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シーラントして大丈夫ですか

2023年2月23日

シーラントという言葉は日本語で小窩裂溝填塞法と言います。むし歯を予防するための柱の一つです。もう一つが言わずと知れたフッ素洗口やフッ素塗布です。今回はシーラントについての私の見解を交えお話ししたいと思います。

シーラントとは

プラスティックに似た樹脂をむし歯のできやすい場所の一つである歯の噛むところにある溝(それを小窩裂溝というのです)に詰めて、その溝にむし歯の原因となる歯垢(プラーク)や細かくなった食片が入り込んで溜まらないようにして、むし歯が発生しないようにする目的に行います。虫歯ではありませんから削ったりはしません。シーラントは進行したむし歯に対して行うものではなく、あくまで健康な歯に対して行うむし歯発生に対する予防処置です。乳歯や永久歯の生えはじめの小窩裂溝は深く複雑な形態をしていて、むし歯発生の危険性の高いからです。主に乳歯、永久歯問わず奥歯の溝に行います。
シーラント処置を行うことでその部分のむし歯の発生を予防する効果が高くなるとされています。

口の中は汚い

シーラントは先程も述べた通り、健康な歯の溝に対して行います。むし歯の治療はむし歯の部分を削り取り、健康な部分に材料を詰めて、簡単に言うと溝の周辺の歯の表面処理をして、溝に樹脂を詰めます。接着剤を使わずに処置しますから外れてくる可能性が少なからずあります。取れたからといってそれを再度行うかどうかは萌出してからの期間によって判断します。歯の萌出から時間が経ち、歯ブラシもきちんと出来、もちろん虫歯もなければ再度シーラントを行う必要はありません。まだそれほど処置して間もないなら、まだ歯ブラシに自信が無いなら、若年で口腔清掃状態がよくないなら、再度シーラントすることも検討します。

生えたての歯は弱い

萌出したての歯は、構造的に少し歯の結晶が歪んだ状態です。その状態が外部からの環境が加わって少しづつ結晶の歪みが正されていきます。口の中というのは生えはじめの歯にとって決して環境がいいわけではありません。唾液1グラムで一億個の細菌がいます。その中にはむし歯菌や歯周病菌など悪玉菌、善玉菌いろいろいます。

酸性になると良くない

食事するたびに口腔内のPHが中性から酸性に傾き、また時間をかけて中性に戻っていきます。おやつなども食事と同じです。水とかお茶とかなら良いですが、糖類の入った飲み物も口に入ると口の中が酸性になります。酸性になると歯を溶かしていきますが、唾液の力でまた中性に戻ります。口腔内が中性に戻る前にまた酸性になると酸性に傾いたままと同じですから虫歯になりやすいのです。ですからダラダラ食べ、ダラダラ飲みはよくありません。
このような環境にだんだん歯は鍛えられむし歯に対する抵抗性を備えていきます。強くなっていきます。ですが、歯垢がいっぱい付いたままとか、歯みがきがきちんとできないとか、環境を悪化させる要因が多いといくらシーラントをしても虫歯は発生してしまいます。

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唾液のちから

唾液の力も遺伝的な要素がありますから人により強い弱いがあります。唾液には口の中を中性に戻そうとする力があります。それを唾液緩衝能と言います。それは何かといえば、酸性に傾いた口腔内を中性に戻すのに、時間がかかるかかからないかということです。力があれば早く中性に戻りますし、力が弱ければ酸性になっている期間が長くなります。先天的な弱点を補いことはできません。食事の後に歯ブラシしていただいくことくらいです。フッ素洗口していただくことはとてもよいのですが、それで唾液の力が強化されるわけではありません。唾液の質を変える洗口液は残念ながらないと思います。後天的な要因を極力取り除いて少しでもむし歯になるリスクを減らしたいものです。

シーラントの弱点

先程述べたように生えた歯は環境に適応して強化されていくのですが、シーラントしている部分はバリアで守られていますからなかなか強化されていきません。例えがうまくないかもしれませんが、ペンだこってご存じでしょうか。(今はキーボードを叩いて文章を書きますからわからない方も多いかもしれません。)絶えず書き物をしているとペンの当たるところの皮膚が強くなって厚くなります。よく擦れるから身体の防御作用で表皮が厚くなります。これと似たように、絶えず刺激を受けているとそれに対して身体は部分的であっても強くなります。でも人工物でバリアされている溝の部分の歯質の強化に時間はかかります。

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シーラントの必要な方、そうでない方

むし歯への抵抗性があると判断した方は生えはじめでもシーラントは不要と私は考えています。できるだけ自然のまま強化されそうなら人の手を入れない方がいいと思うからです。
では何を診ているのでしょうか。私なりの基準をもって診断をしています。
口腔内の清掃状態(ちゃんと磨けているか)
歯並び
むし歯で治療している歯の本数
かみ合わせ
唾液の性状(さらさらかネバネバか)
溝の深さ(レーザー診断、触診)
口を閉じているか(鼻呼吸か口呼吸か)
歯の一部が白すぎていないか
です。これらを総合的に判断してシーラントするかどうかを決めています。また奥歯の溝を全部するのか、数本だけするのか、特定の歯、特定の部位だけにするのかなども判断します。
シーラントするかどうか微妙な時は、検診の間隔を短くして経過をみて、必要ならその時に行います。

歯ブラシしなくて済むわけではありません。

歯ブラシを怠けても大丈夫にするのがシーラントではありません。前歯に対して行うことは稀ですし、溝の次にむし歯になりやすい歯と歯の間にシーラントはできません。そういったところはフッ素と歯間ブラシを併用して予防を行っていきます。また歯磨きの重要性はいつだろうと変わることはありません。

虫歯になりやすいのは

虫歯になりやすい部位に実は順番があります。一番なりやすいのは下の奥歯。次に上の前歯、その次に上の奥歯です。下の前歯はなかなか虫歯になりにくいと言われています。磨きやすい部位であることと、舌の下から唾液は出るのですが、まず下の前歯の裏に唾液がぶつかるように当たります。唾液の力の効果が発揮されているのです。逆に言えばここが虫歯になっているようでは仕上げ磨きがきちんと出来ていないか、唾液の緩衝能が低いかなど虫歯への抵抗力が無さそうですので予防的処置を積極的にされることを勧めます。と同時に歯間ブラシを含めた仕上げ磨きの徹底、シーラント、フッ素塗布などありとあらゆることを行われると良いでしょう。この時期に、歯のケアはそういうものだと子供さんも思ってくれれば、成長してからの財産にもなると思います。

奥歯の溝も大事だが

シーラントできるのは今まで話してきたように歯の溝の部分です。子供は成長していくと正常であればすきっ歯になります。乳歯の大きさは変わりませんから歯と歯の間は空きます。歯磨きがちゃんと出来ず、歯と歯の間に食片や歯垢が残っているとそこから虫歯になります。仕上げ磨きの時には是非奥歯の歯と歯の間にフロス、糸ようじを通すようにしてみてください。歯と歯の間の歯面は平坦です。ツルツルです。シーラントは溝を埋めることはできますが、歯と歯の間の歯面にシーラントすることはできません。この部分の予防処置はフッ素洗口、フッ素塗布、仕上げ磨き、これ以外にはありません。できるなら親御さんの仕上げみがきでフロスをする時には、フッ素が入った歯磨剤をほんの少しつけてフロスしてください。夜間、唾液の出ない時間にフッ素を歯面に少しでも滞留させたいからです。

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