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歯ぎしりや噛み締めはマウスピースで治らない

2026年7月23日

マウスピースは歯ぎしりや噛みしめを治すための装置ではありません。

宇治市 歯医者 mouthpiece1 なかむら歯科医院

朝起きた時に顎が疲れている、噛み締めしているのがわかる、だからマウスピースを作って欲しいと来院される患者さんがある程度いらっしゃいます。そういう訴えのあるときに私は必ず、マウスピースは歯ぎしりそのものを止める装置ではありません、と伝えます。それでよければ作成します、と。マウスピースの役割は硬い歯と歯が直接こすれ合って削れることを防ぐのが一番の目的です。その次に歯ぎしりや噛みしめの力が顎関節に強い衝撃が行かないようにする防具です。

なぜマウスピースで治らないのか

マウスピースを入れても、脳からの噛めという指令は止まらないため、夜間の噛み締め自体が続くのです。精神的、身体的ストレスによる不安を処理して脳を守る防衛反応として、睡眠中に噛み締めてしまうのではないかと考えられています。現代人の宿命とも言えますがストレスフリーで生きていくこともなかなかできません。何か対策はないのでしょうか。

噛み締め(クレンチング)と歯ぎしり(グラインディング)

どちらも無意識のうちに歯や顎に強い負担をかける行為(ブラキシズム)ですが、同じではありません。

噛み締め(クレンチング)

宇治市 歯医者 braxism なかむら歯科医院

上下の歯をグッと一箇所で強く噛み込み続ける行為です。筋肉が緊張し続けるため、顎の関節やエラの部分の筋肉に大きな負担がかかります。朝起きると顎がだるいとか、舌の側面がギザギザした形になっているというサインが現れます。

歯ぎしり(グラインディング)

宇治市 歯医者 bruxism-kids なかむら歯科医院

上下の歯を横や前後にギリギリと擦り合わせるタイプです。上下の歯同士が激しくこすれ合うため、歯の表面が削れやすく、知覚過敏の原因になります。前歯の先端が平らになっていたり、夜中うるさいと言われるなどのサインが出ます。

噛み締め時にかかる驚きの重量

食事の際に硬いものを噛む力は、最大でもせいぜい自分の体重と同程度です。しかし、就寝中の無意識な歯ぎしりや噛み締めでは、体重の2〜5倍、およそ100kg〜300kgもの負荷が歯や顎にかかっている。これは力士1人が歯の上に立っているような数値です。さらに問題なのは時間です。食事で強く噛む瞬間は1日合計でもわずか2分くらいとされていますが、噛み締め癖がある人は、日中夜間合わせて数時間負荷をかけ続けています。

日中の噛み締め癖が大きく影響しています

宇治市 歯医者 20min  なかむら歯科医院

人間が何もしていないとき、唇は閉じていても本来上下の歯は接触せず、1〜2mmの隙間があるのが正常です。これを生理的安静位と言います。本来、人間の上下の歯が接触している時間は、1日の中で食事や会話を含めても20分までが正常です。しかし、スマホやPC作業に集中する現代人は、1日に数時間も無意識に歯を接触させています。家事も例外ではありません。無意識にずっと歯を触れ合わせている人が急増している。これをTCH(Tooth Contacting Habitの略)、歯列接触癖と言います。

TCHがトリガーになっています

微弱な力でも、何時間も歯を接触させていると、顎の筋肉が緊張状態を記憶してしまいます。この持続的な微弱ストレスが夜間の100kg超の爆発的な歯ぎしりを引き起こす引き金になっています。日中の筋肉の緊張がリセットされずに夜間に持ち越され、就寝中の激しい歯ぎしりや噛み締めを引き起こすと言われています。

歯ぎしりや噛み締めがもたらす2大症状とは

知覚過敏と顎関節症です。どうしてその症状がおこるのでしょうか。

知覚過敏

宇治市 歯医者 hys なかむら歯科医院

毎日何百キロもの力が歯に加わることで歯、特に歯の根元に、目に見えない微細なヒビ(マイクロクラック)が入るのです。そこから冷たい刺激が神経に伝わり、虫歯でもないのに歯がしみるのです。ヒビが入ることは特別なことではありません。加齢と共に歯が黄ばむのはそのことが原因ですし、ホワイトニング治療は薬剤をヒビに浸透させて効果を得ます。ホワイトニング治療の副作用の一つが知覚過敏です。高齢者皆さんに知覚過敏症状が現れるわけでもありません。個人差もあります。知覚過敏の真犯人と言うことも過言ではないと思います。

顎関節症

宇治市 歯医者 tmd なかむら歯科医院

食事の時は数十キロの力が、睡眠中の噛み締めでは自分の体重の数倍もの力が顎にかかります。顎関節は顎の骨と頭蓋の関節です。関節には関節円板というクッションがあるのですが、噛む力によって円板がズレたり、関節周囲の筋肉が炎症を起こして、口が開かない、開けづらい、開け閉めで音が鳴る、痛むといった顎関節症を引き起こすことがあります。関節円板というクッションは、わず「厚さ1〜2mmの組織です。毎日何時間も数百キロの圧力がかかれば、クッションが前方にズレ落ちたり穴が開いたりします。そのことで咬み合わせが変わることもあります。

解決に向けて何をすればよいのか

残念ながら即効性のある解決法はありません。毎日の積み重ねが必要になります。これから述べるこの地道な認知行動療法によって脳のプログラミングを書き換えることだけが、マウスピースに頼らない根本解決への唯一の方法です。

認知行動療法(貼り紙法)

宇治市 歯医者 TCH なかむら歯科医院

TCH(噛み締め癖)はなかなか自分では気づきません。噛み締めは無意識にやってしまうため、ハッと気づく回数を増やすことが最大の治療になります。そこでパソコンやスマホ、壁など1日に何度も絶対に見る場所に、“歯を離す” “リラックス” “力を抜く”と書いた付箋を貼り、もし噛み締めているのに気づいたら上下の歯を離しましょう。1日に10回以上意識的に力を抜くようにしてみましょう。唇を開ける必要はありません。鼻からハッと息を吐いて、顎の力を抜きましょう。この訓練を繰り返し、脳の上書きを行いましょう。仕事や作業に集中すると無意識に奥歯に力が入っていることが多いです。潜在化に刷り込んでいきましょう。そうして歯の接触時間を1日20分以内に戻していきましょう。

貼り紙法のポイント

自分で思っているより噛み締めているのに気づくでしょう。気づいて、離す、を繰り返すうちに、脳が歯を離すのが正しい状態だ」学習し、早ければ2〜3週間ほどで無意識に離せるようになっていきます。そんな原始的な、と否定せず、まずはデスクの周りに1枚付箋を貼ることから始めてみてはどうでしょう。

噛み合わせが良くないと噛み締めるや歯ぎしりすることもある

噛み合わせの高さは加齢と共に低くなっていきます。低くなると下顎は後方に下がります。下がると噛みしめがきつくなります。また気道が狭くなるので呼吸しやすいように歯を削ってでも顎を前に出そうとするので歯ぎしりをするのです。出っ歯、受け口、過蓋咬合、叢生、歯並びがよくないと顎が小さいので呼吸しづらいので歯ぎしりや噛みしめをする原因になります。ですから嚙み合わせを補綴治療や矯正治療で治すことも大切なのです。

体の癖

宇治市 歯医者 smart phone なかむら歯科医院

頬杖やうつぶせ寝、横向き寝、スマホネックなどいろいろな生活習慣が歯並びを崩します。崩れた歯列でも口腔内が狭くなり気道を狭くする原因になり、歯ぎしりや噛み締めの遠因となります。TCHだけでなく体の歪みにも気を付けなければなりません。

まとめ

マウスピースをしていれば歯ぎしり対策になると思ってらっしゃる方は多くいます。このコラムを通してマウスピースしても歯ぎしりが治らないことは理解いただけたかと思います。まずはTCH(噛み締め癖)という長年の癖を治す努力をすべきです。時間がかかりますが日々の意識改革こそが、歯ぎしりや噛みしめだけでなく知覚過敏や顎関節症から身体を守る唯一の方策です。マウスピースは歯が削れるのを防ぐ緩衝材に過ぎません。防具としてのマウスピースは使うもののだとご理解ください。

知覚過敏のページ

顎関節のページ

身体の歪みと歯科治療のページ

マウスピース矯正のページ

子どもだから大きくなれば歯並びはよくなるだろう、は無いです。

2026年7月9日

子供の過蓋咬合やガミースマイル(笑うと歯茎が見える)が多い

宇治市 歯医者 gummysmile なかむら歯科医院

過蓋咬合は噛んだ時に前から見ると、下の前歯が上の前歯に半分以上隠れてしまう噛み合わせです。普通は下の前歯の2/3以上見えるのが普通です。被さっているのが3㎜以上になっていると、咀嚼や顎の発達、口腔機能全体に悪影響を及ぼすことがあります。前方方向への顎の成長が不足している、上顎の劣成長が原因です。上顎が前方に成長しないと下方向を中心に成長しますから、笑った時に上顎の歯茎が見える、いわゆるガミースマイルになってしまうこともあります。下顎は上顎よりも後から成長するので、上顎が通常に成長しないと下顎の前方成長が妨げられてしまいます。過蓋咬合だと、前後的顎成長が抑制されやすく、出っ歯(上顎前突)になる傾向も高くなります。顎の成長が足らないと歯並びもガタガタしやすくなります。ただし遺伝的な下顎劣成長や上顎狭窄の傾向がある場合もあります。

子供のうちはすきっぱがベスト

宇治市 歯医者 gap tooth なかむら歯科医院

何が普通かと言えば、子供のうちはすきっぱであれば顎が正しく成長していると言えます。(特にすきっぱで上下前歯の先端同士で噛んでいる状態。)すきっぱの方が何故良いのかと言えば、前歯に関して言うと後から萌出する永久歯のほうが、乳歯より 大きいからです。永久歯が萌出する際には乳歯よりもスペースが必要です。この追加になるスペースを生理的に確保しているのが、霊長空隙、成長空隙です。元々は備わっているものです。今隙間がないということは、今の顎サイズでは永久歯が収まらないことを意味します。成長すればそのうちで隙間が出来ると考えると思いますが、そうとは限りません。ある歯科医院が1歳から6歳までの子どもの経過を追った所、2~3歳で前歯がキチキチで生えているかガタガタの場合、6歳でもその状態は変わらなかったそうです。

空隙がないと困ること

本来、乳歯列期には 前歯部に成長空隙ができるのが自然です。哺乳期、離乳期、を正しく過ごしていれば空隙は生まれます。空隙がないということは、上顎の成長が劣成長の可能性が高いということになります。成長が足りないと空隙は生じにくいということです。乳幼児期の過蓋咬合は、単なる歯のかみ合わせの問題ではなく、成長機能全体に影響します。下顎の前方成長が抑制され、将来出っ歯やガタガタな歯並びになりやすくなったり、顎関節症や舌の動きが制限され、発音(特にサ行、タ行)が不明瞭になりやすくなることも考えられます。

小さな子供にどう対処していくべきなのか

色々と気を付けなければならないことがあります。多忙な現代生活ではなかなか難しいこともあります。昔が良かったということはありませんが、正しく手を掛けて育ててあげてください。

正しく哺乳する

宇治市 歯医者 breastfeeding2 なかむら歯科医院

正しく哺乳することが正しい成長と良い噛み合わせに繋がるということを、コラムを通してずっと書いてきています。今更ですが、正しく咥えさせて(唇を翻転させて)深のみさせること、添い寝乳しないこと、首が座ったら縦抱き授乳する、ことを心がけてください。哺乳を通して赤ちゃんは嚥下を覚え、舌の使い方を覚え、舌を上顎に付ける筋力をつけ、顎を大きくさせていくのです。この過程が正しくないと、本来の成長から少しづつズレていくのです。

哺乳瓶を選ぶ

ミルクの出の良い哺乳瓶の乳首を使うと、口の周りの筋肉を使わずに栄養を取れてしまいます。正しい筋肉の使い方を覚えてくれなくなります。先ほど述べた通り一生続く筋肉の動し方を決めてしまいますから、適切な哺乳瓶を選ぶようにしてください。

発達順序を守る

宇治市 歯医者 highhigh なかむら歯科医院

首が座り、頭を持ち上げ、ハイハイし、お座りできるようになり、手を自由に使えるようになります。多少順序が前後したりしますがどの子供も発達順序は概ね同じです。母子手帳に目安は載っていますが、成長が記載月齢より遅れても焦らないでください。個体差はあります。追いつかせようとするあまり、過度な補助や器具を使うことはしない方が良いと思います。子供自身が体のバランスを覚えているのです。重力に抗する姿勢を覚えるのです。歩行器も使わない方が良いと思いますし、お座りを補助するような小さな椅子も使わない方が良いと思っています。

抱っこ姿勢

宇治市 歯医者 baby なかむら歯科医院

縦抱きしてもらっても良いのですが、首が反って口が開くのはよくありません。内側に向かって丸く抱っこするようにしてください。口呼吸や良くない姿勢を覚えてしまいます。

離乳食への移行時期

離乳食に移るということは、自分の手を自由に動かせるようになっているということです。何でも口に入れます。意欲の湧いている時期なので手の持って汚すことも多いでしょうけれど、安全に気を付けて見守ってあげてください。

食事姿勢

宇治市 歯医者 how to eat なかむら歯科医院

もちろん一人でお座り出来ていると思います。足がブラブラしている状態での食事は止めましょう。きちんと足が着いた状態で食事を摂りましょう。幼稚園、保育園くらい大きくなった時は正座でもよいです。足底接地と言います。シリコンエプロンも、前傾姿勢になる可能性があるのでよくありません。汚さないようにしたいと思いますが、姿勢保持のためにできるなら軽い布製などのエプロンをお勧めします。

正しい離乳食の与え方

宇治市 歯医者 fooding なかむら歯科医院

すすり飲みは良い口唇の訓練になります。スプーンを横にしてすすらせるとよいです。一口量も大切で、大人の人差し指の爪くらいまでの量にしましょう。一口量を正しく覚えないと、将来丸飲みを覚えてしまうことになります。保護者がどんどん口の中にスプーンを突っ込んで入れていくのはやめましょう。下唇にスプーンを当て、本人が口を閉じて摂食するまで待ちましょう。結構根気が必要ですが、口周りの筋肉の使い方を覚えていくのに必要です。

運動させる

宇治市 歯医者 playing outside なかむら歯科医院

もし歯並びや咬み合わせが良くないことに気づいたとしても、2~3歳の頃に矯正装置など用いることはしません。食事の仕方、食育になる訳ですが、それだけでなく、身体のバランスが崩れていることがあるので体幹が不安定になっていることが考えられます。身体全体のバランスを整えることを考えます。具体的には外遊びです。平坦ではなく起伏にとんだ公園などはバランス感覚を養うのにもってこいです。足をしっかり使うことがよいのです。よく子供が壁に手を当てて走ったり、歩道のブロックに乗ったりするのはバランス感覚を確認しているのです。

食育

哺乳、離乳の時期を過ぎてしまうと、食育で対応する時期になります。もちろん矯正装置を使うこともありますが、それだけでなく噛むという刺激を与えて前方への成長を促します。 上顎の劣成長に対して前方への成長を促すため、前歯に食材で刺激を与えましょう。具体的には前歯で噛み切るくらいの大きさの具材、歯ごたえのある食材が毎食一品あればよいでしょう。飽きないように工夫も必要なので、保護者の負担にならないようあまり深刻に考えないでくださいね。前歯に刺激を与えることで、脳の前頭葉に刺激が伝わります。やる気、コミュニケーション、集中力に関与するようですので、成長だけでなく脳への刺激になります。あと食事している時は、話すことは止めましょう。飲み込んでしまっていることを確認してからにしてくださいね。

鼻閉への対処

宇治市 歯医者 breath なかむら歯科医院

鼻が詰まっていて口呼吸になると、舌が上顎に付かなくなり上顎の成長を妨げる大きな要因になります。その状態でもし矯正治療をしたとしても、根本の原因が解決していませんから後戻りもしてしまいます。口ポカンや唇が慢性的に乾いているなど兆候があれば耳鼻科の受診もしてみましょう。

確かな知識を持って、子育てをしてください。

これまで述べてきたことでご存じなかったことがあったかもしれません。取り組めることがあれば是非取り組んで下さい。三つ子の魂百まで。最初が肝心です。

マタニティー歯科

小児口腔育成

小児矯正

小児マウスピース矯正

 

矯正に費用をかける意味はあるのか? めちゃあります!

2026年6月4日

治せれば良いのはわかっているけど、費用が!

定期健診や学校検診で歯並びにチェック付いて受診される方にお話すると、治さないといけませんか?とお聞きになる保護者の方が一定数いらっしゃいます。男の子だし別にとか、あまり気にならないし、ということありますが、多くは費用がかかるから避けたいということもあると思います。矯正治療が保険診療ではないことはご存じなので、治したら良いのが分かっていらっしゃると思います。

日本の保険診療において矯正治療が保険適用となるのはごく限られた医学的適応がある場合のみ

保険診療で矯正治療を行うには非常に厳格なルールがあり、通常の不正咬合ではほぼ認められません。保険適応できるかどうかは専門医を受診してお聞きいただければと思います。

国が定めた先天性疾患に伴う咬合異常

宇治市 歯医者 cleft lip なかむら歯科医院

厚生労働省が指定する約60の先天性疾患に起因する咬合異常は、保険適用となります。(唇顎口蓋裂、口蓋裂、鎖骨頭蓋異骨症、ダウン症候群、ピエール・ロバン症候群、先天性多数歯欠損 など。)指定医療機関、指定医による診断が必須です。(専門医による診断)

顎変形症

骨格性下顎前突(受け口)、骨格性上顎前突、著しい開咬、顔面非対称など手術を前提とした矯正治療であれば保険適用となります。顎口腔機能診断施設で診断が下された場合適応となります。骨格的にズレているが手術まではしない場合は該当しません。

条件付きの埋伏歯の開窓と牽引

本来萌出するべき歯が骨の中に埋まっていて機能的に問題がある場合、歯茎を切って埋もれている歯を引っ張り出す処置に限って保険適用となることがあります。ただし引っ張り出した後の歯列矯正は保険適用外です。咬み合わせに参加させないと、出すだけでは意味がありません。。

歯並びが悪いと何が良くないのか

具体的なケースでまとめてみました。

叢生の何が良くないのか

宇治市 歯医者 crowding なかむら歯科医院

叢生とは、歯並びがガタガタしている状態のことです。歯が重なり合っている部位は、歯ブラシの毛先が届きにくく、デンタルフロスや歯間ブラシが通りづらく、歯垢が慢性的に残りやすく、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。特に自覚症状がないまま歯周病が進行する温床になりやすいです。咀嚼効率が悪く、舌の正しい位置が取りにくいといった弊害があります。

八重歯の何が良くないのか

八重歯はチャームポイントと受け取られることもありますが、実は機能面、健康面では明確なデメリットがあります。叢生と同じで清掃性が悪く、むし歯のリスクが高くなります。上顎犬歯には、奥歯にかかる強い力を受け流す機能が本来の位置にあれば備わっています。八重歯では本来の機能が発揮できず、本来犬歯が担うべき力が前歯や臼歯にかかります。他の歯を守れません。噛み合わせにアンバランスが生じているということですから顎関節や咀嚼筋に正しくない負荷がかかってしまいます。(顎がカクっと鳴るとか)八重歯は外側にあるので、転倒したりスポーツなどでぶつかったりすると内側の唇が大きく切れてしまうこともあります。

受け口の何が良くないのか

前歯で噛み切るという機能が損なわれています。前歯で食べ物を噛み切れないのですべて奥歯が肩代わりすることになります。奥歯に力が集中するので削れたり、揺れたり、歯肉が下がったりします。その結果歯を支える歯槽骨吸収が起こりやすくなります。また顎関節や咀嚼筋に過剰な負担がかかります。舌の位置が前方や低位に位置付けされやすくなり、正しい嚥下パターンを獲得しにくくなったり、サ行、タ行などの発音障害を引き起こしやすくなります。上顎の成長は下顎よりも先に終わるので、小児期の受け口をそのままにしておいても改善されません。

出っ歯の何が良くないのか

宇治市 歯医者 class2 なかむら歯科医院

前歯で噛み切る機能が低下します。結果として、奥歯だけの咀嚼になりやすくなります。奥歯だけが負担するので、奥歯の咬耗が生じやすくなります。詰め物や被せ物が外れやすいなどのトラブルが多いのも特徴的です。顎関節に影響が及びやすく、カクっと音が鳴りやすいです。(顎関節症)唇が閉じにくいので口が開いた状態が常態化して、口呼吸を助長します。口臭の原因にもなります。前に突出しているので転倒したりすると衝撃を受けやすく、歯が折れたり、欠けたりする外傷の発生率が高いです。

開咬の何が良くないか

宇治市 歯医者 open bite3 なかむら歯科医院

開咬は、前歯が接触しない状態のことです。ですから食べ物を前歯で噛み切れません。奥歯だけで噛む咀嚼様式になります。咀嚼効率が良くなくて丸飲み傾向を招きやすいと言われています。前歯が閉じないため、嚥下時に舌を前に出して上下の歯の隙間を塞がないと飲み込めません。(舌で歯を押すような格好になります)当然、舌を突出させて嚥下する習慣がつき、開咬は改善されません。治療しても、舌の訓練をしないと再発しやすい噛み合わせです。サ行、タ行、ラ行など英語でいうの th 音では、空気が漏れる発音になるので、構音の不明瞭さや滑舌の問題に直結します。前歯が当たらないので、奥歯だけが常に強く当たって咬合力が集中し出っ歯の項と同じく奥歯の咬耗や破折、顎関節症状の出現、補綴物トラブルが起こりやすくなります。口唇閉鎖不全(口ポカン)口呼吸になっていることが多いです。

見栄えを良くするのではなく、脳を守るのが矯正治療の目的

宇治市 歯医者 suture なかむら歯科医院

矯正治療の目的は脳を守るってどういうことと思われますよね?頭蓋骨を見たことはありますか?頭蓋骨は一つの骨で出来ているのではなく脳頭蓋の8個、顔面頭蓋の15個、合わせて23個の骨から構成されています。その接合部は縫合と言われる状態で連結され、わずかに可動性を有しています。成人でも完全固定されるわけではありません。噛む力は最大で体重分と言われています。力が過度にかかった時に、力を逃す経路になるのが縫合部分です。一塊では力が強いと折れてしまう可能性があります。脳にかかる衝撃を吸収して脳を守るようになっているのです。実は衝撃を吸収するのに適切な歯の位置があります。上顎の第一大臼歯が適切な位置にないと上手く力が分散されません。それと噛み合って一対になっている下顎の大臼歯の位置も適切な位置があるということです。先に述べた不正咬合では第一大臼歯は適切な位置にないことがほとんどです。適切な刺激ではなく過度に衝撃が毎日加わっているとしたらどうでしょうか? 脳にとって良い影響があるとは思われません。

縫合は成長発育のためのカギになっている

上顎は、赤ちゃんの頃は4つの骨で出来ていて、成長と共にくっついて大人では左右の2つになります。犬歯の前と後ろの境目あたりに切歯縫合というのがあるのですが、10歳頃、ちょうど乳歯の犬歯が抜け変わる頃に切歯縫合がほぼ埋もれてなくなります。引っ付いちゃうかんじです。叢生や八重歯、上顎の劣成長(出っ歯、受け口)の場合、切歯縫合が埋もれないうちに第一大臼歯を適切な場所に配置し適切に顎の骨を成長させることが出来れば、歯を抜かずに歯並び、噛み合わせをよくすることができます。切歯縫合が埋もれてしまうと上顎を大きくすることはほぼ出来なくなります。10歳を超えてしまうと第一大臼歯を適切な位置に配置するために抜歯が必要になるということです。

上顎が適切に大きく成長してくれるとよいことが沢山!

宇治市 歯医者 breath なかむら歯科医院

逆説的に言えば、上顎が適切に成長していなければ適切な位置に歯は並びませんし、後から成長のピークを迎える下顎も適切に成長しません。上顎が正しく成長しないと鼻腔は狭くなり、舌が後ろに位置しますから気道の容積が狭くなります。酸素を取り入れるために口呼吸になりますから、鼻という空気のろ過がありませんから感染しやすくなり、アレルギーを誘発する原因にもなりかねません。酸素をしっかり取り入れないと脳への酸素供給にも影響します。鼻呼吸することでその直上にある脳を冷却する機構が働きづらくなります。脳をしっかり発達させ機能させて子供の持つ可能性を少しでも上げたいと思いませんか?

今はいろんな支払い方法がある

宇治市 歯医者 card なかむら歯科医院

残念ながら矯正治療は自費治療です。でも10歳までにしかできない、子どもへの健康という財産分与と言えます。言い方はおかしいですが、早く取り組む方が投資効率はよいはずです。乳歯があるうちなら期間が短く、中学生から取り組むより費用もかかりません。(成長はビッグデータでも予測はつきません。2期治療が必要なこともあります)カードやローンという手立てがありますし、医療費控除という制度も利用できます。環境を整えてあげるのは大人の努めです。

医療費控除のページ

小児マウスピース矯正のページ

 

抜歯矯正を決める前に、当院で診断してみてはどうでしょうか

2026年4月2日

歯並びを良くするためには抜歯するしかないのか?

宇治市 歯医者 model なかむら歯科医院

結論を先に言えば、抜歯しなければならないケースもあるが、非抜歯で対応できるケースも多くあるということです。ガタガタ具合が軽度であれば非抜歯で済ませることが多くあります。成長がまだ見込める時期に基本的に抜歯はしません。未成年の抜歯の判断は男性で18~20歳、女性で15~18歳です。つまり成長が終わった時期に抜歯を判断します。成長で歯が並ぶくらいに顎が大きくなる可能性があるからです。待たないといけない時間はありますが、鼻から諦めるのはいかがなものかと、私は思っています。それは何故かというと、歯を成長期に抜いてしまうと歯列弓が狭小化する可能性が高くなり、そのことで起こる弊害があるからです。

歯列弓が小さくなると起こると考えられる弊害

例えば、縦横高さがそれぞれ5㎝の蓋つきの箱を想像してみてください。縦の寸法だけが4㎝になると元の箱より容積が小さくなります。中に収められる容量は減りますよね。同じだけのものを入れられなくなります。成長期に抜歯をすると、歯列弓が小さくなります。上顎と下顎の中に何があるかと言えば、舌があります。舌の大きさは変わりませんから、口の中の容積が小さいと置き場に困ります。でも何とか収まらないといけません。となると、舌は奥に引っ込むか下に下がります。舌は筋肉の塊ですから形を変えることができるのです。

姿勢にも影響

宇治市 歯医者 posture なかむら歯科医院

舌は本来上顎に当たって側方に拡げる作用の一翼を担っているのですが、その働きが無いとその上にある鼻が大きくなりません。また舌が奥に引っ込むと気道が狭くなります。これらのことから、歯列弓が狭くなると呼吸しづらくなります。そうすると無意識に頭を前に出して空気の通りを確保しようとします。これがストレートネック、猫背、骨盤後傾、O脚、扁平足につながります。もちろん睡眠時無呼吸症候群や口呼吸の持続につながる可能性も出てきす。

舌は動く

宇治市 歯医者 tongue なかむら歯科医院

先程述べた通り舌は筋肉の塊です。置き場が後ろや下になっても嚥下や発音はします。その動きは狭いなりに規制されてますから正常から少しずれた嚥下や発音になる可能性が出てきます。歯列弓が普通のままの動きを舌がすると、舌突出癖という癖になり、折角治した歯並びが崩れるリスクが高まります。

口元が寂しくなる

宇治市 歯医者 lonely profile なかむら歯科医院

抜歯すると、そのスペースを閉じるために前歯を後方に移動させることになります。そうすると、唇の厚みが減り、横から見ると顔が平坦になる可能性が出てきます。アジア人は骨格的に口元が少し前にある傾向があるので立体感に欠けるように見えることもあります。また歯列が狭くなると、笑った時に奥歯があまり見えず、スマイル時の歯の見え方が不自然になることもあります。

咀嚼効率の低下

歯列が狭くなると当然上下の歯の接触面積が減りますから、食べ物を効率よく咀嚼しにくくなる可能性も出てきます。

本当に抜歯しなくても治療できるのか

宇治市 歯医者 crowding なかむら歯科医院

一般的な抜歯矯正が選択されやすいのは

・歯を並べるのに10mm以上のスペース不足が著しい歯のガタガタ

・横顔で唇が前に出ている。いわゆるE-lineから2mm以上前方にでている場合

・骨の問題で出っ歯になっていて、上顎前歯を引っ込める場合、本来は外科矯正しないといけないが、外科処置を回避する場合

・骨の問題で受け口になっていて本来は外科矯正しないといけないが、外科処置を回避する場合

これらの場合、抜歯が選択されやすいです。最後の二つは苦肉の策っていう感じです。これらの場合は治療難度がグッと上がるので専門医のところで治療されるとよいでしょう。前歯を引っ込めたいという時に、奥歯を左右一対抜いて前歯を後ろに下げることを希望される方があります。ではどれくらい後ろに前歯をさげられるしょうか?

上の前歯を後ろ方向に動かせる量はせいぜい2㎜です。

歯は顎の骨の中に埋まっています。歯を動かせるのは骨の中だけです。上の前歯が、後ろ方向に動けるのはせいぜい1~2㎜です。それで満足していただければよいですが、前歯を下げたいと考えていらっしゃる方はそれでは意味がないと思われるでしょうか。どうしても下げたいなら、犬歯の後ろの歯を抜歯すると共に、歯が埋まっていた骨も一緒に切除して、骨ごと後ろに下げないと求めることを達成できないと思います。先ほど述べた外科的矯正の適応となります。

スペース不足の矯正治療で抜歯は必須か?

抜歯矯正で抜く歯は、犬歯の後ろの第一小臼歯であることが多いです。その歯の幅はだいたい6.5~7㎜です。通常両側抜くことが多いので、抜歯をすれば13~14㎜の歯を並べるだけのスペースができます。スペース不足が10㎜だったら全然余裕です。余るくらいです。余ったらどうなるかと言えば、空隙ができます。空隙を埋めるように歯を動かします。大抵は前歯のガタガタを治すことが目的になると思います。前歯が綺麗に並んだ時にできる空隙は犬歯と奥歯の間にできます。前歯は並んでいるわけですから、動かすのは奥歯です。でも奥歯は前歯に比べると大きいです。片側2㎜大きな奥歯を前に動かすことはかなりとても難しい治療なのです。わかりにくいかもしれないのですが、カップに入ったゼリーの真ん中にスプーンをズボッと立てることをイメージしてください。スプーンの上に人差し指を置いてカップを平行にずらしてみてください。難しいと思います。傾くと思います。空いた隙間を埋めるために奥歯を平行移動させることは難しいのです。(表現が難しくてすみません。)

IPRという手立てでスペースを確保する

宇治市 歯医者 stripping なかむら歯科医院

IPRはInter proximal Reductionの略で、簡単に言えば歯の端を僅かに削合することです。歯は一番外側にエナメル質という組織があり、知覚がありません。象牙質にくらべて薄いのですが、それでもある程度の厚みがあります。(前歯の端で約0.7〜1.0㎜、臼歯で約1.0〜1.5㎜)歯の端をエナメル質内に限局して僅かに削合することで歯を動かすためのスペースを作ることができます。ただし安全に削れる量には限度があります。基本的な許容範囲は1か所最大0.25㎜です。1本だと0.5㎜になります。片側で前歯は6本、小臼歯は4本ありますから、奥の大きい歯を除くと最大9か所IPRできると4.5㎜のスペースを作ることができます。抜歯して得られるスペースよりも随分少なく感じられるでしょう。物差しで見ると意外とそれなりの量なのです。

傾斜している歯を直立させることでスペースを確保する

人の歯は身体の真ん中に向かって倒れてくる傾向にあります。年齢が上がるにつれ、前歯は若い時こんなにガタガタしていなかった、とおっしゃる方がよくあります。また歯を失ってそのまま放置していると、失った歯の後ろ側の歯は前に向かって倒れてきます。乳歯列や混合歯列では少ないのですが、永久歯に生え揃っている、歯並びと噛み合わせのよくない若年者も基本的に前方に傾いている傾向にあります。前方に傾いている歯を元に戻す方向、つまり後方へ立て直すことでスペースが出来てきます。これは人それぞれなので単位としてお示しすることはできないのですが、左右それぞれ2㎜くらいスペースが出来れば、IPRと合わせて8.5㎜のスペースをトータルで確保できることになります。

抜歯するのと、歯を少し削るのと、どちらがよいですか?

宇治市 歯医者 playing outside なかむら歯科医院

口腔内スキャン、CT・レントゲンなどから診査診断しないと正確なことはわかりませんが、歯並びを治すためのスペース不足を確保するのには抜歯一択ではないと、私は考えています。できるなら抜歯は避けたいと思っています。抜歯を避けた矯正治療を行ったけれど、結果的に抜歯しないと治療結果を得られないこともあるでしょう。特に若年者の場合、抜かないで済めばその恩恵は計り知れないと私は思っています。抜くと決める前に、何医院か診察していただくことをお勧めします。

矯正治療のページ

マウスピース矯正のページ

小児マウスピース矯正のページ

開咬の治し方

2026年3月26日

開咬とは

宇治市 歯医者 open bite なかむら歯科医院

前歯が咬合していない状態のことです。そばやうどんが前歯で噛み切れません。見た目に空いている場合と前後的に空いていて、見た目にはわかりにくい2パターンあります。何故開咬が起こるのか、その発生機序には多くの要因が関わっており、単一の原因ではなく遺伝的要因、習癖、成長発育のバランス、親知らず、などが複雑に絡み合っているとされています。

要因はいくつかある

骨格的要因

顔面の垂直的成長が強い、いわゆる馬面タイプでは、下顎骨が後下方へ回転しやすく、前歯がかみ合わなくなることがあります。後下方への回転とは、横顔を右から見たとき時計回りの回転する動きのことです。下顎が後ろかつ下方向に回転すると、正面から見ると顔が長く見えます。特に成長期において下顎骨が後下方に回転してしまうと、前歯の被蓋が失われ、開咬傾向が強まります。

歯槽性要因

親知らずが斜め方向や横向きに萌出すると、その手前の第二大臼歯を押して歯列全体のバランスが崩れ、奥歯の咬み合わせが高くなります。奥歯が高くなると前歯が噛み合わなくなります。割りばしなどを奥歯だけで噛むと前歯が噛まないと思います。少し極端ですが、感じ的にはそんな感じです。

機能的要因(習癖)

宇治市 歯医者 thumb sucking2 なかむら歯科医院

指しゃぶりが長く続いたり、おしゃぶりを長期使用していると、上下の前歯の間に隙間ができてしまいます。そういう集患を止めれたとしても、時期を逸すると嚥下や発音時に舌を前方に突き出す癖が付いてしまっていると、開咬になります。口ポカンだと上下の前歯間に舌が入り込みやすくなるので開咬になりやすいです。そこに舌を入れないと嚥下することができないのです。アデノイド、扁桃肥大による気道狭窄で口呼吸が強いと、開咬の原因になると言われています。まれに巨舌症という舌が著しく大きくなっている疾病もあります。舌が大きいので口の中に収まりが付かず、上下の前歯の間に常態的に舌を差し込むので開咬になったりします。

親知らずの影響はかなりある!

宇治市 歯医者 third molar なかむら歯科医院

親知らずが生えることだけで開咬になることはありませんが、奥歯の噛み合わせのバランスを乱すことはよくあります。直接原因ではありませんが、親知らずを抜去してすることで臼歯の噛み合わせが安定するが多いです。開咬の治療で親知らずを抜歯することは重要になります、というか必須です。開咬の治療のみならず噛み合わせの安定を妨げる要因になるので親知らずは抜歯された方がよいでしょう。

親知らずを抜かないことはあるのか

親知らずは顎の関節の位置に最も近く、僅かでも高いと顎をずらしてしまう原因になります。もちろんそこが高くなると前歯が空いてくる原因になります。基本的に開咬治療の場合抜歯が基本になります。ただし抜歯などで歯の数が減っていたりすれば、失った歯の代用として使うことも可能性としてあります。また上下の親知らずが真っすぐ生えていてしっかり噛んでいる場合、まれに抜かないこともあります。

開咬の治療は 年齢、原因、重症度によって異なります。

小児期(乳歯列・混合歯列期)

長期の吸啜習癖、つまり指しゃぶりやおしゃぶりは前歯部開咬の最大要因です。やめるだけで自然改善することもあります。ですから理想は3歳までに中止できればベストです。止めさせることはなかなか難しいのですが、やってない時は褒める、やってしまったら悲しむ、という母子の関係性でやめさせるように持っていく他ありません。アデノイド、扁桃肥大、鼻疾患などの問題があって呼吸しづらくて、指しゃぶりをして呼吸を確保していることもあります。止めれないときには耳鼻科と連携して処置することが必要です。鼻呼吸できることが基本です。指しゃぶりやおしゃぶりが止めれたら、舌を正しい位置に誘導する訓練が必要です。その場所はスポットポジションと呼ばれ、上顎前歯の後ろの、歯と歯茎の境目です。この位置を覚えるのがMFT、口腔筋機能療法です。

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学童期から思春期にかけて(成長期)

宇治市 歯医者 scammon curve なかむら歯科医院

成長発育を利用して時期です。この時期を逃すと難しくなっていきます。習癖を取り除いておくことは前提条件です。上顎骨は10歳までにほぼ成長を終えます。下顎の成長はしばらく続きます。(男児18歳、女児15歳頃まで)下顎が後下方に回転しないようにしなければなりません。上顎が正しく前方に成長出来ていないと下顎が前に成長出来ません。上顎の成長が終わる前に正しく成長させることが大目標です。当院ではマウスピースの柔らかさとしなやかさを用いて顎を拡げるマウスピース矯正を行っています。矯正だけでなく同時に舌の筋機能訓練も同時に行います。成長期のうちであれば成長を正しいラインに乗せることができます。

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成長終了後(成人含む)

大きくは2つに分かれます。軽度であればマルチブラケット矯正やマウスピース矯正、重度であれば顎矯正手術と矯正を併用して上下顎の位置関係を改善していきます。軽度だと親知らずの抜歯と歯列不正の改善で後下方へ回転している下顎を前方に回転させる可能性が高いです。(開咬の改善)開咬の状態で長くいると生体もその環境に慣れていますから、前上方に回転するかしないかは適応力によっても大きく異なります。

矯正で開咬が治るメカニズム

圧迫されている関節を解放する

宇治市 歯医者 tmd なかむら歯科医院

開咬症例の中には、下顎頭(耳の前にある、下顎を開け閉めすると動くところ)が後上方に押し込まれて関節円板や後方結合組織に圧迫が生じていることがあります。嚙み合わせを治すと、関節窩内での圧迫が減少するので下顎頭がやや前下方に位置取りできるようになるのです。この下顎頭、顎の関節の位置の変化に伴って下顎全体が反時計回りに回転し、前歯部の開咬が改善されることが多くあります。開咬の場合多くは関節円板の後方転位や圧迫感を伴って下顎が後ろに押し込まれていることが多いので、噛み合わせをよくすることで開咬が改善することが多いのです。

開咬治療のリスク

全てのケースが噛み合わせの治療で良くなるわけではありません。下顎骨や上顎骨の垂直的過成長、舌癖や口呼吸などの機能的要因が主な原因である場合、関節円板の不可逆的変形や高度の変性が起こっている場合、関節構造がすでに適応しきっていて下顎が前方に出ない場合などです。病態を見極めた上での治療になります。下顎の前方への適応が見込めない場合に前歯を噛ませようとすると、奥歯を骨にめり込ませ、前歯を伸ばすということも選択肢となります。矯正力を使っても奥歯をめり込ませることは難しいですし、前歯を伸ばすと歯が長くなり、審美性に欠けます。また骨に埋まっている部分が少なくなりますし、被せ物で対応しようとしても植わっている部分と口腔内に出ている部分のバランスが良くないので、歯が揺れてくる原因にもなります。

開咬は再発リスクが高い

宇治市 歯医者 open bite3 なかむら歯科医院

開咬は後戻りしやすい不正咬合です。舌癖が残っていると再発する可能性はかなり高くなります。折角前歯が閉じても上下の前歯の間に舌を入れ込む癖が残っていると、前歯は開いてきます。感じていないかもしれませんが、筋肉の力って凄いんです。治療が終わって前歯が閉じたら舌の位置や嚥下習慣を安定させることが最も重要です。時間と費用をかけて直しても後戻りしやすいです。治療の恩恵は必ずありますが、治療結果を維持するための努力は必要です。

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噛みづらさが改善された矯正治療

2026年3月19日

噛みづらさが改善された矯正治療

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral front_20230509 なかむら歯科医院

初診時54歳女性 体に不調を感じるとのことでした。夜間熟睡ができない。若い時は肩こりや頭痛もあった。左でよく噛んでいる。ということでした。口腔内を拝見すると下の前歯の真ん中が少し左にずれていました。かみ合わせた時に下の前歯は上の前歯に少し覆われるのが一般的なのですが、半分以上隠れています。歯科用語では過蓋咬合と言います。かみ合わせた時に下の前歯が上の前歯で完全に覆われている方もいらっしゃいます。下の前歯の付け根当たり、犬歯がわかりやすいかもしれません。骨がもっこりしているように見えます。かみ合わせが強い方によく見られます。骨隆起と言います。上の真ん中から3番目の犬歯が一つ後ろの歯に比べて内側に傾斜しています。

初診時

歯並びの不正も少しあります。

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral upper_20230509 なかむら歯科医院

前歯4本が直線的に並んでいます。真ん中から2つ目と3つ目の間に段差がついているような感じです。顎が少し小さくて歯が並ぶだけの大きさになっていないようです。

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral lower_20230509 なかむら歯科医院

下の前歯にがたつきがあります。奥歯が内側に倒れています。向かって左の奥から3番目、4番目がわかりやすいですが、奥歯は全部そうなっています。舌が写っていますが、窮屈そうにみえます。前歯が並ばないことから顎が少し小さいこと、歯が内側に傾斜していることで、舌の置き場が狭いのです。舌は行き場をなくすと奥に行くか、下にいくしかありません。そうなると気道が狭くなります。人は呼吸しないと生きていけませんから気道を確保するために首を突き出すような姿勢をとります。姿勢が悪くなる原因となります。無理な姿勢を維持するので、適正な筋肉の使い方でなくなります。肩こり、首の凝り、腰痛など全身はつながっています。かみ合わせのズレや不正咬合から離れた部位に不具合が出現する可能性があるというのはこういうことなのです。

かみ合わせの高さが低くなるにつれ、噛む筋肉は強く作用する。

前歯のてっぺんがすり減っているのもわかると思います。本来犬歯は山のように先端が少し尖っているのですが、平らになっています。これは噛みしめてすり減っているか、歯ぎしりしていることが考えられます。たいていの方はそんなことはない、家族にも言われたことがない、など強く否定されます。でも痕跡はあります。では何故噛みしめるのでしょうか。顎は上顎が先に大きくなり、そのあとから下顎が大きくなるという成長過程をとります。上顎が適正に大きくならないと、後から成長する下顎が前への成長がブロックされます。上の前歯に下の前歯が当たってしまうと下顎は後ろに下がります。下がると気道が狭くなり、苦しいので本能的に前に出そうとします。また奥に下顎が下がるとかみ合わせの高さが低くなってしまいます。かみ合わせが低くなると筋肉は強く作用します。成長期に適正に顎が大きくなれず、その時期を過ぎて不正咬合のままであることが気道を狭くしたり、噛む筋肉を強く作用させてしまうことが噛みしめや歯ぎしりの理由ではないかと考えています。エラの張りもかみ合わせの高さが低くなって筋肉が過緊張を繰り返し、変な言い方ですが鍛えられていった結果で起こります。噛み合わせの低い方に噛み癖があります。顔の傾きや顎にズレが出ます。加齢によるすり減りだけでは根拠が薄いのです。

かみ合わせに関係していると思われる症状

歯ぎしり、食いしばり、肩こり、はこれまで話してきました。いびきについては、舌の位置が後ろにあることで気道が狭くなって、いびきをかきやすくなります。フェイスラインのたるみ(顎と首の境がわからない)は舌の位置が、不正咬合で下に落ちてしまったことで起こっています。下顎が前に成長できない状態のままであると、口回りの筋肉が後ろに引かれます。引っ張られた状態だと血液の巡りが悪くなってニキビができやすくなります。顎先のニキビや化粧のノリが悪い原因はこういったところにあるかもしれません。また口を閉じるために下唇を前に出すので、下唇周囲の筋肉を常に緊張させているので血液の巡りが良くないことが原因の一つだと思われます。

顎の関節の変形

宇治市 歯医者 0007_KT_Panorama_20230509 なかむら歯科医院

初診時のレントゲンです。一番後ろの歯のさらに奥に親指のような形のようなものが見えます。これが顎の関節です。左右一対で対照的な形を本来はしています。向かって左は丸く普通の形をしていますが、右の顎の関節の形は左に比べて小さくなっています。左のかみ合わせの高さが低くなっていることで、下顎が右の奥に押し込まれています。そのことで顎の関節が年月をかけて変形していると考えられます。顎の関節が定位置にいられないことで顎の開閉口でカクっと鳴ったり、痛みを生じます。顎関節症の原因にはいろいろな原因が考えられていますが、かみ合わせが原因とされる顎関節症のメカニクスは述べた通りです。顎の関節の後ろには血管、神経が通っています。顎の関節が後ろに押し込まれることでその部分を圧迫してしまいます。その圧迫が片頭痛の原因になっていることもあります。ほうれい線もかみ合わせの高さが低くなっている方が深くなります。左右差が出るのはこういった理由です。かみ合わせ高さを含めて改善され、下顎が本来の位置に戻ることができれば、時間はかかりますが顎関節の形は年齢に関係なく戻っていくと報告されています。

治療の経過

私が考えること以外の原因が主たる原因であれば、矯正治療で抱えてらっしゃる問題がすべては解決しませんが、改善する可能性があることをお伝えし、治療の是非を決めていただきました。改善の可能性が少しでもあるのであれば治療を進めたいとのことでした。マウスピース矯正は、マウスピースの厚みの分だけかみ合わせが高くなりますから、その分顎関節の負担も減ります。ワイヤー矯正に比べて大きな利点の一つは、顎関節を本来の位置に戻せる可能性のあることです。

初診時

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral front_20230509 なかむら歯科医院

治療開始1か月

少し下の前歯が見えてきました。

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral front_20240109 なかむら歯科医院

治療開始約5か月

ずいぶん下の前歯が見えるようになってきました。歯の真ん中もぴったり合ってきました。下あごが向かって右にズレていたのが、マウスピース矯正を行うことで顎が元々の位置に戻ろうとしていきます。先ほど述べたようにマウスピースの厚みの分高くなることと、マウスピースを入れているので噛み合わさらないので、顎が自由に動けるのです。

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral front_20240524 なかむら歯科医院

治療開始約1年

少し右に顎が後戻りしています。皆さんも顎を右か左にずらしてもらうと、ずらした反対側が空いて噛まなくなります。その部分がしっかり噛めるようになるまではかみ合わせが不安定なのでこのようなこともあります。新しい環境に慣らしていくことを現在しています。(現在治療途中です。間もなく保定に入ります。)何年もかかっての今の状況になっているので、関節含めて適応するのは時間がかかります。

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral front_20241206 なかむら歯科医院

上顎の歯並びの変化

綺麗な連続性のあるアーチになってきました。

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral upper_20241206 なかむら歯科医院

下顎の歯並びの変化

舌の置き場にも少しゆとりが出てきました。

宇治市 歯医者 0007_KT_Oral lower_20241206 なかむら歯科医院

頸椎の変化

宇治市 歯医者 0007_KT_ LA_20240524 なかむら歯科医院

宇治市 歯医者 0007_KT_ LA_20241206 なかむら歯科医院

少しわかりづらいですが、頸椎の角度が治療につれ少し立ってきています。まだ本来と逆の反り方ですが、それでも姿勢が矯正治療することで改善されていることがわかります。頭の重さは5㎏あります。その重さをバランス取って背骨の上に載せています。かみ合わせがズレていると前後左右のバランスが崩れます。舌の位置が後ろや下にあると呼吸しやすくするための姿勢にズらしています。いろいろなズレを修正するのに身体は不均衡な筋肉の使い方をします。その結果が口の周りだけでなく遠く離れたところまで不具合を生じさせてしまうのです。

新しい環境に適応するのは時間がかかる

宇治市 歯医者 treatment plan なかむら歯科医院

身体にとってもう少し良い顎の位置を求めながら微調整しているので、治療は終わっていません。でもゴルフでいえばグリーンに乗っているところまで進んでいます。患者さんの不具合は完全に取れていませんが、それでもずいぶん良くなってきたと言ってくださいます。他の方の参考になれば資料としてお使いくださいというご厚意に感謝いたします。

治療概要

治療目的

下顎前歯部の叢生の改善。

治療期間

18か月(現在まで)

治療回数

13回(現在まで)

治療費用

869,000円(モニタリング費用含む)

リスク・副作用

必ず身体の不調が取れるわけではありません。生体の反応には個人差があります。顎関節症状が必ず取れるということではありません。治療上のコンプライアンスを遵守していただけないと治療効果が得られません。

マウスピース矯正

身体の歪み

マウスピース矯正が若年者の矯正に向いている理由とは

2026年1月29日

マウスピースで顎が拡がる

当院ではマウスピースを用いた矯正治療を行っています。特に若年者では素材の特性を活かして、歯だけを並べるのではなく、顎のそのものを拡大することを狙っています。顎そのものを大きく出来れば、少し程度のきついガタガタでも、歯を抜かずに並べることが可能になります。とはいえ、歯並びや咬み合わせに疑問を感じたら出来るだけ早くに治療に取り組んだ方がよいです。上顎は10歳で成長をほぼ終えるからです。下顎はタイムラグがあり、もう少し後に成長を終えます。下顎は上顎よりも内側にあります。上顎が大きくならないと、下顎は後ろに引っ込むか、下に伸びるか、上顎よりも前に成長します。ですから早期に上顎を正しい大きさに戻すことが必要です。

宇治市 歯医者 scammon curve なかむら歯科医院

上顎に問題がある兆候は何か

歯並びがガタガタしていたら、顎の大きさが小さいのだとすぐにわかります。小さい頃はそうでもなかった、という方もおられるかもしれません。乳歯の頃、前歯に隙間がほとんどない、キチキチに生えている、もうすでにその頃からガタガタしていた、という場合、年齢があがっても、上顎は前歯が並ぶだけの大きさにならないことの方がほとんどです。上顎の前歯6本の幅の合計は永久歯と乳歯で平均7㎜違います。(下顎で平均5㎜)乳歯の時にそれだけ分すきっぱになっていないと永久歯になって歯はきれいに並びません。小さい時にすきっぱでなければ、歯並びがよくならないと予想出来るのです。

宇治市 歯医者 incisal occlusion なかむら歯科医院

小さい時の受け口も上顎が大きく成長できていないから。

小さい時の受け口は、下顎が前に出ているのではなく、上顎が前に成長出来ていないのです。この成長を妨げるのは舌が上手く機能していないからなのです。舌は通常上顎に付いています。(舌の先は上の前歯の付け根)この位置をキープできないのが原因です。舌を上に付ける筋力が足りていないのです。舌が上顎につくことで、側方、前方に押す力が働き、顎が大きく成長していきます。この力が弱いと唇や頬の力が勝ってしまい、内側に力がかかるので顎が小さくなるのです。舌が持ち上がらないですから、逆に下顎を内側から押しますから、下顎が拡がっていくのです。上下の成長が逆転するのです。日本人の受け口は上顎の劣成長であることがほとんどです。

宇治市 歯医者 suture2 なかむら歯科医院

舌の機能は哺乳で獲得する

嚥下、発音などの舌の機能は、哺乳で獲得します。決して離乳食や、大きくなってから獲得するものではありません。哺乳することで唇や舌の使い方を覚えます。哺乳しないと生きていけません、哺乳するのにはかなりの負荷がかかるはずなのですが、哺乳瓶の出方がよいと、労力を要さずに済みますからトレーニングにあまりなりません。哺乳瓶でも吸うのに負荷のかかるものもありますから、それを選びましょう。母乳でも正しい吸わせ方があります。哺乳期間が短いと、これも訓練になりません。ここを漠然と行ってしまうと成長に良くない影響が出ますし、口ポカンにもなってしまいます。とても大切なのです。

宇治市 歯医者 milk なかむら歯科医院

離乳食でも何とかなると言えば言えますが、忍耐が必要です。

ある意味、哺乳は赤ちゃんの努力がほとんどですが、離乳はほぼ100%親の責任になります。それは正しい離乳食の与え方が、根気が要るからです。どのようなスプーンを選ぶか、量はどの程度乗せるか、から始まり、正しい食事の姿勢をとらせ、下唇にそっとスプーンを当てて唇が閉じるのを待ちます。決して引き抜くことはせず、しっかり捕食するのを待ちます。これをずっと続けるのです。掴み食べを始めるまでずっとです。とても時間がかかると思います。哺乳の代わりに離乳で舌の機能獲得するために、親の労力は人一倍かかります。哺乳の方がある意味楽ですよね。出来る限り長く哺乳による訓練をしましょう。できなければ、根気よく離乳食を与えてください。

宇治市 歯医者 baby 6 なかむら歯科医院

マウスピース矯正装置で、上顎骨の側方拡大はある程度可能。

成長期の若年者においてマウスピース矯正で、歯の傾斜ではなく、上顎骨そのものを前方と側方に拡大できるのは、上顎骨の縫合(正中口蓋縫合と切歯縫合)がまだ開いているからです。思春期前(男子で12歳ごろ、女子で10歳ごろ)であれば、骨がまだ柔らかく、拡大に応じやすい状態なのです。歯にアタッチメントと呼ばれる歯と同じ白い材料を設置することで、歯を通して歯槽骨に力を加えるのです。骨に拡大する力を伝えることができれば、成長を利用して骨レベルでの拡大に適応させることが出来るのです。もちろん歯が並ぶスペースが出来るので、歯も移動させることができます。

宇治市 歯医者 aligner  なかむら歯科医院

治療の成否や安定性を左右する大きなポイント。

舌の機能や呼吸習慣への対応が不可欠

骨の拡大ができて、歯を綺麗に並べることが出来たとしても、舌の低位や口呼吸などの悪習癖が残っていれば、すぐに後戻りしてしまいます。筋肉は前の歯並びに合った動きをします。まだ馴染んでいないからです。筋肉の力は強いのでその力で歯は動いてきます。筋肉の動きをリセットするために必ず筋機能療法(MFT)を平行して行うことが理想です。

宇治市 歯医者 aiube2 なかむら歯科医院

成長が終わってしまうとかなり難しくなる。

成長終了後(高校生〜成人)になると、縫合部分が癒合し硬くなっていきます。そのため骨の拡大は難しくなります。それでも拡大を行っていく方針であれば、急速拡大装置(RPE)という装置を上顎に固定して骨を押し開いていくこともあります。

早期に取り組むメリット

骨の成長を利用して小さな力で拡大出来る

ワイヤーと違って緩徐な力を持続的に骨にかけることが出来るので顎を本来の正しい成長に誘導することが出来す。顎が大きくなれば、抜歯を回避した上に、自然にきれいな歯並びになりやすいです。抜歯しなくてよい可能性が非常に高くなります。

全身の発育にも良い影響

口も身体の器官の一部です。全身と繋がっていて、バランスを取ることに大きく関わっています。お口が整うと姿勢がよくなり、嚥下や呼吸などの不調和が整っていきますから、脳へ好影響を与えます。舌が正しい位置にあり、きちんと機能すれば、いびきや無呼吸症候群なども解消されます。集中力が高まったり、免疫にも良い影響があります。

宇治市 歯医者 snore なかむら歯科医院

問題が大きくなる前なら、装置や期間も最小限で済む。

マウスピースで治療できるので、審美的な負担がほぼありません。ワイヤーに比べると痛みないとは言いませんが、ほぼありません。顎を大きくするという治療でありながらシンプルな治療で達成できます。

子どもの歯並びは様子を見ているだけでは 自然に良くなりません。

成長とともに問題が固定化、悪化していくからです。軽度だったので、成長が終わってから取り組もうとした時、成長と共にどんどん重症化することが多いので、治療期間が延びたり、治療中に不快症状が出たり、抜歯を検討しなくてはならないこともあります。

舌・口唇・頬の筋肉の使い方を治せるのは若いうち

歯並びの悪さは、単なる歯の並びではなく、口呼吸・指しゃぶり・頬杖などの悪習癖が原因になっていることが多いです。成人してからこれらの習癖を治すのはとっても大変です。相当気合いを入れないと、とっても難しいです。三つ子の魂百まで、です。

宇治市 歯医者 playing outside なかむら歯科医院

下顎を拡大させることはできない

成長期の若年者であれば、マウスピースという身体に負荷の少ない材料を用いても、上顎骨を拡大させることがある程度可能です。上顎が大きくならないと下顎は上に顎にブロックされて成長できません。上顎は解剖的な成り立ちから拡大することができますが、下顎はできません。下顎を正しく成長させるためにも上顎骨を正しい成長曲線に戻してあげることが必要です。

マウスピース矯正のページ

小児マウスピース矯正のページ

咬んだ時に下の前歯が見えないのは、よくない咬み合わせです。

2026年1月22日

過蓋咬合(かがいこうごう)

宇治市 歯医者 deep bite なかむら歯科医院

このようなかみ合わせを過蓋咬合と言います。奥歯で咬み合わせた時、下の前歯は先端が少し隠れるくらいが普通です。上、下、それぞれの歯並びはガタガタしていなくても、咬み合わせたときに下の前歯が見えない、あるいは半分くらい隠れてしまう咬み合わせを過蓋咬合と言います。正常な前歯のかみ合わせは2~3mm程度の重なりが理想ですが、過蓋咬合では5mm以上、場合によっては下の前歯が見えないほど覆われています。歯並び自体悪くないと問題ないかと思いがちですが、実は身体にとって様々な問題が起こります。

過蓋咬合だと何がよくないのか

様々な問題の原因となります。

顎関節症の原因となります。

宇治市 歯医者 click なかむら歯科医院

下顎の自由な動きが制限されます。深く噛み込んでいることで、下顎が後方に押し込まれる状態になります。下顎が後ろに押し込まれると顎関節に過剰な圧力がかかり、

・顎がカクカク音を立てる(クリック音と言います)

・口が開けづらい

・口を開けると痛みが出る

・頭痛や肩こり、耳鳴りがする

上記のような症状が出ることがあります。関節の後ろに血管や神経が走行していて、関節が後ろに押されると血流の流れが悪くなったり、神経を圧迫します。その状態が続くと顎の関節は段々変形していくので音や痛みが出ます。身体は苦しいので、顎を前に戻そうとします。そのため歯ぎしりや食いしばりを起こします。

歯へのダメージ(歯の摩耗・破折)

宇治市 歯医者 attrition2 なかむら歯科医院

上の前歯が下の前歯に強く当たり続けることで、下の前歯の先端がすり減ります。これを咬耗と言います。削れ方がきついと神経に近い部分まで削れてしまうこともあり、知覚過敏を引き起こします。痛みが出れば虫歯でなくても歯の神経を取らなければならないこともあります。歯が欠けたり、破折の原因になります。顎が奥に下がっているので、奥歯にも噛む力がかなりかかるので、奥歯も欠けたり、割れたり、被せ物が取れやすくなったりします。歯周病と併発すると、力がかかって揺れやすくなって、グラグラし始めると揺れが止まることがありません。

舌のスペースが狭くなる(口腔容積の減少)

過蓋咬合では、上下の歯が深く噛み合いますから、口の中の空間が狭くなります。立方体をイメージしてください。底辺の面積は同じでも、高さが倍になると、容積も倍になります。逆に言うと過蓋咬合によって容積が半分になると、口の中に収まっている舌の収まるスペースが半分になります。舌の居場所がなくなると、舌は下に落ち込むか、さらに奥に引っ込みます。舌を動かすスペースが小さいので舌の筋力が低下します。機能も低下します。そのため滑舌が悪くなる、飲み込みづらいなどの症状を引き起こすことがあります。舌の動きが悪くなることで、歯並びが悪くなることがあります。顕著なのが子供です。舌が奥に行くことで気道が狭くなるので、鼻呼吸がしづらくなり口呼吸になりやすい傾向にあります。それは睡眠時無呼吸症候群のリスクが上昇することも意味します。

特に子供の過蓋咬合はいけません。

これまで述べたように、過蓋咬合はよくない咬み合わせです。乳歯の時に過蓋咬合であれば、生涯過蓋咬合であることがほとんどです。小さいときに歯並びがキチキチで過蓋咬合であれば、それは上顎の劣成長です。正しく成長していない、ということです。本来子供はすきっぱでなければなりません。乳歯より大きな永久歯が生えてくるからです。成長して大きくなったら空いてくるだろう、と思いがちですがそうはなりません。舌が正しく機能していないからです。舌の機能が働かないと上顎が大きくなれません。舌の機能の獲得は、哺乳の仕方、期間により獲得されます。哺乳の結果が舌の機能に影響を表しています。離乳食の与え方も影響があります。

過蓋咬合だと舌の機能が育たない

先程述べたように、過蓋咬合だと、舌が収まるスペースが物理的に狭くなります。舌を挙上する必要がない、動かす必要がない、ので当然機能が落ちます。使わない筋肉は使いません。舌は安静時(何もしてない時)に上顎に軽く触れている状態が正常です。しかし、過蓋咬合では 舌が上に持ち上がらない(持ち上げる必要がない)ため、舌が下がった位置にとどまりやすくなります。これを低位舌と言います。舌の筋活動が少なくなり、本来の機能(咀嚼・嚥下・発音・姿勢維持など)を発達させにくくなります。

舌機能の未発達が引き起こす問題

宇治市 歯医者 open mouth なかむら歯科医院

舌が下がることで気道が狭くなり、鼻呼吸が妨げられる。口呼吸やいびき・無呼吸傾向になります。鼻が詰まっているためにやむを得ず口呼吸していることもありますが、口ポカンの大きな原因でもあります。舌は全身のバランスをとっていると言われています。そのため、舌の位置異常により、頭の重心・頸部筋の緊張バランスが崩れますから首の前傾、いわゆる猫背になりやすいです。舌が上顎に持ち上がらないと舌が正しい位置に置けず、空気が漏れてしまい、サ行・タ行などが発音できない構音障害を起こす遠因ともなります。唇・頬・舌の均衡の取れた位置に歯が並ぶのですが、舌の力がないと歯列を押し広げられなくて歯並びガタガタや不正咬合の原因となります。

過蓋咬合は歯並びだけの問題ではない

宇治市 歯医者 development なかむら歯科医院

舌・呼吸・姿勢・顔貌・全身機能に悪影響を及ぼす全身問題といえます。前歯のかぶさりを浅くして、舌のスペースを確保できれば舌が正しい位置に戻ります。正しい舌位になることで、呼吸や嚥下の機能が整いますから、上顎を大きくすることを考えましょう。上顎は10歳までにほとんど成長を終えます。下顎はその後に成長のピークを迎えます。上顎が正しく大きく成長しないと、下顎も基本的にはそれに合った成長しません。ですから、遅くても10歳までに治療に取り組むことをお勧めします。過蓋咬合は上顎の劣成長であることが多いです。話は少し変わりますが、小さい時期の受け口も、上顎の劣成長が原因です。これも舌が上顎に付かず、内側から外に向かって拡げる力がない舌の機能不足によるものだと考えています。小さい時期に舌を機能回復させるにはまず器から大きくし、その上で舌の筋肉の使い方を覚えなければなりません。ですから咬み合わせの後戻りを防ぎ、機能的に安定した咬合が得るためには舌のトレーニングを平行して行うことが必要です。

過蓋咬合の治療

子ども

成長という武器があります。上顎を大きく成長させて後から成長する下顎が前方に成長しやすい環境を整えます。そうすることで前歯の深い噛み込みが改善されます。合わせて舌・唇・頬の筋肉の使い方をトレーニングし、舌や唇の使い方を覚え、低位舌・口呼吸・飲み込み癖などを改善します。マウスピース矯正で成長を使って治療していくとよいでしょう。

宇治市 歯医者 aligner  なかむら歯科医院

大人

下顎が後ろにいって、奥歯の咬み合わせが低くなっていることが多いです。顎関節が変形していたり、顎関節症状があるので、下顎を前に戻すことができれば戻すようにします。マウスピースを装着すると咬み合わの高さが、マウスピースの高さだけ高くなります。咬み合わせの高さが挙がると、下顎は前方に誘導されることが多いです。(顎関節の状況にもよりますので、そうならないこともあります。)下顎が前に出れば、奥歯が空きますからその部分を埋めるように、矯正治療か被せ物で噛ませるようにします。下顎が前にでれば、前から見ると下の前歯が見えるようになります。そうして口腔内の空間確保します。ただし、上下の顎の骨の大きさがアンバランスだと、顎の前後の問題が解決しても水平的な問題が解決しません。成長がないので上顎を大きくすることは難しいです。

マウスピース矯正のページ

小児マウスピース矯正のページ

マウスピースで矯正って、どう治療するの?

2026年1月15日

マウスピースで歯は動くの?

マウスピース矯正、昨今よく聞きますよね。マウスピース付けておくだけで歯が動くって本当?って思いますよね。でも動くんです。でもマウスピース一つ作って、それだけを付けておくいても歯は動きません。今回はマウスピース矯正に係る素朴な疑問について述べていきたいと思います。

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型取りして歯に合った1枚のマウスピースだけでは終わりません。

マウスピース矯正は歯を動かす計画を、レントゲンやCT、口腔内写真、顔貌写真などを元に作成し、それに沿って、マウスピースを交換していく必要があります。1枚で歯が0.2~0.25mmほど動くよう設計されており、1枚ずつ交換しながら治療のゴールへ少しづつ動かしていくのです。その枚数は歯並びや噛み合わせによって異なります。短期間で終わる人、長期間かかる人それぞれです。

付けたり、付けなかったり、では動かない。

マウスピース矯正では1日22時間以上の装着が必要です。22時間装着しても2時間分元に戻ろうと動きますから、20時間分しか動きません。8時間外していると、24―8=16。16時間分動いて8時間分戻ろうとします。(針金の矯正は外せません。24時間まるまる矯正力が働きます。)装着時間が足りないと、歯が設計通りに動かないだけでなく、次のマウスピースが合わなくなります。治療期間が長くなるだけでなく良い結果が得られなくなります。寝るときだけ、とか家にいる時だけ、では効果が発揮できません。

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食事のときは外します。

マウスピース矯正では、顎の位置を変える時に用いるソリューションが付随したマウスピース以外、食事の時はマウスピースを外します。もちろん歯ブラシの時も外します。着けっぱなしではありません。飲み物も、水以外は外します。お茶もマウスピースに茶渋が付着しますから、基本的に外します。糖類が入っているものなら虫歯の原因になりますから、外して摂取してブラッシング後装着していただきます。

マウスピース矯正でも抜歯が必要なケースはあります。

マウスピース矯正だと重度のガタガタでも非抜歯で治療できる、という認識は誤りです。骨格性の問題があったり、歯の生えている方向、顎の大きさなど、マウスピース矯正単独では難しい症例があります。精密な診断してからになりますが、治療計画や装置の工夫次第で広い範囲に対応可能です。どんな症例でもマウスピースで治せる、と思っている方は多いですが、抜歯を伴う治療計画が組まれることもあります。

歯を少し削ることがあります。

成長が終わっていると、顎は大きくなりません。決まった顎の大きさの中で歯を並べていくことになります。歯を並べるのにスペースが不足している場合、そのスペースを確保する一つが抜歯です。でも抜歯で得られるスペースは多すぎる。そんな時は歯の幅を少しづつ削ることがあります。被せ物や詰め物であればそれを第一候補にします。なければ天然の歯を少し削合することがあります。歯と歯の間を最大1か所0.5㎜エナメル質内で削合します。日本人の平均の幅や左右の大きさを元に場所や削合量を決めます。歯のバランスを考えて整えます。麻酔が必要となるほど削ることはありません。安全性も確立されています。(基本的にお子さんは削りません。)

歯の表面に歯と同じ色の白い材料を付けます。

歯の表面に、虫歯を治した後に詰める白い樹脂を設置します。これをアタッチメントと言います。歯の色ですから目立ちません。マウスピースだけでは歯に矯正力が伝わりにくいのです。アタッチメントを付けることで回転や根の移動など、複雑な動きが可能になります。 診断して最適な力が加わるように形、方向、大きさは1歯づつ異なります。治療後には削って取り外します。アタッチメント設置において歯を削ることはありません。(金属部分削合します。)アタッチメントを取り除く時は特殊なライトを使って歯と材料の違いを鮮明にして材料だけを取り除きます。自分の歯を削ることはありませんのでご安心ください。

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ワイヤー矯正より痛みは少ない

マウスピース矯正では5~7日毎にマウスピースを交換していきます。1枚のマウスピースで歯が0.2~0.25mmほど動くように設計しています。歯を動かそうとしていますからやっぱり軽度の痛みや違和感があります。あまり感じない方もあります。ただしワイヤー矯正よりも痛みは少ないと感じる方が多いです。それは少しづつ動かしているからです。ワイヤーは交換ごとに力が比較的一気に力がかかる傾向にあるので、交換してしばらくの間痛みの出る傾向にあります。

最初の治療計画ですべて終わることは少ない。修正が必要なことが多い。

装着時間、歯の動きの個人差、顎の位置の改善など、治療計画と実際の歯の動きにズレが出たり、別の問題が見つかった場合は、治療目標に向けて改めて治療計画を修正します。元々の歯並びや噛み合わせに多くの問題が内在している場合、一気にすべて改善出来ないので治療目標を分割し、一つの問題が解決したら次の問題に取り掛かる、ということをしていきます。問題が少なければ早く終わりますし多ければ治療期間も長くなります。ステップ毎の治療になると思っていてください。

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治療後もしばらく装置を使う必要がある

がんばって治療を終了してマウスピースとおさらば、と思われるでしょうが、矯正治療後は、必ず保定装置(リテーナー)を装着する期間が必要です。元の位置に歯は戻ろうとするからです。リテーナーを使わないと歯が後戻りしてしまいます。せっかく頑張って整えた歯並びをキープするための最後の仕上げ、ですね。期間は歯を動かした期間と同じです。できればその期間を過ぎても、就寝時だけ使用していただくのがベストです。

唇や舌の筋トレが必要なこともある

お子さんの場合、口ポカンや口呼吸の問題も持っている方があります。マウスピース矯正で歯並びや噛み合わせが良くなってもこれらが原因で崩れていくことがあります。そのためマウスピース矯正と並行して筋機能療法に取り組んでもらわないといけないことがあります。

マウスピース矯正のメリット、デメリット

アタッチメントを設置した上で、マウスピース全体で歯に力をかけます。1枚のアライナーで動く歯は約 0.25mm。きちんと装着時間を守っていただければ5~7日間で次のアライナーに交換します。1枚で動かす量が少ないので矯正力はワイヤーより弱いので痛みは比較的少ないです。透明で目立たず、取り外して食事や歯ブラシをしていただきます。取り外せるので、きちんとコンプライアンスを守っていただけないと治療効果が得られません。

ワイヤー矯正のメリット、デメリット

歯の表面にワイヤーを通すブラケットを設置し、ワイヤーで歯に力をかけます。ワイヤーの形状、太さ、硬さを変更、交換して歯に力をかけます。ブラケットの位置、方向とワイヤーの性状で歯を動かしていきます。ワイヤーを交換すると交換初期に急激な力が強めに加わることもあるので、それが痛みとなって表れることがあります。ワイヤーが見えやすく、歯磨きが難しいこともあるので、適切なブラッシングが出来ないと虫歯ができていることがあります。自分で脱着できないため、24時間力をかけ続けることができます。

ワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも同じ生体の仕組みを利用しています。

マウスピースでも十分に歯は動きますし、対応症例もほぼ同じくらいになってきています。マウスピース矯正はワイヤー矯正よりも計画的、段階的にコントロールしやすいというメリットがある反面、装着時間の自己管理が必要などのデメリットもあります。その特性を考えて選択されるとよいでしょう。

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永久歯の数が足らない時はどうすればよいか

2026年1月8日

永久歯の数が足らない、と聞いたらビックリしますよね。

乳歯が抜けてしばらく経つのに永久歯が生えてこないとか、学校検診で指摘されて永久歯の数が足りない先天性欠如を知ることになって受診されることも少なくありません。先天性欠損は、遺伝的要因が主な原因とされていますが、環境的な要因や全身疾患、発生過程の異常も関係していると言われています。先天性欠如の約70〜80%は遺伝的背景があるとされています。家族にも歯の欠損があるケースが多く、常染色体優性遺伝が関与するともいわれます。特に上顎、下顎の第二小臼歯や上顎側切歯の先天欠如は、遺伝性が強い傾向があります。永久歯の先天欠如の頻度は日本人で約7%前後らしいです。

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発生過程での異常(歯胚形成の失敗)

歯は胎児期に歯胚(歯の芽)から発生しますが、この歯胚が形成されない、あるいは途中で消失することで、永久歯が作られなくなります。歯胚の形成は胎生6〜10週に起こるため、この時期の異常(栄養不足、薬剤、感染など)も影響する可能性があります。まれに、母胎の病気(風疹や栄養不良)、特定の薬剤の使用などの要因で歯胚の形成や発育が阻害されることもあります。

多数の永久歯の欠損もある

複数歯の欠如(6歯以上)や全欠如(無歯症)は、遺伝症候群の一部症状として現れることがあります。外胚葉異形成症、Down症候群、クルーゾン症候群、ゴールデンハー症候群など

乳歯はあるのに永久歯だけ欠如するのはなぜ?

乳歯と永久歯の歯胚は別々に形成されるため、乳歯が正常に生えていても、永久歯胚が作られていないことがあります。特に第二小臼歯や上顎側切歯は、進化的に退化傾向にあるとされ、永久歯が欠如しやすい部位になります。

先天欠損があるとどんな影響があるのか

先天的に1~2歯の永久歯が欠損している子どもにおいては、乳歯が抜けてしまう時期、欠損の部位や数、周囲の歯の状態、咬合関係によって、顎の成長に次のような影響が出る可能性があります。

噛む力のバランスが崩れ、顎の成長が左右非対称になる可能性がある

後から生えてくる永久歯のない乳歯が抜けてしまうと、歯の並びに空隙が出来てしまいます。そちら側では噛めないので、反対側ばかりで咀嚼する癖がつき、顎の左右の筋肉の発達に差が生じやすくなります。これにより、顎の偏位(非対称)が起こることもあります。また前後の隣接歯が倒れこんだり、噛み合わせの反対の歯が少しづつ伸びてきて咬みにくくなります。結果として、上下的な顎の成長がアンバランスになります。

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永久歯の欠如により乳歯が長く残る

交換する下顎小臼歯がない乳歯は歯の根が吸収されないので、長く機能し続ける傾向にあります。永久歯の萌出する力で上下方向に顎は成長していくのですが、乳歯のままだと萌出する力がないので高さが確保されません。咬みあわせが低くなり、下顔面の垂直的成長が抑制されることもあります。顎側切歯の先天欠如 があると前歯に隙間ができ、前歯の真ん中と顔の真ん中が合わなかったりするので。顔貌の非対称が起きたりします。

多数の先天欠損がある場合

5〜6歯の永久歯の先天欠如(中等度の先天性欠如)になると、これまで述べてきたことがすべて起きうる可能性が高くなります。乳歯が残っていてくれたら良いのですが、比較的早期に抜けてしまうと成長が終わってから欠損部位を補うのではなく、成長期から顎の発育誘導、咬合育成、歯列形成、審美・補綴などの長期に渡る治療が必要になります。

早期からの対応とフォローアップが重要

先天欠損歯があっても、早期から咬合誘導や矯正治療を行うことで顎の成長を良い方向に導くことは可能です。成長の観察と適切な時期に補綴スペースの確保、空隙の閉鎖を行い、成長終了後の補綴やインプラントが行いやすい環境を整えておくことが重要です。

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部位別永久歯先天欠如の治療方針

哺乳や離乳の時に適切な負荷をかけて口の機能を獲得できているのが条件にはなりますが、顎は親知らずを除き、永久歯の数に合っただけしか大きくなれません。口ポカンは口の機能が獲得できていないので顎は適切な大きさに成長出来ませんから、歯並びはよくないです。先天欠損があれば数が少ない分だけ顎は大きくなれません。

上顎側切歯(上顎の2番目の前歯)

頻度が高い先天欠如部位です。審美的・機能的影響が大きいため、特に早期から治療に取り組む必要があります。上顎の成長は10歳がピークです。ピークを越えると顎は大きくなれません。本来永久歯萌出してくる部分に成長後、インプラントできるだけのスペースを確保しなければなりません。上顎骨の成長時期に矯正治療でスペース確保しなければなりません。成長が終わるまでインプラントはできませんので長期的な管理が必要になります。それまでは矯正の保定装置をしようしていただき、空隙が目立たないようにします。

下顎第二小臼歯(下の奥から3番目)

非常に多い欠損部位です。奥歯なので噛み合わせと骨格に大きな影響を及ぼします。基本的に第二乳臼歯を長期保存します。        永久歯ではないため、将来的な補綴が必要になることが多いです。本来生えてくる永久歯の幅に形態修正することもあります。その乳歯が抜けてしまったら、成長後にインプラントで補綴できるようにスペースを確保するようにします。成長終了までは矯正の保定装置をしようしていただき、空隙が狭くならないようにします。

上顎第二小臼歯(上の奥から3番目)

下顎の同じ歯に比べて欠如頻度は低いが、同様の処置が必要です。基本的には下顎第二小臼歯と同じ対応になります。

下顎側切歯(下の2番目の前歯)

比較的稀だが、左右非対称な咬合になりやすいです。歯の幅は比較的小さいので隣接歯を移動して空いているスペースを閉鎖することが多いです。逆に本来の永久歯の萌出するスペースを、成長が終わるまで保持して、成長後に補綴することもあります。

矯正治療と補綴治療の連携

本来成長するだけの大きさにしたいのでスペースを確保します。永久歯列が完成し成長が終わってから(女子16歳〜、男子18歳〜)インプラント治療するのがベターです。ブリッジも検討する補綴方法ですが、人生の長さを考えると歯を大きく削合することを若年のうちに行うことは悪手だと私は考えます。(下顎前歯に限っては接着性ブリッジという選択肢はアリです。削合量がかなり少ないからです。他の部位への使用は脱落の可能性が高くなるからです。)

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中等度先天性欠如(5~6歯欠如)の治療方針

今まで述べたすべてを行うことになると考えられます。欠損歯が多いと顎の発育が不十分になりますから、本来なるべき顎の大きさまで成長させなければなりません。欠損部のスペースを確保し、欠損部を成長後にインプラントで補綴するという最終目標になります。長期にわたる治療となります。上顎の成長は10歳がピークです。それまでに取り組み、インプラントなどによる欠損部の修復まで7〜10年の長期的管理が必要になることも珍しくありません。必要に応じて筋機能療法(MFT)、上顎急速拡大装置など、将来の咬合や顔貌への影響を最小限にするための取り組みもしていかなくてはなりません。

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早期から取り組むことが超重要

1歯の永久歯の先天欠損であっても、これまでお話した通り覚悟と根気が必要になります。顎の成長を促し、長い生涯を健康に過ごすための取り組みだとご理解ください。治療の開始時期は早ければ早いに越したことはありません。

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なぜ若年者の抜歯を避けて当院では矯正治療するのか?

2025年12月25日

身体の成長と調和を守るため

成長期(特に12歳前後〜中学生)は、顎の骨がまだ発育段階にあり、適切なタイミングでの機能的アプローチにより歯列や顎の成長を誘導できる可能性があります。早期に抜歯をすると、本来可能だった骨の大きさになりません。歯の数に合った大きさにしかならないのです。上顎の成長は10歳までにほぼ終わってしまうのですが、18歳までなら狭い顎を適正な大きさに拡大誘導できる可能性が残っているのです。もちろん6〜9歳ごろからの矯正治療ができていれば、歯列の乱れを未然に防げて抜歯の必要性はかなり減らすことができます。

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歯は臓器の一部

抜歯は不可逆的な処置であり、成長や将来の変化に対応できないというリスクが伴います。小臼歯の抜歯は、口元が引っ込み過ぎてしまう(フラットフェイス)原因になったり、顎の大きさが小さくなって気道容積が減少して睡眠時無呼吸症のリスクを高める可能性が指摘されています。成長が終わり、どうしても抜歯をしないとスペースが確保できなかったり、噛み合わせに不備が生じてしまう、という診断になってようやく抜歯を選択する、というスタンスを当院ではとっています。何が何でも抜歯をしない、ということではありませんが、若年者はまず抜歯をしません。治療後半になって下顎の前方への成長が見込めない、と確定した時にようやく抜歯を検討します。まず歯の保存を前提とした治療計画を立てるのが大原則です。

抜歯が必要になる場合は?

もちろん、すべての症例で非抜歯が可能とは限りません。以下のような場合は、抜歯が必要になることもあります。

1,著しい叢生(スペース不足が10mm以上)

成人でも、上顎を側方に拡げる装置を用いることによってスペース不足を解消できる可能性があります。完全に骨化している場合は抜歯になります。若年者であればマウスピース矯正を使うことで上顎を拡大できます。まだ骨が完全に固まっていないのが、その理由です。でもできれば中学生までに取り組みたいところです。

2,顎の成長が終了しており、拡大・誘導が見込めない成人症例

特に男性で30歳を越えると拡大はほぼ不可能で、抜歯を選択することになります。女性の場合は40代でも可能性はあります。少し外科処置が必要になります。

3,骨格性の上下顎前突や過蓋咬合で、口元の突出感が強い場合

骨格性の受け口は、歯だけでなく、その部分の一部の骨含めて取り除き咬み合わせを治すことがあります。外科的矯正と呼ばれ、成長の終わった頃に治療します。下の前歯が、噛み込むと見えない過蓋咬合は、下顎を前に誘導することで抜歯を避けることができることがあります。ただし横から見てほとんど顎先が首と一体化している場合では、下顎を前に誘導すると同時に上顎の歯を抜歯して上の前歯を下げる必要があります。開咬の治療も、下顎が後ろに引っ込んでいることが多くありますから、下顎を正しい位置に導くことで、歯を抜かずに済むかもしれません。難しいと言われる開咬治療が、あごが自然な位置に戻ることで、歯を抜かずに済むことがあります。

開咬と顎関節の深い関係

奥歯で噛んでいても、前歯が上下で当たらずにすき間ができている状態のことを開咬と言います。

前歯で食べ物がうまく噛み切れない、

発音が不明瞭になりやすい、

口がいつも開いていて口呼吸になっている

という状態です。上下の歯がしっかり噛み合わないため、下あごの位置が不安定になりがちです。そのため顎が後ろにずれやすくなって顎関節に圧がかかり、顎関節にズレが生じ、カクカク音、違和感が出やすいくなります。慢性的な顎のだるさ、肩こり、頭痛につながることもあります。このように見た目が悪いとか、噛み切りにくいというだけでなく、顎関節に負担がかかっていることが多いのです。

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マウスピース矯正が開咬治療にやさしい理由

マウスピース矯正なら、顎関節にもやさしくアプローチしながら矯正治療できます。その理由は

かみ合わせの高さ”を少しずつコントロールできる

マウスピースは全体的に少し厚みがあるので、かみ合わせを少しずつ持ち上げます。マウスピースを装着することで、奥歯ばかりにかかっていた咬合圧を分散でき、あごが楽になります。

あごの位置が自然に“前に戻りやすく”なる

顎関節が圧迫されていた人は、マウスピースによって少しずつ前方・下方にあごが導かれる傾向があります。これは、顎関節が本来の位置に向かって動きやすくなるからです。結果として、後ろに押し込められていた顎関節が前に出ることで楽になって、カクっという音が減ったり、顎が動かしやすくなるなどの変化が見られることもあります。

取り外せるので、筋肉・呼吸のトレーニングと併用しやすい

舌の位置や呼吸、舌の癖、良くない姿勢も開咬の原因になります。それらのトレーニングと並行してマウスピース矯正を行うので、根本的な改善につながりやすいのです。正しくなった位置にあわせて良くない習慣を取り除く、といったイメージです。

歯を動かすよりも顎の位置が変わる方が、実は大きな変化を生む

歯並びがガタガタになっているとスペースが足りないから、歯を抜いて並べましょう、と言われることがあります。でも、実は歯の並ぶスペースは、顎の位置やバランスによって変わることをご存じですか。1本1本の歯を少しずつ動かすのはとても大変ですが、下顎ごと前に動けば、一瞬で大きく動きます。歯を動かすことに変わりはありません。顎の位置やバランスをまず正しく導くことをしてから歯を動かすことを考えれば、歯をたくさん、いっぱい動かす必要が減ります。

余計な移動を少なく済ませる

抜歯を避ける

当院では歯を最小限の移動にして最大限の効果を出す治療を目指しています。最小限の移動は、治療期間の短縮にもなります。そのため十分な診査診断を行います。ただし身体に取ってベストな位置を求めるために、時間はかかってもやらなければならない歯の動きは必ずあります。時間がかかっているのはそのためだとご理解ください。

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どうして下顎が前に出ることがいいの?

下顎が前にくると、顎関節の動きがスムーズになることで、口腔全体のバランスが整います、上顎が劣成長だと、下顎は上顎より前に出れませんから、下顎は本来あるべき位置よりも後方に押し込まれています。そうすると気道は狭くなります。酸素を多く取り入れるために姿勢を前傾にしたり、口呼吸する、ということになります。睡眠時無呼吸症候群の原因にもなります。また顎関節の後ろを走行する、脳への血管を下顎が後ろにあることで圧迫しているのですが、それが開放されます。脳にとっても良くなります。下顎を本来あるべき位置に戻すことが大切で、そのために上顎が大きくならないといけません。片方だけの治療ではなく上下一対の治療が必要なのはそういったことなのです。

抜かずに残して治療することができれば、それがいちばん自然で価値のあること。

今まで述べてきたように顎の位置を考えた治療を考えていけば抜歯しなくても済むかもしれないということです。下顎が正しい位置にくると、口全体が本来の大きさを取り戻し、歯がきれいに並ぶスペースができる可能性があります。マウスピース矯正などを活用して顎の関節・筋肉・姿勢・呼吸もふくめた全体を見ながら将来的にも健康で美しい歯並びを考えた治療を目指しています。歯が並ばないから抜く、その前に顎の位置は正しいかどうかを是非聞いてみてください。

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多彩な機能を備えたマウスピース矯正

2025年12月11日

矯正治療にはワイヤーとマウスピースの2つの治療方法がある

矯正治療はワイヤー(針金)だけでなく、マウスピースで治療することは一般的になり、変わらない治療結果を得られるようになって久しくなりました。ワイヤーもマウスピースもそれぞれ得意・不得意があり、それをわかった上で不得意なところを極力打ち消す手立てを治療計画に組み込んで治療します。当院ではマウスピースで矯正治療を行っています。

マウスピース矯正の先駆がインビザライン

宇治市 歯医者 screenshot なかむら歯科医院

Screenshot

インビザライン(Invisalign)はアメリカのAlign Technology社が開発したマウスピース矯正の名前です。パイオニア的なブランドです。マウスピース矯正のパイオニア的なブランドです。2024年時点で、世界中で1900万人以上の治療実績があります。アライン社が独自で開発したSmartTrackという素材でマウスピースを作製しています。しなやかでな素材で、光造形で作製されています。また矯正治療の計画をClinCheckというソフトウェアを用いて精密に歯の移動シミュレーション行います。この2点がインビザラインの特徴です。歯の移動を可視化してシュミレーションし、矯正治療の計画を立案できるところが革新的です。個人的な見解ですが、ワイヤー矯正ではどのように動くかをまだ可視化できていないように思います。

インビザラインのちょっと残念なところ

世界中の多くの歯科医院で取り扱われていて、アライン社はそれらの治療のデータを蓄積しています。インビザラインはマウスピース矯正の代名詞として、高い認知度があります。長年の臨床データと研究に基づいて技術革新を進めているようですが、ここしばらくは少し停滞気味のような感じです。Smart Trackというマウスピースの素材は2013年に開発されましたが、今もその素材は変わっていません。

マウスピース矯正の特徴

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ワイヤー矯正とマウスピース矯正は、どちらも歯を動かす治療ですが、どうやって力を加えるかとどう動かすかが全然違います。ワイヤー矯正は引っ張る力、マウスピース矯正は押す力。ワイヤー矯正ではワイヤー(針金)の形と大きさ、そして弾性の組み合わせで動かします。マウスピース矯正はほんの少し今の位置と違うマウスピースをどんどん交換していくことで、徐々に歯を動かします。(1つマウスピースで動かせる歯の移動量はごくわずか。0.25㎜)マウスピース矯正では骨の中を移動する歯の根の部分をどうコントロールしていくかがとても大切です。歯を動かす力には同じだけ戻ろうとする反作用の力が出現します。不要な反作用の力をどう打ち消すかをワイヤー矯正以上に治療計画に組み込まねばなりません。ワイヤー矯正に比べ目立たない、痛みが少ないなど比較的快適な治療ですが考慮すべき点は様々あります。もちろん自己管理は必須です。

Smartee(スマーティー)というマウスピース矯正

ここのところ注目を浴びているマウスピース矯正があります。それがSmarteeです。Invisalignと同じマウスピース矯正の名前です。会社自体は2004年に設立されていますからアライン社より7年後発です。2024年のヨーロッパ矯正学会においてのトレンドは、上顎劣成長の改善と下顎の前方誘導でした。これからその治療をどうしていくか、ということですね。Smarteeは、それに対応できるマウスピース矯正において、あったらいいなという機能を数多く付随させることができるからでした。ですからその学会で一躍脚光を浴びることになりました。残念ながらアライン社は対応できておらず後塵を拝すことになりました。巻き返しを図っているようですが周回遅れの感があります。車産業みたいですね。

新しい素材を使っている

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マウスピースの素材は2021年に独自に開発された素材を使用しています。薄いシートを2層重ねたものになっていて、Invisalignのものよりもほんの少し硬さを感じます。しかしその分歯との密着が図られて動かしやすくなっています。動かしやすいということは、治療期間も短くなるということです。いろいろなオプションのうち、昼用と夜用で異なる硬さのマウスピースを使用するシステムもあります。日中は柔らかいマウスピース、メラトニンというホルモンが分泌される夜間は硬いマウスピースで歯を動かすように設計されています。歯の移動を効率的に行うために、ホルモンの分泌や日中の装着時の快適さなども考慮しています。​このように、Smarteeのマウスピース素材は、快適性と効果的な歯列矯正を両立するために設計されています。

顎の位置を考慮した設計ができる

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Smarteeは、単に歯並びを整えるだけでなく、顎の位置まで調整できる設計が特徴です。日本人は下顎が後ろ、奥に引っ込んでいる方が多いです。いわゆる出っ歯です。奥歯で咬んだ時に、イーってしてみてください。下の前歯がほとんど隠れずに見えますか?普通なら下の前歯の先だけしか隠れません。歯並びはよくても前後的な噛み合わせに問題があるのです。そんな方は、下顎を前に出して上と下の前歯の先端同士が合う少し前に出してみてください。ざっくりいうとそのあたりの位置が本来の下顎の位置です。その位置では奥歯は噛んでいませんし噛めません。でも様々なチェックをして本来の下顎の位置がそこであればそこで噛めるようにした方が体にとっては適切なのです。その位置を決めれたら、その位置を目指した治療を行う機能の付いた装置がSmarteeにはあります。これにより、全体的な咬み合わせの改善や、姿勢の改善にもつながる矯正治療を行うことができます。Invisalignにもその機能が付け加えられるようになりましたが、レディーメイド的なもので個々にあったオーダーメイドの顎の位置付けは難しいようです。

上顎を大きくするサポートのついたマウスピース

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子供さんの八重歯など、歯の並ぶスペースの無い顎を素材の弾性を用いて大きくするマウスピースがあります。体の出来上がっていない、柔らかい骨を主に横方向に拡大することができます。少し大きなマウスピースですが、従来の拡大装置に比べれば薄くて違和感も少ないです。

反作用を消す装置が付加できる

歯を動かす矯正力には同じだけの反作用の力が発生し、それを打ち消さないと良くないことが起こります。その反作用の力をマウスピースの一部を大きくして打ち消す機能をつけることができます。薬で言うと副作用を極力減らすということです。下顎前歯の唇側や上あごの部分です。

舌の位置を覚えさせるなど、子どもの口腔習癖を改善する設計になっている

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乳歯や混合歯列期の矯正治療を行わなくてはならない子どもたちは、舌の定位置が適切ではないところにあります。Smarteeの子どものマウスピースには、舌の先はここに付けておいてください的なランドマークが予め設置されています。マウスピース矯正の期間中に舌先を置く位置を覚える訓練もできるという正に一石二鳥の仕組みが取り入れられています。舌の位置が上に挙がることで気道が拡がり、また顎を拡げるサポートにもなるのでこの訓練はとても大切なのです。口呼吸などの口腔習癖を改善するサポートにもなります。残念ながらInvisalignのマウスピースにはついていません。

マウスピースは矯正治療の一材料にすぎない。

Smarteeの良いところを説明してきましたが、Invisalignが悪いと言っているわけではありません。先駆的なことを行ってマウスピース矯正を普及させてきた第一人者です。ただ機能面では後発メーカーに追い越されてしまった感があるのも事実です。マウスピース矯正の基本を押さえてInvisalignで治療を行えばきちんと治療結果はでます。ただアライン社はブランド戦略を行っているせいか、患者様にご負担いただく額が年々上昇しております。世界的に広く普及しているブランドを選びたい方はInvisalignをお勧めしますが、機能面、リーズナブルさを優先なさる方はSmarteeという選択がよい時代に入ったと個人的には思っています。的確迅速に歯並びを整え、全身の健康を回復するために、よりよい材料を選択することは理にかなったことではないでしょうか。

 

 

インビザラインレッドプロバイダーはマウスピース矯正に必要なステイタスではありません。

2025年12月4日

インビザラインのレッドプロバイダーとは?

レッドプロバイダーというのは、インビザライン社が提供しているプロバイダーステイタスのひとつで、一定数以上のインビザライン症例を行った実績がある歯科医師・歯科医院に与えられている称号です。具体的には過去1年間の症例数が、例えば20症例とか50症例など、インビザライン社にマウスピースを依頼した数を、インビザライン社が独自に定めたランク制度に基づいた呼称です。しかし、これはあくまでインビザライン社へマウスピースの作成を依頼した数の目安です。数が多いからといって、治療の質が保証されているわけではありません。

マウスピース矯正のマウスピースを製造する会社は何社あるでしょう?

日本国内でマウスピース矯正(アライナー)を製造・提供している会社は、少なくとも10〜20社程度存在しています。イン症例数が多くても、ひとつひとつの症例に丁寧に取り組んでいるかがカギです。ビザライン社は世界的なパイオニアで、少し前まで日本でシェア約80%でした。(製造は海外で行われています。)ただ少しづつシェアは落としているようです。アソアライナー、クリアアライナー、Oh my teeth、アクアシステム、など日本のメーカーの他、韓国や中国のメーカーも参入し1強の時代ではなくなりました。1つのメーカーの独自の称号が意味を持つ時代ではなくなってきています。

矯正治療を受ける上で、本当に大切なことは何か

患者さんが矯正治療を受けるうえで本当に重要なのは、診断です。なぜ歯並びが乱れているのか?

骨格?舌癖?呼吸?成長不足?何が原因でそうなっているのかを様々な資料から読み取り、原因を突き止めなければなりません。単なる歯の位置だけの問題ではないからです。原因を取り除かないと根本的な解決ができません。多くの数を見ることで得られる経験も大切ですが、ただ並べるのではなく顎関節や姿勢など全身を含めて診査診断できなければなりません。見た目の歯並びだけでなく、全身との調和を考えた診断できるかが最も大切なことです。ですから当院では顔の写真、全身の写真も撮影させていただきます。身体の歪みを極力取ってから身体能力の差も確認し、その時の噛み合わせの位置を組み込んで治療計画を立案します。

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診断の次に、治療計画をどう立てるかということになります。

歯を動かす距離(量)を把握しなければなりません。たとえば上顎前突で前歯を下げたい場合、どのくらい下げる必要があるのか。そのためには抜歯が必要なのか不要なのかの判断。抜歯をしないのであれば、歯を動かすスペースをどのように獲得するのか。顎を拡大するのか、歯を少し削るのか。抜歯するのであれば無理なく動かせるのかどうか(移動量が大き過ぎないのか)骨の幅の中に収まって動かせるかどうか。最終的に歯の軸が噛み合わせの面に垂直になる動きにできるか。歯を正すのに難しい動きはあるのか、あればどのようにするのか。無駄な動きを無くすため、動かす順番をどうするのか。などなど、骨の中で歯の根がどう動くかを予測して、合理的に動かしていく必要があります。必要に応じてTAD(ミニスクリュー)やMSEなどの選択肢も考えないといけません。

宇治市 歯医者 clin check なかむら歯科医院

体全体との調和を考えた矯正治療

当院では、専門医やプロバイダーの“肩書き”よりも、骨格や歯の位置、噛み合わせや癖までしっかり診断して、身体に無理なく、長く健康を維持できる治療をご提案しています。歯だけを見ずに、全身のバランスや将来の成長まで含めた矯正治療を考えています。きれいに並んでも、体と調和していないでは意味がありません。あなたの体に合った“設計図”を一緒に作っていきましょう。舌の使い方や呼吸のクセが歯並びに影響していることもあります。そちらの訓練も必要になります。

宇治市 歯医者 face distortion なかむら歯科医院

マウスピース矯正の歯の移動に関して気をつけているポイント

マウスピース矯正は、歯の動かし方において設計・制御・患者協力度の三位一体の配慮が不可欠です。ワイヤー矯正とは全く異なります。材料特性を把握した動きを治療に組み込まなければなりません。

移動量は1ステージあたり 0.25~0.33mm以下

マウスピースは弾性変形による圧力で歯を動かすため、一度に動く量を多くしすぎると適合不良を起こします。動きが再現されやすい計画にしなければなりません。基本的に1ステージ0.25mm程度が推奨されています。歯を出す動きや歯を回転させる動きは、難易度が高いので気を配らなければなりません。

歯に力を伝えるためのアタッチメント設計

マウスピースだけでは歯の面に引っ掛かりがないので、歯に動かす力が加わりません。動かす歯に対して歯の表面に力を加えるための小さな白い材料を歯の表面に付けます。これをアタッチメントと言います。どのような位置に歯を動かしていくかを考えてアタッチメントの位置と形、大きさを設計します。動かさない歯にも、不要な反作用の力を打ち消すために、アタッチメントを設置します。反作用の力がどう発生するかも考えなければなりません。

歯根の位置のコントロールを意識

ワイヤーも同じですが、マウスピースは歯冠に接触するだけで、歯の根の向きをコントロールするのは矯正治療ではが難しい。ただしマウスピース矯正ではCTによる根尖位置の確認ができるので、歯の根の並びや方向を意識した調整ができます。最初から歯の根の傾きを想定した動き方を設計に反映させます。

骨幅の許容範囲を超えない歯列の拡大を設定する。

歯を並べるスペースを確保するために歯列を拡大することがあるのですが、歯根が骨から飛び出るリスクがあります。CTにより骨の確認ができるのでこれを確認しながら治療を進めていきます。

IPR(ディスキング)を適切に決める

歯を並べるスペースを作るために、歯の間を削る処置が必要があるかどうかをシュミレーションします。シミュレーションで正確なIPR量を計算します。一か所で0.2~0.5mmが一般的です。エナメル質内に留めます。

装着時間(1日22時間以上)の徹底

ワイヤー矯正と違い、アライナーの力は装着している間にだけかかります。装着時間が不足すると、治療計画通りに歯が動きません。計画通り治療が進まない最大の原因です。適合をピッタリさせるようにアライナーチューイーという材料を使うことを装着時に使用することを習慣化してもらいます。

肩書きではなく、中身で選ぶ時代へ

このように、肩書きは一定の経験や症例数を積んできた証です。しかし、実はそれだけでは本当に安心・安全な矯正治療ができるとは限りません。肩書きやステイタスは参考にはなるけれど、それだけでは不十分です。本当に大切なのは患者さんに合った正確な診断と歯を動かすための設計力と実現可能な計画づくりこそが成功のカギです。根本の原因と体全体のバランスを考慮したうえで、無理なく長く安定する治療計画を立てることが何よりも重要です。

矯正治療で本当に大切なのは、ただ歯を並べることではありません。

シミュレーションの見た目だけでなく生物学的な根拠に基づき、CTやレントゲンを分析に活用して診断に活かし、患者の成長、癖、生活習慣を考慮できるかが重要です。大切なのは「診断」と「治療計画」の質、ということになります。歯だけを並べることはたやすいのですが、全身の健康ということを考えた治療ができる歯科医を選ぶとよいでしょう。

マウスピース矯正のページ

小児マウスピース矯正のページ

若年者の抜歯を避けて矯正治療するのが当院の基本方針です。

2025年11月20日

身体の成長と調和を守るため抜歯を避ける

宇治市 歯医者 model なかむら歯科医院

成長期(特に12歳前後〜中学生)は、顎の骨がまだ発育段階にあり、適切なタイミングでの機能的アプローチにより歯列や顎の成長を誘導できる可能性があります。早期に抜歯をすると、本来可能だった骨の大きさになりません。歯の数に合った大きさにしかならないのです。上顎の成長は10歳までにほぼ終わってしまうのですが、18歳までなら狭い顎を適正な大きさに拡大誘導できる可能性が残っているのです。もちろん6〜9歳ごろからの矯正治療ができていれば、歯列の乱れを未然に防げて抜歯の必要性はかなり減らすことができます。

歯は臓器の一部です

抜歯は不可逆的な処置であり、成長や将来の変化に対応できないというリスクが伴います。小臼歯の抜歯は、口元が引っ込み過ぎてしまう(フラットフェイス)原因になったり、顎の大きさが小さくなって気道容積が減少して睡眠時無呼吸症のリスクを高める可能性が指摘されています。成長が終わり、どうしても抜歯をしないとスペースが確保できなかったり、噛み合わせに不備が生じてしまう、という診断になってようやく抜歯を選択する、というスタンスを当院ではとっています。何が何でも抜歯をしない、ということではありませんが、若年者はまず抜歯をしません。治療後半になって下顎の前方への成長が見込めない、と確定した時にようやく抜歯を検討します。まず歯の保存を前提とした治療計画を立てるのが大原則です。

抜歯が必要になるのは?

もちろん、すべての症例で非抜歯が可能とは限りません。以下のような場合は、抜歯が必要になることもあります。

著しい叢生(スペース不足が10mm以上)

成人でも、上顎を側方に拡げる装置を用いることによってスペース不足を解消できる可能性があります。完全に骨化している場合は抜歯になります。若年者であればマウスピース矯正を使うことで上顎を拡大できます。まだ骨が完全に固まっていないのが、その理由です。でもできれば中学生までに取り組みたいところです。

顎の成長が終了しており、拡大・誘導が見込めない成人症例

特に男性で30歳を越えると拡大はほぼ不可能で、抜歯を選択することになります。女性の場合は40代でも可能性はあります。少し外科処置が必要になります。

骨格性の上下顎前突や過蓋咬合で、口元の突出感が強い場合

骨格性の受け口は、歯だけでなく、その部分の一部の骨含めて取り除き咬み合わせを治すことがあります。外科的矯正と呼ばれ、成長の終わった頃に治療します。下の前歯が、噛み込むと見えない過蓋咬合は、下顎を前に誘導することで抜歯を避けることができることがあります。ただし横から見てほとんど顎先が首と一体化している場合では、下顎を前に誘導すると同時に上顎の歯を抜歯して上の前歯を下げる必要があります。開咬の治療も、下顎が後ろに引っ込んでいることが多くありますから、下顎を正しい位置に導くことで、歯を抜かずに済むかもしれません。難しいと言われる開咬治療が、あごが自然な位置に戻ることで、歯を抜かずに済むことがあります。

開咬と顎関節の深い関係

 

宇治市 歯医者 open bite3 なかむら歯科医院

奥歯で噛んでいても、前歯が上下で当たらずにすき間ができている状態のことを開咬と言います。

前歯で食べ物がうまく噛み切れない、

発音が不明瞭になりやすい、

口がいつも開いていて口呼吸になっている

という状態です。上下の歯がしっかり噛み合わないため、下あごの位置が不安定になりがちです。そのため顎が後ろにずれやすくなって顎関節に圧がかかり、顎関節にズレが生じ、カクカク音、違和感が出やすいくなります。慢性的な顎のだるさ、肩こり、頭痛につながることもあります。このように見た目が悪いとか、噛み切りにくいというだけでなく、顎関節に負担がかかっていることが多いのです。

マウスピース矯正が開咬治療にやさしい理由

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マウスピース矯正なら、顎関節にもやさしくアプローチしながら矯正治療できます。その理由は

かみ合わせの高さ”を少しずつコントロールできる

マウスピースは全体的に少し厚みがあるので、かみ合わせを少しずつ持ち上げます。マウスピースを装着することで、奥歯ばかりにかかっていた咬合圧を分散でき、あごが楽になります。

顎の位置が自然に“前に戻りやすく”なる

顎関節が圧迫されていた人は、マウスピースによって少しずつ前方・下方にあごが導かれる傾向があります。これは、顎関節が本来の位置に向かって動きやすくなるからです。結果として、後ろに押し込められていた顎関節が前に出ることで楽になって、カクっという音が減ったり、顎が動かしやすくなるなどの変化が見られることもあります。

取り外せるので、筋肉・呼吸のトレーニングと併用しやすい

舌の位置や呼吸、舌の癖、良くない姿勢も開咬の原因になります。それらのトレーニングと並行してマウスピース矯正を行うので、根本的な改善につながりやすいのです。正しくなった位置にあわせて良くない習慣を取り除く、といったイメージです。

歯を動かすよりも顎の位置を変える方が、実は大きく歯が動く

歯並びがガタガタになっているとスペースが足りないから、歯を抜いて並べましょう、と言われることがあります。でも、実は歯の並ぶスペースは、顎の位置やバランスによって変わることをご存じですか。1本1本の歯を少しずつ動かすのはとても大変ですが、下顎ごと前に動けば、一瞬で大きく動きます。歯を動かすことに変わりはありません。顎の位置やバランスをまず正しく導くことをしてから歯を動かすことを考えれば、歯をたくさん、いっぱい動かす必要が減ります。

余計な移動を少なく済ませる

抜歯を避ける

当院では歯を最小限の移動にして最大限の効果を出す治療を目指しています。最小限の移動は、治療期間の短縮にもなります。そのため十分な診査診断を行います。ただし身体に取ってベストな位置を求めるために、時間はかかってもやらなければならない歯の動きは必ずあります。時間がかかっているのはそのためだとご理解ください。

どうして下顎が前に出ることがいいの?

下顎が前にくると、顎関節の動きがスムーズになることで、口腔全体のバランスが整います、上顎が劣成長だと、下顎は上顎より前に出れませんから、下顎は本来あるべき位置よりも後方に押し込まれています。そうすると気道は狭くなります。酸素を多く取り入れるために姿勢を前傾にしたり、口呼吸する、ということになります。睡眠時無呼吸症候群の原因にもなります。また顎関節の後ろを走行する、脳への血管を下顎が後ろにあることで圧迫しているのですが、それが開放されます。脳にとっても良くなります。下顎を本来あるべき位置に戻すことが大切で、そのために上顎が大きくならないといけません。片方だけの治療ではなく上下一対の治療が必要なのはそういったことなのです。

抜かずに残して治療することができれば、それがいちばん自然で価値のあること。

宇治市 歯医者 mouth piece ortho なかむら歯科医院

今まで述べてきたように顎の位置を考えた治療を考えていけば抜歯しなくても済むかもしれないということです。下顎が正しい位置にくると、口全体が本来の大きさを取り戻し、歯がきれいに並ぶスペースができる可能性があります。マウスピース矯正などを活用して顎の関節・筋肉・姿勢・呼吸もふくめた全体を見ながら将来的にも健康で美しい歯並びを考えた治療を目指しています。歯が並ばないから抜く、その前に顎の位置は正しいかどうかを是非聞いてみてください。

マウスピース矯正

小児マウスピース矯正

歯並びは良いが、噛み合わせが悪いというのはどういうこと?

2025年11月13日

歯並びは良いのに、噛み合わせが悪いってどういうこと?

宇治市 歯医者 upper なかむら歯科医院

宇治市 歯医者 lower なかむら歯科医院

自分で見ても歯並びは悪くないのに、歯医者で噛み合わせが良くないと言われたことはありませんか。写真をみても、上下それぞれはきれいに並んでいます。学校検診でも、“歯並び”には問題がありません。でも口は上下一対で“噛み合わせ”ます。この噛み合わせに問題のある方が多いのです。

前から見てもおかしくないけれど

宇治市 歯医者 front なかむら歯科医院

この写真をみると、何がよくないかわかりませんよね。上の前歯で下の前歯を少し隠れるくらいが噛み込み具合としては普通です。下の前歯の隠れ具合がこの状態よりもきつくなると噛み合わせとしてはよくないです。見えなくなる程度がきつくなればなっただけ良くなくて、噛みしめや歯ぎしりが症状として現れるようになります。それについては後ほど述べます。話は戻りますが、前から見てこの写真のような状態でも良い噛み合わせと良くない噛み合わせがあります。

宇治市 歯医者 normal bite front なかむら歯科医院

宇治市 歯医者 open bite なかむら歯科医院

上の写真2つを見比べてください。前歯が噛んでいるか、噛んでいないかの違いがあります。上と下の前歯が噛んでいるのが正しい噛み合わせでグッと開いているのはあまりよくありません。もちろん下顎を前にずらせば上と下の前歯同士当たると思いますが、普通にしていて隙間が出来ているのは、前後的開咬という状態です。縦方向に力がかかるのには歯は上手く抵抗するように出来ています。ただ横方向に力がかかるのは特に奥歯は得意ではありません。横方向に力がかかった時、犬歯、またはその前後の歯が協調して奥歯にかかる負担を減らすようにします。奥歯で摺りつぶしをして食事をするのですが、この噛み合わせでは奥歯に負担がかかるのです。負担がかかり続けると、歯がすり減るか歯が揺れてきます。歯のすり減りが続くと神経までの距離が持続的に短くなっていくことと、歯にヒビが入っていきますから知覚過敏の原因になります。歯の付け根に応力が集中するので、磨き過ぎではなく、歯の付け根が削れてきます。これをくさび状欠損といいます。虫歯は無く、特定のところではなく全体的に滲みるという方は奥歯へ過重な負担がかかっていることが多いです。また横方向に力がかかり続けると歯を支える骨が減っていくため、歯が揺れてきますし、歯茎も下がっていきます。

前歯を機能させないと奥歯に影響する

上下の前歯が少し噛み合っているのが良い状態ですが、噛み合い過ぎているのもよくありません。強く当たっていると下顎を奥の方に押し込めてしまいますから、歯ぎしりや噛みしめを助長してしまいます。適度な前歯の噛み合い具合があります。では前歯で噛むようにすればよいですか、と聞かれます。そう出来ればよいですがずっとそうしていられるでしょうか?前歯は食材を切るという機能で、磨り潰すという機能を持っていません。前歯だけで食事を数回はできても、ずっと続けていくのには無理があると思います。美味しく食事したいですよね。成長期では、上顎の後に下顎が成長して前に出てくるので、成長が終わるまでこのような状態で様子を見ることがあります。でも成長期が終わってもこの状態ならば治療した方がよいでしょう。

下の前歯が見えない咬み合わせ(過蓋咬合)

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さきほど述べた噛み合わせると下の前歯の見えない咬み合わせです。色々な程度があります。下からのぞくようにしてみると、下の前歯が上の前歯の裏の歯茎と噛んでいたり、上の前歯の歯と歯茎の付け根当たりで噛んでいたりなど。もちろん上下の歯同士で噛んでいることも。この場合も前歯が機能していませんから、奥歯に過重な負担がかかります。知覚過敏、歯の動揺、歯の破折など引き起こします。下顎が奥に押しやられているので、顎の関節にもよくありません。下顎に問題があるのではなく、上顎が正しく成長しておらず、後から成長する下顎が前に成長できなかった、ということが原因であることが多いようです。成長期に改善しておくことをお伝えするのはこういった理由です。いつでも治療は可能ですが、年齢が上がるにつれ使える手札が少なくなるのも事実です。

分かりやすい不正咬合 受け口

宇治市 歯医者 class 3 なかむら歯科医院

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受け口はわかりやすいですね。顔貌からも、いわゆるしゃくれという状態であることが多いからです。受け口は遺伝的な傾向があることも確かです。成長期には上顎が先に大きくなって、後から下顎が大きくなります。上顎が大きくなり切れないと、下顎が普通の成長であったとしても受け口になります。このパターンが日本人には多いようです。下の写真のように、1本、または2本だけ逆になることもあります。これも綺麗に歯が並ぶだけ顎が大きくなれなかったのです。永久歯であれば様子を見ても前歯は前に出てきません。このままだと逆になっている部分の歯が上下とも他の歯よりも噛み合わさるので、揺れやすくなります。揺れなければ、噛み合わせが歯でロックされるので、顎の位置がズレる遠因になります。

見えない不正咬合

鋏状咬合 (シザースバイト)

宇治市 歯医者 scissors bite なかむら歯科医院

宇治市 歯医者 normal bite なかむら歯科医院

上の写真の一番奥の噛み合わせをみてください。上の奥歯が外側に出ています。下の写真が普通の噛み合わせです。上下の歯の噛む面が見えないのが良いのですが、上の写真の一番奥の歯では丸見えです。これを鋏状咬合と言います。鋏状咬合があると顎が右か左にズレて咬み合わせることになります。咬み合わせがズレると、顎の関節に影響が及びます。顎の開け閉めでカクっと鳴ったり、顎が開けづらくなったりすることがあります。顎の関節の後ろには血管や神経が走行しているので、噛み合わせで左右の顎の関節にズレが生じると偏頭痛などの原因にもなることもあります。正しく生えるだけのスペースがなかった、つまり適切に成長出来ていなかったことが原因です。この歯で言うと、14歳臼歯と言います。年齢的には親が知らない内にこうなっていることもあるということです。

交差咬合 (クロスバイト)

宇治市 歯医者 cross bite なかむら歯科医院

宇治市 歯医者 normal bite なかむら歯科医院

上の歯が、下の歯よりも少し外側にあるのが普通ですが(下)、上の写真では上の歯が下の歯よりも内側にあります。この噛み合わせを交差咬合と言います。今までと同じく、先に成長する上顎が適切に左右方向に成長しなかったために、普通に成長した下顎との噛み合わせに問題が出たと考えられます。奥歯すべて起こる訳ではありません。一番後ろの歯だけで起こることもありますし、犬歯の後ろの歯や6歳臼歯でも起こります。一番後ろの歯だとお年頃に生えてくるので、やはり親が気づかないこともあります。よく見ないとわかりません。

様子を見ても咬み合わせは良くならない

宇治市 歯医者 yugamist なかむら歯科医院

咬み合わせは顎の関節と上下の歯と顎の骨の大きさ、舌、唇、頬に筋肉などで決まります。食事の時だけ前歯で食べるとか、成長を待つだけで噛み合わせを変えることはできません。咬み合わせが良くないと何がよくないでしょうか。咬み合わせがズレると、下顎の位置が前後左右複雑に僅かにズレます。そのズレを補正するために、筋肉に要らない力がかかります。もちろん前か後か左か右か、あるいはその組み合わせか。全部のこともあるでしょう。筋肉は全身つながっています。全身タイツをイメージすると分かりやすいかもしれません。ストッキングやタイツを穿いた時に。ぴったり穿ければ問題ないですが、どこか引っ掛かってしまうと気持ち悪いし、そのズレを治そうとするととても大変ですよね。筋肉もズレた状態のままでいると、使い過ぎる筋肉ができるのでそれが偏頭痛や肩の凝り、腰痛、偏平足、などを引き起こすということも言われています。だから根本の噛み合わせを良くすることが体のバランスを整えることになるのです。

八重歯だけが不正咬合ではありません。

分かりやすい八重歯や前歯のがたつきだけでなく、歯並びは良くても上下噛んだ時の噛み合わせが良くないことがあります。これら不正咬合を正していくことは身体に取って良いことです。いつ治療に取り掛かってもよいのですが、できれば成長期に治療しておけば最も効果的といえるでしょう。ぜひお子さんの噛み合わせをみてください。

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歯ぐきが見えるのが気になる。

2025年10月30日

笑った時に、歯ぐきが見えるのをガミースマイルと言います。

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ガミースマイル(Gummy Smile)とは、笑ったときに上唇が上がって、歯ぐき(歯肉)がよく見えてしまう状態を指します。審美的な問題として気にされる方が、ことのほか多いです。原因も様々で、それぞれ治療法が異なります。歯科的な治療法と歯科以外の治療法を説明していきます。ただし原因にかかわらず、治療による改善は難しいことが多いです。

ガミースマイルの主な原因

宇治市 歯医者 gummy smile 2 なかむら歯科医院

・永久歯の萌出後も歯ぐきが多く残っていると、前歯の長さが短く見えることがあります。

・成長期に上顎骨の下方への成長が多すぎると、前歯の歯ぐきが露出するようになります。

・上唇を持ち上げる筋肉が強すぎると、唇が大きく動き歯茎が見えたりします。

・前歯の歯列不正や前方向への傾斜がきついと歯ぐきが見えやすくなることもあります。

治療法には

歯冠長延長術

歯ぐきを切除すると共に歯を支える歯槽骨を削って、歯茎を大きく下げるイメージです。歯を長く見せる術式になります。歯肉と骨の両方を削合するので、効果を得やすいですが比較的大きな侵襲がかかります。歯が長く、歯を支える骨が十分にある歯が適応です。ただし今まで口腔内に出ていなかった歯根が口腔内に露出することになるので、知覚過敏のリスクがあります。歯そのものの長さが短いと、歯を支える骨が少なくなり歯が揺れてしまうので、適応症ではありません。

歯肉整形

歯冠長延長術とは少し違い、メスで余分な歯ぐきだけを切除し、歯を長く見せます。ですから比較的低侵襲で行えます。歯を支える骨に問題なく、歯肉だけが多い場合が適応です。こちらも、今まで口腔内に出ていなかった歯根が露出するので知覚過敏のリスクがありますが、歯冠長延長術よりも低リスクです。切除量はさほど大きくできないので、効果は限定的です。

矯正治療

簡単に言うと、矯正力を使って前歯を骨の中にめり込ませる治療です。矯正用のインプラントと矯正用のゴムを用いて歯を押し下げます。期間は1〜2年程度が一般的です。この押し下げに用いる矯正力のコントロールが難しいです。また、ご自身でゴムを使ってもらわないといけないです。骨にめり込ませるというのは、指で歯を押し込むように力を加えていただくとわかると思いますが、骨の硬さにもよりますが難しいです。せいぜい1~2㎜くらいだと思ってもらうとよいかと思います。

ボトックス注射

唇を持ち上げる筋肉にボトックスを注射して上唇の動きを抑制します。上唇の筋肉が強すぎて唇が上がっている場合に適応されます。注射のみの治療になるので、治療に時間はかかりません。ただし永続的なものではなく効果は時間と共に無くなっていきます。3〜6か月で繰り返し治療が必要となります。

上顎の外科的骨切り術

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上顎の前方への過成長が原因の場合、顎そのものを一部切除して後ろに下げます。顎を後ろに下げますから根本的な改善が可能です。矯正治療で、抜歯をして治療することがあります。犬歯の1本後ろの歯を抜歯することが多いのですが、その歯と骨を切除するというイメージです。自費治療で全身麻酔下での手術となります。また噛み合わせに問題がなければ、上が後ろに下がった分、下顎も下げないといけません。上だけがいわゆる出っ歯であれば上だけで済むこともあります。

強くコンプレックスを持っていらっしゃる方は外科的矯正をお勧めします。

顎そのものが前方に出ている方は、外科的骨切り術でないと根本的には解決しないと思います。気にはなるけどそんな大げさじゃない範囲で出来たらいいな、という感じなら、その方に合った治療法で取り組んでみてもよいかと思います。

子どものガミースマイル

ガミースマイルは、成長中の骨格や筋機能の発達と深く関係しており、早期の観察と予防的なアプローチが非常に重要です。気づいたら早めに対処すると良いでしょう。

上顎骨の過成長(垂直的過成長)

上顎は前と下に成長していきます。縦方向により成長してしまうと顔が長く見え、笑うと歯ぐきが露出するようになります。遺伝的傾向があることも多いとされています。

口呼吸・低位舌

宇治市 歯医者 mouth open なかむら歯科医院

口呼吸があったり舌の位置が低い位置にあると、上顎の下方への過成長を誘発するようになります。舌が下から押し上げる力が上顎にかからないからです。根本を突き詰めると哺乳の仕方、哺乳期間、離乳食の与え方、ハイハイの期間、などきちんと順序を踏んで適正にできていないと、アデノイド顔貌、いわゆる口ポカンになってしまい上顎の下方への過成長を促してしまうのです。。

不正咬合

出っ歯(上顎前突)や開咬などの不正咬合も②と同じ理由で起こり、結果としてガミースマイルを引き起こす原因になります。噛み合わせによって唇が閉じにくくなり、笑うと歯ぐきが目立ちやすくなったりします。

子どものガミースマイルに対する対処法

早期発見・早期対処が原則です。成長期における対応は成長を利用した予防的介入がポイントです。

口呼吸の原因除去(耳鼻科との連携)

口ポカンだったらまず耳鼻科を受診しましょう。アデノイド肥大、アレルギー性鼻炎などがあると鼻呼吸ができず口呼吸になってしまうからです。歯科受診の前にまずは耳鼻科で、鼻に問題がないかを確認してください。

小児矯正

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上顎が劣成長で出っ歯、開咬、などの不正咬合になっていることが多く、早い時期に上顎の成長方向を正しくコントロールしていくことが望まれます。マウスピース型矯正は素材のしなやかさを使って痛みなく顎を拡げていくことが出来ます。また最近では色々なソリューションをマウスピースでも併用できるようになりました。(前方牽引装置など)女の子は15歳、男の子は18歳でほぼ成長が終わります。時間はあれよあれよという間に過ぎていきます。時期を逃さず取り組み、骨格的ガミースマイルの進行を未然に抑えるとよいでしょう。

筋機能療法(MFT Myofunctional Therapy)

宇治市 歯医者 aiube なかむら歯科医院

舌の位置、口唇の閉鎖力、正しい嚥下や発音をトレーニングします。簡単なトレーニングで比較的予防効果が高いとされています。例えばポッピングです。舌を上顎につけて吸い上げて“ポン”っと鳴らす。意外と最近の子どもたちは鳴らすことができません。舌を上手く使えないのです。あとは、あいうべ体操などあります。多くの訓練がありますが毎日続けられないと意味がありません。いつまで?と聞かれた時の答えは、永久歯が生え揃うまでです。大体14歳くらいと思ってください。大きくなると子供任せになります。なかなか難しいところです。口呼吸や低位舌を改善し、骨格の成長バランスを整える意味があります。

生活習慣の見直し

姿勢、食事の仕方、呼吸の癖などが骨格成長に大きく影響しています。親が言って、言い聞かせられる時期ですし、食育できる期間です。顎の発達促進、咀嚼筋の刺激で顔面成長を正しく導いてあげましょう。

正しい食事姿勢の習慣化

よく噛んで食べる    。しっかり噛まないといけない食事の提供

猫背などの姿勢の改善        上顎の成長方向に悪影響を及ぼしています。

大人になってからだとそれなりに治療は大変

これまで述べてきたように成人のガミースマイルを改善するのは、どのような手立てでもそれなりに大変です。大きな外科処置による治療を除けば、効果もある程度限定されます。しかしながら子供のうちにその兆候が見られるならぜひ早め早めに対応されると良いでしょう。様子を見ることもありますが、基本的に出来ること取り組みましょう。矯正治療以外の対処法はさほどお金のかかることではありません。しかし家族全体の根気は要ります。腹を据えて取り組んで下さい。治療だけではよくなりません。

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中学生の八重歯治療の効果

2025年10月2日

症例の概要

宇治市 歯医者 6462_ry_Oral front_20230725 なかむら歯科医院

14歳の女性で、歯並びが気になるとのことで来院されました。上顎が八重歯になっています。そのひとつ手前の歯も少し引っ込んでいるのと、捻って生えています。下顎の真ん中の前歯もスペースが足らないのでガタついています。少し左に傾いています。普通上顎は、下顎よりも外側にあるという関係です。奥歯をみると上顎の奥歯は下顎より外にありますが、ちょっと余裕がありません。上顎、下顎共に歯が綺麗に並んでいないのですが、それは歯が並ぶだけの大きさに顎が大きく成長できていないということです。上顎の方がその傾向が強いように思います。

当院の成長期の八重歯(叢生)治療のコンセプト

宇治市 歯医者 scammon curve なかむら歯科医院

基本的に成長期の治療では抜歯を避けるように考えます。成長期を過ぎてしまうと残念ですが抜歯を組み込んだ治療も検討しなければなりません。歯が並ぶスペースが無くて八重歯になっているので、並ぶだけのスペースに顎を大きくする治療計画を立案します。当院ではマウスピース矯正という手段で上顎を大きくしていきます。ただし年齢が高くなるにつれ難しくなります。下顎は上顎よりも成長しきるまでの期間が長いので、まず上顎を大きくしなければなりません。上顎の方が早く成長が終わってしまうのです。一般的に日本人男性は18歳、女性は15歳にほぼ成長が終ります。もちろん個人差がありますから絶対ではありません。上顎は10歳にはほぼ90%成長を終えてしまいます。ですから遅くても中学生になるまでに治療に取り組んだ方が本当は良いのです。高校生になると中学生よりも難しくなるのはそういった理由があるのです。でも、高校生でもまだ成長のカケラが残っている可能性がありますから、成人になるのを待ってからというよりは早めに取り組んだ方がよいと言えます。顎を拡げる程度が大きいと、それだけでスペースを確保できない場合もあります。その方の歯の大きさが日本人の平均の大きさ以上である場合、歯の大きさを調整してスペースを確保することもあります。また、治療しても顎が大きくならない場合、やむを得ず抜歯を選択しなければなりません。個体差は、どれほど詳細な事前診査・診断をしても残念ながらわからないのです。この方は個々の歯の調整は行っていません。

上顎の成熟していく過程を理解して上顎を大きくする

宇治市 歯医者 incisor suture なかむら歯科医院

よく見ていただくと真ん中に縦の線、赤枠のところに横の波線があります。前歯の付け根に穴が開いていていますが、これは永久歯が生えてきている状態です。年齢で言うと6~7歳くらいの上顎の模型です。簡単に言うと、これらの線のところが年齢と共に融合していって固まって(化骨)一つになって上顎は完成します。歯が綺麗に並んでいないくらい上顎が小さいまま固まってしまうと、後からは簡単に上顎を大きくできません。実際は、できることはできますが、外科処置が必要になります。(MSE)成長期であれば、線のところが完全に癒合していないので、マウスピースというマイルドな力を加えて痛みなく拡げていくことができます。

成人ならMSEという手段で上顎を大きくする

宇治市 歯医者 mse なかむら歯科医院

上顎に機械的な力を直接加えて顎を左右に拡げていきます。この装置は上顎の真ん中に小さなインプラントのようなネジで直接固定します。毎日数回ご自身で装置の真ん中にあるスクリューを回していただきます。成人の方が対象になりますが、男性や上顎の骨の薄い方は効果が出ずらいことがあります。左右に拡げると前歯の真ん中が空いて、すきっ歯のようになります。そのすきっ歯が歯を並べるスペースとなり、歯のガタガタを治していくのです。成長期に八重歯や歯のガタガタの治療に取り組んでおけば、このような器材を使ったり、抜歯などしなくて済む可能性が非常に高くなります。

上顎の治療経過

初診時

宇治市 歯医者 6462_ry_Oral upper_20231002 なかむら歯科医院

3か月後

宇治市 歯医者 6462_ry_Oral upper_20240214 なかむら歯科医院

6か月後

宇治市 歯医者 6462_ry_Oral upper_20240522 なかむら歯科医院

9か月後

宇治市 歯医者 6462_ry_Oral upper_20240819 なかむら歯科医院

1年後

宇治市 歯医者 6462_ry_Oral upper_20241120 なかむら歯科医院

若干ひねりは残っていますがほぼ改善しています。綺麗なアーチになっています。

下顎の治療経過

初診時

宇治市 歯医者 6462_ry_Oral lower_20231002 なかむら歯科医院

3か月後

宇治市 歯医者 6462_ry_Oral lower_20240214 なかむら歯科医院

6か月後

宇治市 歯医者 6462_ry_Oral lower_20240522 なかむら歯科医院

9か月後

宇治市 歯医者 6462_ry_Oral lower_20240819 なかむら歯科医院

ほぼ良くなりました。

1年後

宇治市 歯医者 6462_ry_Oral lower_20241120 なかむら歯科医院

初診と約1年後の正面写真

宇治市 歯医者 6462_ry_Oral front_20230725 なかむら歯科医院

宇治市 歯医者 6462_ry_Oral front_20241120 なかむら歯科医院

八重歯も改善されました。下顎の前歯の傾きも改善されました。上顎も拡がり、上下の関係が改善されています。

矯正治療は歯並びを良くするためだけではありません。

宇治市 歯医者 6462_ry_Cephalo LA_20250321 なかむら歯科医院

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上が治療前、下が治療終了前です。頸椎の曲がり具合をみていただくと、治療前は湾曲しています。治療終了前は真っすぐに近くなってきています。理想的な横から見た頸椎のつながりは真っすぐよりやや後ろに湾曲した形です。スマホ全盛の時代ではどうしても前傾姿勢になっているので、ストレートな形になっていることがほとんどになっています。前傾姿勢にした方が呼吸しやすかったのですが、顎が大きくなり噛み合わせがよくなったことで口腔容積が広がり、前傾姿勢する必要がなくなったと考えます。スポーツしていて息があがると、顎を突き出しますよね。あれは酸素を一生懸命取り入れるためにしています。前傾姿勢の典型です。

矯正治療は脳を守るための治療

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宇治市 歯医者 6462_ry_Cephalo PA_20250321 なかむら歯科医院

上が治療前 下が治療終了前です。同じように頸椎に注目してください。治療前は右に傾いていますが終了に向かって真っすぐになっています。上下の傾きはありそうですが、左右の位置は固定されていますから、頸椎の傾きは改善されたと言えるでしょう。頭が傾いたままでは平衡感覚が取れないので目線(頭)を地面に平行にします。頭を真っすぐにするためにいろんな姿勢をとります。下顎は自由に動かせるので、噛み合わせにズレがあると下顎で調整しようとします。下顎がズレると首の筋肉の使い方に左右差がでます。筋肉は骨に付いているので骨もズレます。骨も筋肉も全身つながっているので、あちこちにズレが生じるという仕組みです。嚙み合わせがすべてとは言いませんが、猫背、肩こり、O脚、偏平足など遠く離れたところにも影響することがあります。

脳への血流が良くなる

嚙み合わせが良くないと、脳への血流量にも影響が出ると言われています。脳は身体全体の2%の重さですが体全体の20%の血流量を必要とします。脳は心臓よりも高い位置にあるので、血液を送り込む勢いが他よりも必要です。その送り込む推進力の一つが舌の動きと言われています。舌は活発に動きますが、動いていること自体が押し上げる力になります。口腔が小さく、適切な運動ができないでいると、動きが緩慢になります。推進力に影響します。また不正な嚙み合わせで血流量に左右差が出るのも脳にとってはよくありません。脳は毛細血管の塊ですから。また、噛み合わせが良くなると噛む、という脳への刺激もよくなります。特に、考える、やる気、コミュニケーションに関係する前頭葉への刺激となります。どの年代であれ口腔内の環境が良くなれば、脳は活性化されます。成長期ならなお一層効果があるのではないでしょうか。

八重歯やガタガタな歯並びは早期に取り組んだ方がよりよい福音をもたらします。

様々な条件はあるでしょうけれど、お子様の将来を考えていただければと思います。ただしマウスピース矯正は本人の意欲が必要です。お任せではありません。1日のマウスピースの装着時間は、余程の体調不良を除き、どのようなときでも22時間以上、チューイーを使って装着していただきます。ワイヤー矯正と違って脱着することができるため、約束を守れないと治療結果はでません。親御さんの管理も必要となります。多分してると思います、では結果が出ません。

治療回数

治療回数14回 (資料採取、事前説明含む)

治療費用

総額 863,500円(モニタリング費用含む)

治療内容

八重歯 叢生の改善

副作用 リスク

チューイーの励行 1日22時間以上の装着時間の遵守ができない場合、治療目的を達成できません。 定期的なモニタリングの来院に応じられない場合予期せぬ結果を招くことがあります。

 

歯を並べるために顎を大きく拡げることはできる

2025年9月11日

答えはイエス!です。

適切な哺乳、適切な離乳、適切な食事ができていれば顎は適切に大きくなり、きちんと歯はならんでいきます。どこかが上手くいっていないと乳歯のうちにもキチキチな歯並びになったり、すきっぱにならなかったり、噛み合わせると下の前歯がみえないような出っ歯になります。口がきちんと成長出来ていないと、お口ポカンになってしまいます。歯がきちんと並んでいるということは、舌、唇、頬などの筋肉が適切に働いているということです。鼻呼吸ができるということは、空気の流れで頭を冷やし、脳を活性化させますし、鼻というフィルターを通すことで体内への細菌・ウィルスに侵入を防ぎ免疫力を上げるという効果もあります。きちんと歯が並ぶくらいの大きさに顎を大きくするのには様々なメリットがあるのです。

受け口にも3種類ある。

アントニオ猪木さんを思い出すと、下顎が前に出ていますよね。その状態を受け口と言います。話し方も、受け口の方は少し特徴があります。原因には遺伝的なものもありますし、そうでないこともあります。末端肥大症というホルモンの関係で下顎が成長している可能性もあります。3種類あると書きましたが、上が正常・下が出ている、上が引っ込んで・下が正常、上が引っ込んで・下が出ている、の3パターンがあります。骨格の問題で言えば、受け口の治療で難しいのは最後の上が引っ込み下が出ているという上下両方に問題のある場合です。骨格的には上下普通で、歯だけが上下逆になっているパターンも存在します。部分的に上下の歯並びが逆転している場合は比較的治療はスムースに進みます。下が普通で上が引っ込んでいることが多いパターンのようです。この場合下が普通ですから、歯に傾きを加えて直すというよりは、上顎を拡げてあげれば受け口を解消することに寄与します。その場合、前にも拡げないといけないのですが、大きな装置を用いなければならないのが難しい所ではあります。

上顎が狭いなら、上を拡げるのが理にかなっている。

噛んで前歯を見てもらうと、普通は上の歯が下の歯より外側にあります。奥歯もやはり上の歯が下よりも外側にあります。歯は骨から真っすぐ生えていますから顎の大きさも、下顎よりも上顎の方が大きいのが普通です。上顎の右と左の6歳臼歯の幅でいうと42㎜が普通です。下顎はそれより15㎜くらい小さいのが普通です。それくらいの差があって上下の歯の並びは普通の噛み合わせになります。大きさには個人差がありますから必ずこれと言う訳ではありません。バランス的にはこれくらいがちょうどよいのです。ただ小さくなると歯がきちんと並ばなくなる可能性が高まりますし、鼻の通り道も狭くなり、口呼吸の原因にもなります。上に合わせてしか普通下顎は大きくなれないことが多いですから、下顎も歯が並ばない、ということになります。ですから歯並びを治すには上顎の大きさがどうなっているかをまず見なければなりません。

上顎骨と下顎骨の違い

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上顎は左右一対の骨で、くっついて1つの形を作っています。くっついた部分のなごりが前後にあって正中口蓋縫合と言われます。また前歯あたりの部分に切歯縫合という左右の骨の継ぎ目があります。だんだん目立たなくなっていきますが、成長期にはこの縫合が開いていることが多いのです。成人になると癒合が進み開かなくなります。下顎は発生初期(胎児期)では左右一対に分かれている状態で発生するのですが、真ん中で癒合し成人では1つの骨になります。通常、2歳前後までに骨癒合が完了し、目立たなくなります。成人になると、縫合線としては見られなくなることがほとんどです。この縫合にアプローチをかけて顎を広げることができるのですが下顎は縫合がほぼ無くなってしまいますからアプローチできません。下顎を拡げることはほぼできません。

上顎は基本的に大きくできますが、できないこともある。

縫合が閉まって、癒合しきっていない時期、成長期であればそこに力をかけて側方に広げることができるのです。前方向へは切歯縫合、横方向へは正中口蓋縫合に力を加え、顎を大きくしていくことができます。ただし切歯縫合は10歳くらい、正中口蓋縫合はティーンの時期がラストチャンスです。前方向への拡大できる期間はとても短いのです。あれこれ考えている暇がありません。ですから10歳になっても八重歯をそのままにしておくと上顎は、歯を綺麗に並べるだけの大きさになりませんから抜歯して矯正治療しなくてはならなくなります。早期に顎を大きくする取り組みをしましょう。

マウスピース(アライナー)を使用して上顎の幅を広げる治療(成長期)

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上顎の歯列や骨の幅を広げる治療を口蓋拡大(Palatal Expansion)と言います。通常のマウスピース矯正と同じで、食事・歯磨き時以外は1日20~22時間装着します。顎をどれだけ大きくするかは診断によりますが、数十枚のマウスピースを作成し毎日交換します。1枚ごとにわずかに外側へ広がったマウスピースで少しずつ拡大させながら歯列の幅を広げていきます。骨の成長のある年齢なので、上顎の骨自体も広がるのです。さきほど述べた正中口蓋縫合に軽い力を継続的に加えることで少しずつ広げるというイメージですね。ですから痛みも少ないです。最大48枚なのでひと月半といった期間です。拡大後は元に戻らないようにリテーナーという装置で安定させます。通常のマウスピースに比べて少し大きくなるという欠点はありますが、期間的には短いですからここは頑張ってもらいます。もちろん取り外し出来ますから食事や歯磨きもしやすく、発音にも影響しにくいです。マウスピースによる骨の拡大は成長期の子どものみとなります。

大人はMSEという手立て

宇治市 歯医者 jacci なかむら歯科医院宇治市 歯医者 MSE なかむら歯科医院

MSE(Maxillary Skeletal Expansionの略)は、上顎(口の上側)を骨ごと横に広げる治療法です。これはマウスピースで拡げるものではありません。通常、上顎の成長は10代前半までにほぼ終わるため、大人になると歯列矯正だけでは上顎の幅を広げるのが非常に難しくなります。軟らかい成長期の骨はマウスピースで縫合を拡げることが出来ますが、縫合が閉じた大人は言わば機械的な力を加えて強引に縫合を広げる、といったイメージでしょうか。特殊な装置を使って骨をゆっくり拡大し、上顎全体を広げます。車を持ち上げるジャッキという道具があります。タイヤがパンクした時に車を一部持ち上げてタイヤ交換するときなどに用います。地面と車の間に入れて少しづつ高くしていくと車の一部が持ち上がります。上顎の真ん中にジャッキみたいな材料をほんの小さなインプラントでねじ止めして固定します。局所麻酔下で行います。その材料を1日1~2回ほどスクリューを使って自分で回してもらいます。数週間から数ヶ月かけて横方向に上顎を拡大していきます。目的の大きさまでなれば、拡大は終了です。その後拡大した上顎を安定させるため、材料は上顎に留めておきます。

MSEの治療のリスク

治療できるかどうかを、歯科用CTスキャン、口腔内スキャン、X線を撮影し、上顎の状態を確認。MSEが適用できるか診断します。上顎の骨が薄いとMSEを取り付けても効果が出ないことがあります。また30歳を越えた男性の方は縫合を開くことが出来ないことがほとんどです。その場合は対象外です。治療中に違和感や圧迫感があったりしますが、数日で慣れることが多いようです。ただ発音や食事で違和感が多少あったりします。まれに思うように縫合が開かないこともあります。

上顎の骨を拡大するメリット

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上顎が狭く、歯が並ぶスペースが足りなかったり(叢生・ガタガタの歯並び)上顎が狭く、下顎の歯が上顎の内側に入っていたり(交叉咬合・クロスバイト)している場合、治療していくにおいて上下の歯並びのみならず顎骨の関係を正していくことが治療の永続性と健康につながります、自然な歯並びを取り戻すため顎にアプローチすることも必要になっているのです。

反作用の力を考えた歯列矯正の治療計画

2025年9月4日

矯正治療における、反作用の力への対策

宇治市 歯医者 action&reaction なかむら歯科医院

矯正治療では、歯を動かすために矯正力を加えます。その力だけ働かすことができればよいのですが、そうは問屋が卸しません。薬でも副作用があるように反作用という副作用が生じます。この反作用の力をコントロールしないと、その歯だけでなく他の歯が意図しない方向へ動いたり、噛み合わせが悪くなったりする可能性が出てくるのです。例えば4人と1人で綱引きをしたとしましょう。どちらが勝つかは明らかですが、1人の方も力を入れますから80% 対20%になります。4人の方は全部の力をだした80%の力しか残りません。20%力を失っているのです。抵抗された20%の力で捻挫したり腰を痛めたりする可能性がありますよね。その20%が反作用です。矯正治療でも同じです。ですから矯正治療では反作用の力を打ち消す工夫が必要なのです。

矯正治療における反作用とは?

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矯正力を加えると、動かしたい歯だけでなく、他の歯にも逆方向の力(反作用)が加わることがあります。例えば、奥歯を後ろに動かすと、前歯が前に出てしまうとか、前歯を引っ込めると、奥歯が前に動いてしまうとか意図しない歯の動きの出る可能性を防ぐために、さまざまな対策を取らないといけません。

反作用の力を打ち消す方法には

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ゴムを使う

よく用いられるのは矯正用のゴムです。小さなものです。奥歯を後ろに動かしたい時に、反作用で前歯が、前に出ないように奥歯と反対の顎の前歯に前後的にゴムを使います。要は後ろにだけ力がかかるようにするために用います。私は主にこのような目的でゴムを使用します。

その他のゴムの使い方

上下の歯をしっかり噛み合わせるようにするためにゴムを使うこともあります。マウスピース矯正でも可能なのですが、ゴムを使った方が早く、治療期間の短縮のために用いることがよくあります。また、一番奥の歯の噛み合わせが逆転している時に上の奥歯の頬側と下の奥歯の舌側に小さな引っ掛けを作って正しい咬み合わせにする時にも用います。これも治療期間の短縮のために用います。

ゴムの装着方法と注意点

基本的に食事や歯磨きのとき以外はつけっぱなし(1日20時間以上が理想)で、マウスピースを外したらその都度交換してもらいます。(伸びて効果が弱まるため)反作用を防ぐために用いていますから、きちんと装着しないと、治療効果が遅れたり、出ないばかりか副作用が現れてしまいます。もちろんゴムの装着位置を間違えないことも大切です。

歯同士で反作用を打ち消すのが難しいこともある。そんな時にアンカースクリューという手立て

宇治市 歯医者 TADs なかむら歯科医院

アンカースクリューって何?

アンカースクリューはTemporary Anchorage Devices(略してTADs)の日本語です。歯を動かす際の固定源、すなわちアンカー(日本語で錨)として使用する小さなネジです。小さなネジ様のインプラントとお考え下さい。Temporaryとあるように、矯正期間中だけ口腔内に設置します。歯に小さなボタンを付けて、アンカースクリューとゴムでつないで使います。先ほど述べたように、歯同士だと反作用の力が少なからず出ます。アンカースクリューは直接骨に接合していますからしっかりした固定源となります。鉄棒に綱を巻き付けて綱引きすると、100%の力で引いても鉄棒はびくともしません。そんなイメージです。

確実に目的とする力をかけることができる。

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矯正治療では反作用の力で、動かしたくない歯も一緒に動いてしまうことがあります。反作用を打ち消しながら歯が動かしていくと時間がかかることがあります。アンカースクリューを使うことで、余計な歯の移動を防ぎ、直接的に力を加えられるため、治療期間が短くすることができます。

どのように埋め込むのか?

特別な手術が必要になる訳でもありません。歯を失った時のインプラント治療のミニ版くらいと思っていただけるとイメージしやすいかもしれません。通常の局所麻酔を使用してアンカースクリューの埋入を行います。予め場所決めしますので1本約15分程度で完了し、すぐに日常生活が可能です。一般的には骨の厚みがあるところに埋入します。上顎の奥歯の頬側や下顎の奥歯の頬側に設置されることが多いです。アンカースクリューは直径1.2~2mm、長さ6~10mmほどの小さなチタン製のものです。矯正治療後にアンカースクリューを取り外します。麻酔をしないこともあります。つまり痛みはほとんどないということです。数分で完了します。

アンカースクリューのケア方法

小さな材料ですが、やはり装着時には違和感が出ることもあります。数日で慣れることが多いようです。埋入する骨の質や噛み合わせ、などにより、稀にスクリューが外れることもありますが、再埋入することで対応は可能です。スクリュー周囲の歯肉が炎症を起こす可能性もありますが、適切なケアで予防できます。長持ちさせるためには、やわらかめの歯ブラシを使ってスクリュー周囲の歯磨きをしっかり行うと共に 歯間ブラシやうがい薬(クロルヘキシジンなど)を活用するとよいでしょう。またアンカースクリューに過度な力が加わると、ネジが緩むことがあるので固いものを噛まないよう心掛けましょう。

矯正治療は、反作用の力をコントロールすることが成功のカギ!

矯正治療では、歯を動かすときに発生する反作用の力に対して適切に対策しなくてはなりません。そうすることで、計画通りに歯を動かし理想的な歯並びを作っていくのですが、そのためにゴムやアンカースクリューを用いなければならないことがよくあります。矯正治療を始める時にはそのことも十分ご理解いただきたいと思います。

反作用の力を利用する矯正治療もある

宇治市 歯医者 suture なかむら歯科医院

歯の並びは噛む面から見ると、Uの字になっているのですが、成長が上手くいかずにVの字になっている方があります。また小さいのに歯並びがガタガタな方がいらっしゃいます。そんな方は顎が小さいのです。小さいうちは成長というジェットエンジンがあります。その力を最大に発揮させて顎を大きくすることができます。顎を拡大させるのです。成長の方向は前と横です。後ろはありません。もともと上顎は幾つかの骨が集合して、成長と共に一つの大きな骨に融合していきます。10歳くらいでほぼ一つになってしまうのですがその時期にマウスピースの力を使ってまだ完全に融合しきっていない骨を拡げることができます。骨を拡げることで歯が並ぶスペースも出来ますし、その上の鼻の容積も広がり、鼻呼吸できる手助けになります。

反作用の力が作用の力になる。

海の中で同じ体形の二人が向き合って手で押し合うとしてみてください。押しただけ相手が向こうに行きますが、こちらも後ろに力がかかり、お互い離れていきますよね。相手に作用の力をかけていますが、相手からの反作用も受けています。上顎を左右に拡げる作用を働かせるのには反作用がない、ということです。何か一休さんの頓智みたいですね。子供のうちに上顎を大きくするのには、反作用の力がかからないので矯正治療するのに適している、ということです。ただしこれは上顎においてです。下顎は元から一つの骨なので左右に拡げることはできません。ですが、上顎が大きくなれば下顎はそれに合わせて成長します。上顎の成長の後に下顎は成長のピークを迎えるからなのです。

小児マウスピース矯正

上顎を拡げる手立ては大人にも実はある。

これはまたの機会にご紹介します。成長期を終えても上顎を左右に拡げることは可能です。ただ年齢や性差により確実とは言えません。しかし大きな福音であることは確かです。早くお知りになりたい方は、MSE、で検索してみてください。

マウスピース矯正

 

小学生の軽度の前歯のがたつきはマウスピースで治療します。

2025年8月20日

一読していただく前の豆知識

実際の治療経過を見ていただきながら、歯並びがマウスピース矯正でどのように治っていったかを見ていただこうと思います。今回は、歯並びが気になるとのことで来院された症例です。お写真の説明に当たって、事前に知っておいてもらいたいことがあります。子供さんの歯を見る時の豆知識にもなりますので是非覚えておいてください。乳歯は白く見えます。英語でmilk tooth    と言います。直訳するとミルクの歯です。文字通りミルクのような白さなのが乳歯です。それに比べて永久歯は少し黄ばんで見えます。一般の方が、虫歯になっているのが、乳歯なのか永久歯なのかを見分ける一つの方法です。

初診時

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宇治市 歯医者 6854_hm_Oral lower_20240413 なかむら歯科医院

来院時は9歳の女の子です。ぱっと見ると下顎の前歯の歯並びが少しガタガタしているのが目につきます。よく見ると下の一番奥歯、6歳臼歯が内側に傾いて生えています。舌は上に挙げてもらっていますが、下の歯並びの内側に収まるには少し小さいように見えます。つまり下顎が少し小さいように見えます。上顎は何の問題も無いように見えますが、真ん中の隣の歯が真下よりも少し外側に向かって生えているようにみえます。上も下も真ん中から3番目の歯、乳犬歯の前後に隙間は無いように見えます。通常、永久歯の前歯は乳歯の前歯よりも幅が大きいです。ですから、乳犬歯が抜けて、永久歯の犬歯が生えてきたら、歯並びの中に収まらないように生えます。八重歯になる可能性が高いのです。子供の歯並びは全体的にすきっ歯であった方が、永久歯の歯並びになった時に綺麗に並びます。

自然な成長だけで顎は大きくならない

大きくなるにつれ成長で顎も大きくなるから、多少ガタガタな歯並びでも良くなるだろう、と思いたいですが、残念ながらそのようになることは極めて少数です。乳歯の時に隙間のないキチキチした歯並び、あるいは乳歯の時点でガタついているようなら、永久歯になってもガタついたままになることがほとんどです。自分のところだけは例外だろうと思いたいのは心情としてよくわかります。でも、顎を大きくする可能性のあるトレーニングはあります。筋機能療法といわれる訓練、そして食育です。前歯を使って噛み切る食事を一品毎食取り入れ、あいうべ体操やカミカミトレーニング、ブクブクうがい、これらを毎日子供に飽きさせず、永久歯の生え揃うまで数年間毎日続ければ成長と共に顎を大きくすることが出来るだろうと思います。歯並びや口ポカンのないお子様にも顎を大きくするのに有効です。ぜひ頑張って続けてもらいたいと思います。

上顎の治療経過

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治療開始3か月後

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治療開始5か月後

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治療開始7か月後

歯の表面に付いている出っ張りはアタッチメントと言われる歯を動かすための材料です。最後の写真には付いていないと思いますが、この時期における矯正治療の目的を達成したのでアタッチメントは外しています。最初の頃、前歯はどちらかと言えば並び方が直線に近いのですが、終了時には丸みを帯びた並び方に変わっています。自然な歯並びは、このような軟らかい丸みを帯びたアーチなのです。真ん中から3番目の歯、乳犬歯の前後に空隙が出来ています。先に述べた通り、後から生えてくる永久歯の犬歯は乳歯よりも幅が大きいので、この歯並びのアーチに入れるには隙間がなければ外に並んでしまいます。この隙間を作るのもこの時期の矯正治療の大きな目的の一つです。

下顎の治療経過

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治療開始3か月後

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治療開始5か月後

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治療開始7か月後

下顎の前歯のガタガタも、治療開始3か月で良くなりました。乳犬歯前後の隙間も治療と共に少しづつ出来ています。上と下の前歯の幅は、下の方が小さいのが普通です。隙間のでき方も上よりやや小さめになっています。歯並びのアーチも丸みを帯びた形に、そして少しづつゆったりしてきています。舌がアーチの中に収まるのにちょうど良いくらいになっています。

乳臼歯は永久歯の臼歯の幅より大きい

今まで前歯のことばかり話してきました。奥歯はどうなん?て疑問が湧きますよね。乳犬歯の後ろ2本が乳臼歯です。一番後ろの歯が6歳臼歯です。(その後ろが14歳臼歯、その後ろが親知らずになります。まだそれは生えていません。)乳臼歯の幅は、その下から生えてくる永久歯の幅よりも大きいのです。虫歯などで乳歯が抜けていない限り永久歯が綺麗に並ぶだけのスペースは確保されています。生えてきた時にできる乳歯と永久歯の差で出来る隙間は、6歳臼歯や14歳臼歯に押されるので自然と塞がってきます。

治療前後の正面の写真とレントゲン写真

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宇治市 歯医者 6854_hm_Oral front_20241221 なかむら歯科医院

下の前歯の歯並びが良くなっているのがわかります。下の奥歯が、治療前は内側に向かって生えていますが、治療後は真っすぐ方向に変化しているのが分かると思います。それだけでも舌の置き場が大きくなります。舌の置き場が狭いと、舌は後ろに下がってしまいます。後ろに下がると気道が狭くなります。気道が狭くなる、と呼吸しづらくなるので口呼吸するか、空気を取り入れやすくするために前傾姿勢になります。花の匂いを嗅ぐときに顎先を挙げますよね。そういう姿勢です。彼女の治療前後のレントゲン写真を見ると頸椎が起き上がって姿勢が良くなっていることがわかります。矯正治療をしたことで顎を大きくなり、舌が前方で保持できるので呼吸しやすくなり、姿勢も良くなった、と言えます。

歯並びを治すだけが矯正治療の目的ではありません。

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歯並びを治すことで、虫歯や歯周病の元になる歯垢を除去しやすくなり、審美的な改善を図ることができます。それはもちろんなのですが、それだけが矯正治療の目的ではありません。歯が並ぶだけの大きさに顎が大きくなると、呼吸しやすくなり頸椎のバランスが良くなります。頭の重さはおよそ5kgあります。結構ありますよね。ボーリング玉くらいです。それが首の上についている時、ちょうど真上ならバランスが取れますよね。少し前にズレたら、落とさないように首を前に出します。無理なバランスを取り続けると、首の前後の筋肉が変な力がかかり続けます。当然首は凝るし、そのバランスをとるので肩こり、腰痛まで引き起こしてしまいます。呼吸しやすい環境を整えることも矯正治療の目的なのです。

短期間で目的達成できたのは、ご本人の努力の賜物。

もちろんご本人だけでなく、ご家族の協力も必要です。でも本当に頑張ってくれるのは本人です。本人のモチベーションがなければマウスピース矯正は上手くいきません。22時間以上装着してもらわないといけませんし、脱着には気を配らないといけません。ついつい面倒な時もあるでしょう。それでもルールを守って治療に協力してもらえたことに感謝です。いくら診断やゴールの設定、治療計画の立案が上手くいっても、子供さんのマウスピース矯正は、本人のやる気がないと成立しません。子供さんの矯正治療をお考えの保護者の方は載せ上手、褒め上手でいてください。その子の健康を手に入れるために。

保定装置は、乳歯が全て生え変わるまで使用していただきます。

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宇治市 歯医者 6854_hm_Retainer upper_20250125 なかむら歯科医院

宇治市 歯医者 6854_hm_Retainer Lower_20250125 なかむら歯科医院

歯並びの後戻りの無いように、すべての乳歯が永久歯に生え変わるまで保定装置を使っていただきます。装着時間は少しづつ減らしていき、1~1.5年後には夜間使用にします。

治療期間

目的

歯列不正を正し、永久歯の萌出スペースと舌房の確保する

回数

8回

費用

総計511,500円(税込)

(診査、診断、検査、材料費、経過観察費用、リテーナー費用 含む)

リスク 副作用

乳歯の永久歯への交換があり、その際マウスピースの適合が合わなくなって治療期間が少し延びることがあります。一日22時間以上の装着時間を守っていただけないと、良い結果が得られません。

小児マウスピース矯正

診療スケジュール

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