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ティーンの八重歯を抜かずに治すには

2024年6月20日

成長が終わる前に急いで取り組む

歯並びがガタガタになる兆候は乳歯の歯並びの時から表れていて、乳歯と永久歯の混合している時期に治療に取り組む方がよいとお話をしてきました。それは頭部の成長のピークが10歳を境にぐっと低下するからです。全くなくなるわけではありません。体は思春期に成長がありますからその時期に背が伸びますよね。上顎と下顎、同じ頭についていますが、上顎は頭に近い成長曲線、下顎は体に近い成長曲線と少し成長のピークがズレます。

歯列不正のすべては、上顎が大きくないことが原因

上顎の成長発育に問題があって歯列不正は起こります。下顎が原因であることはあまりありません。遺伝的傾向による受け口もありますが、受け口も上顎が正しく前に成長しないことで起こっていることが結構多いのです。(幾度となくコラムで述べていますが、大元を辿れば哺乳の仕方、離乳食の与え方などが原因だったと考えられます。)乳歯列期から混合歯列期、永久歯列完成期にかけての歯列不正、噛み合わせの不正の原因は上顎の劣成長によるものです。

こんなことも口腔が狭いことで起こりえること

睡眠時無呼吸症候群

歯並びが良くないと口腔が狭くなっています。狭くなっていると睡眠時無呼吸症の発症が早くなると言われています。子供なのにいびきをかく、上を向いて寝れない状態は将来睡眠時無呼吸になりやすい一つの兆候です。横寝、うつぶせ寝などで無呼吸を回避しているのです。舌は下顎の中にありますが、下顎が小さかったり、体の癖(頬杖、横寝などの態癖)で歯が内側に向かって倒れてくると、舌を持ち上げて口の中に収めておけないので下か奥に行かざるを得ません。そのため舌で気道が塞がれるのです。気道が狭くなると呼吸ができなくなりますよね。

偏食

歯並びが良くないと噛んだ時に上下の接触面積が、通常の歯並びに比べると少ないです。よく噛めないでいると偏食になる傾向、あるいは噛み砕くところまでいかず、丸飲みとか傾向になることが考えられます。食事に時間がかかると周囲の目を気にして、早く食事を済ませないと、などと子供心にそんなこともありそうです。味を感じ取る細胞である味蕾細胞は唾液で反応します。噛まない食事では唾液が出ません。味蕾細胞は唾液で湿らされることで機能します。味が感じられないから、濃い味の物しか好まなくなる、ということにもつながります。唾液は噛むことによる唾液腺への刺激で分泌が促進されます。噛むことをしてこなかった子供に味覚障害の起こる可能性が出てきます。ですから噛める環境を整えることが大切です。

柔軟な15歳までに機能、姿勢、形態を整える

盆栽は本来大きくなる木を小さな鉢に入れて、小さな世界観の中で美を追求するものかと勝手に想像しています。経験したことはないのですが、見ているとそれなりに色々なことが考えられます。小さな構図で独特の美を追求するので木に無理に力をかけて直角に曲げたり、また真っすぐにしたりすることもあるように思います。でもそれは木の本来の姿ではないのではないかと思います。北欧の針葉樹林は光を求めて真っすぐ伸びます。木にとってはどちらが自然でしょうか。成長期に成長を阻害する外的な力が加わらないように、加わっていたら取り除く対応が必要だと考えます。

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令和元年の平均寿命(健康寿命)

男性 81,41歳(72、68歳) 女性87,45歳(75、38歳)

自分の歯で食事できていると認知症になる確率がぐっと下がり健康寿命が延びます。健康寿命が延びると誰かにお世話になる期間が減ります。8020達成者のほとんどが正常咬合で、八重歯や出っ歯、受け口は2割くらいに減ります。これからもまだ寿命ものびますから子供たちには正常咬合で健康に長生きしてもらえるようにしてあげたいものです。

鼻呼吸できているか

歯並びを治す前に、口呼吸の問題があります。上顎が劣成長ということは、鼻にも何かしらの問題を抱えていることがあります。上顎は鼻を構成する骨の一部です。鼻の通りが悪いと鼻呼吸しづらいですから、歯並びを治す前に耳鼻科で治療してください。実はとても大切なことで予後にも影響します。

基本的には抜歯せずに八重歯を治すことをまずは目指す

ティーンにはマウスピースの特性を活かして、まず抜歯しない方向で考えています。抜くのはあとからでもできると考えるからです。抜いてしまうと元に戻せないからです。歯を並べるために顎の骨を大きくすることを主に考えますが、成長が終わりかけているので歯が全て並ぶだけ大きくできないことがあります。抜歯せずに並べるために、歯を少し削ることも検討します。抜歯せずに治療が済むものなら、そちらの方が良いと思うからです。むやみに削るのではなく、日本人の平均に比べて大きさはどうか、左右の同じ歯の幅に差があるかどうかなど診断します。

上顎骨の成り立ち

上顎骨ですが、大きな左右2つの骨の塊が一つになって構成されています。また他の骨とも接合しています。上顎の前と奥も厳密には発生時は分かれていて大きくなると共に接合して成熟した骨になっていきます。その接合部を縫合と言います。治療で考える必要のある上顎の縫合は3つあります。

横口蓋縫合

正中口蓋縫合

切歯縫合

成熟すると写真にある縫合部(筋)は消えていきます。特に切歯縫合は(前歯と奥歯の境)永久歯になると結合して最初になくなります。本当はこれが無くならないうちに前方へ顎を大きくできるということがありません。ですがティーンになると消えかかっています。でも成長があるうちはその縫合を矯正力で開く可能性が少しあります。そこを拡大できると上顎の骨を前と横に拡げられる可能性が出てきます。矯正力はさほど大きいものではありませんから痛みはほとんどありません。縦の筋は正中口蓋縫合です。ここを左右に力をかけて拡げます。開いたところは骨で埋まっていきます。拡げるのも無限ではありません。成長は終わりかけているので限度がある。だから少し歯を削ることと組み合わせる必要も考えないといけないのです。また成長は一般的に女子15歳、男子18歳で止まるとされていますから待ったなしです。早く取り組むに越したことはないのです。個人差はもちろんあります。

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経過観察は成長の終わる18歳まで続く

上顎の治療が思うようにいったとしても、下顎の成長はそれからしばらく続きます。下顎が上あごよりも前に成長する可能性があります。成長はどんなに頑張っても予測できません。成長ホルモンはコントロールできません。下顎の成長を見越して治療しておきたいところですが、上あごの成長が終わりかけから治療しているので難しいのです。ただできることをできる時期にやる、成長期は二度とないと考えてください。成長期が終わる18歳までは定期的な観察が必要で、経過に応じて再度介入しないといけないことも頭の片隅に入れておいてください。

リスク

元の骨の構造を理解した上で行う顎の拡大ですが、思うように行かないことも考えておかないといけません。治療途中での痛み、CTなどでの確認などで思うように拡大できないこともあるかもしれません。その場合は無理をせず抜歯を組み込んだ治療に変更しないといけなくなるかもしれません。

親知らずは時期が来たら抜く

治療が済んだら、良い時期に親知らずは抜歯しておいた方がよいです。せっかく綺麗に並んだのに歯並びを崩す原因になるからです。長い休みなどを利用して抜歯されることをお勧めしています。

治療方針は医院によって異なります。

治療方針は医師一人一人違いますから、医院ごとに治療方針は異なります。ある医院では抜歯しない、ある医院では抜歯、という診断が出るのはよくあります。ゴールは同じでも辿り着くルートは複数あります。マウスピース矯正の利点を最大に活かして成長期には出来るだけ抜歯を避けた治療をしたいと考えています。ただし成長の個人差があるので、抜歯するという治療計画に変更する可能性はどうしてもあり得ることなのです。

 

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