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口は健康の入り口、病気の入り口

2022年1月30日

アメリカ科学雑誌”ネイチャーメディシン”に論文が掲載されました。

「口腔内の細胞に新型コロナウィルスが直接感染する。」

口腔内の細胞が気づかぬうちに感染し、唾液を飲み込んで気管や肺にウィルスが侵入したり、他人に飛散させたりする培養装置になっているとしています。

口腔内細菌の出すタンパク質分解酵素は、ウィルスが口腔粘膜細胞の中に感染することを促進すると考えられています。

特に歯周病菌は強力なタンパク分解酵素を持っています。

歯周病菌の出す毒素が口腔粘膜の粘液の層を破壊しレセプターが露出するためウィルスの吸着が容易になります。

新型コロナウィルスの場合、ACE2(アンギオテンシン変換酵素2)受容体を持つ細胞に感染することが報告されています。

ACE2受容体は体内のあらゆるところに存在しますが口腔粘膜にも多く存在すると報告されています。

肺炎や慢性閉塞性肺疾患などの慢性呼吸器疾患、糖尿病やがんなどの基礎疾患を有する新型コロナウィルス感染者の重症化と死亡率が2~3倍高いことが報告されています。

さまざまな疾患において歯周病や口腔細菌との関連性が指摘され、近年では特に周術期における口腔衛生管理が誤嚥性肺炎などの術後合併症を減少させることから広く行われることになりました。

気管支肺胞洗浄液に歯周病原菌をはじめとする口腔細菌が多数検出されることや、重度の歯周病患者は肺炎による死亡率が4倍近くも高まること等が報告されています。

以上のことからこういう時だからこそ口腔健康管理が大切と考えます。(セルフケア、プロフェッショナルケア共に大事です。)

本日の研修

2022年1月29日

本日診療終了後に、京都府歯科医師会主催の研修会にzoomにて参加しました。

治療時の偶発症への対応、基礎疾患への対応、訪問診療のイロハ、などの講演でした。

訪問診療の知見を積み上げていき、いずれ実践していきたいと考えています。

栄養素について

2022年1月23日

タンパク質低栄養は歯周病のリスク因子です。
噛めない人は炭水化物を多くたべる傾向にあります。

イモ類、穀物を多く食べる
ナッツ、果物、キノコ類、魚介類、肉類、牛乳・乳製品、お茶・紅茶が少ない傾向です。

歯が痛くて噛めない、歯が抜けて噛めない、義歯が適合せず噛めないと摂取しやすい炭水化物を過剰摂取し、タンパク質低栄養になります。

いろいろな問題点はありますが、同じ食べ物でもなるべくGI値の低い食事にして血糖値の上昇をなるべく低い方がよいとされています。

白米より玄米、
食パン・フランスパン・ベーグルより全粒粉パン・ライ麦パン・
うどんより日本そば
コーンフレークよりオールブラン

など

低GI値食(食物繊維)では栄養吸収がゆるやかなのでインスリンの過剰分泌がありません。
人間が吸収しきれない残り物を腸内細菌が餌にしています。そうすることで腸内細菌が健全化されます。

歯周病と糖尿病の共通リスク因子があります。
それは慢性炎症、低栄養です。炎症の方がリスクは高いです。
低栄養としてはビタミン、ミネラル、マグネシウム不足
慢性炎症はプラーク(歯垢)、内臓脂肪で、そちらへのアプローチが必要になります。

意外なのがマグネシウム欠乏です。
糖尿病、歯周病の共通因子です。

腹部の肥満、運動不足、ストレス、喫煙、睡眠不足、加齢、穀物の食物繊維と共にマグネシウム摂取不足による新型栄養失調が
インスリン抵抗性が増大し、インスリン分泌能が低下します。

マグネシウムは白米を玄米、発芽米にすることで接種できます。

歯を喪失すると食材をなんでも噛んで食べることができなくなり食事内容が変わってしまう。
そのためタンパク質低栄養になりがちです。
多数歯を喪失したひとにとっては噛めないために低栄養になる可能性が高くなります。
栄養の知識があっても噛めないために低栄養になります。

義歯やインプラントなどで咬合力や食品粉砕力を回復させることが栄養状態を改善させることにつながります。
通常の義歯とインプラントでは噛める力は有意差があるくらい違います。

ただ噛めるようになっても食事の改善が見られないと(糖質偏重食やタンパク質低栄養のまま)意味はありません。
治療と共に栄養の改善が(食生活の改善)必須なのです。

食生活は大事です。

2022年1月23日

ハーバード大学のダニエル・リーバーマン教授によれば、歯科疾患の原因は人類が美味しさを追求した食文化が原因とおっしゃっています。

オーストラリアやニュージーランドの先住民で、その方たちの従来の食べ物と近代化された食べ物(加工食)を主食にした2つの集団に分けた人類学的な研究があります。

加工食の集団では、むし歯や不正咬合がかなり発現したそうです。

縄文時代ではいわゆる狩猟生活でいたが(肉食)、マンモスなどの大型草食動物が絶滅すると、そのマンモスなどが主食としていたイネなどを人類が食べるようになっていったそうです。
肉食の時にはむし歯はなかったそうですが、イネを美味しく食べるように工夫していった結果むし歯の発現率が高くなっていったと考えられています。
(最初は生米のまま食べていたそうです。)

でんぷんのままでは美味しくなく、加熱して糊化したでんぷんに変えて食するようになったそうです。煮炊きすることで美味しさが引き出されるのです。

少し前の研究です。4週間の旧石器時代人の生活を歯ブラシなしでしてもらったところ、歯磨きができなくても歯肉出血と歯周ポケットの深さは減少したそうです。

またインディアナ大学の研究ですが、通常の生活で3週間歯磨きを中止するとエンドトキシン血症(細菌毒)を発症するそうです。う蝕、歯周病、歯原性菌血症が生じるとのこと。もちろん歯磨きを再開すると正常に戻ります。

人類の進化と食生活の変化で口腔内の細菌叢は変化しています。

また成長と老化によっても口腔細菌叢も変化します。
乳児と歯のある幼児でも細菌叢は違います。歯面にバイオフィルムが出来、有害な菌が多くなります。一度定着した菌を交代させることはとても難しいそうですが、栄養指導や食事指導などと組み合わせて細菌置換療法を行うことで虫歯や歯周病に対応していきたいと思っています。

咬み合わせの異常はむし歯より恐ろしい

2022年1月16日

咬み合わせが悪いと歯が長持ちしません。咬み合わせが悪いと歯茎にダメージを与えるためです。

噛んだ時に早く当たる歯がある
歯が浮く感じがする
噛んだ時に痛みや不快感がある
歯がしみる
歯にものがよくつまる
歯茎から出血がある

などの項目に1つでも当てはまる方は咬み合わせがよくないことで症状がでている可能性があります。

歯の神経を取って金属の被せ物がしてあると、金属と天然歯の硬さの違いで摩耗程度が異なり噛む力が集中して何となくむず痒いとか歯が痛痒いという症状がでることもあります。

ある歯だけに強い力が慢性的にかかり続けると、その歯の周りの骨を溶かしていき、しみるようになったり歯が揺れてきたり、揺れることで歯と歯の間が空くのでものがよく詰まるようになります。

また部分的に強い力が加わってくると歯茎が充血します。充血した歯茎は歯磨きなどのちょっとした刺激で出血したります。
これを放置すると歯茎が腫れるようになり将来歯を失う原因になることもあります。

きれいな歯並びの方でも歯茎のダメージが起こる可能性は充分に考えられます。
歯茎のダメージは噛む力の大きさと分布に関係しています。
前歯の咬み合わせをみるとある程度ダメージの起こりやすい歯茎の部位が類推できます。

しみる原因は知覚過敏だけか

2022年1月15日

歯がしみると知覚過敏か虫歯を疑うと思います。

虫歯についてはわかりやすいですよね。
虫歯により、歯の神経までの距離が少なくなり刺激を伝えやすくなるからです。
放っておくと虫歯が進んでどんどん神経に近づいていきます。

最初は冷たいものがしみて、甘いもの、熱いものがしみていきます。
冷たいものが一過性にしみている内は神経を残せる可能性が高いですが、しみる時間が長くなったり熱いものがしみてくると神経を残せる可能性が低くなり、ズキズキしてくるようだと残せる可能性がほぼ無くなります。

神経を除去することになると治療期間も長くなり歯を削合する量も増えます。
また経時的に歯が割れやすくなります。(神経があると割れることはあまりありません。)

ですから歯の神経を残すことは大切なのです。
虫歯にならないことが一番ですが、もしできてしまっても初期に見つけられればよいのです。
そのために定期検診に来ていただくのです。

歯周病が進行すると歯を支える骨が減ります。それとともに歯茎が痩せてきます。
そうすると歯の根っこの部分が露出してきます。その部分に刺激があるとしみてきます。
根っこの部分は刺激を歯の神経に伝えやすいのです。

また歯周病の原因である歯垢が、歯ブラシがうまくできていなくて慢性的に付着していると歯茎に炎症を
起こして浸みてきます。ダブルの原因でしみるのです。

歯周病が原因である場合は、歯石除去と共に歯垢をしっかり除去できるブラッシングをマスターしていただくことがしみることを解決する方法となります。
各自磨き癖などありますから個人のブラッシングだけでは取り切れない歯垢も出てくるので、定期的にプロによるクリーニングが必要となります。

個人により定期的なクリーニングの時期は変わります。

かみ合わせがよくないことで起こることもあります。
歯が強く当たることで歯にヒビが入っていくことで神経まで刺激を伝えやすくなってしまいます。
亀裂は見えることもありますし、見えないこともあります。
歯が欠けてくることも、神経がダメになることもあります。
噛みしめの力の強い方もその傾向があります。全体がしみるとか朝起きると顎が疲れているとかの症状があります。

かみ合わせでいうと、前歯が噛んでいない方、出っ歯の方など
かみ合わせの力の強い方は、いわゆるエラの張った顎の方や前歯の先が削れている方など

かみあわせが原因で浸みる方は、矯正治療やマウスピースなどの対処となります。
マウスピースに関しては保険診療で作成することができます。

定期的にかみあわせのチェック、高さの調整が必要になります。
高さの調整は虫歯を削るようなの痛みはありませんのでご安心ください。

診査をつくしても原因のわからない”しみる”もあります。
それが知覚過敏です。
その場合に知覚過敏用の薬剤、レーザー、歯磨剤などの対処をします。
色々な薬剤、歯磨剤があるのですが、逆に言えばこれという特効薬がないのです。

睡眠時無呼吸症候群

2022年1月9日

Sleep apnea syndrome 略してSAS 睡眠時無呼吸症候群について

子供の早期矯正治療と緊密な関係があります。
睡眠時無呼吸症候群(以下SAS)の予防的な根本治療は子供の時期の矯正治療が非常に有効であると言われています。

SASの多くは主に硬組織と軟組織に起因することが多く一つの形態異常と推察されます。
上顎前突(いわゆる出っ歯)の早期治療することが将来成人での重篤SASの予防になります。

出っ歯は下顎が後退していることが多いです。
横から顔を見たときに鼻先と上唇を結んだ線よりも下顎が引っ込んでいる状態。
唇を閉じたときにいわゆる”ウメボシ”ができる方など。
遺伝的な傾向がありますから、両親のいずれかが当てはまる方は観察してみてください。

下顎が奥にあることで、舌が後ろに押しやられて気道が狭くなります。
当然寝ると重力で更に狭くなってしまうと考えられています。

ですから骨格の変化を期待できる6~8歳の時期を逃さないようにすれば将来のSASを予防できると期待できます。
つまり下顎を前方に成長させて舌の位置を正常な位置に戻すことが大切なのです。

そのうちと思っているうちに成長見込める時期は意外と早く通りすぎていきますから、気にかけていてください。

取り外しの矯正装置

2022年1月2日

出っ歯やガタガタの治療も出来るだけ早い方が良いとお話しました。

子供は適応能力が高いです。早ければ早い方が当たり前になります。

鼻が悪くて口呼吸しかできないと装置が使えません。耳鼻科での治療が優先です。

口呼吸しかできていない子供は、鼻呼吸ができるようになるだけで改善できることが沢山あります。

口がポカンと空いている子供はその傾向がありますから確認されるとよいかと思います。

基本的に口腔内に入れるものですから軟らかい装置になります。
(受け口のものは硬いです。)

装置を入れる期間はすべて永久歯に生え替わるまで、具体的には中学生まで。

結果が見えてくるのは一年くらい経ってから。
きちんと装着していなければ当然結果は伴いませんが、適応症と診断しても残念ながら結果が出ないことも稀にあります。

ある程度長い期間になりますから成長もあり交換が必要になります。
およそ1年に1装置と考えてもらえればよいです。
(噛む力もあって壊れることもよくあります。)

骨格の部分が改善されていれば、細かな不正は後で修正しやすいです。

費用対効果が比較的よいのではないかと思います。
何ごとも始めが肝腎です。

出っ歯とガタガタ

2022年1月2日

受け口の時のブログの写真にあげてありますが、成長曲線は部位によって違います。

頭部が先に成長し、後から下顎含めた部分が成長していきます。

受け口の治療は頭部の成長のあるうちに始めた方が良い、しかも可及的に早い方がよいです。

身体も頭部に続いて成長していきます。
出っ歯は下顎の劣成長であることが原因の一つです。
(上顎の過成長であることもあります。)

ガタガタは顎の大きさが小さくて歯が並びきれないことが多いです。
(歯の大きさが大きい場合もあります。)

ですから出っ歯もガタガタも、成長があるうちに治療は始める方が良いです。

成長のあるときの治療はワイヤーを使うのではなく、顎の成長を促すことが主になります。
(日中1時間と夜間使用の取り外しの装置になります。)

きちんと歯並びを治す、というよりは大枠を治すという感じです。
(劣成長を出来るだけ解消することを目標とします。)

年齢からいうと6歳から12歳まで。
それ以降になれば取り外しの装置で治療は難しく、いわゆるワイヤーでの治療になります。

出っ歯具合、ガタガタ具合がキツければ抜歯して矯正していくことが多いです。
(抜歯なしで治療できることもあります。)

時期を逸するとできない治療が、小児矯正です。
もちろん資料採取した上で適応症かそうでないかを診断していきます。

適応症でないケースもあります。その場合は矯正専門医での治療がよいでしょう。

年末年始のお知らせ

2021年12月30日

12月30日〜1月3日までお休みさせていただきます。

1月4日(午前のみ)より診療致します。

宇治市休日診療所歯科は29日〜3日 10時〜15時 開所しています。

受診される場合には事前にお電話にてお問い合わせください。

大阪口腔懇話会

2021年12月18日

本日診療終了後にzoomによる講演会に参加しました。

主催は大阪医科薬科大学口腔外科学教室です。

数年前からご縁があり、ご好意で参加させていただいています。

診療中の併発症についてでした。
そのようなことにならないように細心の注意をしながら診療してまいります。

服用薬の変更などありましたら適宜お知らせください。

インプラントの条件

2021年12月18日

歯は歯槽骨にうわっています。

歯よりもインプラントの大きさは小さいのですが、インプラントを植立するには歯がうわっている時と同じだけの骨の高さと幅が必要です。

歯が失われて時間が経てば経つだけ骨は吸収していきます。

ですからインプラントするには、歯が喪失してから余り時間が経ってない方が条件はよいということです。

今は条件が悪くてもインプラントできるようになりました。でもそれは何でもできるということではありません。

骨の幅が小さい、高さが足らない、その両方がよくない、ということがあります。

幅が足らない、ことに対して程度はありますが、比較的大掛かりにならずにリカバリーすることが可能になります。(薄すぎるのは別です。)

高さが足らないのはとても大掛かりな処置が必要になります。(どこかから骨を持ってくるなど)

レントゲンやCTなどから幅や高さを調べていきます。
噛み合わせなども加味してインプラント治療の難易度をシュミレーションしていくのですが、難易度が高いケースは専門医に相談していただく方が良いと思います。

医療に絶対はありません。
それでも自分の技量の中で安全で確実性が高いと考えられる治療を心がけています。

ワクチン接種

2021年12月18日

先週日曜日、ワクチン接種経過観察に出務してきました。

2回目の方ばかりで皆さん慣れたものです。

接種が始まった頃に比べると人数も少なく、早くしないと怖い、という雰囲気もないように感じました。

来年には3回目があるようですが、どういう状況になっているでしょうか?

インプラントの前に

2021年12月16日

歯は歯槽骨と言われる骨の中にうわっています。

残念ながら抜歯になってしまうと、存在する必要が無くなるので骨は吸収していきます。

歯周病や歯が割れて抜歯になった場合にはその吸収は顕著です。

抜歯に至る原因によって残る歯槽骨の量は変わります。
義歯でも、骨がしっかりある方は義歯は安定しますが、ない方は不安定です。総義歯になれば特にそうです。

昔の先生で、よくない歯を無理して残して骨を無くすより、さっさと抜いて骨を残してしっかり噛める義歯を作った方が後々のことを考えるとよほど良い、と豪語された方がいらっしゃったとか。

若い頃この話を噂話で聞いた時には極論だなぁと思っていましたが、超高齢社会を実感している今ではそれもありだと思うようになりました。

介護する側、される側、どうあればお互いベターなのか状況を見極めないとなりません。

出来る限り抜歯しないのがよいのですが、骨を残すため戦略的に抜歯をした方がよいというのはこういうことを考えるからです。

抜歯にならないようにするにはどうすればよいか。

抜歯の原因には
虫歯
歯周病
歯牙破折

などが考えられます。
少しでも防ぐ手立ては、月並みですが、定期検診です。
何でも初期のうちに対応できれば大きく手を入れる必要がなくなるからです。
また歯牙破折に対しては夜間使用のマウスピースが有効です。
個別に状況は変わりますから診察上何が有効か決まります。

残念ながらただ絶対防げる、ということではありません。少しでもリスクを減らす、と考えてください。
大切なことです。

ワクチン接種

2021年12月14日

先週の日曜日、宇治市役所において行われているワクチン接種の経過観察業務に出務してきました。

接種者全員が2回目の接種で、先月とは違っていました。随分接種が遍く進んでいるようです。

基本的な生活様式はこれからも変わらないですが、気をつけていけば、普通にしていけばよいと個人的には思います。

来院される前にはご自宅で検温をしていただき、体調の良くない時には自重をお願い致します。

受け口の治療 続き

2021年12月10日

治療の方法は2つ

いわゆる金具をつけて、ワイヤーで歯を動かしていく方法。

もう一つは、年齢が1桁限定の、取り外し式のものです。
基本的に就寝時と日中1時間に口の中に入れます。

私は出来たらなるべく子供の負担にならない取り外し式のものがよいと考えています。

取り外し式のものは自分で外すことができますから、使用方法をしっかり守らないと効果が出ません。
口の中に入れてられないと意味がありません。

その点ワイヤーは自分で外すことはできません。
確実に治療は進みます。

取り外し式では、きちんと取り組めば半年から1年で効果はでます。
やらなければ治りません。

もちろんすべての方で上手くいくとは限りません。
また、先に診断するのですが、late growth すなわち18歳頃からの成長は予想はできません。
そのせいで一時よくなった噛み合わせが、下あごの成長で元の受け口にもどることもあります。

子供のうちに受け口は是非治すべきです。
意外と子供は入れてられるものです。

中学生ではできません。
親が子供を引っ張ってこれるうちにやってしまわないといけません。

受け口の治療

2021年12月9日

反対咬合、いわゆる受け口の治療についてのお話。

受け口は、前歯の乳歯が永久歯に生え替わる時に直ることもありますが、それ以外では経過を見ていっても自然に直ることはほぼありません。

特に家系のどこかにそういう方がいらっしゃるならなおのことです。

赤ちゃんの体の頭と胴体の比率と、成人のそれではかなり違います。いわゆる何頭身ですね。

人間の成長は一律ではなく、部位によって成長する時期が違います。ざっくりいうとまず頭部からで、残りは後からです。

簡単にいうと上あごは頭部、下あごは胴体にそれぞれ含まれます。

頭部の成長が先におおよそ終わり、胴体はある程度持続して成長していきます。
上あごの成長が先に終わるということです。

受け口だと、前に出ている下の前歯が上の前歯の前にあるので、上あごが成長しようとしても下の前歯で抑制されてしまいます。

その後に下あごが前に成長していくので上の前歯が下の前歯を追い抜くことはないことがほとんどなのです。

それを考えると受け口についてはなるべく早めに治療していくべきなのです。

歯科矯正

2021年12月7日

先週土曜日、診療終了後 宇治市、城陽市、久御山町、宇治久世歯科医師会、宇治久世学校歯科医会による合同学術研修会に行ってきました。

タイトルは、私って矯正治療必要なの? でした。

講師は宇治久世学校歯科医会委員 居波薫先生でした。

タイトルの通り、矯正治療を行う必要はあるのか、やるならいつからやるのがよいのか、などの話を学会の指導医でもあり専門医の立場から講演されました。

私自身は一般開業医、ジェネラリストではありますが、他の科目同様に矯正治療も研鑽を積んできたので見解の相違はなかったです。

人間には個体差があり、同じよくない噛み合わせでも支障をきたす人、支障が出ない人、がいます。

支障がでるかでないかは大人にならないとわかりません。ですから、よくない噛み合わせを小さいうちに可能な限り治療していくことはとても意義のあることです。

小さいうちに治療する方がよい噛み合わせとその対策は次回に。

歯内治療について

2021年11月28日

11月27日(土)診療終了後、所属する宇治久世歯科医師会主催の学術講演会のスタッフとしてのお手伝いと共に聴講をしてきました。

京都駅前で歯内治療専門の歯科医院を開業されている神戸良先生を講師に迎え、歯内治療のお話です。

患者さんからは何をしているかよくわからないと思います。

虫歯が進行してしまうと、所謂神経と言われる歯髄を除去します。

歯の形によって歯の神経の入っている穴、これを根管というのですが、1〜4本あります。
太さも根の尖端で直径0.06〜0.25ミリと様々です。

これを無菌化しつつ半永久的に変化しない材料で根管内を埋めて、詰めたり被せたりします。

程度の差はあれ根管は曲がっておりその形に相似形に大きくしなければならず、とても繊細な作業です。

そのため歯の種類にも違いますが治療回数がかかります。治療が進んでいても見た目に変化がなく時間かかっているのに全然進んでない、と思われるかもしれません。

それが終わってようやくいわゆる上物に取り掛かります。

一度治療したら二度と悪くならないということではありません。虫歯になったり、被せ物の適合具合が悪かったりすると再感染をきたし神経はなくても歯が痛んでくることがあります。

そうすると再度、根の治療を上物を外して根の治療をやり直さないといけません。

そのときは初回よりも歯の条件が悪くなっていることが多く、治療は難しくなります。後々の結果もよくならないことが多いです。

歯の神経が残せればそういうことはしなくてすみます。だから神経を残すことに注力するのです。

あくまでも根の治療は“敗戦処理“と思ってください。

そうなる可能性を少しでも減らすために定期検診はとても大切なのです。

検温について

2021年11月21日

当院では来院時に受付にて検温させていただいておりましたが、緊急事態宣言の解除や宇治市の状況を鑑み検温を中止することにしました。

来院前にご自宅での検温をお願いします。

また体調不良の際は無理をなさらずご連絡いただくようお願い致します。

保健所からの指導によりフェイスシールド、防御ガウンは引き続き使用してまいります。