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丸飲みの食事を改善するにはどうすればよいか

2026年5月28日

飲み込む方法は二つある

食べ物や飲み物をどうやってヒトは覚えるのでしょうか。本能と言ってしまえばそれまでなのですが、生まれてきたら生きるために母乳を吸います。鼻に逆流せず、肺に入らないようにしなければなりません。歯茎と舌と唇と頬を上手く使って赤ちゃんは吸い込みます。顎口蓋裂という疾患があります。複数の骨が癒合して上顎は一つの大きな骨になるのですが、上手く癒合しないと上顎と鼻が完全に分かれないので飲んだり食べたものが口の中から直接鼻に入ってしまいます。上唇に亀裂のようなものが入ることもあります。(唇裂)その場合もそこから飲み物が漏れてしまいます。そういう状況だと亀裂部分を早く修復しなければなりません。赤ちゃんのうちに治すことが多いようです。

乳児嚥下

宇治市 歯医者 breastfeeding なかむら歯科医院

出生〜おおよそ3〜4歳頃までにみられる嚥下様式で哺乳に適応した嚥下(飲み込み)です。乳首や哺乳瓶から陰圧で吸って飲み込むために必要なのです。上下の歯(歯茎)は、舌が間に挟まるので接触しません。舌の上下運動が主体となって、舌の前後運動は未熟というか動きは鈍いです。歯がなくても安全に栄養摂取できます。口唇や顎先の筋肉をよく使います。

成人嚥下

宇治市 歯医者 swallowing なかむら歯科医院

乳歯列完成以降(概ね4〜6歳以降)に獲得される嚥下です。簡単に言うと乳歯の歯並びが全て揃ってからとも言えます。咀嚼を伴う(噛む)食事に適した飲み込み方です。発音や姿勢とも密接に関連しています。舌先は上顎前歯の少し後方に接触しているのが普通です。通常は舌全体が口蓋に密着し上下の唇は軽く接触しているが歯が接触していません。食べ物を噛んで、小さな食ベ物の塊を作って、安全に飲み込むという一連の動きができるようになるのが成人嚥下です。顔面の発達段階に応じて嚥下様式が変化します。成長に伴って乳児嚥下から成人嚥下へ本来は移行します。

乳児嚥下が残存すると舌の機能が不十分

乳児嚥下から成人嚥下への移行は年齢というよりも、口腔機能、姿勢、食行動がそろった時点で移行します。目安としてですが、3〜4歳頃に乳児嚥下と成人嚥下が混在し始め、5〜6歳で成人嚥下が確立する時期となります。7歳以降で乳児嚥下が残存していると機能異常と言えるでしょう。5〜6歳以降も続く場合は、乳児嚥下のままの可能性があります。

食事に時間がかかる

噛まずに丸飲みする

飲み込むときに口唇を強くすぼめる

飲み込む時に、顎先に梅干し状の緊張が出る

顔を動かさないと上手く飲み込めない

嚥下のたびに歯と歯の間から舌が前に出る

噛んだ時に、前歯が噛み合わない

サ行やタ行が不明瞭

口呼吸やいびきがある

丸飲みや硬い物を食べないのは訓練不足

丸飲みするのは、哺乳期~離乳期〜幼児期にかけて嚥下という機能が十分に獲得されなかった結果として現れます。最重要なのが哺乳です。哺乳期に吸う、押しつぶす、噛み始める、機能を獲得するのですが正しい哺乳でないと成人嚥下に大きく影響し、先に述べた状態が出現します。

哺乳期において気を付けること

吸う力を使わなくても飲めてしまう

宇治市 歯医者 breastfeeding2 なかむら歯科医院

哺乳瓶の乳首が柔らか過ぎたり、穴が大きいと、筋肉を使わなくてもミルクは出てきます。口腔周囲筋を使って吸う、飲み込むという機能を覚えなければならないのですが、そんなことをしなくても飲めてしまったら、努力をしません。片足を骨折して使わないでいると、そちらの足の筋肉が痩せてしまう、ということを見聞きしたことはありませんか?使わない筋肉は機能しなくなります。

授乳姿勢

宇治市 歯医者 breastfeeding3 なかむら歯科医院

お母さんは数時間おきに起こされ授乳します。しばらくの間ずっと続くのでとても大変です。ついつい横になってそのまま授乳することはありませんか?スマホでも見ながら。皆さんは飲み物を飲む時、寝ながら飲みますか?起きて飲んでますか?どちらが楽ですか?赤ちゃんも同じです。生後すぐは難しいですが首が座ったら、できれば縦抱き授乳した方が良いと思います。横隔膜の筋肉も当然発達していません。飲み込むのに楽な姿勢にしてあげてください。

正しく乳首を咥えさせる

唇がしっかり反転するようにして乳首を咥えさせる、いわゆる深飲みさせてください。浅飲みでは舌をしっかり動かすことができません。先ほどとも関連しますが、寝ながらだと唇がどうなっているかわかりませんよね。

離乳期の問題

卒乳して離乳に移るのですが、暦齢で決めるのではなく、首や体幹が安定してから離乳に移りましょう。女性の社会復帰、保育園に入るためなど様々な社会情勢などもあります。どうしてもというわけではありませんが大人の都合よりも子供の成長に合わせてあげられるとよいと考えています。1人でお座りできて、自分の手で何でも口に入れる時期が来ると思います。その時期が個人的には離乳に移る時期だと思っています。

BWLって何?

宇治市 歯医者 eat with hands1 なかむら歯科医院

赤ちゃん自身が食べ物をつかみ、かじり、噛んで飲み込むことを学ぶ離乳の進め方です。Baby Led Weaningの略です。大人がスプーンで食べさせるものではありません。イギリスでは一般的のようです。食べることが噛む、舌を動かす、飲み込むという学習と捉え、栄養摂取よりも、咀嚼、嚥下、手口協調の発達を重視する考え方です。一般的な目安は、首がすわっていて支えなしで座れること、食べ物を自分で口に運ぶ動作ができること、舌で出す反射が弱まっていることなどクリアできたら開始です。

どんな食べ物を出す?

スティック状にして指で持てる大きさで、歯ぐきでつぶせる硬さがよいです。蒸し野菜(ブロッコリー、ニンジンスティックなど)、柔らかく火を通した肉や魚などです。刻んだり、ペースト状にしすぎないのが特徴です。前提条件として大人の見守りが必須です。窒息リスクへの配慮が必要だからです。ナッツ類、生野菜、丸い食材は避けてください。母乳やミルクは引き続き主栄養で、少しづつ移行します。

BWLのメリット

食への主体性が高まった状態で噛む、舌を動かす経験が増えます。目で見て、手を使って、口に入れるという協調が育つ、というか覚えます。噛む練習、食塊を作る練習、飲み込む訓練を赤ちゃんのペースで始めていくとも言えます。乳児嚥下から成人嚥下に移る訓練になり、将来的な咀嚼力不足や丸飲みの予防につながる可能性があると考えています。ペースト食が長期間続くと、噛まなくてもよい食事ですから機能獲得にプラスにはなりません。

口腔刺激と遊び

ベビーの時から折に触れ口唇や頬、舌に優しく触れてあげてください。唇タッチ、舌タッチ、頬タッチです。舌や頬。唇の感覚を刺激してあげてください。口の中の感覚が鈍かったり過敏だったりしていることが多くなっています。感覚の入力不足です。スプーンで唇に触れるのも適切な刺激です。いろんな感覚を入力しておくことが、特定の食感を嫌がるとか、口の中の食塊の位置や大きさが分からないというようなことの予防になるのではないかと私は考えています。

姿勢もとっても大事

宇治市 歯医者 how to eat なかむら歯科医院

食べる姿勢もとても大切です。足底接地、足を着けて食事することを離乳できるようになったら意識しましょう。背筋が曲がるとか食ベものの位置まで手を伸ばしても遠いとかではいけません。適切な位置に座って食事できるようにセッティングしてあげましょう

幼児になっても乳児嚥下が残ってしまったら

宇治市 歯医者 child なかむら歯科医院

残念ながら舌、口唇、下顎の協調が適切に育たないと、丸飲みしたり、硬い物を食べなかったり、飲み込みの時にすごく力を入れなければならなくなります。こうなってしまうとそれを改善するのはとても大変です。食育をしながらも口周りだけでない足の訓練をしてみましょう。雑巾がけ、足指じゃんけんなどです。足と舌はディープフロントラインという筋膜で繋がっています。舌の訓練をするのも勿論ですが、その舌を適切に動かすために足の訓練を行っていきます。身体の両極にありますが、足がカギを握っているのです。

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