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ホワイトニング概論
歯のホワイトニングは、歯の内部に沈着した色素を除去し、歯を白くする治療です。歯の色素には、薬剤、加齢などさまざまな原因があります。コーヒーや紅茶などの飲み物による着色やタバコのヤニは歯の表面に付着しているので、これらは機械的に取り除くことができますが、内部に入り込んだ色素はホワイトニング薬剤でないと白くなりません。
神経ない歯は出来ない
ホワイトニングは神経のある歯に対して行われます。神経の無い歯を白くすることはできません。ホワイトニングの漂白剤には、過酸化水素や過酸化尿素が使用されています。これらの漂白剤は、歯の表面の色素を分解する働きがあります。オフィスホワイトニングの照射器には、光触媒やレーザーが使用されます。光触媒は、光によって活性化され、漂白剤の働きを促進します。レーザーは、直接漂白剤を活性化します。ホームホワイトニング用の薬剤はオフィスホワイトニング用薬剤に比べて低濃度になっていて安全性を担保しています。
ホワイトニングの種類
歯のホワイトニングには、大きく分けて「オフィスホワイトニング」と「ホームホワイトニング」の2種類があります。
オフィスホワイトニング
歯科医院で行うホワイトニングです。歯科医師または歯科衛生士が、歯の表面に漂白剤を塗布し、専用の照射器で照射します。照射によって漂白剤が活性化され、歯の色素を分解して白くします。オフィスホワイトニングは、1回の施術で約2〜3トーン程度の白さが得られると言われていますが個人差がかなりあります。効果を実感できない場合もありますのでご注意ください。
オフィスホワイトニングは、
1,歯の表面の歯垢や歯石を取り除く
2,歯の表面を乾燥させる
3、唇や歯茎に薬液が付かないように前処置をする
4,漂白剤を塗布する
5、照射器で照射する
薬剤塗布から光照射までを2回繰り返します。
6,2回終わったあと漂白剤を洗い流す
という治療の流れになります。
メリット、デメリット
オフィスホワイトニングのメリットは、以下のとおりです。
1回の施術で終わる
即効性がある
自分で行う必要がない
一方、オフィスホワイトニングのデメリットは、以下のとおりです。
効果が出にくい
痛みやしみなどの副作用が出る場合がある
早く効果が失われる
ホームホワイトニング
ホームホワイトニングは、自宅で行うホワイトニングです。歯科医院で作製したマウスピースに、漂白剤を塗布して使用します。マウスピースを装着して1日4〜6時間、1.5〜2ヶ月間使用することで白くします。ホームホワイトニングは、自分のペースで行うことができるのがメリットです。また効果が長持ちしやすいです。ただし、効果が出るまでに時間がかかるのがデメリットです。
ホームホワイトニングの流れは、以下のとおりです。
1,歯の表面の歯垢や歯石を取り除く
2,マウスピースの型を取る(ホームホワイトニングのマウスピースは、歯科医院で歯型を取って作製します。マウスピースは、歯にぴったりとフィットするように作製することで、漂白剤が歯の隙間から漏れ出さないようにします。)
3,マウスピースに漂白剤を塗布する
4,マウスピースを装着する
5,時間が来たらマウスピースを外し、口の中を洗口し薬液を取り除く
6,マウスピースを洗浄する
3~6を繰り返す
メリットデメリット
ホームホワイトニングのメリットは、以下のとおりです。
自分のペースで行うことができる
痛みやしみなどの副作用が出にくい
効果が得やすい
ホームホワイトニングのデメリットは、
効果が出るまでに時間がかかる場合がある
ホワイトニングの副作用
歯のホワイトニングは、歯の健康に影響を与えることはありません。しかし禁忌症がありますし、副作用が出ることもあります。
禁忌症
妊娠中や授乳中は、ホワイトニングを行う際には医師に相談する必要があります。
無カタラーゼ症の方も禁忌です。未成年者も対象外です。
効果の持続性
オフィスホワイトニングの効果持続期間は、3〜6ヶ月程度とされています。オフィスホワイトニングは、1回の施術で効果が出やすいため、即効性がありますが、色戻りが起こりやすいというデメリットがあります。一方ホームホワイトニングの効果持続期間は、6ヶ月〜1年程度とされています。ホームホワイトニングは、オフィスホワイトニングよりも効果が持続しやすいというメリットがありますが、効果が出るまでに時間がかかるというデメリットがあります。
ホワイトニングの効果を長持ちさせるためには、以下のことに注意しましょう。
着色しやすい食べ物や飲み物を避ける
歯磨きの際には、歯の表面に傷がつかないように注意する
定期的に歯科医院で歯のクリーニングを受ける
副作用
歯のホワイトニングの副作用には、以下のようなものがあります。
1痛み
痛みは、ホワイトニングの最も一般的な副作用です。オフィスホワイトニングでもホームホワイトニングでも、痛みの原因は、漂白剤が歯の表面や内部に浸透する際に、歯の神経を刺激することです。
痛みは、ホワイトニングの種類や濃度、個人差によって異なります。オフィスホワイトニングでは、照射器の光によって漂白剤が活性化されるため、痛みを感じやすい傾向があります。ホームホワイトニングでは、マウスピースを装着して漂白剤を塗布するだけなので、痛みを感じにくい傾向があります。
痛みを感じた場合、すぐにホワイトニングを中止して歯科医師に相談しましょう。
2ホワイトスポット
ホワイトスポットは、漂白剤が歯の内部に浸透しすぎたときに起こる可能性があります。ホワイトスポットは、一度できてしまうと、完全に消すことは難しいため、注意が必要です。均一に薬剤塗布しても起こり得ますのでこの点を同意していただかないとホワイトニング治療は行いません。
3歯肉炎
歯肉炎は、歯肉が炎症を起こす病気です。歯肉炎の原因は、歯垢や歯石の蓄積、歯周病菌の感染などです。ホワイトニングを行うと、歯肉の炎症が悪化する可能性があります。歯肉炎がある場合は、ホワイトニングを行う前に歯科医師に相談しましょう。
4口内炎
口内炎は、口腔内が炎症を起こす病気です。口内炎の原因は、ストレス、栄養不足、過労、免疫力の低下などです。ホワイトニングを行うと、口内炎の症状が悪化する可能性があります。口内炎がある場合は、ホワイトニングを行う前に歯科医師に相談しましょう。
5歯の知覚過敏
歯の知覚過敏は、冷たいものや熱いもの、酸っぱいものなど刺激に敏感になる症状です。ホワイトニングを行うと、歯の知覚過敏の症状が悪化する可能性があります。歯の知覚過敏がある場合は、ホワイトニングを行う前に歯科医師に相談しましょう。出来れば治療されない方がよいと思います。
6歯茎の退縮
ホームホワイトニング用薬剤はアメリカでは歯周病用の薬剤としても用いられているので歯周ポケットの数値の高い方は歯茎が引き締まって歯と歯の間の歯茎が下がることが往々にあります。気にされる方は治療されないことをお勧めします。
デュアルホワイトニング
当院ではデュアルホワイトニング、つまりホームホワイトニングとオフィスホワイトニングを行うホワイトニング治療を行っています。私自身も行いました。実感をのべていきます。もともと加齢による黄ばみがありました。オフィスホワイトニング終了後、ああ、白くなったかなって思うくらいの白さでした。その後ホームホワイトニング用マウスピースを使って1か月半、ほぼ毎日4時間ホームホワイトニングを行いました。
私の体験談
初めのうちはマウスピースの違和感もありましたが段々慣れていきました。約2週目くらいから歯の白さをとても実感するようになりました。白さを実感できると、もう少し白くなるかな、とモチベーションが上がりました。今ではズームのやり取りでも相手様から、歯が白いですねと言われます。ただし副作用もあって、途中で歯の痛みを感じることが何度かありました。そのときは無理せず数日休み再開するということをしています。休んでいる時期は再生治療に用いられるジェルを薬剤代わりに使っていました。当院でホワイトニング治療される方には全員そのジェルをお渡ししています。また少し歯茎が下がったようにも思いました。ホームホワイトニングをいったん終了し現在はタッチアップの状態ですが、歯肉は回復傾向にあります。
個人差はあると思いますが自分で行った感想です。副作用などをご理解の上、興味のある方は取り組まれるとよいかと思います。私の歯を見たい方はお申し付けください。(笑)
ボケていてすみません。
初回
2週間後
1か月後