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歯ぐきの痛くない小さなおでき って何?

2026年9月3日

瘻孔と言います。

宇治市 歯医者 fistula なかむら歯科医院

痛くはないが歯茎に小さなデキモノがある。なかなか消えない、或いは消えたり出来たりを繰り返す、という訴えで診療所にお越しになる方があります。口の中にできるおできです。これを瘻孔(fistula)と言います。歯の根の先に慢性の炎症があって、膿を出す出口になっています。それがおできの正体です。

瘻孔は痛くない

瘻孔がある状態では痛くないことが多いです。それはそこから膿が出ているからです。出口が無くて膿が溜まり続けると、骨の中で行き場がなくてズキズキ痛みます。膿を出すために歯茎を切開したり、お薬を出します。あるいは被せ物や詰め物がしてあればすべて外して、歯の中から膿を出します。瘻孔が出来ているということはそれまでに痛みの有る無しを別にして神経が失われていることを意味しています。

痛みのある時期の処置

おできが出来ている状態、病名で言えば慢性根尖性歯周炎と言います。さきほども述べましたが、基本的に神経がダメになっているので、神経はありません。慢性があるということは急性もあります。神経処置がしてある歯でも(神経のない歯)根の中が虫歯などの理由で細菌感染してしまうと、根の先に膿が出来ます。膿が排除されないとズキズキします。根の先の炎症を抑えるために抗菌剤(化膿止め)を服用してもらいます。

抗生剤が効くには時間が少し経ってから

宇治市 歯医者 drug なかむら歯科医院

抗生剤は服用してから血中に取り込まれ、炎症のある部分まで運ばれます。ですから効き始めるのに時間がかかります。1日くらいかかると思ってください。そこから続けて服用していただき、血中濃度を維持することで消炎に努めます。飲んだり飲まなかったりでは血中濃度が維持されないのでもっと時間がかかります。痛みの出はじめは炎症作用のさほどない鎮痛剤でしのいでもらうほかありません。顔貌までわかるくらい腫れている場合は、点滴で抗生剤の血中濃度をすぐ上げます。その場合は口腔外科を受診していただきます。

膿を出す通路を作る

歯ぐきを触るとプヨプヨしていて、歯茎のすぐ下に梅が溜まっていることが分かる場合切開をして膿を出します。膿が溜まっていると麻酔が効きにくいので、辛抱という治療の協力をお願いしないといけません。膿が出てしまえば一気に痛みは引きます。切開には切り頃というのがあります。効果を最大に得られる時期のみ切開を行います。もう一つが歯の中から膿を出す方法です。

歯の中から膿を出す

宇治市 歯医者 root なかむら歯科医院

極端を言えば、歯の神経のあるところまで歯を削って、神経や神経の代わりに詰めてある材料を取り除くと口の中と歯の根の先の骨がつながります。根の先に膿が溜まっているので、歯の中に通路を作れば中から膿は出てくるはずです。ただ歯の根の中はとても細いです。神経の入ってくる入り口は直径で、歯の種類や個人差にもよりますがだいたい0.25㎜です。また何かの原因で目詰まりしていることもあるので、必ず膿が出るとは限りません。

神経のある歯でも急性化する

宇治市 歯医者 swelling なかむら歯科医院

虫歯のない、神経のある歯でも急性根尖性歯周炎を引き起こすことがあります。噛み締めや歯ぎしりがきつくて歯がすり減って、神経にダメージを引き起こす場合です。虫歯がとても大きかったが何とか神経を残した場合、持続的に神経へダメージがかかることもあります。神経を残すことが何より大切ですしその努力はするのですが、神経のバイタリティーは人それぞれでコントロールすることは残念ながらできません。)

被せ物や詰め物、金属の土台がガッチリついている

神経処置してある歯の場合、金属を含め多くの材料が使われています。当然付ける時には外れないようにしていますから、取り除くのがとても大変です。急性期で歯がズキズキしている場合麻酔も効きづらく、被っている材料を取り除いて歯の中から膿を出すことはとても困難です。もし取り掛かったとしても時間はかかります。このような症状がある方は突然連絡があります。元からご予約の方の治療の時間を割くこともできませんので、投薬の対応となることがほとんどです。

急性期が過ぎて慢性期になる

根尖性歯周炎は歯の根の中に炎症を引き起こす感染源が存在して発症します。虫歯由来であることが多いです。神経のある歯だけが虫歯になるのではなく、神経が失われても虫歯になります。適切に歯磨きできていなかったり、詰め物被せ物の不適合によることもあります。神経のない歯は虫歯が進行しても滲みるとかいう症状は出ません。歯が割れた時とか、根尖性歯周炎で歯が痛みます。一旦症状が消失しても、原因が取り除かれていなければ慢性的な根尖性歯周炎のままですし、身体の体調などで急性化します。慢性根尖性歯周炎の兆候の一つが瘻孔です。

放置するとどうなるか?

痛くないからと放置するのは危険です。膿が出ている通路があるということは、そこには本来あるべき骨がないと言えます。感染源がある限り少しづつ骨を溶かし続け、歯を支える骨が失われます。そこだけではなく手前や後ろの歯を支えている骨でもありますから、影響は1本の歯だけではありません。自然に治ることはなく、体調により再発を繰り返します。放置期間が長いほど、虫歯にさらされますから健康な歯の部分が少なくなっていきますから、歯を保存できる確率が下がっていきます。

何をしてどう治すのか?

瘻孔自体を塗り薬で治すことはできません。原因である歯の内部の細菌感染にアプローチする必要があります。歯の根の中に存在する細菌や汚染された物質を専用の器具(ファイル)で徹底的に取り除き消毒していきます。具体的には歯の根の中の周囲(根管壁)をやすりのようなもので掻きとっていきます。根管壁が綺麗になれば、瘻孔は消失します。ただ根管はとても細く、奥歯になればなるだけ歯の根の数も増えるので、治療はとても難しいです。時間もかかります。

通法で良くならなければ、抜歯を含めた外科治療

先に述べた根管治療を行うのですが、解剖学的な問題や固着してしまった材料があったりすると通法では治らないことがあります。また自費のブリッジを外したくないご希望がある場合に行います。具体的には、歯茎を切開して骨を少し削って根っこの先と膿の袋を直接切り取ります。この外科手術を歯根端切除術と言います。一番後ろの大臼歯には不向きでそれ以外の歯が対象となります。一番後ろの大臼歯の場合、一度抜歯をして歯の根の先を口腔外で切除します。骨の中を綺麗に掻爬して抜いた歯を戻して固定します。意図的再植の一つです。

歯の破折の可能性もある

宇治市 歯医者 fracture なかむら歯科医院

歯にヒビが入っていたり、割れていることが原因で瘻孔ができている場合があります。完全に割れていたらレントゲンで映りますが、目視出来ないヒビがあります。そのような場合根管治療を続けても一向に瘻孔が消えないことがあります。そのような場合、残念ながら、抜歯を選択することになります。痛みがないこともあり、抜歯はちょっとと思われるいう方もあります。その場合、瘻孔は消えません。もし消えたとしても被せ物をして噛み合わせるようになると瘻孔が出来ます。噛む力でヒビが開いて細菌が入るからです。無理に歯を残し続けると、周囲の骨が少しづつ溶けてしまい、将来的にインプラントや入れ歯を入れる時に不具合が生じてしまう恐れが高くなります。

まとめ

瘻孔が出来ている場合、痛みはありませんが治療することをお勧めします。失った骨を回復するためです。ただし虫歯治療と違ってそれなりの治療期間が必要です。場合によっては抜歯の可能性があることも念頭においてください。

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