同じ液状のため混同されやすく販売店でも並列で売られているため正しい使い方がされていないものに液体歯磨があります。洗口液は歯ブラシを使わずに適量を口に含んですすいでから吐き出すことにより口の中の浄化と口臭予防効果が期待できます。また薬用成分を配合し口腔細菌の殺菌効果も期待できる製品があります。液体歯磨は適量を口に含みブラッシングする、あるいは適量を口に含み吐き出した後ブラッシングするもので、殺菌成分の他に歯周組織健全化を期待して抗炎症成分、組織賦活成分や血流促進成分を配合しています。液体歯磨はブラッシングすることが前提となっています。それぞれの製品に洗口液か液体歯磨か明記されています。使用目的、使用方法が違いますから確認してください。
洗口液と洗口剤の違いは
洗口液はスーパーマーケット、コンビニ、薬局、ドラックストアなどで販売されている化粧品もしくは医薬部外品のことです。これ以外に医薬品として、含嗽剤と洗口剤があります。これらは使用目的も使用法も違うので混同せず正しく理解してください。剤、がつけば医薬品ですね。含嗽剤は医師もしくは歯科医師の処方が必要な医療用医薬品で、その一部は薬局やドラッグストアでも販売されています。ポピドンヨード(イソジンなど)がそれに該当します。洗口剤はフッ素洗口剤などがそれに該当します。
医薬品(含嗽剤、洗口剤)と医薬部外品および化粧品(洗口液)の最も大きな違いは目的と使用法です。医薬品は歯科医師により治療目的で処方されるもののため期間限定の使用に限られます。
洗口液はプロフェッショナルケア後の良好な状態を維持するための補完的役割を担うため継続使用が基本となります。
医薬部外品と化粧品の違いは有効成分(医薬部外品)の有無により分類されています。化粧品に分類される製品は原因を除去するわけではありませんから、その効果は一時的なものです。
洗口液の利点と課題
利点は
抗菌成分配合の洗口液では口全体の細菌数を減らすことができます。口腔疾患の原因となる細菌の塊、バイオフィルムは歯の表面だけでなく舌や咽頭、粘膜にも存在しています。口の中に占める歯の表面積の割合は25%でその他75%は舌や咽頭などの粘膜で占められています。そのため歯の表面のバイオフィルムを除去するだけでは不十分で粘膜に付着する細菌も殺菌しなければなりません。とはいえ口腔内の各部位に付着するバイオフィルムは歯面上が最も多くバイオフィルム1mgあたり約10億個、また歯の上だけでなく粘膜や舌、歯周ポケットにも約1億個の細菌が存在しています。洗口液は漱ぐだけの簡単な用法で口全体の細菌数を減らすことができます。
殺菌効果だけでなく口腔内の保湿や口臭予防に重点を置いた製品もあります。ドライマウスや口臭はその原因をつきとめ治療や症状緩和のための対応を取ったうえで洗口液を使用すると効果が得られます。歯ブラシを使うのが困難な時(外出中や災害時)や妊娠中で歯ブラシを入れると吐き気がある人など歯ブラシを使いたくても使えない時などに口の中を清潔にすることができます。
課題は
洗口液はあくまでもブラッシングやフロッシングを行った上で補助的に使用することで効果を最大限に引き出すことができます。爽快感が得られるためブラッシングしなくてもよいと思いがちですが、それは間違いです。口臭予防の効能表記もありますが、洗口するだけで口臭予防はできません。口臭の原因となっている細菌を機械的に除去しなければ効果はありません。
有効的に洗口液を使うには
様々な研究されているのですが洗口液を有効にするには、ブラッシングしてから5分以上経ってから、有効性が証明されている洗口液を10ml以上用いて1日2回30秒以上の洗口を行う、ことです。あとは長く使い続けることです。プロフェッショナルケア直後から使い続けることで効果を最大限に引き出せます。使い続けなければ意味がありません。長く使うには後味や爽快感、刺激など好みもあります。ライフステージにより使用目的が変わりますから洗口液の種類も変えなければいけません。そのアドバイスは歯科医師や歯科衛生士がさせていただきます。