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マウスピース矯正の3つの掟

2023年8月3日

昨今よく耳にするマウスピース矯正ですが、世に出た当初は賛否両論ありました。ワイヤーに比べると適応症が限られるとされていましたが、今では適応される症例はワイヤーによる矯正とほぼ変わらないくらいになっています。どんな治療でもそうですが長所短所があります。ワイヤー矯正と違いマウスピースを取り外して口腔内を清掃することができるので虫歯になりにくいです。見た目もパッと見では付けているのか付けていないのかがわからないほどです。半面ワイヤーに比べ歯面との密着度が劣ります。自分で取り外しができるくらいですから。素材の特性もあって歯の軸を回転させるのが比較的苦手とされています。

後ろや前に動かすことはワイヤーと比べても遜色ありません。

時間厳守

ワイヤー矯正は自分で取り外すことはできません。つまり24時間歯に力がかかっています。24時間力をかけることができます。マウスピース矯正は先ほど述べたように自分で外すことができます。24時間装着していればもちろん24時間力をかけられます。

20-4=16

20時間装着し、食事や歯ブラシなどで4時間外していると歯にかかる力は16時間ということになります。12時間装着して12時間外していると12時間分力がかかって動きますが12時間分元に戻ろうとします。ですからほとんど動かないのと等しいのです。マウスピースによる矯正を行うにはせめて日に20時間できれば22時間装着することが大前提なのです。それが一つ目の掟です。

きっちり嵌める

ワイヤー矯正は

ワイヤー矯正(ハリガネによるもの)は歯にブラケットと呼ばれる装置を付けてワイヤーと歯を一体化させます。今のワイヤーは形状記憶のものが多く、理想的な歯のならびになっています。ブラケットは歯の軸に対して垂直に付け、ワイヤーはそれに対して十字の方向に収まります。ワイヤーが元の形に戻ろうとする力が矯正力になります。ワイヤーとブラケットが外れないようにゴムかものすごく細いワイヤーでとめます。ワイヤーによる矯正は概ね一か月毎に交換することが多いです。ブラケットにワイヤーを通す空間、それをスロットルというのですがスロットルに対してワイヤーの接触面が多いと強い力を歯にかけられます。少ないと力が伝わりにくいです。

ワイヤーの形

スロットルは断面にするとコの字になっていて、ハリガネの断面が丸型より方型の方が、接触面が多くなります。はじめからスロットルに対してキチキチのワイヤーだとすごい力が歯にかかりますからとても痛いです。通常はスロットルに対して余裕のある細めの丸型ワイヤーからはじめていき、少しずつ大きくし、更に方型ワイヤーに変えていきます。ワイヤーをはじめて入れたり、形状の変わったものに交換すると歯に力がかかるので痛みを感じます。時間が経つにつれ歯が動きが少なくなるので痛みが軽減されていきます。歯の動きを見ながらワイヤーのサイズ交換やブラケットとワイヤーの一体化具合の確認のため、月に一回診療所へ来ていただくことになります。

マウスピース矯正

マウスピースの矯正は歯の形そのものでは歯に力をかけづらいので、歯の表面に様々な形の出っ張りを付けます。虫歯の治療で詰め物をするときに用いる白い材料があるのですが、それを設置し歯とマウスピースを一体化させます。適当につけるのではなくてどの方向に歯を動かしたいかを考えて一番力のかかる形と方向を1歯ずつ考えてつけていきます。1歯ずつ方向、形の違う出っ張りがあることでマウスピースと歯を一体化します。マウスピースの着脱にかなり苦労するくらいです。

痛みは少ない

マウスピースは最終の位置、ゴールの歯並びまで最初に作ります。一つのマウスピースで動かせる移動量は最大0.25㎜とされています。最初のマウスピースと次のマウスピースで同じ歯でも0.25㎜ずれたマウスピースになっています。1枚のマウスピースで移動させる歯は、すべてか、1本か、何本かは治療計画で異なります。5~7日毎に交換することが多いのです。交換するマウスピースの枚数も治療により異なります。ワイヤーよりも交換時の痛みは少ないとされています。

チューイー

マウスピース矯正ではマウスピースと歯の適合がぴったりしていることが前提で治療計画が策定されていますからマウスピースが浮き上がっていたり、出っ張りが外れていると予定通りの動きになりませんから治療がうまく進みません。悪い方向に進むこともあります。しっかり嵌めていただくために、噛み噛みしていただく材料があるのですが、マウスピースを装着していただくときにそれを必ず用いていただかなくてはなりません。

脱着には気をつけて

また出っ張りが取れていないかの確認も必要です。マウスピースを外した時にその内面についていないかを確認してください。特に外しにくい場合には。ワイヤー矯正でも歯からブラケットが外れていれば力はかかりませんし、ワイヤーが外れていたら力はかかりません。これは同じことです。しっかり装着する、これが2つ目の掟です。

 

ゴムの使用があれば必ず使う

歯を効率的に動かすため、力をかけると必ず出る反作用を打ち消すために小さなゴムを口の中で使っていただくことがあります。これはワイヤーでもマウスピースでも同じです。

力をかけると必ず同じだけの反作用の力が出ます。それを打ち消すために用います。

ワイヤーやマウスピースの力だけでは動かせない場合に用いることもあります。

治療計画上必要とされたら必ず使ってもらわないと上手く治療が進みません。

これが3つ目の掟です。

3つの掟

もちろん定期的に受診していただかなければなりませんが、マウスピース矯正の場合3つの掟を守っていただき、マウスピース交換毎にお口の写真を撮影していただき専用のアプリでこちらへ送信していただく遠隔のモニタリングをしていただければ2か月くらいの受診になることもあります。治療していることがわかりにくい矯正治療は歯でお悩みの方にとっては大きな福音であることは間違いないと思います。宇治市 歯医者 mouth piece なかむら歯科医院

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