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セカンドオピニオンについて

2024年2月8日

当院にもよくお問い合わせがあるのですが、セカンドオピニオンを希望される方があります。他院にて治療方針をお聞きになった上でお見えになる方、治療途中で不安になってお見えになる方、色々なパターンがあります。自分の身体のことですから納得されて治療をお受けになるのは当然のことです。当院でも十分かと言えば、足らない点もあるかもしれないのですが、出来る限り現状や見通しはお話するようにしているつもりです。お任せします、とおっしゃるのですがそれではよくないと思っています。

宇治市 歯医者 second opinion2 なかむら歯科医院

どこまでを求めるのか

歯科医学的にベストを求めていくと、できるだけ長く持たせるようにするための方策を考えます。そのためには歯並びをよくして歯ブラシしやすい環境を整える。すなわち矯正治療が必要になることもあります。歯周病の改善、予防のためには歯磨きを徹底的にお家でしていただき、フロスや歯間ブラシなどの補助的清掃具を使って一日3回しっかり磨いていただく。そしてご自身の努力で歯垢の除去率を限りなく100%に近づくようにしてもらう。揺れている歯で保存する見込みが薄いのであれば抜歯をしてインプラント治療を行う。歯ぎしりや噛みしめの兆候が多くみられる方、虫歯でないが滲みる方を含むのですが、そういった方は就寝時に歯ぎしり用のマウスピースを装着していただき歯同士の接触を避けるようにする。3ヵ月毎の定期検診に声掛けなくても来院していただける。などになってきます。永続性を求めて治療するとなるとそういった治療になります。お任せすると言われても、そこまで任せていただける方は残念ながらいらっしゃいません。

ご提案しても、それはちょっと、、、って

知覚過敏の場合噛みしめが原因であることも多く、知覚過敏用の薬剤の塗布、歯茎が下がって歯の根が露出している部分のコーティングだけでは改善しないこともあります。その時に噛みしめ用のマウスピースを提案するのですが、それはちょっと、と言われる方が多いです。歯の保存が難しく抜歯になる場合、近接する歯が何の治療もされていないとそれらの歯を長く持たせるためにインプラントがベターなのですが、費用がかかるからそれはちょっと、と言われることが多いです。失われた歯が多くインプラントでないと固定式にならない場合に、義歯はちょっと、と言われます。

どこまで治療を希望するのかを考えてください。

保険の範囲内を希望されるのか、費用は別にしてできるだけベストの治療を希望されるのかをご自身でよくお考え下さい。その上でその方にとって最善の治療を尽くしたいと考えています。小さな虫歯一本とかはそんなに考えなくてよいのですけれど。私はセカンドオピニオンの時だけでなく、初めていらした方で症状として有る無しは別にして抱えている問題点がある方は、初回に治療することはありません。レントゲンや口腔内を診てお話を聞いてざっくりした治療の話をします。そしてお家で考えてもらうようにしています。私も治療計画を考えて、次の回に双方の見解を出してどうしていくかを決めていきます。

セカンドオピニオン

歯科医によって考え方や、知識量、技術量、経験年数に差があります。それぞれの診療所によって治療に関する話の内容は異なります。例えばですが、抜歯の基準も矯正治療の診断、治療方法も違います。ですから何件か歯医者に行ったが全部違う、ということは普通によくあることです。診てもらって、説明を受け、納得されたなら、治療されるとよいと思います。なかなかこれといったところが見つからないなら大学病院を受診されるのもよいでしょう。ただし紹介状は必要になります。よくある質問を記載します。

歯を抜くと言われた。

誰も抜きたくないです。私もどちらの立場であっても抜きたくありません。ですが抜歯と言われたには理由があるはずです。

虫歯が進行している→虫歯を取り切ったら、残っている歯がめちゃ小さくて使えない

歯が上下に揺れている。→噛むと痛む

歯が割れている。→普段は痛くないが噛むと痛い。臭いがする。歯茎が腫れている。

根の治療で痛みが納まらない→根の治療で膿が止まらない

親知らずが手前の歯に食い込み、そこが虫歯になっている

これらの場合は抜歯です。

神経を取ると言われた。

私もどちらの立場であっても取りたくありません。ですが神経処置と言われたには理由があるはずです。痛くなくても虫歯が進行していることはよくあります。この場合は対処できる可能性があります。ただし痛みがあれば難しいです。元々の虫歯が大きくて、詰め物が大きい場合、神経がダメになることがありズキズキするようなら神経を取ることになります。

歯周病が進行し、ズキズキする場合や知覚過敏がひどくてズキズキする場合、虫歯はなくてもやむを得ず神経を取ることになります。ブリッジをするのに、歯の生えている方向の関係でやむを得ず神経を取る場合があります。ブリッジにしなければ回避できる可能性があります。

何カ月も根管治療をしている。

歯の根の太さはおおよそ大人で0.06㎜~0,6㎜くらいです。もっと小さかったり大きかったりすることも勿論あります。神経治療はその穴をある程度大きくして無菌化して密封して根の中、根の先に細菌が入らないようにして以後の細菌感染を防ぐために行います。歯の奥歯に行くに従い歯の根の太さはどんどん小さくなります。密封するための最低の太さは0.35㎜です。6倍くらい大きくしないと薬が先の方まで入りません。またその歯の根は直線ではなくほぼ先の方で曲がっています。そして1つの奥歯には根が3~4あります。これらの根を目詰まりせず形なりに大きくしていくには繊細な作業が必要です。途中で痛みが出れば痛みが納まるよう投薬し治療は中断します。根の先の骨が溶けている場合には治るのに更に時間がかかります。根管治療はどの診療所でも時間はかかります。

治療した歯の違和感や痛みが残っている。

歯科の治療は外科治療です。神経治療をして根の中に材料を入れて感染を防ぐと言っても神経が戻ることはありません。違和感や噛んだ時の他の歯と違う感覚は元通りと言う訳にはいきません。後遺症です。歯の詰め物も同じです。虫歯を取って詰めたと言ってもそれは歯ではありません。金属やセラミックは歯に比べ硬いですし、白い樹脂は歯に比べて軟らかいです。熱伝導率もみんな異なります。神経まで一時的に近づいているのです。何らかの影響があったとしても不思議ではありません。同じくらいの虫歯でも痛みや違和感ある人もいれば、全くない人もあります。通法に従い治療しているのでどうしようもないことが多いです。

なんとなく今の治療が不安。

治療についての説明が足らなくて、今何をしている、されているがわからないのならお聞きになるとその不安は解消されるのではないでしょうか。歯科医に聞きづらいならスタッフにお聞きになるとよいかと思います。セカンドオピニオンの前に通院されているスタッフにお聞きになってはいかがでしょうか。

宇治市 歯医者 dr counceling なかむら歯科医院

歯を抜かないと矯正できないと言われた

基本的に親知らずの抜歯はやむを得ないところです。その他の歯に関しては現症に対しての診断になりますので一概に何とも言えません。私も抜歯を望んでいないので、親知らず以外は抜歯しない方針でまず計画を立てます。それで無理が生じるなら抜歯の計画も立て、それぞれのメリットデメリットを考察し、実現性の高いプランを提示します。先ほど述べたように矯正治療は色々な流派、方法がありますし、一度始めると中止は費用を伴いますから、何件かお聞きになって自分に合う診療所を見つけるとよいでしょう。

自費を強く勧められる。

保険でできること、できないことがあります。保険でできないことを自費でできることがあります。例えば保険では適用にならないブリッジがあります。根拠はちゃんとあるのですが、どうしても入れ歯にしたくないならやむを得ず自費にせざるを得ないこともあります。金具が目立つので目立たない入れ歯にしたいなら、保険が効きませんから自費の義歯になります。見えるところの被せを白くしたいということでも、保険の白い被せでは割れるリスクが高い方は、歯よりも硬いセラミックを提案されることもあります。通院されている医院でよく相談されるとよいでしょう。

不満を吐き出す場ではありません。

もし当院にセカンドオピニオンを希望し、お越しになった場合には気になっている個所などの治療履歴をお聞きします。わかる範囲で教えてもらいたいです。またレントゲン撮影しないと見解を述べられないこともありますので、その点はご理解ください。ただし以前あるいは現在かかられている歯科医院の恨み、つらみ、悪口などを申す機会ではございませんのでご容赦ください。

宇治市 歯医者 second opinion なかむら歯科医院

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