外国語は6歳までに
言葉の感受性期(臨界期)は0歳~9歳です。9歳までにどれだけ言語刺激を受けたかで言葉に関する神経が発達するかどうかが決まります。でも言葉を爆発的に覚えられるのは6歳がピークです。中学生で英語を覚え勉強を始めてももう遅いのです。どんなに頑張っても。
日本にいて日本語だけの生活を続けていればそれは相当に困難です。ジャン・イタールというフランス人医師が1800年代初頭に行っていたことを記載している書籍アヴェロンの野生児、という本があります。映画にもなったそうです。11歳くらいで発見された野生児に言語教育を行ったが、いくつかの言葉を発するだけで生涯人間の言葉を話すことはなかった、というのが大筋です。他にも野生のエルザなどもあります。言葉の習得には人間的接触は欠かせないのです。ですから前回のコラムに記載したことからもターザンはアニメのお話なのです。言葉を習得してから野生人になることはできます。
構音障害を知っていますか
周りの子どもや大人が話している音を聞いてその音を忠実に作り出すことができないことを構音障害といいます。例えば、きりんがきじん、さかながたかな、らっぱがなっぱ、ぱんだがぱんが、たいこがかいこ など
年長になってもうまく言えていないとこれは問題です。顎の骨や口腔関連筋の劣成長が原因となっている可能性があります。マスクしているから真似できない昨今の状況もあります。自然に治らないので様々な訓練をしなければなりません。場合によっては言語聴覚士さんの指導を受けなければなりません。ちゃんと発音できていないといじめなどの原因にもなりかねません。子どもは平気で残酷なことを言いますよね。
この構音障害の多くは脳の発達障害の症状として捉えられています。構音障害の前兆として
歯と歯の間の隙間がない
言葉の習得が遅い
お口ぽかん
を見逃さないようにしてください。脳の発達は6歳までに急激に成長します。就学までにこれらがあるなら早期に対策していかなければなりません。少なくとも赤ちゃん言葉はやめましょう。
どうやって音を出しているのか
簡単にいうと耳から入った情報を脳が理解して音を作り出す器官、声帯、唇、舌、軟口蓋(のどちんこ)、顎、歯、口蓋(うわあご)に指令を出して発語するのです。これらのうち指令の届かない器官が歯と口蓋(うわあご)です。
動く器官がちゃんと成長していても、動くことのない歯が無かったり、口蓋(上顎骨)の成長が不十分なら構音に問題がでます。また動く器官がきちんと動いてくれないとこれも問題がでます。
母音の、あいうえお は声帯の動きだけなのでそこが正常であれば問題であることはないです。
子音を作っていくのに、簡単な動きと上手く舌や歯やうわあごを使わないと動きがあります。
破裂音(ぱ ば た だ か が) これは比較的習得しやすい
摩擦音(サ行 ハ行)習得が難しい
破擦音(ち つ ちゃ ちゅ ちょ)
弾音 はじきおん、と言います。(ら行) 難しい
鼻音(ま行 にゃ行)
母親は子どもの発音に責任がある
言葉を覚えるのにも順序があって、簡単なものから順々に覚えていくのですが順番飛ばしするときちんと発音できません。マ行、パ行は早いがサ行やラ行は遅いです。
子どもがすべての音を正確に構音できる年齢は概ね5歳くらいです。サ行が言えないのは成長発達に問題があります。年長になっても さかな らっぱ パンダ キリン たいこ が上手く言えない場合は顎骨や口腔関連筋の劣成長の可能性があります。
哺乳の時期や離乳期に適切な対応をしておけばきちんと成長していきます。正しい哺乳、正しい離乳ができていないと後々子供の成長に影響を及ぼしていきます。母親になる方はその知識とその実践がとても大切なのです。0歳から2歳までの発育が構音障害の有無を決めている可能性があると心していてください。