子供は意外と痛みには強いです。
ですから痛みを訴えないことがよくあります。
気づいた時には結構大きくなっていて困ることもあります。
小さい虫歯は歯の色と同化して分かりにくいです。大きくなれば食べ物が歯と歯の間に物が詰まって色が変わったりするので分かるようになります。
治療していても白い詰め物だと取れても分からないことがあります。
詰め物が取れていなくても材料の一部が欠けている場合もよくあります。
小さい虫歯を治す時は小さく削ります。詰めていく接着面積が小さいので外れやすくなる、という理屈です。
歯茎が腫れても痛くない
虫歯が進行して、神経まで達するとその前後から痛みを感じるのですが、あるところを越えると痛くなくなります。神経がダメになってしまったのです。
そうすると神経と血管が腐敗していき膿になります。
身体としては異物ですから、出したい、でも出口がない。それで身体は膿を出すのに柔らかくて最短距離を選んで出そうとします。
それで歯茎が腫れるのです。
腫れは一時的に引くことはあっても根本の原因である虫歯、根の治療をしないと完治しません。
黒いところは削らないとダメなのか
歯の溝が黒いのは自分で分かりますが、すべて治療をする必要はないと私は考えています。
診断機材、視診、触診などで診断した上で必要なら治療します。
黒くても虫歯の進行が止まっているかもしれませんから、定期的に経過観察していきます。
削って詰めることになっても詰めたところと自分の歯との間にどうしても境目ができます。
境目に汚れが溜まるとそこからまた虫歯になることもあります。
年齢もあるでしょうけれど、できる限りは仕上げ磨きをしつつ、春期、夏期、冬期の休み毎に定期的に健診に来ていただければと思います。
定期検診を行うことで、未然に虫歯にならずにすむことがあるからです。
これは子供に限らず大人もそうですね。
神経処置の後遺症
もちろん虫歯を放置すればだんだん大きくなり神経に達します。
子供の歯の神経は歯の大きさに比べて大きいので、神経までの距離が短く、虫歯になれば進行は意外と早いです。
神経処置してしまうと、歯の根の部分が早く溶けてきて、早期に抜けてくる可能性があります。
早く抜けてしまうと隣の歯が倒れこんできて、永久歯の生えるスペースが無くなり、歯並びに影響してきます。
また虫歯の放置期間が長いとその下から生えてくる永久歯の先端の形態がデコボコしたり、歯の色に影響することがあります。
乳歯の奥歯は長くても中学生のうちに抜けます。ただし抜けても後から生えてくる永久歯がない場合があります。(先天性の永久歯の欠損です。)
ですから基本的に乳歯は抜けますが、乳歯を大事にしなければなりません。
抜けない乳歯を無理に抜くことはありません。よほどでなければそのまま使うことになります。気になるようであればレントゲン写真を撮らせていただきます。
ですから子供の歯の虫歯は抜けるから、まあいいや、はよくないのです。