その前に妊婦健診で来院していただくのです。むし歯や歯周病のチェックさせていただくのですが哺乳の大切さ、哺乳指導させていただくようにしています。哺乳は栄養を与えるだけでなくその子供の口腔機能を獲得させる基礎となる行為となりますから、正しい知識を得て実践していただかなければなりません。哺乳の負荷や噛む刺激が赤ちゃんの正常な成長をけん引し、口のみならず全身の健康につながり健康寿命を延ばすことにもなります。すごい行為なのです。哺乳の指導はなかなか言葉で伝えることは難しいので当院にてお話させていただきます。
指しゃぶりとおしゃぶり
赤ちゃんが手を口にもっていくのは大事な過程で、本能的にストレスや不安だと指しゃぶりをします。大人へのシグナルです。大きな意味があります。一方おしゃぶりは意図的なものです。発達に合わせたいろいろな学習の機会が失われるのでやむを得ない場合以外は長時間の使用は避けるようにしましょう。
離乳食はいつからか
支えがなくて座れるか
背筋を伸ばして座れるか
手を出して何か取ろうとするか
首が座り、ヘッドコントロールができているか
スプーンを舌で押し出す状態がみられるのはよくないです。
立ち直り反応があるか、パラシュート反射はできるか
これらを確認して進めるようにしましょう
これらがクリアされて離乳食へ進めます。生まれてからこれこれの期間が経っているから、と時間で決めるのでなく、成長の度合いで進みましょう。進めないときは、口に入れても安全なおもちゃをなめさせたり、かんだりさせて唾液を飲む練習をする。ずりはいやハイハイなどの経験をさせる。などなど一歩進んで二歩進む、の心持でいてください。
食事介助 食事の提供の仕方
スプーンを舌中央、舌奥に入れていませんか、
スプーンを上唇につけたり斜め上に引き抜いていませんか。
そういうことだと舌を鍛えることはできません。お口育てに大きな差がでます。丸飲みや吸い飲み、チュチュ食べの原因になります。スプーンを下唇に触れさせて上唇が閉じるのを待ちましょう。手前で食べ物を取り込んで舌の運動を促しましょう。介助側のペースではなく子供のペースに合わせましょう。
離乳食の始まり、どちらを選ぶ
手づかみ食べ 自ら身体を使い自ら意欲をもって食べる食事
スプーン食べ 周りの大人が口にはこんであげる食事
手づかみ食べは汚れるし掃除も大変ですが今しかしません。保護者が子供の食事を見守ることが大切です。
自分で食べたいという意欲の表れです。手、口、脳の協調運動が発達。手は突き出た脳と言われ脳の発達に良い影響を与えます。また食べるときは感覚器官、目耳鼻舌脳口手が働いています。それにより本来持っている機能を使えるようにしてあげてください。
離乳食が進まない時は
9~11か月で離乳食摂取時の口唇の動きを確認し、左右への舌と口角の偏位がみられない場合、すりつぶし機能の獲得が遅れていると判断し、離乳食の形状(量、固さ)を調整してください。
12~18か月では離乳食摂食時の口唇閉鎖、舌の動きを観察し、前歯でのかじりとりや側方でのすりつぶしが行えているか確認し、食形態の修正を行う。などよく見てあげてください。
正しい哺乳を身に付けさせる
舌の前後運動
口唇の動きが出てくる
舌の上下運動、口唇が左右に伸びる
舌の左右運動、口唇が左右交互に伸びる
自ら食べる
手づかみ食べ
と順番に子どもは機能を獲得していきます。飛ばして発達はしません。ストローもマグマグもよくありません。コップ飲みの習慣を身に付けさせてください。便利なのはわかるのですけれど。家での離乳食の様子、前歯がぶりしている動画をみせていただければ、少しのアドバイスができるかと思います。