Q1.つわりがきつくてしっかり歯ブラシできません。どうすれば良いですか?
A1.できる範囲で構いません。
できる範囲で歯ブラシしていただければよいです。
前歯しかできなければそれでよいです。
砂糖の摂取(スイーツなど)制限する、和食中心、発酵食品を摂取する食事にする、よく噛んで食べる、などで食べ物の流れを作り、少しでも歯垢の付きづらい環境を整えるのも一つの考えだと思っています。
それも無理なら効果は歯ブラシに比べて大きく劣りますが、洗口液だけでもよいです。
気分の優れているときしっかりブラッシングするようにしてみてください。
Q2.健診で虫歯を指摘されましたが、治療しないといけませんか?
A2.無理しなくてよいです。
拝見しないと虫歯の程度がどれほどかが分からないのですが、小さい虫歯(C1程度)であれば出産後でよいと考えています。
虫歯の進行が止まっていることもあります。
止まっているならわざわざこの時期に治療することはないと私は思います。
大きな虫歯の場合、痛みが無ければ神経を残す手法を私は用います。
すべての虫歯を取り切らず神経を残すための材料を仮に、取れないように充填します。
どうしても痛む場合は安定期に治療を行います。
Q3.妊娠中に歯石を取りたいですが、可能ですか?
A3.はい。
妊娠性歯肉炎や歯周病の対策(早産、低体重児出産)のために、ブラッシングが基本ではありますが、歯石の除去はしておいた方がよいです。
妊娠初期はそうでもありませんが、おなかが大きくなると胎児の重みで血液の流れが悪くなる可能性があります。
治療を受ける姿勢がつらければ、少し治療台を起こした状態で歯石の除去を行います。
ブラッシングが疎かになりがちな時期ですので、大変でしょうけれどマメに受診されることをお勧めします。
Q4.歯が痛みます。治療できますか?
A4.はい。ただし基本的に応急処置になります。
治療するメリットが治療するリスクよりもある時にのみ、治療が必要であれば安定期に行います。
妊娠初期、妊娠後期の治療は麻酔の局所麻酔や投薬に伴う多少のリスクがあるので、治療は基本的に応急処置に限ります。
レントゲン写真も妊娠初期以外であれば(防護服も使用しますから)リスクはかなり低減するので撮影できます。
それでもリスクはなるべく避けたいものです。
歯周病があると低体重児出産や早産の可能性があるのでその対策、クリーニングや歯石除去は積極的に行いましょう。
Q5.子どもにカルシウムが取られると聞きますが、本当ですか?
A5.いいえ。
そのようなことはありません。
一度出来た歯からカルシウムは溶けだすことはありません。
つわりなどで歯ブラシするのが難しい環境になるので、虫歯になりやすくなるのです。
できる範囲で歯ブラシしていただければよいです。
歯磨剤を使わない、歯間ブラシやフロスだけでもする、でもよいです。
それも難しければ、効果は歯ブラシに比べて大きく劣りますが、含嗽剤(洗口液)でケアしてください。
それも出来なければ水でうがいでもよいです。
できることだけすればよいです。
Q6.哺乳期間が長い方がよいと聞きました。本当ですか?
A6.はい。
世界の平均は4.2歳とWHOが伝えています。
哺乳という訓練をして口の機能を獲得しています。
しっかり哺乳という訓練が出来ていないと、口呼吸や歯列不正を招きます。
早い断乳、離乳は歯列不正と知能発達に影響することがわかっていますので、WHOやユニセフは2歳までの母乳育児を推奨しています。
早すぎる断乳は鼻腔の成長を妨げ、口呼吸を誘発し、唾液分泌を減少させ、かえってむし歯のリスクが上がります。
難しいかもしれませんが取り組んでください。
Q7.哺乳が噛み合わせを決めると聞きましたが本当ですか?
A7.はい。本当です。
赤ちゃんは哺乳の際まず唇を使い、前歯に相当する部分の歯ぐきで噛むようにし、舌を上あごに押し付け、そのまま後方に舌をうねらせています。
この時の前歯の歯ぐきや舌の力で口の上にある鼻腔や副鼻腔を形成します。
離乳食ではこのような力がかからないので、鼻腔や副鼻腔が成長できず、鼻呼吸できなくなり、お口ぽかんになってしまいます。
上顎を大きくする原動力となる舌の使い方を覚えます。
それが適切な噛み合わせを作ります。
Q8.哺乳瓶の選び方が大事だと聞きましたが本当ですか?
A8.はい。
ミルクの出方がよいと、舌や唇、頬などの筋肉を使いません。
それでは口腔機能の獲得するための訓練にならず、正しく顎が成長せず歯並びが悪くなります。
哺乳瓶は何でもよいわけではありません。
噛むタイプのものを使用してください。
具体的には雪印の「ビーンスターク」ドイツの「NUK」などです。噛むように哺乳することで食べる機能が成長します。
舌の使い方、舌や唇の筋力がつきます。
しかし家ではできるだけ母乳にするのがよいです。
ただ完全母乳育児であっても、断乳の時期が早すぎる子どもは閉鎖歯列になることもあります。
母乳の出が良すぎることも原因の一つかもしれません。
Q9.哺乳瓶はいつから始めれば良いですか?
A9.哺乳瓶の開始時期に決まった正解はありません。
可能な限り母乳育児を継続していただき、保育園入園やお母さまの仕事復帰のタイミングで導入することが多いようです。
NUKやビーンスタークなどの哺乳瓶は、正しいラッチオンを獲得する補助として有効な場合があります。
ビーンスタークは吸うのにかなりの力を使います。
吸う力が弱い子供には少しハードルが高いかもしれません。
哺乳瓶は噛むタイプのものを使用してください。
噛むように哺乳することで食べる機能が成長します。
シチュエーションに応じて使っていただくということになりますでしょうか。
Q10.保護者の意識を統一しておく方がよいと聞きましたが何故ですか?
A10.哺乳、離乳食の与え方にルールがあるからです。
例えば哺乳瓶でミルクをあげる時、顎先を挙げるような与え方をするとまだ未成熟のため耳管に水分が入ってしまいます。
縦抱きにして顎先が挙がらないようにしてミルクを与えなければなりません。
離乳食は口の中にどんどん入れていけば良い訳ではありません。
下唇にスプーンを当て、自ら上唇を閉じ、捕食してから水平に抜きます。
そうしないと飲み込むだけの習慣になってしまうのです。
すべては正しい成長をしてもらいたいからです。
この時期は機能獲得にとても大切な時期なのです。
Q11.産科医と哺乳に関して意見が違いますが、どちらが正しいですか?
A11.どちらも正しいです。
産科医や助産師さんは栄養摂取を重視しますし、歯科医は口腔機能育成(顎の成長)の観点から口周囲の筋肉のトレーニングができることを重視します。
それぞれ重要視することが異なるからです。
どちらも正しいです。
どちらを選択するかは各御家庭の選択になります。
成長が遅れているようなら栄養重視になるかもしれません。
成長に問題ないなら機能訓練重視してもよいかもしれません。
そういったことでどちらも正しいと言えるのです。
Q12.うつぶせ寝は何故起こるのですか?
A12.いろいろな原因が考えられます。
低位舌、寝返りの時に反り返る傾向がある(あった)、筋肉の緊張、などが考えられます。
口呼吸になっているなら哺乳期間中なら哺乳方法を見直してみましょう。
離乳食中なら離乳の仕方を見直してみましょう。
正しく出来ていたでしょうか。
顎が大きく成長出来ていないと舌の置き場が無く気道が狭くなります。
そのため下を向けば重力で前方向に落ちるので呼吸しやすくなるのです。
その他できることは日中よく動く、スキンシップをルーティンにする、寝る環境の湿度、温度に注意する。
それらがすべてではありませんがまず取り組んでください。
Q13. 卒乳の時期はいつでしょうか?
A13.子どもが求めなくなるまで、です。
厚労省の「授乳・離乳の支援ガイド」では1歳になるまでは母乳は子どもが欲しがる間は飲ませるように書いてあります。
早い断乳は歯列不正と知能向上に影響することがわかっていますので、WHOやユニセフは2歳までの母乳育児を推奨しています。
早すぎる断乳は鼻腔の成長を妨げ、口呼吸を誘発し、唾液分泌を減少させ、かえってむし歯のリスクが上がります。
Q14. 指しゃぶりをやめる時期はいつでしょうか?
A14.3~4歳までに
指しゃぶりなどは、子どもが必要だからやっている場合があり、何歳であれ無理やりやめさせるのは良くないです。
指をしゃぶっている原因を教えてあげてください。
原因次第でアプローチの仕方が変わります。
3歳までの指しゃぶりは歯列などへの影響もほとんどなく、生理的なものですので問題ありませんが、4歳以降も続くようなら歯科に相談してください。
4歳以降も指しゃぶりが続くと開咬や出っ歯の原因になるからです。
まずは食事を改善し、次にスマホやテレビの時間を減らすだけでも指しゃぶりは減ります。



