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フッ素塗布はちょいちょいと塗るだけではありません。

2022年9月1日

フッ素洗口と塗布の方法

3~6か月ごとに定期的に歯科医院でフッ素(フッ化物)塗布し、子供の虫歯予防を行うのが一般的です。ただ塗り付けるのではなく、専用のトレー(型取りするようなもの)に泡状になっている高濃度のフッ化物を載せて歯に塗布します。これを上下4分づつ行います。

フッ素の効果を最大に活かすには、歯の生えはじめる時期に用いるのが一番よいです。ですが、小さい子供にはなかなかハードルが高いと思います。

宇治市 歯医者 Fluorid Tray Method なかむら歯科医院
何事もそうだと思うのですが、毎日地道に続けることが大切で身になります。

フッ素もそうで、診療所で数か月に一度塗布するよりは、毎日家でフッ素洗口液を30秒していただくことが一番有効だと考えています。

もちろんフッ素を含んだ歯磨剤を使って歯ブラシしていただくことの方が大事です。

診療所で適切なブラッシング方法を伝授してもらって、効果的な歯ブラシ方法を自宅で実践していただいたうえでフッ素洗口していただくことがなにより大切と考えています。

フッ素は虫歯にならない魔法の薬ではありません。毎日洗口しているから、定期的に塗っているから大丈夫、ではありません。一番は適切なブラッシングです。

しっかりブラッシングできている方には必要ありません。必要な方が用いればよいのです。

お年寄りにも実は有効です!

年齢を重ねると歯を支える骨が減少します。それと共に歯茎も下がってきます。そうすると今まで口腔内に出ていなかった根っこの部分が出てきます。

出始めてくる部分が虫歯になりやすいとお話ししましたが、根っこの部分はセメント質といわれる性状の歯質で、強度がエナメル質と言われる部分に比べて落ちます。その分虫歯になりやすいです。

高齢者のかなりの方に大なり小なり根っこの部分で虫歯をお見受けします。その部分を治療しても歯ブラシが十分でないと詰めた材料と自分の歯との境目からまた虫歯になっていることが多いです。特に歯と歯の間です。小さな虫歯の場合には奥歯であれば進行止めを用いることもあります。

一方、噛み合わせの部分は環境の悪いところに口腔内に長くさらされているのでどんどん歯の質が強くなっていきます。出はじめのところにフッ素は取り込まれるとお話ししましたが、年齢によりフッ素の効果のある部分は変わります。

ですからお年寄りもフッ素は効果があるのです。あるのですが子供ほどフッ素の取り込みはないように思います。

ですから診療所でフッ素、というよりはご自宅で根っこの虫歯予防を主目的とした歯磨剤がありますから、それを用いて毎日セルフケアしていただくのがよいかと思います。

フッ素洗口液や根っこに有効な歯磨剤が必要であれば受付でも構いませんのでお気軽にお尋ねください。

フッ素は虫歯にならない魔法の薬、ではありません。

2022年8月25日

フッ素の働き

フッ素(フッ化物)には、大きく3つの働きがあります。この働きにより虫歯予防に効果を発揮します。

1、歯を強くする

虫歯に強い(溶けにくい)歯を作ります。

2、再石灰化を促進します

自然治癒が可能な初期の虫歯では、治癒を助けることができます。

3、虫歯菌を抑制します。

歯垢(プラーク)に侵入し、歯を溶かす酸が作られることを抑えます。虫歯になりやすいかどう かは、お口の中の環境や抵抗力によって一人一人異なります。

効果がない期間もあります!

一番効果があるのは萌えはじめです。なぜかというと萌出直後は歯の結晶が歪んでいるからなのです。結晶のことですから見た目には何もわかりません。

歪んでいるところへフッ素を塗布すると、フッ素が歯に取り込まれて少しづつその歪みが是正されます。

前歯よりも奥の方が磨きづらいですよね。フッ素の一番効果があるのは奥歯の溝です。前歯は仕上げ磨きもしやすいですし、平坦な面ですから虫歯にはなりづらいです。

次に歯と歯の間はものが詰まりやすいので、前歯でも奥歯でもその部分が虫歯になりやすいです。歯ブラシが到達しづらいところですから歯間ブラシを是非使ってください。できるなら歯間ブラシにフッ素ジェルを塗り付けてからしていただくと歯と歯の接触している部分にもフッ素が行き渡ります。

子供で、奥歯の次に虫歯になりやすいのは上の前歯です。(下の前歯は唾液の出てくる部位に近く、また自浄性がもともと高く、虫歯になりづらいのです。)

乳歯の歯並びが完成するのが2歳半から3歳くらいです。永久歯が生えてくるのが6歳前後です。そこから14歳くらいにかけてすべて永久歯に順次変わっていきます。

なかには交換すべき永久歯が数本先天的に欠如している場合もあります。その場合には乳歯がその役割を代行しますから基本的には抜け替わりません。乳歯といっても大事にしなければなりません。レントゲンを撮らなければわかりません。小さいときからレントゲンは撮りませんからそれがわかるのは小学生高学年になってからのことが多いです。

口の中は意外と環境が悪いんですよ!

骨の中と、口の中、細菌がいないのはどちらでしょうか。

こう書くくらいですからお分かりかと思います。骨の中なら感染していることになりますね。口腔粘膜は意外と強くて防御しているのですよ。唾液1グラムで細菌1億、歯垢1グラムで1000億存在します。口の中という環境の悪いところにさあこれから出ていく、という場所が一番リスクのあるところです。

ですから子供であれば、かみ合わせするところが一番最初に口の中に出ていくのと、奥にあって磨きづらいのと、歯茎がかぶっていて磨きにくい期間があるのでリとてもリスクが高いのです。

加齢による口腔内の変化 2

2022年8月18日

今回はなかなかわかりにくいところのお話しです。

唾液出にくい

加齢とともに唾液を作る唾液腺の細胞が減ってきて、唾液の量が減ります。唾液は食塊の形成や食べ物を流したりする作用があります。それが少なくなるので歯垢や食べ物が歯ブラシしても残りやすく虫歯や歯周病にもなりやすくなる原因でもあります。それゆえにブラッシングはより大切になります。

舌が白くなる(黒くなる)

軟食傾向にあると舌の上が白くなってくることがあります。舌の苔をつなげて、ぜったい、と言います。こすれば取れるのですが頻繁に取る必要はありません。週に一度くらいでかまいませんから歯ブラシでこすってみてください。優しくこすってください。

専用の舌ブラシもあります。ご興味あれば販売もしておりますのでお申しつけください。

口臭が気になる

歯垢の取り残し、食べ物が歯と歯の間に残っている、虫歯、歯周病、舌苔、生理的口臭が原因で口臭が起きていることが多いです。

これは高齢者に限りません。まずは適切なブラッシングで歯垢の除去と舌苔の除去。虫歯の治療、歯石の除去を行ってみてみましょう。

胃と繋がっていますから、胃の方が原因である場合もありますから、お口の治療で解決しない場合もあります。

歯がすり減る

歯同士、あるいは金属やセラミクスと歯、が噛んでいると加齢と共に個人の噛む力にもよりますが歯は削れてきます。

噛む面、歯の付け根どちらも削れてきます。噛む面が平らに削れてくると噛み切りづらくなるので咀嚼効率が悪くなります。咀嚼効率を戻すために定期的に噛み合わせの調整をした方がよいかと思います。

噛み合わせの高さも低くなっていきます。低くなると顎関節にも負担がかかりますからあまりよいことはありません。大きく高さを変えなければならないケース、特に義歯ではなかなかなじまないので難しいです。

側面の摩耗についても、噛みしめの力がきつい方に多く見受けられます。削れたところを埋めるのももちろんですが、その噛みしめの力をコントロールしていかなければなりません。

対症療法的には、夜間使用のマウスピースになります。保険診療対応ですからご安心ください。そうならないようにしていきたいですね。

親知らずが抜きにくくなる

噛んでいない親知らずは加齢と共に骨と癒着して抜きにくくなります。

歯はインプラントと違い、がっちり引っ付いている訳でなく、歯根膜というクッションを介して骨と結合しています。噛むと歯が沈むのは分かるかと思います。

通常はその歯根膜に力を加えて抜歯するのですが、歯周病などでなければ上下で噛んでいないと加齢とともにその歯根膜が廃用してしまい骨と癒着します。

そうなると抜歯は極めて難しいことになります。

唇や舌、頬を噛みやすい

そういう風におうかがいすることもよくあります。

特に何かあるわけでもないのですが、おそらくそれらの筋肉の動きが緩慢になることや咬耗で歯の角が尖ってきていることが原因ではないかと思います。

もし治療するとなればその鋭縁を丸めるくらいで、あとはお家で あいうべ体操などお口の周りの筋肉を日々鍛錬していただくことかと思います。あいうべ体操は難しいものではありません。小さいですが、受付にリーフレットを置いてありますので参考になさってください。

加齢による口腔内の変化 1

2022年8月11日

加齢とともに口腔内にも色々と変化が出てきます。まずはわかりやすいところからお話ししていきます。

歯の色が黄ばむ

一番わかりやすいのは歯が黄ばんでいくことです。乳歯は英語でMilk Toothと言います。文字通りほんとの白、という白です。永久歯はエナメル質の透明感がありますから乳歯の白さとは少し違います。加齢とともに歯にヒビが入っていき段々色が黄ばんでいくのです。

加齢による黄ばみはホワイトニングにより解消されることが多いです。

歯茎が下がる

歯を支える骨、歯槽骨が下がっていきます。それにつれ歯周病でなければ歯茎が下がっていきます。歯はその先に向かって細くなっていきますから(寸胴ではないので)歯と歯の間に隙間が空いてきます。

そのためその隙間が黒く見えてきます。見えているだけなので虫歯ではありませんが、歯の根っこが虫歯になりやすくそこが黒くなりますから、拝見させていただかないとわからないです。

下がった歯茎は元には戻りません。戻すことも基本的にはできません。歯が長く見えるのもそのせいなのです。

歯茎が下がると虫歯になりやすい

歯の根っこが出てくると表面性状がエナメル質でなくセメント質に変わります。エナメル質に比べて虫歯への抵抗性がセメント質は低いです。

先に述べたように歯と歯の間が空いているので食べ物や歯垢が残りやすく虫歯になりやすい環境にあります。

高齢の方はなかなか補助的清掃具、歯間ブラシやフロスを用いる方が比較的少ないので虫歯になりやすいです。

下の前歯の歯並びが悪くなる

歯を支える歯槽骨が下がることもありますが、基本的に歯は体の真ん中に向かって倒れる傾向にあります。そのため昔はきちんと前歯が並んでいたのにだんだん歯並びが悪くなってきた、とおっしゃる方が多いです。矯正治療をしないと元に戻りません。

歯が重なると歯垢も除去しづらく、虫歯や歯周病になりやすいです。重なり具合によっては抜歯も選択肢になります。

虫歯の進行は遅い

子供と違い虫歯の進行は緩徐です。そのため痛みもなかなか出にくいです。

歯が折れました、と言って来院されることもよくあります。

通常は歯が折れていれば神経が出るのですが、高齢になると神経が小さくなっていくので出ないことがあります。

こうなると元に戻すに戻すのが大変です。

特に歯の根元近くで折れて、神経も残っているとなると、被せ物を被せるのに神経を取らなければなりません。それから土台を立てて被せていきます。今まで痛くなかったところの神経を取らなければなりませんし、特に下の前歯など土台を立てるのも大変で、その被せ物も取れやすい傾向にあります。その場合にはあえてもとに戻さず、歯茎の高さのままにして義歯に組み込んで対応します。

神経治療になっても、神経が小さいのでそれを見つけるのが大変です。また治療に時間がかかります。神経治療は歯の中の神経が入っていた管の大きさを大きくすることに時間がかかります。

虫歯になっても小さいうちに治せば大掛かりにならないので定期的な受診をおすすめします。入れ歯の金具の掛かっている歯は歯垢が残りやすいので特に注意が必要です。

小さな虫歯や進行の止まっている虫歯に対しては削ったりすることなく、進行止めで対応すればよいこともあります。

口の中の内側に何か出てきたような気がする。

2022年8月4日

宇治市 歯医者 torus(2) なかむら歯科医院

時折患者さんから、今まで無かったのに内側に何か出っ張りが出てきたような気がする、ということを言われることがあります。何が考えられるでしょうか。

歯の一部が破折している

神経のない、かぶせてある歯の一部が割れて、それが出てくることがあります。

かみあわせがきつくて割れたり、神経を取り除いてから時間が経っていると歯が少しづつ脆くなり割れたりすることがあります。
歯の破折片なのですが舌で触ると尖っていることがあります。また少し揺れたりしています。

基本的にはその破折片を除去します。除去した部分は凹みになりますから歯垢が除去しづらく、歯茎が腫れたりしてきますから被せ物のやりなおしが必要です。
破折片の大きさによっては歯茎の手術をしないと被せ物をやり替えられなかったり、最悪は抜歯になることもあります。
歯茎の炎症をそのままにしておくと歯を支える骨が減少していきますから、歯を保存していく観点から治療を早めにしていく必要があります。

歯の根っこの先が膿んでいる

神経治療がしてある場合に多いのですが、歯の中にうみが溜まっている場合に歯茎が腫れて出てくることがあります。

歯の根っこの先に溜まった膿を、身体が体外に出したくて、骨の薄いところ、歯茎の厚みの薄いところをみつけて膿の出口を作っていきます。身体の防御作用が働くということです。
根の治療をすることで解消されることが多いのですが、難治性の場合もあります。
その場合には根尖端除去術という外科的な治療や抜歯などが必要となります。

骨隆起

噛みしめの強い人に典型的にでます。
骨が出っ張っているのです。
下顎の内側、上あごの真ん中、歯と歯茎の境目の少し下側などの良く出ます。

これはムクムクを短い期間にできたものでなく長い時間をかけてできます。
本人はいきなりとおっしゃいますが、気づいたのが最近であって前からあります。
積極的に治療する病気ではありませんが、困るのは歯を失っていって、大きな義歯を入れないといけなくなったとき、特に総入れ歯のときです。
義歯の内面と出ている骨が擦れやすいので痛みが出やすいです。
総義歯は歯茎など動かない部分と舌や頬など動く部分の境界をから空気が入らないようにして義歯が動かないようにして安定を図るのですが、骨のでっぱりがあると空気が入りやすくなって義歯が動きます。

特に困るのは上の総義歯です。そこが原因で入れ歯が落下します。
下は動きますが落ちません。でもよく動くので擦れやすいです。
義歯の安定のために、その骨の出っ張りを麻酔して歯茎を切開して骨を削合することもあります。

いやな話ですよね。

歯を失わないようにして総義歯にならないようにするのが大切です。
そのためには定期的な受診で噛み合わせの調整や普段からマウスピースを使用していただくことが肝要です。
かみしめがなくなるわけではありませんが、歯の破折による歯の喪失を防ぐためにマウスピースは有効です。

その他の疾患

その他にも上あごや下あごの病気、多形性腺腫や良性腫瘍などもあります。
これらは病院の口腔外科で鑑別診断してもらわないとわかりませんから、診察させていただいてその疑いがあればご紹介状を用意いたします。

成人歯科検診 2

2022年7月28日

虫歯など

虫歯の有る無しを目視で確認をします。
あくまでも目で確認するだけなので、疑わしい場合も虫歯に数えさせてもらいます。
検診後に改めてレントゲン写真で確認し必要に応じて処置をすることになります。
学校検診でも同じようにしています。
光の加減や隣の金属冠の色が透けて黒く見える場合もあります。
あくまでもスクリーニングであることをご認識ください。

歯の無い部分

歯の無い部分をきちんと、ブリッジ、義歯、インプラントで補われているかどうかをチェックします。
歯の無い部分をそのまま放置していると隣の歯が傾斜してきたり、噛み合わせの反対の歯が伸びてきます。
また失われた歯を支えていた骨が失われていきます。歯の残っている部分に比べて骨の高さ、幅が少なくなります。
インプラントや義歯、ブリッジ、どの方法で歯の失われた部分を補うにしても骨が残っているに越したことはありません。
奥歯が数歯にわたり失われたままにしておくと、噛み合わせている高さが低くなり、片側なら顎がそちら側に顎がずれますし、両側なら奥の方に顎がずれていきます。
そうすると咀嚼効率が悪くなりますし、また顎関節症の原因になります。
(顎がカクカク鳴ります。)
長く放置すると、補っていくスペースが少なくなっていることが多く、治療が難しくなります。

こういったことから出来る限り早期に歯が失われたところを補うことをお勧めします。

歯周病

すべての歯の歯周病の検査をすることができません。

前歯、奥歯の代表とされる一部の歯の歯周ポケット、そこからの出血の有無を検査します。
健常であれば歯周ポケットは2~3mmです。それを超える数値であれば歯茎が腫れていることを示します。4~6mmなら中等度、7~9mmなら重度の歯周病と判断します。
検査時に出血すればやはり歯周病のリスクがあると判断します。

 歯の清掃状態がどうかも確認します。

いわゆる歯垢がきちんとご自身のブラッシングで取れているかを診ます。

たいていの方は磨いているとおっしゃいますが、磨いているのと磨けているのは違うのです。
歯垢が常時付着していると歯茎に炎症が起きて、その炎症が波及して歯を支える骨を吸収して歯がぐらぐらしてくるのが歯周病です。

 歯石の付き具合

歯石は歯垢がブラッシングで取り切れずに固まっているのが歯石です。
残っていることで歯垢が付着しやすくなり、悪玉菌の温床になるのです。
歯石は自身のブラッシングで除去はできません。
診療所でないと除去できません。

特に歯茎の中に埋もれている歯石は取れませんから検診の終了後改めてご予約していただき治療していただければと思います。

特に歯周病は治りづらい疾病ですから初期のうちに治療した方がよいですし、定期検診でスクリーニングを続けていただくとよりよいかと思います。
より精密な検査が必要な場合には市町に当院から報告しなければなりません。
その上で治療をしていくことになります。

宇治市 歯医者 精密検査 なかむら歯科医院

成人歯科検診

2022年7月21日

本年度も宇治市、城陽市、久御山町の2市1町による成人歯科検診が行われる

ことになりました。

検診費用はかかりませんが、節目検診ですので市町に問い合わせてみてください。

検診と治療は同日にできませんのでその点はご容赦ください。

何を検診しているのでしょうか。

 

粘膜に異常はないか

歯列不正はないか

顎関節に異常はないか

歯石は付いているか、付いていないか

歯肉かの出血があるかどうか

歯周ポケットが深いか浅いか

口腔の清掃性が保たれているかどうか

虫歯があるかどうか

失われた歯があるかどうか

その部分が補われているかどうか

 

おおよそこんなところです。

歯周病のチェックは一部の歯のみ、虫歯に関しては目視で確認できるだけになりますから、虫歯が疑われるところはレントゲンを撮らないとわからないですし、歯周病も本来は全部の歯の検査をしたり、レントゲン写真を撮った方がよくわかります。

あくまでもスクリーニングテストです。(ふるい分けと考えてください。)

二回に分けてお話ししたいと思います。

粘膜は、頬、舌、歯茎、上あご、唇を診ます。

色でいうと、薄いピンク色、ピンク色だといいですね。

極端な白色、赤色だと場所によっては病院の歯科口腔外科でみてもらった方がよいです。でも自分で判断はしないでください。あくまでもかかりつけ歯科医の意見を聞いてからにしてください。直接口腔外科に行かれても診察はしていただけないですし、当院などでしばらく経過観察していけばよいこともあるからです。

 

歯列不正

いわゆる歯並びです。

受け口、出っ歯、ガタガタな歯並び、はわかりやすいですが、奥歯で歯が内側に倒れていたり、わかりにくい歯並びの不正もあります。

成人歯科検診は40歳以上ですから、もういいやと思われるかと思いますが、顎関節症や、知覚過敏の原因になっていることもあります。

その場合には原因が無くならないので症状の改善もありませんから、そのことは頭の

片隅に入れていただきたい事項になります。

 

顎関節

位置としてはだいたい耳の前のところにあると思ってください。

大きく顎を開けると少し音が鳴りますが、早い時期に鳴ったり、左右で鳴り方が違ったり、時間差があったりするか、どれくらい口を開けられるかを診ます。

片方だけカクっと鳴ったりジャリっと鳴ったりすると顎の関節が傷んでいることが多いです。歯列不正や噛み合わせ、態癖と呼ばれる癖(頬杖など)が原因であることが多く成人であれば残念ながら治ることはなかなかないです。

子供と違い関節の修復能力がないからです。

でも原因が突き止められて対処できれば改善傾向に向かいます。

明らかな原因がわからなければマウスピースを作製して原因を探っていきます。

マウスピースは保険が適用されますから費用の点は心配ありません。

それでも改善しなかったり、口が開けづらくなる傾向にあれば近隣の歯科口腔外科の受診を勧めることになるかと思います。宇治市 歯医者 検診表 なかむら歯科医院

治療以外のことも考えて子供の歯の治療に臨みます。

2022年7月14日

大人の治療もそうなのですが、子供さんの治療、特に当院に初めてお越しになる場合には治療順序をよく考えないといけないと考えています。

先ず歯科受診がはじめてかどうかを確認します。

治療したことのある場合にはその時に抵抗なく治療できたかできなかったかも保護者の方にお聞きします。また口腔内から治療本数、神経治療をしたかどうかなども確認します。

治療履歴があってもなくても子供にとっては、時世柄マスクして、どんな顔してるかもわからない先生が出てくるのですから怖いに違いありません。

また何となく、削る、抜く、注射する、というイメージをどこから知ったか、何となくなく持っているから尚更です。

マスクしているとはいえ、診療に入る前に起きている状態で目を見て挨拶をするようにしています。

どんなおじさんが出てくるか心配していますもんね。

治療したことが無くはじめて受診する場合

初めてなだけにマイナスのイメージを持たないようにしなければなりません。

大きな虫歯があったとしても、まずは痛くなく、スピーディーに診療が終わることを体感してもらうために小さな虫歯から進めることが多いです。

成功体験してもらうのです。

出来た!ということで本人の自信にもなり、来院するという抵抗感を少しでも減らすことにつながるのではないかと考えるからです。そのときだけでなく将来的にも、歯科への抵抗、マイナスのイメージが少なければ、定期検診受診への心理的なハードルが下がって将来の口腔の健康維持につながると思うのです。

だから大きな虫歯からなぜやっていかないんだろう、と思うことが保護者の方にはあるかもしれませんが、長い目でみていただけたらありがたいです。

とても協力的になってくれたら大きな虫歯に順次とりかかります。

大きな虫歯でも、できる限り神経を取らないような方策を取るようにしているので治療回数や期間がかかることもあります。

それまでに他院で治療したことのある場合

まずは治療への協力度がどうかをみます。

素直に応じてくれれば、出来る限り短期間、短時間に治療終了するよう努めます。

とてもありがたいです。

ちょっと抵抗がある場合も、基本的には初めて歯科受診した場合と同じです。

これまでとは違うな、と思ってもらえるようにしないといけません。

より成功体験してもらわないといけませんから、初回は歯ブラシ指導や進行止めの薬剤の塗布で終わることもあります。

この場合、治療に取り掛かるまでに時間がかかりますから、トータルの治療期間が長くなることもあります。

スタッフ含めて医院全体への安心感をもってもらってから診療になります。

歯科へのマイナスのイメージをここで取っておくと将来的な定期検診への抵抗が少なくなると思いますから口腔の健康を維持することにつながると思っています。

痛みを取り除くことを優先するために

痛みがあり、急を要する治療もありますからそのようにすべてできる訳ではありません。

麻酔をして神経を取らないといけないこともあります。抜歯が必要なこともあります。

こちらとしてもとてもつらいことなので、痛みなどなくても常日頃から定期的に健診していただき、そのようなことのないことを常に切望しています。

子供の、口ポカンはいけません。

2022年7月7日

7月3日日曜日、口腔機能改善装置プレオルソの勉強会に当院歯科衛生士と共に受講してきました。
宇治市 歯医者 プレオルソ なかむら歯科医院

取り外しする矯正の装置で、永久歯に生え変わるまでに用いると適応症であれば大きな福音をもたらします。

遺伝性のない受け口、ある程度の出っ歯、軽度の歯並びガタガタがそれにあたります。

人間は普通にしていると口は閉じています。
開いているのは百害あって一利なしです。

口が開いていると何が悪いのでしょうか?

口が閉じていると舌の先は通常上あごの前歯の歯と歯茎の境目についているものです。
開いていると舌は上の前歯に付けていることはできませんよね。

そうすると舌の筋力が無くなっていき、重力に従い下がります。
また寝る時に舌がその重さで気道を塞ぎますから、いびきを掻くようになります。

そうすると質のよい十分な睡眠がとれなくなるので、起きているときの集中力が欠如したり多動性障害などの原因になることもあります。

空気が鼻を通ることでそこにある大きくは鼻毛、小さくは繊毛がフィルターになって体にとっての異物をそこで排除できます。

口呼吸だといわゆる空気清浄機能が働きませんから、扁桃腺が腫れたり、アレルギーなどの大なり小なり感染リスクが鼻呼吸に比べて高まります。

歯の並びは、唇、頬、舌それぞれの筋肉の均衡の取れるところにならびます。
均衡を崩すような筋の緊張、弛緩があれば歯並びは崩れます。もちろんそれだけではありません。顎の大きさ、歯の大きさなどその他の要因もあります。

鼻呼吸が脳の活性化をさせるのです。

鼻呼吸による空気の流れそのものが脳のクールダウン機能をもたらしています。
言い換えれば、鼻呼吸できないと脳の活性化ができないと言えます。

すべてではありませんがこのように鼻呼吸するメリットはあってもデメリットはありませせん。
ただ口は閉じても歯を接触させる必要はありません。
歯を接触させるのは食事のときだけで、通常歯同士は当たっていることはありません。
もし当たっているとしたら、それもよくないです。
この歯を接触させる癖を専門用語でTCH(Tooth Contact Habit)と言い、顎関節症の原因の8割とされています。

子供のうちに口の機能を正常化させましょう

こどものうちに(成長の見込めるうちに)口腔機能を改善することはとても意義のあることです。細かな歯並びを治すというよりは、口腔機能の改善、つまり鼻呼吸の獲得、正しい舌位を覚えることや上下顎骨の前後的な位置の改善を目的とします。

あとから矯正するにせよ、これらをある程度是正しておけば治すのが難しくなりません。
上手く行けば本格矯正に至らないこともあります。
女の子なら15~16、男の子なら18~20くらいまでにほぼ成長が終わります。
歯を並べるのは何歳になってもできますが、上下の顎の位置関係の是正や、正しい舌のポジションや鼻呼吸を覚えるのは早ければ早いほどよいです。

勉強会参加により知識のブラッシュアップができました。

取り外しの装置でできることの意義はとてもあるのですが、それは細かい歯の並びを良くするものではありません。
もちろん良くなることもありますが、あくまでも歯ではなく口腔全体をよくするために行うとご理解ください。

私に聞きづらいようでしたら、担当の衛生士にお気軽にご相談ください。

神経治療したら治療期間は長引きます

2022年6月30日

宇治市 歯医者 なかむら歯科医院 歯のレントゲン

痛みの程度では神経残せるかも?

みなさんそうだと思うのですができるだけ歯は虫歯にならないようにしたいですよね。ましてや神経を取るなんて。
最近はそうでもないのですが、大多数の方は数の大小はありますが少なからず神経処置してある歯があります。
痛みの程度、虫歯の大きさなどなどから、神経処置するしない、のベネフィット、リスクを検討した上で神経処置をしてあるのだと思います。
もちろん取らないに越したことはありません。でも痛みが続くのであればやむをえません。(ズキズキ感が続いているなら神経のダメージは強く、神経を残せる可能性はかなり低いです。)

神経処置するリスクは歯の強度が落ちること、経時的に割れるリスクが増えること、根の中が細菌感染するリスクが増えること(再治療の可能性)があります。
神経の処置は一回では終わりません。治療完了まで時間もかかります。
神経を取らなければそういったリスクがないわけですからいいことずくめです。

何でもかんでも残せるわけではありません。

虫歯が大きくても神経を残せる場合もあれば、小さくても残せない場合もあります。
症状によります。

なかなか言葉で言い表せないので、こればかりは来院していただいて拝見させていただかないとわかりません。
とってしまえば元には戻せません。よほどの痛みでなければトライします。
虫歯にならないようにする。虫歯になっても神経を取るステージにならないようにする為に普段から予防を含めた定期健診は大事です。

大きい虫歯の治療は一回で終わらないかも。

麻酔をして虫歯をすべて除去すると、今まで痛みもなかったのに却って滲みてくる、ということがあります。
虫歯を除去することで神経までの距離が一気になくなり刺激を受けやすくなるからです。
当院ではそういうことのないように虫歯の大きなケースではわざと麻酔をせず、患者さんの痛みの有無を聞きながら痛みのない範囲で虫歯を除去して数か月おきに繰り返し、いわば神経と対話しながら神経を残すことに力を入れています。
もちろんそこまで頑張っても痛みがでてしまって神経処置しなければならないこともあります。

お歯黒って知ってますか。

昔の既婚の女性は前歯を黒くして既婚であることを知らしめていました。

お歯黒している歯には虫歯は無かったそうです。

成分はお茶に含まれているタンニン酸がその主成分です。

止血にも使うこともあります。

厚生労働省の認可している、大阪大学名誉教授山賀博士の開発されたタンニン酸を含んだセメントを虫歯の穴に詰めて、神経を残すために用いますのでご安心ください。

トータルの治療期間はかかりますが神経は残すメリットはかなりあります。

でも、そうならないよう定期的に健診におみえください。(笑)

日本顎咬合学会

2022年6月23日

23日、第37回日本顎咬合学会 学術大会・総会に参加してきました。
多岐に渡る演題があって、どの講演を聴講するかかなり迷いました。
インプラント、義歯、顎関節、デジタルデンティストリー、包括的歯科診療と丸一日聴講してきました。
歯周病について聞けなかったのが心残りでした。
診療に活かしていきます。

抜け替わりますが子供の虫歯は放置してはダメです。

2022年6月23日

子供は意外と痛みには強いです。

ですから痛みを訴えないことがよくあります。

気づいた時には結構大きくなっていて困ることもあります。

小さい虫歯は歯の色と同化して分かりにくいです。大きくなれば食べ物が歯と歯の間に物が詰まって色が変わったりするので分かるようになります。

治療していても白い詰め物だと取れても分からないことがあります。

詰め物が取れていなくても材料の一部が欠けている場合もよくあります。

小さい虫歯を治す時は小さく削ります。詰めていく接着面積が小さいので外れやすくなる、という理屈です。

歯茎が腫れても痛くない

虫歯が進行して、神経まで達するとその前後から痛みを感じるのですが、あるところを越えると痛くなくなります。神経がダメになってしまったのです。

そうすると神経と血管が腐敗していき膿になります。

身体としては異物ですから、出したい、でも出口がない。それで身体は膿を出すのに柔らかくて最短距離を選んで出そうとします。

それで歯茎が腫れるのです。

腫れは一時的に引くことはあっても根本の原因である虫歯、根の治療をしないと完治しません。

黒いところは削らないとダメなのか

歯の溝が黒いのは自分で分かりますが、すべて治療をする必要はないと私は考えています。

診断機材、視診、触診などで診断した上で必要なら治療します。

黒くても虫歯の進行が止まっているかもしれませんから、定期的に経過観察していきます。

削って詰めることになっても詰めたところと自分の歯との間にどうしても境目ができます。

境目に汚れが溜まるとそこからまた虫歯になることもあります。

年齢もあるでしょうけれど、できる限りは仕上げ磨きをしつつ、春期、夏期、冬期の休み毎に定期的に健診に来ていただければと思います。

定期検診を行うことで、未然に虫歯にならずにすむことがあるからです。

これは子供に限らず大人もそうですね。

神経処置の後遺症

もちろん虫歯を放置すればだんだん大きくなり神経に達します。

子供の歯の神経は歯の大きさに比べて大きいので、神経までの距離が短く、虫歯になれば進行は意外と早いです。

神経処置してしまうと、歯の根の部分が早く溶けてきて、早期に抜けてくる可能性があります。

早く抜けてしまうと隣の歯が倒れこんできて、永久歯の生えるスペースが無くなり、歯並びに影響してきます。

また虫歯の放置期間が長いとその下から生えてくる永久歯の先端の形態がデコボコしたり、歯の色に影響することがあります。

乳歯の奥歯は長くても中学生のうちに抜けます。ただし抜けても後から生えてくる永久歯がない場合があります。(先天性の永久歯の欠損です。)

ですから基本的に乳歯は抜けますが、乳歯を大事にしなければなりません。

抜けない乳歯を無理に抜くことはありません。よほどでなければそのまま使うことになります。気になるようであればレントゲン写真を撮らせていただきます。

ですから子供の歯の虫歯は抜けるから、まあいいや、はよくないのです。

 

学校検診で感じたこと

2022年6月16日

先週、担当させていただいている小学校へ歯科検診に行ってきました。少子化とはいえ、ひと学年2~3クラスありますから150人くらいの数です。とても一回では診きれないので例年3回に分けて検診をしています。

診療と同じように正面からでなく頭上から診るスタイルで検診を行っています。私にとってはその方が奥の方までよく診えるからです。

検診で何を診ているのか

虫歯はもちろんなのですが、歯垢の付着状態、歯石の付着の有無、歯茎の腫れの有無上下の噛み合わせ、歯並びのガタガタ具合、顎関節の異常の有無、軟組織の異常などを診ていきます。

最近では口腔への意識も高くなっていて虫歯のない子供たちがほとんどです。

数少ない虫歯のある子供たちの虫歯の数は1~2本ということでなく、数多くあることがほとんどで治療痕もないことが多いです。

ある意味格差がとてもあります。

保護者の方が子供を医院へ連れていく時間が無いのかもしれませんし、ネグレクトでないかを服装で覆われていないところを見て判断したりします。

 虫歯

虫歯を放置しておけば乳歯の生え変わりの時期が早まり、永久歯の歯並びの悪くなる原因になったり、あまり噛もうとせず咀嚼効率が悪くなったり、片噛みの癖がついたり、ひどくなれば歯の根っこの炎症を引き起こし顎の骨にも炎症を起こさせたりします。

乳歯は抜けるからと言って放置してもよいことはありません。

治療に足を運んでもらいたいと思います。

 歯の汚れ

歯垢の付着も、綺麗かそうでないかの両極端に分かれます。

長い間歯垢が付着している場合、歯垢の色が白ではなく橙色をしています。

前歯、下顎の奥歯の舌側がそうなっていることが多いです。

これも適切な歯ブラシの指導を受けてもらいたいと思います。

歯垢の付着は虫歯、歯肉の炎症の原因となります。子供の歯周炎も増加傾向にあります。

子供でも歯石は付着します。歯石は取り残されていた歯垢が硬くなったものです。

ブラッシングが上手くできていない、ということです。

 噛み合わせ

受け口、出っ歯、上と下の前歯が空いている開咬、前歯のガタガタ、があるかないかをチェックします。

受け口は早急に治した方がよいです。遺伝的な受け口でなければ年齢一桁のうちに対処した方がよいです。

出っ歯、開咬、ガタガタについてはなかなか難しいのですが、やはり早めに治療を開始、もしくは診察を受けた方がよいかと思います。

 顎関節

顎関節の異常は態癖と言われる習癖が原因であることが多いです。

その習癖というのは、うつぶせ寝、頬杖、寝ぐせ、などを言います。

頭はボーリングの玉と同じくらいの重さがあります。反作用でそれくらいの力が顎にかかっていますから歯並びに大きく影響してきます。ちなみにですが歯の矯正力は250~300gです。

学校歯科検診を通して小児期の治療、定期検診の重要性をご理解いただければありがたいです。

もしお子さんが学校検診の紙をもらってこなくても、年に数回は健診にはお越しください。

取れた詰め物を付けるだけなのに、すぐ診てもらえないの?

2022年6月8日

実はやることいっぱいあります!

詰め物、被せ物が急に取れた経験はありませんか。

取れただけで何の不自由もなかったし、取れた物もあるし、着けるだけならそんなに時間もかからないだろう、と思いますよね。

何の問題もないならしれでよいのですが、問題があるのかどうかを確認しなければなりません。適合が悪くないのであればセメントの崩壊による接着力の低下なのですが、何故崩壊したのでしょう?

噛み合わせに問題がないのか?

取れた物の一部がとても強く当たっている、それも当たらない方がよい所なのか当たらないといけないところか。

当たらない方がよい所なら、当たらないように調整しなければなりません。

当たらないといけないが、適当でない場合は適切に調整しなければなりません。

取れた物の大きさによって調整する時間は変わります。適切な噛み合わせにして今後取れる可能性を減らしておきたいからです。

虫歯や歯の欠けは無いのか?

中が虫歯になっていれば隙間が出来ますから外れてきます。

歯の一部がかけていても、セメントが崩壊して外れてきます。

そういった場合は歯を削ったり、型を取ったりという治療をしなければなりませんからそのための時間が必要になります。

歯が折れていることもあります!

神経の無い、いわゆる差し歯というもので、土台ごと取れてくることがあります。

取れた物に折れた歯の一部が付いていることもあります。また金属の土台が折れていることもあります。

土台が短くなっているといくら強力なセメントを使っても、また取れます。

状況によっては、残っている歯自体が割れていることもあります。

そういった場合には、再度土台の型取りや、型の取りなおしをしなければなりません。(抜歯や根の治療になることもあります。)そのような場合には改めて予約していただき、治療時間を確保して診療することになります。

接着を待つ時間は5分

運よく取れた物をつけれたとして、そこからセメントが硬化する時間を待たねばなりませんし、その後はみでたセメントを除去しなければなりません。

セメントの取り残しは歯石と同じように歯垢が付着しやすくなり、歯肉に炎症が起きますから、そのようなことのないようにしなければなりません。

そんなこんなでセメント自体の硬化を待つだけでも5分、除去するのに更に数分はかかります。

前からご予約いただいている方の時間は削ることはできません。

当院は予約制で運営しています。できる限りフレキシブルに対応はしたいと思っていますが、前々からご予約いただいている方の診療時間は確保しなければなりません。また感染予防対策として患者さん毎に使用ユニットの洗浄、消毒を行いますのでその時間も必要です。

以上のことから、今まで不具合のない詰め物や被せ物の脱落とはいえ、行う診療は簡単ではありません。ですから、すぐに、ご希望の時間に、対応できないことがあります。

ご理解いただきますようお願いいたします。

糖分2

2022年5月30日

お菓子にも結構な量な砂糖が入っています。

間食は極力控えてください。

歯の外傷

2022年3月12日

本日診療終了後、京都府歯科医師会主催によるzoomセミナーを受講しました。
愛知県開業 月星先生による歯の外傷についての講演でした。

歯の外傷、いわゆる歯のケガです。
子ども、大人、問わず起こり得ます。またさまざまなシチュエーションが考えられます。

交通事故なら一般的にはまず病院に行き、そこからの受診になりますから神経を取ったり抜歯になる可能性がかなり高くなります。

歯が折れた場合も、どこで折れているのか、飛び出しているのか、めり込んでいるのか、折れたり抜けたりした歯はあるのか無いのか、どれくらい時間が経っているのか、などなどで処置は変わります。

また緊急で来られるので、対応する時間がなかなかとれないのが実のところです。
口腔外科や小児歯科の専門医に対応してもらう方がよいこともあります。

皆さんご存知かと思いますが、もし折れてしまったら折れた歯を牛乳に漬けて持ってきてもらうことは有効です。文献上72時間が限度のようです。
ただし無調整牛乳でお願い致します。

持ってきていただいても戻せないこともありますし、神経処置しないといけないこともあります。

外傷の場合、神経が残る残らないかがすぐわからないこともよくあります。年単位で経過を見ないといけません。
ぶつけた後、見た目は何もなくても歯の色が黒ずんでくることがあります。
神経がダメになっていることが多いのですが、神経が賦活して少しずつ色も戻ってくることもあるのです。
大人はなかなかそうはいかないのですけれど。

経時的にぶつけた歯は抜歯になることもあります。
またそのまま使えないこともあり、矯正治療やインプラント治療することもあります。

不可抗力であることがほとんどかと思いますが、頭の片隅に入れておいてください。

ワクチン接種

2022年3月6日

昨日の診療終了後、宇治市役所における集団ワクチン接種における経過観察業務に出務してきました。

体調悪くなる方もおられず無事終了しました。

本日の研修

2022年2月12日

本日診療終了後、京都府歯科医師会主催のzoomセミナー(2時間ほど)を受講しました。

京都府歯科医師会は会員に向けておよそ2〜3ヶ月毎に研修会を主催してくれます。

臨床家にとって有益な情報ですので、特にこのような状況ではzoomセミナーはありがたいです。

少しでも知見を広げて、診療の一助に役立てたいと思います。

歯周病と糖尿病

2022年2月11日

歯周病は

脳梗塞、脳卒中、アルツハイマー病、認知症
冠動脈心疾患
すい臓がん、慢性腎疾患
2型糖尿病、非アルコール性脂肪性肝疾患、
関節リウマチ
骨粗鬆症

結腸がん、直腸がん、

早産、低体重児出産

と関連しています。

糖尿病の合併症として

神経障害(手指の感覚異常)
網膜症(中途失明の原因一位)
腎障害(透析の原因一位)
大血管障害(脳梗塞、心筋梗塞)
歯周疾患

があります。

血糖コントロールの不良な糖尿病患者では歯周病に罹患しやすく重症化しやすいです。

歯周炎の治療には血糖コントロールが重要
血糖コントロールには歯周炎の治療が重要です。

歯周炎の治療は慢性炎症で起こります。
一番はプラークコントロールを適切に行うことです。
自分では磨けているつもりでも磨けていないことが多いです。

歯周病菌を完全に取り切ることはできません。
接吻などでは移りませんが、口腔内を清潔に保つことはとても大事です。
そうすることで口腔内の細菌叢を悪さしないようにするのです。

口は健康の入り口、病気の入り口

2022年1月30日

アメリカ科学雑誌”ネイチャーメディシン”に論文が掲載されました。

「口腔内の細胞に新型コロナウィルスが直接感染する。」

口腔内の細胞が気づかぬうちに感染し、唾液を飲み込んで気管や肺にウィルスが侵入したり、他人に飛散させたりする培養装置になっているとしています。

口腔内細菌の出すタンパク質分解酵素は、ウィルスが口腔粘膜細胞の中に感染することを促進すると考えられています。

特に歯周病菌は強力なタンパク分解酵素を持っています。

歯周病菌の出す毒素が口腔粘膜の粘液の層を破壊しレセプターが露出するためウィルスの吸着が容易になります。

新型コロナウィルスの場合、ACE2(アンギオテンシン変換酵素2)受容体を持つ細胞に感染することが報告されています。

ACE2受容体は体内のあらゆるところに存在しますが口腔粘膜にも多く存在すると報告されています。

肺炎や慢性閉塞性肺疾患などの慢性呼吸器疾患、糖尿病やがんなどの基礎疾患を有する新型コロナウィルス感染者の重症化と死亡率が2~3倍高いことが報告されています。

さまざまな疾患において歯周病や口腔細菌との関連性が指摘され、近年では特に周術期における口腔衛生管理が誤嚥性肺炎などの術後合併症を減少させることから広く行われることになりました。

気管支肺胞洗浄液に歯周病原菌をはじめとする口腔細菌が多数検出されることや、重度の歯周病患者は肺炎による死亡率が4倍近くも高まること等が報告されています。

以上のことからこういう時だからこそ口腔健康管理が大切と考えます。(セルフケア、プロフェッショナルケア共に大事です。)