下唇の下の部分が化粧のノリが悪いとか、顎先にニキビができやすい、ほうれい線に左右差があるなど、女性の方はよくお顔をみられるので気になったことはありませんか。これにはかみ合わせが影響していることがあります。本当?って思われますよね。
顎関節
人間の歯は骨よりも硬く、むしばの治療の時に歯を削るときに切削器具につける材料は、ダイヤモンドを細かく砕いたものを成形したものです。ざっくり言えばダイヤモンドで歯を削っています。そればかりではありませんが、たいていはそうです。それくらい歯は硬いです。上下の歯をかみ合わせると接触面積が最大になるところでかみ合わせていきます。しっかり噛もうとすると体重分くらいの力がかかります。前歯だけでしっかり嚙み切ることはできません。やっぱり最大接触面積になるところで噛みます。その最大接触面積でかんでいるところの顎の関節の位置と、噛んでないときの顎の関節の位置がずれていると、関節に負担がかかります。一番良いのは一致していることです。その状態だと関節に負担はかからないので問題は起きることは少ないです。一致していないとどうなるのか、ということですが最初のうち問題はないのです。特に若年者には適応能力が高く症状はなかなかでません。でませんがレントゲンなどにその兆候が表れてきます。症状としては口を開けるときに顎がカクカク鳴る、とか口を長く開けてられないとか、口を開けると痛みを感じるとかです。噛んだ時と噛んでない時の顎の関節の位置にズレがあると顎の関節に一部が変形してきます。通常は手の親指のような形ですが足の小指くらい小さくなったり、尖ったりしてきます。
血流量
噛んだ時と噛んでない時の顎の関節の位置を一致させるようにすると顎の関節は少しずつ元の形に戻っていくことが多いです。年齢やダメージを受けた期間、個人差などもあるのですべてではありません。顎の位置のずれがあると関節内のどこかが押されます。押されたところの血管は流れが悪くなります。わずかながらも左右対称でなくなります。末梢の部分の血流ではありますが、心臓から送り出される血流量にも左右差が表れます。血管の走行は必ず左右対称ではありませんからの顔の中を流れる血流量も左右で変わってきます。わずかな顎の関節の血流ですがこのことで他の部分の血流量に影響を及ぼし、顎先の血流の悪いところにニキビができます。顎の関節のことがすべてではありません。顎の関節に問題がある場合にそれを改善するとよくなることがある、ということです。
噛み癖
顎の関節に問題があると噛み癖が顕著になってきます。誰にでも噛み癖はあります。痛くない方、あるいは逆のこともあります。噛み癖のある方の歯のすり減りがきつくなっていきますからかみ合わせの高さに左右差が出てきます。そうすると顔をみると目の開き具合に左右で違っていたり、肩の上がり方が左右で違っていたりします。写真撮るときにカメラマンからどちらかの肩を上げてくださいと言われたことはありませんか?自分では普通にしているつもりなのに。噛み癖があると癖のある方の筋肉が発達してきますから正面から見たときに首の太さに左右差が出てきます。そうです。ほうれい線にも左右差がでてきます。上唇に付着している筋肉は鼻の横あたりにまでつながっているのです。
どう治す
顎の関節をかみ合わせで治したり、かみ合わせのズレを治すことで顔の感じが変わることがあります。治し方には2つあって、一つはかぶせ物をやりなおすことでかみ合わせをよくすることです。ほとんどの歯がかぶせてあると適応になります。ほとんど治療していない歯だと歯を削ることになりますからお勧めできません。もう一つが矯正治療でかみ合わせをよくすることです。治療していない歯が多い場合にはこちらを選択することになります。特にマウスピースによる矯正だとかみ合わせの高さが一時的に高くなるので治療効果が比較的得やすいとされています。
プライスレス
どちらになるにせよ、顎の関節にとってどの位置が負担が少ないかをある程度知ることからになります。また治療の期間や費用はそれなりにかかります。でもそれに対して得られる恩恵、健康は何にも代えがたいのではないでしょうか。