乳歯は20本
人間は産まれてから大きくなるのですが、顎も同じように大きくなります。そこに歯が生えてきます。前歯から順に後ろに向かって上10本、下10本計20本の乳歯が生えてきます。 永久歯でもそうなのですが、乳歯でも歯の数の足らないこともあります。2つの歯が一つになった癒合歯というのがあります。前歯に多いです。前歯は通常4本ありますが2本や3本のこともあります。乳歯の前歯が1本ないというケースもあります。乳歯の奥歯はそういうことは少ないです。
上と下の顎の発育はピークが違う
顎は上あごと下あごで成長するピークが違います。上あごは頭と同じ成長曲線になります。6歳でおよそ80%成長が終わっています。下あごは身体と同じような成長をしていくので遅ければ18歳くらいまで続きます。
歯の大きさは変わりませんから、成長途中、永久歯が生え揃うまでどんどんすきっ歯になっていくのが通常です。霊長空隙、成長空隙と呼ばれる空隙ができてくるのがノーマルですが、乳歯なのにキチキチに生えている、あるいは歯並びがよくない、のはよくありません。前歯は乳歯より永久歯の方が大きいですから、乳歯がキチキチに生えていると永久歯の歯並びは悪くなります。成長につれ顎が大きくなるので歯も並ぶだろうと思われるかもしれませんが、そんなことはないと言われています。歯の数が少ないと、それにおおよそ合った分しか顎は大きくなることがないので、永久歯になっても歯が並ばないことが多いです。乳歯の歯並びがキチキチになるのは、哺乳の仕方の誤りや離乳食の仕方、が原因とされています。それについては以前のコラムにありますのでご参照ください。
受け口は早く キチキチも早く
受け口については気づいたら早めに治療しないといけません。先ほど述べたように上あごの成長が先に終わり、下あごの成長が続くので、取り掛かるのが後になればなるほど治療に時間がかかり、負担も大きくなっていきます。早くに下あごよりも上あごを大きくしなければなりません。顎を拡大するのです。
乳歯の歯並び、永久歯に生え変わりつつある歯並びで、キチキチに生えている、あるいはガタガタに生えている、あるいは生えそう、八重歯になりそう、という感じ、雰囲気、家族に歯並びの悪い人がいる、場合にも上あごを大きくしてあげないといけません。それも早く。頭の成長、上あごの成長は6歳で80%、12歳でほぼ100%終わるからです。その間に歯が並ぶだけの大きさにしなければなりません。ちょっと難しくなりますが12歳を過ぎていても個人差がありますから諦めないでトライした方がよいです。
出っ歯の良し悪し
その意味で歯がガタガタでない多少の出っ歯で、下あごの成長が考えられる年齢であればあまりナーバスにならなくてもよいです。もちろん程度もありますけれど。今は出っ歯でも後から下あごが大きくなると前後的な関係がよくなる可能性が高いからです。下あごの成長が思うほどでなくても、あとから比較的対応しやすいです。下あごを前に出したり成長が終わったら抜歯して並べるという手立てもあるからです。顎を大きくすることは成人でもできるといえばできますが、成長期に比べると制限もあります。時期を逃さず取り組むのが大事です。6歳からお子さんの歯並びは特に注視してあげてください。