食事は危険
小さく切れば安心と思っていませんか。嚥下に関してはある意味そうですが口腔機能を獲得させる食形態になっていないことが多いのです。高齢者の嚥下困難者の食事と子どもの離乳食、似ていると思いませんか。口腔機能に合わせた食形態の調理は大変です。
訓練できましたか
離乳食を進めていくには口腔機能が順を追って上手く獲得できなければ進みません。上唇が上手く使えないと自分の一口量がわからず口に詰め込んだり、舌を突出させて食べたりします。子どもに問題があるわけではありません。経験が足りていないのです。離乳食の時に唇を機能させる訓練ができていないのです。
ねこまんま
噛まなくて飲み込める食事ばかりでは咀嚼機能が育ちません。丸飲みの習慣がついてしまい誤嚥や窒息をおこしやすくなります。機能の落ちた高齢者はとろみが必要です。とろみをつけることで噛めない、食材をまとめれない、ことを助け高齢者が食べることができます。機能を上げていきたい子どもにこれではいけません。周りにいる大人が子供の機能獲得を妨げているのかもしれません。
流し込みはだめです
飲み込みづらいときにお茶で流し込む習慣をつけてしまうとよく噛まない習慣がみについてしまいます。ねこまんまの習慣はつけない方がよいです。ただし汁物は離乳食や幼児食に適している面もあります。すすり飲みは上口唇をしっかり使わないとできません。口を閉じてきちんと噛んで食べる習慣が育まれます。また口の周りの筋肉を鍛えるのに効果的です。与えるにしても時期を考えましょう。
よく噛ませる食材を考える
具材も手づかみできるもの、食感の違うものを入れると噛む回数もアップします。30回噛まないと飲み込めない食材を提供しましょう。そうすることで口を閉じて舌や口の周りの筋肉を上手に動かすことを覚えたり、よく噛んだ食べ物を唾液とからめ、飲み込みやすい食塊形成することを覚えます。それができないと食事の時にくちゃくちゃ音をたてたり、飲み込めない、ため込んでしまう、食べ物が口からこぼれてしまうなど口唇閉鎖不全の症状がでます。食事のトラブルの多い子供はよく噛める口に発達していません。前の段階に戻って機能獲得出来るよう大人がサポートしてあげてください。
よく噛むための3つのポイント
前歯でがぶりとできる食材を提供する
自分の前歯を使わす。具体的には包丁で切る回数を減らす。一口では口に入らないものを一品入れる。やわらかい食材はなるべくやめる。前歯でかぶりつくのは親がやってみせてあげましょう。きっと真似します。
飲み物は食後に提供する
しっかり噛んで食べる習慣につながります。
足は正座か、足がしっかり床に着く椅子で
噛む力がアップ
こ食
核家族化、共働き家庭の増加など社会の変化もありますが、家族が減ることで食が乱れているようです。この、こ食という言葉、何という漢字を当てますか?
孤食 子食 家族不在、一人で食事
個食 家族一人一人が別々に違うものを食べる
粉食 パン、パスタ、ピザなど粉を使う高カロリーの主食を好んで食べること
濃食 加工食品や外食など塩分糖分過多なものを食べる
固食 決まったもの、好きなものしか食べない
小食 1回の食事量が少ない、少量しか食べない
子どもの食事環境に問題が起こっています。子どもは環境を選ぶことはできません。出された物を食べ、用意された環境で生活しています。できることで構わないので感受性期を越えてしばらく経つまでは子どもの食事には気を配ってみてあげてください。