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ファーストデンタル
初めての歯科受診の目安は1歳の誕生日ごろ、あるいは最初の歯が生えてきたらと言われています。日本小児歯科学会などもこの時期を推奨しています。1歳8か月健診も行政で行われていますが、それより前ということになります。1歳ごろからの受診と聞くと、歯科医院に行って何をするの?と思いますよね。この時期の歯科医院での対応は治療ではなく、予防と育成支援になります。
1歳で歯科医院でできること
継続的に通える、かかりつけ歯科医との関係のスタートになります。治療椅子に座ってみるとか、器具を見て触ってみるなどの慣らし体験を経て、歯医者さんは怖くない場所として子どもが慣れるきっかけにしたいのですが、なかなかそう上手くいかないのが本当のところです。口の中を診ようにも大泣きされるのが関の山です。三つ子の魂百まで、と言います。定期健診も思い立った時だけではなく継続的に受診することが大切ですよね。継続は力なりです。この時期から継続的に来院を続けて、怖くないという印象を持てると将来もし治療になったときでも抵抗感が大きく減ります。仕上げ磨きをきちんとご家庭ですべきことをしていれば虫歯のリスクもかなり少ない訳ですから、予防のために通う、という習慣づけにもなるのです。
仕上げ磨きは必ず行ってください。

嫌がって口を開けてくれない、歯を磨かしてくれない、ということもよく聞きます。はじめは手で持たせて、磨かせるというより、口に入れて遊ばせる、という感じでよいです。何でもかんでも舐めたり、口に入れる時期があると思います。遊ばせるといっても、喉をつついてしまったりして事故になってはいけませんから保護者の目の届くところで、という条件になります。歯ブラシを口に入れることが当たり前になるところから始めましょう。磨いて汚れを落とすのは保護者の役目です。歯ブラシを口に入れることが当たり前になるようにしてみましょう。
私(中村)は、無理してでも自分の子どもには仕上げ磨きをしてきました。
私は自分の子どもには抑えつけてでも仕上げ磨きを行っていました。泣いていたら、口をゆすぐも何もありませんから、歯磨剤などはつけずに歯ブラシで磨き、フロスを歯と歯の間に通してきました。歯ブラシで遊んでいたりして馴染ませてきましたが、泣く時はやっぱり泣きます。寝起き、機嫌の悪い時、泣きます。それでも最低寝る前は必ず仕上げ磨きはしていました。ずっと続けてきましたが、ある時から多分諦めて大人しく仕上げ磨きさせてくれるようになりました。傍からみると虐待ととられかねないシチュエーションですが、子供のためを思って行っていました。保護者の方にはそれぞれのお考えがあります。こうすればよい、ということではなくこんな事例もあるということで恥ずかしながらご紹介しました。自己判断していただきたいです。手前味噌ですが、今も歯ブラシ習慣はきちんと身についているように思います。
哺乳びんについて

哺乳をしっかりすることで赤ちゃんは舌、唇、頬、の使い方を覚え、筋力をつけていきます。哺乳を通して得られた情報が間違っていると顎の成長や、顔の成長、鼻呼吸になるか口呼吸になるか、食べ物の飲み込み方、発音の仕方まで影響してきます。妊婦健診にお越しいただいた方には哺乳の重要性と具体的な○×をお伝えしています。それと共に哺乳瓶の選び方についてもご説明しています。医学的には栄養供給できれば問題ないのですが、先ほど述べた機能獲得のためにはそのトレーニング機能を備えた哺乳瓶を選ぶ必要があります。具体的に言えば力を使わないと哺乳できない哺乳びんを私は推奨します。栄養供給をメインに考えるか、機能獲得をメインにするかで選んでいただく必要があります。どちらが正しいということはありません。個人個人で決めていただく他ありません。
おしゃぶりを止める時期について

世界の哺乳期間の平均は4.2年です。幼稚園で言うと年少さんです。現在の日本では、母子手帳を基準にそれよりもずっと早く断乳します。戦後の慣習でやむを得ない所もありますが、出来る限り哺乳期間は機能獲得の面から長ければ長い方が良いと考えています。母子手帳の大元のアメリカでは、母子手帳に記載されている内容は大幅に改善されていて、断乳時期は日本よりも大幅に後になっています。おしゃぶりは機能獲得の訓練にもなるので、2~2.5歳までは許容範囲です。それ以降までおしゃぶりを続けると噛み合わせの問題が出てくる可能性が高くなるので、遅くても3歳までには止めるのがよいと考えています。
指しゃぶりについて

指しゃぶりをするのはなぜでしょうか?一つの考え方ですが、顎が機能獲得できていなくて大きくなれないと鼻が大きくなれてなくて、鼻呼吸ができない。そのために口から酸素を入れるため指を口に入れて酸素を確保している、という考え方です。つまり、指しゃぶりの原因は呼吸のしづらいから、ということです。うつ伏せになるのも気道が小さいから、下顎を重力で無理やり下げて、気道を確保しているのです。上顎が成長できなくて下顎が定位置より下がってしまうと気道は下がって気道が狭くなり、小さくなってしまいます。そのためうつ伏せになって下顎を重力で降ろし、気道を確保しているのです。上顎を大きくしてくことが答えなのです。
口呼吸、口ポカン

これらも上顎が大きくなっていなくて下顎が奥に下がってしまうので気道が狭くなるので、生きるために酸素を取り込むため口を開けるのです。口が常時開いているということは哺乳の仕方が良くなくて、上顎が大きくなれなくて酸素を取り入れるためやむを得ず口を開けている、とお考え下さい。兆候は口腔内を診ればわかることもあります。正常に成長すれば乳歯はすきっぱになります。この時期に前歯がキチキチに生えていたり、歯並びがガタガタだということは適切に顎が成長出来ていない、ということになります。空隙の部位により成長空隙、霊長空隙と言い方が変わります。名前はどうでもよくて、空隙があることが大切なのです。
霊長空隙と成長空隙
霊長空隙は上顎だと乳犬歯の前で、下顎は乳犬歯の後ろになります。霊長類に共通して見られて、咬み合わせや顎の成長に伴って自然にできる隙間のことを言います。成長空隙は、霊長空隙以外の前歯の間に見られる小さな隙間のことを言います。将来の永久歯の萌出スペースを確保するために生理的に必要な隙間と言えます。これらのスペースが欠如している乳歯列では、顎の発育や歯列の調和に問題が生じているので永久歯に生え変わった時に歯列不正を起こすリスクが高くなります。具体的に言えば、歯並びがガタガタになって八重歯になる可能性がかなり高くなる、ということです。
歯並びを良くするための対策を知ってもらう
小さい時期に兆候があればその対策を早期に行うべきです。離乳食が長期に軟らかいままであるかの確認をしてください。舌でつぶす食事が続いているようであれば、顎を大きくする力が働かないので、それらを是正していただく。1歳以降は歯ぐきで噛める硬さの離乳食にしてください。にんじんスティックやさつまいもなどを少しゆがいて柔らかくしたものを与えるなどしてください。少しづつ硬くしていってそのままで食べれるようになればベストです。自然なままの味に慣れてくれればいうことありません。食事は足を床に着けて摂るようにしてください。
離乳食にも正しい与え方がある

今まで述べた他にも色々知っていただきたい内容があります。できれば妊娠時に予備知識としてしっていただく方がよいです。1歳から来院していただくことは、治療ではなくお子様の将来を見据えたご家庭での行っていただく内容をお伝えすることになります。知っていただき行っていただくことがお子様の生涯にわたる健康の礎になると、私は確信しています。



