目次
子供を見ていて、また聞いたりしたことはないですか
顔から落ちる
背中からでなく頭から落ちる
ぶくぶくうがいができない
ろうそくの火が消せない
筆圧が低い
正座ができない
何のことかわかりますか?今子供たちはこの現状になっています。どのように感じますか?そんなわけないでしょうと思いますか?我々の感覚ではだいたいHBが普通でHなら薄いかな、Bならちょっと濃いかなというくらいではなかったでしょうか。いまは小学校入学の時に3Bとか5Bを用意するよう言われるそうです。筆圧がなくHBだと何を書いているのかわからないそうです。誕生日ケーキの火も消せないそうです。鼻に空気がいかないようにして、口をすぼめて“う”の口がしっかりできず、息の勢いをつけられないのです。
食べることに関しての子供の現状とは
硬いものが噛めない、噛まない
奥歯ですりつぶすことができない
のです。これがどうなるかと言えば、硬いものは食べれないので丸飲みします。詰め込んで食べる。食事時間が短くなる。軟らかい食べ物を好んで食べます。噛まないから味が出ません。濃い味を好むようになります。咬もうと努力すると食事に時間がかかります。高脂肪、高カロリーのものを摂取するので生活習慣病になりやすく、体調不良も引き起こしやすくなります。パサパサ系(低脂肪の肉や魚)、スジスジ系(葉物野菜、かたまり肉)、は苦手です。
学校の給食の中身をご存じですか。
給食時間が短いのか、軟食が進んでいるからか、給食が病院食か高齢者食というような給食になっているようです。噛んでしっかり食べるということが全く欠落しているようで少し残念です。一度実物を見るのもよいでしょう。咀嚼回数も減りますから顎の発達不良を引き起こします。顎だけでなく全体の成長発達にも影響が出ます。上あごが、噛むという刺激が少ないから顎が大きくならず歯列不正を引き起こし、鼻も大きくなりませんから鼻づまりになりやすいです。鼻呼吸していく環境がよくないので脳を冷やす機能が働かず、集中力が欠けたり落ち着きが無くなるなども現れてきやすいです。
食べにくい食品をどうするか
子供にとって苦手な食品の対処法を述べていきます。
レタスやわかめ、ほうれん草などペラペラしたものは過熱して刻みましょう。
豆やトマトなど皮が口に残るものは、皮を剝きましょう
ブロッコリーやひき肉など口の中でまとまらないものはとろみをつけてください。
パンやゆで卵、サツマイモなど唾液を吸うものは水分を加えてください。
ニラやシイタケ、セロリなどニオイの強いものは無理に与えないでください。
薄切り肉、アスパラガスなど噛みつぶせないで口にいつまでも残るものは叩いたり切ったりしてください。
こんにゃくやかまぼこ、エビ、イカ、タコなど弾力のあるものは離乳期には避けてください。
高齢者と同じような扱いと考えてください。
やっぱり哺乳が大事
舌、唇、顎、頬などの一体動作を哺乳を通して覚えから、噛みきる、咀嚼する、食塊形成、口腔内での食塊移動、口唇閉鎖、など食べ物の状態に応じて意識して動かせるようになるのです。口の機能をこの時期に正しく覚えることが健康で長く生きることになるのです。
子供の身体の成長
産まれてから、首が座る→うつ伏せ姿勢で遊ぶ→寝返り、ずりはい→ハイハイ→1人座り→つかまり立ち→立ち上がりの順に進んでいきます。順番に進まないといけません。飛ばしてもいけません。1人座りできるようになって離乳食が始まります。そこまでは哺乳で口を訓練すべきです。遅く感じるかもしれませんが将来のためです。哺乳も正しく行わないと意味はありませんので正しい哺乳を覚えてください。ラッチオンです。
ハイハイは身体の機能を育てます。
絶対にしっかりさせてください!ハイハイをしっかりできると
1.パラシュート反応が前方、側方、後方どれでもしっかりできるようになると、転びそうなときに手をつけるようになります。跳び箱や鉄棒、側転、ズボンをはく動作などにも活かされます。
2.体幹が安定して支持して動かせるようになると、(安定して座位姿勢とれると)黒板を見ながらノートを書くことができます。今はできないことがあるのです。
3.手のひらをしっかり地面について這えるようになると箸や鉛筆の使い方、スプーンの使い方など指の力の入れ方を覚えます。
4.肩や首の筋肉がしっかりしてくるので、左右の歯茎でしっかり噛めるになります。
5.股関節がしっかり発達することで、しっかり歩くための股関節の訓練になります。
6.足裏で地面を蹴って足を高く上げれるようになると、転ばずに歩けたり、走ることができます。
7.目的を決めてそこへ行けるようになると距離感を覚え、空間認知能力が高まります。
このように、とても大切な訓練、それがハイハイです。どの訓練する時も赤ちゃんの顔を見つめてあげてください。
離乳食の前に
離乳食を食べるようになったら水分(白湯、お茶)も少しずつ取らせるようにするのですが、間違った与え方だと口唇閉鎖することができません。口ポカンになってしまいます。大人のスプーンを横からすすりとらせるようにしてください。下唇にスプーンを当て上唇が閉じるのを待ってください。決して奥にスプーンを入れるようにしないでください。離乳食の後に飲ませるようにしてください。次はペットボトルキャップやおちょこなどふちの小さい容器で、唇につけてすするのを待ちましょう。すすったら一度唇から離してください。何度も練習するのです。その次が子供用のコップに少量の飲み物を入れ唇でコップの縁を挟ませて、顎が上がらないように少しづつコップを傾けてすすらせましょう。ここまでできるようになるとストローを唇だけで使えるようになります。
食べる姿勢と注意点
食べる時の姿勢は今後の歯並びや噛む力、呼吸に影響するので正しい姿勢を意識してください。足が地面に着くように、腰がバスタオルを使ってでも安定させてください。しっかり噛んで食べるには体幹を整え、姿勢を安定させないといけません。ゆくゆくは身体はやや前に倒し、足を床に着け、膝関節はほぼ直角になっているのが理想です。
手づかみ食べの大切さ
手づかみ食べは目と手と口の協調運動であり、摂食機能の発達の上で重要な役割を担っています。食べ物を目で確かめて、手指で掴んで口まで運び口に入れることを言います。先に獲得した口の機能と後から追いつく手の機能を協調させて自分で食べる機能を獲得するのです。成長は頭が先行し、末端に向かっていきます。成長には差があるのです。最初は保護者が手をもって、次に子供の持つ食べ物に手を添えて、最後にひとりでかじり取らせるのですが、詰め込まないように目を離さないようにしてください。
一口量を覚えさせることが大切
前歯で食べ物の特性を感じる、口唇で支えて前歯で切る、細かく切らずに子供の口より大きなものに挑戦させましょう。そういうことで子供自身が口と手を使って生きるための回路が成長していきます。食べ物の種や皮、骨を口の外に出すことで舌、頬、歯、顎がよく動き、顎が発達させ、食べられないものを出す機能も獲得していくのです。
スイカの種飛ばし
スイカは大きく切り、自分で持って食べる、種を唇を使って飛ばす、など遊びながら訓練する。さんまの塩焼きを箸で、骨を掻き分け食べる。キュウリやトウモロコシを丸かじりするようにする。硬くなくてよいです。日常の中で遊びながら訓練し、楽しく子育てをしてみてください。生きる力を育てるために。