先週、担当させていただいている小学校へ歯科検診に行ってきました。少子化とはいえ、ひと学年2~3クラスありますから150人くらいの数です。とても一回では診きれないので例年3回に分けて検診をしています。
診療と同じように正面からでなく頭上から診るスタイルで検診を行っています。私にとってはその方が奥の方までよく診えるからです。
検診で何を診ているのか
虫歯はもちろんなのですが、歯垢の付着状態、歯石の付着の有無、歯茎の腫れの有無上下の噛み合わせ、歯並びのガタガタ具合、顎関節の異常の有無、軟組織の異常などを診ていきます。
最近では口腔への意識も高くなっていて虫歯のない子供たちがほとんどです。
数少ない虫歯のある子供たちの虫歯の数は1~2本ということでなく、数多くあることがほとんどで治療痕もないことが多いです。
ある意味格差がとてもあります。
保護者の方が子供を医院へ連れていく時間が無いのかもしれませんし、ネグレクトでないかを服装で覆われていないところを見て判断したりします。
虫歯
虫歯を放置しておけば乳歯の生え変わりの時期が早まり、永久歯の歯並びの悪くなる原因になったり、あまり噛もうとせず咀嚼効率が悪くなったり、片噛みの癖がついたり、ひどくなれば歯の根っこの炎症を引き起こし顎の骨にも炎症を起こさせたりします。
乳歯は抜けるからと言って放置してもよいことはありません。
治療に足を運んでもらいたいと思います。
歯の汚れ
歯垢の付着も、綺麗かそうでないかの両極端に分かれます。
長い間歯垢が付着している場合、歯垢の色が白ではなく橙色をしています。
前歯、下顎の奥歯の舌側がそうなっていることが多いです。
これも適切な歯ブラシの指導を受けてもらいたいと思います。
歯垢の付着は虫歯、歯肉の炎症の原因となります。子供の歯周炎も増加傾向にあります。
子供でも歯石は付着します。歯石は取り残されていた歯垢が硬くなったものです。
ブラッシングが上手くできていない、ということです。
噛み合わせ
受け口、出っ歯、上と下の前歯が空いている開咬、前歯のガタガタ、があるかないかをチェックします。
受け口は早急に治した方がよいです。遺伝的な受け口でなければ年齢一桁のうちに対処した方がよいです。
出っ歯、開咬、ガタガタについてはなかなか難しいのですが、やはり早めに治療を開始、もしくは診察を受けた方がよいかと思います。
顎関節
顎関節の異常は態癖と言われる習癖が原因であることが多いです。
その習癖というのは、うつぶせ寝、頬杖、寝ぐせ、などを言います。
頭はボーリングの玉と同じくらいの重さがあります。反作用でそれくらいの力が顎にかかっていますから歯並びに大きく影響してきます。ちなみにですが歯の矯正力は250~300gです。
学校歯科検診を通して小児期の治療、定期検診の重要性をご理解いただければありがたいです。
もしお子さんが学校検診の紙をもらってこなくても、年に数回は健診にはお越しください。