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親知らずの意外な使い道

2022年10月20日

歯は誰でも抜きたくないものです。

子供は

乳歯であっても子供は抜きたがりません。それはそうです。何となく予知しますよね。ただ乳歯を抜くのは永久歯が生えてきているのにそのままだと歪んだ方向に生えてしまうからです。よほど違うところに永久歯が生えていなければ乳歯がグラグラしています。抜くのも大変でないことがほとんどです。乳歯であれば、その他に虫歯が進行し過ぎて詰めることができなかったり、歯の神経が無くなって永久歯が生えてきてないのに乳歯が揺れてしまっている場合なども抜歯の対象になります。

大人は

大人も痛みなどでどうしようもない、と諦めがつくまで我慢しますよね。
永久歯であれば歯周病で歯がグラグラして噛めなくなったり、歯が割れて噛むと痛んだり膿が出たり、何回も繰り返し歯茎が腫れたりしたら、諦めて抜かれることが多いです。もちろん虫歯がかなり進行してしまい、いわゆる差し歯にできない場合も抜歯になります。永久歯であれば抜きたくないのは当然ですが、引き延ばしすぎると歯を支える歯槽骨が失われ歯茎のボリュームが無くなります。
総入れ歯になると、いわゆる歯茎の土手が少ないと義歯の安定が得られにくくなります。
またインプラントする場合にも歯槽骨がないと治療できなかったり、人工の骨を足したりしないとできないことが多々あります。
変な言い方ですが、抜き時を誤ると抜いた後の治療の選択肢が限られたり、不具合の出やすい状態になります。特に歯周病でグラグラした状態が長く続いたり、歯に亀裂が入っていたり割れている状態を長くそのままにしていると骨は見事に無くなり、回復させることは困難になります。くれぐれも抜き時は、嫌でしょうけれど誤らないようにされてください。

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腫れた時に抜歯はできない

親知らずが腫れたら抜こう、と思われるかもしれません。実は腫れている時に抜歯することはほとんどありません。まずは化膿止めの薬、抗菌剤いわゆる抗生物質を服用していただいて腫れ、炎症を抑えるのが一般的です。何故抜かないのか。それは麻酔が効かないからです。腫れている時は血管が拡張していて血液量が増えます。だからズキズキするのですが、体は防御機構を働かせて免疫細胞を送り込もうとしているのです。麻酔をしても薬が流されてそこに留まってくれなくて、効かないと考えてください。炎症が治まりズキズキしなくなったら麻酔が効きます。でも痛くなくなったら、今は痛くないし親知らず抜くのはやめよう、となりがちです。

妊娠中に腫れたら

その時も抗生剤を服用していただくことになります。抜歯については基本的に出産後になります。安定期に抜くのかと言えば抜きません。安定期の治療は痛みがある場合にやむを得ず暫間的な治療をする時期で、積極的に治療を行う時期ではありません。外科的治療を行うことは稀です。この時期に抗菌剤を服用するのはためらわれると思います。胎児への薬の移行性を気にされるからです。安全性が高い薬を服用していただきますが、薬に100%安全はありません。それでも痛みと有益性を天秤にかけて有益性が大きく上回るなら薬を服用するべきです。そのようなリスクを避けるために妊娠の可能性のないときに親知らずを抜歯されることを女性は検討されるべきでしょう。

 

親知らずも色々あります。

一番抜くことを納得されるのは親知らずの抜歯ではないでしょうか。親知らずが斜めに生えて、ちゃんと生えきれない場合は、歯を磨ききれなくて虫歯になったり、生えるスペースが限られて歯茎に炎症が起きやすくなります。虫歯になるのが親知らずだけならまだよいのですが、手前の永久歯、第二大臼歯ですが、そこが虫歯になる可能性があります。隣合っていますから磨きづらい環境であるのはおわかりかと思います。親知らずが生えきれていないと親知らずの周りの歯茎はちょっとしたことで腫れやすい歯肉になります。のどに近かったり上顎と下顎の歯茎や頬が融合する部位なので比較的軟らかい性状になっているからです。

真っすぐ生えていても

真っすぐ生えて虫歯など問題ない場合もあります。きちんと上の親知らずと噛んでいる場合は抜く必要はないですが、真っすぐ生えていても上下どちらかの親知らずがない、あるいは抜いている場合があります。
その時は歯親知らずが少しずつ、親知らずのない方に向かって伸びてきます。ニョキニョキのびはしませんが、年間コンマ何ミリというくらいで伸びてきます。親知らずと反対側の歯茎が当たるようになると、慢性のこすり合わせる刺激が何年も歯茎に当たり続けると、歯茎の癌化を招くこともあります。
そうならないために歯茎に当たらないように削ったり、抜いたりします。削って当たらなくすることで一時的にはよいのですが、神経があればある程度しか削れません。何度も何度も削ることはできませんから抜歯を考えた方がよいです。

親知らずのメリットとは

状況によりますが、親知らずはあまり残しておいてもメリットは少ないと思われます。少ないと記載しましたが、少しのメリットはあります。親知らず以外の奥歯を何かの理由で抜かないといけない場合、その後に何かでその部分を補います。ブリッジや入れ歯、インプラントになるのですが、もうひとつ、歯の移植、という手段があります。

歯の移植

奥歯の抜歯と同時に親知らずも抜いて、親知らずをそこへ移すのです。
保険も適応されますし、いいことじゃないか、と思わず手を打ちたくなりますよね。
ただ、成功するにはかなりハードルが高いのです。様々な条件があるのです。
またクリアできても永続性、長持ちするかどうかは担保されません。

1つは親知らずが歯として完成されていない状態、すなわち成人前でないと成功率は下がります。

1つは抜くべき理由です、歯周病はもちろんですが長く歯の割れた状態が続いていると骨が失われていて引っ付かないのです。
また当然神経治療もしなければなりません。前後の歯と固定し待機するのに2~3か月待たないといけないのです。

1つは抜いた歯と、親知らずの大きさがだいたい同じ、もしくは親知らずの方が小さくないと歯を移すことができません。親知らずを小さく削って移し替えるとなると、歯根膜といわれる部分の損傷が激しくなります。その部分の活性化が歯の移植治療にとってとても大事な組織なのです。

このように歯の移植には条件が多くあります。またその条件をクリアできたとしても歯がしっかり付かなかったり、歯の根っこが吸収して無くなってしまい、結局抜かないといけないこともあります。かなり限られた条件になりますが、可能性が少しでもあるのなら、十分リスクを理解していただきトライするのも一法かと思います。
くれぐれもですが、どなたにもできる訳ではありませんのでご留意ください。

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再生治療

歯は大きく4つの組織があります。エナメル質、象牙質、セメント質、歯髄です。歯髄は血管と神経が含まれています。虫歯の治療で神経を取るとか言いますが、歯の神経の他に血管も取っています。この歯髄は再生能力があります。虫歯が大きい場合、虫歯を一気に取り切ると神経が露出して神経処置をしないといけなくなることがあります。あるいは、虫歯を取り切ったらかなり神経まで近接した場合あとから痛みが出ることがあります。そのような場合あえて虫歯を取り切らずに神経を残すための薬を詰めて月単位の時間をおきます。そうするとその薬の作用で神経が小さくなります。神経を残すために歯髄が薬の刺激に反応して身をかがめるのです。虫歯との距離をとるのです。そういうことを何度か繰り返し、虫歯を取り切っても神経が出ず、痛みも出ないとなったら最終的な虫歯の処置を私は行っています。やわらかい歯髄が硬い象牙質になるのです。再生能力のある組織なのです。別の組織になるということです。

自分への投資

このような組織の特性を活かして、抜歯した親知らずの歯髄を取り出し、培養して例えば骨髄移植に用いるということができます。親知らずの根っこが完成してしまうと難しいので取り出す時期が限られます。若年者です。また取り出してもすぐに使うということでなければ、冷凍保存しなければなりません。もちろん保険はききません。保管料もかかります。抜けそうな乳歯の歯髄の方がよりよいのですが、当然保存期間も長くなります。自分の組織ですから拒否反応もありません。移植よりもかなりハードルは高いです。

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