬、舌の力強さと巧みな動きなのです。
口の筋肉を鍛えるトレーニングを行い、オーラルフレイルの危険性が低い方は予防を、オーラルフレイルの徴候、症状のある方は改善を目指してピンピンコロリを目指しましょう(笑)
具体的な口の筋トレ方法は後日お伝えします。

親知らずの意外な使い道

2022年10月20日

歯は誰でも抜きたくないものです。

子供は

乳歯であっても子供は抜きたがりません。それはそうです。何となく予知しますよね。ただ乳歯を抜くのは永久歯が生えてきているのにそのままだと歪んだ方向に生えてしまうからです。よほど違うところに永久歯が生えていなければ乳歯がグラグラしています。抜くのも大変でないことがほとんどです。乳歯であれば、その他に虫歯が進行し過ぎて詰めることができなかったり、歯の神経が無くなって永久歯が生えてきてないのに乳歯が揺れてしまっている場合なども抜歯の対象になります。

大人は

大人も痛みなどでどうしようもない、と諦めがつくまで我慢しますよね。
永久歯であれば歯周病で歯がグラグラして噛めなくなったり、歯が割れて噛むと痛んだり膿が出たり、何回も繰り返し歯茎が腫れたりしたら、諦めて抜かれることが多いです。もちろん虫歯がかなり進行してしまい、いわゆる差し歯にできない場合も抜歯になります。永久歯であれば抜きたくないのは当然ですが、引き延ばしすぎると歯を支える歯槽骨が失われ歯茎のボリュームが無くなります。
総入れ歯になると、いわゆる歯茎の土手が少ないと義歯の安定が得られにくくなります。
またインプラントする場合にも歯槽骨がないと治療できなかったり、人工の骨を足したりしないとできないことが多々あります。
変な言い方ですが、抜き時を誤ると抜いた後の治療の選択肢が限られたり、不具合の出やすい状態になります。特に歯周病でグラグラした状態が長く続いたり、歯に亀裂が入っていたり割れている状態を長くそのままにしていると骨は見事に無くなり、回復させることは困難になります。くれぐれも抜き時は、嫌でしょうけれど誤らないようにされてください。

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腫れた時に抜歯はできない

親知らずが腫れたら抜こう、と思われるかもしれません。実は腫れている時に抜歯することはほとんどありません。まずは化膿止めの薬、抗菌剤いわゆる抗生物質を服用していただいて腫れ、炎症を抑えるのが一般的です。何故抜かないのか。それは麻酔が効かないからです。腫れている時は血管が拡張していて血液量が増えます。だからズキズキするのですが、体は防御機構を働かせて免疫細胞を送り込もうとしているのです。麻酔をしても薬が流されてそこに留まってくれなくて、効かないと考えてください。炎症が治まりズキズキしなくなったら麻酔が効きます。でも痛くなくなったら、今は痛くないし親知らず抜くのはやめよう、となりがちです。

妊娠中に腫れたら

その時も抗生剤を服用していただくことになります。抜歯については基本的に出産後になります。安定期に抜くのかと言えば抜きません。安定期の治療は痛みがある場合にやむを得ず暫間的な治療をする時期で、積極的に治療を行う時期ではありません。外科的治療を行うことは稀です。この時期に抗菌剤を服用するのはためらわれると思います。胎児への薬の移行性を気にされるからです。安全性が高い薬を服用していただきますが、薬に100%安全はありません。それでも痛みと有益性を天秤にかけて有益性が大きく上回るなら薬を服用するべきです。そのようなリスクを避けるために妊娠の可能性のないときに親知らずを抜歯されることを女性は検討されるべきでしょう。

 

親知らずも色々あります。

一番抜くことを納得されるのは親知らずの抜歯ではないでしょうか。親知らずが斜めに生えて、ちゃんと生えきれない場合は、歯を磨ききれなくて虫歯になったり、生えるスペースが限られて歯茎に炎症が起きやすくなります。虫歯になるのが親知らずだけならまだよいのですが、手前の永久歯、第二大臼歯ですが、そこが虫歯になる可能性があります。隣合っていますから磨きづらい環境であるのはおわかりかと思います。親知らずが生えきれていないと親知らずの周りの歯茎はちょっとしたことで腫れやすい歯肉になります。のどに近かったり上顎と下顎の歯茎や頬が融合する部位なので比較的軟らかい性状になっているからです。

真っすぐ生えていても

真っすぐ生えて虫歯など問題ない場合もあります。きちんと上の親知らずと噛んでいる場合は抜く必要はないですが、真っすぐ生えていても上下どちらかの親知らずがない、あるいは抜いている場合があります。
その時は歯親知らずが少しずつ、親知らずのない方に向かって伸びてきます。ニョキニョキのびはしませんが、年間コンマ何ミリというくらいで伸びてきます。親知らずと反対側の歯茎が当たるようになると、慢性のこすり合わせる刺激が何年も歯茎に当たり続けると、歯茎の癌化を招くこともあります。
そうならないために歯茎に当たらないように削ったり、抜いたりします。削って当たらなくすることで一時的にはよいのですが、神経があればある程度しか削れません。何度も何度も削ることはできませんから抜歯を考えた方がよいです。

親知らずのメリットとは

状況によりますが、親知らずはあまり残しておいてもメリットは少ないと思われます。少ないと記載しましたが、少しのメリットはあります。親知らず以外の奥歯を何かの理由で抜かないといけない場合、その後に何かでその部分を補います。ブリッジや入れ歯、インプラントになるのですが、もうひとつ、歯の移植、という手段があります。

歯の移植

奥歯の抜歯と同時に親知らずも抜いて、親知らずをそこへ移すのです。
保険も適応されますし、いいことじゃないか、と思わず手を打ちたくなりますよね。
ただ、成功するにはかなりハードルが高いのです。様々な条件があるのです。
またクリアできても永続性、長持ちするかどうかは担保されません。

1つは親知らずが歯として完成されていない状態、すなわち成人前でないと成功率は下がります。

1つは抜くべき理由です、歯周病はもちろんですが長く歯の割れた状態が続いていると骨が失われていて引っ付かないのです。
また当然神経治療もしなければなりません。前後の歯と固定し待機するのに2~3か月待たないといけないのです。

1つは抜いた歯と、親知らずの大きさがだいたい同じ、もしくは親知らずの方が小さくないと歯を移すことができません。親知らずを小さく削って移し替えるとなると、歯根膜といわれる部分の損傷が激しくなります。その部分の活性化が歯の移植治療にとってとても大事な組織なのです。

このように歯の移植には条件が多くあります。またその条件をクリアできたとしても歯がしっかり付かなかったり、歯の根っこが吸収して無くなってしまい、結局抜かないといけないこともあります。かなり限られた条件になりますが、可能性が少しでもあるのなら、十分リスクを理解していただきトライするのも一法かと思います。
くれぐれもですが、どなたにもできる訳ではありませんのでご留意ください。

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再生治療

歯は大きく4つの組織があります。エナメル質、象牙質、セメント質、歯髄です。歯髄は血管と神経が含まれています。虫歯の治療で神経を取るとか言いますが、歯の神経の他に血管も取っています。この歯髄は再生能力があります。虫歯が大きい場合、虫歯を一気に取り切ると神経が露出して神経処置をしないといけなくなることがあります。あるいは、虫歯を取り切ったらかなり神経まで近接した場合あとから痛みが出ることがあります。そのような場合あえて虫歯を取り切らずに神経を残すための薬を詰めて月単位の時間をおきます。そうするとその薬の作用で神経が小さくなります。神経を残すために歯髄が薬の刺激に反応して身をかがめるのです。虫歯との距離をとるのです。そういうことを何度か繰り返し、虫歯を取り切っても神経が出ず、痛みも出ないとなったら最終的な虫歯の処置を私は行っています。やわらかい歯髄が硬い象牙質になるのです。再生能力のある組織なのです。別の組織になるということです。

自分への投資

このような組織の特性を活かして、抜歯した親知らずの歯髄を取り出し、培養して例えば骨髄移植に用いるということができます。親知らずの根っこが完成してしまうと難しいので取り出す時期が限られます。若年者です。また取り出してもすぐに使うということでなければ、冷凍保存しなければなりません。もちろん保険はききません。保管料もかかります。抜けそうな乳歯の歯髄の方がよりよいのですが、当然保存期間も長くなります。自分の組織ですから拒否反応もありません。移植よりもかなりハードルは高いです。

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受け口治療は早めに治しましょう

2022年10月13日

過日3歳児検診に行った時のことですが、あるお子さんが反対咬合でした。

歯科医院の受診を勧めて、受け口治療の取り外しの装置について話をしたところ

購入したマウスピースをしてみたがしてられなかったです、というお答えでした。

診断も無く既製の市販品を購入されているのだと、少し驚きました。

今回は受け口についてのお話しです。

受け口とはどのような状態でしょうか

下の歯が上の歯を隠している状態です。

どうして反対咬合になるのか

口には多くの筋肉が整然と並び機能しています。舌は代表的な筋肉の塊です。綺麗な歯並びの人の舌は嚥下するとき、上あごを押さえつけるようにぴったりと収まります。

しかし反対咬合の方は上あごには付きません。嚥下の都度舌は下あごを前方に押します。

従って上あごが小さく、下あごが大きくなると考えられています。

口腔周囲筋の筋肉が正しく機能しないと不正咬合になります。

反対咬合は自然に治るでしょうか

永久歯に生え変わる時に自然に治ることもありますが、かなり少数です。

反対になっている前歯が5~6本あって噛み合わせが深い、近親者に受け口の方がいらっしゃる場合、自然に治る可能性は極めて低いです。

反対咬合は遺伝します。反対咬合の家系があります。

日本人は人種的に見て欧米人よりも反対咬合の傾向が高いです。

しかし早めに対処することで改善できると考えています。

いつまで様子をみればよいのか

成長発育が遅れることは基本的にはありません。しかしサ行、タ行の発音に特徴的な舌足らずのしゃべり方になります。食べ方やしゃべり方にも問題が現れます。審美的な問題として反対咬合特有の顔貌に劣等感を感じることがあります。コンプレックスを無くすという一面もあると考えます。

結論は、早く治した方がよい、です。

噛み合わせを逆のままにしておくと下あごが過成長しやすい状態が長く続きます。そのような状態を早く改善した方が治療に伴う負担は軽くて済むと思います。

年齢が高くなっていくと治療の選択肢が少なくなり、外科的処置が必要になることもあります。早いなら早い方がよいですが取り外しの装置を口に入れてられないと治療になりません。3歳からできますがちゃんと、型取りしたりレントゲンを撮って診断することからはじめますから、もう少し大きくなってききわけのよい年齢から始めるのが現実的かと思います。

どう治すか

筋機能のアンバランスが不正咬合を作り出します。バランスを整え調和を取り戻せば不正咬合は回復します。反対咬合の原因の一つは舌が低い位置で機能していることです。ですから治療の目標の一つはまず舌を挙上して上げることです。そのバランスを取り戻す装置がムーシールドです。

取り外しできる装置ですので自分で外してしまったなら効果は得られません。しっかりお子様にお話していただかないといけません。寝ている間に口から装置が出るのは、はじめのうちはOKです。根気よく見守ってあげてください。

後戻りする可能性もあります。

受け口の治療の場合、およそ半年から1年くらいの装着となります。(就寝時、日中一時間)たいていの場合は大丈夫になる方が大半ですが、特に男性の場合、15歳~18歳くらい前まで成長が続く場合があります。(女性は15歳くらいまで)その場合には取り外しの装置では難しく、ワイヤーなどのよる治療となります。ですから成長が終わる時期まで定期健診が必要です。特に遺伝的な傾向が少しでもあれば尚更です。遺伝子は改善できませんから。

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チタンは生体親和性があります。

2022年10月6日

人工歯根として扱われているチタン

チタン材料の開発当初はロケットや航空機に使用されていましたが、製造技術の向上とともに医療にも応用されるようになりました。人工歯根の他にはの他に人工骨・心臓弁・心臓ペースメーカーなどに使用されています。

チタンが広く応用される理由はその材料特性にあります。チタンは強度が高く、軽く、錆びにくいことが特徴です。
強度の点ではアルミニウムの約3倍、鉄の約2倍です。軽さの点では銅の約50%、鉄の約60%の軽さです。
錆びにくさでは白金に匹敵します。
なによりも他の金属に比べて金属アレルギーを起こしにくいのです。また骨との結合性もあるので顎の骨に埋入するインプラントとして最適なのです。

インプラントでも腐食することがあります。

チタンには表面に非常に強固な酸化膜が覆われています。その酸化膜が破れたり、壊れたらいくらチタンでも腐食がはじまります。ただすぐに強固な酸化膜が再生するため腐食が連続的に進行せずに止まることが多いのです。
この酸化膜を溶解するのが実は、フッ素なのです。
ですからフッ化物歯面塗布剤を使用する場合はチタンに接触しないよう注意を払う必要があります。

ホームケアで使用される低濃度フッ素配合の歯磨剤においてもインプラントは腐食リスクがあります。
市販の歯磨剤の多くは950~1450ppmのフッ素が含有されています。
実際の口腔内ではフッ素が投入される時間は短くブラッシング中に唾液で希釈されフッ素濃度が下がります。歯磨剤そのものにもPh緩衝剤が含まれていて、また唾液にでも緩衝されますから口腔内が酸性にならないよううまく調整されています。
逆に言えばチタンが腐食するようなフッ素濃度と酸性度が持続することはほとんど無いと考えられます。

とはいえ、チタンにとっての腐食条件が揃うと一時的な腐食が発生します。具体的には食後や酸性の飲食物を摂取した後にすぐに高濃度のフッ素配合歯磨剤ですぐに歯磨きすれば瞬間的に腐食条件が揃うことになるかもしれません。それが長期間累積することによって穴があく腐食や表面がザラザラする粗造化を招く可能性があります。

腐食が累積するとどうなるか

腐食による細かな穴が少しずつでも大きくなるとインプラントに咬合力などの力がかかった時に、その部分に力が集中して穴が無い場合よりも破折しやすくなります。また表面の多数の穴やザラザラ化は清掃性が損なわれますので、インプラント周囲炎の発生のリスクが高まります。インプラント周囲炎はインプラント周辺に起こる炎症で、インプラントを支える骨が減っていく病気です。

チタンインプラントをされている方は激増しています。

インプラントを長期間安心安全に使用するためにはホームケアと定期的なメンテナンスは必須です。
ホームケアにはフッ素配合歯磨剤を用いてブラッシングすることが多いと考えられます。
インプラントの腐食発生リスクを下げるためには、口腔内を酸性にしないこととインプラント周囲にプラークを残さないことが何よりも重要です。
フッ素の天然歯への有効性は言うまでもありません。口腔内の条件が整っている限りはフッ素を活用すべきです。しかしながら口腔内が酸性、もしくはインプラント周囲のプラークコントロールが不良である時には、フッ素を配合しない歯磨剤を使用するかフッ素配合歯磨剤を使用する場合はインプラントのところ以外の場所からブラッシングを始めるとよいでしょう。

 

宇治市 歯医者 チタンインプラント なかむら歯科医院

静かに進む怖い病気、それが歯周病です。

2022年9月29日

宇治市 歯医者 プラークコントロール なかむら歯科医院
歯を失うだけでない歯周病の怖さ

歯周病は細菌感染によって起こり、歯ぐきの炎症である歯肉炎と骨などの歯周組織
まで破壊される歯周炎の二つがあります。
歯周炎で歯が抜けた後は治療も非常に難しくなります。
さらに糖尿病や心臓病、脳梗塞、アルツハイマー型認知症などにも関連しています。
進行は非常に遅く、痛みが出にくいので、自分が歯周炎になっていることに気づかず
放置しがちです。
(アルツハイマー型認知症は脳にアミロイドベータが蓄積することで起きます。歯周病があるとないとでは10倍蓄積量が違うというデータがあります。)

噛むことは血流を脳に送り刺激を与えます。歯周病で噛めなくなるとこの血流も減ると考えられます。噛むとき下の歯を上の歯にカチカチと当てると少し響く感じがあるのはお分かりでしょうか。歯の数が減ったり、歯周病で歯が揺れているとしっかり当たらず、刺激が段々少なくなっていきます。
総入れ歯になれば当然刺激は少ないですよね。

歯周病の原因はプラーク

歯みがきに加えて、化学的にプラークコントロール
歯周病を防ぐためには、口の中の細菌の塊、すなわちプラークを減らしていくこと。
プラークすなわち歯垢を顕微鏡で見ると、無数の細菌が動いているのが見えます。
プラーク歯周病菌の住み家となって歯ぐきに炎症を起こします。その炎症が続いていくと歯を支える骨を溶かしていき、歯がぐらつくのです。
歯ブラシをしてプラークを取り除いて歯周病菌の住み家を無くすことが重要です。
食事をしている以上プラークは必ずできます。毎日それをご自身で除去していただければよいのですが、どうしても除去しきれないところがあります。
個人個人磨き癖がありますからその部位もまちまちです。
長く取り切れないとそれが歯石になりますます取りづらくなっていきます。
ですから定期健診に来ていただいて取り切れない歯垢、歯石を除去することが重要です。

人は痛くならないとなかなか歯科医院に行かないものです。そして予防は自分の意思と
費用で行わなければなりません。
しかしメンテナンスをしているのといないのとでは高齢になった時の歯の数が5倍違うデータもあります。

予防には家でできる毎日の習慣の1次予防と未病のうちに歯科にいく2次予防、そして再発予防の3次予防があります。
1次、2次予防に歯科を利用して効果的な予防をしましょう。

高齢になるとブラッシングが雑になりがち

高齢になると手を細かく動かすのが困難な場合もあります。歯ブラシの上手にできない方もそうですが、歯ブラシが届かないところをケアするのに歯みがきに加え、洗口液を使います。市販品以外に、殺菌成分(CPC)、抗炎症成分(GK2)、出血予防成分(TXA)が含まれた洗口液を歯科医院で購入することもできるのでより良いオーラルケアに役立てていただきたいと思います。

殺菌成分が洗口液や、歯の再石灰化を促し、酸に強くするフッ素が配合された歯みがきなど
は薬局でも手に入ります。歯科医院だけで販売しているものもあるので、自宅でも1次予防に役立ててください。

これら歯磨剤や洗口液に関してまた発信していきたいと思います。

マスク生活の弊害

2022年9月22日

子供の歯列矯正は患者である子供自身のやる気と親の協力は必須です。

歯列矯正を実際に始める年齢で最も多いのは7~8歳です。この年代は上下の前歯が生え替わり、将来の歯並びがある程度予測できることと、患者さんである子供自身に治療に対する自覚が生まれることが理由として挙げられます。

しかし成長には個人差があるため、一概に開始は何歳からと断定することはできません。逆に言うといつからでも始められますが、顎の骨格に問題のある出っ歯、受け口、開咬、過蓋咬合、交叉咬合といった不正咬合は早めに治療した場合もありますので、気になり始めたときにご相談ください。骨格に問題のあるケースは専門医による診察を受けられた方がよいことが多いです。

特に受け口は早期に治療を始めた方がよいです。家族に受け口のおられる方には特にそうです。口腔内に入れられるのであれば、4~5歳から始めてもよいです。

乳歯の歯並びでは、ワイヤーによる矯正はあまり行いません。夜間と起きているとき1~2時間取り外しできる装置を使うことになることが多いです。ただしその子供のキャラクターを見極めなければなりません。自分で取り外しができてしまうからです。所定の時間必ず口腔内に入れていないといけないのに、外してしまっていると全く効果がでません。

その点、金具付きの矯正装置であれば自分で取り外すことはできません。取り外しの装置が使えないのであればもう少し年齢が経ってからワイヤーによる矯正がよいでしょう。早いに越したことはありませんが、キャラクターを変えることはできませんからね。

マスク着用時は息苦しいため口呼吸をしがちです。

以前と違いマスクを家庭外ではほぼ装着している状況ではやむを得ないことかとは思います。

私たちは通常、鼻で呼吸しますが口を開けたまま口で呼吸する人が増えています。

その場合、口が乾燥し唾液量が減るため歯に汚れが残りやすく、虫歯、歯周病、口臭の原因となります。

また子供の頃から口が、ポカン、と開いているとお口回りの口輪筋が緩み、歯並びや咬合に悪影響を及ぼすだけでなく年齢を重ねていくと周囲の評常勤や皮膚も緩み、老化の進行につながります。

さらに口の中に異物やウィルスが直接入ることで風邪や感染症にかかりやすくなるといわれています。家族みんなで鼻呼吸を意識し、健康的な口元を目指しましょう。

子供のうちから鼻呼吸になるように、口を閉じる、閉じさせる意識を持たせるよう心掛けてください。子供も大人も絶えず口を閉じようとする意識が大切です。親の生活習慣や管理次第が子供の口の健康を決めるのです。子供の歯ももちろん大事ですが、親御さんご自身の生活習慣も見直してみてはいかがでしょうか。

子供のお口の責任は親の責任ですよ

新型コロナウィルスの知見

2022年9月15日

口腔の細胞が新型コロナウィルスに感染

少し前、米国の国立衛生研究所を中心とした国際研究チームが 医学雑誌 Nature Medicine において口腔粘膜や唾液腺の細胞が新型コロナウィルス(COVID-19)に感染することを報告しました。唾液にCOVID-19が多く含まれていることについては広く知られており、既に唾液によるPCR検査などに活用されていますが、唾液に含まれるCOVID-19がどこから来たものについては知られていませんでした。呼吸器系の症状がある患者においては、鼻汁や喀痰に含まれているCOVID-19が唾液に混ざるという説明がつく一方で、呼吸器系の症状がない患者においては由来が不明でした。

研究チームが健常者の口腔の細胞を調査した結果、ウィルスが細胞に侵入するために必要となる宿主の細胞側タンパク質であるACE2受容体とタンパク分解酵素であるTMPRSSが唾液腺の細胞やう蝕に接している粘膜の細胞において検出されました。次に、COVID-19により死亡した19名の患者の口腔の細胞のサンプルを調べた結果、半数以上の唾液腺のサンプルにおいてCOVID-19のRNAが検出されました。更に軽症患者27名において、唾液中に含まれるCOVID-19が多いほど、味覚障害や嗅覚障害がみられる傾向にあることが示されました。このことから、COVID-19で口腔に見られる症状は、口腔の細胞がCOVID-19に感染したことによるものである可能性が示唆されました。これらの結果から、COVID-19の感染拡大において、口腔がこれまで考えられてきた以上に重要な役割を果たしている可能性が考えられます。口腔内を清潔に保つことが大切だということです。自分だけではケアしきれない部分を診療所でケアしていくことで感染を少しでも防ぎましょう。

当初、歯科医療職はCOVID-19に感染しやすい職業として報道されました。大阪府知事が、大阪には5500もの歯科医院があるが、クラスター発生はゼロ。感染対策の賜物と思うが、何かある。専門家には是非分析してもらいたい、とツイートしたことで歯科医院での対策が注目されました。コロナ禍以前より日常的にマスク、グローブを装着し、感染防止を意識して医療を提供してきた歯科医療現場においては当たり前のことだったのかもしれません。口腔粘膜や唾液腺の細胞がCOVID-19に感染することが判明した今、感染拡大防止において歯科医療が果たす役割は更に高まっていくと思われます。院内感染対策は日々アップデートすることもさることながら、定期的に確認し、実践していくことが大切です。安心してご来院いただければと思います。

噛むことは健康の元

2022年9月8日

口を潤しましょう。

口が乾燥していると、虫歯や歯周病になりやすかったり、風邪を引きやすくなったり。口のうるおいは健康に欠かせません。口のうるおいをアップさせるために効果的な方法は

  • ・水分をよく摂る
  • ・抗酸化食品を多く摂る
  • ・唾液腺をマッサージする
  • ・よく噛む

が考えられます。

噛むという刺激で唾液が出てきます。唾液の分泌量を増やすのに効果的なのがよく噛むことです。かむことで耳下腺、顎下腺、舌下腺を刺激し唾液が分泌されます。

食材を大きめに切って食べると回数をかけないと食べることができません。回数をかけることで唾液の分泌量が増えますから、効果的だと言えます。切り方を少し大きくすることで誰でも出来る簡単な健康法の一つです。お金もかかりませんよね(笑)

とくによく噛むということは直接唾液腺を刺激出来て効果的です。気軽に取り組めますね。

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唾液のもつ力

唾液の中にはIgAと呼ばれる抗菌、免疫物質も含まれていて、体内に入ろうとする細菌やウィルスと戦ってくれます。また、唾液の量が多ければ多いほどIgAも多くなります。

健康であるためには口の健康を防ぐことがとても大切です。

噛む回数が増えれば増えるほどカロリー消費量は増加します。早食いはカロリー消費量が低いです。体重コントロールするにはゆっくり回数をかけて唾液をよく出すことが有効です。

虫歯や歯周病のもとになる細菌を取り除くのは歯磨きだけではありません。唾液は細菌を洗い流し虫歯や歯周病のリスクを減らしてくれます。

また唾液には食後に酸性になった口の中を中性に戻してくれる働きもあります。酸性の時間が長いと虫歯になります。虫歯になるリスクを減らすのです。

脳の活性化

噛むことで頭に刺激がいきます。脳の前頭前野が活性されます。

もちろんやわらかい食べ物だと噛む回数や噛む力がそれほど必要がありませんから刺激も、唾液の分泌量もさほどではありません。普通の食事でよいのです。普通の食事をできる口腔内を維持していきましょう。

噛むという刺激で脳内の海馬というところからドーパミンというやる気と達成感を強化するホルモンが分泌されます。しっかり噛むという習慣が脳を活性化し、満ち足りた気持ちになりやすいです。

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口角が上がります

顔には30種類以上の筋肉があり、食べ物を噛む時や話す時はもちろん、表情を作るときにも使われています。中でもモノを噛む時に使う咬筋はとても大切です。口の周りの口輪筋や頬筋などに刺激を与えて鍛えています。しっかり噛むことで顎や頬のたるみを防ぎ口角がしっかり上がった笑顔がキープできます。表情筋トレーニングの一つとして噛むことはとても有効です。

噛むことの効果はご理解していただけたかと思います。ですから尚更年齢を重ねても、何でも食べられる口腔内環境を整えておくことが大切です。

フッ素塗布はちょいちょいと塗るだけではありません。

2022年9月1日

フッ素洗口と塗布の方法

3~6か月ごとに定期的に歯科医院でフッ素(フッ化物)塗布し、子供の虫歯予防を行うのが一般的です。ただ塗り付けるのではなく、専用のトレー(型取りするようなもの)に泡状になっている高濃度のフッ化物を載せて歯に塗布します。これを上下4分づつ行います。

フッ素の効果を最大に活かすには、歯の生えはじめる時期に用いるのが一番よいです。ですが、小さい子供にはなかなかハードルが高いと思います。

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何事もそうだと思うのですが、毎日地道に続けることが大切で身になります。

フッ素もそうで、診療所で数か月に一度塗布するよりは、毎日家でフッ素洗口液を30秒していただくことが一番有効だと考えています。

もちろんフッ素を含んだ歯磨剤を使って歯ブラシしていただくことの方が大事です。

診療所で適切なブラッシング方法を伝授してもらって、効果的な歯ブラシ方法を自宅で実践していただいたうえでフッ素洗口していただくことがなにより大切と考えています。

フッ素は虫歯にならない魔法の薬ではありません。毎日洗口しているから、定期的に塗っているから大丈夫、ではありません。一番は適切なブラッシングです。

しっかりブラッシングできている方には必要ありません。必要な方が用いればよいのです。

お年寄りにも実は有効です!

年齢を重ねると歯を支える骨が減少します。それと共に歯茎も下がってきます。そうすると今まで口腔内に出ていなかった根っこの部分が出てきます。

出始めてくる部分が虫歯になりやすいとお話ししましたが、根っこの部分はセメント質といわれる性状の歯質で、強度がエナメル質と言われる部分に比べて落ちます。その分虫歯になりやすいです。

高齢者のかなりの方に大なり小なり根っこの部分で虫歯をお見受けします。その部分を治療しても歯ブラシが十分でないと詰めた材料と自分の歯との境目からまた虫歯になっていることが多いです。特に歯と歯の間です。小さな虫歯の場合には奥歯であれば進行止めを用いることもあります。

一方、噛み合わせの部分は環境の悪いところに口腔内に長くさらされているのでどんどん歯の質が強くなっていきます。出はじめのところにフッ素は取り込まれるとお話ししましたが、年齢によりフッ素の効果のある部分は変わります。

ですからお年寄りもフッ素は効果があるのです。あるのですが子供ほどフッ素の取り込みはないように思います。

ですから診療所でフッ素、というよりはご自宅で根っこの虫歯予防を主目的とした歯磨剤がありますから、それを用いて毎日セルフケアしていただくのがよいかと思います。

フッ素洗口液や根っこに有効な歯磨剤が必要であれば受付でも構いませんのでお気軽にお尋ねください。

フッ素は虫歯にならない魔法の薬、ではありません。

2022年8月25日

フッ素の働き

フッ素(フッ化物)には、大きく3つの働きがあります。この働きにより虫歯予防に効果を発揮します。

1、歯を強くする

虫歯に強い(溶けにくい)歯を作ります。

2、再石灰化を促進します

自然治癒が可能な初期の虫歯では、治癒を助けることができます。

3、虫歯菌を抑制します。

歯垢(プラーク)に侵入し、歯を溶かす酸が作られることを抑えます。虫歯になりやすいかどう かは、お口の中の環境や抵抗力によって一人一人異なります。

効果がない期間もあります!

一番効果があるのは萌えはじめです。なぜかというと萌出直後は歯の結晶が歪んでいるからなのです。結晶のことですから見た目には何もわかりません。

歪んでいるところへフッ素を塗布すると、フッ素が歯に取り込まれて少しづつその歪みが是正されます。

前歯よりも奥の方が磨きづらいですよね。フッ素の一番効果があるのは奥歯の溝です。前歯は仕上げ磨きもしやすいですし、平坦な面ですから虫歯にはなりづらいです。

次に歯と歯の間はものが詰まりやすいので、前歯でも奥歯でもその部分が虫歯になりやすいです。歯ブラシが到達しづらいところですから歯間ブラシを是非使ってください。できるなら歯間ブラシにフッ素ジェルを塗り付けてからしていただくと歯と歯の接触している部分にもフッ素が行き渡ります。

子供で、奥歯の次に虫歯になりやすいのは上の前歯です。(下の前歯は唾液の出てくる部位に近く、また自浄性がもともと高く、虫歯になりづらいのです。)

乳歯の歯並びが完成するのが2歳半から3歳くらいです。永久歯が生えてくるのが6歳前後です。そこから14歳くらいにかけてすべて永久歯に順次変わっていきます。

なかには交換すべき永久歯が数本先天的に欠如している場合もあります。その場合には乳歯がその役割を代行しますから基本的には抜け替わりません。乳歯といっても大事にしなければなりません。レントゲンを撮らなければわかりません。小さいときからレントゲンは撮りませんからそれがわかるのは小学生高学年になってからのことが多いです。

口の中は意外と環境が悪いんですよ!

骨の中と、口の中、細菌がいないのはどちらでしょうか。

こう書くくらいですからお分かりかと思います。骨の中なら感染していることになりますね。口腔粘膜は意外と強くて防御しているのですよ。唾液1グラムで細菌1億、歯垢1グラムで1000億存在します。口の中という環境の悪いところにさあこれから出ていく、という場所が一番リスクのあるところです。

ですから子供であれば、かみ合わせするところが一番最初に口の中に出ていくのと、奥にあって磨きづらいのと、歯茎がかぶっていて磨きにくい期間があるのでリとてもリスクが高いのです。

加齢による口腔内の変化 2

2022年8月18日

今回はなかなかわかりにくいところのお話しです。

唾液出にくい

加齢とともに唾液を作る唾液腺の細胞が減ってきて、唾液の量が減ります。唾液は食塊の形成や食べ物を流したりする作用があります。それが少なくなるので歯垢や食べ物が歯ブラシしても残りやすく虫歯や歯周病にもなりやすくなる原因でもあります。それゆえにブラッシングはより大切になります。

舌が白くなる(黒くなる)

軟食傾向にあると舌の上が白くなってくることがあります。舌の苔をつなげて、ぜったい、と言います。こすれば取れるのですが頻繁に取る必要はありません。週に一度くらいでかまいませんから歯ブラシでこすってみてください。優しくこすってください。

専用の舌ブラシもあります。ご興味あれば販売もしておりますのでお申しつけください。

口臭が気になる

歯垢の取り残し、食べ物が歯と歯の間に残っている、虫歯、歯周病、舌苔、生理的口臭が原因で口臭が起きていることが多いです。

これは高齢者に限りません。まずは適切なブラッシングで歯垢の除去と舌苔の除去。虫歯の治療、歯石の除去を行ってみてみましょう。

胃と繋がっていますから、胃の方が原因である場合もありますから、お口の治療で解決しない場合もあります。

歯がすり減る

歯同士、あるいは金属やセラミクスと歯、が噛んでいると加齢と共に個人の噛む力にもよりますが歯は削れてきます。

噛む面、歯の付け根どちらも削れてきます。噛む面が平らに削れてくると噛み切りづらくなるので咀嚼効率が悪くなります。咀嚼効率を戻すために定期的に噛み合わせの調整をした方がよいかと思います。

噛み合わせの高さも低くなっていきます。低くなると顎関節にも負担がかかりますからあまりよいことはありません。大きく高さを変えなければならないケース、特に義歯ではなかなかなじまないので難しいです。

側面の摩耗についても、噛みしめの力がきつい方に多く見受けられます。削れたところを埋めるのももちろんですが、その噛みしめの力をコントロールしていかなければなりません。

対症療法的には、夜間使用のマウスピースになります。保険診療対応ですからご安心ください。そうならないようにしていきたいですね。

親知らずが抜きにくくなる

噛んでいない親知らずは加齢と共に骨と癒着して抜きにくくなります。

歯はインプラントと違い、がっちり引っ付いている訳でなく、歯根膜というクッションを介して骨と結合しています。噛むと歯が沈むのは分かるかと思います。

通常はその歯根膜に力を加えて抜歯するのですが、歯周病などでなければ上下で噛んでいないと加齢とともにその歯根膜が廃用してしまい骨と癒着します。

そうなると抜歯は極めて難しいことになります。

唇や舌、頬を噛みやすい

そういう風におうかがいすることもよくあります。

特に何かあるわけでもないのですが、おそらくそれらの筋肉の動きが緩慢になることや咬耗で歯の角が尖ってきていることが原因ではないかと思います。

もし治療するとなればその鋭縁を丸めるくらいで、あとはお家で あいうべ体操などお口の周りの筋肉を日々鍛錬していただくことかと思います。あいうべ体操は難しいものではありません。小さいですが、受付にリーフレットを置いてありますので参考になさってください。

加齢による口腔内の変化 1

2022年8月11日

加齢とともに口腔内にも色々と変化が出てきます。まずはわかりやすいところからお話ししていきます。

歯の色が黄ばむ

一番わかりやすいのは歯が黄ばんでいくことです。乳歯は英語でMilk Toothと言います。文字通りほんとの白、という白です。永久歯はエナメル質の透明感がありますから乳歯の白さとは少し違います。加齢とともに歯にヒビが入っていき段々色が黄ばんでいくのです。

加齢による黄ばみはホワイトニングにより解消されることが多いです。

歯茎が下がる

歯を支える骨、歯槽骨が下がっていきます。それにつれ歯周病でなければ歯茎が下がっていきます。歯はその先に向かって細くなっていきますから(寸胴ではないので)歯と歯の間に隙間が空いてきます。

そのためその隙間が黒く見えてきます。見えているだけなので虫歯ではありませんが、歯の根っこが虫歯になりやすくそこが黒くなりますから、拝見させていただかないとわからないです。

下がった歯茎は元には戻りません。戻すことも基本的にはできません。歯が長く見えるのもそのせいなのです。

歯茎が下がると虫歯になりやすい

歯の根っこが出てくると表面性状がエナメル質でなくセメント質に変わります。エナメル質に比べて虫歯への抵抗性がセメント質は低いです。

先に述べたように歯と歯の間が空いているので食べ物や歯垢が残りやすく虫歯になりやすい環境にあります。

高齢の方はなかなか補助的清掃具、歯間ブラシやフロスを用いる方が比較的少ないので虫歯になりやすいです。

下の前歯の歯並びが悪くなる

歯を支える歯槽骨が下がることもありますが、基本的に歯は体の真ん中に向かって倒れる傾向にあります。そのため昔はきちんと前歯が並んでいたのにだんだん歯並びが悪くなってきた、とおっしゃる方が多いです。矯正治療をしないと元に戻りません。

歯が重なると歯垢も除去しづらく、虫歯や歯周病になりやすいです。重なり具合によっては抜歯も選択肢になります。

虫歯の進行は遅い

子供と違い虫歯の進行は緩徐です。そのため痛みもなかなか出にくいです。

歯が折れました、と言って来院されることもよくあります。

通常は歯が折れていれば神経が出るのですが、高齢になると神経が小さくなっていくので出ないことがあります。

こうなると元に戻すに戻すのが大変です。

特に歯の根元近くで折れて、神経も残っているとなると、被せ物を被せるのに神経を取らなければなりません。それから土台を立てて被せていきます。今まで痛くなかったところの神経を取らなければなりませんし、特に下の前歯など土台を立てるのも大変で、その被せ物も取れやすい傾向にあります。その場合にはあえてもとに戻さず、歯茎の高さのままにして義歯に組み込んで対応します。

神経治療になっても、神経が小さいのでそれを見つけるのが大変です。また治療に時間がかかります。神経治療は歯の中の神経が入っていた管の大きさを大きくすることに時間がかかります。

虫歯になっても小さいうちに治せば大掛かりにならないので定期的な受診をおすすめします。入れ歯の金具の掛かっている歯は歯垢が残りやすいので特に注意が必要です。

小さな虫歯や進行の止まっている虫歯に対しては削ったりすることなく、進行止めで対応すればよいこともあります。

口の中の内側に何か出てきたような気がする。

2022年8月4日

宇治市 歯医者 torus(2) なかむら歯科医院

時折患者さんから、今まで無かったのに内側に何か出っ張りが出てきたような気がする、ということを言われることがあります。何が考えられるでしょうか。

歯の一部が破折している

神経のない、かぶせてある歯の一部が割れて、それが出てくることがあります。

かみあわせがきつくて割れたり、神経を取り除いてから時間が経っていると歯が少しづつ脆くなり割れたりすることがあります。
歯の破折片なのですが舌で触ると尖っていることがあります。また少し揺れたりしています。

基本的にはその破折片を除去します。除去した部分は凹みになりますから歯垢が除去しづらく、歯茎が腫れたりしてきますから被せ物のやりなおしが必要です。
破折片の大きさによっては歯茎の手術をしないと被せ物をやり替えられなかったり、最悪は抜歯になることもあります。
歯茎の炎症をそのままにしておくと歯を支える骨が減少していきますから、歯を保存していく観点から治療を早めにしていく必要があります。

歯の根っこの先が膿んでいる

神経治療がしてある場合に多いのですが、歯の中にうみが溜まっている場合に歯茎が腫れて出てくることがあります。

歯の根っこの先に溜まった膿を、身体が体外に出したくて、骨の薄いところ、歯茎の厚みの薄いところをみつけて膿の出口を作っていきます。身体の防御作用が働くということです。
根の治療をすることで解消されることが多いのですが、難治性の場合もあります。
その場合には根尖端除去術という外科的な治療や抜歯などが必要となります。

骨隆起

噛みしめの強い人に典型的にでます。
骨が出っ張っているのです。
下顎の内側、上あごの真ん中、歯と歯茎の境目の少し下側などの良く出ます。

これはムクムクを短い期間にできたものでなく長い時間をかけてできます。
本人はいきなりとおっしゃいますが、気づいたのが最近であって前からあります。
積極的に治療する病気ではありませんが、困るのは歯を失っていって、大きな義歯を入れないといけなくなったとき、特に総入れ歯のときです。
義歯の内面と出ている骨が擦れやすいので痛みが出やすいです。
総義歯は歯茎など動かない部分と舌や頬など動く部分の境界をから空気が入らないようにして義歯が動かないようにして安定を図るのですが、骨のでっぱりがあると空気が入りやすくなって義歯が動きます。

特に困るのは上の総義歯です。そこが原因で入れ歯が落下します。
下は動きますが落ちません。でもよく動くので擦れやすいです。
義歯の安定のために、その骨の出っ張りを麻酔して歯茎を切開して骨を削合することもあります。

いやな話ですよね。

歯を失わないようにして総義歯にならないようにするのが大切です。
そのためには定期的な受診で噛み合わせの調整や普段からマウスピースを使用していただくことが肝要です。
かみしめがなくなるわけではありませんが、歯の破折による歯の喪失を防ぐためにマウスピースは有効です。

その他の疾患

その他にも上あごや下あごの病気、多形性腺腫や良性腫瘍などもあります。
これらは病院の口腔外科で鑑別診断してもらわないとわかりませんから、診察させていただいてその疑いがあればご紹介状を用意いたします。

成人歯科検診 2

2022年7月28日

虫歯など

虫歯の有る無しを目視で確認をします。
あくまでも目で確認するだけなので、疑わしい場合も虫歯に数えさせてもらいます。
検診後に改めてレントゲン写真で確認し必要に応じて処置をすることになります。
学校検診でも同じようにしています。
光の加減や隣の金属冠の色が透けて黒く見える場合もあります。
あくまでもスクリーニングであることをご認識ください。

歯の無い部分

歯の無い部分をきちんと、ブリッジ、義歯、インプラントで補われているかどうかをチェックします。
歯の無い部分をそのまま放置していると隣の歯が傾斜してきたり、噛み合わせの反対の歯が伸びてきます。
また失われた歯を支えていた骨が失われていきます。歯の残っている部分に比べて骨の高さ、幅が少なくなります。
インプラントや義歯、ブリッジ、どの方法で歯の失われた部分を補うにしても骨が残っているに越したことはありません。
奥歯が数歯にわたり失われたままにしておくと、噛み合わせている高さが低くなり、片側なら顎がそちら側に顎がずれますし、両側なら奥の方に顎がずれていきます。
そうすると咀嚼効率が悪くなりますし、また顎関節症の原因になります。
(顎がカクカク鳴ります。)
長く放置すると、補っていくスペースが少なくなっていることが多く、治療が難しくなります。

こういったことから出来る限り早期に歯が失われたところを補うことをお勧めします。

歯周病

すべての歯の歯周病の検査をすることができません。

前歯、奥歯の代表とされる一部の歯の歯周ポケット、そこからの出血の有無を検査します。
健常であれば歯周ポケットは2~3mmです。それを超える数値であれば歯茎が腫れていることを示します。4~6mmなら中等度、7~9mmなら重度の歯周病と判断します。
検査時に出血すればやはり歯周病のリスクがあると判断します。

 歯の清掃状態がどうかも確認します。

いわゆる歯垢がきちんとご自身のブラッシングで取れているかを診ます。

たいていの方は磨いているとおっしゃいますが、磨いているのと磨けているのは違うのです。
歯垢が常時付着していると歯茎に炎症が起きて、その炎症が波及して歯を支える骨を吸収して歯がぐらぐらしてくるのが歯周病です。

 歯石の付き具合

歯石は歯垢がブラッシングで取り切れずに固まっているのが歯石です。
残っていることで歯垢が付着しやすくなり、悪玉菌の温床になるのです。
歯石は自身のブラッシングで除去はできません。
診療所でないと除去できません。

特に歯茎の中に埋もれている歯石は取れませんから検診の終了後改めてご予約していただき治療していただければと思います。

特に歯周病は治りづらい疾病ですから初期のうちに治療した方がよいですし、定期検診でスクリーニングを続けていただくとよりよいかと思います。
より精密な検査が必要な場合には市町に当院から報告しなければなりません。
その上で治療をしていくことになります。

宇治市 歯医者 精密検査 なかむら歯科医院

成人歯科検診

2022年7月21日

本年度も宇治市、城陽市、久御山町の2市1町による成人歯科検診が行われる

ことになりました。

検診費用はかかりませんが、節目検診ですので市町に問い合わせてみてください。

検診と治療は同日にできませんのでその点はご容赦ください。

何を検診しているのでしょうか。

 

粘膜に異常はないか

歯列不正はないか

顎関節に異常はないか

歯石は付いているか、付いていないか

歯肉かの出血があるかどうか

歯周ポケットが深いか浅いか

口腔の清掃性が保たれているかどうか

虫歯があるかどうか

失われた歯があるかどうか

その部分が補われているかどうか

 

おおよそこんなところです。

歯周病のチェックは一部の歯のみ、虫歯に関しては目視で確認できるだけになりますから、虫歯が疑われるところはレントゲンを撮らないとわからないですし、歯周病も本来は全部の歯の検査をしたり、レントゲン写真を撮った方がよくわかります。

あくまでもスクリーニングテストです。(ふるい分けと考えてください。)

二回に分けてお話ししたいと思います。

粘膜は、頬、舌、歯茎、上あご、唇を診ます。

色でいうと、薄いピンク色、ピンク色だといいですね。

極端な白色、赤色だと場所によっては病院の歯科口腔外科でみてもらった方がよいです。でも自分で判断はしないでください。あくまでもかかりつけ歯科医の意見を聞いてからにしてください。直接口腔外科に行かれても診察はしていただけないですし、当院などでしばらく経過観察していけばよいこともあるからです。

 

歯列不正

いわゆる歯並びです。

受け口、出っ歯、ガタガタな歯並び、はわかりやすいですが、奥歯で歯が内側に倒れていたり、わかりにくい歯並びの不正もあります。

成人歯科検診は40歳以上ですから、もういいやと思われるかと思いますが、顎関節症や、知覚過敏の原因になっていることもあります。

その場合には原因が無くならないので症状の改善もありませんから、そのことは頭の

片隅に入れていただきたい事項になります。

 

顎関節

位置としてはだいたい耳の前のところにあると思ってください。

大きく顎を開けると少し音が鳴りますが、早い時期に鳴ったり、左右で鳴り方が違ったり、時間差があったりするか、どれくらい口を開けられるかを診ます。

片方だけカクっと鳴ったりジャリっと鳴ったりすると顎の関節が傷んでいることが多いです。歯列不正や噛み合わせ、態癖と呼ばれる癖(頬杖など)が原因であることが多く成人であれば残念ながら治ることはなかなかないです。

子供と違い関節の修復能力がないからです。

でも原因が突き止められて対処できれば改善傾向に向かいます。

明らかな原因がわからなければマウスピースを作製して原因を探っていきます。

マウスピースは保険が適用されますから費用の点は心配ありません。

それでも改善しなかったり、口が開けづらくなる傾向にあれば近隣の歯科口腔外科の受診を勧めることになるかと思います。宇治市 歯医者 検診表 なかむら歯科医院

治療以外のことも考えて子供の歯の治療に臨みます。

2022年7月14日

大人の治療もそうなのですが、子供さんの治療、特に当院に初めてお越しになる場合には治療順序をよく考えないといけないと考えています。

先ず歯科受診がはじめてかどうかを確認します。

治療したことのある場合にはその時に抵抗なく治療できたかできなかったかも保護者の方にお聞きします。また口腔内から治療本数、神経治療をしたかどうかなども確認します。

治療履歴があってもなくても子供にとっては、時世柄マスクして、どんな顔してるかもわからない先生が出てくるのですから怖いに違いありません。

また何となく、削る、抜く、注射する、というイメージをどこから知ったか、何となくなく持っているから尚更です。

マスクしているとはいえ、診療に入る前に起きている状態で目を見て挨拶をするようにしています。

どんなおじさんが出てくるか心配していますもんね。

治療したことが無くはじめて受診する場合

初めてなだけにマイナスのイメージを持たないようにしなければなりません。

大きな虫歯があったとしても、まずは痛くなく、スピーディーに診療が終わることを体感してもらうために小さな虫歯から進めることが多いです。

成功体験してもらうのです。

出来た!ということで本人の自信にもなり、来院するという抵抗感を少しでも減らすことにつながるのではないかと考えるからです。そのときだけでなく将来的にも、歯科への抵抗、マイナスのイメージが少なければ、定期検診受診への心理的なハードルが下がって将来の口腔の健康維持につながると思うのです。

だから大きな虫歯からなぜやっていかないんだろう、と思うことが保護者の方にはあるかもしれませんが、長い目でみていただけたらありがたいです。

とても協力的になってくれたら大きな虫歯に順次とりかかります。

大きな虫歯でも、できる限り神経を取らないような方策を取るようにしているので治療回数や期間がかかることもあります。

それまでに他院で治療したことのある場合

まずは治療への協力度がどうかをみます。

素直に応じてくれれば、出来る限り短期間、短時間に治療終了するよう努めます。

とてもありがたいです。

ちょっと抵抗がある場合も、基本的には初めて歯科受診した場合と同じです。

これまでとは違うな、と思ってもらえるようにしないといけません。

より成功体験してもらわないといけませんから、初回は歯ブラシ指導や進行止めの薬剤の塗布で終わることもあります。

この場合、治療に取り掛かるまでに時間がかかりますから、トータルの治療期間が長くなることもあります。

スタッフ含めて医院全体への安心感をもってもらってから診療になります。

歯科へのマイナスのイメージをここで取っておくと将来的な定期検診への抵抗が少なくなると思いますから口腔の健康を維持することにつながると思っています。

痛みを取り除くことを優先するために

痛みがあり、急を要する治療もありますからそのようにすべてできる訳ではありません。

麻酔をして神経を取らないといけないこともあります。抜歯が必要なこともあります。

こちらとしてもとてもつらいことなので、痛みなどなくても常日頃から定期的に健診していただき、そのようなことのないことを常に切望しています。

子供の、口ポカンはいけません。

2022年7月7日

7月3日日曜日、口腔機能改善装置プレオルソの勉強会に当院歯科衛生士と共に受講してきました。
宇治市 歯医者 プレオルソ なかむら歯科医院

取り外しする矯正の装置で、永久歯に生え変わるまでに用いると適応症であれば大きな福音をもたらします。

遺伝性のない受け口、ある程度の出っ歯、軽度の歯並びガタガタがそれにあたります。

人間は普通にしていると口は閉じています。
開いているのは百害あって一利なしです。

口が開いていると何が悪いのでしょうか?

口が閉じていると舌の先は通常上あごの前歯の歯と歯茎の境目についているものです。
開いていると舌は上の前歯に付けていることはできませんよね。

そうすると舌の筋力が無くなっていき、重力に従い下がります。
また寝る時に舌がその重さで気道を塞ぎますから、いびきを掻くようになります。

そうすると質のよい十分な睡眠がとれなくなるので、起きているときの集中力が欠如したり多動性障害などの原因になることもあります。

空気が鼻を通ることでそこにある大きくは鼻毛、小さくは繊毛がフィルターになって体にとっての異物をそこで排除できます。

口呼吸だといわゆる空気清浄機能が働きませんから、扁桃腺が腫れたり、アレルギーなどの大なり小なり感染リスクが鼻呼吸に比べて高まります。

歯の並びは、唇、頬、舌それぞれの筋肉の均衡の取れるところにならびます。
均衡を崩すような筋の緊張、弛緩があれば歯並びは崩れます。もちろんそれだけではありません。顎の大きさ、歯の大きさなどその他の要因もあります。

鼻呼吸が脳の活性化をさせるのです。

鼻呼吸による空気の流れそのものが脳のクールダウン機能をもたらしています。
言い換えれば、鼻呼吸できないと脳の活性化ができないと言えます。

すべてではありませんがこのように鼻呼吸するメリットはあってもデメリットはありませせん。
ただ口は閉じても歯を接触させる必要はありません。
歯を接触させるのは食事のときだけで、通常歯同士は当たっていることはありません。
もし当たっているとしたら、それもよくないです。
この歯を接触させる癖を専門用語でTCH(Tooth Contact Habit)と言い、顎関節症の原因の8割とされています。

子供のうちに口の機能を正常化させましょう

こどものうちに(成長の見込めるうちに)口腔機能を改善することはとても意義のあることです。細かな歯並びを治すというよりは、口腔機能の改善、つまり鼻呼吸の獲得、正しい舌位を覚えることや上下顎骨の前後的な位置の改善を目的とします。

あとから矯正するにせよ、これらをある程度是正しておけば治すのが難しくなりません。
上手く行けば本格矯正に至らないこともあります。
女の子なら15~16、男の子なら18~20くらいまでにほぼ成長が終わります。
歯を並べるのは何歳になってもできますが、上下の顎の位置関係の是正や、正しい舌のポジションや鼻呼吸を覚えるのは早ければ早いほどよいです。

勉強会参加により知識のブラッシュアップができました。

取り外しの装置でできることの意義はとてもあるのですが、それは細かい歯の並びを良くするものではありません。
もちろん良くなることもありますが、あくまでも歯ではなく口腔全体をよくするために行うとご理解ください。

私に聞きづらいようでしたら、担当の衛生士にお気軽にご相談ください。

神経治療したら治療期間は長引きます

2022年6月30日

宇治市 歯医者 なかむら歯科医院 歯のレントゲン

痛みの程度では神経残せるかも?

みなさんそうだと思うのですができるだけ歯は虫歯にならないようにしたいですよね。ましてや神経を取るなんて。
最近はそうでもないのですが、大多数の方は数の大小はありますが少なからず神経処置してある歯があります。
痛みの程度、虫歯の大きさなどなどから、神経処置するしない、のベネフィット、リスクを検討した上で神経処置をしてあるのだと思います。
もちろん取らないに越したことはありません。でも痛みが続くのであればやむをえません。(ズキズキ感が続いているなら神経のダメージは強く、神経を残せる可能性はかなり低いです。)

神経処置するリスクは歯の強度が落ちること、経時的に割れるリスクが増えること、根の中が細菌感染するリスクが増えること(再治療の可能性)があります。
神経の処置は一回では終わりません。治療完了まで時間もかかります。
神経を取らなければそういったリスクがないわけですからいいことずくめです。

何でもかんでも残せるわけではありません。

虫歯が大きくても神経を残せる場合もあれば、小さくても残せない場合もあります。
症状によります。

なかなか言葉で言い表せないので、こればかりは来院していただいて拝見させていただかないとわかりません。
とってしまえば元には戻せません。よほどの痛みでなければトライします。
虫歯にならないようにする。虫歯になっても神経を取るステージにならないようにする為に普段から予防を含めた定期健診は大事です。

大きい虫歯の治療は一回で終わらないかも。

麻酔をして虫歯をすべて除去すると、今まで痛みもなかったのに却って滲みてくる、ということがあります。
虫歯を除去することで神経までの距離が一気になくなり刺激を受けやすくなるからです。
当院ではそういうことのないように虫歯の大きなケースではわざと麻酔をせず、患者さんの痛みの有無を聞きながら痛みのない範囲で虫歯を除去して数か月おきに繰り返し、いわば神経と対話しながら神経を残すことに力を入れています。
もちろんそこまで頑張っても痛みがでてしまって神経処置しなければならないこともあります。

お歯黒って知ってますか。

昔の既婚の女性は前歯を黒くして既婚であることを知らしめていました。

お歯黒している歯には虫歯は無かったそうです。

成分はお茶に含まれているタンニン酸がその主成分です。

止血にも使うこともあります。

厚生労働省の認可している、大阪大学名誉教授山賀博士の開発されたタンニン酸を含んだセメントを虫歯の穴に詰めて、神経を残すために用いますのでご安心ください。

トータルの治療期間はかかりますが神経は残すメリットはかなりあります。

でも、そうならないよう定期的に健診におみえください。(笑)

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