10段階のうち、今あなたはどの段階でしょうか?
歯のお手入れをせず、放っておけばどこまでも悪くなっていきます。努力というか、右肩下がりにならないように絶えずお手入れしていかなければなりません。
0 口の診査
-1 歯ブラシの練習
-2 歯石の除去
-3 歯並びが悪い(矯正)
-4 歯科医院で歯槽膿漏と言われたことがある
-5 詰めて治した歯が一か所でもある
-6 神経の処置している歯がある
-7 抜歯した箇所がある
-8 ブリッジ(固定式)がある
-9 入れ歯(取り外し式)がある
一か所でも当てはまるものがあれば、その段階です。
健康の貯金
健康の確立は早期であれば(0歳から!)その効果は大きいのですが、あとから対応、回復することになれば効率は悪く、難しいです。そして手に入れた健康を維持するにも、早期に対応できていれば安定しやすく、遅くなればなるほど時間もかかり、不安定で壊れやすいです。成長期に健常な状態に整えておくことが健康の貯金となり、生涯効いてきます。
平均寿命と健康寿命
令和元年の平均寿命は男性で81、4歳 女性は87、45歳です。健康寿命は男性で72、68歳 女性75、38歳です。平均寿命はお迎えのくる年齢です。健康寿命は誰の世話にならずに生きていられる年数です。誰もが最後まで健康に一人で不便なく生活したいですが、男性は8,73年、女性は12、07年 誰かの補助を受けて生きていく年数があるということです。
平均寿命100年はそこまで来ている
年々平均寿命は延びていて、これまでの伸び率から男性は62年後、女性は33年後に平均寿命が100歳になると推定されています。人生100年時代がもう間もなく到来します。今のお子さんたちの寿命は100歳になるということです。さあ、ここで考えないといけないのは平均寿命と健康寿命の差、約10年をいかに0に近づけるか、ということです。誰しも迷惑をかけず、ピンピンコロリでいきたいと思っていますよね。
いきなり長寿
ちなみにですが推計含め時代別の日本人の平均寿命です。
旧石器時代 15歳
縄文時代 15歳
弥生時代 18~28歳
奈良時代 28~33歳
平安時代(貴族) 30歳
鎌倉時代 24歳
室町時代 15歳
安土桃山時代 30代
江戸時代 32~44歳
明治時代 44歳
大正時代 43歳
昭和時代(戦時中) 31歳
平成時代 83歳
今では100年前のおよそ倍になっています。すごいですね。
長寿のカギは何かというと
慶応義塾大学医学部百寿総合研究センターによると、長寿のカギは
1、心臓を中心とする循環系の老化防止
2、脳の老化防止(社交性、好奇心、協調性、几帳面)
3、骨格筋の衰え防止
だそうです。簡単な言葉に置き換えると
食べる機能を失わない
歩く機能を失わない
心おだやかになる
ことだそうです。みなさんできますか。3つとも自分の心がけ次第でできそうに思いませんか。自然に転がり込んできません。努力しなければ健康を維持できないということです。
100歳まで歩く機能の確立と維持を行う。
筋肉は使わないと衰えます。50代までに足の筋肉を作り上げる、70代以降はメンテナンスをしっかり続けましょう。成人男性9000歩、女性は8500歩 65歳以上になれば男性7000歩 女性6000歩が、一日の目標歩数です。筋肉を鍛えておくと、関節を守ることにもなります。なかなか時間を取れないかもしれませんが是非トライしてください。
心の持ちようは
多くを望まず、物欲を無くす、言うはやさしく難しいですよね。だから断捨離がもてはやされるのですけれど。シンプルな生活、私も出来ていないので耳は痛いのですけれど。
食べる機能を100年維持する
100歳まで健康に食べる。自信はありますか。それは食べる環境を整えてそれを維持することがカギになるということです。口の健康は
虫歯がないこと
歯周病がないこと
不正咬合がないこと(ガタガタや出っ歯、受け口などがないこと)
不要な癖、態癖などないこと(頬杖、うつぶせ寝など)
です。
口の健康の確立と健康の維持、どちらが難しいのか
口の健康を確立するために、問題点があれば診査診断をして、適切な治療計画を立てて治療を行っていきます。健康の維持は、虫歯、歯周病、不正咬合の再発を防止するため、生涯にわたってその方にあったメンテナンスを行い、それを続けていかなくてはいけません。先ほども記載しましたが、100歳まで続けなければなりません。治療とメンテナンスを行う期間のどちらが長いでしょうか。治療がようやく終わった、もう歯医者にいかなくていいや、ではありません。治療の終わりは健康の維持の始まりです。健康維持していく方が遥かに長い期間のです。100歳まで続きます。高齢になってから治療に通うのは大変だと想像つきますよね。検診で3ヵ月に一度通うくらいが丁度よいと思いませんか。
セルフケアとプロフェッショナルケア
どのくらいのセルフケアが出来ているか1人1人違います。言い方悪いですが、口の中の清掃状態はピンからキリまでいらっしゃいます。歯ブラシだけでは磨き癖もありますから、必ず補助的清掃具を使うのがベターです。来院していただきご自身ではケア出来ない部分を衛生士がケアしていきます。特に歯の一番後ろ、舌側の付け根、歯並びが良くないところ、は磨き残しがでます。舌の上も週に一度くらいは清掃が必要です。歯並び、噛み合わせがよくて、とてもよくケアできていたとしても最長半年くらいでケアを受けられた方がよいでしょう。一年も間隔を開けるのはよくありません。通常は3~4か月でメンテナンスされることをお勧めします。
健康は努力して得られるもの。
人生100年時代、治療が大事なのではなくて、健康を維持することにもっと意識をおくべきです。ご自身で意識していただくことは、健康は棚から牡丹餅ではありません!意識しなければ健康を維持できない、という意識を持ちましょう
悪習癖を慎み、姿勢を乱さない。
毎日適切なケアを行う
生涯にわたり定期的なプロフェッショナルケアを受ける。
ことが大切です。
100歳までのお口の目標
歯を失わない
歯列を乱さない(咬合の安定化)
口腔機能を低下させない
です。
口腔機能が適切に働くために不正咬合は若いうちに正しておくことが大切です。後になっても正しい機能を獲得することはできますが、適応能力の高い若年者のうちに不正咬合を治しておくべきです。とは言え、若年に戻ることもできません。失った歯を戻すこともできません。
失った歯には
失った歯の代替に今の段階で考えられるのはインプラントです。ブリッジや入れ歯という選択肢もありますが、一番最初に記載した10段階の進行表の₋8、₋9に相当します。あとがありません。少しでも食い止めるならその選択はされないほうがよいです。ブリッジにするために土台となる歯に負担がかかります。義歯も支える歯に負担がかかり、それぞれの歯の寿命を短くすることになります。一時的に費用は掛かりますが、人生100年時代を考えた時に少しでも自分の歯が長持ちすることを第一に考えてもらいたいです。
矯正治療は何歳になってもできます。
さすがに80代にとはいいませんが、50歳、60歳でも歯は動きます。8020運動はご存じかと思います。80歳で20本歯を残しましょうという目標です。正常咬合(歯並びに問題のない噛み合わせ)では8割強ですが、出っ歯は2割未満、受け口ではほぼ0という統計調査もあります。噛み合わせは大きく歯の寿命に影響しています。治療していない綺麗な歯でも噛み合わせが悪ければ抜けてしまいます。口全体の考えると、思い立った時に歯並び治療されるとよいと思います。
口腔機能の低下を防ぐ
オーラルフレイル、口腔周りの筋力は加齢と共に落ちていきます。それを防ぐのに有用なのは手軽にできる、あいうべ体操です。毎日30回おおげさにゆっくり動かすだけです。特に舌や唇をよく動かしてください。しゃべったり、食事の時に動かしていないので、あいうべ体操するとこんなに動くんだ、と実感される思います。歩くのと同じです。機能低下を防ぎましょう。
人生100年時代を見据えてお口の健康を考えるきっかけにしてもらえたらと思います。