歯を失うだけでない歯周病の怖さ
歯周病は細菌感染によって起こり、歯ぐきの炎症である歯肉炎と骨などの歯周組織
まで破壊される歯周炎の二つがあります。
歯周炎で歯が抜けた後は治療も非常に難しくなります。
さらに糖尿病や心臓病、脳梗塞、アルツハイマー型認知症などにも関連しています。
進行は非常に遅く、痛みが出にくいので、自分が歯周炎になっていることに気づかず
放置しがちです。
(アルツハイマー型認知症は脳にアミロイドベータが蓄積することで起きます。歯周病があるとないとでは10倍蓄積量が違うというデータがあります。)
噛むことは血流を脳に送り刺激を与えます。歯周病で噛めなくなるとこの血流も減ると考えられます。噛むとき下の歯を上の歯にカチカチと当てると少し響く感じがあるのはお分かりでしょうか。歯の数が減ったり、歯周病で歯が揺れているとしっかり当たらず、刺激が段々少なくなっていきます。
総入れ歯になれば当然刺激は少ないですよね。
歯周病の原因はプラーク
歯みがきに加えて、化学的にプラークコントロール
歯周病を防ぐためには、口の中の細菌の塊、すなわちプラークを減らしていくこと。
プラークすなわち歯垢を顕微鏡で見ると、無数の細菌が動いているのが見えます。
プラーク歯周病菌の住み家となって歯ぐきに炎症を起こします。その炎症が続いていくと歯を支える骨を溶かしていき、歯がぐらつくのです。
歯ブラシをしてプラークを取り除いて歯周病菌の住み家を無くすことが重要です。
食事をしている以上プラークは必ずできます。毎日それをご自身で除去していただければよいのですが、どうしても除去しきれないところがあります。
個人個人磨き癖がありますからその部位もまちまちです。
長く取り切れないとそれが歯石になりますます取りづらくなっていきます。
ですから定期健診に来ていただいて取り切れない歯垢、歯石を除去することが重要です。
人は痛くならないとなかなか歯科医院に行かないものです。そして予防は自分の意思と
費用で行わなければなりません。
しかしメンテナンスをしているのといないのとでは高齢になった時の歯の数が5倍違うデータもあります。
予防には家でできる毎日の習慣の1次予防と未病のうちに歯科にいく2次予防、そして再発予防の3次予防があります。
1次、2次予防に歯科を利用して効果的な予防をしましょう。
高齢になるとブラッシングが雑になりがち
高齢になると手を細かく動かすのが困難な場合もあります。歯ブラシの上手にできない方もそうですが、歯ブラシが届かないところをケアするのに歯みがきに加え、洗口液を使います。市販品以外に、殺菌成分(CPC)、抗炎症成分(GK2)、出血予防成分(TXA)が含まれた洗口液を歯科医院で購入することもできるのでより良いオーラルケアに役立てていただきたいと思います。
殺菌成分が洗口液や、歯の再石灰化を促し、酸に強くするフッ素が配合された歯みがきなど
は薬局でも手に入ります。歯科医院だけで販売しているものもあるので、自宅でも1次予防に役立ててください。
これら歯磨剤や洗口液に関してまた発信していきたいと思います。