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出っ歯を治す方法

2024年3月7日

前歯を後ろに下げるには限界がある

出っ歯を治すにはどうすればよいか、と聞かれたら、前歯を後ろに下げればよい、と思いますよね。その通りです。でも、それができるかどうかと言われるとかなり難しいのです。初歩的なことですが歯は骨の中に植わっています。そこから出てしまうと歯は抜けてしまします。歯を動かそうとすると骨の中でしか移動できません。(歯周病は、歯を支えている骨が減っていきます。)上の前歯を親指と人差し指で挟んでみてください。そのまま歯の付け根のあたりまで上げてもらうと、それが前歯の植わっている骨の幅です。その幅の中でしか歯は動かせません。その幅の中でしか後ろに下げれません。骨から飛び出てしまうからです。指の感覚でわかるかと思いますが、そんなに前歯を後ろに下げれないことがお分かりかと思います。

前歯の角度

前歯の軸が角度をつけて前に出ている場合、昔ながらの漫画でいうと、おそ松君に出てくるイヤミいうキャラクターをイメージしてください。そんな感じで前方に出ている場合、その角度を内側に矯正力をかけて内側に入れていくことはできます。それでも倒せる角度には限りがあります。下の前歯がありますから内側に入れていくにしても当たらないところまでしか動かせません。先ほど述べたように骨の中でしか動かせないですし相対的に歯が長くなるように見えてしまいます。

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奥歯を奥の方に動かせるか

前歯を内側に入れるのに限界があるがあることはお分かりいただけたと思います。では奥歯はどうでしょう。奥歯は噛む時にものすごい力がかかっています。その力を真正面から受けていると脳に絶えず凄い刺激が加わることになります。生命を維持するのに不具合ですよね。その問題を解消するために縫合部分が使われています。頭蓋は28個の骨から構成されています。下顎の骨以外は縫合によって連結されています。両手を開いて指先を反対の手の指の股に入れ込むようにしてください。なんとなくイメージがつきますか。そんな感じで厳密に接合してそれぞれの骨が連結されています。

力の分散

子供のうちはその縫合が緩やかです。脳の成長は10歳前後がピークですからそのあたりからがっちり縫合されます。頭蓋の骨は28ありますから縫合している部分はたくさんあります。力は弱いところに伝わりやすいです。噛む力はその縫合の部分と通ることで分散されます。そうすることで脳に噛む力という刺激を直接伝わらないようにしています。上手いことできています。

噛む力はどこが強い

噛む力が一番強いところはどこでしょうか。奥歯です。では奥歯の中で最も大きな歯はどこでしょうか。それは第一大臼歯です。第一大臼歯は歯の根っこ、歯根が3つあります。(下顎の第一大臼歯も3つのことが多いです。)歯の頭の部分、歯冠と言いますが、その噛むところの面積も歯の中で一番大きいです。噛む面積も最大で、根っこの数も一番多い、ということは一番力を受けても大丈夫なつくりになっています。

適正な奥歯の位置

その第一大臼歯があるべき位置は、噛む力を縫合に伝えるのに適した位置になければなりません。横からのレントゲン写真を撮って分析してみないと正確にはわかりません。ピタッと、この位置ということはなく、ある程度幅を持たせた範囲内に収まっていればその機能が働きます。日本人は横から見た時頭蓋は短頭形ですから西洋人のように前後的に長くはありません。日本人の第一大臼歯の位置はおよそ適正か、やや後ろに生えていることがほとんどです。ですからもし奥歯を後ろに下げたいと思っても、噛む力のことを考えると奥歯を後ろに動かすことが生体にとってよいことではありません。

歯を平行移動させるのはめちゃくちゃ難しい

また先ほど述べたように歯の大きさも大臼歯は大きいです。第一大臼歯の後ろに第二大臼歯があります。(更に後ろのあるのが第三大臼歯、すなわち親知らずになります。)第二大臼歯も第一大臼歯の次に大きいです。その大きな歯を動かすことはとっても大変なのです。矯正力を含めて歯に力をかけられるのは歯の頭、歯冠の部分です。歯の根っこ、歯根は骨の中に埋もれていますが、頭の部分よりも埋まっている部分の方が長いですから、頭の部分に力をかけても平行移動しづらいです。歯を傾けることは比較的容易です。

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斜めに生えている上の奥歯

元々上の大臼歯は後ろ側に傾いて生えていることが多いですから、大臼歯を後ろに平行に移動させるということはかなり難しいことなのです。よく頑張って2㎜くらい。2㎜後ろに下げて前歯が2㎜下がったとして出っ歯は解消できるでしょうか。

抜歯をしたら前歯が後ろに下がるか

大臼歯を後ろに下げれないのであれば、犬歯の後ろの第一小臼歯を抜いて前歯を下げることはできるのではないか、ということについてです。抜歯矯正の場合、犬歯の後ろの第一小臼歯を抜くことが多いです。その歯の幅はだいたい7㎜くらいです。7㎜あればだいぶ下がると思われるでしょう。前歯を下げれるだけのスペースはできます。ただし一番最初に述べたように横断面で見た時に前歯の植わっている骨の幅でしか後ろに下げれません。せいぜい1~2㎜くらいに思っていただいた方がよいです。それも平行移動でなく歯の軸を傾けるようにしてです。もし抜歯してしまうと7-2、5㎜くらい隙間が出来てしまいます。

どうやって出っ歯を治すのか

頭蓋に対して上顎と下顎の位置がどうなっているかを調べます。出っ歯というのは

1 上顎が出ていて、下顎が正常

2 上顎が正常、下顎が引っ込んでいる

3 上顎が出ていて、下顎が引っ込んでいる

この3パターンがあります。実は日本人は2のパターンが一番多いのです。

1の場合

今まで述べてきたとおりですから歯にアプローチしても前歯を下げるのは限界があります。この場合上顎骨に直接アプローチして外科的に下げることを検討していただくことになります。第一小臼歯部分を切り取って前歯の部分を骨ごと後ろへ下げるということです。その場合術前に、術後にあわせた矯正を事前に行います。3のパターンも上顎へは同じように行います。下顎に対しては2のケースと同じになります。

2の場合

下顎が後ろにひっこんでいる場合は下顎が前に出るような治療を行います。この場合顎関節に負担がかかっていることが多く下顎を前方に誘導します。顎関節は本来あるべきところに戻りますから顎が楽になります。もちろんそれが正しいかどうかは、事前に顎関節用プレートなどで診査していきます。前に下顎が出ると奥歯が空きます。下顎を前にだしてみてください。奥歯は当たらなくなりますよね。そこを矯正で埋めていくということになります。

下顎を前に出しておかしくならない?

上顎が正常で下顎が引っ込んでいるのですから、引っ込んだのが前に出る分には問題ないと考えます。受け口になるほど前に出ることはありません。横顔を見て下顎が後ろ過ぎませんか?下唇の下あたりが凹んでいませんか?下顎を前に出してから改めてみていただくと横顔がすっとするように思いませんか?鼻先と顎先を結ぶ線で多少唇が前にでるくらいが日本人の“普通”です。なかなか自撮りできませんからご家族に横顔のビフォーアフター撮ってもらって比較してください。下顎が前に出ると気道が拡がり、呼吸しやすくなり姿勢もよくなります。

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骨の中を1mm動かすのは大変

歯を1㎜動かすのはとても大変です。でも顎そのものを前に出せば数ミリ一気に動きます。出っ歯の治療はただ歯を後ろに下げるということでなく、噛まなくなったところを噛ませるというアプローチもあるということです。すべてが全てお話した通りではありません。顎関節が前方になかなか適応しないこともあります。バイトウィングと呼ばれる装置を使ったりして治療を試みます。それでも改善しない場合には、リスクをご承知いただき上顎を後ろに下げるということになります。

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