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断乳と卒乳は違います

断乳と卒乳はどちらも授乳を終えることを指しますが、子どもへの影響に明確な違いがあります。断乳は親の判断で授乳を終了しますが、卒乳は子どもが自然に授乳を必要としなくなるのを待ちます。現代では共働きの割合が高くなり、職場復帰から逆算して期間を決め、計画的に断乳されるようです。母子手帳では離乳食の開始の目安は生後5〜6か月頃であるとされています。(自治体によって若干ことなるようです。)根拠は哺乳反射が減弱、消失し始め、スプーンなどを受け入れられるようになる時期だからみたいです。一方、卒乳は明確にやめる日はありません。ある時期から離乳食も併用し、自然に哺乳しなくなるまでなので数年かけて進むこともあります。WHOによれば世界の哺乳期間の平均は4.2年だそうです。
どちらが良いのか
口腔機能育成の観点からいえば、卒乳が望ましいと考えています。しかしどちらも正解なのです。お世話すする家族のサポート体制、心身的負担が軽減されるのであれば断乳でもよいのです。母の体調や次子の妊娠など環境が変わることもあります。総合的に考え無理のない方法を選ぶことが重要です。哺乳期、離乳期に保育園で育児を手伝ってもらう場合、こちらの思いをすべて対応してもらえないこともあるかもしれませんのでお子さんをしっかり観察してあげてください。
赤ちゃんが立ち上がるまでの順序性
赤ちゃんが自力で立ち上がるまでには、明確な順序性があります。神経系、筋骨格系、感覚統合しながら発達します。きちんと順番を飛ばすことなく段階を踏み、しっかり訓練してから進まないと後で困ったことになります。具体的には、口ポカンや歯列不正です。何で?と思われるかもしれません。バランスよく立てないと姿勢が崩れ猫背などになって呼吸の仕方にまで影響し、舌を上顎に付けれなくなるからです。ヒトは上(頭)から下(手足)に向かって(中心から末梢に向かって)発達していきます。
1、仰向け
重力に慣れる段階です。(出生〜3か月頃)四肢は屈曲優位、簡単に言えば丸まる傾向にあるということです。母胎でも丸まっているからまあ当たり前と言えば当たり前です。把握反射やモロー反射などの原始反射が見られます。視覚はぼんやりしていますが手を見て身体と協調しようとしています。この時期の体幹の安定が、後の寝返りや座位(お座り)の土台になります。把握反射は、手のひらに触れるとぎゅっと握る反射です。消失すると自分の意思で手を開閉しているということになります。モロー反射は、急な刺激(音、光など)を与えると手足を大きく広げて、そこから抱きつくように戻る反射のことです。消失すると姿勢が安定し情緒が安定します。成長の重要なサインの一つです。
2、うつ伏せ
首がすわってきます。(2〜5か月頃)肘での支持から手の掌での支持に移行していきます。姿勢保持筋の初期トレーニングと言えます。うつ伏せが極端に少ないと、その後の段階が不安定になりやすいようです。
3、寝返り
4〜6か月頃に寝返りをするようになります。歩行するには体幹を回旋しなければなりませんが、その原型となります。左右の差を認識出来、片側で身体を支持して非対称動作ができるようになります。寝返りは重心移動の基礎となります。
4、座位
6〜8か月頃にお座り出来るようになります。最初はもちろん支えが必要ですが、自立して座位が取れるようになります。骨盤を使って体幹を安定させられます。手が自由に使えるようになります。視線も安定します。
5、ずりばい(ハイハイ)

7〜10か月頃になると腹ばいで移動できるようになります。いわゆるハイハイです。四点支持した上で対角運動(例、右手と左足)ができます。いろいろな全身の筋肉と前庭覚(体の傾き、回転、スピードを感じる感覚)、固有受容覚(体の位置や力の入り具合を感じる感覚)が統合されないと出来ません。咬み合わせや眼球運動とも関連しています。ハイハイは立位(立ち姿)や歩行の安定性を決定づけるので極めて重要な段階です。この段階を飛ばすとか期間が短いと、トレーニングが十分積めていないので、姿勢保持が不安定になります。すぐに立たせようと焦らずに、しっかりハイハイさせる期間を取ってください。
6、つかまり立ち
8〜11か月頃になると立つための準備運動をするようになります。重心を上下移動させること、足底感覚をつかむこと、股関節と膝と足関節を協調させることを覚えます。ここでも焦らず歩かそうとしないでください。歩行器を使うのは厳禁です。バランスを取ることを覚える訓練ができなくなります。
7、伝い歩き
9〜12か月頃になると側方移動できるようになります。片脚支持できるようになる準備です。歩く時のバランスを覚えます。
8、ひとり立ち(そこから歩行)
11〜15か月頃になると支えなしで立位が保持でき、一歩が出るようになります。前庭覚、視覚、固有受容覚の統合が完成し、全身の筋肉との協調運動が出来るようになります。
順序性が崩れたら
一方通行で行くわけではなく、行ったり来たりを繰り返して成長していきます。時期に関しては個人差がありますから、大きくズレていなければそれほど気にしなくてよいと思っています。大切なのは、ハイハイをほとんどしていないのに立たせるようにしたとか、座位が不安定なのに立ちたがらせるなど、急がないようにすることです。先程述べたように、順序を飛ばしたり、訓練する時間が明らかに少ないと、将来的に姿勢不良や口腔機能の低下(口ポカン)不正咬合を招きます。特にハイハイをしっかりしておかないと、舌骨上筋群の機能不足や舌位の不安定を招き、体幹や頸部が安定しません。
離乳食を始めるタイミング
月齢で決めるのではなく、口を複雑に動かせる体の基礎が出来上がっているかをよく観察して取り組みましょう。
うつ伏せでエアプレーンの姿勢が取れるだけではまだ早いです。

うつ伏せの状態で頭を持ち上げ、左右の腕を水平に広げてバランスを取る姿勢のことです。(飛行機が翼を広げて飛ぶ姿に似ているから)フルパワーで背面に反っているだけではまだです。
哺乳反射が消失しているか

母乳やミルクを自動的に飲むための反射です。栄養摂取と生命維持に直結するので、生後すぐから機能しています。頬や口角に触れると刺激の方向へ顔を向けて口を開く、口の中に乳頭や乳首が入るとリズミカルに吸う動きが起こる、口腔内に液体が溜まると飲み込む、という反射です。指を口先に入れてみて吸うかどうか確認することが出来ると思います。
手のひらでしっかり頭を持ち上げることができるか
うつ伏せの状態から腕を使って上半身を持ち上げることができるか。その時の手はグーではなく、パーであるのがポイントです。
食べ物に興味を示すか
手に掴んだものを何でも口に入れて確かめます。確認する手段がそれしかないのですが、食べ物をそれと知って興味を示すようになっているかを見てください。
お座りができるか

本人が手で支持してお座りができる、あるいは大人が支持してお座りができるかも一つの基準です。そして首を左右に向けてもバランスが保てるかどうか。道具を使ったお座りではなく地べた座りでないといけません。顎を引いて、骨盤を立てて座るので安定して座れるようになりましょう。道具を使ってのお座りはバランス感覚が必要ありませんし、身体が歪んだ状態になるのでNGです。
舌の動きも成長していく
お座りできるようになる頃に舌を前後上下に動かせるようになります。プリン状のものを押しつぶせるようになります。ハイハイの時期になると舌を前後左右上下に動かせるようになります。歯茎で潰せる硬さの食材を摺り潰せるようになります。歩けるようになると食材に合わせた動きができ、幼児食に対応できます。
月齢で離乳の時期を決めない
身体の成長をよく見て、離乳食を始めるタイミングを決めましょう。目の届かないこともあるかもしれませんが、お子さんをしっかり観察していくことが大切です。日々の成長を見守ってあげましょう。



